JP2000166561A - 新規核酸断片およびこれらを用いたtb64株の検出法 - Google Patents

新規核酸断片およびこれらを用いたtb64株の検出法

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Tetsuya Yano
哲哉 矢野
Takeshi Imamura
剛士 今村
Takeshi Nomoto
毅 野本
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 ラルストニア・ユウトロファ(Ralstonia eut
ropha)TB64株の遺伝子工学的な手法による検出に有用な
塩基配列を提供すること。 【解決手段】 特定の配列のTB64株の16S rRNA遺伝子の
塩基配列またはその部分配列を有する核酸断片をTB64株
検出用のプローブまたはプライマーとして利用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規核酸断片および
その用途に関する。詳しくは、TB64株を検出するための
プライマーまたはプローブとして利用可能な核酸断片、
およびその構成塩基配列の部分配列、およびこれらを用
いたTB64株の検出法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、芳香族化合物、パラフィン、ナフ
テンなどの脂肪族炭化水素、あるいはトリクロロエチレ
ンなどの有機塩素系化合物などによる環境汚染が問題と
なっており、すでに汚染されてしまった環境を浄化し、
もとの状態に修復していく技術の確立が強く求められて
いる。この環境修復技術としては種々の物理化学的な手
法が行われているが、物理化学的な手法は、コスト、操
作性、投下エネルギー量、処理範囲等において改善の余
地のあるものであり、また、汚染物質を単に抽出、回収
する方法であるために、汚染物質を無害な化合物に更に
変換する操作が必要となる。
【0003】そこで、上記の物理化学的手法に対して、
微生物を利用した処理が実用的な汚染環境の修復方法を
提供できるものとして期待されている。ここで、汚染物
質の多くは化学工業などで使用された合成物質であり、
自然界に生息する微生物によってあまり分解されないた
めその処理が容易でないものが多いが、近年、土壌汚染
を引き起こしている芳香族炭化水素や有機塩素系化合物
などの難分解性化合物を分解することができる菌株が数
多く分離されてきている。とりわけトリクロロエチレン
分解菌の開発が盛んに進められており、その分解活性を
向上させたり、あるいはトリクロロエチレン分解酵素の
誘導物質を不要化したりした遺伝子組み換え菌の土壌へ
の散布なども検討されはじめてきている。このような微
生物を利用した環境浄化技術を普及させ、さらには、こ
の技術を実用的かつ社会的に有効な技術として定着させ
ていくためには、分解能力などにすぐれた菌の開発とと
もに、それらを導入した土壌における菌の活動、増殖、
伝搬、生残、つまりは土壌中での菌の優占度、生育状況
などを十分に把握していくことが重要な課題となる。こ
れらの課題を解決していくためには、目的とする菌を選
択的に検出することができる手法の確立が必要不可欠で
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ラルストニア・ユウト
ロファ(Ralstonia eutropha)TB64株は、トリクロロエチ
レンを分解可能な微生物として新たに単離された株であ
り、汚染物質の分解処理用の微生物として有用である。
そして、この細菌を、例えば土壌中の汚染物質の分解処
理に用いる場合にも、この細菌の存在の有無を確実に検
出することは、より効率良い分解処理を行う上で極めて
重要である。
【0005】すなわち、TB64株を利用して土壌中の
汚染物質の浄化処理を行う場合、処理条件や生育条件を
最適にするためには、その微生物の土壌中での優占度や
生育状況を知る必要がある。そのためには微生物を特異
的に検出、計測できる方法が必要であるが、いままでの
各種細菌の検出はフェノールを唯一の炭素源とする選択
培地による培養や、抗体法などによるもので、その特異
性、感度、簡便さ、検出に要する時間などの点で問題が
多く、土壌中での菌の挙動をリアルタイムでモニタリン
グすることは不可能であった。
【0006】各種細菌の検出方法としては種々の分離培
養法が用いられており、特別な培地による選択培養によ
って増殖してくる微生物をスクリーニングして目的とす
る微生物を検出するのが一般的である。この方法は簡便
であるため広く用いられるが、目的とする菌のみが必ず
しも選択的に培養されるとは限らない。たとえば、フェ
ノールを分解可能な菌であるTB64株の場合、カテコール
のカテコール−2,3−オキシゲナーゼによる分解産物で
ある2-ヒドロキシムコン酸セミアルデヒドの黄色の着色
