JP2000171612A - 対物レンズ、光学ヘッド及び位相補償板の製造方法 - Google Patents

対物レンズ、光学ヘッド及び位相補償板の製造方法

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JP2000171612A
JP2000171612A JP10350538A JP35053898A JP2000171612A JP 2000171612 A JP2000171612 A JP 2000171612A JP 10350538 A JP10350538 A JP 10350538A JP 35053898 A JP35053898 A JP 35053898A JP 2000171612 A JP2000171612 A JP 2000171612A
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lens
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optical
phase compensator
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Shigeo Kubota
重夫 久保田
Naoya Eguchi
直哉 江口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 対物レンズにソリッドイマージョンレンズを
採用するにあたり、当該ソリッドイマージョンレンズに
おける全反射に起因する偏光状態の分布の不均一性を解
消する。 【解決手段】 対物レンズを、入射光を収束光とするレ
ンズと、当該レンズによって収束光とされた入射光の光
路中に配された位相補償板と、当該位相補償板を通過し
てきた入射光が入射するようになされたソリッドイマー
ジョンレンズとから構成する。ここで、位相補償板は、
入射光のp偏光成分とs偏光成分との間に位相差を発生
させるとともに、当該位相差が、位相補償板を通過する
光線の傾角によって異なるようにしておく。そして、こ
の位相補償板により、ソリッドイマージョンレンズにお
ける全反射に起因する偏光状態の分布の不均一性を補正
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、入射光の波長以下
の間隔で物体に対向するように支持されるソリッドイマ
ージョンレンズを備えた対物レンズに関する。また、そ
のような対物レンズを備えた光学ヘッドに関する。ま
た、ソリッドイマージョンレンズを用いたときに生じる
偏光状態の不均一性を補正するのに好適な位相補償板の
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光を用いて記録再生が行われる記録媒体
の高記録密度化を達成する手法として、ソリッドイマー
ジョンレンズを用いてエバネッセント光を利用すること
で、回折限界以下の微小な記録ピットでの記録再生を可
能とする手法が考案されている。
【0003】例えば図30に示すように、基板100の
上に光磁気記録膜101が形成されてなる光磁気ディス
ク102の記録再生をソリッドイマージョンレンズ10
3を用いて行う際は、ソリッドイマージョンレンズ10
3に対する入射光束が、当該ソリッドイマージョンレン
ズ103のレンズ端面103a又はその近傍に焦点を結
び、その大部分が当該レンズ端面103aで全反射され
るようにする。
【0004】このとき、レンズ端面103aと光磁気デ
ィスク102との間隔t1を十分に狭めておけば、エバ
ネッセント光の一部が光磁気ディスク102と結合して
レンズ外に取り出され、当該エバネッセント光を利用し
た記録再生が可能となる。
【0005】なお、光磁気ディスク102の記録再生時
には、光磁気ディスク102を高速に回転させるため、
ソリッドイマージョンレンズ103と光磁気ディスク1
02との間には、若干の空隙が必要である。すなわち、
光磁気ディスク102の記録再生時には、ソリッドイマ
ージョンレンズ103と光磁気ディスク102との間に
空気層104が存在することとなる。
【0006】しかし、ソリッドイマージョンレンズ10
3のレンズ端面103aから発生するエバネッセント光
は、レンズ端面103aから離れるに従って指数関数的
に減衰する。したがって、エバネッセント光が光磁気デ
ィスク102に十分に結合するようにするために、ソリ
ッドイマージョンレンズ103と光磁気ディスク102
との間の空気層109の厚み(すなわちレンズ端面10
3aと光磁気ディスク102との間隔t1)は、記録再
生に使用する光の波長以下、より好ましくは光の波長の
1/4程度以下とすることが望まれる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】一般に、光磁気ディス
クに記録されている信号を再生する際は、直線偏光のレ
ーザ光を光磁気ディスクに照射する。このとき、光磁気
ディスクの光磁気記録膜で反射されて戻ってくる戻り光
の偏光状態は、光磁気記録膜固有の光学活性(極カー効
果)により、光磁気記録膜の磁化状態に応じて変化す
る。そこで、この戻り光の偏光状態を検出することで、
光磁気ディスクに記録されている信号を再生する。
【0008】このように直線偏光のレーザ光を用いて光
磁気ディスクからの信号再生を行うにあたって、上述の
ようにソリッドイマージョンレンズを用いると、エバネ
ッセント光の発生過程で、p偏光成分とs偏光成分との
間に位相差が発生する。この位相差は、光磁気記録膜固
有の光学活性(極カー効果)による偏光状態の変化に影
響するため、戻り光の偏光状態を検出することにより得
られる光磁気信号に対する外乱の要因となる。以下、こ
のような位相差について説明する。
【0009】図30に示したように、ソリッドイマージ
ョンレンズを用いてエバネッセント光を発生させる際
は、ソリッドイマージョンレンズのレンズ端面で入射光
を全反射させる。このとき、全反射面からの反射光に
は、入射角に応じた振幅変化及び位相変化が生じる。な
お、以下の説明では、この全反射のことをTIR(Total I
nternal Reflectionの略)と称する。
【0010】また、以下の説明では、ソリッドイマージ
ョンレンズのレンズ端面と光磁気ディスクとを空気層を
介して接近させた状態での全反射のことをFTIR(Frustr
atedTotal Internal Reflectionの略)と称し、TIRと区
別する。FTIRにおいても、反射光には入射角に応じた振
幅変化及び位相変化が生じる。このFTIRにおける反射光
の振幅変化及び位相変化は、TIRにおける反射光の振幅
変化及び位相変化が、光磁気ディスクの介在で影響を受
けたものである。
【0011】そこでまず、TIRにおける反射光の振幅変
化及び位相変化について、図31を参照して特に位相変
化について詳しく説明する。
【0012】図31は、TIRにおける反射光のp偏光成
分の位相φp、s偏光成分の位相φs、並びにそれらの位
相差φs−φpについて、入射角依存性を示している。図
31に示すように、TIRにおける反射光の位相は、p偏
光成分及びs偏光成分ともに、入射角がブリュースター
角に達するまでは一定である。なお、ここでは、このと
きの位相を0°と定義している。
【0013】そして、p偏光成分の位相φpは、入射角
がブリュースター角のときに180°進み、以後、入射
角が全反射角に達するまで一定である。その後、入射角
が全反射角を越えると、p偏光成分の位相は次第に遅れ
る。一方、s偏光成分の位相φsは、入射角が全反射角
に達するまで一定であり、入射角が全反射角を越えると
遅れるようになる。
【0014】したがって、TIRにおける反射光の位相差
φs−φpは、入射角がブリュースター角に達するまでは
0°、入射角がブリュースター角のときには−180
°、その後、入射角が全反射角を越えるまでは一定で、
入射角が全反射角を越えると、はじめ減少したのち増加
する。
【0015】つぎに、ソリッドイマージョンレンズのレ
ンズ端面に光磁気ディスクを近接させたときの全反射で
あるFTIRについて説明する。なお、通常、光磁気ディス
クの構造には、吸収を伴う金属反射膜が含まれるので、
厳密には、この全反射は、Attenuated Total Internal
Reflection と称するべきであるが、ここで着目してい
るのはあくまでも光学活性を有する光磁気記録膜が全反
射に及ぼす影響であるので、ここではFTIR(Frustrated
Total Internal Reflection)と称している。
【0016】光学活性を有する光磁気記録膜が全反射に
及ぼす影響を調べるには、光電磁界のベクトル場解析が
有用であり、その詳細な解析結果がアリゾナ大学 Mansu
ripur から OSA刊行の Optics and Photonics News, Oc
t. 1998に報告されている。
【0017】これによれば、一般に垂直磁化をもった光
