JP2000171294A - シリコン赤外線透過窓、その製造方法および赤外線検知素子用気密パッケージ - Google Patents

シリコン赤外線透過窓、その製造方法および赤外線検知素子用気密パッケージ

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JP2000171294A
JP2000171294A JP10349764A JP34976498A JP2000171294A JP 2000171294 A JP2000171294 A JP 2000171294A JP 10349764 A JP10349764 A JP 10349764A JP 34976498 A JP34976498 A JP 34976498A JP 2000171294 A JP2000171294 A JP 2000171294A
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Takehiko Sato
剛彦 佐藤
Shigeru Matsuno
繁 松野
Akira Yamada
朗 山田
Toshio Umemura
敏夫 梅村
Hidefusa Uchikawa
英興 内川
Takanori Sone
孝典 曽根
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シリコン窓材に対する極めて優れた密着性と
機械的強度を有する接合部材を有したシリコン赤外線透
過窓を提供する。 【解決手段】 金属、或いは金属をコーティングした開
口部をもつ他が密閉された容器へ接着することにより、
真空状態で熱伝達を低減したパッケージを形成すること
ができるシリコン赤外線透過窓であり、シリコンに対す
るチタン或いはクロムからなる金属による密着層、ハン
ダに対する拡散防止層、酸化防止金属層からなるメタラ
イズ層、及びハンダ層を積層した構成からなる接合部材
層をシリコン赤外線透過窓面の片側に形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、赤外線センサ用気
密パッケージに用いるシリコン赤外線透過窓、その製造
方法および赤外線検知素子用気密パッケージに関する。
【0002】
【従来の技術】赤外線センサは熱源の検知に用いられる
ものであり、素子を保護し、素子の熱的特性を高めるた
め、電磁波の遮断等を目的に、センサ素子は高い真空度
を保つ気密封止パッケージに封入される。前記気密封止
パッケージは、赤外線を透過する窓を、金属、或いは金
属をコーティングした開口部をもつ他が密閉された容
器、或いは素子自体に金属のコーティングを施したもの
に接着することにより形成される。前記窓材としては、
所望の波長の赤外線に対する透過性が優れていることが
望ましい。このために窓材の材質としては、ゲルマニウ
ム、硫化亜鉛、フッ化マグネシウムなどが用いられる。
また、シリコンのような透過特性が充分でないものに対
しては、窓材表面に赤外線反射防止層や、赤外線を透過
しうる波長に選択性をもたせる帯域フィルタ膜を形成す
ることが多い。従来、前記金属容器や素子への取り付け
は、接合部材として樹脂や低融点ガラスなどを用いて行
われていた。前記樹脂を用いた取り付けに関しては、例
えば特開平7−280653号公報及び特開平7−29
4336号公報に示されている。
【0003】しかし、このような樹脂や低融点ガラスに
よる接合は、所望の気密性及び強度に関する信頼性は高
いが、製造コストが高くなるという問題がある。また、
電磁波の遮断を目的に、導電性を有する窓材を同じく導
電性を有する樹脂で金属容器へ接合する場合があるが、
充分な導電性をうるのが困難であるという問題がある。
それに対し、ハンダ接合部材を用いたパッケージ手法に
よれば、安価で小型の赤外線検出器の提供が可能とな
る。特開平9−506712号公報及び9−24344
9号公報には、シリコンを用いた窓を、素子を形成した
シリコン基板上にハンダ等の接合部材により直接接着す
るパッケージについて示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】接合部材としてハンダ
を用いる場合、パッケージ内部の気密性及び高い真空度
を保つために、シリコン窓材に対する極めて優れた密着
性と機械的強度の接合部材が必要である。また、シリコ