を簡便な指標とすることができる。しかしながら、カテ
コールをメタ開裂により代謝可能な他の菌が存在する可
能性もあり、厳密には黄色の着色のみをその指標とする
ことはできず、詳細な形態学的、あるいは生化学的な性
状を検査する必要がある。ここで、形態学的、あるいは
生化学的な性状から目的とする菌を検出するには数多の
熟練と経験を要し、しかもその手法は煩雑であり時間が
かかるなど、種々の実用面での問題があった。
【0007】また、目的とする菌に特異的な抗体を放射
性同位元素または蛍光色素でラベルし検出に用いる方法
が知られているが、この方法は抗体を得るのに非常に手
間がかかる点と、抗体の特異性がロットにより大きくば
らつく点が難点であった。
【0008】これらの方法にかわるものとして、生物種
に特異的な核酸の塩基配列を、それに相補的な配列を持
つオリゴヌクレオチドプライマーあるいはプローブを利
用することにより検出する方法が発表されている。特
に、リボゾーマルRNA(rRNA)は生物において必須の細
胞構成成分であり、その構造は生物の進化の過程におい
て比較的よく保存されている。rRNAの中でも16S rRNAに
ついては研究が進んでおり、多くの生物種についてその
塩基配列が同定されてきている。16S rRNAには種々の生
物で共通に保存されている領域と、生物種により配列の
異なる可変領域のあることが知られており、この可変領
域に対応するDNAプライマーあるいはプローブを利用し
た菌の検出、同定法が近年開発されてきた。たとえば、
rRNAは細胞中に104個以上存在し、ハイブリダイゼーシ
ョン法のターゲットとしては感度の面からも非常に有効
なものである。
【0009】しかしながら、16S rRNA遺伝子がその存在
の有無を遺伝子工学的手法を用いて検出する上での検出
標的として有効かどうか、更には目的とする菌の16S rR
NA遺伝子を検出するためのプローブまたはプライマーを
いかに選択するか重要であり、この方法を利用するため
には目的とする細菌の16S rRNA、あるいはその遺伝子の
塩基配列を同定し、しかもそれが検出標的として有効か
どうかを確認する必要がある。
【0010】本発明は、上記従来技術の課題に鑑みなさ
れたものであり、その目的は迅速、簡易かつ特異的に、
しかも感度よくTB64株を検出、計数する方法に用いるプ
ローブやプライマーを得るために有用なTB64株の16S rR
NA遺伝子の塩基配列及びそれを用いたTB64株の検出に必
要な技術を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の16S rRNA遺伝子
は、配列表の配列番号:1の塩基配列を有することを特
徴とするものである。また、本発明の核酸断片は、以下
の塩基配列: (a)配列表の配列番号:1の塩基配列、及び (b)配列表の配列番号:1の塩基配列と相補的な塩基
配列 のいずれかを有することを特徴とする。
【0012】更に、本発明のラルストニア・ユウトロフ
ァ(Ralstonia eutropha)TB64株の有する16S rRNA遺伝子
検出用のプライマーまたはプローブ用の核酸断片は、上
記した核酸断片中の全配列またはその部分配列、あるい
はこれらの配列に対して、前記16S rRNA遺伝子にハイブ
リダイズする機能を消失しない範囲内で塩基の欠失、置
換または付加による変異を施した変異配列を有すること
を特徴とする。更に、本発明のプライマーのセットは、
2種の核酸断片の組み合わせからなるラルストニア・ユ
ウトロファ TB64株の有する16S rRNA遺伝子検出用のプ
ライマーのセットであって、これらの核酸断片の少なく
とも一方が、上記の核酸断片であることを特徴とする。
【0013】また、本発明のラルストニア・ユウトロフ
ァ TB64株の第1の検出方法は、ラルストニア・ユウト
ロファ TB64株の存在の有無を、該株の有する16S rRNA
遺伝子をプローブにより検出することで判定するラルス
トニア・ユウトロファ TB64株の検出方法であって、前
記プローブとして、上記のプライマーまたはプローブ用
核酸断片を用いることを特徴とする。更に、本発明のラ
ルストニア・ユウトロファ TB64株の第2の検出方法
は、ラルストニア・ユウトロファ TB64株の存在の有無
を、該株の有する16S rRNA遺伝子をプライマーを用いて
検出することで判定するラルストニア・ユウトロファ
TB64株の検出方法であって、前記プライマーとして、上
記のプライマー用の核酸断片またはプライマーセットを
用いることを特徴とする。また、本発明の第3のラルス
トニア・ユウトロファ TB64株の検出方法は、上記のプ
ライマー用の核酸断片またはプライマーセットを用い、
下記(1)〜(4)の工程: (1)ラルストニア・ユウトロファ TB64株の存在の有
無を検出したい試料を準備する工程、(2)必要に応じ
て、試料中の菌体の破砕処理を行う工程、(3)試料中