磁気記録膜にx方向に偏光したレーザ光を入射させる
と、その反射光には、入射レーザ光の偏光方向に対して
直交するy方向の偏光成分(以下、直交偏光成分と称す
る。)が含まれる。このとき、レーザ光の集光に用いる
対物レンズが、ソリッドイマージョンレンズを使用して
いないタイプの対物レンズならば(すなわち、エバネッ
セント光を利用するタイプの対物レンズでないなら
ば)、上記直交偏光成分の位相が、入射角によって顕著
に変化するようなことはない。したがって、反射光に含
まれる直交偏光成分の対物レンズ出射瞳上での位相の分
布は、ほぼ一様である。
【0018】なお、光磁気記録膜の垂直磁化の向きが反
転すると、直交偏光成分の位相が180°シフトする。
この位相変化を偏光プリズム等を用いて分離し検出する
ことで、ドメイン単位の磁化の反転を検出することがで
きる。これが、光磁気ディスクの信号再生の基本原理で
ある。そして、反射光に含まれる直交偏光成分の対物レ
ンズ出射瞳上での位相の分布が一様であるならば、直交
偏光成分の位相変化を偏光プリズム等を用いて分離し検
出することは容易に可能である。
【0019】一方、ソリッドイマージョンレンズを用い
てエバネッセント光で光磁気ディスクの再生を行おうと
した場合、前述のMansuripurによれば、反射光の偏光状
態が入射角によって変化して、対物レンズ出射瞳上での
分布が一様でなくなる。すなわち、ソリッドイマージョ
ンレンズを用いた場合は、反射光の偏光状態が対物レン
ズ出射瞳上で不均一なものとなる。この場合も、光磁気
記録膜の垂直磁化の向きが反転すると、直交偏光成分の
位相は全体としては180°シフトする。しかし、不均
一な偏光状態のもとでは、反射光の直交偏光成分の位相
変化を偏光プリズム等を用いて分離し検出することは困
難である。
【0020】ここで、ソリッドイマージョンレンズのレ
ンズ端面に光磁気ディスクを近接させた状態で、直線偏
光のレーザ光をソリッドイマージョンレンズに入射した
ときに、当該レーザ光がソリッドイマージョンレンズの
レンズ端面で全反射されて戻ってくる戻り光について、
その対物レンズ出射瞳上における分布を計算した結果を
図32乃至図35に示す。
【0021】ただし、ここでは、ソリッドイマージョン
レンズの屈折率n=2、レーザ光の波長λ=633n
m、ソリッドイマージョンレンズのレンズ端面と光磁気
記録膜との間の空気層の厚さt1=100nmとし、開
口数NA=1.6に相当する入射角53°まで計算して
いる。
【0022】図32は、戻り光の楕円率の対物レンズ出
射瞳上での分布を濃淡で示しており、図32において、
最濃色部の黒い部分は、楕円率=0°、最淡色部の白い
部分は、楕円率=45°である。
【0023】図33は、戻り光の偏光面の回転角の対物
レンズ出射瞳上での分布を濃淡で示しており、図33に
おいて、最濃色部の黒い部分は、偏光面の回転角=−8
9°、最淡色部の白い部分は、偏光面の回転角=89°
である。
【0024】図34は、戻り光の直交偏光成分の強度の
対物レンズ出射瞳上での分布を濃淡で示しており、図3
4において、最濃色部の黒い部分は、直交偏光成分の相
対強度Ey 2=0、最淡色部の白い部分は直交偏光成分の
相対強度Ey 2=0.65である。
【0025】図35は、戻り光の直交偏光成分の強度の
うち、純粋に光磁気記録膜の光学活性によって発生した
直交偏光成分の強度について、その対物レンズ出射瞳上
での分布を濃淡で示している。
【0026】図32乃至図35からも分かるように、ソ
リッドイマージョンレンズを用いた場合、戻り光の偏光
状態は、対物レンズ出射瞳上において一様ではなく、不
均一なものとなっている。
【0027】対物レンズ出射瞳上における偏光状態の不
均一さの程度は、ソリッドイマージョンレンズのレンズ
端面と光磁気記録膜との間の空気層の厚さや、ソリッド
イマージョンレンズに入射する光の入射角の最大値(入
射角の最大値は通常は開口数で規定される。)などに依
存する。
【0028】したがって、戻り光の偏光状態の分布を極
力均一化しようとすると、空気層の厚さや開口数などに
制限が生じ、非常に厳しい制約を受けることとなる。そ
して、このような制約が、ソリッドイマージョンレンズ
の実用化を図る上で大きな障害となっている。換言すれ
ば、空気層の厚さや開口数などを厳しく制約することな
く、反射光の偏光状態の分布を均一化することが、ソリ
ッドイマージョンレンズを実用化する上で、解決しなけ
ればならない課題となっている。
【0029】本発明は、以上のような従来の実情に鑑み
て提案されたものであり、ソリッドイマージョンレンズ
を採用しつつ、当該ソリッドイマージョンレンズにおけ
る全反射に起因する戻り光の偏光状態の不均一性を解消
した対物レンズを提供することを目的としている。ま
た、本発明は、ソリッドイマージョンレンズを採用しつ
つ、当該ソリッドイマージョンレンズにおける全反射に
起因する戻り光の偏光状態の不均一性を解消した光学ヘ
ッドを提供することも目的としている。また、本発明
は、ソリッドイマージョンレンズを用いたときに生じる
偏光状態の不均一性を補正するのに好適な位相補償板の
製造方法を提供することも目的としている。
【0030】
【課題を解決するための手段】本発明に係る対物レンズ
は、入射光を収束光とするレンズと、上記レンズによっ
て収束光とされた入射光の光路中に配された位相補償板
と、上記位相補償板を通過してきた入射光が入射するよ
うになされており当該入射光の波長以下の間隔で物体に
対向するように支持されるソリッドイマージョンレンズ
とを備える。この対物レンズにおいて、上記位相補償板
は、入射光のp偏光成分とs偏光成分との間に位相差を
発生させるとともに、当該位相差が、通過する光線の傾
角によって異なるようになされる。
【0031】以上のような本発明に係る対物レンズで
は、ソリッドイマージョンレンズのレンズ端面で全反射
されて戻ってきた戻り光の偏光状態の分布を、位相補償
板により均一化することができる。
【0032】また、本発明に係る光学ヘッドは、記録及
び/又は再生に使用する光の波長以下の間隔で記録媒体
に対向するように支持されるソリッドイマージョンレン
ズと、記録及び/又は再生に使用する光の光路中に配さ
れた位相補償板とを備える。ここで、位相補償板は、記
録及び/又は再生に使用する光のp偏光成分とs偏光成
分との間に位相差を発生させるとともに、当該位相差
が、通過する光線の傾角によって異なるようになされ
る。
【0033】そして、この光学ヘッドでは、ソリッドイ
マージョンレンズの端面からのエバネッセント光を用い
て、記録媒体に対する記録及び/又は再生を行うととも
に、位相補償板により、記録及び/又は再生に使用する
光のp偏光成分とs偏光成分との間に位相差を発生させ
る。
【0034】以上のような本発明に係る光学ヘッドで
は、ソリッドイマージョンレンズのレンズ端面で全反射
されて戻ってきた戻り光の偏光状態の分布を、位相補償
板により均一化することができる。
【0035】また、本発明に係る位相補償板の製造方法
において、製造の対象となる位相補償板は、表面が曲面
形状とされ、入射光のp偏光成分とs偏光成分との間に
位相差を発生させるとともに、当該位相差が、通過する
光線の傾角によって異なるようになされたものである。
そして、本発明に係る位相補償板の製造方法では、先
ず、位相補償板材料上にレジスト層を形成する。次に、
上記レジスト層を、所望する位相補償板の面形状に対応
するように露光強度分布を持たせた光又は電子線により
露光する。次に、上記レジスト層を現像して、レジスト
層の表面形状を、所望する位相補償板の面形状に対応し
た形状とする。そして、上記位相補償板材料を上記レジ
スト層とともにエッチングして、位相補償板材料の表面
を所定の曲面形状とすることで、表面が曲面形状とされ
た位相補償板を製造する。
【0036】以上のような本発明に係る位相補償板の製
造方法によれば、ソリッドイマージョンレンズのレンズ
端面で全反射されて戻ってきた戻り光の偏光状態の分布
を均一化するのに好適な位相補償板を容易に且つ精度良
く製造することができる。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0038】<対物レンズ>本発明を適用した対物レン
ズの一構成例を図1に示す。この対物レンズ1は、基板
2の上に光磁気記録膜3が形成されてなる光磁気ディス
ク4に対して記録再生を行う光学ヘッド用の対物レンズ
であり、レンズ5と、位相補償板6と、ソリッドイマー
ジョンレンズ7とを備える。
【0039】この対物レンズ1を用いるときは、ソリッ
ドイマージョンレンズ7のレンズ端面7aを光磁気ディ
スク4に近接させ、当該レンズ端面7aと光磁気ディス
ク4との間に存在する空気層の厚さtを、対物レンズ1
に入射する光の波長以下とする。
【0040】なお、空気層の厚さtを対物レンズ1に入
射する光の波長以下とすることは、例えば、磁気ディス
クにおいて使用されているフライングヘッドの技術を流
