JP2000170856A - 作業機の動力伝達装置 - Google Patents

作業機の動力伝達装置

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JP2000170856A JP10349477A JP34947798A JP2000170856A JP 2000170856 A JP2000170856 A JP 2000170856A JP 10349477 A JP10349477 A JP 10349477A JP 34947798 A JP34947798 A JP 34947798A JP 2000170856 A JP2000170856 A JP 2000170856A
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sheave
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input shaft
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    • F16H9/14Gearings for conveying rotary motion with variable gear ratio, or for reversing rotary motion, by endless flexible members without members having orbital motion using belts, V-belts, or ropes engaging a pulley built-up out of relatively axially-adjustable parts in which the belt engages the opposite flanges of the pulley directly without interposed belt-supporting members using only one pulley built-up out of adjustable conical parts
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 クラッチ接続時に、エンジン動力の急激な伝
達を避け、エンジンの動力を徐々に伝達することができ
る作業機の動力伝達装置を提供すること。 【解決手段】 エンジン6の動力を、ベルト13、プー
リ、入力軸16およびクラッチ41を介して駆動輪5へ
伝達する作業機1の動力伝達装置において、プーリ12
は、入力軸16に回転自在にかつ軸線方向に移動自在に
嵌合された可動シーブ19と入力軸16に固定された固
定シーブ18と有し、さらにクラッチ41遮断時に可動
シーブ19を固定シーブ18から離間する方向に移動さ
せ、クラッチ41接続時に可動シーブ19を固定シーブ
18に向けて移動させる可動シーブ位置制御手段23,
24c,25が設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本出願発明は、エンジンの動
力を作業機の駆動輪へ伝達するクラッチを備えた動力伝
達装置に関するものであり、さらに詳しくはエンジンの
動力が、ベルトおよびプーリを介して、駆動輪への動力
の遮断および接続を行うクラッチへ伝達される自走式の
芝刈機や草刈機などの作業機の動力伝達装置に関する。
【0002】
【従来の技術】特開昭61−55412号公報や米国特
許第4,117,652号明細書には、作業機の後輪を
駆動するために、エンジンの動力をベルト伝動により後
輪車軸に設けられたクラッチに伝達する動力伝達装置が
記載されている。
【0003】これら公報に記載の動力伝達装置は、自走
式芝刈機の機体に搭載されたエンジンの出力軸が鉛直下
方に延出し、その出力軸にカッターブレード2および駆
動プーリが固着されている。一方、芝刈機の後輪車軸に
は、後輪へのエンジンの動力の遮断および接続を行うク
