JP2000167397A - 触媒機能材料 - Google Patents

触媒機能材料

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JP2000167397A
JP2000167397A JP10350041A JP35004198A JP2000167397A JP 2000167397 A JP2000167397 A JP 2000167397A JP 10350041 A JP10350041 A JP 10350041A JP 35004198 A JP35004198 A JP 35004198A JP 2000167397 A JP2000167397 A JP 2000167397A
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mineral powder
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Abstract

(57)【要約】 【課題】明所はもとより暗所においても触媒機能を発揮
する触媒機能材料の提供 【解決手段】光触媒粉末と放射性鉱物粉末とを基材中に
含み、好ましくは、光触媒粉末が酸化チタンであり、放
射性鉱物粉末がモナズ石(モナザイト)であって、光触媒
粉末100重量部に対して放射性鉱物粉末1〜50重量
部を含有する触媒機能材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、触媒機能材料、特
に、光触媒の有する抗菌や汚染防止、有害物質の分解等
の機能を暗所においても発揮する触媒機能材料に関す
る。
【0002】
【従来の技術】光触媒は太陽光、特に紫外線の光エネル
ギーを吸収して活性化し、無機物や有機物の分解等の化
学反応を進める触媒作用を有する物質である。その活性
作用を利用して、防カビ、抗菌、水質浄化、セルフクリ
ーニング、脱臭、その他種々の機能を有する材料・製品
が開発されている。例えば、特開平10−204335
号公報には船舶の外板や海洋構造物、魚網等に水中生物
が付着するのを防止するための水中汚染防止塗料組成物
が記載されている。また、特開平10−212179号
公報には目地部に光触媒材料を塗布して耐汚染性および
防カビ性を付与した磁器タイルパネルが記載されてい
る。
【0003】
【発明の解決課題】しかし、水中では水深が増すにつれ
て光量が乏しくなるので光触媒機能が次第に低下する。
このため、光触媒材料を塗料に含有させ水中構造物や水
中で使用する製品に塗布しても、十分な光活性作用を発
揮できるのは水深が極めて浅い場合に限られる。また、
タイルやセメント等に光触媒材料を塗布あるいは混入し
た場合も浄化槽や暗渠、トンネル内などのように光が届
かない場所や、光量が乏しい場所では光触媒作用は実質
的に発揮されない。装置内部に組み込まれる各種の機械
部品や配管類なども同様である。
【0004】一方、夜間においても抗菌性能を維持する
手段として、酸化チタンを焼き付けた上に金属イオンを
焼き付ける方法が試みられているが、焼き付けに手間が
掛かり、しかも基材の種類が限定される問題がある。本
発明は、従来技術のこのような問題を解決したものであ
り、暗所においても継続的な触媒作用を発揮する触媒機
能材料を提供することを目的とする。
【0005】
【課題解決の手段】すなわち、本発明は以下の構成から
なる触媒機能材料に関するものである。 (1)光触媒粉末と放射性鉱物粉末とを基材中に含み、
放射性鉱物粉末から発生する放射線によって光触媒粉末
を活性化することにより暗所においても触媒機能を発揮
することを特徴とする触媒機能材料。 (2)光触媒粉末が酸化チタンであり、放射性鉱物粉末
がモナズ石(モナザイト)である上記(1)の触媒機能材
料。 (3)光触媒粉末100重量部に対して放射性鉱物粉末
20〜100重量部を含有する上記(1)または(2)に記載
の触媒機能材料。 (4)基材が、ゴム、樹脂、セメントまたは塗液である
上記(1)〜(3)のいずれかの触媒機能材料。 (5)基材がガス透過性ゴム材である上記(4)の触媒機
能材料。
【0006】
【発明の実施態様】本発明の触媒機能材料は、光触媒粉
末と放射性鉱物粉末とを基材中に含むものである。光触
媒粉末と共に放射性鉱物粉末を含有することにより、こ
の放射性鉱物粉末が発生する放射線によって光触媒粉末
を活性化し、光触媒粉末が有する光触媒機能を明所はも
とより暗所においても発揮させるようにしたものであ
る。
【0007】(I)光触媒粉末 本発明の光触媒粉末は一般に光触媒材料として用いられ
ているものである。光触媒材料は構成元素の電子が光エ
ネルギーを吸収してエネルギーバンドを越え、価電子帯
から伝導帯に励起されて電子と正孔のペアとを生成し、
この材料表面に接触する物質の酸化還元を促進して、触
媒作用を発揮する。このような光触媒材料の例として
は、酸化チタン(TiO2)、酸化錫(SnO2)、酸化亜鉛(Zn
O)、酸化バナジウム(V2O5)、酸化セリウム(CeO2)、酸化
タングステン(WO3)、酸化コバルト(CoO)、酸化ルテニウ
ム(RuO2)、α型酸化第2鉄(Fe2O3)などの金属酸化物、
チタン酸ストロンチウム(Sr2TiO4)、チタン酸バリウム
(Ba2TiO4)、層状のニオブ酸カリウムなどの金属酸化物
が知られている。この光触媒粉末は使用環境や目的等に
応じて選択すればよい。なお、酸化チタンは安価で光触
媒機能に優れているので本発明においても好適である。
酸化チタンはルチル型、アナターゼ型のいずれも用いる
ことができる。また、この光触媒材料となる上記金属酸
化物は天然物、合成物のいずれでもよいが、ハロゲン化
物の酸化分解やアルコキシドの熱分解などの合成法によ
って製造すれば、粒度調整等が容易である。
【0008】光触媒粉末として用いる酸化チタンは0.
