JP2000167721A - 金属短繊維及びその製造方法 - Google Patents

金属短繊維及びその製造方法

Info

Publication number
JP2000167721A
JP2000167721A JP34446598A JP34446598A JP2000167721A JP 2000167721 A JP2000167721 A JP 2000167721A JP 34446598 A JP34446598 A JP 34446598A JP 34446598 A JP34446598 A JP 34446598A JP 2000167721 A JP2000167721 A JP 2000167721A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cutting
metal
milling
short
producing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP34446598A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshiyuki Nakajima
好幸 中島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kogi Corp
Original Assignee
Kogi Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kogi Corp filed Critical Kogi Corp
Priority to JP34446598A priority Critical patent/JP2000167721A/ja
Publication of JP2000167721A publication Critical patent/JP2000167721A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Inorganic Fibers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 フライスによる金属短繊維の製造を可能にし
乾式切削を可能にする。 【解決手段】 金属短繊維は、材料の金属塊をフライス
加工により切削してフライスカッターの1刃で1回の切
削により1本が形成されその断面形状が略三角形若しく
は略扇形である。製造方法は、円板状の外周に略軸線に
平行な直線状切刃を有しその切刃のラジアル掬い角αが
0°又は負の掬い角であるフライスカッターを用い、フ
ライス加工により原材料の金属塊13から針状の切り粉と
して金属短繊維を得る。フライスカッターのラジアル掬
い角が0°〜−40°の範囲内で決められているものを
用いる。フライスカッター4 が、メタルソーである。金
属塊13の平面に複数の平行な溝をフライス加工し、その
後に畝が消滅するようにフライス加工を行う。金属塊の
切削される切削面13a の温度を、所定温度以下の温度に
維持するように切削面以外の部分を冷却手段3 により冷
却しながら乾式切削する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラスチック、ゴ
ム、紙、金属、耐火煉瓦等に混入し、目的に応じて、耐
摩耗性、耐熱性、機械的強さ、導電性等を付与あるいは
向上のために、また、多孔質焼結体や複合材料の基材と
して用いられる金属短繊維の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、このような金属短繊維を製造する
には、金属を極細に引き抜いて切断する方法、金属箔を
切削する方法、溶融金属を掻き上げて造る方法等があっ
た。その後、特開昭55−157443号公報に開示さ
れているように、刃物の掬い角が0°〜−40°のもの
を使用し、これに合った切り込み量で旋盤加工すること
で、非円形断面の針状短繊維を連続的に製造することが
可能になった。また、別に工具に自励振動を与えて切削
方向に分断された切り粉を短繊維として生成する方法
(特公昭56−51050号参照)、通称びびり振動切
削と称しているものがある。前2者の製造方法では、短
繊維となる原材料の金属ブロックを回転させ、これに刃
物の刃を押し当てて切削する、いわゆる旋削であり、切
削熱の除去や得られる金属短繊維の原材料と工具の間か
らの排出のために、切削液が必要である。切削液を使用
しない場合は、構成刃先が生じて針状の金属短繊維が得
られず、また、材質によっては、例えば銅では、表面が
酸化して変色し、商品価値が大幅に低下する。また、従
来はフライスによる金属短繊維の加工は不可能とされて