ン窓の赤外線透過層及び赤外線検出素子に影響を与えな
いようにするため、シリコン基板上のある領域に精度よ
くハンダ部材を形成する必要がある。
【0005】まず、シリコン窓及びシリコン基板に対す
るハンダの濡れ性を確保するために、ハンダに対する濡
れ性、基板上への密着性を兼ね備えたメタライズ層の形
成が必要となる。特開平9−243449号公報におい
て、メタライズ層としてシリコン窓/タングステン/ニ
ッケル/金の構成が例示されている。しかし、タングス
テンのシリコンへの密着性は十分とはいえず、素子の信
頼性向上のため、より高い密着性を有するメタライズ構
成が必要とされる。また、このようなメタライズ構成を
安定、均質にそして精度よく形成することが必要とされ
る。
【0006】本発明は、とくに窓材としての赤外線透過
特性に優れ、さらにシリコン基板にハンダ接合するため
に最適な赤外線センサ用気密封止パッケージの接合部材
層を提供する。また、半導体の膜形成、加工プロセス及
び電解メッキプロセスを用いて安価で容器との接続が良
好なシリコン赤外線透過窓およびその製造方法を提供す
ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1にかかわる発明
は、金属、或いは金属をコーティングした開口部をもつ
他が密閉された容器へ接着することにより、熱伝達を低
減する雰囲気のパッケージを形成することができるシリ
コン赤外線透過窓であり、シリコンに対するチタン或い
はクロムを主成分とした金属による密着層、ハンダに対
する拡散防止層、酸化防止金属層からなるメタライズ
層、及びハンダ層を積層した構成からなる接合部材層を
窓面の片側に有することを特徴とするシリコン赤外線透
過窓である。
【0008】請求項2にかかわる発明は、拡散防止層と
して、ニッケルを主成分とした金属を用いることを特徴
とする請求項1記載のシリコン赤外線透過窓である。
【0009】請求項3にかかわる発明は、酸化防止金属
層として、金或いは白金を主成分とした金属を用いるこ
とを特徴とする請求項1記載の赤外線透過窓である。
【0010】請求項4にかかわる発明は、密着層として
クロム、拡散防止層としてニッケル、酸化防止金属層と
して金を用いることを特徴とする請求項1記載の赤外線
透過窓である。
【0011】請求項5にかかわる発明は、請求項1、
2、3または4記載の赤外線透過窓の製造方法であっ
て、該製造方法が、(i)メタライズ層を窓面全体或い
は一部に順次形成する工程と(ii)ドライエッチング
でパターニングを行うことによりメタライズ層で囲まれ
た窓面を形成する工程とを含んでなることを特徴とする
製造方法である。
【0012】請求項6にかかわる発明は、請求項1、
2、3または4記載の赤外線透過窓の製造方法であっ
て、該製造方法が、(i)メタライズ層を形成後、物理
蒸着法によりハンダ層を形成する工程と(ii)メタラ
イズ層と同時にドライエッチングでパターニングを行う
ことにより一度に接合部材層を形成する工程とを含んで
なることを特徴とする製造方法である。
【0013】請求項7にかかわる発明は、請求項1、
2、3または4記載の赤外線透過窓の製造方法であっ
て、該製造方法が、メタライズ層の上にメッキによりハ
ンダ層を形成する工程を含んでなることを特徴とする製
造方法である。
【0014】請求項8にかかわる発明は、請求項1、
2、3または4記載の赤外線透過窓の製造方法であっ
て、該製造方法が、メタライズ層を電極として電解メッ
キによりハンダ層を形成する工程を含んでなることを特
徴とする製造方法である。
【0015】請求項9にかかわる発明は、赤外線反射防
止層として、シリコン窓の上にシリコン或いはゲルマニ
ウム層を形成し、さらにその上に硫化亜鉛を形成した2
層膜を用いる赤外線透過窓である。
【0016】請求項10にかかわる発明は、請求項9記
載の赤外線透過窓の製造方法であって、該製造方法が、
赤外線反射防止層を物理蒸着法により形成する工程を含
んでなることを特徴とする製造方法である。
【0017】請求項11にかかわる発明は、請求項10
記載の赤外線透過窓の製造方法であって、該製造方法
が、赤外線反射防止層を150℃〜400℃の温度範囲
で形成する工程を含んでなることを特徴とする製造方法
である。
【0018】請求項12にかかわる発明は、請求項1〜
4記載のメタライズ領域を有するシリコン板において、
