JP2000171484A - 波形表示装置及び記録媒体 - Google Patents

波形表示装置及び記録媒体

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JP2000171484A
JP2000171484A JP10345514A JP34551498A JP2000171484A JP 2000171484 A JP2000171484 A JP 2000171484A JP 10345514 A JP10345514 A JP 10345514A JP 34551498 A JP34551498 A JP 34551498A JP 2000171484 A JP2000171484 A JP 2000171484A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、掃引時の状態に追従して適切なス
ケールシフトを自動設定し、常に観察しやすい状態で測
定波形データを表示させることができる。 【解決手段】 複数回の連続した波形測定が行われると
きに、各測定の測定波形を加算平均し又は新たな測定結
果で測定波形を更新し、その測定波形を測定毎に更新表
示する波形表示装置において、表示領域の垂直方向範囲
が測定波形データの単位における所定大きさの垂直スケ
ールを所定数掛けて得られる大きさとなるように、更新
表示画面を作成する表示画面作成手段21と、測定波形
の二次微分値と垂直スケールの大きさとが、所定の関係
になるように垂直スケールを選択し、表示画面作成手段
に与える表示最適化処理手段25とを備えた波形表示装
置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は波形表示装置及び
記録媒体、特に光パルス試験器等の波形表示に用いるの
に適した波形表示装置及び記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年光ファイバは情報伝達用の媒体等と
して至る所で使用されるようになっている。このファイ
バの接続点の状態やその他の障害点を検査するために、
OTDR(Optical Time Domain Reflectometory)とい
う方法が使用される。このOTDRは光ファイバに光パ
ルスを入射し、光ファイバの各距離位置から戻ってくる
その後方散乱光を測定することによって障害点を検出す
るものであり、この方法を用いる測定器を光パルス試験
器という。
【0003】光パルス試験器において得られる後方散乱
光はその強度(レベル)が対数データに変換されるが、
その対数データのグラフ上ではファイバの接続点等の障
害点において光信号強度が大きく低下する。そこで、信
号の波形データである対数データやその一次微分波形、
更には二次微分波形等を表示装置上に表示し、ファイバ
全体や各部の状態を観察し、また障害点を特定するよう
にしている。
【0004】ファイバ全体あるいはその一部の詳細な状
態を調べるため、表示波形については、その水平垂直ス
ケールやシフト量を適宜変更する必要がある。このた
め、オペレータは光パルス試験器の表示部に備えられた
操作キーによって自己に観察しやすい状態に表示波形を
調整する。
【0005】このように、光パルス試験器やその他の波
形データを測定する測定装置においては、その表示設定
の変更や最適表示を容易に行うため、一般的に波形表示
装置が組み込まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ここで、波形表示装置
から表示される波形データが、記録された停止波形や測
定毎にほぼ同様な状態で測定される波形等の場合であれ
ば、従来機能の装置であっても特に不便はない。
【0007】しかしながら、OTDRによる信号波形は
測定毎にその状態が微妙に異なることが多く、以前に記
録したスケールやシフトが同様な測定条件で必ずしも最
適な設定値にならない場合がある。
【0008】また、アベレージ掃引といわれる波形デー
タ表示法においては、波形データの内容が掃引開始から
測定値安定状態に至るまでに逐次変化していくために、
安定状態となった時点でスケールシフトを記憶しても、
そのスケールシフト値は、次の測定開始したときのアベ
レージ掃引における掃引開始状態には全く適合しないも
のとなる。
【0009】そもそも光パルス試験器における波形測定
では、幅10nsecから10000nsec程度の光パルスが
1回の掃引で多数入射され、その後方散乱光のうち一定
パルス数に対応するものが平均化されて、一つの掃引波
形データとして出力される。アベレージ掃引において
は、連続的な測定(掃引)が実施され、上記一つの掃引
波形データに相当する波形が次々と加算平均され連続的
に表示変更されていく。したがって、同一スケールにて
この様子を観察すると、掃引開始当初にはノイズが多い
ために垂直方向に表示画面全体に広がっていた波形が狭
い垂直幅に収束していく。この様子が図17に示され
る。
【0010】図17はアベレージ掃引を行う場合の波形
変化の様子を示す図である。
【0011】同図は波形表示装置の表示画面を示すもの
であり、各図(a),(b)及び(c)において、水平
スケール、水平シフト、垂直スケール及び垂直シフトは
全て同一である。
【0012】図17からわかるように、アベレージされ
た最終状態で最適なスケール値等は測定開始時には適切
なものではなく、例えば垂直スケールについてはスケー
ル値をより大きくした方が波形を観察しやすい。このよ
うにアベレージ掃引の場合には、掃引の平均化段階に応
じてスケール値を最適なものに変更していく必要があ
る。しかしながら、オペレータがこのスケール等変更を
波形測定観察時に手動操作で行っていくのは極めて困難
である。
【0013】また、波形データの表示方法には、連続的
な測定を実行しつつ1回の掃引毎にその新たな掃引波形
データに表示を変更していく、リアルタイム掃引という
方法がある。この掃引表示方法においても、スケール等
の最適値が変更していく場合がある。
【0014】なお、アベレージ掃引やリアルタイム掃引
を行っているときに、その波形更新を停止して表示状態
を固定させる掃引停止という表示方法もある。
【0015】本発明は、このような実情を考慮してなさ