ラッチが設けられている。そして、該クラッチへエンジ
ンの動力を伝達する入力軸が、後輪車軸を保持するミッ
ションケースに鉛直方向に延びて回動自在に支持されて
いて、該入力軸に従動プーリが取り付けられている。ま
た、前記駆動プーリと前記従動プーリと間には、ベルト
が巻き掛けられている。そして、この従動プーリは、固
定シーブと前記入力軸の軸方向に移動自在な可動シーブ
を有していて、可動シーブが、固定シーブに接近または
固定シーブから離間する方向に移動して、プーリ径を変
えることにより変速ができるようになっている。エンジ
ンの動力は、駆動プーリからベルトを介して従動プーリ
に伝達されて、前記入力軸が回転させられる。そして、
クラッチの係合爪が噛み合って接続されると、入力軸の
回転が後輪の車軸に伝達されて、後輪が回転し、芝刈機
が自走可能となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この動力伝
達装置では、クラッチを接続した時に、入力軸を介して
駆動プーリの動力が、ステップ状に一気にクラッチに作
用すること、および停止していた車輪を急速に駆動する
ことに基づく反力がクラッチに作用することから、クラ
ッチには大きな荷重が作用することになる。そのため、
クラッチの剛性を高める必要があり、装置の大型化およ
び重量増加を招いている。その結果、芝刈機の作業性や
操作性が損なわれている。また、クラッチを接続して停
止していた車輪を一気に駆動することに基づく反力は、
両プーリに掛け渡されたベルトにも影響を与え、ベルト
に過度の張力を発生させて過度の引張りを生じさせ、ベ
ルトの寿命を短くする要因ともなっている。
【0005】また、このような動力伝達装置を搭載した
芝刈機では、クラッチが接続された際、エンジンの動力
がステップ状に一気に後輪に伝達されて、停止していた
後輪が急速に高回転で駆動されるため、後輪により、芝
が倒されたり、引きちぎられたり、ときには地面が削ら
れることさえ生じる。そのため、芝面の仕上がり状態が
良好とはいえないものとなることがあった。
【0006】本出願発明は、上記したような難点を克服
したものであって、クラッチ接続時において、エンジン
動力の急激な伝達を避け、エンジンの動力を徐々に伝達
することができる作業機の動力伝達装置を提供すること
を課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段および効果】本出願の請求
項1記載の発明は、駆動輪へのエンジンの動力の遮断お
よび接続を行うクラッチと、前記クラッチへエンジンの
動力を伝達する入力軸と、前記入力軸に回転自在にかつ
前記入力軸の軸線方向に移動自在に嵌合された可動シー
ブと前記入力軸に固定された固定シーブとを有するプー
リとを備え、エンジンの動力を、ベルトおよび前記ベル
トが巻回された前記プーリおよび前記入力軸を介して前
記クラッチへ伝達する作業機の動力伝達装置において、
クラッチ遮断時に前記可動シーブを前記固定シーブから
離間する方向に移動させ、クラッチ接続時に前記可動シ
ーブを前記固定シーブに向けて移動させる可動シーブ位
置制御手段が設けられた作業機の動力伝達装置である。
【0008】このような請求項1記載の発明によれば、
クラッチ遮断時には、可動シーブが固定シーブから離間
する方向に移動させられて、両シーブは最も離れている
状態となっている。そのため、プーリに巻回されたベル
トは、プーリの径方向に移動可能な範囲で、最小径の位
置にあり、ベルトの張力が最も小さい状態で滑りを伴っ
た状態で走行している。一方、駆動されるプーリは、無
負荷の状態でベルトにより回転させられている。この状
態では、ベルトの張力は最も小さいため、プーリとの接
触にるベルトの摩耗は少なく、またベルトに生じる応力
も小さいので、ベルトの寿命を延ばすことができる。こ
の状態から、クラッチを接続すると、可動シーブが固定
シーブに向かって移動させられるため、両シーブの間隔
が次第に狭くなり、一方ベルトは滑りを伴った走行状態
