JP2000167299A - 衣類乾燥機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】被乾燥物に付着した綿ぼこりや花粉等を効率良
く除去できる衣類乾燥機を提供する。 【解決手段】被乾燥物に付着した綿ぼこりや花粉等が取
れ易くなる、運転終了が近づいたら電動機の回転数すな
わち送風ファンの回転数を高めて乾燥空気の風量を高め
るようにする。そして電動機の回転数を高めるのは、被
乾燥物を冷却するための送風運転工程で行うかあるいは
温風運転工程終了前から行う場合には、熱源を弱に切り
換えるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、熱源の強・切換手
段，被乾燥物の乾き具合を検知するための乾燥検知手
段、及び運転の最後に被乾燥物を冷却するための送風運
転工程を有する衣類乾燥機に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】一般に乾燥用空気を送風するための乾燥
空気用送風ファンを有する衣類乾燥機においては、乾燥
用空気の風量は、運転中一定であった。一方、被乾燥物
には綿ぼこりや花粉等が付着しており、それが衣類乾燥
機で乾燥するときに乾燥空気で飛ばされることにより除
去されるが、この綿ぼこり等は、被乾燥物が湿っている
うちは除去されにくく、乾燥が進むにつれ取れ易くなる
（図６参照）。そして乾燥空気の風量が多いほど綿ぼこ
り等は除去されやすくなるが、従来の乾燥機は前記のよ
うに、運転中風量が一定であるため綿ぼこりの除去が充
分に行えないものであった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
従来技術の欠点をなくし、綿ぼこり等をきれいに除去で
きる衣類乾燥機を提供するものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成
するために、被乾燥物の乾燥が進み綿ぼこり等が取れ易
くなり運転終了近くになったら電動機の回転数を高める
ようにしたものである。そして、電動機の回転数を高め
るのは、被乾燥物を冷却するための送風運転工程で行う
か、あるいは温風運転終了前から行う場合は、熱源を弱
に切り換えるようにしたものである。

【０００５】即ち、被乾燥物には、綿ぼこり等が付着し
ており、これが衣類乾燥機で乾燥するときに乾燥空気で
飛ばされることにより除去されるが、この綿ぼこり等は
図６に示したように、被乾燥物が湿っている間は取れに
くく乾いてくるにつれ取れ易くなる。そして乾燥風量が
多いほど取れ易くなる。本発明は被乾燥物の乾燥が進行
し綿ぼこりが取れ易い状態になったときに、電動機の回
転数を高めるすなわち送風ファンの回転数を高めて乾燥
空気の風量を増加させるようにしたので効率良く綿ぼこ
り等を除去できるのである。

【０００６】電動機の回転数を高めると、その分電動機
の負担が増加し電動機の温度が異常に高くなる恐れがあ
るが、本発明では、電動機の回転数を高めるのは熱源が
切れている送風運転工程で行うか、温風運転中に行う場
合は、熱源を弱に切り換えるようにしてあるので熱源の
影響による電動機周囲の温度が低下し、これにより電動
機の異常温度上昇を防止することもできるのである。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下本発明の一実施例を図面によ
り説明する。１は外枠、２はこの外枠１内に回転自在に
軸支され、衣類乾燥室を構成するための回転ドラム、３
は乾燥用の温風を得るための熱源、４は前記回転ドラム
２に電動機５の回転力を伝達するためのドラムベルトで
ある。なお熱源３は自己温度制御特性を有する正温度特
性の半導体素子で構成されている。２５は電動機の回転
力を前記ドラムベルト４により回転ドラム２に伝達する
ためのドラムプーリである。

【０００８】前記回転ドラム２の後部には図１に実線矢
印で示した乾燥用空気を排出するためのドラム空気出口
６が設けられており、その後方には前記ドラム空気出口
６に対抗させて入口７を有するファンケーシング９が設
けられており、かつそのファンケーシング９内には、断
面形状が図２に示したように波形状の羽根を有する両翼
ファン８が配設されている。

【０００９】両翼ファン８は、回転ドラム２側の面８ａ
で乾燥空気を送風し、その反対側の面８ｂで、前記乾燥
空気を両翼ファン８自身の羽根部を介して、冷却除湿す
るための冷却用空気（図１に破線で示す）を送風する役
割、すなわち乾燥空気用送風ファン，冷却空気用送風フ
ァンおよび熱交換手段の三つの役割を果たしているもの
である。