用することで実現可能である。すなわち、浮上型スライ
ダに対物レンズ1を搭載してフライングヘッドを構成
し、光磁気ディスク4を高速で回転させる。このとき、
フライングヘッドと光磁気ディスク4との間に流れる空
気流により、フライングヘッドが僅かに浮上する。そし
て、この浮上量が対物レンズ1に入射する光の波長以下
となるようにしておけば、ソリッドイマージョンレンズ
7のレンズ端面7aと光磁気ディスク4との間に存在す
る空気層の厚さtを、対物レンズ1に入射する光の波長
以下とすることができる。
【0041】そして、この対物レンズ1を用いるとき
は、このようにソリッドイマージョンレンズ7のレンズ
端面7aを光磁気ディスク4に近接させた状態で、直線
偏光平行光束のレーザ光Lをレンズ5に入射する。この
入射レーザ光Lは、レンズ5によって収束光とされた上
で、位相補償板6を介して、ソリッドイマージョンレン
ズ7に入射する。
【0042】ここで、ソリッドイマージョンレンズ7
は、光入射面7bが半球状の曲面とされており、光磁気
ディスク4に対向する側のレンズ端面7aが平面とされ
ている。そして、入射レーザ光Lは、ほぼ半球状の曲面
とされたソリッドイマージョンレンズ7の光入射面7b
に対してほぼ垂直に入射し、ソリッドイマージョンレン
ズ7のレンズ端面7a又はその近傍に焦点を結び、その
大部分が当該レンズ端面7aで全反射される。
【0043】ここで、ソリッドイマージョンレンズ7
は、レンズ端面7aが光磁気ディスク4に近接するよう
に配置されている。したがって、レンズ端面7aから発
生するエバネッセント光の一部が光磁気ディスク4と結
合してレンズ外に取り出され、光磁気ディスク4の光磁
気記録膜3の影響を受けることとなる。その結果、ソリ
ッドイマージョンレンズ7のレンズ端面7aで全反射さ
れて戻ってくる戻り光には、光磁気ディスク4の光磁気
記録膜3の光学活性(極カー効果)に起因する直交偏光
成分が含まれることとなる。
【0044】この戻り光は、入射レーザ光Lとは逆の経
路を辿り、ソリッドイマージョンレンズ7、位相補償板
6及びレンズ5をこの順に通過して、対物レンズ1から
出射する。そして、この戻り光の偏光状態を検出するこ
とで、光磁気ディスク4に記録されている信号が再生さ
れる。
【0045】具体的には、光磁気記録膜3の垂直磁化の
向きが反転すると、戻り光に含まれる直交偏光成分の位
相が180°シフトするので、この位相変化を、例えば
偏光プリズムを用いて分離し、光検出器で検出する。こ
のように戻り光に含まれる直交偏光成分の位相変化を検
出した信号が光磁気信号である。そして、この光磁気信
号により、光磁気記録膜3のドメイン単位の磁化の反転
が検出され、これにより、光磁気ディスク4に記録され
ている信号が再生される。
【0046】上記対物レンズ1において、レンズ5によ
って収束光とされた入射レーザ光Lの光路中に配された
位相補償板6は、当該位相補償板6に入射した光のp偏
光成分とs偏光成分との間に位相差を発生させるととも
に、当該位相差が、通過する光線の傾角によって異なる
ようになされている。そして、上記対物レンズ1では、
このような位相補償板6を用いることで、戻り光の偏光
状態の分布の均一化を図っている。
【0047】この位相補償板6の一例を図2に示す。図
2に示す位相補償板6は、入射レーザ光Lの波長に比べ
て十分に厚い基板8の上に、当該基板8よりも屈折率が
低い光学部材9が配されてなり、且つ当該光学部材9の
基板8に接していない方の面9aが非平面とされてい
る。なお、この位相補償板6は、入射レーザ光Lの波長
域において、十分に高い透過率を持つことが好ましい。
【0048】この位相補償板6において、基板8の材料
は、屈折率が高いものが好ましく、例えばニオブ酸リチ
ウム(no=2.287,ne=2.203)が好適である。一方、基板
8の上に配する光学部材9は、基板8に比べて屈折率が
小さいものが好ましい。また、この光学部材9は、光学
的に均一な光学材料、又は一軸性光学結晶が好適であ
る。
【0049】具体的には、光学部材9の材料として好適
な、屈折率が小さく光学的に均一な光学材料としては、
例えば弗化マグネシウム(n=1.38)が挙げられる。ま
た、光学部材9の材料として好適な、屈折率が小さな一
軸性光学結晶としては、例えば水晶が挙げられる。な
お、この光学部材9として、一軸性光学結晶を用いる場
合は、その光学軸をソリッドイマージョンレンズ7の光
軸に対して平行に配置することが望ましい。
【0050】この位相補償板6は、図1に示したよう
に、レンズ5とソリッドイマージョンレンズ7との間に
配される。したがって、この位相補償板6には、入射レ
ーザ光Lの往路において、レンズ5によって収束光とさ
れた入射レーザ光が入射するとともに、当該入射レーザ
光がソリッドイマージョンレンズ7のレンズ端面7aで
全反射されて戻ってくる復路において、発散光となって
戻ってきた戻り光が入射する。
【0051】この位相補償板6は、当該位相補償板6に
入射した光のp偏光成分とs偏光成分との間に位相差を
発生させるとともに、当該位相差が、通過する光線の傾
角によって異なるようになされている。したがって、上
述のように位相補償板6に入射する入射レーザ光及び戻
り光は、位相補償板6を通過するときに、当該位相補償
板6を通過する光線の傾角によって異なる位相差を受け
ることとなる。
【0052】そして、上記対物レンズ1では、このよう
な位相差を位相補償板6によって発生させることで、戻
り光の偏光状態の分布の均一化を図っている。すなわ
ち、ソリッドイマージョンレンズ7のレンズ端面7aで
入射レーザ光Lを全反射させたとき、全反射面からの反
射光には入射角に応じた位相変化が生じるが、上記対物
レンズ1では、このような位相変化を位相補償板6によ
って打ち消すことで、戻り光の偏光状態の分布が均一に
なるようにしている。
【0053】ところで、光磁気ディスク4に記録されて
いる信号を再生する際は、上述したように、例えば偏光
プリズムと光検出器を用いて、戻り光に含まれる直交偏
光成分の強度を検出する。このように直交偏光成分の強
度を検出するとき、 Ey=Ey0+ΔE であるから、光の周波数で時間平均をとると、 <I>=<Iy0>+<ΔIy>+|Ey0ΔEy|cos{φ
y0Δy} となる。なお、上記式の右辺の最初2項は直流バイアス
成分を表しており、第3項は光磁気信号を表している。
上記式より、φy0とφΔyが一様なほど高い変調度の光
磁気信号が得られることが分かる。
【0054】そして、上記対物レンズ1において、位相
補償板6は、当該位相補償板6に入射した光のp偏光成
分とs偏光成分との間に位相差を発生させるとともに、
当該位相差が、位相補償板6を通過する光線の傾角によ
って異なるようになされている。換言すれば、位相補償
板6は、収束光や発散光が入射されたとき、その入射角
に応じて異なる位相差を与える。したがって、位相補償
板6には、上記式右辺第3項の余弦の偏角に含まれる不
均一性を均一化する効果がある。したがって、位相補償
板6を用いることで、光磁気信号の変調度を高めること
が可能となる。
【0055】つぎに、比較例として位相補償板6を用い
ていない対物レンズについて説明し、その後、位相補償
板6を用いた本発明に係る対物レンズ1の具体的な実施
例について説明する。なお、以下に説明する比較例及び
実施例では、ソリッドイマージョンレンズ7に入射する
入射レーザ光の入射角を約40°までに制限し、ソリッ
ドイマージョンレンズ7の有効開口数を1.3とした。
【0056】<比較例>まず、対象となる光磁気ディス
ク4の構成を図3に示す。図3に示すように、光磁気デ
ィスク4は、基板2の上に光磁気記録膜3が形成されて
なる。ここで、光磁気記録膜3は、光反射膜10と、第
1の誘電体膜11と、磁性膜12と、第2の誘電体膜1
3とがこの順に積層形成された多層膜からなる。
【0057】ここで、光反射膜10は、複素屈折率
(n,k)=(1.4,7.6)のAlからなり、膜厚
が25nmであるとした。第1の誘電体膜11は、屈折
率n=2.0のSiNからなり、膜厚が30nmである
とした。第2の誘電体膜13は、屈折率n=2.0のS
iNからなり、膜厚が100nmであるとした。また、
磁性膜12は、膜厚が25nmであるとし、当該磁性膜
12の磁化方向によって下記式(1−1)又は(1−
2)で表される誘電体テンソルの各成分が、ε=−8+
27i,ε’=0.6−0.2iであるとした。
【0058】
【数1】
【0059】このような条件において、図1に示した対
物レンズ1から位相補償板6を除いた場合について、光
磁気ディスク4とソリッドイマージョンレンズ7との間
の空気層の厚さtと、光磁気信号の変調度との関係を調
べた。結果を図4に示す。
【0060】図4に示すように、位相補償板6が無い場
合、光磁気信号の変調度は、空気層の厚さtが25nm
付近のときに極大となる。そして、空気層の厚さtが厚
くなると、光磁気信号の変調度は減少し、例えば、空気
層の厚さtが100nmの場合、当該変調度は6%以下
