JP2000168218A - 印刷装置における版胴装置 - Google Patents

印刷装置における版胴装置

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JP2000168218A
JP2000168218A JP10347432A JP34743298A JP2000168218A JP 2000168218 A JP2000168218 A JP 2000168218A JP 10347432 A JP10347432 A JP 10347432A JP 34743298 A JP34743298 A JP 34743298A JP 2000168218 A JP2000168218 A JP 2000168218A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インキの脇漏れを始めとする基本的な版胴装
置の機能を変えたり性能低下を来すこと無く、例えばA
3機とB4機とを揃える版胴装置において、大幅な設計
変更を来したり、また型代が新たにかかったりすること
により、大幅なコスト高となる課題を解決する。 【解決手段】 幅サイズが相対的に小さいマスタ1Bを
巻装する開口部2Bを備えた版胴装置では、インキロー
ラ4の両端部に、マスタ1Bの幅サイズの短縮分に対応
して、版胴3Bの開口部2Bの支持円筒体23に内接不
能な段差部19を設けた。段差部19は、インキローラ
4のインキ供給領域の外周よりもへこんだ凹形状をな
す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、孔版印刷装置等を
含む印刷装置における版胴装置に関する。
【0002】
【従来の技術】印刷装置の一例としての孔版印刷装置と
しては、後述する実施形態1と略同様に図3〜図5に示
すように、インキ通過性の多数の開孔(図3〜図5には
図示せず)を有する支持円筒体23の外周面にインキ通
過性のメッシュスクリーン24が少なくとも1層巻装さ
れて形成されたインキ通過領域としての開口部2を備
え、その外周面に孔版原紙とも呼ばれているマスタ1を
巻装される多孔性円筒状の版胴3と、この版胴3の内部
に配設され、版胴3の開口部2に内接可能であって版胴
3内周面側から版胴3上のマスタ1にインキを供給する
インキ供給領域を備えたインキ供給部材としてのインキ
ローラ4’およびインキローラ4’の近傍に配設されイ
ンキローラ4’に付与するインキ量を制御するインキ量
制御部材としてのドクターローラ5’等を有するインキ
供給手段と、版胴3上のマスタ1に印刷用紙62を押し
付けて印刷を行うプレスローラ103等の押圧手段とを
具備しているものがある。なお、括弧を付してそれぞれ
示した従来のインキローラ4’およびドクターローラ
5’は、後述する実施形態1におけるそれらと区別する
ために、各符号に「’」をそれぞれ付加しているが、こ
れらと同様に、従来技術例における構成部品や構成部材
が、後述する実施形態1と区別して示した方が分かりや
すいものについては、上記と同様に各符号に「’」をそ
れぞれ付加するものとする。
【0003】このような孔版印刷装置において、版胴3
の外周面に巻装されるマスタ1の幅サイズ(以下、「マ
スタ幅」というときがある)の違いにより、最大A3サ
イズのマスタを使用可能なA3機や最大B4サイズのマ
スタを使用可能なB4機、あるいはそれ以上小さい最大
A4サイズのマスタを使用可能なA4機等が存在してい
る。これらのA3機やB4機等は、いわゆるシリーズ機
として、図3を借りて説明すると、外形をなす本体側板
50やパネル等のマシン本体を共通にして、マスタ幅の
変更に関わる部分のみを変更して展開していく場合があ
る。このようなマスタ幅の変更に関わる装置部分の一つ
として、版胴装置が挙げられる。この版胴装置は、上記
した版胴3およびインキローラ4’等を含むインキ供給
手段等を具備する装置であり、ドラム部とも呼ばれてい
る。
【0004】つまり、上記のような版胴装置を備えた孔
版印刷装置のシリーズ機では、マスタ1の幅サイズに応
じて、版胴3の軸方向Xにおける版胴3の開口部2と版
胴3の軸方向Xにおけるインキローラ4’の上記インキ
供給領域とをそれぞれ変えて印刷を行うようになってい
る。そして、A3機やB4機等では、上記版胴装置の他
に、例えば図3を借りて説明すると、原稿読取部80の
構成部品、マスタを製版するサーマルヘッド91等の製
版手段を搭載している製版給版部90や版胴3上のマス
タ1bに印刷用紙62を押し付けるプレスローラ103
(または圧胴等)の押圧手段等を備えた印圧部120も
適宜変更されることもあるが、コスト的な折合はあるも
のの共通部品化は既に可能となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
版胴装置においては、例えばA3機とB4機とをシリー
ズ機として展開していく場合、以下のようにしていたた
め、次のような問題点を有していた。第1に、図6
(a),(b)に示すように、版胴3の軸方向Xにおけ
る版胴3の開口部2の長さL1(以下、「開口幅L1」
というときがある)に合わせて、インキローラ4’のイ
ンキ供給領域である版胴3の軸方向Xにおけるインキロ
ーラ4’の長さL2(以下、「インキローラ幅L2」と
いう)を、いわゆるインキの脇漏れ防止を図る上から変
更していたため、インキローラ4’をA3機とB4機と
で共通に使えないという問題点があった。
【0006】なお、以下参照する各図面において、一つ
の例示としてA3機とB4機とについて説明することと
し、その場合において、マスタ1の幅サイズによるマス
タ1の識別、およびこのマスタ1の幅サイズに対応して
必要なインキ供給領域を有する版胴3およびその開口部
2の識別、版胴3の開口部2の変更に伴い変更する構成