に上記プライマーを加え、該プライマーを起点とした核
酸鎖の伸張反応を行う工程、及び(4)工程(3)で得
られた伸張反応物について検出操作を行う工程を有する
ことを特徴とする。
【0014】本発明によれば、TB64株を遺伝子工学的に
検出する際に用いるプローブやプライマーとしての有用
な核酸断片及びそれを用いたTB64株の検出に有用な技術
が提供される。
【0015】
【発明の実施の態様】以下、本発明を詳細に説明する
が、ここでいうTB64株は、その突然変異株も包含するも
のである。
【0016】<TB64株16S rRNA遺伝子の可変領域塩基配
列の決定>TB64株16S rRNA遺伝子のクローニング及び全
塩基配列の決定は以下のようにして行った。まず、既知
の種々のグラム陰性細菌のrRNA塩基配列を比較し、共通
配列領域の推定を行った。次に、この領域よりプライマ
ーDNAを合成し、PCR法によりTB64株DNA中の16S rRNA遺
伝子領域内の約1.4kbの断片を増幅し、プラスミドpUC11
9のHinc II切断部位にクローニングした。得られた遺伝
子の塩基配列を決定し、既知の16S rRNA塩基配列との比
較により、この断片が16S rRNA遺伝子の一部であること
を確認した。
【0017】次に、この約1.4kbの断片を用いて、完全
長の、PCRを経由しない16S rRNA遺伝子のクローニング
を行った。まず、TB64株DNAを定法により単離後、Sau3A
Iで切断し、λファージベクターDASH IIのBamHI部位に
挿入し、ライブラリーを調製した。これを上記の約1.4k
b断片をプローブとしたプラークハイブリダイゼーショ
ン法によりスクリーニングし、完全長の16S rRNA遺伝子
を含むクローンを選択した。
【0018】塩基配列の決定は欠失法と適当な制限酵素
切断部位を利用したサブクローニングにより行った。欠
失は、プラスミドpUC119のHincII切断部位に完全長の16
S rRNA遺伝子をリクローニングの後、ExonucleaseIIIと
Mung Bean Nucleaseにより段階的に導入した。これらの
段階欠失クローンおよび制限酵素を利用したサブクロー
ンを用いて、ダイデオキシ法により塩基配列の決定を行
った。
【0019】<核酸断片>本発明における核酸断片は、
配列表の配列番号:1で示される塩基配列またはこの配
列番号:1の塩基配列に相補的な塩基配列を有する核酸
断片として提供される。
【0020】この核酸断片はそれ自身が、あるはその部
分断片が、TB64株の遺伝子工学的な検出方法におけるプ
ライマーまたはプローブとして有用である。なお、部分
断片をプライマーまたはプローブとして用いる際にどの
部分を選択するかは、得られた部分がTB64株の16S rRNA
遺伝子の検出用として機能するものであればよい。ここ
で、部分塩基配列を用いる場合には、TB64株に特異的
で、他の細菌、たとえばシュードモナス・プチダ(P. p
utida)、シュードモナス・アエルギノーザ(P.aerugin
osa)などのシュードモナス(Pseudomonas)属細菌、土
壌よりよく分離される、バークホルデリア(Burkholder
ia)属細菌、アルカリゲネス(Alcaligenes)属細菌、
キサントモナス(Xanthomonas)属細菌、アグロバクテ
リウム(Agrobacterium)属細菌、エンテロバクテリア
セア(Enterobacteriaceae)属細菌、アシネトバクター
(Acinetobacter)属細菌などに相同性の少ない部分を
選択することが好ましい。部分塩基配列は具体的には、
プライマーの場合10〜50塩基の長さであり、プローブの
場合は10塩基の長さから各核酸の全塩基数までの長さの
ものが好適に利用できる。
【0021】これらの核酸断片あるいはその部分塩基配
列は、公知の方法に従って調製することができる。例え
ば、後述の実施例に記載ように、配列表に記載された配
列番号:1の塩基配列に基づいて、所望とする塩基配列
を有する断片の全部または一部を化学合成してもよい。
あるいは、化学合成したプライマーを利用してPCR法で
増幅し、増幅断片をそのままプローブとして用いること
も可能である。さらにはTB64株の遺伝子から制限酵素な
どを利用して所定の部分を直接切り出すことも可能であ
り、また、それらの遺伝子をE.coliなどのプラスミドに
クローニングし、菌の増殖の後にプラスミドを回収し、
切り出して利用することも可能である。
【0022】本発明における上記核酸断片における変異
としては、たとえば一部の塩基もしくは塩基配列の欠
失、置換、付加などがあげられる。ここで核酸断片をプ
ライマーとして利用する場合は、プライマーの伸張反応
に大きな影響を与えると考えられる3’末端付近は変異
のないようにするか、あるいはあっても最小限にとどめ
ることが好ましく、より好適には5’末端付近で変異が
あるようにする。