を維持しつつ、次第にプーリの径方向外側に移動してゆ
く。この過程で、ベルトの張力は次第に大きくなり、し
たがってベルトの滑りは次第に少なくなってゆく。そし
て、可動シーブの固定シーブに向けての接近が終了し、
プーリにおけるベルトの巻回径が最大となった状態で
は、ベルトには所定の張力が生じていて、ベルトの滑り
も殆どなく、エンジンの動力が効率よく駆動輪に伝達さ
れる。このように、クラッチを接続した時は、このベル
トは滑りを伴って走行しているため、エンジンの動力
は、ステップ状に一気に駆動輪に伝達されずに、徐々に
伝達されるため、クラッチに急激に大きな荷重が作用す
ることはなく、その剛性は従来のものより小さくてよ
く、従来のものより装置の小型化・軽量化が可能とな
る。また、ベルトにも過度の張力が発生することはな
く、この点でもベルトの寿命が延びる。
【0009】請求項2記載の発明のように、さらに、前
記可動シーブ位置制御手段は、一端が前記可動シーブに
係止され、他端が前記固定シーブまたは前記入力軸に係
止されていて、クラッチ遮断時に前記可動シーブを前記
固定シーブから離間する方向に移動させるバネと、前記
可動シーブに設けられた第1係合部と、クラッチ接続時
に、前記可動シーブと前記固定シーブとの相対回転に基
づいて、前記第1係合部と係合として、前記バネのバネ
力に抗して前記可動シーブを前記固定シーブに向けて移
動させる、前記固定シーブまたは前記入力軸に設けられ
た第2係合部とを備えていることにより、クラッチ遮断
時には、可動シーブは、バネで連結されている固定シー
ブと一体の状態となって回転している。さらに、可動シ
ーブは、バネのバネ力により固定シーブから離間する方
向に移動させられて、両シーブは最も離れている状態と
なる。この状態から、クラッチを接続すると、クラッチ
を介して駆動輪の負荷が入力軸に作用するため、入力軸
に固定された固定シーブには反回転方向に抵抗力が作用
する。一方、可動シーブは入力軸に対して回動自在であ
るため、直接的に駆動輪の負荷を受けない。その結果、
可動シーブに作用する摩擦力および固定シーブに作用す
る抵抗力に基づく力が、バネ力より大きくなると、その
バネ力に抗して、可動シーブと固定シーブとの間に相対
回転、すなわち可動シーブと固定シーブとの間に回転速
度差が発生する。この相対回転により、第1係合部と第
2係合部とが係合して、可動シーブが固定シーブに向け
て移動させられ両シーブの間隔が次第に狭くなる。この
ようにして、クラッチを接続すると、可動シーブの固定
シーブへ向けての移動は、両シーブ間に生じる相対回転
を利用した両係合部の係合により自動的に行われる。
【0010】請求項3記載の発明のように、さらに前記
第1係合部は、前記可動シーブに形成された周方向の斜
面であり、前記第2係合部は、前記入力軸に固定された
ピンであることにより、係合部の構造をピンと斜面との
簡単な構成で実現できる。
【0011】請求項4記載の発明のように、さらに、前
記バネは、捩りコイルバネであることにより、クラッチ
を遮断した時に、捩りコイルバネの戻りバネ力および伸
びバネ力により、確実に可動シーブを離間位置に戻すこ
とができる。
【0012】請求項5記載の発明のように、さらに、前
記クラッチは噛み合いクラッチであることにより、噛み
合いクラッチの有する急激な動力伝達特性により生じる
不都合が解消されるので、簡単な構造を有しかつ低コス
トであるという噛み合いクラッチの利点を十二分に発揮
させることができる。
【0013】
【発明の実施形態】以下、図1ないし図10に図示され
た本出願発明の一実施形態である作業機の動力伝達装置
を説明する。この実施形態において、作業機は自走式芝
刈機である。図1に図示される芝刈機1は、カッターブ
レード2を収納するカッターハウジング3を有し、二つ
の前輪4および二つの後輪5を備えている。カッターハ
ウジング3の中央にはエンジン6が搭載されていて、鉛
直下方に延びるクランク軸7の下方に、後輪5を駆動す
るためにエンジン6の動力を伝達する駆動プーリ11