接合部材層で囲まれた部分とその反対の面の両方或いは
少なくともどちらか一方に請求項10〜11記載の赤外
線反射防止層を有する赤外線透過窓である。
【0019】請求項13にかかわる発明は、メタライズ
の密着層としてクロム、ハンダに対する拡散防止層とし
てニッケル、酸化防止金属層として金を用いるととも
に、メタライズ上にハンダ層を形成し、さらに赤外線反
射防止層としてシリコン窓上にシリコンさらにその上に
硫化亜鉛を形成する2層膜を用いることを特徴とする請
求項1記載の赤外線透過窓である。
【0020】請求項14にかかわる発明は、請求項1〜
13に記載の赤外線透過窓またはその製造方法により作
製された赤外線透過窓を用いて形成された赤外線検知素
子用気密パッケージである。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明は、金属、或いは金属をコ
ーティングした開口部をもつ他が密閉された容器へ接着
することにより、熱伝達を低減する雰囲気のパッケージ
を形成することができるシリコン赤外線透過窓であり、
シリコンに対するチタン或いはクロムを主成分とした金
属による密着層、ハンダに対する拡散防止層、酸化防止
金属層からなるメタライズ層、及びハンダ層を積層した
構成からなる接合部材層を窓面の片側に有することを特
徴とするシリコン赤外線透過窓である。
【0022】ここで、「金属、或いは金属をコーティン
グした開口部」とは、メタライズ層との接合部が、金
属、或いは金属コーティングしたものをいう。たとえば
図4(a)に示すような開口部すべてが金属でできたも
の、図4(b)および(c)に示すような接合部が金属
でコーティングされたものをいう。
【0023】前記接合部材としては、メタライズ層を前
記窓材表面の一部に有しており、前記メタライズ層が、
前記窓材表面側から、シリコンへの金属密着層、ハンダ
の拡散防止層、及び酸化防止金属層が順次積層されたも
のである。かかる構成によって、ハンダ付けなどの低融
点金属を用いて、シリコン赤外線透過窓と金属容器とを
接合することが可能になるとともに、真空によって熱伝
導を低減したパッケージを形成することができる。
【0024】前記メタライズ層の金属密着層としては、
チタン或いはクロムを主成分とした金属を用いることが
必要である。チタン或いはクロムを用いることにより、
強い密着強度を保つことが可能となる。
【0025】密着層の膜厚は、100〜1000Åであ
ることが好ましい。100Å未満の場合、密着層として
充分機能せず、剥離などが生じ、1000Åをこえる場
合、密着層としての機能に変化はないが、膜の応力によ
り剥離する場合がある。
【0026】前記メタライズ層の拡散防止層としては、
ニッケルを主成分とした金属が好ましい。ニッケルを用
いることにより、ハンダによる気密封止時にハンダが拡
散してメタライズ層の剥がれ等の不良をおこすことを妨
げることが可能となる。
【0027】拡散防止層の膜厚は、3000〜1000
0Åであることが好ましい。3000Å未満の場合、ハ
ンダの拡散を充分に妨げることができず、10000Å
をこえる場合、特に特性上の問題はないが、物理蒸着に
よる形成に時間がかかる。
【0028】前記メタライズ層の酸化防止層としては、
金或いは白金を主成分とした金属が好ましい。金或いは
白金を用いることにより、前記拡散防止層表面の酸化を
妨げ、ハンダによる接合を容易にすることが可能とな
る。
【0029】酸化防止層の膜厚は、300〜3000Å
であることが好ましい。300Å未満の場合、充分にニ
ッケルの酸化を防止できず、3000Åをこえる場合、
ハンダ中のスズと合金をつくり、濡れ性の低下、剥離な
どを生じる可能性がある。
【0030】前記メタライズ層は、両面研磨のシリコン
基板にスパッタリング等の物理蒸着法により直接形成
し、さらにドライエッチングにより接合部パターンを形
成することにより、半導体プロセスを用いて容易にメタ
ライズ層を形成することができる。
【0031】また、ニッケル層の酸化を妨ぐため、密着
層、拡散防止層、酸化防止層を同一物理蒸着装置で真空
を破らずに同時に形成することが望ましい。
【0032】接合部材としてハンダを用いる場合、精度
よく必要領域にハンダ層を形成するための方法としては
とくに制限はないが、たとえば物理蒸着法及びメッキ法
などがあげられる。スパッタリング等の物理蒸着法によ