れたもので、掃引時の状態に追従して適切なスケールシ
フトを自動設定し、常に観察しやすい状態で測定波形デ
ータを表示させることができる波形表示装置及び記録媒
体を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に対応する発明は、複数回の連続した波形
測定が行われる場合に、各測定の測定波形を加算平均し
その平均結果波形を測定毎に更新表示する波形表示装置
において、表示領域の垂直方向範囲は、測定波形データ
の単位における所定大きさの垂直スケールを所定数掛け
て得られる大きさであり、1回目の測定波形の表示は、
測定波形の二次微分値と垂直スケールの大きさとが所定
の関係になるように選択された垂直スケールに基づいて
行われ、2回目以降の平均結果波形の更新表示は、平均
結果波形の二次微分値と垂直スケールとの大きさが所定
の関係を有しかつ前回の垂直スケールよりも前記所定大
きさが小さくなるように選択された垂直スケールに基づ
いて、又は同選択が不可の場合は前回の垂直スケールに
基づいて行われる波形表示装置である。
【0017】本発明はこのような手段を設けたので、例
えばアベレージ掃引の場合に、掃引時の状態に追従し、
その掃引時点に応じた最適の垂直スケールで波形表示を
行うことができる。
【0018】次に、請求項2に対応する発明は、請求項
1に対応する発明において、表示領域の垂直方向範囲
は、測定波形データが有する絶対座標の原点から所定量
の垂直シフトを加えて開始するとともに、当該垂直シフ
トを計算するために、他の波形測定における垂直シフト
である登録垂直シフトとその表示領域の水平方向中心前
後の範囲における平均結果波形の登録平均値とが予め登
録されており、1回目の測定波形の表示は、水平方向中
心前後の範囲における測定波形の計算平均値と、登録平
均値との差を、登録垂直シフトに加算して求められた垂
直シフトに基づいて行われ、2回目以降の平均結果波形
の更新表示は、水平方向中心前後の範囲における平均結
果波形の計算平均値と、登録平均値との差が垂直スケー
ルの値よりも大きい場合に、当該差を登録垂直シフトに
加算して求められた垂直シフトに基づいて、又は同算出
が不可の場合は前回の垂直シフトに基づいて行われる波
形表示装置である。
【0019】本発明はこのような手段を設けたので、請
求項1に係る発明と同様な作用効果が得られる他、波形
の垂直方向位置についても不自然な変化を起こさせない
観察者の見やすい表示位置とすることができる。
【0020】次に、請求項3に対応する発明は、複数回
の連続した波形測定が行われる場合に、各測定の測定波
形を加算平均しあるいは新たな測定結果で測定波形を更
新して、その測定波形を測定毎に更新表示する波形表示
装置において、表示領域の垂直方向範囲が、測定波形デ
ータの単位における所定大きさの垂直スケールを所定数
掛けて得られる大きさとなるように、更新すべき表示画
面を作成する表示画面作成手段と、測定波形の二次微分
値と垂直スケールの大きさとが、所定の関係になるよう
に垂直スケールを選択し、表示画面作成手段に与える表
示最適化処理手段とを備えた波形表示装置である。
【0021】本発明はこのような手段を設けたので、測
定毎の状態に追従して適切なスケールを自動設定し、常
に観察しやすい状態で測定波形データを表示させること
ができる。
【0022】次に、請求項4に対応する発明は、請求項
3に対応する発明において、測定波形データが有する絶
対座標の原点から所定量の垂直シフトを加えて表示領域
の垂直方向範囲を開始させる場合に、当該垂直シフトを
計算するために、他の波形測定における垂直シフトであ
る登録垂直シフトとその表示領域の水平方向中心前後の
範囲における測定波形の登録平均値とを登録する表示情
報登録手段と、登録垂直シフトと登録平均値とを少なく
とも含む登録情報が表示情報登録手段により1以上登録
された表示情報記憶手段と、指定された登録情報を表示
情報記憶手段から検索し、表示最適化処理手段に付与す
る表示情報検索手段とを備え、表示画面作成手段は、表
示領域の垂直方向範囲を測定波形データの有する絶対座
標の原点から垂直シフトを加えて開始するように、前記
更新すべき表示画面を作成し、表示最適化手段は、水平
方向中心前後の範囲における測定波形の計算平均値と、
登録平均値との差を、登録垂直シフトに加算して垂直シ
フトを算出し、表示画面作成手段に与える波形表示装置
である。
【0023】本発明はこのような手段を設けたので、請
求項3に係る発明と同様な作用効果が得られる他、波形
の垂直方向位置についても観察者の見やすい表示位置と
することができる。
【0024】次に、請求項5に対応する発明は、請求項
3に対応する発明をコンピュータに実現させるプログラ
ムを記録した記録媒体である。
【0025】この記録媒体から読み出されたプログラム
により制御されるコンピュータは、請求項3の波形表示
装置として機能する。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。
【0027】図1は本発明の実施の形態に係る波形表示
装置を適用する光パルス試験器の全体構成例を示すブロ
ック図である。
【0028】この光パルス試験器1は、レーザ等を光源
とする発光部2から出力された光パルスを光ファイバ
(図示せず)に入射し、その光ファイバからの後方散乱
光を受光部3にて受光し、各種処理を施して測定結果を
表示出力するものである。
【0029】受光部3で受光された後方散乱光は、光/
電気変換部4により電気信号に変換され、アンプ部6に
て増幅された後、この電気信号はA/D変換部5により
A/D変換されるようになっている。また、A/D変換
された信号は、基本アベレージング部7でブロック単位
で平均化されて1掃引単位の信号として掃引処理部8に
入力されるようになっている。
【0030】掃引処理部8は、掃引パターン選択処理部
10の指令に従い、アベレージ掃引、リアルタイム掃引
若しくは掃引停止の何れかの掃引パターンに対応するよ
う掃引波形信号を加工し、対数変換部9に出力する。す
なわちアベレージ掃引の場合は基本アベレージング部7
からの入力信号を順次加算平均し入力毎にアベレージ信
号を出力する。また、リアルタイム掃引の場合は出力信
号を基本アベレージング部7からの新たな信号に更新