と、駆動プーリ11のさらに下方にカッターブレード2
とが、それぞれ取り付けられている。なお、8は芝刈機
1のハンドルである。
【0014】そして、後輪5の近傍には、後輪車軸14
を保持する図2に図示されるミッションケース15が配
置されている。ミッションケース15には、鉛直方向に
延びる入力軸16が軸受を介して回動自在に支持されて
いて、ミッションケース15の外部で入力軸16の上方
には従動プーリ12が取り付けられており、ミッション
ケース15の内部で入力軸16の下方にはベベルギヤか
らなるピニオンギヤ17が取り付けられている。一方、
駆動プーリ11と従動プーリ12との間にはベルト13
が掛け渡されていて、エンジン6の動力が、駆動プーリ
11、ベルト13、従動プーリ12、入力軸16および
後記する変速機構31(図9参照)を経て後記するクラ
ッチ41に伝達され、さらにそのクラッチ41を介して
後輪5に伝達されるようになっている。
【0015】図9に図示されるように、変速機構31
は、ピニオンギヤ17と噛み合うベベルギヤ32が固定
された駆動軸33と、駆動軸33に固定された三つのド
ライブギヤ34と、車軸14に対してその軸線方向に摺
動自在に嵌合されたキー37と、これらギヤ34とそれ
ぞれ噛み合うとともに、車軸14に回転自在に嵌合され
たハブ36に対してキー37により選択的に回転方向に
固定される三つのドリブンギヤ35とを備えている。入
力軸16の回転は、ピニオンギヤ17、ベベルギヤ3
2、駆動軸33、ドライブギヤ34、ドリブンギヤ35
およびキー37を介してハブ36に伝達される。キー3
7の外周の周方向に形成された環状溝には、キー37を
ハブ36に向けて摺動させる変速用シフトフォーク38
が係合しており、この変速用シフトフォーク38は、そ
の軸部がミッションケース15に回動自在に支持される
ことにより、ミッションケース15に対して回動自在に
なっている。そして、軸部の端部には、一端が変速操作
レバーに(図示されず)ワイヤ等を介して連結されるア
ーム39が固定されている。このような構成により、変
速操作レバーを操作することで、変速用シフトフォーク
38が回動され、さらに変速用シフトフォーク38と係
合するキー37を車軸14上を摺動させて、キー37を
特定のドリブンギヤ35と係合させることより変速が行
われる。
【0016】図9および図10に図示されるクラッチ4
1は、車軸14にピン42で一体に固定されたスプライ
ン軸43と、スプライン軸43の外周面に形成されたス
プライン溝に沿ってその軸線方向に摺動自在に取り付け
られ、クラッチ歯44aが形成されたシフター44と、
ハブ36のシフター44との対向面に形成されたクラッ
チ歯36aとを備えている。シフター44をハブ36に
向けて摺動させたときに、それらのクラッチ歯36a,
44aが噛み合い、両者が一体となって回転する。した
がって、このクラッチ41は、噛み合いクラッチ、いわ
ゆるドッグ式クラッチである。
【0017】一方、シフター44の外周の周方向に形成
された環状溝には、シフター44をカムに向けて摺動さ
せるクラッチ用シフトフォーク45が係合しており、こ
のクラッチ用シフトフォーク45は、その軸部がミッシ
ョンケース15に回動自在に支持されることにより、ミ
ッションケース15に対して回動自在になっている。そ
して、軸部の端部には、一端がクラッチ操作レバーに
(図示されず)ワイヤ等を介して連結されるアーム46
が固定されている。このような構成により、クラッチ操
作レバーを操作することで、クラッチ用シフトフォーク
45が回動され、さらにクラッチ用シフトフォーク45
と係合するシフター44をスプライン軸43に対して摺
動させて、クラッチ歯36a,44aの噛み合いおよび
分離、すなわちクラッチ41の接続および遮断が行われ
る。
【0018】次に、図2を参照して、従動プーリ12の
構造について説明する。従動プーリ12は、入力軸16
に固定された固定シーブ18と、入力軸16に対して軸
線方向に摺動自在であって、かつ回動自在に嵌合された