いた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の旋削による金属
短繊維の製造方法では、1つの刃で連続的に切削するこ
とにより金属短繊維を生産するが、必ずしも生産能率が
高いものではない。このため、階段状に刃物を設置して
多重切削をすることが提案されているが、多くても5段
程度であり、また、刃物の位置が回転する原材料の半径
方向に異なる場合は切削速度が夫々に異なり、均等性の
良い金属短繊維とするには困難があった。また、従来は
切削液を使用する必要のあることから、得られた金属短
繊維に付着している切削液を洗い落として乾燥する工程
が必要であった。本発明は、フライスによる金属短繊維
の製造を可能にすること、及び切削液を使用しない乾式
切削を可能にすることを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の金属短繊維は、
原材料の金属塊をフライス加工により切削してフライス
カッターの1刃で1回の切削により1本が形成されその
断面形状が略三角形若しくは略扇形であることを特徴と
する(請求項1)。
【0005】フライスカッターの切削は1刃当たりの1
回の切削量が一定するから、得られた金属短繊維の均等
性がよい。
【0006】本発明の金属短繊維の製造方法は、円板状
の外周に略軸線に平行な直線状切刃を有しその切刃のラ
ジアル掬い角が0°又は負の掬い角であるフライスカッ
ターを用い、フライス加工により原材料の金属塊から針
状の切り粉として金属短繊維を得ることを特徴とする
(請求項2)。
【0007】フライスカッターによる金属短繊維の製造
は従来は不可能であるとされていたが、フライスカッタ
ーのラジアル掬い角を0°又は負角とすることによって
可能になった。このようなフライスカッターによる金属
短繊維の生成過程は、従来の旋盤切削による金属短繊維
の製造方法の場合と比べて、切刃で原材料が切削されて
切り粉となって出るときに切り粉の出る流れの方向に圧
縮されて異径断面の金属短繊維となる点では略同じであ
ると考えられる。しかし、フライスカッターを用いる方
法では、一つの切刃による1回の切削で1本の金属短繊
維が形成され、所定の切り込みと送りにより1本の金属
短繊維の体積が一定して均一性の高い金属短繊維群が得
られる点で異なる。また、その金属短繊維の長さは、フ
ライスカッターの刃幅寸法となるが、通常は要求される
金属短繊維の長さが2〜6mmであり、この長さはフラ
イス切削によって十分に得ることができる長さである。
原材料の切削される部分の幅が刃幅寸法よりも狭いとき
は当然その幅が金属短繊維の長さとなる。金属短繊維の
太さは、切削条件を変えることによってある程度変更で
きるが、断面形状が原材料の材質によっても異なり、普
通は略三角形断面若しくは略扇形断面のものを得ると
き、その最大径で略0.25mm程度、最小径で略0.
03mm程度のものとすることができる。
【0008】前記製造方法において、前記フライスカッ
ターのラジアル掬い角が0°〜−40°の範囲内で決め
られているものを用いるのがよい(請求項3)。ラジア
ル掬い角を0°〜−40°の範囲内としたことは、ラジ
アル掬い角が、0°よりも大きいときは個々の切り粉が
短繊維として殆ど認められない形態となり、−40を越
えると切刃による毎回の切削が確実には行われなくなる
からである。ラジアル掬い角のより好ましい範囲は−4
°〜−20°とするのがよく、この範囲から外れると金
属短繊維の2本が一端で互いに僅かに結合した松葉型の
ものが生じる場合があるが、この範囲内の掬い角では松
葉型のものは殆ど生じなくなる。なお、前記松葉形の金
属短繊維は用途によっては全く支障はない場合もある。
【0009】前記製造方法において、前記フライスカッ
ターが、メタルソーであるものとするのがよい(請求項
4)。一般にメタルソーはフライスの中でも歯数が多く
生産性が良い。また、前記メタルソーの歯数は、直径を
mmで表示したときの数値の1.3倍程度とするのがよ
い。通常のメタルソーの歯数は、直径をmmで表示した
ときの数値の0.3〜0.5倍であり、特殊なものでも
1.04倍以下である。歯数を多くすることは、1歯当
たりの切削量を同じとすると、歯数が多くなるほど生産
性はよくなるからであり、この種の金属短繊維を製造す
る場合、1歯当たりの切削量があまり大きくならないか
ら、実施可能で生産性を向上させることができる。
【0010】前記製造方法において、前記金属塊が少な
くとも一つの平面を有し、前記平面に複数の平行な溝を
形成し且つ溝の間にその溝の幅よりも僅かに狭い所定寸
法の整数倍の幅の畝が残るように前記フライス加工を行
い、その後に前記畝が消滅するように前記フライス加工
を行うのがよい(請求項5)。
【0011】この方法では、まず、平面に溝を切削して
金属短繊維を形成することにより、元の平面の切削され