【0023】このような、プライマーまたはプローブと
して利用可能な核酸断片または部分塩基配列は必要に応
じて標識物または固相担体と結合可能な部位が導入され
ていてもよい。ここで、プライマーを利用した検出を行
う場合、標識物または固相担体と結合可能な部位が導入
可能な位置はプライマーの伸張反応を妨げない位置なら
ばどこでもよいが、可能であれば5’末端が好ましい。
また、プローブを利用した検出を行う場合、標識物また
は固相担体と結合可能な部位が導入可能な位置は3’末
端や5’末端の水酸基部分さらには塩基部分やりん酸ジ
エステル部分などが考えられるが、プローブの塩基配列
や長さなどを考慮し、ハイブリダイゼーションの妨げに
ならないようにすることが望ましい。
【0024】<標識物および固相担体と結合可能な部位
>上記核酸をプローブまたはプライマーとして利用する
場合、標識物としては、放射性物質、非放射性物質のど
ちらを用いてもよい。非放射性の標識物としては、直接
標識可能なものとしてフルオレセイン誘導体、ローダミ
ンおよびその誘導体などの蛍光物質、化学発光物質、遅
延蛍光物質などがあげられる。また、標識物と特異的に
結合する物質を利用し間接的に標識物を検出することも
可能である。こうした標識物としてはビオチン、ハプテ
ンなどがあげられ、ビオチンの場合アビジンあるいはス
トレプトアビジンを、ハプテンの場合はこれに特異的に
結合する抗体を利用する。ハプテンとしては2,4-ジニト
ロフェニル基を有する化合物やジゴキシゲニンなどを使
うことができる。これらの標識物はいずれも単独あるい
は必要に応じ複数種を組み合わせて、プローブまたはプ
ライマーに導入可能である。
【0025】サンドイッチハイブリダイゼーションなど
核酸の特定断片を固相担体に特異的に結合する必要があ
る場合は、固相担体と結合可能な部位は、該担体と選択
的に結合可能なものであれば何であってもよい。たとえ
ば、ビオチンあるいはフルオレセイン、2,4-ジニトロフ
ェニル基を有する化合物やジゴキシゲニンなどのハプテ
ンがあげられ、これらはいずれも単独あるいは必要に応
じ複数種を組み合わせて、プローブまたはプライマーに
導入可能である。
【0026】<プローブを用いた検出法>プローブを用
いた本発明によるTB64株の検出法は、前記核酸断片の塩
基配列を有する核酸断片であって、必要に応じて標識物
と結合可能な部位及び固相担体と結合可能な部位の少な
くとも1つを有する核酸断片よりなるプローブの少なく
とも1種を用いて行うことができる。一般的に、プロー
ブを用いた検出法としては、ドットハイブリダイゼーシ
ョン、サザンハイブリダイゼーション、in situ ハイブ
リダイゼーションがあり、上記標識核酸断片を使用し、
常法どおりハイブリダイゼーションを行うことができ
る。また、in situ ハイブリダイゼーションにおいて
も、本発明における核酸断片を検出に利用することが可
能である。また、ハイブリダイゼーション操作の簡易化
のためにサンドイッチハイブリダイゼーションを基本と
する方法が開発されており、これらの方法においても本
発明における核酸断片を利用してTB64株の検出を行うこ
とができる。
【0027】<プライマーを用いた検出法>プライマー
を用いた本発明によるTB64株の検出法は、前記核酸断片
の塩基配列を有する核酸断片であって、必要に応じて標
識物と結合可能な部位及び固相担体と結合可能な部位の
少なくとも1つを有する核酸断片よりなるプライマーの
少なくとも1種を用いて行うことができる。更に、より
好ましい例は、後述するような2種の異なるプライマー
による遺伝子増幅反応により試料中の微量核酸断片を増
幅するPCR(Polymerase Chain Reaction)法を用いた検
出法である。ここで2種のプライマーの基本的な形態と
しては、たとえば、2種のプライマーともに何の修飾も
されていないもの、2種のプライマーのうち少なくとも
一方に検出可能な標識または固相担体と結合可能な部分
の少なくとも1つが導入されたもの、2種のプライマー
のうち一方に標識物が導入され、他方に固相担体と結合
可能な部位が導入されたもの、2種のプライマーともに
固相担体と結合可能な部分が導入されたもの、などがあ
げられる。
【0028】本発明によるTB64株の検出方法は前記した
ような本発明によるプライマー、好ましくは2種の組み
合わせからなるプライマーを用いて以下のように実施す
ることができる。 (1)TB64株の有無を検出したい試料を準備し、(2)
必要に応じて、試料中の菌体の破砕処理を行い、(3)
試料中に上記プライマーを加えプライマーの伸張反応を
行い、(4)工程(3)で得られた伸張反応物について
検出操作を行う。
【0029】ここで、プライマー伸張反応により増幅さ
れた核酸断片の検出は、電気泳動、あるいはハイブリダ
イゼーションなどの通常用いられる方法を利用してもよ
いし、遺伝子の増幅反応においてそれぞれのプライマー
