JP2000167963A - 複合布帛 - Google Patents

複合布帛

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JP2000167963A
JP2000167963A JP10348636A JP34863698A JP2000167963A JP 2000167963 A JP2000167963 A JP 2000167963A JP 10348636 A JP10348636 A JP 10348636A JP 34863698 A JP34863698 A JP 34863698A JP 2000167963 A JP2000167963 A JP 2000167963A
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fiber
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fibers
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Keiichi Nakazawa
桂一 中沢
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた電磁波シールド効果を有し、布帛とし
て薄く、引張強度にも優れ、無電解メッキを施した布帛
と比較してシワをつけたときのシワの回復性および電磁
波シールド特性に優れる複合布帛の提供。 【解決手段】 1層以上の金属繊維の布帛と1層以上の
有機繊維の布帛とが積層されてなる複合布帛。特に、金
属繊維がコイル材切削法で作製され、金属繊維不織布が
ラテックスの固形分により接合されており、有機繊維の
布帛が、不織布である複合布帛とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は導電性を有する複合
布帛、特に強度を改善された電磁波シールド用布帛に関
する。特に電磁波シールド建築物に好ましく用いられ
る。
【0002】
【従来の技術】情報機器の発達に伴い情報の無線伝達化
が進みつつある。また、無線受信技術の高度化により電
磁情報の漏れの問題がクローズアップされつつある。さ
らに、事業所、家庭のOA化が進み電子機器を使用した
物が増加しており、これらは外部からの電磁波、例えば
自動車の無線、電車の無線、電波塔からの電磁波、送電
線、変電所からの電磁波等の電磁波により誤動作する可
能性がある。
【0003】情報の無線伝達化の具体例としては、事業
所PHSを内線電話として導入によりいつでもどこでも
通話することを可能にしたり、PHSを直接パソコンと
結合する事によりデーターやメールのやりとりが簡単に
できる様にしたり、無線LANまたは無線POSの導入
により配線の省略・機器の設置場所の自由度アップ・迅
速なLANの構築等が可能になる。また、家庭内でも電
話子機のPHS化、将来的には照明やエアコン等の電源
のON、OFFや設定等の変更も無線化する計画もあ
る。
【0004】これらの環境を達成するために電磁波シー
ルドビル等の考えが考案され実際に一部のビルで採用さ
れるに至っている。オフィス、家庭内の意匠化が進み従
来のように直線と平面のみによって構成される空間のみ
でなくなってきている。その様な状況下、床材、壁材
(外壁材・内壁材)、天井材、窓材(窓ガラス)、扉材
等に電磁波シール性のある素材を使用する必要がある。
現在採用されているシールド素材は金属箔、金網、パン
チングメタル等が使用されていた。この方法は高い電磁
波シールド効果をもたらすが加工性の悪さから来る生産
性の悪さ、重量が重くなる、柔軟性のないことにより凹
凸やカーブのある加工に手間がかかり難しい等の欠点が
ある。すなわち、金網状、またはパンチングメタルのよ
うなシートは板に挟んで加工する方法が採られていた
が、しかしながらこの方法では、へこみを付ける時等急
な角度で曲げると加工がし難く無理に加工すると金網が
破れる等の不具合が起こるため緩い角度でしか加工され
ていなかった。さらに重たく柔軟性に乏しいため、作業
性が悪い等の欠点があった。これらを改良するために細
い繊維で金網を作製することが考えられるが細い繊維は
作製しにくく、また細い為切れやすく解決策となり得