部品であるインキローラ4’、ドクターローラ5’につ
いては、区別して説明した方が分かりやすいため、次の
ように各符号に英文字A,Bを適宜付加して使い分ける
ものとする。すなわち、A3機で使用できる最大の幅サ
イズを有するマスタ1をマスタ1Aとし、B4機で使用
できる最大の幅サイズを有するマスタ1をマスタ1Bと
し、これと同様に、A3機で使用する版胴3を3Aと
し、B4機で使用する版胴3を版胴3Bとする。また同
様に、A3機の版胴3において必要な開口幅を有する開
口部2を開口部2Aとし、B4機の版胴3において必要
な開口幅を有する開口部2を開口部2Bとする。そし
て、A3機の版胴3の開口部2Aに合わせて変更して使
用するインキローラ4’をインキローラ4A’とし、ド
クターローラ5’をドクターローラ5A’とし、B4機
の版胴3の開口部2Bに合わせて変更して使用するイン
キローラ4’をインキローラ4B’とし、ドクターロー
ラ5’をドクターローラ5B’とする。
【0007】また、後述する図1(a)、図2および図
7(a),(b)における版胴3の開口部2,2A,2
Bの断面は、図の見やすさを図るためにその断面にハッ
チングを施さないで白抜け状に図示しており、これと同
様の趣旨から、各マスタ1,1A,1Bは実際には版胴
3の外周面に密着しているがその外周面から故意に少し
離して図示し、またインキローラ4,4A’,4B’お
よびドクターローラ5,5A’,5B’周りの断面は、
図3および図4における各ローラ間の軸を結ぶ切断線
(断面矢視IV−IV)から見て図示している。
【0008】ところで、インキの脇漏れ防止に関する技
術としては、特開平8−39914号公報記載の技術を
挙げることができる。同公報に詳述されているように、
版胴3上に巻装されたマスタ1の側端からのインキの脇
漏れを防止するためには、図6(a)に示したようにイ
ンキローラ4’のインキローラ幅L2が版胴3の開口幅
L1に対して両端部において振り分けの配置関係にあ
り、かつ、マスタ1の両側縁部に適当な左右余白がある
場合において、インキローラ幅L2と開口幅L1とは、
L2<L1(<プレスローラ103等の押圧手段の押圧
長さ:同図に図示せず)の関係を満足することが必要と
される。これによって、インキローラ4’の外周面と支
持円筒体23の内周面との内接端部よりさらに外側にお
いても支持円筒体23には開孔2aが形成されたインキ
通過領域(開口部2)が設けられていることになり、こ
の外側の開口部2の開孔2aを利用して、その図示を省
略したメッシュスクリーンを介して、図中矢印Iaで示
すように余剰インキをプレスローラ等の押圧力で支持円
筒体23の内側に押し戻すことができる。
【0009】ここで、インキの脇漏れ防止のための条件
として、版胴3の一端部側において開口幅L1からイン
キローラ幅L2を差し引いた開口余裕代C5は、多くの
試験等を踏まえた経験上から2〜3mm以上必要である
ことが分かっている(L1−L2=C5=2〜3mm以
上)。
【0010】一方、図6(b)に示したように、インキ
ローラ幅L2と開口幅L1とがL2>L1の関係にある
場合では、マスタの非穿孔部分である左右余白の一側縁
部に対応した支持円筒体23の開口部2の開孔2aか
ら、プレスローラ等の押圧力で押し出されたインキは、
メッシュスクリーン(図示せず)の内部を通過して同図
中矢印Ibで示すように流れて、インキローラ4’の外
側には版胴3の開口部2が存在しないため、マスタ1の
側端からのインキの脇漏れを生じてしまう。なお、図6
(a),(b)において、符号4aはインキローラ4’
に一体的に形成されたインキローラ軸部を示す。
【0011】第2に、インキローラ4’のインキローラ
幅L2の変更に伴い、インキローラ4’をA3機とB4
機とで共通に使えないため、図7(a),(b)に示す
ように、主としてインキローラ4A’,4B’のインキ
ローラ幅L2に関連する版胴装置の構成部品や構成部材
である、ドクターローラ5A’,5B’、インキローラ
前側板6,6’、インキローラ後側板7,7’、インキ
ローラ駆動ギヤ8,8’、駆動伝達ギヤ9,9’、ドラ
ム匡体11,11’等の様々な部品や部材の幅および形
状を変更しなければならず、これにより大幅な設計変更
を来し、また型代が新たにかかるためコスト高となって
いて、省資源化を図る上でも問題点を有していた。
【0012】図7(a)は、A3機用の版胴装置の周り
の構成を表している。図7(a)において、符号300
は、図3を借りて説明すると、孔版印刷装置の本体側板
50に対して着脱自在な版胴ユニットを示す。この版胴
ユニット300は、幅サイズA3のマスタ1Aを巻装す
ることが可能な開口部2Aを有する多孔性円筒状の版胴
3Aと、長板状のドラム本体上側板17の両端部にそれ
ぞれ垂設され版胴3Aを回転可能に支持するドラム本体
前側板14およびドラム本体後側板16と、インキロー
ラ4A’と微小なローラ間隙C1を置いて平行に配置さ
れ、インキローラ4A’との間に断面楔形状のインキ溜
り(図3および図4のインキ溜り18参照)を形成する
インキ量制御部材としてのドクターローラ5A’と、イ
ンキローラ4A’とドクターローラ5A’との間のイン
キ溜りのインキを回転するドクターローラ5A’に計量
・制御されつつ付与され、回転しながら版胴3Aの内周
面に供給するインキ供給部材としてのインキローラ4
A’とを具備している。
【0013】版胴ユニット300の内部構造をさらに詳
述すると、版胴3Aは、その両端部が円板状の一対の前
フランジ12と後フランジ13との間にネジ26を介し
て取付けられている。前フランジ12と後フランジ13
との間の版胴3Aの内部には、各前・後フランジ12,
13を貫通する形で版胴3Aの軸方向Xに沿って図示を
省略した軸受を介して取付けられたインキ供給管を兼ね
るドラム軸10が配設され、このドラム軸10を回転中