01〜10μmの粉末が一般に市販されており、本発明
の触媒機能材料はこれを用いることができる。なお、表
面積が大きいほど触媒活性が大きくなるため光触媒粉末
の粒径は1μm以下が好ましいが、粉末の粒径が小さす
ぎると基材への練り混み抵抗が過大になり、取扱性が低
下するので、好ましくは0.1〜1μm程度の粒径が適当
である。
【0009】光触媒粉末の含有量は、基材の種類にもよ
るが、通常は基材100重量部に対して10〜200重
量部が適当である。好ましくは、動的な用途には10〜
100重量部、静的な用途には50〜200重量部が適
当である。この範囲では光触媒粉末の含有量が多いほど
触媒効果が良いが、200重量部を超えると効果が大差
なく、むしろ相対的に基材の含有量が少なくなるので、
成形体にしたときの組成物全体の強度や塗膜にした際の
成膜性が低下し、また高価な光触媒の使用量が増すと経
済性も低くなる。
【0010】(II)放射性鉱物粉末 本発明において用いる放射性鉱物粉末とは放射線を発生
する鉱物質の粉末である。放射線としては使用時の安全
性を考慮するとα線が好ましい。α線は到達距離が相対
的に短くβ線などよりも安全性が高い。このような放射
性鉱物粉末として、モナズ石[モナザイト:(Ce,La,Th)PO
4]を好適に用いることができる。モナザイトはセリウム
(Ce)、ランタン(La)、イットリウム(Y)、トリウム(Th)
等のリン酸塩を含有する鉱物であり、例えば、含有され
るトリウムの崩壊過程においてラドンの同位体に転化
し、さらにα崩壊により複数のトリウム同位体となる。
このような放射線元素の崩壊によって生じるα線(ヘリ
ウム核)は基材中において到達距離が10-3〜10-2cm
程度であり、空気中でも数cm程度なので基材中に含有さ
せた状態で十分に安全性が保たれる。一方、基材中にお
いては、光触媒粉末の周囲に放射性鉱物粉末が混在する
ので、光触媒粉末はこの放射性鉱物粉末から発生される
放射線のエネルギーを受けて活性化される。
【0011】放射性鉱物粉末の粒径は基材中で良好に分
散する程度であればよい。光触媒粉末と均一に混合する
には光触媒粉末と同程度の粒径ないし0.1〜10倍程
度の粒径であれば良い。また、放射性鉱物粉末の含有量
は併用される光触媒粉末を活性化させるに十分な量であ
ればよい。使用環境および基材中での混合状態などにも
よるが、一般的には、光触媒粉末100重量部に対し1
〜50重量部、好ましくは5〜40重量部が適当であ
る。放射性鉱物粉末の含有量が少なすぎると光触媒粉末
を活性化する効果が十分に得られない。一方、放射性鉱
物粉末の含有量が多すぎても上記範囲を超えた光触媒効
果に著しい改善はなく、むしろ経済性が低下する。
【0012】(III)基材 光触媒粉末および放射性粉末を担持する基材としては、
例えば、ゴム、樹脂、セメントおよび塗液が挙げられ
る。触媒作用は被処理対象が光触媒粉末および放射性粉
末を含有する基材と接触する表面付近で主に進行するの
で、光触媒粉末および放射性鉱物粉末は基材の表面付近
に混在するのが好ましいが、上記基材の通常の使用態様
および製品形状においては、成形体等の内部に含有され
る光触媒粉末でも、隣接する光触媒粉末の相互作用や基
材のガス透過性等により基材表面での触媒効果を得るこ
とができる。
【0013】ゴム基材としては各種のゴムが使用可能で
ある。例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエン
ゴム、クロロプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、
ニトリルゴム、ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム
(EPM)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、ア
クリルゴム、エピクロロヒドリンゴム、シリコーンゴ
ム、フッ素ゴム、ウレタンゴム等が挙げられる。これら