れば、通常半導体で用いられる成膜プロセス及び写真製
版、エッチングプロセスによって容易にパターニングが
可能であり、半導体プロセスのみでメタライズ及び接合
部材形成を一度に行うことができる。
【0033】一方、メッキ法によれば、物理蒸着法では
成膜速度及びエッチング速度といった点から難しいハン
ダ部材として有効な数μm〜数十μmのハンダ層を形成
することが容易である。また、メッキ法によれば厚いハ
ンダ層を形成することが容易であり、特にメタライズ層
を電極とした電解メッキを施した場合には、厚いハンダ
層のパターニングプロセスも不要になる。それにより厚
みが均一で位置精度の良いハンダ層の形成及びパターン
形成が可能となる。
【0034】シリコン窓には赤外線反射防止層を設ける
ことができる。反射防止層がない場合には、赤外線波長
10μm域での透過率が約40%であるが、メタライズ
層で囲まれた部分とその反対の面の両方或いは少なくと
もどちらか一方に赤外線反射防止層を形成することによ
り80%以上に高めることができ、赤外線検知感度の向
上に有効である。
【0035】前記反射防止層として、硫化亜鉛(Zn
S)を用いることにより、赤外線波長域で高い赤外線透
過率をもつ赤外線反射防止窓を形成することが可能とな
る。ただし、ZnS単層膜はシリコンに対する密着強度
が弱いため、中間層としてSi或いはGeを用い、Zn
S/Si或いはZnS/Geの2層膜を物理蒸着法によ
り同時に形成することにより赤外線透過率が高く、かつ
密着強度が高い赤外線透過窓を形成することが可能とな
る。また、密着性向上のため、物理蒸着時の基板の温度
は100〜400℃に加熱するのが望ましい。
【0036】また、赤外線反射防止層の形成は、物理蒸
着法を用いることにより、反射防止特性に大きく影響す
る膜厚制御が容易になる。
【0037】赤外線反射防止膜の光学膜厚(屈折率×膜
厚)が透過する目標波長の1/4となる場合に、反射防
止効率が高く好ましい。つまり、10μm付近の赤外線
透過窓では光学膜厚2.5μmが好ましい。また、中間
層のSi或いはGeは、500〜5000Åであること
が好ましい。500Å未満の場合、充分に密着層として
機能せず、5000Åをこえる場合、透過率を低下させ
る。
【0038】実施の形態1 本発明のシリコン赤外線透過窓、その製造方法及びそれ
を用いた赤外線センサ用気密封止パッケージについてさ
らに説明する。
【0039】図1に本発明のシリコン赤外線透過窓の構
成を示す。図1において、1はシリコン窓材、2〜4は
メタライズ層(2 密着層、3 拡散防止層、4 酸化
防止層)、5はハンダ層、6は赤外線反射防止層を示し
ている。図1において、シリコン窓材1は両面を鏡面研
磨したシリコン基板を用い、その厚さは0.2〜3mm
である。本実施の形態において、メタライズの密着層と
してクロム或いはチタンを選択した。また、拡散防止層
としてニッケルを選択した。また、酸化防止層として金
を選択した。
【0040】本実施の形態のシリコン赤外線透過窓の製
造方法について説明する。まずはじめに、両面研磨した
シリコン基板1(厚み0.5mm)の片面の全面に密着
層2、拡散防止層3、酸化防止層4の膜をスパッタリン
グ法により順次形成した。スパッタリングは常温にて行
い、膜厚は各々500Å、5000Å、1000Åとな
るようにスパッタリング条件、及びスパッタリング時間
を調節した。
【0041】次にレジスト塗布及び写真製版によりレジ
ストパターンを形成し、ドライエッチングによりメタラ
イズ部以外のメタライズ層の除去を行った。
【0042】さらにシリコン基板上のメタライズパター
ン延長部より電極をとり、ハンダの電解メッキ液内でハ
ンダ層の形成を行った。
【0043】最後に、メタライズパターンに囲まれた部
分及びその反対側の面に、真空蒸着法によって赤外線反
射防止層の形成を行った。メタライズパターンを形成し
た側では特に、ハンダ表面を傷つけることなく反射防止
層領域に膜を形成するために、メタライズ−ハンダ層を
保護できるように加工した金属マスクを用いた。赤外線
反射防止層材には硫化亜鉛を用いたが、シリコン上に直
接硫化亜鉛を形成すると蒸着後膜剥がれが生じるため、
窓材と同じシリコン膜を中間層として用いた。
【0044】なお、中間層のシリコン及び赤外線反射防
止層の硫化亜鉛は、同一の真空蒸着装置により真空を破
