JP2000169626A - シリコーンゴム用充填材 - Google Patents
シリコーンゴム用充填材Info
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Abstract
を損なうことなく、可塑化戻りが低減され、優れた加工
性を与えるシリコーンゴム補強充填材を提供する。 【解決手段】有機基を含有する疎水化剤により処理され
た、BET比表面積が100〜250m2/gの含水珪
酸よりなり、該疎水化剤の含水珪酸の付着量(A)が、
含水珪酸に対してカーボン換算割合で、 (i)含水珪酸のBET比表面積が100m2/g以
上、150m2/g以下の場合、 0.3重量%≦A
≦0.6重量% (ii)含水珪酸のBET比表面積が150m2/gを超
え、200m2/g以下の場合、 0.6重量%<A≦
1.1重量% (iii)含水珪酸のBET比表面積が200m2/gを超
え、250m2/g以下の場合、 1.1重量%<A≦
1.5重量% の条件を満足することを特徴とするシリコーンゴム用充
填材。
Description
新規なシリコーンゴム用補強充填材に関するものであ
る。詳しくは、シリコーンゴムへの配合において、その
補強性を損なうことなく、可塑化戻りが低減され、優れ
た加工性を与えるシリコーンゴム補強充填材を提供する
ものである。
解する湿式法によって得られる含水珪酸の用途の1つと
して、シリコーンゴム用充填材の用途が知られている。
例えば、30〜40重量(wt)%以上の割合で多量に
充填して補強性を付与しようとした場合、該含水珪酸表
面の表面活性によると考えられているが、シリコーンゴ
ムにシリカを配合したシリコーンコンパウンドが経時的
に硬くなる現象、いわゆる”可塑化戻り”を起こすこと
が知られている。
酸表面に存在するシラノール基が考えられている。特
に、アルカリ珪酸水溶液から作られた含水珪酸はその表
面に大量に”水”を含んでいるために含水珪酸とシリコ
ーンゴムを混練する際に混練性が悪化するとともに、こ
の”水”を除去するために長時間加熱混練する必要が生
じてくる。
水、シラノール基”の影響を軽減するために、シリカ表
面に存在する活性基であるシラノール基との反応性に富
んだシランカップリング剤(ウェッター)をシリコーン
ゴムとの混練時に同時に添加して加熱処理を行ったり、
含水珪酸を分割投入することにより混練時間を短くする
などの工夫が行われていた。
ンゴムコンパウンドは、シリコーンゴムに含水珪酸粉末
及びウェッターを混練し、加熱処理を行い、且つ目的に
応じてその他の添加剤を配合混練した状態で販売されて
いるのが通常である。
理をされてシリコーンゴム中に分散される含水珪酸は、
乾式法シリカと比べ、複雑な中和分解反応により合成さ
れ基本粒子である1次粒子が反応条件により種々複雑に
凝集していわゆる2次凝集体構造を形成しており、その
粒子構造は極めて複雑な状態となっている。また、反応
工程中の濾過、水洗工程での操作により含水珪酸に残留
する不純物塩類の種類、量も大きく変動し、それに付随
して表面活性も大きく影響されてくる。更に、表面に多
量のシラノール基が存在することにより含有水分量も大
きく変動する。
集粒子構造、表面活性により、シリコーンゴムに混練し
た際、常に安定した性能を発揮することは難しく、例え
ば、同一の配合条件で、シリコーンゴムコンパウンドを
製造したとしても、そのシリコーンゴムコンパウンドの
粘度は、可塑化戻り等の問題が十分改善されることな
く、不安定である。
粘度が安定しない場合、シリコーンゴム加工メーカーが
使用する場合において、一定の混練条件での操業を維持
することが難しくなり、極端な場合においては、混練時
毎に配合剤の種類、量を調整したり、混練条件を変更す
るなど加工性や、生産性に大きな影響を及ぼす。
リコーンゴムコンパウンドを得ることの可能なシリコー
ンゴム補強充填材用含水珪酸の開発が強く求められてい
る。
をシリコーンゴムに混練する際に、可塑化戻りが抑制さ
れ、加工性が良好であり、且つその補強性を充分に維持
できるようなシリコーンゴム用含水珪酸について鋭意研
究を重ねた。
酸において、該比表面積に応じて疎水化剤による処理量
を特定の範囲に調整することにより、表面処理された含
水珪酸が、上記目的を全て達成することを見い出し、本
発明を完成するに至った。
剤により処理された、BET比表面積が100〜250
m2/gの含水珪酸よりなり、該疎水化剤の含水珪酸の
付着量(A)が、含水珪酸に対してカーボン換算割合
で、下記の条件を満足することを特徴とするシリコーン
ゴム用充填材である。
m2/g以上、150m2/g以下の場合、 0.3重
量%≦A≦0.6重量% (ii)含水珪酸のBET比表面積が150m2/gを超