に別々の標識を導入しておき、増幅反応後の生成物を固
相担体に吸着し、生成物を選択的に検出する方法などを
用いることも可能である。 ここで固相担体としてはポ
リスチレンボール、アガロースビーズ、ポリアクリルビ
ーズ、ラテックス、ミクロタイターウェルなどの固相材
料に、プライマー中に導入された結合部位を捕捉可能で
あるような、ストレプトアビジン、抗体などを導入した
ものがあげられる。たとえば、ビオチンが導入されたプ
ライマーからのPCR産物を捕捉するには、ストレプトア
ビジンを固相に結合した担体を、フルオレセインなどが
導入されたプライマーからの伸張反応物を捕捉するに
は、それぞれに対する抗体を固相に結合した担体を用い
ればよい。さらに、固相担体を微粒子とすることによ
り、目的とする核酸を凝集、あるいは沈殿の有無により
簡便に判定することもできる。また、一方のプライマー
に固相担体と結合可能な部位を、他方のプライマーに標
識物を導入したものを用いて、伸張反応を行った反応物
を固相担体と接触させた後に不純物を適当な溶媒で洗浄
除去する方法が考案されており、目的核酸は標識物を持
つ形で該固相担体に固定され特異的に検出される。これ
ら標識物質の実際の検出は、使用する標識物質に応じて
一般的な手法を用いればよい。たとえば、標識物質がラ
ジオアイソトープであれば、そのまま活性を測定すれば
よいし、たとえばビオチンであればアビジン−酵素結合
体、また、ハプテンであれば抗体−酵素結合体などを用
いてAMPPDなどの基質と反応させ、色的、蛍光的手段に
より検出を行えばよい。
【0030】また、遺伝子の増幅反応に用いる酵素、反
応条件などについてはさまざまな方法が考案されている
が、本発明における核酸断片は、種々のPCR法に利用す
るのに十分な長さおよび塩基配列を有しており、これを
用いることでTB64株の検出を行うことができるものであ
る。
【0031】
【実施例】以下実施例などにより本発明を更に詳細に説
明する。なお、以下において「%」は「重量%」を示
す。
【0032】なお、ラルストニア・ユートロファ(Rals
tonia eutropha)TB64株は、茨城県で採取し、単離され
た土壌微生物であり、通産省、工業技術院、生命工学工
業技術研究所に、寄託番号:FERM P-16980、寄託日:平
成10年9月30日で寄託されており、以下の菌学的性
質を示すものである。 (1)形態観察 細胞の形:桿菌 (0.3〜0.5×1.0〜2.0 mm) 胞子:無 鞭毛:有(周鞭毛) グラム染色性 ・18時間:陰性 ・24時間:陰性 ・36時間:陰性 (2)生理・生化学試験 嫌気下での生育:陰性 カタラーゼ:陽性 オキシダーゼ:陽性 リトマスミルク:アルカリ 硝酸塩の還元:陰性 V-P反応:陰性 V-P培地のpH:7.76 カゼインの分解:陰性 ゼラチンの分解:陰性 澱粉の分解:陰性 DNAの分解:陰性 尿素の分解:陰性 Tween20の分解:陰性 Tween40の分解:陰性 Tween60の分解:陰性 Tween80の分解:陰性 チロシンの分解:陽性 有機酸の利用 ・クエン酸:陽性 ・プロピオン酸:陽性 ・酢酸:陽性 ・フマル酸:陽性 ・L-リンゴ酸:陽性 ・コハク酸:陽性 無機窒素源の利用 ・アンモニウム塩:陽性 ・硝酸塩:陽性 インドールの生成:陰性 硫化水素の生成: 陰性 色素の生成 ・P agar:陰性 ・F agar:陰性 ・King A agar:陰性 ・King B agar:陰性 NaCl存在下での生育 ・2%:陽性 ・5%:陰性 ・7%:陰性 生育pH:5.0〜9.0 生育温度:10℃〜40℃ 0.02%アジ化ナトリウム存在下での生育:陰性 0.001%リゾチウム存在下での生育:陽性 OFテスト:陰性 糖からの酸の生成 ・グルコース:陰性 ・アラビノース:陰性 ・フラクトース:陰性 ・ガラクトース:陰性 ・マルトース:陰性 ・ラクトース:陰性 ・シュークロース:陰性 ・キシロース:陰性 ・トレハロース:陰性 ・グリセロール:陰性 ・マンニトール:陰性 ・ソルビトール:陰性 ・ソルボース:陰性 ・マンノース:陰性 ・ラムノース:陰性 ・アドニトール:陰性 ガスの生成 ・グルコース:陰性 ・アラビノース:陰性 ・キシロース:陰性 ・マンニトール:陰性 (3)キノン組成分析
【0033】
【表1】 実施例1(TB64株の16S rRNA遺伝子のクローニングと塩
基配列の決定) 既知のグラム陰性好気性菌の16S rRNAより、以下の2つ
の共通塩基配列を選び出した。 配列1:5’GGCGAACGGGTGAGTAATAC 3’(配列番号:2) 配列2:5’CTTCACCCCAGTCACGAACC 3’(配列番号:3) 上記のような配列を有する2種の合成DNAをプライマー
として、TB64株のDNAを用いてPCRを行った。増幅された
約1.4kbのDNA断片を、プラスミドpUC119のHincII切断部
位に挿入し、大腸菌JM109に形質転換した。得られた形