らずに順次形成した。シリコン上に直接硫化亜鉛を形成
した場合の膜剥がれは、シリコン上に付着している水
分、或いは自然酸化膜に起因するものと考えられ、中間
層シリコン膜を真空を破らずに同時に形成することによ
り上記の膜剥がれを防止することができた。赤外線透過
層及び中間層の膜厚は、蒸着と同時に測定する光学モニ
ターにより制御を行い、常に最適な反射防止特性を得る
ことができるようにした。
【0045】図2に用いた(a)シリコン窓材の透過率
及び(b)赤外線反射防止層形成後のシリコン窓の透過
率を示す。ここで、シリコン窓の厚さは0.5mm、中
間層であるシリコンの膜厚は700Å(光学膜厚0.2
5μm)、反射防止層である硫化亜鉛の膜厚は1.2μ
m(光学膜厚2.5μm)である。赤外線反射防止層が
8〜12μmの赤外線領域で平均約50%以下の透過率
であったものが、両面への反射防止層形成により平均約
80%以上の透過率を示すようになった。
【0046】実施例1〜2および比較例1〜2 表1にメタライズに対し、テープ式剥離試験を行った結
果を示す。比較のため、拡散防止層、酸化防止層は同様
で、密着層としてタングステンを用いた場合及び密着層
を用いなかった場合(最下層が拡散防止層のニッケル)
の試験結果も示す。密着層としてクロム及びチタンを用
いた場合にはテープ剥離試験により剥がれ等は生じず、
強い密着強度を確保していた。
【0047】
【表1】
【0048】実施の形態2 実施の形態1における赤外線透過窓を用いて、赤外線セ
ンサ気密パッケージを形成した。パッケージは2次元ア
レイ赤外線センサ素子及びメタライズ層を形成したシリ
コン基板に、直接実施の形態1と同様に形成した赤外線
透過窓をハンダ封止するという小型かつ簡易なパッケー
ジ手法を用いた。
【0049】図3に本パッケージ用赤外線センサ素子を
示す。図3において、8はシリコン基板、9は赤外線セ
ンサ素子領域、10は電極パッド、2〜4はメタライズ
層を示している。2〜4のメタライズ層の構成及び形成
法は実施の形態1と同様であり、2は密着層、3は拡散
防止層、4は酸化防止層で各々、500Å、5000
Å、1000Åとなるようにスパッタリング法及びドラ
イエッチング法により形成した。赤外線窓及びセンサ素
子ともに、メタライズはスパッタ装置により形成した。
密着層はクロム或いはチタンを、拡散防止層にはニッケ
ルを、酸化防止層としては金を用いた。初めに通常の単
元スパッタ装置によりメタライズを形成したところ、ニ
ッケル層の酸化によりハンダの濡れ性が低下する傾向が
みられたため、密着層、拡散防止層、酸化防止層を真空
を破らずに同時に形成できる多元スパッタ装置を用い
て、同様にメタライズ層を形成した。その後メタライズ
層を電極としてハンダの電解メッキを行い、赤外線透過
窓を形成した。
【0050】実施例3〜6 赤外線透過窓と赤外線センサ素子の真空での封止は、加
熱及び振動処理が可能な真空チャンバ内で行った。ヒー
トステージ上に、ある程度の範囲でずれを生じうる固定
用治具を用いて赤外線センサ素子及び赤外線透過窓を重
ね合わせ、真空度を10-5Torr以上に保ち、ハンダ
溶融温度まで加熱して振動処理を行いながらハンダ接合
を試みた。
【0051】表2にハンダ接合後に剥がれの生じた個数
を示す。密着層としてクロム或いはチタンを用い、密着
層、拡散防止層、酸化防止層を同一のスパッタリング装
置で真空を破らずに形成した場合には、ハンダ接合時及
び接合後にメタライズ層或いはハンダ層の剥がれは生じ
なかった。また、それらのサンプルについて接合後ヘリ
ウムリークテスタによりリークチェックを行ったとこ
ろ、良好な気密性を保っていることが確認され、この構
成のメタライズ層がシリコン窓材とハンダ層の良い媒体
となっていることが確認された。
【0052】
【表2】
【0053】
【発明の効果】本発明のメタライズ、ハンダ接合部材、
赤外線反射防止層の構成及びその製造方法を用いれば、
良好な密着性を示す接合部材を伴ったシリコン赤外線透
過窓を形成することができる。さらに、その赤外線透過
窓と赤外線センサ素子を真空中で封止することにより、
高性能で高い信頼性をもつ非常に安価な赤外線センサを
実現できる。
【0054】本発明の請求項1にかかわる発明によれ
ば、メタライズ層がシリコンに対するチタン或いはクロ
ムからなる金属密着層、ハンダの拡散防止層、酸化防止
金属層が順次積層されたものであるため、ハンダ付けな