心軸として、版胴3Aが各前・後フランジ12,13と
共に回転可能に支持されている。各前・後フランジ1
2,13にそれぞれ近接する版胴3A内のドラム軸10
の両側の部分には、版胴3Aが回転できる程の微小な隙
間を隔てて筐体状のドラム匡体11がネジ等の締結部材
を介して取付けられている。ドラム匡体11には、前後
一対のインキローラ前側板6とインキローラ後側板7と
がネジを介して垂下状に取付けられている。
【0014】これらのインキローラ前側板6とインキロ
ーラ後側板7との下端部には、その一端部にインキロー
ラ駆動ギヤ8が固着された軸をもって取付けられたイン
キローラ4A’が、軸受25を介して回転可能に取付け
られている。インキローラ4A’の取付け位置の上方の
一対のインキローラ前側板6とインキローラ後側板7と
の間には、インキローラ4A’の外周面に対し微小なロ
ーラ間隙C1を置いて配置されたドクターローラ5A’
が軸支されている。そして、インキローラ4A’とドク
ターローラ5A’との間には、ドラム軸10のインキ供
給孔から滴下するインキを保持して形成される断面楔形
状の上記インキ溜りが形成される。
【0015】後フランジ13の内壁面部には、インキロ
ーラ駆動ギヤ8と噛合する駆動伝達ギヤ9が固着されて
いる。なお、駆動伝達ギヤ9は、後側のフランジ13の
外壁面部に駆動伝達ギヤ9と対向して固着された図示を
省略した駆動伝達ギヤが本体側板50側に設けられた駆
動ギヤ(図示せず)と噛合し、この駆動ギヤの回転によ
り後フランジ13、前フランジ12および版胴3Aと共
に、ドラム軸10の回りに一体的に回転する。ドラム軸
10は、その両端部をドラム本体前側板14およびドラ
ム本体後側板16に形成された挿通孔に挿入されてい
て、リング状の固定具(図示せず)を用いてネジによ
り、ドラム本体前側板14およびドラム本体後側板16
に固定されている。
【0016】また、ドラム本体前側板14の下方の前方
部には、インキを収容したインキ容器(図示せず)やイ
ンキポンプ等の構成部品類が配設されるようになってい
るが、本願発明の要旨部分ではないので、これ以上の説
明を省略する。ドラム本体上側板17には、その一端部
に回動自在に一対のコロ(図示せず)が軸をもって取付
けられていて、本体側板50に設けられた保持手段(図
示せず)の入口部に回動自在に取付けられた導入コロ対
(図示せず)により、ドラム本体前側板14の上部寄り
に取付けられたドラム前取手15を持って操作すること
を介して、上記コロを先頭にして導入され、あるいは上
記コロを後端として引き出されるドラム本体上側板17
の下面が支持されると共に、上記保持手段の内側部に対
向しその長さ方向に延在する一対のレール部(図示せ
ず)上を上記コロが転動することによって、ドラム本体
上側板17は上記保持手段の長さ方向に収納され、ある
いは引き出されるようになっている。
【0017】上記した理由から、インキローラ4A’の
インキローラ幅L2と版胴3Aの開口部2Aの開口幅L
1とは、L2<L1の関係を満足するように設計設定さ
れている。なお、図4に二点鎖線でおよび図8に断面で
それぞれ示すように、ドクターローラ5A’の両軸部を
気密性をもって挿通する挿通孔(図示せず)を備えたイ
ンキの脇漏れ防止用の樹脂成形板27が、インキローラ
4A’の各端部と各インキローラ前側板6、インキロー
ラ後側板7との間に設けられたスポンジ状部材28の弾
性で内側に押し付けられるようにそれぞれ配置されてい
る。
【0018】一方、図7(b)は、B4機用の版胴装置
の周りの構成を表している。図7(b)において、符号
301は、図3を借りて説明すると、孔版印刷装置の本
体側板50に対して着脱自在な版胴ユニットを示す。こ
の版胴ユニット301は、図7(a)に示した版胴ユニ
ット300と比較すると、版胴3Aに代えて、最大の幅
サイズB4のマスタ1Bを巻装することが可能な開口部
2Bを有する版胴3Bを有すること、開口部2Aに対応
して設定されたインキローラ4A’に代えて、開口部2
Aから開口部2Bへの開口幅L1の短縮化に伴い、イン
キローラ4A’よりも短縮化されたインキローラ4B’
を有すること、これに関連してドクターローラ5A’に
代えて、インキローラ4B’とドクターローラ5B’と
の間のインキ溜りのインキをインキローラ4B’に付与
するドクターローラ5A’よりも短縮化されたドクター
ローラ5B’を有すること、以下同様の理由により、ド
ラム匡体11に代えて、ドラム匡体11’を有するこ
と、インキローラ前側板6およびインキローラ後側板7
に代えて、インキローラ前側板6’およびインキローラ
後側板7’を有すること、インキローラ駆動ギヤ8に代
えて、インキローラ駆動ギヤ8’を有すること、および
駆動伝達ギヤ9に代えて、駆動伝達ギヤ9’を有するこ
とが主に相違する。
【0019】そして、上記したと同様の理由から、イン
キローラ4B’のインキローラ幅L2と版胴3Bの開口
部2Bの開口幅L1とは、L2<L1の関係を満足する
ように設計設定されている。
【0020】したがって、本発明は、かかる事情に鑑み
てなされたものであって、かかる問題点を解決するため
に、インキの脇漏れを始めとする基本的な版胴装置の機
能を変えたり性能低下を来すこと無く、A3機とB4機
とを揃える版胴装置において、より多くの共通部品化を
図り、大幅な設計変更を来したり、また型代が新たにか
かったりすることなく、一部追加加工等を行うだけでコ
ストを大幅に抑え、ひいては省資源化を図ることができ
る版胴装置を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、各請求項記載の発明では以下のような構成を採っ
ている。すなわち、請求項1記載の発明では、外周面に
マスタを巻装し該マスタにインキを供給するインキ通過
領域を備えた版胴と、この版胴の上記インキ通過領域に