可動シーブ19とから構成されている。固定シーブ18
および可動シーブ19は、ボス部材18a,19aと板
状のプレート部材18b、19bとをそれぞれ備えてい
る。そして、ボス部材18a,19aは、入力軸16に
沿って延びる円筒部18c,19cと円筒部18c,1
9cの径方向外方に延びる鍔部18d,19dとを有し
ている。一方、プレート部材18b,19bは、固定シ
ーブ18および可動シーブ19とも同一形状に形成され
ていおり、ボス部材18a,19aの鍔部18d,19
d外周近傍から径方向外方に順に、互いに他のシーブに
近づく方向に傾斜する内側傾斜部、水平部、互いに他の
シーブから遠ざかる方向に傾斜する外側傾斜部を有して
いる。両水平部は、固定シーブ18のボス部材18aの
円筒部18c上面に、可動シーブ19のボス部材19a
の円筒部19c下面が当接した状態で、互いに接触する
部分である。また、両外側傾斜部で形成されるV字状の
空間には、ベルト13が巻回される。プレート部材18
b、19bは、固定シーブ18では鍔部18dの上面
に、そして可動シーブ19では鍔部19dの下面に、そ
の内周面がボス部材18a,19aの円筒部18c,1
9cの外周面と接している状態で、プレート部材18
b,19bおよび鍔部18d,19dに90度の周方向
の間隔で設けられた4箇所のリベット孔に挿入されたリ
ベット20によりそれぞれ結合されている。
【0019】固定シーブ18の円筒部18c下面には、
入力軸16の下方位置に形成された下孔に挿入固定され
るとともに下孔を貫通して延びる下ピン21が嵌合する
溝22が形成されていて、これによって、固定シーブ1
8と入力軸16との周方向の相対移動が確実に阻止され
るようにされている。また、可動シーブ19の円筒部1
9c上面には、その周方向に、入力軸16の上方位置に
形成された上孔に挿入固定されるとともに上孔を貫通し
て延びる上ピン23と係合する斜面24c(図4参照)
を有する溝24が形成されている。ここで、斜面24c
は、可動シーブ19に設けられた第1係合部を構成し、
上ピン23は、入力軸16に設けられた第2係合部を構
成している。なお、上ピン23および下ピン21は同一
形状を有するものであり、また入力軸16に形成される
下孔および上孔は、それら孔の各軸線が同一平面上にあ
るように形成されている。
【0020】ここで、前記斜面24cについて、さらに
説明する。図3、図4、図7および図8に図示されるよ
うに、可動シーブ19の円筒部19c上面には、入力軸
16の軸線に関して対称に、二つの溝24が形成されて
いる。これら溝24は、上ピン23の軸線と平行で下方
に向かって延びるな垂直面24aと、この垂直面24a
と滑らかに接続するとともに上ピン23が当接する、上
ピン23と同一の半径を有するR状底面24b、およびR
状底面24bから円筒部19c上面まで達する平坦な斜
面24cとからなる。上ピン23は、クラッチ41遮断
時であって、後記する捩りコイルバネ25のバネ力によ
り、可動シーブ19が固定シーブ18から最も離間した
位置に移動させられたときに、R状底面24bに位置し
(図4の二点鎖線)、またクラッチ41接続時に、可動
シーブ19に作用するベルト13の摩擦力およびクラッ
チ41と入力軸16とを介して固定シーブ18に作用す
る後輪5の負荷に基づく抵抗力により、捩りコイルバネ
25のバネ力に抗して可動シーブ19が固定シーブ18
に対して相対回転したときに、可動シーブ19が固定シ
ーブ18に向けて移動させられて、可動シーブ19の円
筒部19c下面が固定シーブ18の円筒部18c上面に
当接した状態において、斜面24cの途中に位置する。
【0021】さらに、捩りコイルバネ25が、両シーブ
18,19の間にあって、固定シーブ18および可動シ
ーブ19のリベット20による固定箇所より径方向内側
で、入力軸16と同心に配置されている。捩りコイルバ
ネ25の各係止部が係止される係止孔18e,19e
は、90度の間隔で設けられたリベット孔のうちの二つ
のリベット孔のなす角の略中央に形成されている。両係