【００１０】この両翼ファン８とファンケーシング９で
乾燥空気送風装置４８および冷却空気送風装置４９が構
成されている。そしてファンケーシング９はその内周全
周に亘って設けられた仕切板１０と両翼ファン８の外周
に設けたフェルト１１とで、乾燥用空気側と冷却空気側
に仕切られている。１２はこのファンケーシング９と前
記回転ドラム２との気密を保つための気密用フェルトで
ある。そしてファンケーシング９の乾燥用空気出口は、
途中に排水口２１を設けたダクト１３とダクト１４とで
熱源３に連通されている。１５は前記外枠１の後方開口
に設けられた裏板である。

【００１１】１６は両翼ファン８用のファンベルト、１
７は両翼ファン８用のファンプーリ、１８はドラム支持
部材、１９は前記外枠１の前方に設けられた衣類などの
被乾燥物出し入れ用の開口を開閉するためのドア、２２
はフィルター、２０はその外周で前記回転ドラム２を回
転自在に支持するためのドラム前部固定壁である。

【００１２】乾燥空気が冷却空気で冷されると、乾燥空
気に含まれている湿気は凝縮して水滴となるが、この水
滴は前記の排水口２１から機外に排出される。２３は、
前記ドラムベルト４に張力を与えるためのテンションプ
ーリ、２４はこのテンションプーリ２３を回転自在に保
持すると共に常時ドラムベルト４に押し付けるように付
勢したプーリアームである。

【００１３】次に運転制御方法について説明する。

【００１４】図３に本発明による衣類乾燥機の制御回路
を示す。２６は１００Ｖ又は２００Ｖの商用電源に接続
される電源プラグ、２７は電源スイッチ、２８は衣類乾
燥機の運転制御プログラムを内蔵したマイクロコンピュ
ーター２９および制御用の電子回路に直流電圧を供給す
るための電源回路、３０は商用電源の１００Ｖ又は２０
０Ｖの電圧を電子回路用の電圧に降圧するための変圧
器、３１は前記マイクロコンピューター２９を電源投入
時にリセットさせるためのリセット回路、３２はマイク
ロコンピューター２９に必要なシステムクロックを発生
させるクロック回路、３３はマイクロコンピューター２
９に乾燥コースの設定，熱源の強さ（発熱量）の設定，
運転スタート等使用者の選定したスイッチ入力をマイク
ロコンピューター２９に伝送するためのスイッチ入力
部、３４は衣類乾燥機の運転状態，乾燥コース，熱源３
の強さ（発熱量）などをランプの点燈や点滅で使用者に
知らせるためのランプ表示部、３５は入力スイッチの操
作をマイクロコンピューター２９が受け付けたとき、運
転が終了したときなどにブサーを鳴らして使用者に知ら
せるためのブザー報知部、３６は乾燥用空気の湿度や温
度の変化をとらえて、衣類の乾き具合や量などを検知す
るための乾燥検知手段、３７は乾燥検知手段３６の情報
をマイクロコンピューター２９に伝送するための乾燥検
知回路、３８はドア１９の開閉に伴ってＯＮ，ＯＦＦす
るドアスイッチ、３９はドアスイッチのＯＮ，ＯＦＦ状
態をマイクロコンピューター２９に伝送するためのドア
スイッチ入力取り込み回路、４０は電源スイッチ２７の
ＯＮ，ＯＦＦ状態をマイクロコンピューター２９に伝送
するための電源スイッチ入力取り込み回路、４１は運転
が終了したときや運転しないで電源スイッチが一定時間
以上ＯＮ状態のままにされたときなどに、自動的に電源
スイッチ２７を切るために電源スイッチ切断用のソレノ
イド４２へ通電するための電源スイッチ切断回路、４３
は時間計時に使用する電源の周波数をマイクロコンピュ
ーター２９に取り込むための周波数信号取り込み回路、
４４はマイクロコンピューター２９からの信号で電動機
５を制御するための電動機制御回路、４５は同じくマイ
クロコンピューター２９からの信号で熱源３を制御する
ための熱源制御回路である。