し、掃引停止の場合は出力信号を停止命令を受けた時点
の入力信号に固定する。
【0031】対数変換部9は、掃引処理部8から入力さ
れた後方散乱光のデジタル電気信号を対数変換し、表示
処理部11に入力する。
【0032】表示処理部11は、入力部12からの表示
指示及び掃引パターン選択処理部10からの掃引パター
ン選択結果に従い、対数変換部9からの対数データ(波
形データ)を表示部13から表示する。なお、詳細構成
については後述する。
【0033】掃引パターン選択部10は、入力部12か
らの指示入力に従って掃引パターンを選択し、掃引処理
部8及び表示処理部11に通知する。
【0034】表示部13はタッチパネルを用いた表示装
置からなり、入力部12はタッチパネル上の表示入力キ
ーから構成される。また、ボタンで構成される場合もあ
る。
【0035】なお、波形表示装置は、表示処理部11、
掃引パターン選択処理部10、入力部12及び表示部1
3をその主要構成としている。
【0036】次に図2を用いて表示処理部11の詳細構
成を説明する。
【0037】図2は本実施形態における表示処理部の構
成例を示すブロック図である。
【0038】表示処理部11には、対数データ(波形デ
ータ)を適宜の水平スケール、水平シフト、垂直スケー
ル及び垂直シフトに当てはめて表示画面を作成し表示部
13に出力する表示画面作成部21が設けられると共
に、この表示画面作成部21にスケールシフト情報を提
供するための手段として表示情報登録部22、表示情報
記憶部23、表示情報検索部24及び表示最適化処理部
25が設けられている。
【0039】表示画面作成部21は、手動調整モード及
び登録追従モードにより上記スケールシフト情報を設定
入力されるようになっている。手動調整モードでは入力
部12からの数値直接入力若しくは指示入力に従い、登
録追従モードでは表示最適化処理部25からの入力値に
よってスケールシフトを設定する。
【0040】ここで、表示画面作成部21に入力される
波形データと表示画面の関係を示すと図3のようになっ
ている。
【0041】図3は波形データと表示画面の関係を示す
図である。
【0042】同図において、水平スケールはBHscale及
びHscaleであり、水平シフトはBHshift及びHshiftであ
る。垂直スケールBVscale及びVscaleであり、垂直シフ
トはBVshift及びVshiftである。また、表示画面は、水
平スケール及び垂直スケールを有する複数の方形グリッ
ドからなり、その表示画面領域の大きさは、垂直方向グ
リッド数Nと水平方向グリッド数から決まる。
【0043】表示画面作成部21は、Hshift及びVshift
で決まる位置において、Hscale、Vscale及びグリッド数
から決まる領域の表示画面を作成し、これに対数変換部
9から入力される波形データを当てはめて表示する。す
なわちHshift、Vshift、Hscale及びVscaleが表示部13
の表示に使用されるスケールシフト値であり、以後単に
水平シフト、垂直シフト、水平スケール及び垂直スケー
ルあるいは表示スケールシフトというときには、これら
のスケールシフト値を意味する(図4(c))。
【0044】また、図3におけるBHshift、BVshift、BH
scale及びBVscaleは、登録追従モードにおいて、表示最
適化処理部25が表示画面作成部21に与えるHshift、
Vshift、Hscale及びVscaleを計算するために登録される
登録情報の一部である。
【0045】なお、登録追従モードにおいて使用される
他のパラメータを図4に示す。
【0046】図4は登録追従モードにて水平シフト、垂
直シフト、水平スケール及び垂直スケールを算出するた
めに用いる各パラメータを示す図である。
【0047】各パラメータの具体的な内容及び算出方法
については後述する。
【0048】次に、登録追従モードを実現するための各
構成について説明する。
【0049】表示情報登録部22は、表示画面がある水
平シフト、垂直シフト、水平スケール及び垂直スケール
(表示スケールシフト)に基づき表示されている場合
に、入力部12からの表示情報登録入力があると、その
ときのHshift、Vshift、Hscale及びVscaleを表示画面作
成部21から取り込んでBHshift、BVshift、BHscale及
びBvscale(登録スケールシフト)として登録すると共
に、波形データに基づいて登録スケール比及び登録平均
値を算出し、登録スケールシフトと共に表示情報記憶部
23に登録する。このとき記録された上記各情報が登録
情報(図4(d))であり、これは一種のブックマーク
である。
【0050】表示情報記憶部23は、表示情報登録部2
2が作成した登録情報を多数記録可能に構成されてい
る。
【0051】表示情報検索部24は、どの登録情報を使
用するかについて、入力部12からの選択入力がある
と、対応する登録情報を表示情報記憶部23から検索
し、表示最適化処理部25に引き渡す。また、表示情報
検索部24は、登録追従モードを使用する場合にその登
録追従処理開始を受け付ける部分である。なお、登録追
従機能を使用する旨の指示入力を受けることなく、登録
情報選択が指定された場合には、その登録情報は手動調
整モードにおける固定のスケールシフトとして表示画面
作成部21に付与される。
【0052】表示最適化処理部25は、手動調整モード
の場合には、単に検索された登録スケールシフトを表示
スケールシフトとして表示画面作成部21に引き渡すの
みであるが、登録追従モードの場合には以下のように動
作するよう構成されている。すなわち、掃引パターン選
択処理部10から指定された掃引パターンに応じ、表示
情報検索部24及び対数変換部9から受け取った登録情
報及び波形データから表示スケールシフトを計算し、表
示画面作成部21に引き渡す。なお、この表示スケール
シフトの計算に用いられるのが図4(b)及び図4
(e)に示す各パラメータである。
【0053】また、表示最適化処理部25における表示
スケールシフトの計算方法は、アベレージ掃引と、リア
ルタイム掃引及び掃引停止とで異なっている。リアルタ
イム掃引及び掃引停止においては、各掃引毎に最適の表
示スケールシフトが計算され使用される。また、アベレ
ージング掃引では、各掃引毎に計算し直す点ではリアル