にまで減少してしまう。これは、空気層の影響により、
戻り光の偏光状態の分布に不均一性が生じるためであ
る。
【0061】ところで、上記対物レンズ1において、空
気層の厚さtを対物レンズ1に入射する光の波長以下と
することは、上述したように、磁気ディスクにおいて使
用されているフライングヘッドの技術を流用することで
実現可能である。しかしながら、フライングヘッドの技
術を流用したとしても、ソリッドイマージョンレンズ7
のレンズ端面7aと光磁気ディスク4とをあまりに近づ
けて保持することは困難である。
【0062】例えば、空気層の厚さtが100nmなら
ば、その厚さを一定に保持することは比較的に容易であ
るが、空気層の厚さtを25nmとして、その厚さを一
定に保持することは、プラスチック等からなる基板2の
平坦性等を考慮すると、非常に困難である。すなわち、
位相補償板6が無い場合、空気層の厚さtを約25nm
とすれば、光磁気信号については高い変調度が得られる
が、この状態で対物レンズ1を安定に支持して使用する
ことは非常に困難である。一方、空気層の厚さtを10
0nmとすれば、対物レンズ1を安定に支持して使用す
ることは容易であるが、この場合は、光磁気信号の変調
度が大幅に減少してしまう。
【0063】<実施例1>本実施例では、図1に示した
対物レンズ1のように、入射レーザ光Lを収束光とする
レンズ5と、ソリッドイマージョンレンズ7との間に位
相補償板6を配置した。なお、対象となる光磁気ディス
ク4には、上述の比較例と同様のものを使用した。ま
た、本実施例では、ソリッドイマージョンレンズ7のレ
ンズ端面7aと光磁気ディスク4との間の空気層の厚さ
t=100nmとした。
【0064】本実施例で用いた位相補償板6は、図2に
示したように、入射レーザ光Lの波長に比べて十分に厚
い基板8に、一方の面が曲面とされた光学部材9が接合
されてなる。この基板8は、屈折率n=2で光学的に一
様な光学材料を平行平板状に加工したものである。な
お、この位相補償板6の前段に配置されるレンズ5は、
位相補償板6を光線が通過するときに発生する球面収差
を十分に補正するように設計しておいた。
【0065】一方、基板8に接合された光学部材9に
は、一軸性光学結晶である水晶を使用した。このとき、
光学部材の屈折率n=1.5、複屈折量=0.0088
である。また、一軸性光学結晶からなる光学部材9は、
その光学軸がソリッドイマージョンレンズ7の光軸に対
して平行となるようにした。そして、この光学部材9の
一方の面を平面として基板8に接合し、他方の面9a
(以下、ソリッドイマージョンレンズ対向面9aと称す
る。)を曲面とした。
【0066】本実施例において、位相補償板6のソリッ
ドイマージョンレンズ対向面9aは、光軸を中心とした
回転対称の曲面とし、位相補償板6を構成する光学部材
9に入射する光線の傾角をθとしたとき、基準面からの
高さZが下記式(2−1)で表されるような面形状とし
た。すなわち、光学部材9の空気に接する側の端面形状
は、着目する光線の入射角がθのとき、下記式(2−
1)で表されるsinθの多項式の形となっている。
【0067】 Z=225-174sinθ-107.173sin2θ+1574.94sin4θ ・・・(2−1) なお、ここでは、位相補償板6の光軸に垂直な面のう
ち、光学部材9に接している基板8の表面を基準面とし
ている。また、上記式(2−1)において、各係数の単
位はnmであり、tanθは相対瞳半径を意味している。
【0068】また、図5に、上記式(2−1)で表され
るソリッドイマージョンレンズ対向面9aの面形状をプ
ロットした図を示す。図5において、横軸は相対瞳半径
を示しており、縦軸は基準面(すなわち基板8の表面)
からのソリッドイマージョンレンズ対向面9aの高さ
(サグ)を示している。
【0069】このような位相補償板6を用いた場合、ソ
リッドイマージョンレンズ7のレンズ端面7aで全反射
されて戻ってくる戻り光の対物レンズ出射瞳上における
分布を計算した結果を図6乃至図8に示す。
【0070】図6は、戻り光の楕円率の対物レンズ出射
瞳上での分布を濃淡で示しており、図6において、最濃
色部の黒い部分は、楕円率=0°、最淡色部の白い部分
は、楕円率=35.6°である。
【0071】図7は、戻り光の偏光面の回転角の対物レ
ンズ出射瞳上での分布を濃淡で示しており、図7におい
て、最濃色部の黒い部分は、偏光面の回転角=−6°、
最淡色部の白い部分は、偏光面の回転角=37.4°で
ある。
【0072】図8は、戻り光の直交偏光成分の強度の対
物レンズ出射瞳上での分布を濃淡で示しており、図8に
おいて、最濃色部の黒い部分は、直交偏光成分の相対強
度Ey 2=0、最淡色部の白い部分は直交偏光成分の相対
強度Ey 2=0.13である。
【0073】図6乃至図8と、位相補償板を用いていな
い場合の偏光状態の分布を示した図32乃至図34との
比較から、位相補償板6を用いた本実施例では、ソリッ
ドイマージョンレンズ7のレンズ端面7aで全反射され
て戻ってくる戻り光の対物レンズ出射瞳上における偏光
状態の分布が均一化されていることが分かる。
【0074】また、本実施例では、光磁気信号の変調度
が約10%となった。これは、図4からも分かるよう
に、位相補償板6が無い場合において空気層の厚さtを
75nmとしたときの変調度よりも良い値である。すな
わち、位相補償板6を用いた本実施例では、空気層の厚
さtを100nmとしても、約10%と比較的に高い変
調度の光磁気信号を得ることが可能となっている。
【0075】<実施例2>本実施例では、実施例1と同
様に、入射レーザ光Lを収束光とするレンズ5と、ソリ
ッドイマージョンレンズ7との間に位相補償板6を配置
した。
【0076】そして、本実施例では、位相補償板6のソ
リッドイマージョンレンズ対向面9aの面形状を、光軸
を中心とした回転対称の曲面とし、位相補償板6を構成
する光学部材9に入射する光線の傾角をθとしたとき、
基準面からの高さZが下記式(2−2)で表されるよう
な面形状とした。その他の条件は実施例1と同様とし
た。
【0077】 Z=245-189sinθ-114.088sin2θ+1488.38sin4θ ・・・(2−2) なお、ここでは、実施例1と同様、位相補償板6の光軸
に垂直な面のうち、光学部材9に接している基板8の表
面を基準面としている。また、上記式(2−2)におい
て、各係数の単位はnmであり、tanθは相対瞳半径を
意味している。
【0078】図9に、上記式(2−2)で表されるソリ
ッドイマージョンレンズ対向面9aの面形状をプロット
した図を示す。図9において、横軸は相対瞳半径を示し
ており、縦軸は基準面(すなわち基板8の表面)からの
ソリッドイマージョンレンズ対向面9aの高さ(サグ)
を示している。
【0079】このような位相補償板6を用いた場合、ソ
リッドイマージョンレンズ7のレンズ端面7aで全反射
されて戻ってくる戻り光の対物レンズ出射瞳上における
分布を計算した結果を図10及び図11に示す。
【0080】図10は、戻り光の楕円率の対物レンズ出
射瞳上での分布を濃淡で示しており、図10において、
最濃色部の黒い部分は、楕円率=0°、最淡色部の白い
部分は、楕円率=37°である。また、図11は、戻り
光の偏光面の回転角の対物レンズ出射瞳上での分布を濃
淡で示しており、図11において、最濃色部の黒い部分
は、偏光面の回転角=−6.8°、最淡色部の白い部分
は、偏光面の回転角=39.5°である。
【0081】図10及び図11と、位相補償板を用いて
いない場合の偏光状態の分布を示した図32及び図33
との比較から、位相補償板6を用いた本実施例では、ソ
リッドイマージョンレンズ7のレンズ端面7aで全反射
されて戻ってくる戻り光の対物レンズ出射瞳上における
偏光状態の分布が均一化されていることが分かる。
【0082】また、本実施例では、光磁気信号の変調度
が10%以上となった。これは、図4からも分かるよう
に、位相補償板6が無い場合において空気層の厚さtを
75nmとしたときの変調度よりも良い値である。すな
わち、位相補償板6を用いた本実施例では、空気層の厚
さtを100nmとしても、10%以上と比較的に高い
変調度の光磁気信号を得ることが可能となっている。
【0083】<実施例3>図3に示した光磁気ディスク
4の光磁気記録膜3の構成の中で、屈折率n=2の第2
の誘電体膜13(すなわち最上層の薄膜)の膜厚を、1
00nmから変化させ、その他については、実施例1と
同様とした。そして、光磁気信号の変調度について、第
2の誘電体膜13の膜厚に対する依存性を調べた。結果
を図12に示す。
【0084】図12に示すように、第2の誘電体膜13
の膜厚によって、光磁気信号の変調度が変化する。特
に、第2の誘電体膜13の膜厚が92.5nmのときに
は、第2の誘電体膜13の膜厚が100nmのときに比
べて、光磁気信号の変調度が約20%も改善され、光磁
気信号の変調度は約12%になった。
【0085】また、第2の誘電体膜13の膜厚を92.