内接可能であって該版胴上のマスタにインキを供給する
インキ供給領域を備えたインキ供給部材とを有し、マス
タの幅サイズに応じて、上記版胴の軸方向における上記
版胴の上記インキ通過領域と該版胴の軸方向における上
記インキ供給部材の上記インキ供給領域とをそれぞれ変
えて印刷を行う印刷装置における版胴装置において、上
記幅サイズが相対的に小さいマスタを巻装する小サイズ
インキ通過領域を備えた上記版胴装置では、上記インキ
供給部材の少なくとも一端部に、上記マスタの上記幅サ
イズの短縮分に対応して、上記版胴の上記小サイズイン
キ通過領域に内接不能な非インキ供給領域を設けた、と
いう構成を採っている。
【0022】請求項2記載の発明では、請求項1記載の
印刷装置における版胴装置において、上記非インキ供給
領域が、上記インキ供給領域の外周よりもへこんだ凹形
状をなす、という構成を採っている。
【0023】請求項3記載の発明は、請求項1または2
記載の印刷装置における版胴装置において、上記インキ
供給部材の近傍に配設され該インキ供給部材に付与する
インキ量を制御するインキ量制御部材を有し、上記イン
キ量制御部材の少なくとも一端部の上記非インキ供給領
域に対応した部位に、上記非インキ供給領域に接触ない
しは近接可能な突出部を有する、という構成を採ってい
る。
【0024】請求項4記載の発明では、請求項3記載の
印刷装置における版胴装置において、上記版胴の軸方向
における上記非インキ供給領域の上記版胴のインキ不通
過領域に対応した部位に、上記非インキ供給領域の外周
寸法よりも大きな鍔部を設けた、という構成を採ってい
る。
【0025】請求項5記載の発明では、請求項3または
4記載の印刷装置における版胴装置において、上記非イ
ンキ供給領域の外周面と上記突出部の外周面との間の隙
間寸法が、0.1mm以下である、という構成を採って
いる。
【0026】請求項6記載の発明では、請求項1ないし
5の何れか一つに記載の印刷装置における版胴装置にお
いて、上記版胴装置が、上記印刷装置の本体に対して着
脱自在な版胴ユニットの一部をなしている、という構成
を採っている。
【0027】ここで、請求項1記載の発明等の「版胴」
とは、後述する発明の実施の形態例で示すように、イン
キ通過性の多数の小さな開孔を備えた支持円筒体と、こ
の支持円筒体の外周面にインキ通過性のメッシュスクリ
ーン層が少なくとも1層巻装された構造からなるインキ
通過領域を有する版胴を含む他、実質的に支持円筒体の
みからなる版胴や、実質的にメッシュスクリーン層から
なる版胴、あるいは他の周知のインキ通過領域を有する
版胴を含むものであり、例えばそのインキ通過領域が版
胴外周面の略全周に亘って設けられているような版胴等
も含むことを意味する。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の実施の形態について実施例を含めて詳述する。図にお
いて一対で構成されていて特別に区別して説明する必要
がない構成部品や構成部材等は、説明の簡明化を図る上
から、その片方を適宜記載することでその説明に代える
ものとする。構成部品や構成部材の形状およびその配設
位置を説明する際において、版胴ユニットの引出方向の
下流側を「前」とその上流側を「後」というときがあ
り、また前記引出方向と直交する幅方向であって引出方
向と対向する側から見た前記幅方向をそれぞれ「左」・
「右」というときがある。上述した従来の技術、以下説
明する各発明の実施の形態および変形例等に亘り、同一
の形状および機能を有する構成部品や構成部材等につい
ては同一の符号を付すことによりその説明をできるだけ
省略する。また、図および説明の簡明化を図るため、図
に表されるべき部材や構成部品であっても、その図にお
いて特別に説明する必要がない構成部品や構成部材は適
宜断わりなく省略することがある。
【0029】(実施形態1)図1(a),(b)および
図3〜図5を参照して、本発明に係る第1の発明の実施
形態(以下、単に「実施形態1」という)について説明
する。まず、図3を参照して、実施形態1の版胴装置を
適用した孔版印刷装置の全体構成と孔版印刷のプロセス
を簡単に説明する。この孔版印刷装置では、版胴3の外
周面に巻装されるマスタ1の幅サイズ(マスタ幅)の違
いにより、例えば、最大A3サイズのマスタを使用可能
なA3機と最大B4サイズのマスタを使用可能なB4機
とに展開可能に以下説明する各装置部が構成されてい
る。なお、図3においては、図示の都合上から、A3機
とB4機とに区別すること無く各構成部品や構成部材を
表す符号を用いることとする。
【0030】同図において、本体側板50の上部にあ
る、符号80で示す部分は原稿読取部を構成し、その下
方の符号90で示す部分は製版給版部、その左側に符号
100で示す部分は外周面にマスタ1を巻装しマスタ1
にインキを供給するインキ通過領域を備えた多孔性円筒
状の版胴3が配置されたドラム部、その左の符号70で
示す部分は排版部、製版給版部90の下方の符号110
で示す部分は給紙部、版胴3の下方の符号120で示す
部分は印圧部、本体側板50の左下方の符号130で示
す部分は排紙部を、それぞれ示している。
【0031】先ず、原稿読取部80の上部に配置された
原稿受け台(図示せず)に、印刷すべき画像をもった原
稿60をセットし、図示しない製版スタートキーをオン
すると、排版工程が実行される。すなわち、ドラム部1
00の版胴3が図の矢印Aと反対方向に回転し、版胴3
の外周面に装着されていた使用済マスタ1bの後端部が
排版部70の排版剥離ローラ対71a,71bに近づく
と、同ローラ対71a,71bは回転しつつ一方の排版
剥離ローラ71bで使用済マスタ1bの後端部をすくい
上げ、排版剥離ローラ対71a,71bの左方に配設さ
れた排版コロ対73a,73bと排版剥離ローラ対71