質転換株を、アンピシリン、IPTG、X-galを含む寒天培
地上で選択し、生じた白色コロニーよりプラスミドを調
製し、挿入断片の有無を調べた。約1.4kbのDNA断片が挿
入されている組み換えプラスミドを選択し、上記PCR断
片の末端の塩基配列をダイデオキシ法により決定した。
これを既知の各種細菌の16S rRNAの塩基配列と比較した
ところ、非常に相同性が高く、この挿入断片はTB64株の
16S rRNA遺伝子の部分配列であると推定した。
【0034】次に、PCRを経由しない、完全長の16S rRN
A遺伝子のクローニングを以下のように行った。まず、T
B64株のDNAを制限酵素Sau3AIで部分分解し、アガロース
ゲル電気泳動により9〜23キロ塩基対断片を分離、精製
し、これらのDNA断片をλDASHII(STRATAGENE)のBamHI
消化物に挿入した。Gigapack II Gold extract(STRATA
GENE)を用いて、インビトロパッケージング法によりフ
ァージ粒子の調製を行い、DNAライブラリーを作製し
た。ここで、上記16S rRNA遺伝子の約1.4kbの部分断片
をプローブとして、該DNAライブラリーからプラークハ
イブリダイゼーション法により陽性ファージのスクリー
ニングを行った。陽性ファージは500個に1個程度の割合
で取得できた。常法により陽性ファージを培養の後、塩
化セシウム密度勾配法によりファージDNAを精製した。
塩基配列の決定は段階欠失クローンと、16S rRNA遺伝子
内の制限酵素切断部位を利用して得たサブクローンを用
いて行った。欠失は、プラスミドpUC119のHincII切断部
位に完全長の16S rRNA遺伝子をリクローニングの後、Ex
onuclease IIIとMung Bean Nucleaseにより段階的に導
入した。これらの段階欠失クローンおよび制限酵素を利
用したサブクローンを用いて、ダイデオキシ法により塩
基配列の決定を行った。こうして決定されたTB64株の16
S rRNAの塩基配列は、配列表の配列番号:1の塩基配列
である。
【0035】実施例2(プライマーの調製) 本発明において、標識物あるいは固相担体と結合可能な
部位が導入されているプライマー、あるいは導入されて
いないプライマーは、以下に示す化学合成法により調製
した。
【0036】まず、標識物あるいは固相担体と結合可能
な部位がいずれも導入されていないものは、DNA自動合
成機モデル381A(パーキンエルマー)を用いて、ホスホ
アミダイト法により0.2μmolスケールで合成を行い、OP
Cカートリッジ(パーキンエルマー)により精製した。
また、標識物あるいは固相担体と結合可能な部位が導入
されているプライマーは、まず、その5’末端にアミノ
基を導入したオリゴヌクレオチドとして合成し、その後
に適当な試薬を用いて標識物あるいは固相担体と結合可
能な部位を導入した。以下にその例を示す。 5’末端にアミノ基を導入したオリゴヌクレオチド: 5’ATGGCTCTGGTTAATACCCG 3’(配列番号:4) の合成は、上述したような合成反応により5’末端に最
後の塩基(この場合はC)を付加した後、アミノリンクI
I(パーキンエルマー)をさらに付加することにより行
い、合成終了後、OPCカートリッジにより精製した。ビ
オチン化は、以下のようにして行った。1 O.D.のアミノ
化オリゴヌクレオチド水溶液10μlに、1MNaHCO3水溶液
10μl、水 30μl、および20μg/μlのビオチニル-N-ヒ
ドロキシサクシニミドエステル(BRL)のDMF溶液を50μ
l加え、混和後室温で放置した。4時間後、セファデック
スG-50を担体としたゲルろ過にかけ、50mM TEAB(重炭
酸トリエチルアンモニウム)緩衝液(pH7.5)で溶出
し、最初のピークを集め乾固の後、TE緩衝液(pH8.0)
に溶解した。
【0037】5’末端にジニトロフェニル基(DNP)を
導入したオリゴヌクレオチド: 5’GAAGAAATGAATCCCCAACA 3’(配列番号:5) は、ビオチン標識のときと同様に、まずその5’末端に
アミノ基を導入したオリゴヌクレオチドとして合成およ
び精製を行った。このようにして得た2 O.D.のアミノ化
オリゴヌクレオチド水溶液 180μlに、1M NaHCO3水溶液
20μlを加え、これに5%(v/v)ジニトロフルオンベン
ゼンのエタノール溶液 100μlを加え37℃で2時間加温
し、反応を行った。精製は、ビオチン化オリゴヌクレオ
チドと同様にゲルろ過により行い、乾固の後、TE緩衝液
(pH8.0)に溶解した。
【0038】実施例3(プローブの調製) 3’末端にビオチン標識を導入したオリゴヌクレオチド: 5’GGCGCTTGTGACTGCAAGGCTAGAGTAT-Biotin 3’(配列番号:6) を調製した。あらかじめ3’末端がビオチン標識されて
