JP2000166970A - おむつ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 おむつ本体の装着時に接着テープを反転させ
てフックテープを一旦開く必要がなく、取り替え時には
引張力によって接着テープの剥離及びフックテープの離
脱を防止できるようにしたおむつを提供する。 【解決手段】 おむつ本体における後身頃のフラップ部
の内面側にフックテープを取り付けてその一端部をフラ
ップ部から外側に突出させ、フラップ部の外面側には接
着テープを取り付けてそのほぼ半分の長さ分をフラップ
部の外側に突出させ、この突出部分に前記フックテープ
の突出端部を固定して連結部を形成する。接着テープの
突出端部は、折り返して自己接着させることでつかみ部
を形成する。前記連結部より外側部分を折り返して、そ
の折り返し全体をつかみ部としても良い。この際、折り
返し部より内側にフックテープが露出するようにする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、使い捨て等のおむ
つに係り、特に面ファスナーによる止着部を改良したお
むつに関する。

【０００２】

【従来の技術】幼児用、老人用のおむつは、最近では使
い捨てのものが主流となっており、その使い易さの一環
として着脱し易いことが要求されている。従来のおむつ
は、通常おむつ本体の前身頃と後身頃を粘着剤で結合さ
せるファスナーテープ又はフック構造を有する面ファス
ナー（機械的ファスナーテープ）等を介して着脱する。
面ファスナーの場合には、例えば図５に示すようにおむ
つ本体１における後身頃３のフラップ部３ａの外面側
（バックシート７）に、接着テープ１２が粘着層１２ａ
を介して接着され、この接着テープ１２はフラップ部３
ａから外側に突出した部分に、面ファスナーを構成する
フックテープ５が粘着剤１１を介して取り付けられ、更
に接着テープ１２の突出端部を折り返して自己接着する
ことでつかみ部１４を形成した構成になっている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】前記従来の面ファスナ
ーによると、おむつ本体１の装着前には図６のように接
着テープ１２の突出部分がフラップ部３ａの側端縁を境
として内側に折り返され、前記フックテープ５をフラッ
プ部３ａの内面側（トップシート６）に仮止めした状態
にしてある。このため、おむつ本体１の装着時には、前
記つかみ部１４を指でつかんで接着テープ１２の折り返
しを反転させ、図５のように一旦開いた状態にしなけれ
ばならない。従って、おむつ本体を装着させる介護者等
にとっては煩わしい作業となる。又、おむつ本体を取り
替えるには、前記つかみ部１４を持ってフックテープ５
を面ファスナーのループシート４（図１）から引き剥が
すが、その際の引張力によって前記接着テープ１２がバ
ックシート７から剥離して脱落することがある。その結
果、接着テープ１２と共にフックテープ５が離脱し、面
ファスナーとしての機能が失われておむつが使えなくな
ってしまう。

【０００４】本発明は、このような従来のおむつの問題
点を解消するためになされ、おむつ本体の装着時に接着
テープを反転させて一旦開く必要がなく、又おむつの取
り替え時に、引張力によって接着テープと共にフックテ
ープが離脱しないようにしたおむつを提供することを目
的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
の具体的手段として、本発明は、おむつ本体の後身頃の
両端フラップ部に面ファスナーのフックテープがそれぞ
れ取り付けられ、前身頃の前面上部には面ファスナーの
ループテープが取り付けられ、前記おむつ本体の装着時
にフックテープをループテープに止着するようにしたお
むつにおいて、前記フックテープは、フラップ部の内面
側に粘着剤を介して止着すると共に一端部をフラップ部
から外側に突出させ、且つその突出端部を前記フラップ
部の外側面に取り付けた接着テープのフラップ部からの
突出部分に固定して連結部を形成したことを要旨とす
る。又、前記接着テープは、連結部より外側部分を折り
返して自己接着することでつかみ部を形成したことを要
旨とするものである。これにより、フックテープは接着
テープとの連結部を除いてフラップ部内に露出状態とな
るため、おむつ本体の装着時にフックテープを直ちにル
ープシートに面接着することができる。おむつ本体取り
替え時の引張力は連結部によって接着テープ側とフック
テープ側に分散されるため、抵抗力が増大しフックテー
プの離脱を防止できる。