ず、柔軟性があり、軽く、薄く、凹凸やカーブの加工性
の良い電磁波シールド素材が求められている。
【0005】一方、工業的に細い金属繊維を作製する方
法として伸線引抜法が知られているが強度の強い、例え
ばステンレスの繊維を作製することは可能であるが、比
較的強度の弱い銅や黄銅等の繊維を作製することは困難
であった。一方で、ステンレスは固いので加工時の加工
性を改良することはできない。コイル材切削法により金
属繊維を作製することは従来から知られており、例え
は、複合材料シンポジウム講演要旨集、vol16、p
25(1991年)や複合材料シンポジウム講演要旨
集、vol17、p127(1992年)に記載されて
いる。又コイル材切削法により作製された金属繊維の不
織布を始めとする布帛を作製することも知られており、
例えば特開平2−232306号公報、特開平3−21
3219号公報、特開平6−280146号公報等に記
載がある。しかしながらこれらの方法で作製された不織
布を始めとする布帛は厚みが厚く、毛羽立ちもあり、容
易に繊維のほずれが生するし、さらに不織布や布帛の状
態で巻いておくと一体化してしまうので一枚一枚の間に
紙等を挟んで保管する必要があった為、二次加工時に使
用し難く加工性に劣る物であった。また、繊維だけでは
引張強度等機械的強度が高いレベルになく、現場での取
り扱い性が悪いという欠点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、優れ
た電磁波シールド効果を有し、布帛として薄く、引張強
度にも優れる。さらに、無電解メッキを施した布帛と比
較してシワをつけたときのシワの回復性及び電磁波シー
ルド特性に優れる複合布帛を得ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】1層以上の金属繊維の布
帛と1層以上の有機繊維の布帛とが積層されてなる複合
布帛にすることにより、表記課題が達成できる事が明ら
かになり、本発明に至った。すなわち、本発明は、 (1)1層以上の金属繊維の布帛と1層以上の有機繊維
の布帛とが積層されてなる複合布帛。 (2)金属繊維がコイル材切削法で作製された(1)記
載の複合布帛。 (3)有機繊維の布帛が、不織布である(1)、(2)
記載の複合布帛。 (4)金属繊維不織布がラテックスの固形分により接合
されており、有機繊維不織布が熱溶融により接合されて
なる(1)〜(3)記載の複合布帛。である。
【0008】以下詳細に本発明について説明する。本発
明で用いられる、金属繊維の金属種はステンレス、黄
銅、銅、アルミニウム、鉄、金、銀、ニッケル、チタン
等の材質の物を用いることができる。これらの金属繊維
の金属種の中でもより好ましい物はビッカース硬度15
0以下、より好ましくは140以下、さらに好ましくは
130以下の金属である。具体例を挙げれば黄銅、銅、
アルミニウム、金、銀、錫、鉛、亜鉛、マグネシウム等
の金属、及びこれら2種類以上の組み合わせの合金、も
しくはこれらを主体とする合金、さらにはこれらとリン
との化合物等が挙げられる。これらは焼き鈍しを行い軟
化させたものでも良い。これらの中でも黄銅、銅、アル
ミニウムが特に好ましい。
【0009】これらの金属繊維の製造方法は伸線引抜
法、びびり振動法、熔融引き出し法、コイル材切削法等
により作製される。この中でもコイル材切削法がシート
を作製するのにより適している。コイル材切削法とは、
ほぼ旋盤と同様の構造、機能を持った金属繊維製造装置
に、金属箔をコイル材状に装着し、その端面を切削して
金属繊維を得る方法である。例えば、EMC 199
2.11.5. <No.55> p78〜82に記載
されている方法等が挙げられる。コイル材は市販の金属
箔を連続して主軸ドラムに巻き取る事により得られる。
【0010】巻き取る際に、金属板の少なくとも一表面
に表面処理剤を塗布もしくは浸すことにより表面処理す
ることがより望ましい。また、表面処理の替わりに、巻
き取る際に、樹脂を溶かした溶液に浸し樹脂で金属箔を
コーティングしながら巻き取ることも有効である。この
場合、後で混合する樹脂と同じ樹脂か又は相溶性の良い
樹脂をコーティングすることがより好ましい。更に、上
記コーティング樹脂中に上記表面処理剤をあらかじめ混