いる、0.5μmolスケールの3’Biotin-ONCPGカラム(CL
ONTECH)を用いて、ホスホアミダイト法によりオリゴヌ
クレオチドを合成し、常法によりOPCカートリッジを用
いて精製、乾固の後、TE緩衝液(pH8.0)に溶解した。
【0039】実施例4(プライマーの特異性の評価) TB64株、JM1株(FERM BP−5352)、バーク
ホルデリア・セパシア(B. cepacia)KK01株(FERM
BP−4235)、シュードモナス・プチダ(P. put
ida)BH株、シュードモナス・アエルギノーザ(P. aeru
ginosa)(IFO3080)、シュードモナス・フルオレッセ
ンス(P. fluorescens)(IFO 14160)、アルカリゲネ
ス・フェカリス(Alcaligenes faecalis)(IFO 1447
9)、キサントモナス・マルトフィラ(Xanthomonas mal
tophilia)(IFO 14161)、エンテロバクター・クロセ
ア(Enterobacter cloacae)(IFO 13535)及びエシャ
リシア・コリ(E. coli) JM109株の10種の細菌を用意
した。
【0040】バークホルデリア・セパシア(Burkholderi
a cepacia)KK01株は、通産省、工業技術院、生命工学工
業技術研究所にブダペスト条約下の国際寄託として寄託
されている(寄託日:平成4年3月11日、受託番号は
上記のとおり)。寄託当初はシュードモナス(Pseudomon
as)属に属するものとされたが、その後尚、シュードモ
ナス・セパシアの分類学上の位置のバークホルデリア・
セパシアへの変更にともなって、ここではKK01株をバー
クホルデリア属に属するものとして記載するが、寄託さ
れている株自体に変更はない。また、特開平6-296711号
公報において、このKK01株がフェノール等の芳香族化合
物を誘導物質としてTCE等の有機塩素化合物を分解する
ことが開示されているものである。
【0041】JM1株は、特開平8−294387号公
報に記載される菌株であり、通産省、工業技術院、生命
工学工業技術研究所にブタペスト条約下の国際寄託とし
て寄託されているもので(受託番号:FERM BP-5352、
受託日:平成7年1月10日)、寄託当初はコリネバッ
クテリウム スピーシズとされたが、その後コリネバク
テリウム属には属さないことが判明し、該寄託における
識別のための表示を「JM1」に変更している。
【0042】これらの細菌のそれぞれについて、常法に
よりDNAを調製したものを試料とし、PCR法によりプライ
マーの特異性を評価した。
【0043】プライマーは実施例2で調製した2種のプ
ライマー: 5’Biotin-ATGGCTCTGGTTAATACCCG 3’ 5’DNP-GAAGAAATGAATCCCCAACA 3’ を用いた。PCRは、以下の反応溶液組成ならびに条件で
行った。
【0044】50pmol/μl濃度の上記プライマーをそれぞ
れ1μlずつ、酵素に添付の反応緩衝液を5μl、酵素に添
付のdNTP混合溶液を5μl、試料DNAを10ng加え、さらに
水を加えて反応溶液全量を50μlとした。これに、Ampli
Taq DNA polymerase(宝酒造)を1unit加え、95℃に加
温して5分間保持した後、95℃・20秒、55℃・30秒、72
℃・60秒を1サイクルとした30サイクルの反応を行い、
反応後さらに72℃で5分間保温した。反応後、50μlより
2μlを分取し、アガロースゲル電気泳動、エチジウムブ
ロマイド染色を行い、増幅核酸鎖の検出を行った。その
結果、TB64株においてのみ、期待される約400塩基対の
長さに、明瞭な一本のバンドが確認できた。ここで、他
の9種の菌株においては、いかなる増幅核酸鎖もまった
く検出することはできなかった。
【0045】実施例5(TB64株のプライマーを用いた検
出(1)) 実施例4と同様にして、10種類の各種細菌よりDNAを調
製した。これを以下の反応溶液組成、反応条件でPCRに
供した。
【0046】実施例2で調製した、20pmol/μl濃度のプ
ライマー 5’Biotin-ATGGCTCTGGTTAATACCCG 3’ 5’DNP-GAAGAAATGAATCCCCAACA 3’ をそれぞれ1μlずつ、酵素に添付の反応緩衝液を5μl、
酵素に添付のdNTP混合溶液を2μl、試料DNAを、TB64株
については10pgを、他の細菌については10ngを加え、さ
らに水を加えて反応溶液全量を50μlとした。各反応液
に、AmpliTaq DNApolymerase (宝酒造)を1unit加え、
95℃に加温して5分間保持した後、95℃・20秒、55℃・3
0秒、72℃・60秒を1サイクルとした35サイクルの反応を
行い、反応後さらに72℃で5分間保温した。この反応混
合液をスピンカラムにかけ、未反応プライマーを除去し
た。ストレプトアビジン固定化マイクロプレートに、0.