【００１５】図４は、スイッチ入力部３３とランプ表示
部３４の一実施例を示したもので４６は運転を開始させ
たり、運転途中で一時停止させたりするためのスタート
／一時停止スイッチ、４７は熱源３の強さ（発熱量）を
切り換えるためのヒーター切換スイッチ、５０は乾燥コ
ースを切り換えるための乾燥コース切換スイッチであ
る。

【００１６】なお熱源３の強さ（発熱量）の切り換え
は、熱源３をＡ，Ｂ２組で構成し、熱源３を強くすると
きは、Ａ，Ｂの両方を駆動し、熱源３を弱くするとき
は、ＡまたはＢのいずれか一方を駆動することで行って
いる。

【００１７】次に前記衣類乾燥機の動作について説明す
る。電源プラグ２６がコンセントに差し込まれると、電
源回路２８によって直流電圧が作られると共にクロック
発生回路３２によりシステムクロックがマイクロコンピ
ューター２９に伝送される。また同時にリセット回路３
１によりマイクロコンピューター２９がリセットされた
動作状態となり、衣類乾燥機は使用者の操作待ちの状態
となる。使用者が電源スイッチ２７を入れると、この情
報が電源スイッチ入力取り込み回路４０を介してマイク
ロコンピューター２９に伝送され、あらかじめ設定され
た初期表示をランプ表示部３４で行うと共に、スイッチ
入力部３３のスイッチ入力を受け付けられる状態とな
る。

【００１８】次に使用者によりドア１９が開かれ、回転
ドラム２内に被乾燥物である衣類等が入れられ、ドア１
９が閉じられるとドアスイッチ３８がＯＮ状態となり、
ドアスイッチ入力取り込み回路３９を通してドア１９が
閉じられた情報がマイクロコンピューター２９に入力さ
れ運転開始待ちの状態となる。次に使用者がスイッチ入
力部３３の乾燥コース切換スイッチ５０でいくつか設け
られている乾燥コースや、ヒーター切換スイッチ４７で
熱源３の強さを選択し、スタート／一時停止スイッチ４
６を操作すると衣類乾燥機は乾燥運転を開始する。

【００１９】乾燥運転が開始されるとマイクロコンピュ
ーター２９の指示により熱源３，電動機５に電力が供給
され、回転ドラム２，両翼ファン８が回転する。これに
より熱源３で熱せられた乾燥用空気が回転ドラム２から
排出され、両翼ファン８に吸引される。そして乾燥用空
気は両翼ファンを通過するときに両翼ファン８の熱交換
作用で冷却され、被乾燥物から奪った水分は結露し水滴
となって排水口２１から機外に排出される。両翼ファン
８を通過した乾燥用空気はダクト１３，１４を経て再び
熱源３に至り、ここで熱せられて回転ドラム２内に流入
し、これが連続的に繰り返されて乾燥が進行する。

【００２０】衣類が乾いたらこれを乾燥検知手段３６で
検知し、これが乾燥検知回路３７を経てマイクロコンピ
ューター２９に伝送される。衣類が乾いたことが伝送さ
れるとマイクロコンピューター２９は所定のプログラム
に従って熱源制御回路４５に指令を出して、熱源３への
通電を停止し、衣類を冷ますための送風運転を行う。そ
して送風運転を所定時間行ったら、電動機制御回路４４
に指令を出し運転を終了させる。そして運転終了後所定
の時間が経過したら、電源スイッチ切断回路４１に指示
を出し電源スイッチ２７を自動的に切断する。

【００２１】前記の送風運転工程時には、マイクロコン
ピューター２９が電動機制御回路に指令を出して、電動
機５の回転数を高めるようにプログラムしてある。電動
機５の回転数が高くなると、両翼ファン８の回転数が高
くなり、これにより乾燥空気の風量が増加する。図５は
乾燥空気送風装置４８の空力特性を示すものである。図
５においてロは電動機が通常の回転数で回転していると
きの空力特性であり、イは送風運転工程になり電動機５
の回転数が高くなったときの空力特性である。ハは乾燥
用空気通路の通気抵抗曲線である。したがって乾燥空気
の風量は、電動機の回転数が高くなると図５のニ点から
ホ点まで増加する。