練したものを用いることも更に好ましい。さらに、樹脂
のフィルムを金属箔に挟みコイル材を作製することも有
効である。
【0011】作製される金属繊維の断面形状は特に限定
されないが、好ましい製造方法であるコイル材切削法に
よる繊維の断面は四角形(長方形又は正方形)であり削
った面の一つがノコギリ状になっている。この為不織布
にしたときに絡み合いやすく不織布にし易いという長所
がある。繊維径は、断面積の同じ円に換算した円の直径
(円換算径)は1mm以下であり、好ましくは500μ
m以下であり、さらに好ましくは150μm以下であ
り、最も好ましくは50μm以下である。製造技術上の
問題から1μ以下の円換算径の繊維を作製することは難
しい。
【0012】不織布等を作製するときの原料繊維として
の繊維束は、上記繊維の本数が、10〜100,000
束ねられているものがより良く、より好ましくは50〜
30,000、さらに好ましくは100〜3,000束
ねられているものが望ましい。本発明の金属繊維の布帛
はコイル材切削法等で作製された金属繊維の織物、編み
物、不織布等を基本とする。これらの中でも不織布がよ
り好ましい。これらのシートを作製してから樹脂成分を
添加して本発明のシートを作製しても良いし、又作製す
る際に同時に樹脂成分を添加する方法でも良い、さら
に、コイル材切削法等で繊維を作製する際に予め樹脂成
分を原料の箔にコーティングしておいて繊維を作製しそ
の繊維を不織布等にし、しかる後に熱プレス又は熱ロー
ラー等で加熱し本発明の金属繊維の布帛を作製する事も
できる。
【0013】不織布の作製方法は、繊維のみをシート状
に成形した物、繊維を別のシート基材に埋設した物(バ
インダー等で結合させた物も含む)等がありどれも好適
に用いられる。例えば繊維の集合物をローラーやプレス
によりシート状に成形する乾式法、繊維を水やアルコー
ル等の液体に分散させ該分散液を通気性型を介して吸引
して液体分を除去し繊維を成形する湿式法、さらに特開
平5−209351号公報記載の多数本の長尺繊維がほ
ぼ同一方向に並ぶ巾広の繊維帯と繊維帯の表面に各繊維
と交差しかつ連続して配置され、該各繊維と相互に結合
する結合用繊維とからなる不織布、特開平6−2801
46号公報記載の金属長繊維を束軸方向と交差する方向
に配した第1ロールとこれより下流に配した第2ロール
及び第3ロール間に順次通し、第2ロールを第1ロール
よりも回転速度を早くすることで金属長繊維束を部分的
切断を可として引き伸ばし、第3ロールを第2ロールよ
りも速い回転速度で回転させることで引きちぎり切断
し、第3ロールの下方で移動するコンベア上に分散落下
させる金属繊維布帛状物の製造方法、特開平2−277
867号公報に記載の熱等の供与により硬化する結合用
繊維を金属繊維に混合することにより不織布を作製する
方法、さらにはベルトコンベヤー上に流れ方向に垂直の
方向でコイル材切削法の金属繊維の束を往復させる方
法、等が挙げられる。
【0014】本発明における金属繊維の布帛は1種類の
金属繊維であっても、2種類以上の金属から作製された
金属繊維の混合物であっても良く、また単一の太さの繊
維であっても、2種類以上の太さの繊維の混合物であっ
ても良い。さらに、金属繊維と低融点金属との混合体で
も良い。またニードリング(ニードルパンチ)等を施し
ても良い。しかし、ニードリングによる穴はできうる限
り小さい方が良好である。このニードリングは1m2
たり1個〜100,000個が好ましく、より好ましく
は16〜10,000個である。ニードリングの穴はそ
の効果が失われない限り、より小さい方が好ましい。ま
たベンゾトリアゾール等の防錆剤等の各種添加剤を含ん
でいても良い。
【0015】本発明の金属繊維の布帛の厚みは1μm〜
10cm、好ましくは10μm〜1cm、さらに好まし
くは30μm〜3mmであり、最も好ましくは50μm
〜2mmである。薄すぎると電磁波シールド性能の効果
が低減するし、ある程度以上厚くしても効果の向上は望
めず、重量も重くなり作業性が低下する。より好ましい
金属繊維の布帛の目付量の範囲は繊維の直径にもよる
が、1〜10,000g/m2、さらに好ましくは10
〜1,000g/m2、最も好ましくは50〜500g
/m2である。量が少ないとシールド効果がなくなり又