止孔18e,19eの間の角度はクラッチ41遮断時に
は略90度であり、クラッチ41接続時には、固定シー
ブ18と可動シーブ19との相対回転により、その角度
が略8度となる位置まで接近する。捩りコイルバネ25
は、固定シーブ18に対して、上方(図3参照)より見
て反時計方向の捩りバネ力が可動シーブ19に作用する
ように、そして可動シーブ19が入力軸16の軸線に沿
って離間する方向に伸びバネ力が作用するようにされて
いる。
【0022】次に、このように構成された本出願発明の
実施形態の動作および効果を説明する。芝刈機1のエン
ジン6が停止されているとき、可動シーブ19は、捩り
コイルバネ25のバネ力により、固定シーブ18から最
も離間した位置にあり、ベルト13が巻回される従動プ
ーリ12の有効半径は最小になっている。そして、上ピ
ン23はR状底面24bに位置している。また、クラッ
チ41は遮断状態にある。
【0023】ついで、エンジン6が運転されると、エン
ジン6の動力は駆動プーリ11からベルト13、従動プ
ーリ12、入力軸16、ベベルギヤ32、駆動軸33、
ドライブギヤ34、ドリブンギヤ35およびキー37を
介してハブ36に伝達される。しかしながら、クラッチ
41が遮断状態であるため、後輪5の車軸14はハブ3
6とは接続されておらず、入力軸16は無負荷の状態に
ある。このとき、可動シーブ19は、捩りコイルバネ2
5で連結されている固定シーブ18と一体の状態で回転
している。そして、駆動プーリ11により走行させられ
るベルト13は、従動プーリ12の最小径の位置にある
ため、ベルト13の張力が最小の状態で、固定シーブ1
8および可動シーブ19間で滑りを伴った走行をしてい
る。したがって、この状態では、ベルト13の張力が小
さいため、従動プーリ12との接触によるベルト13の
摩耗は少なく、またベルト13に生じる応力も小さいの
で、ベルト13の寿命を延ばすことができる。
【0024】次に、クラッチ操作レバーが操作されて、
シフター44が摺動して、シフター44のクラッチ歯4
4aおよびハブ36のクラッチ歯36aが噛み合って、
クラッチ41が接続されると、ハブ36と車軸14とが
結合されるため、入力軸16には停止していた後輪5の
荷重が作用する。すると、可動シーブ19には、走行す
るベルト13の摩擦力により引き続き回転方向の力が作
用するのに対して、固定シーブ18には、後輪5の負荷
のため、回転を妨げる方向(反回転方向)の抵抗力が作
用する。そして、可動シーブ19に作用する摩擦力およ
び固定シーブ18に作用する抵抗力に基づく力が、捩り
コイルバネ25の前記捩りバネ力および前記伸びバネ力
より大きくなると、そのバネ力に抗して、可動シーブ1
9と固定シーブ18との間に相対回転、すなわち可動シ
ーブ19と固定シーブ18との間に回転速度差が発生す
る。その結果、可動シーブ19は、可動シーブ19の円
筒部19c上面に形成された斜面24cが入力軸16に
固定された上ピン23に係合した状態で固定シーブ18
に対して回転し、同時に固定シーブ18に向けて移動さ
せられるため、両シーブ18,19の間隔が次第に狭く
なる。一方、ベルト13は滑りを伴った走行状態を維持
しつつ、次第に両シーブ18,19の径方向外側に移動
してゆく。この過程で、ベルト13の張力は次第に大き
くなり、したがってベルト13の滑りは次第に少なくな
ってゆく。そして、固定シーブ18のボス部材18aの
円筒部18c上面に、可動シーブ19のボス部材19a
の円筒部19c下面が当接して、可動シーブ19の固定
シーブ18に向けての接近が終了し、従動プーリ12に
おけるベルト13の巻回径が最大となった状態では、ベ
ルト13には所定の張力が生じていて、ベルト13の滑
りも殆どなく、エンジン6の動力が効率よく入力軸16
そして後輪5に伝達され、芝刈機1が走行する。そし
て、クラッチ41接続中は、可動シーブ19に作用する
摩擦力および固定シーブ18に作用する抵抗力に基づく
力により、この状態が維持される。
【0025】このように、クラッチ41を接続した時