のゴムは単独でも良く、また混合物でもよい。なお、基
材内部に含まれる光触媒粉末の作用を有効に利用するに
はガス透過性に優れたものが良く、例えば、シリコーン
ゴムやEPM、EPDMなどが好ましい。ガス透過性の
良いものはα線(放射線)の透過性や拡散性も良いので、
モナズ石に含まれるトリウム等の崩壊過程において生じ
るα線はガス透過性のよい基材では基材表面に到達しや
すく、基材表面付近の光触媒粉末を活性化して触媒作用
を高めることができる。
【0014】樹脂基材としては、各種の樹脂が使用可能
である。このような樹脂の例としては、スチレン樹脂、
ウレタン樹脂、ビニル樹脂その他のオレフィン系樹脂、
ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、フッ素樹脂、シリコ
ーン樹脂等が挙げられる。セメントは、普通ポルトラン
ドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルト
ランドセメント、アルミナセメント、フライアッシュセ
メント、高炉セメント、シリカセメント、白色セメン
ト、各種混合セメント、焼石膏など、任意の種類・組成
のものが使用できる。このような本発明のセメント質基
材の触媒機能材料はコンクリートブロックなどの主材料
として用いることができる。また、本発明の光触媒粉末
と放射性鉱物粉末を含有するセメント材料をブロック等
の表面に塗布し硬化させて使用しても良く、部材相互の
繋ぎ材や目地材、充填材などに用いても良い。
【0015】また、本発明の触媒機能材料は塗液の状態
を含む。塗膜の構成は通常の塗料組成物と同様であり、
各種の塗膜材料を用いることができる。例えば、不飽和
ポリエステル系、アクリル系、エポキシ系の無溶剤型塗
料、アクリルウレタン系、アルキド樹脂系、アミノアル
キド系、ウレタン系、エポキシ系の溶剤型塗料等も使用
できる。また、加水分解性基を有するシリル基含有ビニ
ル系共重合体、オルガノシランの加水分解物およびオル
ガノシランの加水分解物の部分縮合物からなる群より選
ばれた少なくとも1種の加水分解性ケイ素化合物を結合
剤とするものでもよい。有機溶剤は一般に用いられるも
のでよく、例えば、トルエン、キシレン等の炭化水素系
溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、メ
チルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘ
キサノン、イソホロン等のケトン系溶剤、メタノール、
エタノール、ブタノール等のアルコール系溶剤等が代表
的なものとして挙げられる。
【0016】各種基材には慣用されている各種の添加剤
や顔料等を添加することができる。添加剤の例としては
架橋剤、分散剤、増粘剤、充填剤、レベリング剤、発泡
防止剤、紫外線吸収剤、反応調整触媒等が挙げられる。
顔料としては各種の無機顔料や有機顔料を用いることが
でき、また防腐剤、防黴剤、防藻剤等の防染剤を添加し
てもよい。なお、以上の基材の他に、場合に応じて紙や
不織布等の繊維材料、ガラスやセラミック等も基材とし
て用いることができる。
【0017】(IV)製造方法 本発明の触媒機能材料は、基材中に光触媒粉末と放射性
鉱物粉末とを混練して得られるが、その混練方法や製造
方法は限定されない。例えば、チタンテトライソプロポ
キシドのような光触媒化合物の前駆体を放射線源と共に
塗液成分に混合し、光触媒成分を加水分解により塗液中
に生成させて本発明の触媒機能材料を製造する等の方法
も利用することができる。
【0018】(V)用途 本発明の触媒機能材料は、従来のような明所での使用の
他に、特に暗所あるいは光量の乏しい場所での使用に適
している。このような用途の例としては、例えば、車両
等の内部空間に装着されるゴム材、排気管のライニング
等、各種装置内部のゴム製品、洗濯機その他の水槽内コ
ーティング、下水、暗渠、水道用配管のライニングやコ