ないで残った平面を有する畝を形成し、その畝は溝の幅
の整数倍よりも僅かに狭い所定寸法の整数n倍の幅であ
るから、その畝をn回の切削で除去する切削により更に
金属短繊維を形成するのである。すなわち、その溝の幅
はメタルソーで切削できる幅であり、溝の幅よりも僅か
に狭い前記所定寸法の整数(n)倍の幅の畝は、例えば
メタルソーを軸方向に畝幅のn分の1相当分づつを切削
するように変位させて、前記溝の切削と同様に切削する
ことをn回行うと畝が消滅する。これにより、形成され
ていた畝は確実に除去でき、切削により生じた切り粉の
全てが略同じ長さの金属短繊維となる。また、畝を除去
した段階で始めの状態と同じ平面となるから、同じ加工
を継続でき、自動制御により作業者が殆ど機械を離れて
いる状態でも切削加工を継続でき、加工能率がよく、材
料の無駄がない。なお、前記整数を1とした場合は、1
回目の切削で溝を形成し、2回目の切削で畝を消滅させ
ることになる。
【0012】そして複数本の溝は同時に形成するのがよ
い。この方法は、複数枚の同じメタルソーを、フライス
アーバに所定の間隔で取り付けて用いることにより実施
できる。すなわち、形成する溝の幅よりも僅かに狭い寸
法間隔、すなわちメタルソーの厚さ寸法よりも僅かに狭
い寸法間隔で、例えば、フライスアーバーにセットされ
るメタルソーとメタルソーの間にメタルソーの厚みの
0.9倍程度のスペーサを介在させてセットした工具
を、使用することにより実施できる。従って、溝を一本
ずつ形成するよりは加工能率がよい。比較的強力な切削
ができる通常のフライス盤では、形成する金属短繊維の
太さや長さにもよるが、5枚以上のメタルソーを取り付
けて同時に切削することは十分に可能である。なお、複
数のメタルソーを隣接させてフライスアーバーにセット
して一気に平面に切削しようとすると切削後の平面とな
るべき面にメタルソーの隣接部に対応して線状の切削残
りができる問題があり、また金属短繊維の長さの大幅に
異なるものができたりする問題が有るが、このような問
題は前述のスペーサを介在させることによって回避でき
る。
【0013】前記製造方法において、前記原材料の金属
塊の切削される切削面の温度を、所定温度以下の温度に
維持するように前記切削面以外の部分を冷却手段により
冷却しながら乾式切削するのがよい(請求項6)。この
方法では、切削面の所定温度を目安としており、切削面
の温度がその目安温度以下になるように切削面以外の部
分を冷却手段で冷却することにより、得られる金属短繊
維の変色を防止し、構成刃先の発生を抑制し、乾式切削
を可能としている。冷却手段が切削面以外の部分を冷却
して切削面を冷却することは、金属の熱伝達性が良いこ
とから実現が容易である。冷却手段には、切削面以外の
部分に低温部が接触する接触型の熱交装置を適用でき、
冷熱源としては冷凍機、冷水を使用すればよい。一般的
にはこのような場合に切削面及び切刃を直接冷却する切
削液を使用して酸化や構成刃先の問題を解決することが
考えられるが、この発明の方法では、乾式切削であるか
ら、切削液を使用する湿式切削に比べて金属短繊維に加
工した後の洗浄及び乾燥処理工程を省略でき、従って生
産性が良い。
【0014】そして前記所定温度以下という温度は、8
0°C以下とするのがよい。例えば、銅の塊を切削して
金属短繊維を製造した場合、切削面の温度が80°Cを
越えると、金属短繊維が酸化により変色する傾向が見ら
れるが、80°C以下に保持していると、金属短繊維は
変色しない。また、切削面の温度が80°Cを越えると
メタルソーの切れ刃に構成刃先ができ易くなり、所望の
均等性のある金属短繊維を製造できない。そして、この
80°C以下の温度は、銅以外の金属にも適用しても、
好ましい結果が得られるからである。
【0015】前記冷却手段は、前記原材料の前記切削面
以外の表面部分を含む前記切削面と区画された水の流動
領域を設け、その流動領域に冷却水を流通させるのがよ
い(請求項7)。冷却水による冷却は、冷凍機を使用す
る場合に比べて設備費及びランニングコストの低減に有
効である。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の一実施の形態を図1〜図
4を用いて説明する。この方法に使用する装置は、例え
ば、竪フライス盤である。図1に示すように、鉛直な主
軸1、テーブル2を有しており、別に冷却手段3を設け
てある。主軸1に取り付けた工具4は、図3に示すよう
に、フライスアーバ10に多数のメタルソー11をスペ
ーサ19を介在させながら所定の間隔で取り付け、固定
用ナット12で締付固定したものである。メタルソー1
1は、外径D、厚さT1(=刃幅T1)、歯数Z、ラジ
アル掬い角αのものである。このラジアル掬い角αは0
°〜−40°の範囲内で適当に決められている。この実