は、ベルト13は滑りを伴って走行しているため、エン
ジン6の動力は、ステップ状に一気に駆動輪に伝達され
ずに、徐々に伝達されるため、クラッチ41に急激に大
きな荷重が作用することはなく、その剛性は従来のもの
より小さくてよく、したがって従来のものより装置の小
型化・軽量化が可能となり、芝刈機1の作業性や操作性
が改善される。また、クラッチ41を接続した時に、ベ
ルト13に過度の張力が発生することはなく、この点で
もベルト13の寿命が延びる。
【0026】それゆえ、クラッチ41が噛み合いクラッ
チであることに由来する急激な動力伝達特性により生じ
る不都合が解消されるので、簡単な構造を有しかつ低コ
ストであるという噛み合いクラッチの利点を十二分に発
揮させることができる。
【0027】また、この芝刈機1では、クラッチ41が
接続された際、エンジン6の動力が徐々に後輪5に伝達
されるので、後輪5は、停止状態から急速に高回転で駆
動されずに、停止状態から徐々に高回転に移行するた
め、後輪5により、芝が倒されたり、引きちぎられた
り、さらには地面が削られるといったことは生じない。
そのため、芝面の仕上がり状態が良好となる。
【0028】また、クラッチ41を接続すると、可動シ
ーブ19の固定シーブ18へ向けての移動は、両シーブ
18,19間に生じる相対回転を利用したピン23と斜
面24cとの簡単な係合部の構成で実現できる。
【0029】その後、クラッチ操作レバーを操作して、
クラッチ41を遮断すると、入力軸16は再び無負荷の
状態になり、固定シーブ18に作用していた抵抗力も消
失し、固定シーブ18には、可動シーブ19と同じベル
ト13の摩擦力が作用することになる。そのため、可動
シーブ19は、捩りコイルバネ25のバネ力により、可
動シーブ19の斜面24cが上ピン23に規制されなが
ら移動し、最終的に上ピン23が溝のR状底部24bに
位置するようになり、可動シーブ19は最初の最も離間
した位置に戻る。このように、クラッチ41を遮断した
時に、捩りコイルバネ25の戻りバネ力および伸びバネ
力により、確実に可動シーブ19を離間位置に戻すこと
ができる。
【0030】前記実施形態では、クラッチ41接続時に
固定プーリが固定された入力軸16にかかる後輪5の負
荷を利用して、可動シーブ19を固定シーブ18に向け
て移動させる機構を採用したが、このような機構の代わ
りに、可動シーブ19を固定シーブ18に対して接近ま
たは離間可能に移動させるカム機構やレバー機構を採用
し、そのカム機構やレバー機構を操作する操作レバーを
設け、クラッチ41の遮断および接続操作と関連させて
この操作レバーを操作して、前記カム機構やレバー機構
を通じて可動シーブ19を固定シーブ18に対して接近
または離間させてもよい。
【0031】前記実施形態では、第1係合部は可動シー
ブ19に形成された斜面24cであり、第2係合部は入
力軸16に固定されて前記斜面24cと係合する上ピン
23であったが、第1係合部がピンで、第2係合部が斜
面24cであってもよい。また、係合部としては、ピン
でなく突起であってもよい。また、第1係合部および第
2係合部は、可動シーブ19自体および固定シーブ18
自体にそれぞれ形成してもよく、要は、可動シーブ19
と固定シーブ18との間の回転方向の相対移動により、
可動シーブ19が固定シーブ18に対して接近または離
間するような係合機構であればよい。
【0032】前記実施形態では、捩りコイルバネ25の
一端は固定シーブ18の鍔部18dに形成された係止孔
18eに係止されているが、一端が入力軸16に係止さ
れ、他端が可動シーブ19に係止されるバネであっても
よい。
【0033】前記実施形態では、作業機は自走式芝刈機
であったが、自走式草刈機やその他の走行可能な作業機
であってよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本出願発明の一実施形態の動力伝達装置を搭載
した自走式芝刈機の概略全体図である。
【図2】図3のII−II線に沿って截断した従動プーリの