タイム掃引及び掃引停止の場合と共通するが、その表示
スケールシフトの更新に方向性が持たされている。
【0054】次に、以上のように構成された本実施形態
における波形表示装置の動作について説明する。 [全体的な処理流れ]図5は本実施形態の波形表示装置
を適用した光パルス試験器の全体的な処理を示す流れ図
である。
【0055】まず、光パルス試験器1が起動され、掃引
処理が開始される(s1)。
【0056】この掃引測定中に、掃引パターンが選択さ
れ、選択されたパターンが掃引パターン選択処理部10
から掃引処理部8及び表示処理部11に通知される(s
2)。
【0057】次に、波形表示装置の登録追従機能が使用
されるか否か選択される(s3)。ここで、登録追従モ
ードの選択は表示情報検索部24に対する検索要求入力
によってなされ、この選択がされた場合には、さらに登
録情報が同検索部24によって表示情報記憶部23から
選択される(s4)。さらに、表示最適化処理部25に
よる表示スケールシフト算出及び表示画面作成部21に
よる波形データ表示処理が実行される(s5)。
【0058】ここで、ステップs5における処理は、ス
テップs2にて選択された掃引パターンに応じて掃引停
止波形表示処理(s5−1)、リアルタイム掃引表示処
理(s5−2)又はアベレージ掃引表示処理(s5−
3)である。なお、表示最適化処理部25による表示ス
ケールシフト算出は、掃引停止波形表示処理(s5−
1)とリアルタイム掃引表示処理(s5−2)とで同一
のアルゴリズムが使用される。
【0059】一方、ステップs3において手動調整モー
ドが選択された場合には、オペレータによる手動入力に
より表示スケールシフトが調整される(s6)。なお、
登録追従モードが選択されない場合は手動調整モードと
なる。このモードにおける処理は、表示画面作成部21
へのスケール変更等の直接入力、又は表示情報検索部2
4への登録スケールシフトの直接使用及び検索要求によ
って実行される。
【0060】次に、ステップs5又はステップs6によ
る表示処理で表示部13から波形データが表示されてい
るときに、その表示状態におけるスケールシフトを登録
する旨の入力が表示情報登録部22にあった場合には
(s7)、そのときの表示スケールシフトが登録スケー
ルシフトとして記録される。また、波形データから登録
スケール比及び登録平均値が算出されて登録スケールシ
フトと共に表示情報記録部23に登録される(s8)。
【0061】そして、他の掃引測定を開始するのならば
ステップs2に戻り、掃引処理を終了させるのならば終
了する(s9)。
【0062】以下に、ステップs8における登録処理、
ステップs5における登録追従機能による表示処理(s
5−1,s5−2及びs5−3)のそれぞれについて具
体的に説明する。 [登録情報の登録処理]何らかの掃引波形が表示画面か
ら表示されているときに、入力部12から表示情報登録
部22に登録情報の登録要求がなされると、登録処理が
開始される。
【0063】図6は本実施形態の波形表示装置における
登録処理を示す流れ図である。
【0064】このときまず、表示画面作成部21から表
示中の画面についてのHshift、Vshift、Hscale及びVsca
leが取り込まれ、これがBHshift、BVshift、BHscale及
びBvscale(登録スケールシフト)とされる(t1)。
【0065】次に、波形データ及びスケールシフト情報
に基づいて登録スケール比BDdataP[0]及びBDdataP[1]比
が算出され保存される(t2)。このとき、登録スケー
ル比を算出するために二次差波形値平均BDf2Info[0]及
びBDf2Info[1]が算出される。
【0066】登録スケール比の算出後、波形データ及び
スケールシフト情報から登録平均値Baverageが算出され
(t3)、登録スケールシフト、登録スケール比及び登
録平均値がその表示画面に対する登録情報として表示情
報記憶部23に登録される。
【0067】ここで、登録スケール比及び登録二次差波
形値平均並びに登録平均値の算出について説明する。
【0068】図7は登録スケール比及び登録二次差波形
値平均の算出方法を説明するための図である。
【0069】同図(a)は二次差波形平均を算出すると
きのシチュエーションを示す図であり、同図におけるT
は登録スケール比及び登録二次差波形平均を計算する区
間幅である。この区間幅Tは一般にHscale(BHscale)の
2倍から5倍の大きさであり、図7(a)では3倍にと
ってある。
【0070】また、波形データは多数のポイントからな
っているが、差波形を計算するための差分間隔tは、数
ポイントから数十ポイントの値が取られる。
【0071】また、登録スケール比BDdataP[0]及びBDda
taP[1]比は、水平方向の画面中心を挟んた前後の区間b
〜a、区間a〜cそれぞれについて計算される。図7
(b)に区間b〜aに対応する登録スケール比の算出に
ついて示す。なお、同図では登録スケール比及び登録二
次差波形平均に限られない一般的なスケール比及び二次
差波形平均の処理流れを示している。
【0072】まず、パラメータI=b、S=0とし(u
1)、小区間についての二次差分値dを算出する(u
2)。パラメータSにdを加え(u3)、Iをインクリ
メントした後(u4)、Iとa−2*tとを比較する
(u5)。I<=a−2tであれば、計算が区間b〜a
について終了していないことを意味し、ステップu2に
戻って繰り返し演算が行われる。
【0073】一方、I>a−2tであれば、計算が区間
b〜aについて終了したことを意味するので、区間b〜
aでの各差分点での二次差分値の合計Sが区間ポイント
数nで割られ、登録二次差波形値平均BDf2Info[0]が算
出される(u6)。
【0074】そして、登録スケール比が算出される(u
7)。なお、登録スケール比BDdataPは、各区間につい
て(1)式によって求められる。
【0075】 BDdataP=BDf2Info/BVscale …(1) 同様にして区間a〜cについての登録スケール比BDdata
P[1]も算出される。
【0076】次に登録平均値Baverageの算出について説
明する。
【0077】図8は登録平均値の算出方法を説明するた
めの図である。
【0078】なお、図8は登録平均値のみならず、後述