量が多いとある程度以上入れても効果が増さないのと重
くなるので好ましくない。
【0016】不織布の場合、より好ましい交絡の点数は
顕微鏡で観察して平均で1〜10,000,000個/
cm2、好ましくは10〜100,000個/cm2、さ
らに好ましくは50〜10,000個/cm2である。
本発明において金属繊維の布帛は樹脂により固められた
ものを用いる事がより好ましい。この場合、用いられる
樹脂とは熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、エラストマー等
である。この中でも、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂を好
ましく用いる事ができる。
【0017】用いられる熱可塑性樹脂とは、低、中、高
密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、アクリロニトリル
−スチレン共重合体(以下SAN樹脂と略記する)、ア
クリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(以下
ABS樹脂と略記する)、ポリアミド、ポリアセター
ル、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、
ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンエーテ
ル、ポリメチルメタアクリレート、ポリエーテルイミ
ド、ポリスルホン、ポリエーテルイミド、ポリアリレー
ト、ポリフェニレンサルファイト、スチレン−ブタジエ
ン共重合体及びその水素添加組成物等、及びこれら2種
類以上の組み合わせのポリマーブレンド及び共重合体、
例えば、ポリカーボネートとアクリロニトリル−ブタジ
エン−スチレン共重合体、ポリフェニレンエーテルとポ
リスチレン等を挙げることができる。
【0018】用いられる熱硬化性樹脂としてエポキシ樹
脂、DFK樹脂、キシレン樹脂、グアナミン樹脂、ジア
リルフタレート樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール
樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フラン樹脂、ポリイミ
ド、ポリ(p−ヒドロキシ安息香酸)、ポリウレタン、
マレイン酸樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂などを挙げ
ることができる。
【0019】用いられるエラストマーとして天然ゴムや
ブタジエンゴム、シリコーンゴム、ポリイソプレンゴ
ム、クロロプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、ブチ
ルゴム、イソブチレンゴム、スチレン・ブタジエンゴ
ム、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体
ゴム、アクリルゴム、アクリロニトリル・ブタジエンゴ
ム、塩酸ゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、多
硫化ゴム等の合成のゴム、等が挙げられる。その他ポリ
テトラフルオロエチレン、石油樹脂、アルキド樹脂等も
用いることができる。
【0020】これらの樹脂は高分子の状態またはモノマ
ーの状態で、溶液状または熔融状で金属繊維と接触し、
モノマーの状態の物は最終的に重合することによりする
ことにより本発明の金属繊維の布帛を作製する。特に熱
硬化性樹脂を用いる場合モノマーを用いる方がより好ま
しい。溶液状の場合、樹脂を溶媒に溶かした状態又は溶
媒に分散させた状態で供給される。すなわち、樹脂また
はモノマーの溶解する溶液を溶媒として選択する場合
と、樹脂又はモノマーが溶解しない状態の混合物を用い
る場合とがある。有機溶媒を使用するのも構わないが、
簡易な生産設備で済むという点において工業的に生産す
るのに好ましい形態は水に分散させた系、又は水に溶け
る高分子を使用する系である。なかでも後の処理等を考
えると水に分散させた系が最も好ましい。その場合は、
エマルジョン状の液体が良好に用いられる。
【0021】このエマルジョンとはラテックスも含む。