断面図および図9のII−II線に沿って截断したミッショ
ンケースの断面図である。
【図3】図2のIII 方向矢視図である。
【図4】上ピンと斜面との係合状態の説明図である。
【図5】固定シーブの平面図である。
【図6】図5のVI方向の矢視図である。
【図7】可動シーブの平面図である。
【図8】図7のVIII−VIII線に沿って截断した断面図で
ある。
【図9】ミッションケースの横断面図である。
【図10】図9のX−X線に沿って截断した断面図であ
る。
【符号の説明】
1…芝刈機、2…カッターブレード、3…カッターハウ
ジング、4…前輪、5…後輪、6…エンジン、7…クラ
ンク軸、8…ハンドル、11…駆動プーリ、12…従動
プーリ、13…ベルト、14…後輪車軸、15…ミッシ
ョンケース、16…入力軸、17…ピニオンギヤ、18
…固定シーブ、18a…ボス部材、18b…プレート部
材、18c…円筒部、18d…鍔部、18e…係止孔、
19…可動シーブ、19a…ボス部材、19b…プレー
ト部材、19c…円筒部、19d…鍔部、19e…係止
孔20…リベット、21…下ピン、22…溝、23…上
ピン、24…溝、24a…垂直面、24b…R状底面、
24c…斜面、25…捩りコイルバネ、31…変速機
構、32…ベベルギヤ、33…駆動軸、34…ドライブ
ギヤ、35…ドリブンギヤ、36…ハブ、36a…クラ
ッチ歯、37…キー、38…変速用シフトフォーク、3
9…アーム、41…クラッチ、42…ピン、43…スプ
ライン軸、44…シフター、44a…クラッチ歯、45
…クラッチ用シフトフォーク、46…アーム。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動輪へのエンジンの動力の遮断および
    接続を行うクラッチと、 前記クラッチへエンジンの動力を伝達する入力軸と、 前記入力軸に回転自在にかつ前記入力軸の軸線方向に移
    動自在に嵌合された可動シーブと、前記入力軸に固定さ
    れた固定シーブとを有するプーリと、 を備え、エンジンの動力を、ベルトおよび前記ベルトが
    巻回された前記プーリおよび前記入力軸を介して前記ク
    ラッチへ伝達する作業機の動力伝達装置において、 クラッチ遮断時に前記可動シーブを前記固定シーブから
    離間する方向に移動させ、クラッチ接続時に前記可動シ
    ーブを前記固定シーブに向けて移動させる可動シーブ位
    置制御手段が設けられたことを特徴とする作業機の動力
    伝達装置。
  2. 【請求項2】 前記可動シーブ位置制御手段は、 一端が前記可動シーブに係止され、他端が前記固定シー
    ブまたは前記入力軸に係止されていて、クラッチ遮断時
    に前記可動シーブを前記固定シーブから離間する方向に
    移動させるバネと、 前記可動シーブに設けられた第1係合部と、 クラッチ接続時に、前記可動シーブと前記固定シーブと
    の相対回転に基づいて、前記第1係合部と係合として、
    前記バネのバネ力に抗して前記可動シーブを前記固定シ
    ーブに向けて移動させる、前記固定シーブまたは前記入
    力軸に設けられた第2係合部と、 を備えていることを特徴とする請求項1記載の作業機の
    動力伝達装置。
  3. 【請求項3】 前記第1係合部は、前記可動シーブに形
    成された周方向の斜面であり、前記第2係合部は、前記
    入力軸に固定されたピンであることを特徴とする請求項
    2記載の作業機の動力伝達装置。
  4. 【請求項4】 前記バネは、捩りコイルバネであること
    を特徴とする請求項2または3記載の作業機の動力伝達
    装置。
  5. 【請求項5】 前記クラッチは、噛み合いクラッチであ
    ることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項記
    載の作業機の動力伝達装置。
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