a,71bとの間に掛け渡された排版搬送ベルト対72
a,72bとで構成される排版剥離搬送部により、使用
済マスタ1bは版胴3の外周面から漸次剥され、矢印Y
1方向へ搬送されつつ排版ボックス74内へ排出されて
いわゆる排版が終了する。このとき版胴3は反時計回り
方向への回転を続けている。こうして排出された使用済
マスタ1bは、その後、圧縮板75により排版ボックス
74の内部で圧縮される。
【0032】排版工程と並行して、原稿読取部80では
原稿読取が行われる。すなわち、前記原稿受け台にセッ
トされた原稿60は、分離ローラ81、前原稿搬送ロー
ラ対82a,82bおよび後原稿搬送ローラ対83a,
83bのそれぞれの回転により矢印Y2からY3方向に
搬送されつつ露光読み取りに供される。このとき、原稿
60が多数枚あるときは、分離ブレード84の作用でそ
の最下部の原稿のみが搬送される。原稿60の画像読み
取りは、コンタクトガラス85上を搬送させつつ、蛍光
灯86により照明された原稿60の表面からの反射光
を、ミラー87で反射させレンズ88を通して、CCD
(光電変換素子)等から成る画像センサ89に入射させ
ることにより行われる。すなわち、原稿60の読み取り
は、公知の「縮小式の原稿読取方式」で行なわれ、その
画像が読み取られた原稿60は原稿トレイ80A上に排
出される。画像センサ89で光電変換された電気信号
は、本体側板50内の図示しないアナログ/デジタル
(A/D)変換基板に入力されデジタル画像信号に変換
される。
【0033】一方、この画像読み取り動作と並行して、
デジタル信号化された画像情報に基づき製版および給版
工程が行われる。芯管61sの周りにロール状に巻かれ
たマスタロール61Rの芯管61sが、製版給版部90
の所定部位に配設された図示しない回転支持部材により
回転自在に支持されていて、マスタ1がマスタロール6
1Rから引き出され、サーマルヘッド91にマスタ1を
介して押圧しているプラテンローラ92および送りロー
ラ対93a,93bの回転により、さらにマスタ搬送路
の下流側に搬送される。このように搬送されるマスタ1
に対して、サーマルヘッド91の主走査方向に一列に配
列された多数の微小な発熱体部が、前記A/D変換基板
およびその後の図示しない製版制御基板で各種処理を施
されて送られてくるデジタル画像信号に応じて各々選択
的に発熱し、発熱した発熱体部に接触しているマスタ1
の熱可塑性樹脂フィルムが溶融穿孔される。このように
して、画像情報に応じたマスタ1の位置選択的な溶融穿
孔により、画像情報が穿孔パターンとして書き込まれ
る。
【0034】画像情報が書き込まれた製版済マスタ1a
の先端は、給版ローラ対94a,94bにより版胴3の
外周部側へ向かって送り出され、図示しないガイド部材
により進行方向を下方へ変えられ、図示のように給版待
機位置状態にある版胴3の拡開したマスタクランパ22
(仮想線で示す)へ向かって垂れ下がる。このとき版胴
3は、排版工程により使用済マスタ1bを既に除去され
ている。
【0035】そして、製版済マスタ1aの先端が、一定
のタイミングでマスタクランパ22によりクランプされ
ると、版胴3は図中矢印A方向(時計回り方向)に回転
しつつ外周面に製版済マスタ1aを徐々に巻きつけてい
く。製版済マスタ1aの後端部は、製版完了後にカッタ
95により一定の長さに切断される。一版の製版済マス
タ1aが版胴3の外周面に完全に巻装されるといわゆる
給版が終了する。
【0036】製版および給版終了と同時に、印刷工程が
開始される。先ず、給紙台51上に積載された印刷用紙
62の内の最上位の1枚が、給紙コロ111および分離
コロ対112a,112bによりレジストローラ対11
3a,113bに向けて矢印Y4方向に送り出され、さ
らにレジストローラ対113a,113bにより版胴3
の回転と同期した所定のタイミングで印圧部120に送
られる。こうして送り出された印刷用紙62が、版胴3
とプレスローラ103との間にくると、版胴3の外周面
下方に離間していたプレスローラ103が上方に移動さ
れることにより、版胴3の外周面に巻装された製版済マ
スタ1aに押圧される。こうして、版胴3の開孔2aの
部分および製版済マスタ1aの穿孔パターン部(共に図
示せず)からインキが滲み出し、この滲み出たインキが
印刷用紙62の表面に転移されて、印刷画像が形成され
る。
【0037】このとき、版胴3の内周側では、それぞれ
インキ供給手段を構成する、ドラム軸10を兼ねるイン
キ供給管10からインキローラ4とドクターローラ5と
の間に形成されたインキ溜り18にインキが供給され、
版胴3の回転方向と同一方向に、かつ、版胴3の回転速
度と同期して回転しながら内周面に転接するインキロー
ラ4により、インキが版胴3の内周側に供給される。
【0038】印圧部120において印刷画像が形成され
た印刷用紙62は、それぞれ排紙部130を構成する、
排紙剥離爪114により版胴3から剥がされ、吸着用フ
ァン118に吸引されつつ、吸着排紙入口ローラ115
および吸着排紙出口ローラ116に掛け渡された搬送ベ
ルト117の反時計回り方向の回転により、矢印Y5方
向へ搬送され、排紙台52上に落下して順次排出積載さ
れる。このようにしていわゆる試し刷りが終了する。
【0039】次に、図示しないテンキーで印刷枚数をセ
ットし、図示しない印刷スタートキーをオンすると前記
版付けまたは試し刷り工程とも呼ばれていると同様の工
程で、給紙、印刷および排紙の各工程がセットした印刷
枚数分繰り返して行われ孔版印刷工程が終了する。
【0040】図1(a),(b)に、実施形態1の版胴
装置を備えた版胴ユニット30を示す。版胴ユニット3
0は、孔版印刷装置本体内に装着される装着位置(図3
に示す紙面奥側の位置)とこの装着位置から印刷装置本
体外に外される脱抜位置(図3に示す紙面奥側の装置位