5nmとしたとき、ソリッドイマージョンレンズ7のレ
ンズ端面7aで全反射されて戻ってくる戻り光の対物レ
ンズ出射瞳上における楕円率の分布を計算した結果を図
13に示す。なお、図13は、戻り光の楕円率の対物レ
ンズ出射瞳上での分布を濃淡で示しており、図13にお
いて、最濃色部の黒い部分は、楕円率=0°、最淡色部
の白い部分は、楕円率=28.5°である。
【0086】図13から分かるように、位相補償板6を
使用し、且つ第2の誘電体膜13の膜厚を最適化するこ
とで、ソリッドイマージョンレンズ7のレンズ端面7a
で全反射されて戻ってくる戻り光の偏光状態の分布は非
常に均一なものとなる。その結果、空気層の厚さtを1
00nm程度確保しつつ、約12%と非常に高い変調度
の光磁気信号を得ることが可能となる。
【0087】<実施例4>位相補償板6を構成する光学
部材9として、一軸性光学結晶の代わりに、屈折率n=
1.5の光学的に均一な光学材料を用いた。また、位相
補償板6のソリッドイマージョンレンズ対向面9aの面
形状は、実施例2と同様とした。また、図3に示した光
磁気ディスク4の光磁気記録膜3の構成の中で、屈折率
n=2の第2の誘電体膜13(すなわち最上層の薄膜)
の膜厚を92.5nmとした。その他の条件は、実施例
2と同様とした。
【0088】このような条件において、ソリッドイマー
ジョンレンズ7のレンズ端面7aで全反射されて戻って
くる戻り光の対物レンズ出射瞳上における楕円率の分布
を計算した結果を図14に示す。なお、図14は、戻り
光の楕円率の対物レンズ出射瞳上での分布を濃淡で示し
ており、図14において、最濃色部の黒い部分は、楕円
率=0°、最淡色部の白い部分は、楕円率=28.3°
である。
【0089】図14から分かるように、光学的に均一な
光学材料だけからなる位相補償板6を使用した場合も、
ソリッドイマージョンレンズ7のレンズ端面7aで全反
射されて戻ってくる戻り光の偏光状態の分布は、かなり
均一なものとなる。そして、このときの光磁気信号の変
調度は、約11.4%であった。すなわち、光学的に均
一な光学材料だけからなる位相補償板6を使用した場合
も、第2の誘電体膜13の膜厚を最適化しておけば、約
11.4%と非常に高い変調度の光磁気信号を得ること
が可能となる。
【0090】<実施例5>本実施例では、実施例1乃至
4と同様に、入射レーザ光Lを収束光とするレンズ5
と、ソリッドイマージョンレンズ7との間に位相補償板
6を配置した。なお、対象となる光磁気ディスク4に
は、実施例4と同様に、第2の誘電体膜13の膜厚を9
2.5nmとしたものを使用した。また、本実施例で
は、ソリッドイマージョンレンズ7のレンズ端面7aと
光磁気ディスク4との間の空気層の厚さt=100nm
とした。
【0091】本実施例で用いた位相補償板6は、図2に
示したように、入射レーザ光Lの波長に比べて十分に厚
い基板8の上に、一方の面が曲面とされた光学部材9が
配されてなる。
【0092】そして、本実施例では、基板8として、屈
折率n=2で光学的に一様な光学材料を平行平板状に加
工したものを用いた。なお、この位相補償板6の前段に
配置されるレンズ5は、位相補償板6を光線が通過する
ときに発生する球面収差を十分に補正するように設計し
ておいた。
【0093】一方、基板8の上に配される光学部材9に
は、低屈折率で光学的に均一な光学材料である弗化マグ
ネシウムを用いた。このとき、光学部材の屈折率n=
1.38である。そして、この光学部材9の一方の面を
平面とし、ソリッドイマージョンレンズ対向面9aを曲
面とした。
【0094】なお、本実施例では、このような位相補償
板6を、基板8の上に弗化マグネシウムを堆積させ、そ
の後、その表面をエッチングして以下に示すような曲面
形状とすることで作製した。
【0095】本実施例において、位相補償板6のソリッ
ドイマージョンレンズ対向面9aは、光軸を中心とした
回転対称の曲面とし、位相補償板6を構成する光学部材
9に入射する光線の傾角をθとしたとき、基準面からの
高さZが下記式(2−3)で表されるような面形状とし
た。
【0096】 Z=281.75-164.43sinθ-74.1571sin2θ+1860.48sin4θ ・・・(2−3) なお、ここでは、実施例1と同様、位相補償板6の光軸
に垂直な面のうち、光学部材9に接している基板8の表
面を基準面としている。また、上記式(2−3)におい
て、各係数の単位はnmであり、tanθは相対瞳半径を
意味している。
【0097】また、図15に、上記式(2−3)で表さ
れるソリッドイマージョンレンズ対向面9aの面形状を
プロットした図を示す。図15において、横軸は相対瞳
半径を示しており、縦軸は基準面からのソリッドイマー
ジョンレンズ対向面9aの高さ(サグ)を示している。
【0098】このような位相補償板6を用いた場合、ソ
リッドイマージョンレンズ7のレンズ端面7aで全反射
されて戻ってくる戻り光の対物レンズ出射瞳上における
分布を計算した結果を図16乃至図18に示す。
【0099】図16は、戻り光の楕円率の対物レンズ出
射瞳上での分布を濃淡で示しており、図16において、
最濃色部の黒い部分は、楕円率=0°、最淡色部の白い
部分は、楕円率=39.6°である。
【0100】図17は、戻り光の偏光面の回転角の対物
レンズ出射瞳上での分布を濃淡で示しており、図17に
おいて、最濃色部の黒い部分は、偏光面の回転角=−9
°、最淡色部の白い部分は、偏光面の回転角=47.5
°である。
【0101】図18は、戻り光の直交偏光成分の強度に
ついて、その対物レンズ出射瞳上での分布を濃淡で示し
ており、図18において、最濃色部の黒い部分は、直交
偏光成分の相対強度Ey 2=0.09、最淡色部の白い部
分は直交偏光成分の相対強度Ey 2=0である。
【0102】図16乃至図18と、位相補償板を用いて
いない場合の偏光状態の分布を示した図32乃至図34
との比較から、位相補償板6を用いた本実施例では、ソ
リッドイマージョンレンズ7のレンズ端面7aで全反射
されて戻ってくる戻り光の対物レンズ出射瞳上における
偏光状態の分布が、非常に均一化されていることが分か
る。
【0103】そして、本実施例では、光磁気信号の変調
度が約12.3%となった。これは、図4からも分かる
ように、位相補償板6が無い場合において空気層の厚さ
tを50nmとしたときの変調度に近い値である。すな
わち、位相補償板6を用い、且つ第2の誘電体膜13の
膜厚を最適化した本実施例では、空気層の厚さtを10
0nmとしても、約12.3%と非常に高い変調度の光
磁気信号を得ることが可能となっている。
【0104】<位相補償板を構成する光学部材で発生す
る球面収差について>上記位相補償板6を構成する光学
部材9は、上記実施例のように、数100nm程度の厚
さとすることが好ましい。このとき、対物レンズ1の開
口数があまり大きくなければ、この光学部材9で発生す
る球面収差は無視できる。しかし、対物レンズ1の開口
数が大きくなると、位相補償板6を構成している基板8
で発生する球面収差の他に、数100nm程度の厚さで
あっても、光学部材9で発生する球面収差も無視できな
くなる。以下、この光学部材9で発生する球面収差につ
いて説明する。
【0105】位相相補償板9を配置する位置をソリッド
イマージョンレンズ7のレンズ端面7aから計り、その
長さを光学長に換算した値をfとすると、傾角θで位相
補償板6に入射する光線は、光軸からr=f・tanθだ
け離れた点を通過する。ここで、位相補償板6を構成す
る光学部材9の厚さが数100nm程度であり、f=1
mm程度であれば、光学部材9の厚み変化に対応する面
の勾配は、ほぼ無視できる。
【0106】したがって、位相補償板6を構成する光学
部材9の屈折率をn’としたとき、当該光学部材9の内
部における光線の傾角θ’は、屈折の法則から、sinθ
=n’sinθ’をほぼ満たすことになる。一方、半径r
の点における光学部材9の厚さをt(r)としたとき、
着目する光線の光学部材9の内部における光路差(OP
D)は、n’・t(r)/cosθ’で表される。
【0107】したがって、例えば、光学部材9の屈折率
n’=1.38、対物レンズ1の開口数NA=1.3の
とき、波長633nmを単位にして表すと、光学部材9
の内部において生じる光路差は、最大で0.85波長と
なる。そして、この程度の球面収差は、位相補償板6の
前段に配置されるレンズ5を非球面レンズ化すれば、位
相補償板6を構成する基板8で発生する球面収差と同
様、容易に補正できる。
【0108】すなわち、対物レンズ1の開口数が大き
く、位相補償板6を構成する光学部材9で発生する球面
収差を無視できない場合には、位相補償板6を構成する
基板8で発生する球面収差、並びに位相補償板6を構成
する光学部材9で発生する球面収差を、位相補償板6の
前段に配置されるレンズ5を非球面レンズ化して補正す
ることが好ましい。
【0109】<位相補償板の製造方法>つぎに、上記対
物レンズ1で使用される位相補償板6の製造方法につい
て、第1の例を図19乃至図23を参照して説明すると
ともに、第2の例を図24乃至図27を参照して説明す
る。
【0110】位相補償板6を製造する際は、先ず、図1
9に示すように、基板21の上に光学材料22が配され
た位相補償板材料23を作製する。この位相補償板材料
23は、例えば、平板状の基板21の上に当該基板21
とは屈折率の異なる光学材料22を堆積させたり、或い
は、互いに屈折率の異なる基板21と光学材料22とを
接合したりすることで作製する。
【0111】なお、互いに屈折率の異なる基板21と光
学材料22を接合して位相補償板材料23とするとき
は、例えば、一軸性光学結晶を光学軸に対して垂直に切