ーティング、汚水浄化槽のライニング、トンネル内設備
や壁面等の暗所における使用、船底塗料、海中構造物や
水質改善用ブロック材料またはコーティング材料あるい
は漁網の塗装、プールの表面コーティング等の水中にお
ける使用例が挙げられる。
【0019】また車両のワイパーブレード等はウインド
ガラスのように他の部分よりは明るい場所に装着されて
いるが、その使用は降雨時などの比較的光量の乏しい時
であり、また夜間での使用も多い。しかもウインドガラ
ス等には外部の油性汚れが付着しやすく、その除去性能
に優れることが求められる。ゴム材料を基材とする本発
明の触媒機能材料を利用すれば、このような使用環境下
においても光触媒粉末の高い触媒効果が維持されるの
で、優れた拭き取り効果が得られる。
【0020】なお、本発明の触媒機能材料は従来の光触
媒機能材料と同様の用途にも用いることができる。例え
ば、便器や浴槽のコーティング材、防カビ用コーキング
材、サテライトアンテナの表面コート、街灯のカバー等
の屋外施設用部材、家屋の外壁、パネル、ブロック、タ
イル、シート、目地材等の建材やコーティング、空気清
浄機その他の各種フィルター等に適用することができ
る。
【0021】
【実施例】本発明を実施例によって具体的に示す。な
お、以下の例は本発明を限定するものではない。
【0022】実施例1(油脂汚れ試験) 基材としてシリコーンゴムを用い、光触媒粉末としてル
チル型酸化チタン(平均粒度0.1〜0.5μm)、放射性粉末
としてモナズ石粉末(平均粒度1〜5μm)を各々用い、こ
れらを以下の重量配合比で混合し、加硫硬化させて3種
のゴム材(試料No.a,b,c)を製造した。このゴム材を用い
てワイパーブレードを制作し、ワイパー試験機に取り付
け、以下の試験条件下でガラス面に付着した油脂の拭き
取り効果を調べた。この結果を表1に示した。なお、ワ
イパー試験機は車両のワイパー装置と同様の装置であ
り、ウインドガラス面にワイパーを摺動自在に装着した
ものである。 〔配合比〕(A)シリコーンゴム100部+酸化チタン3
0部 (B)シリコーンゴム100部+モナズ石10部 (C)シリコーンゴム100部+酸化チタン30部+モナ
ズ石10部 〔試験方法〕ウインドガラス中央に赤色クレヨン(ロウ+
油脂+顔料)を10cm角の矩形状の範囲に塗り付けて人工
的な油脂汚れを形成した。これに毎分1500mlの水を散水
しながら標準回転でワイパーを120分間連続作動させ
た。これを晴天時の日中(気温22℃,湿度60%)と夜間(気
温18℃,湿度40%)との2通りの条件下で行った。
【0023】〔日中の試験結果〕試料No.Aのゴム材は油
脂汚れの大部分がガラス面から払拭されたが、ブレード
に少量の油脂が付着した。また、試料No.Bのゴム材は油
脂汚れの50%程度がガラス面に残留し、ブレードに付
着した油脂の量も多かった。一方、試料No.Cのゴム材は
油脂汚れの大部分がガラス面から拭き取られており、ワ
イパーの折り返し位置での汚れやブレードへの油脂の付
着も微量であった。 〔夜間の試験結果〕試料No.Aのゴム材は油脂汚れの20
%程度が払拭されずにガラス面に残留し、ブレード全長
に油脂が付着した。また、試料No.Bのゴム材は油脂汚れ
の70%程度がガラス面に残留し、ブレードに多量の油
脂が付着し、ワイパー折り返し位置の油脂量も多かっ
た。一方、試料No.Cのゴム材は油脂汚れの大部分がガラ
ス面から拭き取られており、ワイパーの折り返し位置や
ブレードへの油脂の付着も微量であった。 〔評価〕試料No.A(酸化チタン単独混合)のゴム材は日が
射す日中の試験条件では比較的良好な拭き取り効果が得
られるが、夜間の試験ではブレードに付着する油脂量が
やや多い。一方、試料No.C(酸化チタンとモナズ石の併
用)のゴム材は夜間でも日中に近い払拭効果が得られ
る。なお、試料No.Bゴム材は酸化チタン粉末とモナズ石
を含まないシリコーンゴム単独のラバーと同等の払拭効
果であり、モナズ石を単独に混合しても払拭を高める効
果が殆ど無い。このことから、酸化チタン粉末とモナズ