置から図1(a)に示す版胴3Bの軸方向Xとの間に、
後述する孔版印刷装置本体側に配設された保持支持手段
を介して移動可能に構成されている。つまり、版胴ユニ
ット30は、孔版印刷装置の本体側板50に対して着脱
自在となっている。ここで、前記装着位置とは、版胴ユ
ニット30を介して版胴3Bが前記した孔版印刷工程を
行うべきところに移動されて保持され得る位置を指し、
前記脱抜位置とは、版胴ユニット30が前記保持手段に
よる支持状態から解除され印刷装置本体外に完全に引き
出された位置を指すものとする。なお、版胴ユニット3
0の本体側板50に対する着脱構造の詳細部は、上記保
持手段を含め、例えば特開平5−229243号や実開
昭61−85462号公報に開示されているものと同様
であるため、その説明を省略する。
【0041】版胴ユニット30は、B4機用として揃え
られた版胴装置を含んでいる。この版胴ユニット30
は、図7(b)に示したB4機用として揃えられた従来
の版胴ユニット301と比較すると、インキローラ4
A’よりも短縮化されたインキローラ4B’に代えて、
インキローラ4A’の一部を追加加工したインキローラ
4を有すること、これに関連してドクターローラ5A’
よりも短縮化されたドクターローラ5B’に代えて、ド
クターローラ5を有すること、ドラム匡体11’に代え
て、図7(a)に示したA3機用として揃えられた従来
の版胴ユニット300と同様のドラム匡体11を有する
こと、同じくインキローラ前側板6’およびインキロー
ラ後側板7’に代えて、A3機用として揃えられた従来
の版胴ユニット300と同様のインキローラ前側板6お
よびインキローラ後側板7を有すること、インキローラ
駆動ギヤ8’に代えて、A3機用として揃えられた従来
の版胴ユニット300と同様のインキローラ駆動ギヤ8
を有すること、および駆動伝達ギヤ9’に代えて、A3
機用として揃えられた従来の版胴ユニット300と同様
の駆動伝達ギヤ9を有することが主に相違する。
【0042】以下、一部説明が前後するが、各構成部品
や構成部材の材質等の詳細を説明する。版胴3Bは、図
4および図5に示すように、インキ通過性の多数の開孔
2aを形成された金属製の支持円筒体23と、支持円筒
体23の開口部2Bの外周面にインキ通過性のメッシュ
スクリーン24が少なくとも一層巻き付けられた2層構
造となっている。版胴3Bは、版胴3Aと比較すると、
幅サイズが相対的に小さいマスタ1Bを巻装する小サイ
ズインキ通過領域としての開口部2Bを有することが相
違する。支持円筒体23には、開孔2aを明けていない
非開口領域(非印刷可能領域)がその両側縁部と各端部
の接合部に設けられていて、版胴3Bのインキ不通過領
域3aを形成することになる。
【0043】支持円筒体23は、例えば素材がステンレ
ススチール等からなる長方形の薄い平板を円筒状に丸め
て適宜の接合法、例えば図5に示すように、支持円筒体
23の対向する対向端部23a,23bを、版胴3Bの
A方向(時計回り方向)の正転時に、対向端部23a,
23bの重ね合わせ部の端面の角部がぶつかることがな
いような方向に重ね合わされ適宜の溶接等によって接合
される。支持円筒体23は、その両側縁部に明けられた
孔23cにネジ26を挿通することにより、一対の前・
後フランジ12,13の外輪上に取付け固定される。開
孔2aは、支持円筒体23の平板の段階で、エッチング
加工を施すことにより、支持円筒体23の内周面になる
下面とその外周面になる上面とを貫通し、内周面側から
のインキを外周面側に吐出・供給すべく多数形成され
る。支持円筒体23の平板の素材板厚は、例えば0.1
〜0.5mm程度のものが用いられ、例えば開孔2の開
孔径は0.2〜0.5mm程度に形成される。メッシュ
スクリーン24は、樹脂もしくは金属製の網体からな
る。
【0044】版胴3Bに巻装されるマスタ1Bとして
は、例えばポリエステル等からなる1〜2μm程度の薄
い熱可塑性樹脂フィルムに和紙繊維あるいは合成繊維、
もしくはこれら両材料を混抄したものからなる厚さ10
0μm以下の多孔質支持体(ベース)を貼り付けてラミ
ネート構造としたものが用いられる。
【0045】インキローラ4は、従来のインキローラ
4’,4A’,4B’を含めて金属製であり、例えば棒
状のアルミニウムを切削加工を施すことによりインキロ
ーラ軸部4aを含め一体形成される。インキローラ4
は、従来のインキローラ4A’と比較すると、そのイン
キ供給領域であるインキローラ幅L2の両端部に、マス
タ1Aから1Bへの幅サイズの変更短縮分に対応して、
版胴3Bの開口部2Bに内接不能な非インキ供給領域と
しての段差部19を設けられていることが相違する。つ
まり、第1に、本実施形態1の特徴的な構成は、B4機
用のインキローラ4のインキローラ全幅L3を、従来の
A3機用のインキローラ4A’のインキローラ幅L2と
同じとし、マスタ幅がA3からB4用に短くなった分、
インキローラ4のインキ供給領域の両端部に、版胴3B
の開口部2Bに内接不能な段差部19を設けた点にあ
る。
【0046】インキローラ4は、その段差部19が、プ
レスローラ103等の押圧手段の非押圧時において、イ
ンキローラ4のインキ供給領域の外周面と版胴3Bの支
持円筒体23の内周面とのインキローラ外周隙C2が
0.3mmに設定されていることに加え、さらにインキ
ローラ4のインキ供給領域の外周面との段差量(段差寸
法)C3が0.5mm以上確保されるように従来のイン
キローラ4A’を用いて切削追加加工したものである。
このような段差量(段差寸法)C3として0.5mm以
上確保するのは、プレスローラ103等の押圧手段の押
圧時において、図6(a)を参照して述べたように余剰
のインキを図1(b)中の矢印Iaのように支持円筒体
23の内周面に回収することにより、インキの脇漏れを
確実に防ぐ点から必要な段差寸法となっているためであ
