JPH0733780Y2 - 使い捨ておむつ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は使い捨ておむつに係り、特に使い捨ておむつの
締めバンド取付部の構造に関する。

（従来の技術） 従来の使い捨ておむつに取付けられておむつを腰部に締
着する締めバンドは、伸縮性不織布または非伸縮性不織
布を用い、この締めバンドの一端部をおむつ本体の締め
バンド取付部に接着剤にて接着固定し、前記締めバンド
の他端部に止めテープを接着固定した構造が知られてい
る。

（考案が解決しようとする課題） 前記伸縮性不織布からなる締めバンドの構造では、締め
バンドは身体へのフィット性はあるが、締めバンドとお
むつ本体との接着部および締めバンドと止めテープとの
接着部が何れも伸縮して剥離し易く、また、締めバンド
と止めテープとの接着部が部分的に引張られて伸縮性締
めバンドが伸びの限界を越えて破断することがある、と
いう問題もある。また、締めバンドが非伸縮性不織布で
ある場合には、接着性は良好であるが身体へのフィット
性が劣るという問題がある。

本考案は、上記問題点に鑑みてなされたもので、おむつ
本体と締めバンド片との接着部及び締めバンド片と止め
テープ片との接着部の接着が強固で剥離することを防止
でき、止めテープ片との締めバンド片の接着部が伸張に
より破断することを防止でき、しかも身体へのフィット
性が良好な使い捨ておむつを提供することを目的とする
ものである。

（課題を解決するための手段） 本考案の使い捨ておむつは、全方向に伸縮性を有する伸
縮性不織布にて上下方向に巾広く形成した締めバンド片
を有し、この締めバンド片の両端部にこの両端部の巾方
向の全長に亘って非伸縮性不織布にて形成された取付片
をそれぞれ接着固定し、前記締めバンド片の一方の取付
片をおむつ本体の一方の締めバンド取付部に接着固定
し、前記締めバンド片の他方の取付片に止めテープ片の
一端部を接着固定し、この止めテープ片の他端部の一側
面には着用時に前記おむつ本体の前当部に貼着される粘
着剤層を形成したものである。

（作用） 本考案の使い捨ておむつでは、着用時には止めテープ片
を引っ張りながらおむつ本体の前当部に貼着するが、そ
の止めテープ片と非伸縮性不織布の他方の取付片との接
着部及び非伸縮性不織布の一方の取付片とおむつ本体の
締めバンド取付部との接着部は非伸縮性のため、これら
の各接着部が剥離することが防止される。

また、その止めテープ片は伸縮性不織布の締めバンド片
の両端部の巾方向の全長に亘って接着固定した非伸縮性
不織布の他方の取付片に接着固定されていることによ
り、その止めテープ片の引っ張り応力が非伸縮性不織布
の取付片を介して伸縮性不織布の締めバンド片の全体に
分散して働き、この締めバンド片の両端部とこの両端部
に接着固定した両取付片との接着部が剥離したり、締め
バンド片が破断することが防止される。

また、締めバンド片は全方向に伸縮性を有することによ
り、おむつ本体の着用時に身体に適合して身体にフィッ
トし、弛んだり締めつけられたりすることがなく、か
つ、上下方向に巾が広いためウエスト部分から臀部のま
わりにかけて一体に適合されるため、漏れ防止効果が確
実になる。

（実施例） 本考案の実施例を添付図面によって説明する。

１は上下方向に巾広で全方向に伸縮性を有する伸縮性不
織布にて形成された締めバンド片で、この伸縮性不織布
としては、例えば、カネボウ合繊株式会社製の商標名エ
スパンシオーネを用いる。

このエスパンシオーネは、熱可塑性ポリウレタンエラス
トマーのスパンボンドで、ポリウレタン弾性繊維100％
の細い連続フィラメントがランダムに積層され交点のみ
で溶着された構造であるため伸縮性と通気性に優れてい
る。

また、前記締めバンド片１の両端接着部2,2にはこの両
端接着部2,2の巾方向の全長に亘って非伸縮性不織布に
て形成された取付片３がそれぞれ接着剤にて接着固定さ
れている。

４はおむつ本体で、このおむつ本体４はポリオレフィン
などの不透水性フィルムからなる裏面シート５と、透水
性不織布からなる表面シート６が重ね合わされて接着さ
れ、これらの中間部に吸収層が収納されている。

そして、おむつ本体４の背当部７の左右両側縁部の締め
バンド取付部８の裏面シート５と表面シート６との間に
前記締めバンド片１の一方の取付片３が接着部２の位置
まで挿入されて両面から裏面シート５及び表面シート６
にて挾持接着されている。