どの低融点金属を用いて、シリコン赤外線透過窓と金属
容器とを接合することが可能になるとともに、真空など
により熱伝導を妨げる雰囲気のパッケージを形成するこ
とができる。
【0055】本発明の請求項2にかかわる発明によれ
ば、拡散防止層としてニッケルを用いることにより、ハ
ンダによる気密封止時にハンダが拡散してメタライズ層
の剥がれ等の不良をおこすことを妨げることができる。
【0056】本発明の請求項3にかかわる発明によれ
ば、酸化防止層として金或いは白金を用いることによ
り、前記拡散防止層表面の酸化を妨げ、ハンダによる接
合を容易にすることができる。
【0057】本発明の請求項4にかかわる発明によれ
ば、強い密着強度を保つとともに、拡散防止層表面の酸
化を妨げ、ハンダによる接合を容易にすることができ
る。
【0058】本発明の請求項5にかかわる発明によれ
ば、ドライエッチングにより接合部パターンを形成する
ことにより、半導体プロセスを用いて容易にメタライズ
層を形成することができる。
【0059】本発明の請求項6にかかわる発明によれ
ば、メタライズ層を両面研磨のシリコン基板にスパッタ
リング等の物理蒸着法により直接形成し、またドライエ
ッチングにより接合部パターンを形成することにより、
半導体プロセスを用いて容易にメタライズ層を形成する
ことができる。また、密着層、拡散防止層、酸化防止層
を同一物理蒸着装置で真空を破らずに同時に形成するこ
とによって、ニッケル層の酸化を妨ぐことができる。
【0060】本発明の請求項7および8にかかわる発明
によれば、精度よく必要領域にハンダ層を形成する方法
としてメッキ法を用いるため、厚いハンダ層を形成する
ことが容易であり、特にメタライズ層を電極とした電解
メッキを施した場合には、厚いハンダ層のパターニング
プロセスも不要になる。それにより厚みが均一で位置の
精度の良いハンダ層の形成及びパターン形成が可能とな
る。
【0061】本発明の請求項9、10、11および12
にかかわる発明によれば、シリコン基板に反射防止層を
設けるために、赤外線の透過率を向上させることがで
き、赤外線検知感度の向上に有効である。
【0062】本発明の請求項13にかかわる発明によれ
ば、密着強度を保ち、拡散防止層表面の酸化を妨げ、さ
らに赤外線検知感度の向上に有効である。
【0063】本発明の請求項14にかかわる発明によれ
ば、高性能で高い信頼性を有する非常に安価な赤外線セ
ンサを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による赤外線透過窓の説明図である。
【図2】 (a)は赤外線反射防止層を形成していない
シリコン窓の透過率、(b)は赤外線反射防止層を両面
に形成したシリコン窓の透過率である。
【図3】 メタライズを施した赤外線センサ素子の説明
図である。
【図4】 金属、或いは金属をコーティングした開口部
の説明図である。
【符号の説明】
1 シリコン窓材、2 密着層、3 拡散防止層、4
酸化防止層、5 ハンダ層、6 赤外線反射防止層、7
メタライズ層、8 シリコン基板、9 赤外線センサ
素子、10 電極パッド、11 金属製開口部、12
金属コーティング、13 開口部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 朗 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 梅村 敏夫 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 内川 英興 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 曽根 孝典 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 2G065 BA14 BA36 BA37 BA38 BB27 CA13 DA20 4M118 AA10 AB10 GA10 HA02 HA07 HA11

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属、或いは金属をコーティングした開
    口部をもつ他が密閉された容器へ接着することにより、
    熱伝達を低減する雰囲気のパッケージを形成することが