る。このように、非インキ供給領域としての段差部19
は、インキローラ4のインキ供給領域の外周よりもへこ
んだ凹形状をなすものと言える。
【0047】そして、インキの脇漏れ防止のための条件
として、インキローラ4のインキローラ幅L2と版胴3
Bの開口部2Bの開口幅L1とはL2<L1の関係を満
足するように設計設定され、かつ、従来の技術で述べた
と同様に、版胴3の一端部側において開口幅L1からイ
ンキローラ幅L2を差し引いた開口余裕代C5は、多く
の試験等を踏まえた経験上から2〜3mm以上に設定す
る(L1−L2=C5=2〜3mm以上)。これによ
り、B4機用のインキローラ4は、インキ供給領域の幅
を短くした利点、すなわち、インキの脇漏れを生じるこ
となく、A3機用のインキローラ4A’の段差部19に
相当する外周部を切削等の追加加工するだけで共通して
使用できるという利点が得られる。
【0048】ドクターローラ5は、従来のドクターロー
ラ5’,5A’,5B’を含めて金属製であり、例えば
棒状の鉄を切削加工を施すことにより一体形成される。
ドクターローラ5は、従来のドクターローラ5A’と比
較すると、ドクターローラ5の両端部のインキローラ4
の両端部の段差部19に対応した部位に、段差部19の
外周面に接触ないしは近接可能な突出部20を有するこ
とのみ相違する。突出部20は、本実施形態1ではドク
ターローラ5と同様の鉄でできていて、ドクターローラ
5A’部分と別体にしていて、従来のドクターローラ5
A’の上記各部位に対してリング状の突出部20を圧入
・嵌合固定、例えば焼きばめにより一体化した後、切削
追加加工したりしてもよい。なお、突出部20は、ドク
ターローラ5A’部分と別体にすること無く、ドクター
ローラ5A’部分と一体的に成形してもよい。
【0049】また、インキローラ4の段差部19の外周
面とドクターローラ5の突出部20の外周面との間の隙
間寸法C4は、0〜0.1mmの範囲内に設定されてい
る。このように隙間寸法C4を0〜0.1mmの範囲内
に設定するのは、ローラ間隙C1が0.08〜0.1m
mの範囲内に設定されることが好ましいことと同様であ
り、隙間寸法C4が0.1mm以上になると、インキの
供給が過多になって、最後にはインキが版胴3Bの内部
で溢れる不具合になってしまう。そこで、このような重
大なインキ漏れ不具合を防止するために、ドクターロー
ラ5の両端部のインキローラ4の両端部の段差部19に
対応した部位に、段差部19の外周面に接触ないしは近
接可能な突出部20を設けると共に、ローラ間隙C1を
0.08〜0.1mmの範囲内に抑え、かつ、隙間寸法
C4を0〜0.1mmの範囲内に抑えることで、インキ
ローラ4とドクターローラ5との隙間が、インキローラ
全幅L3に亘って同じ隙間が保たれ、インキが多分に供
給されることが無くなる。
【0050】したがって、実施形態1によれば、インキ
の脇漏れを始めとする基本的な版胴装置の機能を変えた
り性能低下を来すこと無く、A3機とB4機とを揃える
版胴装置において、上記したようにより多くの共通部品
化を図り、大幅な設計変更を来したり、また型代が新た
にかかったりすることなく、インキローラ4やドクター
ローラ5のように一部追加加工等を行うだけでコストを
大幅に抑えることができ、ひいては省資源化を図ること
ができる。
【0051】(変形例1)図2に、実施形態1の版胴装
置の変形例1を示す。この変形例1の版胴装置は、実施
形態1の版胴装置を備えた版胴ユニット30に代えて、
版胴ユニット31を有することのみ相違する。変形例1
の版胴ユニット31は、実施形態1の版胴ユニット30
と比較して、インキローラ4に代えて、版胴3Bの軸方
向Xにおける段差部19の版胴3Bの各インキ不通過領
域3aに対応した部位に、段差部19の外周寸法よりも
大きな鍔部21をそれぞれ設けたインキローラ29を有
することのみ相違する。
【0052】インキローラ29は、各段差部19の両端
部に、段差部19の外周寸法よりも大きな鍔部21をそ
れぞれ形成すべく、従来のインキローラ4A’を用いて
切削追加加工したものである。したがって、変形例1に
よっても、実施形態1と同様の利点が得られる他、実施
形態1に比べて、インキの脇漏れを始めインキが溢れ出
るようなインキ漏れをもさらに確実に防止できる。
【0053】
【発明の効果】請求項1および2記載の発明によれば、
幅サイズが相対的に小さいマスタを巻装する小サイズイ
ンキ通過領域を備えた版胴装置では、インキ供給部材の
少なくとも一端部に、マスタの幅サイズの短縮分に対応
して、版胴の小サイズインキ通過領域に内接不能な非イ
ンキ供給領域を設けたことにより、版胴の小サイズイン
キ通過領域への変更を行うだけで、インキの脇漏れを始
めとする基本的な版胴装置の機能を変えたり性能低下を
来すこと無く、例えばマスタの幅サイズの短縮分に対応
して従来変更しなければならなかった様々な構成部品や
構成部材のより多くの共通部品化が可能となり、大幅な
設計変更を来したり、また型代が新たにかかったりする
ことなくなった。また、インキ供給部材についても版胴
の小サイズインキ通過領域に内接不能な非インキ供給領
域を設けるだけでよく、幅サイズが相対的に大きい例え
ば最大幅サイズのマスタを巻装するインキ通過領域を備
えた版胴装置のインキ供給部材を一部追加加工等を行う
だけで、共通的に用いることができるので、コストを大
幅に抑えることができ、ひいては省資源化を図ることが
できる。
【0054】請求項3記載の発明によれば、インキ量制
御部材の少なくとも一端部のインキ供給部材の非インキ
供給領域に対応した部位に、非インキ供給領域に接触な
いしは近接可能な突出部を有することにより、請求項1
および2記載の発明の効果に加えて、幅サイズが相対的
に大きい例えば最大幅サイズのマスタを巻装するインキ
通過領域を備えた版胴装置のインキ量制御部材を一部追