好ましく用いられる例を挙げれば、ポリ酢酸ビニルエマ
ルジョン、酢酸ビニル・コポリマーエマルジョンとして
酢酸ビニル−アクリル酸エステル系、酢酸ビニル−マレ
イン酸ジブチル系、酢酸ビニル−ベオバ系、酢酸ビニル
−エチレン系、アクリル酸エステル・コポリマーエマル
ジョンとしてアクリル酸エステル−メタクリル酸メチル
系、アクリル酸エチル−スチレン系、その他の熱可塑性
樹脂エマルジョンとして塩化ビニリデン・コポリマー
系、塩化ビニル・コポリマー系、ポリエチレン系、熱硬
化性樹脂エマルジョンとしてエポキシ樹脂系、ウレンタ
ン系、合成ゴムラテックスとしてブタジエン−スチレン
系、ブタジエン−アクリロニトリル系等が挙げられる。
これらのエマルジョンの中でもスチレン−アクリル系ラ
テックスがより良好である。これらのエマルジョン中に
は乳化剤は無論のこと安定剤、可塑剤等を適宜含むこと
ができる。これらのエマルジョンの濃度は0.01重量
%から80重量%、好ましくは0.1重量%から50重
量%であり、さらに好ましくは0.5から30重量%で
ある。
【0022】樹脂の付着量は乾燥状態で0.1〜99重
量%、好ましくは1〜75重量%、さらに好ましくは3
〜50重量%である。金属繊維の目付量、繊維径、樹脂
の付着量により作製した金属繊維布帛の通気性が左右さ
れる。本発明では樹脂と金属繊維とで通気性が全くない
状態から、極微量の樹脂(例えば0.1重量%)と金属
繊維とから構成される通気性の良い布帛までの範囲を包
含する。
【0023】本発明の金属繊維の布帛及びその加工品を
電磁波シールド材料として用いる場合は、金属繊維布帛
の電磁波遮蔽効果が10dB以上あることが必要であ
り、好ましくは20dB以上、さらに好ましくは30d
B以上ある必要がある。この場合、導電性の向上が重要
でありその為、金属繊維同士の接触により電気的導通を
図る必要がある。導電性としては体積固有抵抗で1010
Ω・cm以下である事が必要であり、好ましくは106
Ω・cm以下、さらには102Ω・cm、より好ましく
は100Ω・cm以下、最も好ましくは10-2Ω・cm
以下である。
【0024】本発明の金属繊維の布帛には本発明の目的
の範囲で他の繊維、例えばガラスファイバー、カーボン
ファイバー等の繊維やウイスカーを含んでいても良く、
この場合は一緒に編み込んだり、不織布にしたり、織り
込むこともできる。さらに、軟磁性材料と組み合わせる
ことも可能である。本発明で用いられる有機繊維の布帛
とは、有機繊維の織物、編み物、不織布、タフテッド
布、ステッチボンド布、フェルト等であり、特に不織
布、織布が好ましく、方向性がないと言う面で不織布が
好ましい。使用する有機繊維としては、綿、絹、羊毛、
麻、ケナフ等の天然繊維、レーヨン、キュプラ等の再生
繊維、アセテート、プロミックス等の半合成繊維、ポリ
エステル、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ビニロ
ン、アラミド、ポリプロピレンやポリエチレン等のポリ
オレフィン、ビニル、ベクトラン等の液晶ポリマー等の
合成繊維、等の繊維である。これらの繊維の中でも、ポ
リアミド、ポリエステル、ポリプロピレンの繊維がさら
に好ましい。繊維の中に難燃剤、抗菌剤等を練り込んで
あったも良い。
【0025】有機繊維の不織布は織らない布であり、さ
らに具体的に言えば摩擦、粘着、結合によって接着され
たウェブ、シート類である。繊維が連続したフィラメン
ト(長繊維)からなり張力が高く、リントフリーであ
る。繊維径は0.1μm〜100μmの物を用い、繊維
単独にシートを成形している為大きさの異なる空孔を有
する面状体である。ボンディング方法は、熱接着、機械
的交絡、接着剤接合等により行われる。縫製融着処理を
行わなくても、耳ほつれの起こらないものが好ましい。
ボンディング方法により、かさ高さ、厚さが自由に変え
られ、風合いも変えることができる。また、染色、プリ
ント、印刷したものも好ましく用いられる。好ましい目
付量は、1g〜1,000g/m2であり、好ましくは
10〜500g/m2である。少なすぎると効果がな
く、多すぎても高価が頭打ちであり、また重量が増すた
めに作業性が返って低下する。
【0026】不織布の作製方法は、例えばスパンボンド