石粉末を併用したものは、モナズ石粉末によって酸化チ
タンの触媒効果が向上し、これにより夜間においても優
れた触媒効果が得られることがわかる。
【0024】実施例2(ワックス汚れ試験) 実施例1と同様の3種のゴム材(試料No.a,b,c)につい
て、クレヨン(油脂)に代えて自動車用固形ワックスを用
い、ワイパーの作動時間を40分とし、日中試験の気温
18℃、湿度30%、夜間試験の気温12℃、湿度40
%とした他は実施例1と同様の条件で、ワックス汚れの
払拭試験を行った。なお、ワックスは研磨剤、香料、色
素、溶剤を含有したものを使用した。 〔日中の試験結果〕試料No.Aのゴム材はワックスの80
%程度がガラス面から払拭されたが、ブレードとワイパ
ーの折り返し位置に少量のワックスが付着し、ガラス面
に油膜スジがみられた。試料No.Bのゴム材はワックスの
20%程度がガラス面から払拭されたが大部分は残留
し、ブレードとワイパーの折り返し位置にも多量のワッ
クスが付着しており、油膜スジも濃い。3時間ワイパー
を作動させても同じ状態であった。一方、試料No.Cのゴ
ム材はワックスの大部分がガラス面から拭き取られてお
り、ワイパーの折り返し位置やブレードへのワックスの
付着も微量であり、油膜スジも薄く、この油膜スジはワ
イパーをさらに90分作動させると消滅した。 〔夜間の試験結果〕試料No.Aのゴム材はワックスの70
%程度がガラス面から払拭されたが、ブレードとワイパ
ーの折り返し位置に少量のワックスが付着し、ガラス面
に油膜スジがみられた。試料No.Bのゴム材および試料N
o.Cのゴム材を使用したものは日中試験とほぼ同様の結
果であった。 〔評価〕試料No.Aの酸化チタン粉末を単独に含むゴム材
は夜間での拭き取り効果が日中よりもやや劣るが、試料
No.Cの酸化チタン粉末と共にモナズ石粉末を含むゴム材
を使用したものは夜間でも日中試験とほぼ同様の拭き取
り効果を達成しており、酸化チタン粉末とモナズ石粉末
を併用する効果が認められる。
【0025】実施例3(防汚試験) 実施例1と同様の3種のゴム材(試料No.a,b,c)につい
て、家庭の流し台での試験を行った。試験方法は、一般
家庭の流し台の排水口の内側(光が遮断された暗所)に上
記3種のゴム材を一定間隔に放射状に取り付け、4人家
族一日3食の炊事から生じる生ゴミや排水が通過する状
態で2月間使用し、水気を除去したゴム材の状態を観察
した。なお、食器の洗浄には中性洗剤を使用し、ゴム材
への影響を避けるため漂白剤の使用は禁止した。 〔試験結果〕試料No.Aのゴム材表面には粉状の白い汚れ
が鱗状ないしリング状に付着しており、この汚れは無臭
であり水洗いによって除去できた。試料No.Bのゴム材表
面には薄い灰色のぬめり気と悪臭のある汚れがエッジ部
分に付着していた。この汚れは水洗により除去された。
試料No.Cのゴム材は汚れが付着しておらず、また悪臭も
しなかった。
【0026】実施例4 実施例1と同様の3種のゴム材(試料No.a,b,c)につい
て、メッキに対する触媒効果を試験した。試験方法は、
鋼製線材(JIS S25C,30mm×4mmφ)にクロームメッキ(厚
さ10μm)を施したものを、実施例1と同様の3種のゴム
材(試料No.a,b,c)の試験片(10×30×2mm)1枚づつと共
にサンプル槽(20ml)に入れ、水道水20mlを満たし空気を
抜いて気密に保ち、日光の当たる明所と日光を遮断した
暗所におのおの7日間気密に保持した。 〔試験結果〕試料No.Aのゴム材を入れたものはメッキが
部分的に剥離し、剥離面は黒ずみ、サンプル槽の口に剥
離したメッキ膜が浮遊していた。試料No.Bのゴム材を入
れたものはメッキの剥離を生じなかった。一方、試料N
o.Cのゴム材を入れたものはメッキの剥離面が試料No.A
のゴム材よりも大きかった。これは明所でも暗所でも同
様であった。
【0027】実施例5 実施例1と同様の3種のゴム材(試料No.a,b,c)につい
て、金属粉に対する触媒効果を試験した。試験方法は、