する計算平均値Raverageも含む一般的な平均値について
の算出方法を示すものである。
【0079】同図(a)に示すように、登録平均値は水
平方向画面中心を挟んだ前後区間幅S、すなわち区間p
〜qについて求められる。
【0080】その算出処理については、同図(b)に示
すようにまず、パラメータI=p、パラメータS=0と
し(v1)、Sに位置Iにおける波形値Y(I)を加え
る(v2)。次に、Iをインクリメントし(V3)、I
がqに至っていなければ(v4)ステップv2に戻り、
I>qとなっていれば(v4)パラメータSを区間ポイ
ント数nで割って登録平均値Baverageを算出する(v
5)。 [リアルタイム掃引及び掃引停止における登録追従モー
ド処理]次に、上記のようにして登録された登録情報を
用いた図5のステップs5−1及びs5−2の処理、す
なわち登録追従モードにおける掃引停止及びリアルタイ
ム掃引時の表示処理について説明する。
【0081】図9は登録追従モードにおける掃引停止及
びリアルタイム掃引時の表示処理を示す流れ図である。
【0082】まず、表示情報検索部24により登録情報
が読み込まれ、表示最適化処理部25に引き渡される
(w1)。
【0083】表示最適化部25では登録情報と波形デー
タに基づき、RVscaleが算出される(w2)。この算出
の詳細は後述するが、RVscaleは表示スケールVscaleを
求めるための計算スケールである(図4(b))。
【0084】同様にしてRVshiftが算出される(w
3)。RVshiftも表示シフトVshiftを求めるための計算
シフトである(図4(b))。
【0085】そして、表示スケールシフトが計算スケー
ルシフトに入れ替えられ、その結果が表示最適化処理部
25から表示画面作成部21に設定入力される(w
4)。
【0086】表示画面作成部21により当該新たな表示
スケールシフトに基づく画面が作成され、表示部13の
表示が更新される(w5)。
【0087】なお、図9に示すステップw4からわかる
ように、登録追従モードで計算される表示スケールシフ
トは垂直スケールシフトのみであり、水平スケールシフ
トについては登録スケールシフトのものがそのまま使用
される。
【0088】以下に、図9のステップw2及びw3の計
算スケールシフトの算出について説明する。
【0089】図10は計算スケールの算出処理を示す流
れ図である。
【0090】まず、そのときの対数データ(微分が施さ
れていない波形データ)に対応させて、二次差波形平均
値が算出される(x1)。ここで二次差波形、すなわち
対数データの二次微分が施された結果データにおいて
は、対数データに光損失(障害点やノイズ等)による落
差があればこれが上下に振動したものに変換される。言
い換えると、二次差波形を求めることで、波形データか
ら図3,図4等に示すような全体的な傾きの影響が除去
され、かつ、ノイズ等の影響が強調されることになる。
なお、本実施形態でスケールシフトの登録追従処理を行
う必要性は時間変化するノイズの影響を除去するためで
ある。
【0091】この二次差波形の平均を取ったものが二次
差波形平均値Df2Info[0]及びDf2Info[1]であり、その算
出は、登録二次差波形平均値BDf2Info[0]及びBDf2Info
[1]の算出と同様にして行われる(図7:u1〜u
6)。
【0092】次に、計算スケール比DdataP[0]及びDdata
P[1]が算出される(x2)。なお、計算スケール比Ddat
aPは、図7の各区間b〜a、a〜cについて(2)式に
よって求められる。
【0093】 DdataP=Df2Info/BVscale …(2) ここで、二次差波形平均値Df2Infoを現在の表示スケー
ルVscaleでなく、登録情報にある過去の登録スケールBV
scaleで除する理由は、以降の処理で登録スケールを基
準としたノイズサイズの比較を行うためである。すなわ
ち登録スケールは登録時と現在のノイズサイズ比較を行
うための基準(ものさし)となっている。
【0094】したがって、次に計算スケール比と登録ス
ケール比の比較が行われ(x3)、計算スケール比の方
が小さい場合には計算スケールとして登録スケールが使
用される(x4)。この場合には、登録スケールに相対
して現在の二次差波形平均値が登録時の二次差波形平均
値よりも小さなものとなるため、グリッドにおける波形
表示状態が登録時よりも小さなものとなる。したがっ
て、図17(a)のように波形データが画面からあふれ
出ることは起こらない。なお、この考え方を図11
(a)及び図11(b)に示す。
【0095】図11は計算スケールを求める場合の算出
基準を示す図である。
【0096】計算スケール比の方が登録スケール比より
も大きい場合(x3)には、表示画面作成部21が取り
得るスケールのうち二次差波形平均より大きいスケール
でかつ最小のスケールが計算スケールとして決定される
(x5)。
【0097】すなわちステップx5の考え方は、二次差
波形平均値が垂直スケールに比べて小さいものであれば
波形データが表示画面からあふれ出て見にくくなること
はなく、かつ、この範囲内でできるだけ小さな垂直スケ
ールを用いて波形をよく観察できるようにしようとする
ものである。この様子が図11(a)及び図11(c)
に示されている。
【0098】なお、上記基準の設定は光パルス試験器の
実際的の経験に基づくものであり、スケールと二次差波
形平均との間の適用の考え方を同様とすれば、観察対象
波形に応じて異なる基準としてもよい。例えば表示画面
作成部21が取り得るスケールのうち二次差波形平均に
最も近いスケール値でかつ二次差波形平均よりも大きい
スケールを計算スケールとする等としてもよい。
【0099】また、二次差波形平均は実際の波形データ
(対数データ)の変化の大きさと対応している。したが
って、このステップx5の更なる考え方としては、信号
全体的な傾きの影響を除去した二次微分データと垂直ス
ケール値との関係が一定のものとなるようにし、ひいて
は垂直スケール×垂直グリッド数で決まる画面表示領域
と、表示波形の大きさとの関係が常に一定(あるいは一
定範囲)になるようにしようとするものである。この関
係の一例として実施形態ではステップx5の具体的要件
を示している。
【0100】次に、図9のステップw3の計算シフトの