施の形態で使用した工具4は、13枚のメタルソー11
を使用し、その外径D=120mm、厚さT1=2.5
mm、歯数Z=160枚、ラジアル掬い角α=−20°
であり、スペーサ19は厚さT2=0.9×W=2.2
5mmである。
【0017】テーブル2は、図1に示すように、上面に
原材料の直方体状の金属ブロック13を台14を介して
固定金具15、15で固定でき、金属ブロック13に切
削時の送りを与えることができる。冷却手段3は、金属
ブロック13の切削面13aと反対側の端面13bに給
水ノズル16を指向させたものである。
【0018】この装置を用いて、原材料の金属ブロック
13から金属短繊維を製造するには、例えば、原材料が
銅である場合について説明すると、冷却手段3を動作さ
せて金属ブロック13の切削面13aが80°C以下に
なるように維持しながら、フライス切削する。切削に際
して予め切削する面は鉛直で平坦な面に形成しておい
て、その鉛直な切削面13を切削する。切削条件の1例
を示すと、切り込み0.5mm、送り1570mm/m
in、切削速度100m/minである。この切削にお
いて、先ず長方形の切削面13を片端から切削してメタ
ルソー11の枚数分の溝切削を行って溝17と切削され
ないで残った面13a′を有する畝18とからなるもの
にする。次に主軸1を軸方向に移動させて残った畝18
を切削する位置として、畝18を完全に削り取るように
切削する。畝18を削り取った後は元の切削面13aと
同じ平面となる。このような切削を繰り返して、行うこ
とによりその切り粉である金属短繊維を製造する。
【0019】得られた銅の金属短繊維は、断面形状が、
略三角形若しくは扇形であり、寸法が、長さ2.5〜
2.25mm、最大外径0.25mm前後であり、拡大
鏡を介した目視では各金属短繊維が均等性のよいもので
ある。また、切削液を使用しない乾式切削であるから、
金属短繊維は乾いた状態であり、冷却手段3による冷却
作用が切削面に及んでいて金属短繊維に温度上昇による
変色が認められない。
【0020】このフライス切削は、プログラムにしたが
った自動切削が可能であるから、自動切削を試みたとこ
ろ、全く支障はなかった。連続運転のための条件を整え
て切削を開始すれば12時間以上の放置が可能であっ
た。これにより夜間の無人運転による金属短繊維の製造
が可能になった。
【0021】前記実施の形態において、切削条件の切り
込みと送りとを変化させて切削を行った結果、切り込み
は0.03〜1.0mm、1刃当たりの送りは0.01
2〜0.049mmの範囲内で良好な形状の、つまり断
面が略正三角形若しくは扇形で均等性がよい、金属短繊
維が得られることが分かった。
【0022】前記実施の形態において、得られた金属短
繊維と従来のびびり振動切削による金属短繊維と、ワイ
ヤーを切断した金属短繊維と、について硬度を比較した
ところ次の表1のような結果が得られた。
【0023】
【表1】
【0024】表1の結果から、本発明のフライス切削に
よる金属短繊維が最も硬いということが分かる。このこ
とはブレーキ板やクラッチ等の摩擦材料の基板に用いら
れる場合、硬度が高いほど耐摩耗性はよくなる点で、本
発明の金属短繊維が最も好ましいと言える。
【0025】前記実施の形態において、フライスカッタ
ーとしてメタルソー11を複数枚用いるものを示した
が、スペーサ19を用いたことは、スペーサ19を用い
ないで単に重ねて隣合うメタルソーの歯の位置を周方向
にずらしただけでは均一な長さの確実に分断した金属短
繊維が得られ難いからである。また、メタルソーの刃溝
に溜まりやすい金属短繊維である切り粉の排出が必ずし
も良好には行われないため連続運転に不都合である面も
あるからである。スペーサ19を用いたことにより、各
歯が単独で切削作用することが確実に行われ、均一な長
さの金属短繊維が確実に得られる。また、各スペーサ1
9は、スペーサ19の整数倍、例えば2倍、のものと置
き換えて、畝を2回の切削で消滅させるようにしてもよ
い。その場合、図5に示すようになる。すなわち、1回
の溝21aの切削で図5(a)に示すような幅の広い畝
22bが残り、2回目の切削で図5(b)に示すように
溝が溝21bに広がって幅の広狭い畝22bが残り、3
回目の切削で元と同じ平坦面23に戻る。
【0026】前記実施の形態において、冷却手段3とし
て切削面13aと反対側の端面13bを水冷するように
したものを示したが、他の実施の形態として図2に示す
ように、冷却手段3aを、上方の幾つかの給水ノズル1
6aから上面13cに注水して原材料の金属ブロック1
3を冷却する構成としてもよい。この場合、切削面13
a側へ冷却水が流れないように区画部材20を設ける。
区画部材20は、例えばゴムパッキンのようなものでシ
ールした土手の様なものを適当に設けて、上面13cに