    できるシリコン赤外線透過窓であって、シリコンに対す
    るチタン或いはクロムを主成分とした金属による密着
    層、ハンダに対する拡散防止層、酸化防止金属層からな
    るメタライズ層、及びハンダ層を積層した構成からなる
    接合部材層を窓面の片側に有することを特徴とするシリ
    コン赤外線透過窓。
  2. 【請求項2】 拡散防止層としてニッケルを主成分とし
    た金属を用いることを特徴とする請求項1記載のシリコ
    ン赤外線透過窓。
  3. 【請求項3】 酸化防止金属層として金或いは白金を主
    成分とした金属を用いることを特徴とする請求項1記載
    の赤外線透過窓。
  4. 【請求項4】 密着層としてクロム、拡散防止層として
    ニッケル、酸化防止金属層として金を用いることを特徴
    とする請求項1記載の赤外線透過窓。
  5. 【請求項5】 請求項1、2、3または4記載の赤外線
    透過窓の製造方法であって、該製造方法が(i)メタラ
    イズ層を窓面全体或いは一部に順次形成する工程と(i
    i)ドライエッチングでパターニングを行うことにより
    メタライズ層で囲まれた窓面を形成する工程とを含んで
    なることを特徴とする製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1、2、3または4記載の赤外線
    透過窓の製造方法であって、該製造方法が(i)メタラ
    イズ層を形成後、物理蒸着法によりハンダ層を形成する
    工程と(ii)メタライズ層と同時にドライエッチング
    でパターニングを行うことにより一度に接合部材層を形
    成する工程とを含んでなることを特徴とする製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1、2、3または4記載の赤外線
    透過窓の製造方法であって、該製造方法が、メタライズ
    層の上にメッキによりハンダ層を形成する工程を含んで
    なることを特徴とする製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1、2、3または4記載の赤外線
    透過窓の製造方法であって、該製造方法が、メタライズ
    層を電極として電解メッキによりハンダ層を形成する工
    程を含んでなることを特徴とする製造方法。
  9. 【請求項9】 赤外線反射防止層として、シリコン窓の
    上にシリコン或いはゲルマニウム層を形成し、さらにそ
    の上に硫化亜鉛を形成した2層膜を用いる赤外線透過
    窓。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の赤外線透過窓の製造方
    法であって、該製造方法が、赤外線反射防止層を物理蒸
    着法により形成する工程を含んでなることを特徴とする
    製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の赤外線透過窓の製造
    方法であって、該製造方法が、赤外線反射防止層を15
    0℃〜400℃の温度範囲で形成する工程を含んでなる
    ことを特徴とする製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項1〜4記載のメタライズ領域を
    有するシリコン板において、接合部材層で囲まれた部分
    とその反対の面の両方或いは少なくともどちらか一方に
    請求項10〜11記載の製造方法により製造した赤外線
    反射防止層を有する赤外線透過窓。
  13. 【請求項13】 メタライズ層の密着層としてクロム、
    拡散防止層としてニッケル、酸化防止金属層として金を
    用いるとともに、メタライズ層上にハンダ層を形成し、
    さらに赤外線反射防止層としてシリコン窓上にシリコン
    さらにその上に硫化亜鉛を形成する2層膜を用いること
    を特徴とする請求項1記載の赤外線透過窓。
  14. 【請求項14】 請求項1〜13記載の赤外線透過窓ま
    たはその製造方法により作製された赤外線透過窓を用い
    て形成された赤外線検知素子用気密パッケージ。
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