算出について説明する。
【0101】図12は計算シフトの算出処理を示す流れ
図である。
【0102】まず、垂直方向の画面中心位置CVshiftがB
Vscale、BVshift及び垂直方向グリッド数Nから算出さ
れる(y1)。なお、これらの各パラメータの関係は図
3に示されている。
【0103】次に、現在の波形に関する波形データの計
算平均値Raverageが計算される(y2)。この計算は、
登録平均値Baverageの場合と同様に行われる(図8)。
【0104】次に、登録平均値と計算平均値との差がオ
フセットOffsetとして計算される(y3)。
【0105】最後に、CVshift、RVscale、グリッド数N
及びOffsetから計算シフトRVshiftが算出される(y
4)。なお、この計算シフトの計算においてはステップ
y3で求めたオフセットが加えられているので、表示画
面においては登録時と同様な上下方向位置に常に波形が
配置されることになる。
【0106】図13はリアルタイム掃引時の波形表示の
様子を示す図である。
【0107】同図(a)は、過去に垂直スケール0.5
dB/divで最適表示状態となり、これを登録した登
録情報に対し、手動調整モードを用いてスケールシフト
のみを再現させて表示させた場合である。しかし、今回
の掃引測定では適切な垂直スケールが過去のものと一致
せず、波形が表示画面からあふれ出ている。
【0108】同図(b)は、図13(a)の場合と同じ
登録情報を用い、リアルタイム掃引における登録追従モ
ードを使用したものである。この場合には、当初適切で
なかった0.5dB/divという垂直スケールが自動
的に最適化されて(図10:x5、図11の処理)、観
察のしやすい状態で波形が表示されている。 [アベレージ掃引における登録追従モード処理]次に、
登録情報を用いた図5のステップs5−3の処理、すな
わち登録追従モードにおけるアベレージ掃引時の表示処
理について説明する。
【0109】図14は登録追従モードにおけるアベレー
ジ掃引時の表示処理を示す流れ図である。
【0110】まず、表示情報検索部24により読み込ま
れた登録情報が表示最適化処理部25に引き渡され(z
1)、当該登録情報及びそのときの波形データから計算
スケールシフトが算出される(z2,z3)。なお、計
算スケールシフトの算出は図10及び図11と同様にし
て行われる。
【0111】次に1回目の表示スケールシフト算出であ
るか否かが判定され(z4)、1回目であればそのまま
計算スケールシフトが表示スケールシフトとされる(z
5)。さらに、水平方向の表示スケールシフトはリアル
タイム掃引の場合と同様に登録スケールシフトが使用さ
れ(z6)、表示画面が更新される(z7)。
【0112】一方、2回目以降の表示スケールシフト算
出である場合には(z4)、垂直方向の表示スケールシ
フトのみが後述する別途の方法で算出される(z1
0)。なお、この別途の方法というのはアベレージング
掃引におけるノイズリダクション(雑音減衰)を考慮し
たスケールシフト変更に方向性を持たせたものである。
また、ステップz10の場合でも、水平方向の表示スケ
ールシフトは登録スケールシフトが使用される(z
6)。
【0113】表示画面変更後(z7)、掃引終了でなけ
れば(z8)、今回の表示スケールシフトVscale及びVs
hiftを前スケールシフトMVscale及びMVshiftとして保存
し(z9)、ステップz2に戻る。掃引終了であれば終
了する。
【0114】次に、2回目以降の表示スケールシフト算
出における処理である上記ステップz10について詳し
く説明する。
【0115】図15は2回目以降の表示スケールシフト
算出処理を示す流れ図である。
【0116】この処理は、アベレージ掃引においては掃
引毎にノイズが小さくなり、より小さなグリッドで表示
しても波形が表示画面上で全体像を確認できるという波
形状態変化の方向性を考慮したものである。また、垂直
方向の表示シフトはグリッド単位で行われることから、
小さなシフト量で一々グリッド位置が変更され、表示変
化が見づらいものとならないように考慮されたものであ
る。
【0117】このためにまず、前スケール、すなわち前
回の画面表示更新で用いられた表示スケールと、計算ス
ケールシフトとが比較される(a1)。計算スケールシ
フトは今回の表示スケールとして一義的には最適と判断
されたスケールであるが、本ステップa1からステップ
a3まではアベレージ掃引の特質を考慮してさらに修正
をかけようとするものである。
【0118】ステップa1において前スケールが計算ス
ケールよりも大きい場合には、計算スケールを新たな表
示スケールとする(a2)。この場合は、よりスケール
を小さくし、すなわち波形をより拡大表示しても見やす
い表示状態を維持できると判断されている場合(図10
(x5)及び図11(c))であり、かつ波形データが
アベレージにより減衰していく方向における表示変更で
あるためである。すなわち波形減衰していく方向に順次
スケールを小さくしていくのであれば、観察者に違和感
を生じず、その連続的な表示変更があっても波形状態を
把握しやすい。
【0119】一方、前スケールが計算スケールよりも小
さい場合(a1)には、前スケールを新たな表示スケー
ルとする(a3)。これは、本来減衰し拡大表示されて
いくはずのアベレージ掃引において、スケールを大きく
し縮小表示してしまうと、自分の予想と異なる表示変化
がなされているにも拘わらず波形状態自体はあまり変化
せず、観察者による波形状態の把握が難しくなるからで
ある。つまり、表示状態はあまり変化せずに本来と逆の
方向に波形状態が変化した場合には、一々スケールサイ
ズを確認しなければ正しい状況を認識できない。一方、
本ステップa3のように波形が増幅した場合にスケール
を変化させないようにすれば観察者はそのことを直ちに
認識できる。
【0120】次に、前シフトと計算シフトの差の絶対値
tが計算され(a4)、この絶対値tとステップa2又
はa3で計算された表示スケールと比較される(a
5)。
【0121】絶対値tの方が大きい場合には、計算シフ
トを表示シフトし(a6)、シフト量の変更が行われ
る。
【0122】一方、絶対値tが表示スケールよりも小さ
い場合には、前シフトを表示シフトとし、シフト量を変
更しない(a7)。