注水し、注水した水が切削面13aを濡らさないように
切削面以外の側面13dや反対側の端面13bを流下す
るようにすればよい。なお、図1と同等分は同一図面符
号で示して説明を省略する。冷却の効果は図2に示した
ほうが良いが、図1に示したものでも十分に冷却効果は
あり実用可能である。図4に示すグラフは、条件をでき
るだけ揃えて、図1の冷却手段3を用いたものと、図2
の冷却手段3aを用いたものと、冷却手段を用いないも
のと、の原材料の金属ブロック13の切削面13aの温
度推移を測定した結果を示すものである。縦軸は切削面
13aの温度、横軸は切り込みが新たに行われた回数で
ある。この結果から、切削面13aの反対側の端面13
bのみの冷却でも切削面の温度は80°Cを越えないよ
うに冷却できることが分かる。そして、原材料が銅の場
合、80°Cを越えると生成される金属短繊維の色に変
化が認められるようになった。これは、切削面の温度を
制御する場合に80°以下であることが必要であること
を示すものである。
【0027】また、実施の形態の他に、通常のメタルソ
ーよりも歯数を多くした他のメタルソー及び前記実施の
形態におけるメタルソーを用いて、1本のフライスアー
バーに対してより多くのメタルソーを取り付けた多刃切
削を試みたところ、実験によれば、外径100mm、歯
数130枚のもの13枚を、また別に、外径120m
m、歯数160枚のものを13枚使用して、支障はなか
った。
【0028】
【発明の効果】請求項1に記載の発明は、フライスカッ
ターの切削は1刃当たりの1回の切削量が一定するか
ら、得られた金属短繊維の均等性がよい効果を奏する。
請求項2、請求項3に記載の発明は、一つの切刃による
1回の切削で1本の金属短繊維が形成され、所定の切り
込みと送りにより1本の金属短繊維の体積が一定して均
一性の高い金属短繊維群が得られる効果を奏する。請求
項4に記載の発明は、メタルソーは歯数が多く、生産性
が高くなる効果を奏する。請求項5に記載の発明は、平
面に溝を切削することにより畝を形成する切削加工と、
畝を切削して平面にする切削加工とを繰り返すことによ
り原材料から無駄なく金属短繊維を製造でき、金属短繊
維を加工するためのフライス盤の長時間の無人運転が可
能で、より生産性が向上する効果を奏する。請求項6に
記載の発明は、乾式切削であるから、切削液を使用する
湿式切削に比べて、金属短繊維に加工した後の洗浄及び
乾燥処理工程を省略でき、更に生産性が向上する効果を
奏する。請求項7に記載の発明は、冷却水による冷却
は、冷凍機を使用する場合に比べて設備費及びランニン
グコストを低減できる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法に使用する装置の一実施の形態を
示す主要部分の概略正面図である。
【図2】本発明の方法に使用する装置の他の実施の形態
の主要部を示し、(a)は概略平面図、(b)は概略正
面図である。
【図3】本発明の方法に使用するフライス工具の一実施
の形態及び切削により畝が形成される状態を示し、
(a)はメタルソーの部分省略正面図、(b)はメタル
ソーをフライスアーバに取り付けた状態及び切削途中の
状態の側面図である。
【図4】図1、図2に示した装置で冷却水を使用した場
合としない場合の切削表面の温度推移を示すグラフであ
る。
【図5】(a)、(b)、(c)は本発明の方法に使用
する工具のメタルソー間に厚さの大きいスペーサを用い
たときの切削過程の1例を示す金属ブロックの縦断正面
図である。
【符号の説明】
1 主軸 2 テーブル 3 冷却手段 3a 冷却手段 4 工具 10 フライスアーバ 11 メタルソー 12 固定ナット 13 金属ブロック 13a 切削面 13a′残った面 13b 端面 13c 上面 13d 側面 14 台 15 固定金具 16 給水ノズル 17 溝 18 畝 19 スペーサ 20 区画部材

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原材料の金属塊をフライス加工により切
    削してフライスカッターの1刃で1回の切削により1本
    が形成されその断面形状が略三角形若しくは略扇形であ
    ることを特徴とする金属短繊維。
  2. 【請求項2】 円板状の外周に略軸線に平行な直線状切
    刃を有しその切刃のラジアル掬い角が0°又は負の掬い
    角であるフライスカッターを用い、フライス加工により
    原材料の金属塊から針状の切り粉として金属短繊維を得
    ることを特徴とする金属短繊維の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の金属短繊維の製造方法
    において、前記フライスカッターのラジアル掬い角が0
    °〜−40°の範囲内で決められているものを用いるこ