え、200m2/g以下の場合、 0.6重量%<A≦
1.1重量% (iii)含水珪酸のBET比表面積が200m2/gを超
え、250m2/g以下の場合、 1.1重量%<A≦
1.5重量% 一般に、含水珪酸の表面に存在するシラノール基は極性
基であり、シリコーンゴムのような非極性溶媒とはなじ
みが悪く、そのため、この様な含水珪酸をシリコーンゴ
ムに混練すると混練時の粘度が上昇し加工性が悪くな
る。含水珪酸の表面を疎水化剤で表面処理することによ
り表面に存在するシラノール基の量を軽減でき、なじみ
が悪い極性基の量を減らすことが出来る。更に、一般的
に用いられる表面処理剤であるシランカップリング剤等
はシラノール基と反応しない反対側は親油性である有機
基になっているのでシリコーンゴムとは非常になじみが
良くなる。このため、加工時のシリコーンゴムコンパウ
ンドの粘度は表面処理を施していないときに比べて大き
く下がり良好な加工性を得ることができる。
囲を超えると、加工性は確かに向上するものの、反対に
混練中の粘度が十分に上がらず混練時にシェアがかから
なくなり含水珪酸を良好に分散することが出来なくな
る。また、シリコーンゴムとインターラクションする基
が失われてしまい、架橋により形成される網目密度の不
足を来たすため十分な補強性が得られなくなる。
剤の添加量が比表面積によって大きく変化するという知
見を得た。かかる知見に基づいて鋭意研究を重ねた結
果、特定の比表面積の範囲内で、該比表面積に対する疎
水化剤の上記問題を解決するための効果を発揮し得る前
記特定の範囲が存在することを見い出したのである。
を構成する含水珪酸は、先ず、窒素吸着によるBET比
表面積が100〜250m2/g、好ましくは、170
〜230m2/gであることが重要である。上記比表面
積がこの値より低い場合には、後記する疎水化剤の処理
量の最適範囲を見い出し、かかる量に調整したとして
も、補強性に劣り、又シリコーンコンパウンドの粘度が
低くなりすぎてロール粘着性が悪くなる。逆に、上記比
表面積がこの範囲よりも高い場合には、シリコーンゴム
コンパウンドの粘度が高くなりすぎて加工性が悪くなる
ばかりでなく、可塑化戻りも悪くなる。
特性を満足するものであれば、他の特性値は特に制限さ
れることはない。例えば、本発明の含水珪酸は、pH値
が5%水懸濁液で6.0〜7.5、好ましくは、6.5
〜7.5であるものが良く、pH値がこの範囲より低す
ぎるとシリコーンゴムコンパウンドのロール粘着性が悪
くなり、高すぎるとシリコーンゴムコンパウンドの粘度
が高くなり、加工性が悪くなるとともに伸び等の物性が
低下してくる。
平均粒径は、1〜15μmの範囲のものが好ましく、特
に、5〜14μmがよい。上記平均粒径が、この範囲よ
りも大きい場合には、シリコーンゴム中で充分に分散し
難くなるくなり、補強性の低下、ホワイトブレークの発
生などの問題が生じてくる。
〜0.12g/ccの範囲のものが好適である。
造方法は、特に制限されることはなく、種々公知の反応
方法が採用できる。例えば、アルカリケイ酸塩水溶液と
鉱酸を反応させて含水珪酸を沈澱析出させる場合、通常
の市販の珪酸ソーダ及び硫酸等が使用される。
例えば、所定の濃度に調整されたアルカリ珪酸ソーダ水
溶液中に一定の速度で硫酸を数段階若しくは連続的に滴
下させる方法、或いは、予め所定の濃度に調整されたア
ルカリ珪酸ソーダ水溶液中に、所定の一定の温度で攪拌
しながら、アルカリ珪酸ソーダ及び硫酸を同時に滴下す
る方法、さらには、両者の中間的な方法等いずれの方法
も採用することができる。
うな含水珪酸を得るためには、上記反応において、反応
の温度、熟成温度、時間、仕込のシリカ濃度、添加の珪
酸ソーダ濃度等を制御する方法が好適に採用できる。こ
の比表面積の制御方法の1つである反応温度を例に取る
と、反応温度を高くすると比表面積は低くなり、温度を
低くすると比表面積は高くなる。従って、これらの条件
を適宜調節することによって比表面積を前記範囲に制御
することができる。
濾過、水洗され、反応中に副生したNa2SO4等の塩類
は充分な水洗により除去される。
方法が採用でき例えば、乾燥方法としては、気流乾燥ま
たは静置乾燥等が利用できる。粉砕方法としては、衝撃
式あるいは、ジェット式粉砕機が利用できる。
機粉体の疎水化処理に使用される公知のものが特に制限
なく使用される。例えば、モノメチルトリクロルシラ
ン、ジメチルジクロルシラン、トリメチルクロルシラン
等のシラン類、ヘキサメチルジシラザン等のシラザン類
等のシランカップリング剤、シリコーンオイル等が挙げ
られる。
化剤の含水珪酸に対する付着量(A)を、含水珪酸に対
してカーボン換算割合で、下記の条件を満足するように
調整することにある。
100m2/g以上、150m2/g以下の場合は、0.