【0123】このような処理とするのは、表示画面にお
ける波形の見やすさ確保するためである。つまり、微小
なシフト量変化であるにもかかわらず一々表示シフトを
変更していたのでは波形全体が掃引の度に微妙に上下す
ることになり、見づらいものとなる。これに対して上下
波形シフト方向は一般にアベレージングの期間中一方向
であり、少しのシフト量変化であればそのままにして表
示状態を変更しない方が観察者の予想の範囲で波形がシ
フトし、見やすいものとなる。そこで、シフト変更の目
安をスケール量程度とし、この程度以上にシフト量が変
化すれば、表示シフトを変更するようにしているのであ
る。
【0124】こうして、ステップa6又はa7により表
示シフトが決定され、図14のステップz6に戻ること
になる。
【0125】次に、登録追従モードでアベレージ掃引を
行ったときの表示変化の様子を具体例を用いて説明す
る。
【0126】図16は登録追従モードを用いたアベレー
ジ掃引時の波形表示変化の様子を示す図である。
【0127】同図(a)は、同図(b)〜(d)と同様
な条件でアベレージ掃引を行い、最適な表示状態(アベ
レージ終了状態)となったときの過去の表示画面を示し
ている。このときの状態で表示情報の登録を行ってい
る。
【0128】次に、アベレージ掃引を選択し、図16
(a)のときの登録情報を選択して、登録追従モードに
て掃引を開始する。
【0129】掃引開始1回目には、登録情報に必ずしも
拘束されず最適な表示スケールシフトが選択されるため
(図10,図11及び図14(z5))、波形観察に適
した表示スケールシフトで表示画面が作成される(図1
6(b))。この場合は、ノイズがまだ大きく波形全体
が大きなものとなるので表示スケールも大きなものが選
択され、波形全体を縮小表示している。図17(a)に
示す従来技術では、同様な状況で固定のスケールが用い
られるため、波形が画面からあふれ出ている。
【0130】次に、2回目以降では、計算された最適な
スケールがスケールを小さくする方向となるときのみ実
際に使用され(図15)、波形が順次拡大表示されてい
く(図17(c)、図17(d))。つまり、表示スケ
ールは、登録スケールに向けて小さくなっていく方向の
みに変化していく。
【0131】こうして最終的に表示状態は登録時とほと
んど同じ波形に収束し、表示スケールシフトも同一の値
となる(図17(a)、図17(d))。
【0132】上述したように、本発明の実施の形態に係
る波形表示装置は、表示最適化処理部25を設け、連続
的に測定更新されている波形データに対してその二次微
分値と所定の関係となる表示スケールを選択するように
したので、掃引時の状態に追従して適切なスケールを自
動設定し、常に観察しやすい状態で測定波形データを表
示させることができる。
【0133】また、本実施形態の波形表示装置によれ
ば、過去の表示スケール等を登録状態として登録し、そ
の登録シフト及び登録平均値を用いてその測定時に適合
する表示シフトを算出するようにしたので、表示スケー
ルのみならず、表示シフトについても掃引時の状態に追
従して適切な値に自動設定し、常に観察しやすい状態で
測定波形データを表示させることができる。
【0134】さらに、アベレージ掃引の場合に、スケー
ル値が常に小さくなっていくようにスケール変更計算に
方向性を持たせたので、アベレージングに伴う波形ノイ
ズの減衰に沿って表示更新させることができ、観察者の
予測する方向性で見やすい表示を提供できると共に、当
該予測に反する波形となったときには直ちにその事実を
見いだせるように測定波形データを表示させることがで
きる。
【0135】また、アベレージ掃引時の表示シフト変更
は、前回シフトと計算シフトの差が表示スケール以上と
なったときのみ行うようにしたので、表示変更毎に波形
が上下に細かく移動するような表示更新とはならず、小
さなシフト量のときは上又は下の一定方向に波形を移動
させる表示変更とすることができ、更新波形を見やすい
ものとすることができる。
【0136】なお、本発明は、上記各実施の形態に限定
されるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々に
変形することが可能である。
【0137】実施形態では波形表示装置を光パルス試験
器に適用させた場合で説明したが、本発明は同試験器へ
の適用に限られるものでなく、測定波形データを連続的
に出力可能に構成された測定装置に対しては適宜適用で
きるものである。
【0138】また、実施形態に記載した手法は、計算機
(コンピュータ)に実行させることができるプログラム
(ソフトウエア手段)として、例えば磁気ディスク(フ
ロッピーディスク、ハードディスク等)、光ディスク
(CD−ROM、DVD等)、半導体メモリ等の記憶媒
体に格納し、また通信媒体により伝送して頒布すること
もできる。なお、媒体側に格納されるプログラムには、
計算機に実行させるソフトウエア手段(実行プログラム
のみならずテーブルやデータ構造も含む)を計算機内に
構成させる設定プログラムをも含むものである。本装置
を実現する計算機は、記憶媒体に記録されたプログラム
を読み込み、また場合により設定プログラムによりソフ
トウエア手段を構築し、このソフトウエア手段によって
動作が制御されることにより上述した処理を実行する。
【0139】
【発明の効果】以上詳記したように本発明によれば、掃
引時の状態に追従して適切なスケールシフトを自動設定
し、常に観察しやすい状態で測定波形データを表示させ
ることができる波形表示装置及び記録媒体を提供するこ
とを目的とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る波形表示装置を適用
する光パルス試験器の全体構成例を示すブロック図。
【図2】同実施形態における表示処理部の構成例を示す
ブロック図。
【図3】波形データと表示画面の関係を示す図。
【図4】登録追従モードにて水平シフト、垂直シフト、
水平スケール及び垂直スケールを算出するために用いる
各パラメータを示す図。
【図5】同実施形態の波形表示装置を適用した光パルス
試験器の全体的な処理を示す流れ図。
【図6】同実施形態の波形表示装置における登録処理を
示す流れ図。
【図7】登録スケール比及び登録二次差波形値平均の算