    とを特徴とする金属短繊維の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項2、又は請求項3に記載の金属短
    繊維の製造方法において、前記フライスカッターが、メ
    タルソーであることを特徴とする金属短繊維の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 請求項2、請求項3、又は請求項4に記
    載の金属短繊維の製造方法において、前記金属塊が少な
    くとも一つの平面を有し、前記平面に複数の平行な溝を
    形成し且つ溝の間にその溝の幅よりも僅かに狭い所定寸
    法の整数倍の幅の畝が残るように前記フライス加工を行
    い、その後に前記畝が消滅するように前記フライス加工
    を行うことを特徴とする金属短繊維の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項2、請求項3、請求項4、又は請
    求項5に記載の金属短繊維の製造方法において、前記原
    材料の金属塊の切削される切削面の温度を、所定温度以
    下の温度に維持するように前記切削面以外の部分を冷却
    手段により冷却しながら乾式切削することを特徴とする
    金属短繊維の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の金属短繊維の製造方法
    において、前記冷却手段は、前記原材料の前記切削面以
    外の表面部分を含む前記切削面と区画された水の流動領
    域を設け、その流動領域に冷却水を流通させることを特
    徴とする金属短繊維の製造方法。
JP34446598A 1998-12-03 1998-12-03 金属短繊維及びその製造方法 Pending JP2000167721A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34446598A JP2000167721A (ja) 1998-12-03 1998-12-03 金属短繊維及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34446598A JP2000167721A (ja) 1998-12-03 1998-12-03 金属短繊維及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000167721A true JP2000167721A (ja) 2000-06-20

Family

ID=18369480

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP34446598A Pending JP2000167721A (ja) 1998-12-03 1998-12-03 金属短繊維及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000167721A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006015783A1 (de) 2004-08-06 2006-02-16 Emitec Gesellschaft Für Emissionstechnologie Mbh Metallische fasern, deren herstellung sowie einsatzgebiete
JP2016507658A (ja) * 2012-09-27 2016-03-10 ナムローゼ・フェンノートシャップ・ベーカート・ソシエテ・アノニムN V Bekaert Societe Anonyme 金属繊維の塊及びこのような塊を製造する方法
JP2018106846A (ja) * 2016-12-22 2018-07-05 I&Tニューマテリアルズ株式会社 蓄電デバイスの電極およびその製造方法
JP2020053400A (ja) * 2019-12-05 2020-04-02 I&Tニューマテリアルズ株式会社 蓄電デバイスの電極およびその製造方法

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006015783A1 (de) 2004-08-06 2006-02-16 Emitec Gesellschaft Für Emissionstechnologie Mbh Metallische fasern, deren herstellung sowie einsatzgebiete
JP2008509009A (ja) * 2004-08-06 2008-03-27 エミテック ゲゼルシヤフト フユア エミツシオンス テクノロギー ミツト ベシユレンクテル ハフツング 金属繊維とその製造方法