ガラス管(20ml)に塩化第二鉄20mlと銅1gを入れ10
分間放置した液体を200mlの水道水と混合して試験溶
液とした。この試験溶液に実施例1と同様の3種のゴム
材(試料No.a,b,c)の試験片(10×50×2mm)を1枚づつそ
の半分が水溶液に浸るように入れ、日光の当たる明所と
日光を遮断した暗所におのおの5日間放置した。 〔試験結果〕試料No.Bのゴム材を用いたものは水溶液に
変化がみられない。試料No.Aのゴム材を用いたものは、
水溶液が上下に分離して底部に褐色の異物が沈殿した。
また、水溶液の界面と試験片およびガラス管が接触する
部分には褐色のラインが付着し、水洗しても除去できな
かった。試験No.Cのゴム材を用いたものは、水溶液が上
下に分離して底部に褐色の異物が沈殿したが、水溶液の
界面と試験片およびガラス管が接触する部分には付着し
た褐色のラインは水洗により容易に除去できた。これは
明所でも暗所でも同様であった。
【0028】実施例6(塗料組成物) 塗料用樹脂、ルチル型酸化チタン(平均粒度0.1〜0.5μ
m)、モナズ石粉末(平均粒度1〜5μm)を各々用い、これ
らを以下の重量配合比で混合して3種の塗料組成物(A,
B,C)を製造した。 〔配合比〕(A)塗料用樹脂100g+酸化チタン100
g (B)塗料用樹脂100g+モナズ石30g (C)塗料用樹脂100g+酸化チタン100g+モナズ
石30g 〔試験方法〕この塗料組成物(A,B,C)を、一般家庭の流
し台の排水口に嵌着されるゴム材(キクワリコ゛ム)の裏側(光が
遮断された暗所)に塗布し、実施例3と同様の条件でゴ
ム材の汚れを調べた。 〔試験結果〕塗料Aを塗布したゴム材には粉状の白い汚
れが鱗状ないしリング状に付着していたが、この汚れは
無臭であり水洗いによって除去できた。塗料Bを塗布し
たゴム材には薄い灰色のぬめり気と悪臭のある汚れがエ
ッジ部分に付着していた。この汚れは水洗により除去さ
れた。塗料Cを塗布したゴム材には汚れが付着しておら
ず、また悪臭もしなかった。
【0029】
【発明の効果】本発明においては、放射線(α線)によっ
て光触媒を活性化することにより、その触媒機能を明所
および暗所のいずれにおいても発揮させることができ
る。このため、通常の使用条件では光量が過少なため光
触媒機能を発揮させることができない或いは困難な場
所、例えば各種機械部品や建物の内部、水中の構造物や
水中においても、触媒材料を使用することができる。ま
た、本発明の触媒機能材料は放射性鉱物粉末の使用量は
少なく、かつ基材に含まれているので安全であり、使用
者や使用環境に影響を及ぼすことがない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G069 AA09 BA16A BA16B BA16C BA22A BA22B BA22C BA48A BA48C BC50A BC50B BC50C CA01 CA11

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光触媒粉末と放射性鉱物粉末とを基材中
    に含み、放射性鉱物粉末から発生する放射線によって光
    触媒粉末を活性化することにより暗所においても触媒機
    能を発揮することを特徴とする触媒機能材料。
  2. 【請求項2】 光触媒粉末が酸化チタンであり、放射性
    鉱物粉末がモナズ石(モナザイト)である請求項1の触媒
    機能材料。
  3. 【請求項3】 光触媒粉末100重量部に対して放射性
    鉱物粉末20〜100重量部を含有する請求項1または
    2に記載の触媒機能材料。
  4. 【請求項4】 基材が、ゴム、樹脂、セメントまたは塗
    液である請求項1〜3のいずれかの触媒機能材料。
  5. 【請求項5】 基材がガス透過性ゴム材である請求項4
    の触媒機能材料。
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