法、メルトブロー法、フラシュ紡糸法、接着剤法、機械
的交絡法、トウ開繊法、乾式短繊維不織布、湿式短繊維
不織布、溶剤法、超音波接着法等が挙げられ、さらには
これらの方法を併用した方法であっても構わない。スパ
ンボンド法に於ける開繊方法としては、例えば静電気帯
電法、衝突板衝撃法、気流拡散法、等が挙げられ、捕集
方法としてはランダム捕集法、直交配列捕集法等が挙げ
られる。また接着剤法の接着剤としては、主剤として熱
硬化性と熱可塑性に分けられ、熱硬化性に関してはエポ
キシ樹脂等の非ホルマリン系、メラミン樹脂等のホルマ
リン系、熱可塑性に関してはアクリル酸エステル等のア
クリル系、NBR・SBR等のゴム系、酢酸ビニル樹脂
等のビニール系が挙げられる。助剤としては加工助剤と
して消泡剤、浸透剤等、機能剤として難燃剤、帯電防止
剤等が挙げられる。
【0027】機械的交絡法としてはニードルパンチ法、
ウォーターパンチ法、ステッチボンド法等がある。有機
繊維の織布とは織った布であるすなわち経、緯2方向の
糸が上下に交錯してなる布帛構造物である。織り方は限
定されないが、平織り、斜文織り、朱子織り等種々の方
法がある。原料糸としては無撚糸、中撚糸、強撚糸等を
経糸、緯糸それぞれに使いうる。
【0028】本発明の複合布帛の作製方法は特に限定さ
れないが、例えば、予め有機繊維布帛と、金属繊維布帛
を作製しておきこれらの布帛に熱をかけながら複合化す
る方法、金属繊維布帛を作製しながら連続的に予め作製
しておいた有機繊維布帛を複合化する方法、金属繊維布
帛を作製しながらさらに同時に有機繊維の布帛も作製し
これらを複合化する方法、等がある。
【0029】さらに、本発明の布帛は金属繊維の布帛を
作製する際にエマルジョン等を用いたものなどは、熱圧
着により互いを接合することができる長所を有してい
る。本発明の複合布帛は電気電子製品、住宅・ビル内外
装用途、自動車用部材(ガソリン自動車、ディーゼルエ
ンジン車、ハイブリット車、電気自動車、水素自動車、
天然ガス自動車等)、電車用部材、医療機器等に好適に
利用できる。導電性シートとしてまた電磁波シールド用
シートとして好適に使用できる。また、繊維の接触度合
いをコントロールすることにより発熱体としての応用も
できるし、さらに静電防止用途にも有効である。
【0030】具体的に例を挙げれば、パソコン、プリン
ター、スキャナー、スイッチ、テレビ、プラズマディス
プレー、PHS、PDA、携帯電話、洗濯機、冷蔵庫、
皿洗い機、複写機、電子レンジ、BSアンテナ等のハウ
ジング及び内部・外部部品の構成用、オフィス用パーテ
ィション、間仕切り、ドア、絨毯、人工芝、OA用エプ
ロン、電気毛布、電気カーペット、電気自動車またはハ
イブリット車等の車載電池のバッテリーキャリアー、カ
ーマット、ヒーターコントローラーカバー、リレーカバ
ー、モーターカバー、等に好適に使用できる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、実施例によって本発明を具
体的に説明するが、本発明は以下の例に限定されるもの
ではない。各測定は以下の条件により行う。 電磁波シールド効果(SE);アンリツ株式会社製ネ
ットワークアナライザーMS4661A測定機を用いて
電波暗箱で、縦100mm×横100mmに切り出した
試験片を、周波数100から1000MHzの範囲で測
定し、800MHzの減衰値で表す。 厚み;ガラス板の上に載せ荷重をかけない状態での複
合布帛の厚みを測定する。 引張試験;JIS B 7721に基づいた試験機で
実施する。 剥離;2枚の布帛を手で剥がし、剥がれたものを×、
剥がれなかったものを○。 [参考例:金属繊維および金属繊維不織布の調整]コイ
ル材切削法により円換算径30、50μmに切削した、
黄銅繊維の各々1500本束を、また同様に円換算径5
0μmに切削した銅繊維の1,500本束を得る。特開
平6−280146号公報記載の方法に基づいた不織布
作製装置を用い表1中に示す目付量の不織布原反とす
る。
【0032】
【実施例1〜13】表1中に示すエマルジョン(表1中
のエマルジョン固形分濃度になるように50wt%の原
料エマルジョンを蒸留水で薄め調整した。)に表1中に
示す不織布原反を浸漬し、ローラーで絞り乾燥させ、加
熱しローラーで圧着し、複合布帛とする。即ち、図1右