り出して、一軸性光学結晶の薄片を作製し、当該薄片を
光学材料22として基板21に接合することで、位相補
償板材料23とする。
【0112】次に、図20に示すように、基板21の上
に光学材料22が配されてなる位相補償板材料23の上
にレジスト層24を形成し、当該レジスト層24を、所
望する位相補償板6の面形状に対応するように露光強度
分布を持たせた電子線ビームにより露光する。このと
き、レジスト層24の露光は、露光用の電子線ビームの
強度を、所望する位相補償板6の面形状に対応するよう
に変化させながら、当該電子線ビームをレジスト層24
に直接照射して行う。
【0113】次に、図21に示すように、レジスト層2
4を現像して、当該レジスト層24の表面形状を、所望
する位相補償板6の面形状に対応した形状とする。な
お、本例においては、図20に示したように、レジスト
層24の露光を、所望する位相補償板6の面形状に対応
するように電子線ビームの強度を変化させながら、当該
電子線ビームをレジスト層24に直接照射することで行
っているので、現像されたレジスト層24の表面形状
は、所望する位相補償板6の面形状に対応した曲面形状
となる。
【0114】次に、図22に示すように、位相補償板材
料23を構成している光学材料22をレジスト層24と
ともにエッチングして、位相補償板材料23の表面を所
定の曲面形状とする。このとき、位相補償板材料23を
構成している光学材料22のエッチングレートと、レジ
スト層24のエッチングレートとをほぼ等しくしておけ
ば、レジスト層24の表面形状が、位相補償板材料23
を構成している光学材料22にそのまま転写されること
となる。なお、ここでのエッチングの手法としては、例
えば、ケミカル・アシスト・イオン・ビーム・エッチン
グ(CIBE)が好適である。
【0115】以上の工程の結果、光学材料22の表面が
曲面形状とされ、結果として、図23に示すように、基
板8の上に、当該基板8よりも屈折率が低い光学部材9
が配されてなり、且つ当該光学部材9の基板8に接して
いない方の面9aが非平面とされた位相補償板6が完成
する。
【0116】なお、上記製造方法では、レジスト層24
を露光する際に、電子線ビームの強度を直接変化させる
ことで、露光強度分布を持たせてレジスト層24を露光
した。しかし、露光強度分布を持たせてレジスト層24
を露光する手法は上記の例に限定されるものではなく、
例えば、光又は電子線の透過率に分布を持つグレースケ
ールマスクを介して、光又は電子線をレジスト層24に
照射することで、レジスト層24の露光時に露光強度分
布を持たせるようにしてもよい。グレースケールマスク
を用いた場合の製造工程の例を図24乃至図27に示
す。
【0117】この場合は、図24に示すように、基板2
1の上に光学材料22が配されてなる位相補償板材料2
3の上にレジスト層24を形成し、当該レジスト層24
を、所望する位相補償板6の面形状に対応するように露
光強度分布を持たせた光又は電子線により露光する。こ
のとき、レジスト層24の露光は、所望する位相補償板
6の面形状に対応するように光透過率又は電子線透過率
に分布を持つグレースケールマスク25を介して、レジ
スト層24に光又は電子線を照射することで行う。
【0118】なお、ここでの露光は、グレースケールマ
スク25の縮小露光、グレースケールマスク25の拡大
露光、グレースケールマスク25の密着露光の何れでも
よい。また、このようにグレースケールマスク25を用
いてレジスト層24を露光する際は、必要に応じて、ス
ッテパー、プロジェクター、コンタクトアライナー等を
用いてもよい。
【0119】次に、図25に示すように、レジスト層2
4を現像して、レジスト層24の表面形状を、所望する
位相補償板6の面形状に対応した形状とする。なお、本
例においては、図24に示したように、レジスト層24
の露光を、所望する位相補償板6の面形状に対応するよ
うに光透過率又は電子線透過率に分布を持つグレースケ
ールマスク25を介して行っているので、現像されたレ
ジスト層24の表面形状は、所望する位相補償板6の面
形状に対応した曲面形状となる。
【0120】次に、図26に示すように、位相補償板材
料23を構成している光学材料22をレジスト層24と
ともにエッチングして、位相補償板材料23の表面を所
定の曲面形状とする。このとき、位相補償板材料23を
構成している光学材料22のエッチングレートと、レジ
スト層24のエッチングレートとをほぼ等しくしておけ
ば、レジスト層24の表面形状が、位相補償板材料23
を構成している光学材料22にそのまま転写されること
となる。なお、ここでのエッチングの手法としては、例
えば、ケミカル・アシスト・イオン・ビーム・エッチン
グ(CIBE)が好適である。
【0121】以上の工程の結果、光学材料22の表面が
曲面形状とされ、結果として、図27に示すように、基
板8の上に、当該基板8よりも屈折率が低い光学部材9
が配されてなり、且つ当該光学部材9の基板8に接して
いない方の面9aが非平面とされた位相補償板6が完成
する。
【0122】<光学ヘッド>つぎに、本発明を適用した
光学ヘッドの実施の形態について説明する。なお、ここ
では、光磁気ディスク4に対して記録再生を行う光学ヘ
ッドであって、光磁気ディスク4の記録再生に使用する
光の波長以下の間隔で光磁気ディスク4に対向するよう
に支持されるソリッドイマージョンレンズとして、図2
8に示すような反射光学系を有するカタディオプトリッ
クレンズ31を備えた光学ヘッドを例に挙げる。なお、
このカタディオプトリックレンズ31は、反射光学系を
有することから、ソリッドイマージョンミラーと称され
ることもある。
【0123】図28に示すカタディオプトリックレンズ
31は、凹面屈折面からなる第1面S1と、平面ミラー
からなる第2面S2と、凹面非球面ミラーからなる第3
面S3と、全反射平面となる第4面S4とを有する。こ
のカタディオプトリックレンズ31に入射した入射光束
は、先ず、凹面屈折面からなる第1面S1で拡大され
て、平面ミラーからなる第2面S2に入射する。次に、
第2面S2で反射され、凹面非球面ミラーからなる第3
面S3に入射する。次に、第3面S3で反射され、第2
面S2の中央に設けられた開口を通して第4面S4又は
その近傍に焦点を結ぶ。
【0124】そして、第4面S4又はその近傍に焦点を
結んだ光は、その大部分が当該第4面S4で全反射され
る。このとき、第4面S4と光磁気ディスク4との間隔
を十分に狭めておけば、上記ソリッドイマージョンレン
ズ7を用いた場合と同様に、エバネッセント光の一部が
光磁気ディスク4と結合してレンズ外に取り出され、当
該エバネッセント光を利用した記録再生が可能となる。
【0125】このようなカタディオプトリックレンズ3
1を備えた光学ヘッドの一例を図29に示す。この光学
ヘッド40は、光磁気ディスク4に対して記録再生を行
うためのものであり、エバネッセント光を利用すること
で、回折限界以下の微小な記録ピットでの記録再生が可
能となっている。
【0126】ここで、記録再生の対象となる光磁気ディ
スク4は、基板2の上に光磁気記録膜3が形成されてな
り、当該光磁気記録膜3の側が光学ヘッド40に対向す
るように配される。すなわち、上記光学ヘッド40は、
光磁気ディスク4の基板2の側ではなく、光磁気記録膜
3の側に配置される。これは、この光学ヘッド40がエ
バネッセント光を利用して記録再生を行うため、光学ヘ
ッド40と光磁気ディスク4の光磁気記録膜3との間隔
を十分に狭める必要があるからである。
【0127】この光学ヘッド40は、浮上型スライダと
して機能するガラス基盤41と、レーザ光源からのレー
ザ光を伝搬する単一モードの光ファイバ42と、光ファ
イバ42から出射されたレーザ光を反射する可動ミラー
43と、可動ミラー43によって反射されたレーザ光が
入射するように配置されたプリズム44と、プリズム4
4から出射されたレーザ光が入射するように配置された
位相補償板45と、位相補償板45を透過してきたレー
ザ光を平行光とするためのコリメーターレンズ46と、
コリメーターレンズ46によって平行光とされたレーザ
光が入射されるカタディオプトリックレンズ31と、カ
タディオプトリックレンズ31の結像点の周囲に配置さ
れた磁界発生用コイル47とを備えている。
【0128】この光学ヘッド40において、カタディオ
プトリックレンズ31は、第1面S1、第2面S2及び
第3面S3を構成する第1のレンズ媒質31Aと、第4
面S4を構成する第2のレンズ媒質31Bとを備えてお
り、第1のレンズ媒質31Aによって構成される第2面
S2を含む平面に、第2のレンズ媒質31Bが接合され
てなる。
【0129】なお、この第2のレンズ媒質31Bは、ガ
ラス基盤41の一部によって構成されている。すなわ
ち、ガラス基盤41は、カタディオプトリックレンズ3
1の一部を兼ねており、カタディオプトリックレンズ3
1は、第1のレンズ媒質31Aをガラス基盤41に接合
することにより構成されている。
【0130】また、カタディオプトリックレンズ31の
一部を兼ねているガラス基盤41には、磁界発生用コイ
ル47が埋設されている。この磁界発生用コイル47
は、光磁気ディスク4に対する記録時に、光磁気ディス
ク4に対して記録磁界を印加するためのものであり、カ
タディオプトリックレンズ31の結像点の周囲を取り巻
くように形成されている。したがって、カタディオプト
リックレンズ31に入射したレーザ光は、磁界発生用コ
イル47の中央において、ガラス基盤41の端面に結像
する。なお、このような磁界発生用コイル47は、例え
ば、薄膜プロセスにより薄膜コイルパターンをガラス基
盤41に埋設することにより形成する。
【0131】この光学ヘッド40を用いて光磁気ディス