US7510589B2 (en) 2004-08-06 2009-03-31 Emitec Gesellschaft Fuer Emissions-Technologie Mbh Method for producing metal fibers, method for producing filter material, device for performing the method, fiber, filter material, particle filter, and motor vehicle having the filter material
JP4944028B2 (ja) * 2004-08-06 2012-05-30 エミテック ゲゼルシヤフト フユア エミツシオンス テクノロギー ミツト ベシユレンクテル ハフツング 金属繊維、金属繊維の製造方法および装置、フィルタ材料およびその製造方法、粒子フィルタおよび車両
JP2016507658A (ja) * 2012-09-27 2016-03-10 ナムローゼ・フェンノートシャップ・ベーカート・ソシエテ・アノニムN V Bekaert Societe Anonyme 金属繊維の塊及びこのような塊を製造する方法
JP2018106846A (ja) * 2016-12-22 2018-07-05 I&Tニューマテリアルズ株式会社 蓄電デバイスの電極およびその製造方法
US11367576B2 (en) 2016-12-22 2022-06-21 Charles Metallic & Solar Materials Co., Ltd. Electrode for power storage devices and method of manufacturing the same
JP2020053400A (ja) * 2019-12-05 2020-04-02 I&Tニューマテリアルズ株式会社 蓄電デバイスの電極およびその製造方法
JP7030766B2 (ja) 2019-12-05 2022-03-07 I&Tニューマテリアルズ株式会社 蓄電デバイスの電極およびその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI402904B (zh) 於研磨墊形成彎曲溝槽
CN102015166B (zh) 用于产生具有预定粗糙度的表面的方法和刀具
CN113084271B (zh) 一种锯齿螺纹加工方法
JP2008528318A (ja) 硬質材料からなる工作物を加工する工具および方法
CN101795797B (zh) 切削刀片、形成切削刀片的方法及制造切削刀片的方法
JP2000167721A (ja) 金属短繊維及びその製造方法
EP3245020B1 (en) Method and arrangement for processing carbon bodies
KR20110005006A (ko) 칩 브레이커가 구비된 다이아몬드 절삭공구의 제조방법 및 이에 의해 제조되는 다이아몬드 절삭공구
CN111203579A (zh) Af1410钢零件淬火前加工方法
US8191545B2 (en) Electroformed thin-wall core drills impregnated with abrasives
US20090044678A1 (en) Electroformed Thin-Wall Cutting Saw Impregnated With Abrasives
JP5953173B2 (ja) 切削工具
JP2002254231A (ja) 切削加工方法
JP2007237558A (ja) セラミックハニカム成形体の切断方法及び円形切断刃
Shi et al. Investigations of the effects of blade type, dicing tape, blade preparation and process parameters on 55nm node low-k wafer
JP2001300811A (ja) 円筒状部品のデュアルコンタリング加工方法
CN217223641U (zh) 一种具有良好散热性能的新结构焊接车刀
CN113873768B (zh) 一种pcb板批量成型切割的制作方法
KR200237153Y1 (ko) 금속 절삭용 원형톱의 절삭날
CN211991276U (zh) 易冷却插齿刀
CN220547684U (zh) 一种铣槽刀具
CN216882082U (zh) 一种切削装置
CN211387050U (zh) 一种复合结构金刚石钻头
CN113953568B (zh) 一种pcb板自动成型铣削系统
CN211549589U (zh) 一种石墨取芯钻头