上の繊維巻きボビンにコイル材切削法で作製した繊維を
巻いたボビンを取り付ける。これから送り切断ローラ
1、2を通りこのローラー1、2の回転速度をコントロ
ールして金属繊維を切断し、ホッパーをベルトコンベヤ
ーの上でベルトコンベヤーの走行方向に対し垂直な方向
に往復させることにより不織布を作製する。作製された
不織布をエマルジョン浸漬槽で所定濃度のエマルジョン
液に浸漬した後、ローラーで挟んで絞り余分なエマルジ
ョン液を除去し加熱乾燥炉を通して加熱乾燥する。加熱
乾燥炉の後半部分で温度を上げ圧縮ローラーで有機繊維
不織布と挟んで接着し冷却ローラーで冷却する。冷却さ
れた複合布帛を巻き取る。その評価結果を表1に示す。
【0033】実施例3で作製した布帛を15cm四方に
切り手で丸めシワをつけた。その後広げて電磁波シール
ド性能とシワの回復具合を観察した。実施例3の複合布
帛は電磁波シールド性能は>50dBを保持しており1
時間後にはシワも取れていた。
【0034】
【比較例1】有機繊維布帛と複合しない以外は実施例3
と同様にして金属繊維の不織布を作製した。その評価結
果を表1に示す。
【0035】
【比較例2】PETの不織布を熱融着により作製した。
その評価結果を表1に示す。
【0036】
【比較例3】比較例2で作製した不織布に銅とニッケル
を無電解メッキによりつけた。その評価結果を表1に示
す。比較例3の布帛を15cm四方に切り手で丸めシワ
をつけた。その後広げて電磁波シールド性能とシワの回
復具合を観察した。比較例3の布帛はシールド性能が1
6dBと低いレベルに落ち、シワも回復しなかった。
【0037】
【表1】
【0038】尚、表1の中のエマルジョンについて、S
Aはスチレン58重量%、2−エチルヘキシルアクリレ
ート40重量%、メタクリル酸2重量%の共重合体を用
いる。SBはスチレン58重量%、ブタジエン40重量
%、アクリル酸2重量%の共重合体を用いる。それぞれ
元のエマルジョンは固形分50重量%でこれを蒸留水で
薄め表中の重量%となるように調整してから用いた。
【0039】
【発明の効果】本発明の金属繊維複合布帛は、優れた電
磁波シールド効果を有し、布帛として薄く、引張強度に
も優れる。さらに、シワをつけたときのシワの回復性お
よび電磁波シールド特性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】複合布帛の製造方法を示す説明図。
【符号の説明】 1、2 送り切断ローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AB01A AB17 AB18 AB31 AK01A AK07 AK12 AK12J AK25 AK25J AK42 AK48 AL01 AL09A BA02 DG01A DG01B DG11A DG11B DG15A DG15B EC03B EJ30A GB08 GB48 JB13A JB16A JD08 JK02 JK06 JM01A 5E321 AA41 BB25 BB41 GG01 GG05

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1層以上の金属繊維の布帛と1層以上の
    有機繊維の布帛とが積層されてなる複合布帛。
  2. 【請求項2】 金属繊維がコイル材切削法で作製された
    金属繊維である請求項1記載の複合布帛。
  3. 【請求項3】 有機繊維の布帛が、不織布である請求項
    1、2記載の複合布帛。
  4. 【請求項4】 金属繊維不織布がラテックスの固形分に
    より接合されており、有機繊維不織布が熱溶融により接
    合されてなる請求項1〜3記載の複合布帛。
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Cited By (3)

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WO2007083822A1 (ja) * 2006-01-17 2007-07-26 Seiren Co., Ltd. 導電性ガスケット材料
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