3重量%≦A≦0.6重量%の範囲、(ii)含水珪酸の
BET比表面積が150m2/gを超え、200m2/g
以下の場合は、0.6重量%<A≦1.1重量%の範
囲、また、(iii)含水珪酸のBET比表面積が200
m2/gを超え、250m2/g以下の場合には、1.1
重量%<A≦1.5重量%となるように付着量が調整さ
れる。
の付着量Aが、上記上限を超えた場合は、シリコーンコ
ンパウンドの粘度が低くなりすぎて分散時に十分なシェ
アが得られずシリカ凝集粒子の分散が悪くなり、更にゴ
ムとのインターラクションが取れず十分な補強性が得ら
れなくなる。例えば、疎水化剤の付着量Aがかかる範囲
の上限を超えたものは、範囲内のものに対して物理強度
の1つである伸びが15%程度以上低下する。また、該
付着量Aが上記下限より少ない場合は、未だ含水珪酸表
面に未処理のシラノール基が多く存在し、混練操作を行
う際にシリコーンゴムとのなじみが悪くなり、加工性の
改善が見られない。例えば、疎水化剤の付着量Aがかか
る範囲の下限より少ないものは、後記の可塑化戻り率が
100%を超えてしまうが、この範囲内であればその戻
り量は70%程度以下に抑えることができる。
理する方法は、公知の方法が特に制限なく採用される。
例えば、気相流動層中で含水珪酸を流動させた状態で、
必要に応じて加熱下に、疎水化剤をガス状又は液状で供
給する方法、ヘンシェルミキサーの様な攪拌層中で、必
要に応じて加熱下に、疎水化剤をガス状又は液状で供給
する方法等が挙げられる。
の含水珪酸を仕込んでおき、加熱しながら窒素気流で流
動化させ、そこにスプレー式のノズルから、疎水化剤、
例えば、ジメチルジクロルシランを該含水珪酸の比表面
積に応じて決定される前記範囲量を15分くらいの時間
をかけて流動層中に吹き込んで表面処理を行う方法が採
用される。
用充填材をシリコーンゴムに充填する方法は、公知の方
法が特に制限なく採用される。一般には、シリコーンゴ
ムへの含水珪酸の配合は、ロール又はニーダーで練り込
む方法が採用される。また、加硫剤を配合したシリコー
ンゴムコンパウンドの加硫方法も一般的に行われている
公知の方法が特に制限なく利用できる。
コーンゴムへの充填量も特に限定されるものではない。
一般には、シリコーンゴムに対して25〜45wt%の
広い範囲で充填することが可能である。
リコーンゴムへ配合した際に、優れた補強性を維持しつ
つ、可塑化戻りもなく、シリコーンゴムコンパウンドの
粘度を低く保てるという特徴を有している。
得ることが可能となる。
例を上げて説明する。尚、各物性値等の測定は次に示す
方法により実施した。
ル50mlを混合した溶液に、試料5gを加え5分間充分
攪拌した後、10分間静置し、pHメーターから指示値
を読み取った。
ャーで測定を行った。
g当たりのカーボン含有量を測定した。
粒子の特性の違いをはっきりとするため、シリコーン生
ゴム100phrに対して含水珪酸40phrのみの配
合として、4インチロールを用いて室温下で10〜11
分混練した。ムーニー粘度は、混練後24時間放置した
シリコーンコンパウンドをムーニー粘度測定機を使用し
て、150℃でLローターを用いて測定し、ML1+12の
数値で示した。また、シリコーンゴムコンパウンドに加
硫剤を配合するときの加工性を以下の基準により評価し
た。
いもの ×・・・ロールへの粘着性がみられるか、ロールに巻き
付き難いもの 可塑化戻りは次のようにして測定を行った。含水珪酸を
混練したシリコーンゴムコンパウンドから2.32gの
円筒を2つ抜き取る。1つは、混練直後にウィリアムス
可塑度計で可塑度を測定する。もう一つは40度恒温槽
中に放置、混練7日後に同様に可塑度を測定し7日後の
可塑度と0日後の可塑度の比で示した。
L(市販の珪酸ソーダ:SiO2/Na2O=3.38)
を投入し、攪拌しながら水溶液を90℃に調整した。次