加加工等を行うだけで、共通的に用いることができるの
で、さらにコストを大幅に抑えることができ、ひいては
省資源化を図ることができる。
【0055】請求項4記載の発明によれば、版胴の軸方
向におけるインキ供給部材の非インキ供給領域の版胴の
インキ不通過領域に対応した部位に、インキ供給部材の
非インキ供給領域の外周寸法よりも大きな鍔部を設けた
ことにより、インキの脇漏れ等をさらに確実に防止し
て、請求項3記載の発明の効果を奏する。
【0056】請求項5記載の発明によれば、上記非イン
キ供給領域の外周面と上記突出部の外周面との間の隙間
寸法が、0.1mm以下であることにより、請求項3ま
たは4記載の発明の効果に加えて、インキ供給部材とイ
ンキ量制御部材との隙間が、インキローラ全幅に亘って
同じ隙間が保たれ、インキが多分に供給されることが無
くなるので、インキの脇漏れを含めインキの漏れをより
一層確実に防止することができる。
【0057】請求項6記載の発明によれば、版胴装置
が、印刷装置の本体に対して着脱自在な版胴ユニットの
一部をなしていることにより、上記各発明の効果に加え
て、マスタや用紙のジャム処理性、インキ供給手段周り
の保守整備性が向上すると共に、多くの共通化が図られ
た構成部品や構成部材の組み付け性が一段と向上するの
で、さらに安価な版胴装置を製作できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明の版胴装置に係る実施形態1
を示す版胴ユニットの要部の断面図であり、(b)は、
(a)の要部をさらに拡大して示す断面図である。
【図2】実施形態1の変形例1を示す版胴ユニットの要
部の断面図である。
【図3】図1の版胴装置を備えた孔版印刷装置の概略的
な構成図である。
【図4】図3の版胴装置周りの部分断面図である。
【図5】図4の版胴周りの分解斜視図である。
【図6】(a),(b)は、従来の版胴装置におけるイ
ンキローラのインキ脇漏れを比較して説明するための一
部断面図である。
【図7】(a)は、従来の版胴装置におけるA3機に使
用される版胴ユニットの構成部品等を説明するための要
部断面図であり、(b)は、(a)に示されたA3機に
使用される版胴ユニットと比較してB3機に使用される
版胴ユニットの構成部品等を説明するための要部断面図
である。
【図8】従来および実施形態1等のインキローラおよび
ドクターローラ周りのインキ漏れ防止構造を説明するた
めの要部の拡大断面図である。
【符号の説明】
1,1A,1B マスタ 2,2A,2B インキ通過領域としての開口部 4,4A’,4B’ インキ供給部材としてのインキロ
ーラ 5,5A’,5B’ インキ量制御供給部材としてのド
クターローラ 19 非インキ供給領域としての段差部 20 突出部 21 鍔部 30,31 版胴装置を含む版胴ユニット C4 間隙寸法 X 版胴の軸方向

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】外周面にマスタを巻装し該マスタにインキ
    を供給するインキ通過領域を備えた版胴と、この版胴の
    上記インキ通過領域に内接可能であって該版胴上のマス
    タにインキを供給するインキ供給領域を備えたインキ供
    給部材とを有し、マスタの幅サイズに応じて、上記版胴
    の軸方向における上記版胴の上記インキ通過領域と該版
    胴の軸方向における上記インキ供給部材の上記インキ供
    給領域とをそれぞれ変えて印刷を行う印刷装置における
    版胴装置において、 上記幅サイズが相対的に小さいマスタを巻装する小サイ
    ズインキ通過領域を備えた上記版胴装置では、上記イン
    キ供給部材の少なくとも一端部に、上記マスタの上記幅
    サイズの短縮分に対応して、上記版胴の上記小サイズイ
    ンキ通過領域に内接不能な非インキ供給領域を設けたこ
    とを特徴とする印刷装置における版胴装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の印刷装置における版胴装置
    において、 上記非インキ供給領域が、上記インキ供給領域の外周よ
    りもへこんだ凹形状をなすことを特徴とする印刷装置に
    おける版胴装置。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の印刷装置における
    版胴装置において、 上記インキ供給部材の近傍に配設され該インキ供給部材
    に付与するインキ量を制御するインキ量制御部材を有
    し、 上記インキ量制御部材の少なくとも一端部の上記非イン
    キ供給領域に対応した部位に、上記非インキ供給領域に
    接触ないしは近接可能な突出部を有することを特徴とす
    る印刷装置における版胴装置。
  4. 【請求項4】請求項3記載の印刷装置における版胴装置
    において、 上記版胴の軸方向における上記非インキ供給領域の上記
    版胴のインキ不通過領域に対応した部位に、上記非イン
    キ供給領域の外周寸法よりも大きな鍔部を設けたことを
    特徴とする印刷装置における版胴装置。
  5. 【請求項5】請求項3または4記載の印刷装置における
    版胴装置において、 上記非インキ供給領域の外周面と上記突出部の外周面と
    の間の隙間寸法が、0.1mm以下であることを特徴と
    する印刷装置における版胴装置。
  6. 【請求項6】請求項1ないし5の何れか一つに記載の印
    刷装置における版胴装置において、 上記版胴装置が、上記印刷装置の本体に対して着脱自在
    な版胴ユニットの一部をなしていることを特徴とする印
    刷装置における版胴装置。
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