出方法を説明するための図。
【図8】登録平均値の算出方法を説明するための図。
【図9】登録追従モードにおける掃引停止及びリアルタ
イム掃引時の表示処理を示す流れ図。
【図10】計算スケールの算出処理を示す流れ図。
【図11】計算スケールを求める場合の算出基準を示す
図。
【図12】計算シフトの算出処理を示す流れ図。
【図13】リアルタイム掃引時の波形表示の様子を示す
図。
【図14】登録追従モードにおけるアベレージ掃引時の
表示処理を示す流れ図。
【図15】2回目以降の表示スケールシフト算出処理を
示す流れ図。
【図16】登録追従モードを用いたアベレージ掃引時の
波形表示変化の様子を示す図。
【図17】アベレージ掃引を行う場合の波形変化の様子
を示す図。
【符号の説明】
1…光パルス試験器 2…発光部 3…受光部 4…光/電気変換部 5…A/D変換部 6…アンプ部 7…基本アベレージング部 8…掃引処理部 9…掃引パターン選択処理部 11…表示処理部 12…入力部 13…表示部 21…表示画面作成部 22…表示情報登録部 23…表示情報記憶部 24…表示情報検索部 25…表示最適化処理部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数回の連続した波形測定が行われる場
    合に、各測定の測定波形を加算平均しその平均結果波形
    を測定毎に更新表示する波形表示装置において、 表示領域の垂直方向範囲は、測定波形データの単位にお
    ける所定大きさの垂直スケールを所定数掛けて得られる
    大きさであり、 1回目の測定波形の表示は、測定波形の二次微分値と垂
    直スケールの大きさとが所定の関係になるように選択さ
    れた垂直スケールに基づいて行われ、 2回目以降の平均結果波形の更新表示は、平均結果波形
    の二次微分値と垂直スケールとの大きさが所定の関係を
    有しかつ前回の垂直スケールよりも前記所定大きさが小
    さくなるように選択された垂直スケールに基づいて、又
    は同選択が不可の場合は前回の垂直スケールに基づいて
    行われることを特徴とする波形表示装置。
  2. 【請求項2】 前記表示領域の垂直方向範囲は、測定波
    形データが有する絶対座標の原点から所定量の垂直シフ
    トを加えて開始するとともに、当該垂直シフトを計算す
    るために、他の波形測定における垂直シフトである登録
    垂直シフトとその表示領域の水平方向中心前後の範囲に
    おける平均結果波形の登録平均値とが予め登録されてお
    り、 前記1回目の測定波形の表示は、前記水平方向中心前後
    の範囲における測定波形の計算平均値と、前記登録平均
    値との差を、前記登録垂直シフトに加算して求められた
    垂直シフトに基づいて行われ、 前記2回目以降の平均結果波形の更新表示は、前記水平
    方向中心前後の範囲における平均結果波形の計算平均値
    と、前記登録平均値との差が前記垂直スケールの値より
    も大きい場合に、当該差を前記登録垂直シフトに加算し
    て求められた垂直シフトに基づいて、又は同算出が不可
    の場合は前回の垂直シフトに基づいて行われることを特
    徴とする請求項1記載の波形表示装置。
  3. 【請求項3】 複数回の連続した波形測定が行われる場
    合に、各測定の測定波形を加算平均しあるいは新たな測
    定結果で測定波形を更新して、その測定波形を測定毎に
    更新表示する波形表示装置において、 表示領域の垂直方向範囲が、測定波形データの単位にお
    ける所定大きさの垂直スケールを所定数掛けて得られる
    大きさとなるように、更新すべき表示画面を作成する表
    示画面作成手段と、 前記測定波形の二次微分値と垂直スケールの大きさと
    が、所定の関係になるように前記垂直スケールを選択
    し、前記表示画面作成手段に与える表示最適化処理手段
    とを備えたことを特徴とする波形表示装置。
  4. 【請求項4】 前記測定波形データが有する絶対座標の
    原点から所定量の垂直シフトを加えて前記表示領域の垂
    直方向範囲を開始させる場合に、当該垂直シフトを計算
    するために、他の波形測定における垂直シフトである登
    録垂直シフトとその表示領域の水平方向中心前後の範囲
    における測定波形の登録平均値とを登録する表示情報登
    録手段と、 前記登録垂直シフトと登録平均値とを少なくとも含む登
    録情報が前記表示情報登録手段により1以上登録された
    表示情報記憶手段と、 指定された登録情報を前記表示情報記憶手段から検索
    し、前記表示最適化処理手段に付与する表示情報検索手
    段とを備え、 前記表示画面作成手段は、前記表示領域の垂直方向範囲
    を測定波形データの有する絶対座標の原点から垂直シフ
    トを加えて開始するように、前記更新すべき表示画面を
    作成し、 前記表示最適化手段は、前記水平方向中心前後の範囲に
    おける測定波形の計算平均値と、前記登録平均値との差
    を、前記登録垂直シフトに加算して垂直シフトを算出
    し、前記表示画面作成手段に与えることを特徴とする請
    求項3記載の波形表示装置。
  5. 【請求項5】 複数回の連続した波形測定が行われる場
    合に、各測定の測定波形を加算平均しあるいは新たな測
    定結果で測定波形を更新して、その測定波形を測定毎に
    更新表示する波形表示装置を制御するプログラムであっ
    て、 表示領域の垂直方向範囲が、測定波形データの単位にお
    ける所定大きさの垂直スケールを所定数掛けて得られる
    大きさとなるように、更新すべき表示画面を作成する表
    示画面作成手段と、 前記測定波形の二次微分値と垂直スケールの大きさと
    が、所定の関係になるように前記垂直スケールを選択
    し、前記表示画面作成手段に与える表示最適化処理手段
    としてコンピュータを機能させるためのプログラムを記
    録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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