さらに、締めバンド片１の他方の取付片３の端部の上下
位置には一対の止めテープ片9,9がそれぞれ接着固定さ
れている。この各止めテープ片９は、取付片３の端部を
挾着して接着した２枚のテープ材10,11からなり、その
一方のテープ材10は取付片３の外端縁から外方に向かっ
て延長され、その延長部12の表面側には前記おむつ本体
４の前当部15に貼着される粘着剤層13が形成されてい
る。

そして、前記延長部12を取付片３の端縁から表面側に向
かって折曲げると、この延長部12の粘着剤層13が前記他
方のテープ材11に形成された剥離面14に剥離自在に当着
支持されるようになっている。

つぎに、おむつの使用に際しては、第４図に示すよう
に、おむつ本体４を着用者に着用させ、左右上下の各止
めテープ片９の粘着剤層13をおむつ本体４の前当部15の
表面に貼着させることにより、着用者におむつ本体４が
装着される。

この場合、各止めテープ片９は一枚づつ引っ張りながら
おむつ本体４の前当部15の表面に貼着するが、その各止
めテープ片９と非伸縮性不織布の他方の取付片３との接
着部及び非伸縮性不織布の一方の取付片３とおむつ本体
４の締めバンド取付部８との接着部は非伸縮性のため、
これらの各接着部が剥離することが防止される。

また、その各止めテープ片９は伸縮性不織布の締めバン
ド片１の両端部の巾方向の全長に亘って接着固定した非
伸縮性不織布の他方の取付片３に接着固定されているこ
とにより、その各止めテープ片９の引っ張り応力が非伸
縮性不織布の取付片３を介して伸縮性不織布の締めバン
ド片１の全体に分散して働き、この締めバンド片１の両
端部とこの両端部に接着固定した両取付片３との接着部
が剥離したり、締めバンド片１が破断することが防止さ
れる。

また、着用時には締めバンド片１が全方向に伸縮性を有
することにより、身体の動きに適応して伸縮し、弛んだ
り締付けられたりすることがなく、かつ、上下方向に巾
が広いためウエスト部分から臀部のまわりにかけて一体
に適合されるため、漏れ防止効果が確実になる。

（考案の効果） 本考案によれば、おむつ本体の締めバンド取付部に伸縮
性を有する締めバンド片に接着固定した非伸縮性不織布
の一方の取付片を接着固定し、前記締めバンド片に接着
固定した非伸縮性不織布の他方の取付片に止めテープ片
を接着固定したので、締めバンド取付部と一方の取付片
との接着部及び他方の取付片と止めテープ片との接着部
はいずれも非伸縮性のため、着用時に止めテープ片が引
っ張られても各接着部が剥離することを防止できる。

また、止めテープ片は伸縮性不織布の締めバンド片の両
端部の巾方向の全長に亘って接着固定した非伸縮性不織
布の他方の取付片に接着固定したので、着用時の止めテ
ープ片の引っ張り応力が非伸縮性不織布の取付片を介し
て伸縮性不織布の締めバンド片の全体に分散され、この
締めバンド片の両端部とこの両端部に接着固定した両取
付片との接着部が剥離したり、締めバンド片が伸びの限
界を越えて破断することを防止できる。

さらに、締めバンド片は全方向に伸縮性を有するので、
この締めバンド片は身体に適合して弛んだり締つけられ
たりすることがなく、かつ、この締めバンド片は上下方
向に巾広く形成したので、ウエスト部分から臀部のまわ
りにかけて一体に適合されるため、全体として漏れ防止
効果が確実になる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の使い捨ておむつの締めバンド取付部の
表面図、第２図は同上II−II線断面図、第３図は同上使
い捨ておむつの正面図、第４図は同上使用状態を示す正
面図である。 １……締めバンド片、３……取付片、４……おむつ本
体、８……締めバンド取付部、９……止めテープ片、13
……粘着剤層、15……前当部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】全方向に伸縮性を有する伸縮性不織布にて
   上下方向に巾広く形成した締めバンド片を有し、この締
   めバンド片の両端部にこの両端部の巾方向の全長に亘っ
   て非伸縮性不織布にて形成された取付片をそれぞれ接着
   固定し、前記締めバンド片の一方の取付片をおむつ本体
   の一方の締めバンド取付部に接着固定し、前記締めバン
   ド片の他方の取付片に止めテープ片の一端部を接着固定
   し、この止めテープ片の他端部の一側面には着用時に前
   記おむつ本体の前当部に貼着される粘着剤層を形成した ことを特徴とする使い捨ておむつ。