いで、液温を90℃に保ちながら珪酸ソーダを3.3L
/min、22%硫酸を0.54L/minの割合で1
10分同時に添加し中和反応を行った。この後、珪酸ソ
ーダの投入を止め、反応液のPHが3になるまで硫酸を
添加して反応を終了した。次いで、この反応液をフィル
タープレスを用いて濾過、水洗した後ケークを乾燥し、
更に粉砕、分級して含水珪酸を得た。
みヘキサメチルジシラザンを所定量霧状にして吹きかけ
た。この後、窒素気流中で200℃で5時間加熱処理を
行うことにより表面処理を行い、含水珪酸よりなるシリ
コーンゴム用充填材を得た。
硫ゴム物性を測定するためのシリコーンゴムシートは、
シリコーン生ゴム100phrに対してシリカ粒子40
phrを配合して、4インチロールで混練し、1昼夜放
置した。このシリコーンゴムコンパウンドに加硫剤を
0.5phr添加し前記ロールで混練し、1次加硫17
0℃で10分、2次加硫200℃で4時間行った。この
シートを用いて、ゴムの引張強度を測定した。また。加
硫剤を添加する際に加工性を評価した。
た。
50分にした以外は実施例1と同様の製法、表面処理を
実施し、含水珪酸よりなるシリコーンゴム用充填材を得
た。
ム物性を表1に示した。
例1と同様の製法、表面処理を行い、含水珪酸よりなる
シリコーンゴム用充填材を得た。含水珪酸を得た。
ゴム物性を表1に示した。
いた以外は実施例1と同様の製法及び表面処理を実施
し、含水珪酸よりなるシリコーンゴム用充填材を得た。
ゴム物性を表1に示した。
剤の処理の程度を変えて表面処理を行った含水珪酸を得
た。
ゴム物性を表1に示した。
1.3L(市販の珪酸ソーダ:SiO2/Na2O=3.
01)を投入し、攪拌しながら水溶液を調整した。次い
で、硫酸を0.3L添加し、1次中和を行う。ついで、
液温を90℃に昇温し22%硫酸を14mL/minの
割合で60分添加し中和反応を行った。この後、更に硫
酸を反応液のPHが3になるまで添加した。この反応ス
ラリーを実施例1と同様に濾過乾燥粉砕を行い。ヘキサ
メチルジシラザンで表面処理を行い、表面処理された含
水珪酸を得た。
ム物性を表1に示した。
Claims (3)
- 【請求項1】 有機基を含有する疎水化剤により処理さ
れた、BET比表面積が100〜250m2/gの含水
珪酸よりなり、該疎水化剤の含水珪酸の付着量(A)
が、含水珪酸に対してカーボン換算割合で、下記の条件
を満足することを特徴とするシリコーンゴム用充填材。 (i)含水珪酸のBET比表面積が100m2/g以
上、150m2/g以下の場合、 0.3重量%≦A≦0.6重量% (ii)含水珪酸のBET比表面積が150m2/gを超
え、200m2/g以下の場合、 0.6重量%<A≦1.1重量% (iii)含水珪酸のBET比表面積が200m2/gを超
え、250m2/g以下の場合、 1.1重量%<A≦1.5重量% - 【請求項2】 含水珪酸の平均粒子径が1〜15μmで
ある請求項1記載のシリコーンゴム用充填材。 - 【請求項3】 表面処理前の含水珪酸の5重量%水懸濁
液のPHが6〜7.5である請求項1記載のシリコーン
ゴム用充填材。
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---|---|---|---|
JP34729198A JP3949301B2 (ja) | 1998-12-07 | 1998-12-07 | シリコーンゴム用充填材 |
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JP34729198A JP3949301B2 (ja) | 1998-12-07 | 1998-12-07 | シリコーンゴム用充填材 |
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