ク4に対して記録再生を行うときは、光磁気ディスク4
を回転駆動させて、当該光磁気ディスク4上において、
光学ヘッド40を浮上させる。このとき、図示していな
いが弾性部材によって弾性を持たせた状態でガラス基盤
41を支持し、ガラス基盤41と光磁気ディスク4との
間隔が、光ファイバ42から出射されるレーザ光の波長
以下、より好ましくは100nm程度以下に保たれるよ
うにしておく。
【0132】そして、光学ヘッド40を光磁気ディスク
4上において浮上させた状態で、レーザ光源からレーザ
光を出射し、当該レーザ光を光ファイバ42によって伝
搬する。光ファイバ42によって伝搬され、当該光ファ
イバ42から出射されたレーザ光は、可動ミラー43に
よって反射される。
【0133】そして、可動ミラー43によって反射され
たレーザ光はプリズム44に入射し、このレーザ光はプ
リズム44の内部で反射して折り返されて、位相補償板
45へと導かれる。この位相補償板45は、上記対物レ
ンズ1の位相補償板6に相当するものであり、入射光の
p偏光成分とs偏光成分との間に位相差を発生させると
ともに、当該位相差が、通過する光線の傾角によって異
なるようになされている。
【0134】そして、位相補償板45を透過したレーザ
光は、コリメータレンズ46によって平行光とされた上
で、カタディオプトリックレンズ31に入射する。カタ
ディオプトリックレンズ31に入射したレーザ光は、先
ず、凹面屈折面からなる第1面S1で拡大されて、平面
ミラーからなる第2面S2に入射する。次に、第2面S
2で反射され、凹面非球面ミラーからなる第3面S3に
入射する。次に、第3面S3で反射され、第2面S2の
中央に設けられた開口を通して第4面S4の全反射平面
上又はその近傍に結像する。
【0135】このとき、レーザ光の大部分は第4面S4
において全反射するが、このとき、第4面S4と光磁気
ディスク4との間隔をレーザ光の波長以下に保つように
しているので、エバネッセント光の一部が光磁気ディス
ク4と結合してレンズ外に取り出される。そして、この
光学ヘッド40では、このエバネッセント光を利用して
光磁気ディスク4に対する記録再生を行う。
【0136】なお、記録時には、上述のようにエバネッ
セント光を光磁気ディスク4に結合させるとともに、磁
界発生用コイル47に電流を流して磁界を発生させて、
エバネッセント光が光磁気ディスク4と結合している部
分に磁界を印加する。これにより、光磁気ディスク4に
対して光磁気記録を行う。
【0137】ここで、光磁気記録の方式は、記録する情
報信号に対応させて光磁気ディスク4に印加する磁界の
強度を変調する磁界強度変調方式であっても、記録する
情報信号に対応させて光磁気ディスク4に照射する光の
強度を変調する光強度変調方式であっても良い。
【0138】ところで、この光学ヘッド40において、
可動ミラー43にはアクチュエータを取り付けておき、
当該アクチュエータを駆動することにより、可動ミラー
43によるレーザ光の反射角を変化させることができる
ようにしておく。可動ミラー43によるレーザ光の反射
角を変化させると、カタディオプトリックレンズ31に
入射する入射光束の傾角が変化する。その結果、カタデ
ィオプトリックレンズ31の第4面S4における結像点
が、可動ミラー43の動作方向に移動する。
【0139】すなわち、この光学ヘッド40では、可動
ミラー43によるレーザ光の反射角を変化させること
で、カタディオプトリックレンズ31の第4面S4にお
ける結像点を、可動ミラー43の動作方向に走査するこ
とが可能となっている。これを利用することで、この光
学ヘッド40では、例えば、いわゆる視野内アクセスや
視野内トラッキングを行うようなことが可能となってい
る。
【0140】なお、ここでは、光磁気ディスク4に照射
するレーザ光を集光するカタディオプトリックレンズ3
1を含む光学系の部分を中心に説明し、その他の光学系
の詳細については説明を省略した。しかし、実際には、
光学ヘッド40には、光磁気ディスク4によって反射さ
れて戻ってきた戻り光を検出する光学系等も設けられる
ことは言うまでもない。
【0141】以上のような本発明を適用した光学ヘッド
40では、記録再生に使用するレーザ光の光路中に位相
補償板45を配することで、カタディオプトリックレン
ズ31の第4面S4で全反射されて戻ってくる戻り光の
偏光状態の分布を、上述した実施例と同様、均一化する
ことができる。したがって、この光学ヘッド40では、
位相補償板45の光学特性や形状等を最適に設定するこ
とで、得られる光磁気信号の変調度を高めることができ
る。
【0142】なお、上記光学ヘッド40では、ソリッド
イマージョンレンズとして、反射光学系を有するカタデ
ィオプトリックレンズ31を用いたが、本発明に係る光
学ヘッドでは、反射光学系を持たないソリッドイマージ
ョンレンズを用いることも可能である。その場合は、例
えば、光学ヘッド40におけるカタディオプトリックレ
ンズ31、位相補償板45及びコリメータレンズ46の
代わりに、図1に示したような透過型のソリッドイマー
ジョンレンズ7を備えた対物レンズ1を用いる。
【0143】また、以上の説明では、記録媒体として光
磁気ディスクを例に挙げたが、本発明は、ソリッドイマ
ージョンレンズのレンズ端面で全反射して戻ってくる戻
り光の偏光状態の分布の不均一性が問題となるような場
合に広く適用可能であり、対象となる記録媒体は、光磁
気ディスクに限定されるものではない。
【0144】
【発明の効果】ソリッドイマージョンレンズの有効開口
数が比較的に大きい場合や、ソリッドイマージョンレン
ズとソリッドイマージョンレンズに対向する物体との間
隔が比較的に大きい場合には、ソリッドイマージョンレ
ンズのレンズ端面で全反射されて戻ってきた戻り光の偏
光状態の分布に不均一性が生じる。しかし、本発明に係
る対物レンズや光学ヘッドでは、このような偏光状態の
分布を、光路中に配された位相補償板によって均一化す
ることができる。
【0145】したがって、例えば、本発明に係る対物レ
ンズや光学ヘッドを光磁気ディスクの再生に用いた場合
には、ソリッドイマージョンレンズの有効開口数を大き
くしても、また、ソリッドイマージョンレンズのレンズ
端面と光磁気ディスクとの間隔を比較的に大きく確保し
ても、戻り光の偏光状態の分布を均一化することがで
き、その結果、高い変調度の光磁気信号が得られる。し
たがって、本発明に係る対物レンズや光学ヘッドを用い
ることで、光磁気ディスク等の記録媒体の更なる高密度
化を進めることが可能となる。
【0146】また、本発明に係る位相補償板の製造方法
によれば、以上のような対物レンズや光学ヘッドに用い
る位相補償板を、容易に且つ精度良く製造することがで
きる。したがって、本発明に係る位相補償板の製造方法
によれば、戻り光に含まれる偏光状態の分布を精度良く
均一化することができる対物レンズや光学ヘッドを、低
コストで提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した対物レンズの一構成例を示す
図である。
【図2】本発明を適用した対物レンズで使用される位相
補償板の一例を示す図である。
【図3】光磁気ディスクの膜構造の一例を示す図であ
る。
【図4】位相補償板が無い場合について、光磁気ディス
クとソリッドイマージョンレンズとの間の空気層の厚さ
と、得られる光磁気信号の変調度との関係を示す図であ
る。
【図5】実施例1における位相補償板のソリッドイマー
ジョンレンズ対向面の面形状を示す図である。
【図6】実施例1における戻り光の楕円率について、そ
の対物レンズ出射瞳上での分布を濃淡で示した図であ
る。
【図7】実施例1における戻り光の偏光面の回転角につ
いて、その対物レンズ出射瞳上での分布を濃淡で示した
図である。
【図8】実施例1における戻り光の直交偏光成分の強度
について、その対物レンズ出射瞳上での分布を濃淡で示
した図である。
【図9】実施例2における位相補償板のソリッドイマー
ジョンレンズ対向面の面形状を示す図である。
【図10】実施例2における戻り光の楕円率について、
その対物レンズ出射瞳上での分布を濃淡で示した図であ
る。
【図11】実施例2における戻り光の偏光面の回転角に
ついて、その対物レンズ出射瞳上での分布を濃淡で示し
た図である。
【図12】位相補償板を使用した場合について、光磁気
ディスクの光磁気記録膜を構成する第2の誘電体膜の膜
厚と、得られる光磁気信号の変調度との関係を示す図で
ある。
【図13】実施例3において、光磁気ディスクの光磁気
記録膜を構成する第2の誘電体膜の膜厚を92.5nm
としたときの戻り光の楕円率について、その対物レンズ
出射瞳上での分布を濃淡で示した図である。
【図14】実施例4における戻り光の楕円率について、
その対物レンズ出射瞳上での分布を濃淡で示した図であ
る。
【図15】実施例5における位相補償板のソリッドイマ
ージョンレンズ対向面の面形状を示す図である。
【図16】実施例5における戻り光の楕円率について、
その対物レンズ出射瞳上での分布を濃淡で示した図であ
る。
【図17】実施例5における戻り光の偏光面の回転角に
ついて、その対物レンズ出射瞳上での分布を濃淡で示し
た図である。
【図18】実施例5における戻り光の直交偏光成分の強
度について、その対物レンズ出射瞳上での分布を濃淡で
示した図である。
【図19】位相補償板の製造工程の第1の例を説明する
ための図であり、基板の上に光学材料が配された位相補
償板材料の一部断面を示す図である。
【図20】位相補償板の製造工程の第1の例を説明する
ための図であり、位相補償板材料上にレジスト層を形成
し、当該レジスト層を所望する位相補償板の面形状に対