【０００６】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて詳説する。図１及び図２は、本発明に係
るおむつの実施形態を示すもので、おむつ本体１は前身
頃２と後身頃３とを有し、前身頃２の前面側の上部には
面ファスナーのループシート４が取り付けられ、後身頃
３の両端フラップ部３ａには面ファスナーのフックテー
プ５が取り付けられ、このフックテープ５をループシー
ト４に面接合させ止着することでおむつ本体１を装着す
る。

【０００７】前記おむつ本体１は、図３に示すように内
面側のトップシート６と、外面側のバックシート７とを
重合すると共に、その間の中央部に吸収体８を介在させ
て構成され、トップシート６は不織布等を素材とした液
透過性材で、バックシート７は合成樹脂等を素材とした
液不透過性材で、吸収体８はパルプ等を素材とした高度
の液吸収性材でそれぞれ形成されている。図２におい
て、９は後身頃３の上部に取り付けられたウエストギャ
ザー、１０はおむつ本体１の中央部両側に設けられたレ
ッグギャザーである。

【０００８】図３は、後身頃３のフラップ部３ａの詳細
を示すもので、前記トップシート６の内面側に前記フッ
クテープ５が粘着剤１１により取り付けられ、その端部
はフラップ部３ａの側端部より外側に突出させてある。
又、前記バックシート７の外面側には接着テープ１２が
その粘着層１２ａにより接着され、そのほぼ１／２の長
さ分はバックシート７の側端部より外側に突出させると
共に、その突出部分に前記フックテープ５の突出端部を
止着して連結部１３を形成し、更に接着テープ１２の突
出端部を折り返し自己接着することでつかみ部１４を形
成してある。

【０００９】このように構成された本発明に係るおむつ
は、フックテープ５と接着テープ１２とが後身頃３のフ
ラップ部３ａの側端部よりやや外側に位置する連結部１
３において連結され、フックテープ５はこの連結部１３
を除く部分がフラップ部３ａ上に露出している。従っ
て、おむつ本体１の装着時には、フックテープ５が既に
露出しており、このフックテープ５の露出面を直ちに前
身頃２のループシート４に止着すれば良い。従来のよう
に接着テープ１２を反転させてフックテープ５を露出さ
せる手間が省ける。

【００１０】装着時におむつ本体１を身体にフィットさ
せるために、フックテープ５を前身頃２のループシート
４のなるべく中央部分に止着させようとして接着テープ
１２に引張力が加わるが、その力は連結部１３により分
散されて接着テープ１２及びフックテープ５に伝達され
ることになり、接着テープ１２が剥離する等構成の形態
を失うことはない。

【００１１】一方、おむつ本体１を取り替えるには、前
記つかみ部１４を持って引っ張ることによりフックテー
プ５をループシート４から引き剥がすが、その引張力は
前記と同様に連結部１３によりフックテープ５側と接着
テープ１２側に分散されるため、従来のように引張力が
全て接着テープ１２側に集中して接着テープ１２が剥が
れて取れることはない。従って、接着テープ１２と共に
フックテープ５が離脱することはない。

【００１２】図４は、本発明に係るおむつの他の実施形
態を示すもので、基本的構成は前記実施形態の場合と同
じであるから対応する部材は同一符号を付けるが、後身
頃３のフラップ部３ａから外側に突出した部分をフラッ
プ部３ａ側に折り返している点が前記実施形態の場合と
異なっている。この場合、突出部分を折り返してもフッ
クテープ５全体が覆われないようにしてあり、おむつ本
体１の装着時にはフックテープ５の露出部分を利用して
前記ループシート４に止着することができる。従って、
この実施形態の場合も従来のように接着テープ１２を反
転させてフックテープ５を露出させる手間が省ける。