【００２２】一方被乾燥物には、綿ぼこりや花粉等が付
着しており、これが衣類乾燥機で乾燥するときに乾燥空
気で飛ばされて除去されそしてフィルター２２に捕集さ
れる。

【００２３】前記の被乾燥物に付着した綿ぼこりや花粉
は乾燥物が湿っている間は水分の表面張力作用等により
除去されにくく、被乾燥物が乾燥するにつれ除去され易
くなる。その様子を図６に示す。

【００２４】本発明では、前記のように被乾燥物が乾き
終わって送風運転工程に入ったとき、すなわち被乾燥物
に付着した綿ぼこりや花粉が取れ易い状態になったとき
に電動機５の回転数を高めて乾燥空気の風量を増加する
ようにしてあるので綿ぼこりや花粉を効率良く除去でき
るのである。

【００２５】このとき回転数を高めた分、電動機５の負
担が増加し電動機５の異常温度上昇の原因になるが、回
転数を高めるのは熱源３が切れている送風運転工程時と
したので、熱源３の影響による電動機５の周囲温度が低
下するため、これにより電動機が異常に温度上昇するの
を防止できるのである。

【００２６】また、電動機５の回転数を高めると、その
分、電力も多く消費するが、本発明では、回転数を高め
るのは運転終了まぎわのみとしたので、使用電力の抑止
もできるのである。

【００２７】なお前記実施例では、送風運転工程になっ
てから電動機５の回転数を高めたが、被乾燥物に付着し
た綿ぼこりや花粉の除去効率を更に高めるため、乾燥検
知手段３６で検知された乾き具合が所定値以上になった
ら送風運転工程に入る前から電動機５の回転数を高めて
も良い。この場合も熱源３を弱に切り換えることにより
熱源３の影響による電動機５周囲の温度が下がり電動機
５の異常温度上昇を防止できる。

【００２８】なお、前記乾き具合の所定値は、被乾燥物
から綿ぼこりや花粉が取れ易くなる値に設定されるもの
である。

【００２９】

【発明の効果】本発明は前記のようになっているので、
被乾燥物に付着した綿ぼこりや花粉等を効率良く除去で
き、しかも電動機５の異常温度上昇もなく更には電力の
無駄もない実用上有効な衣類乾燥機を提供することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す衣類乾燥機の縦断面
図。

【図２】図１に使用した両翼ファンの斜視図。

【図３】図１の制御回路のブロック図。

【図４】図１のスイッチ入力部，ランプ表示の一実施例
を示す正面図。

【図５】乾燥空気送風装置の空力特性図。

【図６】乾燥時間と綿ぼこり等の取れ易さの関係を示し
た特性図。

【符号の説明】

１…外枠、２…回転ドラム、３…熱源、５…電動機、８
…両翼ファン（送風ファン）、９…ファンケーシング、
４８…乾燥空気送風装置。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】被乾燥物を収納する回転ドラムと、この回
   転ドラムに乾燥用空気を送る乾燥用空気送風ファンを有
   する乾燥空気送風装置と、前記回転ドラムに送られる乾
   燥用空気を加熱する熱源と乾燥用空気を冷却除湿する熱
   交換手段と、この熱交換手段を冷却する冷却空気用送風
   ファンを有する冷却空気送風装置と、前記回転ドラムお
   よび乾燥空気用送風ファンと冷却空気用送風ファンを回
   転駆動する電動機と、この電動機の回転数を制御する電
   動機制御回路を有するものにおいて、運転の最後に被乾
   燥物を冷却するための送風運転を設けると共に、この送
   風運転工程時には、電動機の回転数を高めるようにした
   ことを特徴とする衣類乾燥機。
2. 【請求項２】被乾燥物の乾き具合を検知する乾燥検知手
   段を設けると共に、被乾燥物の乾き具合が所定値以上に
   なったら、電動機の回転数を高めるようにしたことを特
   徴とする請求項１に記載の衣類乾燥機。
3. 【請求項３】熱源の強弱を切り換えるための、熱源制御
   回路を設けると共に、被乾燥物の乾き具合が、所定値以
   上になったら熱源を弱に切り換えることを特徴とする請
   求項２に記載の衣類乾燥機。