応するように露光強度分布を持たせた電子線ビームによ
り露光する様子を示す図である。
【図21】位相補償板の製造工程の第1の例を説明する
ための図であり、レジスト層を現像し、当該レジスト層
の表面形状を所望する位相補償板の面形状に対応した形
状とした状態を示す図である。
【図22】位相補償板の製造工程の第1の例を説明する
ための図であり、位相補償板材料を構成している光学材
料をレジスト層とともにエッチングする様子を示す図で
ある。
【図23】位相補償板の製造工程の第1の例を説明する
ための図であり、基板上に当該基板よりも屈折率が低い
光学部材が配され、且つ当該光学部材の基板に接してい
ない方の面が非平面とされた位相補償板を示す図であ
る。
【図24】位相補償板の製造工程の第2の例を説明する
ための図であり、位相補償板材料上にレジスト層を形成
し、当該レジスト層を所望する位相補償板の面形状に対
応するように、グレースケールマスクにより露光強度分
布を持たせた光又は電子線により露光する様子を示す図
である。
【図25】位相補償板の製造工程の第2の例を説明する
ための図であり、レジスト層を現像し、当該レジスト層
の表面形状を所望する位相補償板の面形状に対応した形
状とした状態を示す図である。
【図26】位相補償板の製造工程の第2の例を説明する
ための図であり、位相補償板材料を構成している光学材
料をレジスト層とともにエッチングする様子を示す図で
ある。
【図27】位相補償板の製造工程の第2の例を説明する
ための図であり、基板上に当該基板よりも屈折率が低い
光学部材が配され、且つ当該光学部材の基板に接してい
ない方の面が非平面とされた位相補償板を示す図であ
る。
【図28】本発明を適用した光学ヘッドで使用されるカ
タディオプトリックレンズの一例を示す図である。
【図29】本発明を適用した光学ヘッドの一構成例を示
す図である。
【図30】ソリッドイマージョンレンズを用いて光磁気
ディスクの記録再生を行う様子を示す図である。
【図31】TIRにおける反射光のp偏光成分の位相φp
s偏光成分の位相φs、並びにそれらの位相差φs−φp
について、それらの入射角依存性を示す図である。
【図32】従来のソリッドイマージョンレンズを用いた
対物レンズにおける、ソリッドイマージョンレンズのレ
ンズ端面で全反射されて戻ってくる戻り光の楕円率につ
いて、その対物レンズ出射瞳上での分布を濃淡で示した
図である。
【図33】従来のソリッドイマージョンレンズを用いた
対物レンズにおける、ソリッドイマージョンレンズのレ
ンズ端面で全反射されて戻ってくる戻り光の偏光面の回
転角について、その対物レンズ出射瞳上での分布を濃淡
で示した図である。
【図34】従来のソリッドイマージョンレンズを用いた
対物レンズにおける、ソリッドイマージョンレンズのレ
ンズ端面で全反射されて戻ってくる戻り光の直交偏光成
分の強度について、その対物レンズ出射瞳上での分布を
濃淡で示した図である。
【図35】光磁気ディスクからの戻り光の直交偏光成分
の強度のうち、純粋に光磁気記録膜の光学活性によって
発生した直交偏光成分の強度について、その対物レンズ
出射瞳上での分布を濃淡で示した図である。
【符号の説明】
1 対物レンズ、 2 基板、 3 光磁気記録膜、
4 光磁気ディスク、5 レンズ、 6 位相補償板、
7 ソリッドイマージョンレンズ
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 11/10 551 G11B 11/10 551F 556 556B Fターム(参考) 2H049 BA06 BA42 BA43 BB62 BC21 2H087 KA13 LA01 PA02 PA17 PB02 QA02 QA05 QA12 QA21 QA33 QA41 RA00 RA42 TA01 TA04 TA06 UA02 5D119 AA11 AA22 BA01 BB05 CA06 EC13 EC32 EC35 FA05 JA31 JA44 JB03 NA05 9A001 BB06 HH34 KK16

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入射光を収束光とするレンズと、 上記レンズによって収束光とされた入射光の光路中に配
    された位相補償板と、 上記位相補償板を通過してきた入射光が入射するように
    なされており、当該入射光の波長以下の間隔で物体に対
    向するように支持されるソリッドイマージョンレンズと
    を備え、 上記位相補償板は、入射光のp偏光成分とs偏光成分と
    の間に位相差を発生させるとともに、当該位相差が、通
    過する光線の傾角によって異なるようになされているこ
    とを特徴とする対物レンズ。
  2. 【請求項2】 上記位相補償板は、光学的に均一な光学
    材料を用いて形成されてなることを特徴とする請求項1
    記載の対物レンズ。
  3. 【請求項3】 上記位相補償板は、一軸性光学結晶を用
    いて形成されてなることを特徴とする請求項1記載の対
    物レンズ。
  4. 【請求項4】 上記位相補償板を構成する一軸性光学結
    晶の光学軸が、上記ソリッドイマージョンレンズの光軸
    に対して略平行とされていることを特徴とする請求項3
    記載の対物レンズ。
  5. 【請求項5】 上記位相補償板は、屈折率の異なる複数
    の部材からなることを特徴とする請求項1記載の対物レ
    ンズ。
  6. 【請求項6】 上記位相補償板は、基板上に当該基板よ
    りも屈折率が低い部材が配されてなるとともに、当該部
    材の基板に接していない方の面が非平面とされているこ
    とを特徴とする請求項5記載の対物レンズ。
  7. 【請求項7】 上記位相補償板は、上記入射光が入射す
    る光入射面と、当該光入射面から入射した入射光が出射
    する光出射面とのうちの少なくとも一方が、光軸を中心
    として回転対称な曲面とされていることを特徴とする請
    求項1記載の対物レンズ。
  8. 【請求項8】 上記位相補償板の光軸に垂直な面を基準
    面とし、上記位相補償板に入射する光線の傾角をθとし
    たとき、 上記基準面から計った上記曲面の高さが、sinθの多
    項式で表されることを特徴とする請求項7記載の対物レ
    ンズ。
  9. 【請求項9】 記録及び/又は再生に使用する光の波長
    以下の間隔で記録媒体に対向するように支持されるソリ
    ッドイマージョンレンズと、 記録及び/又は再生に使用する光の光路中に配され、当
    該光のp偏光成分とs偏光成分との間に位相差を発生さ
    せるとともに、当該位相差が、通過する光線の傾角によ
    って異なるようになされた位相補償板とを備え、 上記ソリッドイマージョンレンズの端面からのエバネッ
    セント光を用いて、記録媒体に対する記録及び/又は再
    生を行うとともに、上記位相補償板により、記録及び/
    又は再生に使用する光のp偏光成分とs偏光成分との間
    に位相差を発生させることを特徴とする光学ヘッド。
  10. 【請求項10】 記録及び/又は再生に使用する光を、
    上記ソリッドイマージョンレンズの記録媒体対向面上又
    はその近傍に集光させるレンズを備え、 上記位相補償板は、上記レンズと上記ソリッドイマージ
    ョンレンズの間の光路中に配されていることを特徴とす
    る請求項9記載の光学ヘッド。
  11. 【請求項11】 表面が曲面形状とされ、入射光のp偏
    光成分とs偏光成分との間に位相差を発生させるととも
    に、当該位相差が、通過する光線の傾角によって異なる
    ようになされた位相補償板の製造方法であって、 位相補償板材料上にレジスト層を形成し、 上記レジスト層を、所望する位相補償板の面形状に対応
    するように露光強度分布を持たせた光又は電子線により
    露光し、 上記レジスト層を現像して、レジスト層の表面形状を、
    所望する位相補償板の面形状に対応した形状とし、 上記位相補償板材料を上記レジスト層とともにエッチン
    グして、位相補償板材料の表面を所定の曲面形状とする
    ことで、表面が曲面形状とされた位相補償板を製造する
    ことを特徴とする位相補償板の製造方法。
  12. 【請求項12】 上記露光を電子線ビームにより行うと
    ともに、当該電子線ビームの強度を変化させることで、
    上記レジスト層の露光時に露光強度分布を持たせること
    を特徴とする請求項11記載の位相補償板の製造方法。
  13. 【請求項13】 光又は電子線の透過率に分布を持つグ
    レースケールマスクを介して、光又は電子線をレジスト
    層に照射することで、上記レジスト層の露光時に露光強
    度分布を持たせることを特徴とする請求項11記載の位
    相補償板の製造方法。
  14. 【請求項14】 上記位相補償板材料を、基板上に当該
    基板とは屈折率の異なる光学材料を堆積させて製造する
    ことを特徴とする請求項11記載の位相補償板の製造方
    法。
  15. 【請求項15】 上記位相補償板材料を、互いに屈折率
    の異なる複数の光学材料を接合して製造することを特徴
    とする請求項11記載の位相補償板の製造方法。
  16. 【請求項16】 上記光学材料のうちの少なくとも一つ
    を、一軸性光学結晶を光学軸に対して垂直に切り出すこ
    とで作製することを特徴とする請求項15記載の位相補
    償板の製造方法。
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