【００１３】又、おむつ本体１の取り替え時に、強い引
張力が作用したとしても前記と同様に連結部１３で力が
分散されるため、接着テープ１２の剥れ及びフックテー
プ５の離脱を防止することとができる。この場合は、前
記折り返し部分全体がつかみ部として機能するため、前
記つかみ部１４のみならず連結部１３を含む広い領域と
なり、つかみ易くなると共にその剛性を高めることがで
きる。従って、おむつ本体１の着脱作業がし易くなる。
尚、接着テープ１２とフックテープとの色を変えれば、
つかみ部とフック部とを容易に視認することができる。

【００１４】フックテープ５とループシート４の面接着
による面ファスナーの場合、その接着強度はフック及び
ループの形状、接合面積等によって異なり、接着力が小
さいとおむつ本体１の使用中に着用者の動きによってフ
ックテープ５が外れ易くなり、接着力が大きいとフック
テープ５の外れは防止できるものの、おむつ本体１を取
り替える時にフックテープ５がトップシート６から剥離
する原因となる。このようなことから、フックテープ５
の剥離を防止し且つ確実に保持するために、補強用の接
着テープ１２が必要となる。

【００１５】前記フックテープ５と接着テープ１２との
連結部１３は、接着テープ１２が粘着層１２ａを有して
いるため粘着剤１１によらずにフックテープ５を接着テ
ープ１２に直貼りし、フックテープ５とトップシート６
との接着は熱融着で行っても良いが、熱融着によるとフ
ックテープ５にダメージが生じるため、前記粘着剤１１
を用いて接着する方が好ましい。この粘着剤１１として
は、ゴム系、アクリル系等のものを用いることができ
る。

【００１６】本発明は、使い捨てのおむつのみならず通
常の繰り返し使用のおむつにも十分適用することが可能
である。

【００１７】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
フックテープと接着テープとが連結部において固定さ
れ、フックテープがフラップ部の内面側に露出している
ため、おむつ本体の装着に際して従来のように接着テー
プの折り返し部を反転させる手間が省け、介護人等の労
力負担を軽減させる効果を奏する。又、おむつ本体の装
着時或は取り替え時に、接着テープが強く引っ張られて
もその力は連結部によって分散されるため、接着テープ
の剥れ及びフックテープの離脱が未然に防止され、これ
によりおむつ本体の着脱がし易くなるという効果も奏す
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明を使い捨ておむつに適用した実施の形態
を示す斜視図。

【図２】おむつ本体の平面図。

【図３】図２のＡ−Ａ線断面図。

【図４】本発明の他の実施の形態を示す要部の断面図。

【図５】従来例を示すもので、接着テープの折り返しを
反転させた開状態での要部の断面図。

【図６】同、接着テープを折り返した閉状態での要部の
断面図。

【符号の説明】

１…おむつ本体 ２…前身頃 ３…後身頃 ４…ループシート ５…フックテープ ６…トップシート ７…バックシート ８…吸収体 ９…ウエストギャザー １０…レッグギャザー １１…粘着剤 １２…接着テープ １３…連結部 １４…つかみ部

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】おむつ本体の後身頃の両端フラップ部に面
   ファスナーのフックテープがそれぞれ取り付けられ、前
   身頃の前面上部には面ファスナーのループテープが取り
   付けられ、前記おむつ本体の装着時にフックテープをル
   ープテープに止着するようにしたおむつにおいて、前記
   フックテープは、フラップ部の内面側に粘着剤を介して
   止着すると共に一端部をフラップ部から外側に突出さ
   せ、且つその突出端部を前記フラップ部の外側面に取り
   付けた接着テープのフラップ部からの突出部分に固定し
   て連結部を形成したことを特徴とするおむつ。
2. 【請求項２】前記接着テープは、前記連結部より外側部
   分を折り返して自己接着することでつかみ部を形成した
   請求項１記載のおむつ。