15MNaCl、0.05% Tween20を含むTris-Cl緩衝液(pH7.5)
を100μl加えておき、これに反応後の上記混合液を10μ
l加え、室温30分間放置の後、上記緩衝液500μlで3回洗
浄した。これにアルカリ性フォスフォターゼ標識抗DNP
抗体を上述の緩衝液で2000倍に希釈したものを100μl加
え、室温30分間放置の後、上記緩衝液500μlで3回洗浄
した。これに、4mg/mlの濃度で1M ジエタノールアミン
緩衝液に溶解した、p-ニトロフェニルリン酸溶液を100
μl加え、室温30分間放置の後、マイクロプレートリー
ダーを用いて405nmの吸光度を測定した。その結果、TB6
4株においてのみ、バックグラウンドに比較し有意な吸
収を確認することができた。ここで、他の9種の菌株に
おいては、バックグラウンド程度の吸収を示すにとどま
った。
【0047】実施例6(TB64株のプライマーを用いた検
出(2)) 実施例4と同様にして、TB64株よりDNAを調製した。こ
れを以下の反応溶液組成、反応条件でPCRに供した。 実施例2で調製した、20pmol/μl濃度のプライマー: 5’Biotin-ATGGCTCTGGTTAATACCCG 3’ 5’DNP-GAAGAAATGAATCCCCAACA 3’ をそれぞれ1μlずつ、酵素に添付の反応緩衝液を5μl、
酵素に添付のdNTP混合溶液を2μl、試料としてTB64株よ
り調製したDNAを10pg、1pg、100fgまたは10fg加え、さ
らに水を加えて反応溶液全量を50μlとした。これに、A
mpliTaq DNA polymerase(宝酒造)を1 unit加え、95℃
に加温して5分間保持した後、95℃・20秒、55℃・30
秒、72℃・60秒を1サイクルとした40サイクルの反応を
行い、反応後さらに72℃で5分間保温した。この反応混
合液をスピンカラムにかけ、未反応プライマーを除去し
た。ストレプトアビジン固定化マイクロプレートに、0.
15M NaCl、0.05% Tween20を含むTris-Cl緩衝液(pH7.
5)を100μl加えておき、これに反応後の上記混合液を1
0μl加え、室温30分間放置の後、上記緩衝液500μlで3
回洗浄した。これにアルカリ性フォスフォターゼ標識抗
DNP抗体を上述の緩衝液で2000倍に希釈したものを100μ
l加え、室温30分間放置の後、上記緩衝液500μlで3回
洗浄した。これに、4mg/mlの濃度で1M ジエタノールア
ミン緩衝液に溶解した、p-ニトロフェニルリン酸溶液を
100μl加え、室温30分間放置の後、マイクロプレートリ
ーダーを用いて405nmの吸光度を測定した。その結果、D
NA量が10pg、1pg、100fgのものについてバックグラウン
ドに比較し有意な吸収を確認することができた。ここ
で、DNA量が10fgのものについては、バックグラウンド
程度の吸収を示すにとどまった。
【0048】実施例7(TB64株のプローブを用いた検出
(1)) 実施例4と同様にして、10種類の各種細菌よりDNAを調
製した。それぞれのDNAをアルカリ変性の後、ドットブ
ロット装置(BRL)を用いて1μgずつナイロン膜(Tropi
lon-45、Tropix社)にブロットした。80℃で2時間乾燥
の後、ナイロン膜をビニールバッグに入れ、プレハイブ
リダイゼーション溶液(6×SSC、5×デンハルト溶液、
0.5% SDS、100μg/ml 変性サケ精子DNA)を3 ml加え、6
0℃でプレハイブリダイゼーションを1時間行った。これ
に、ハイブリダイゼーション溶液(プレハイブリダイゼ
ーション溶液に実施例3で調製したビオチン標識オリゴ
ヌクレオチドプローブ: 5’GGCGCTTGTGACTGCAAGGCTAGAGTAT-Biotin 3’ を熱変性の後に100ng加えたもの)を3ml加え、60℃で2
時間ハイブリダイゼーションを行った。ナイロン膜をビ
ニールバッグから取り出し、6×SSC、0.5% SDS溶液を用
いて60℃で5分間ずつ3回洗浄した。検出はサザンライト
(Tropix社)を用いて、アルカリ性フォスフォターゼ標
識ストレプトアビジンとAMPPDによる化学発光法を利用
して、添付のプロトコルに従い行った。
【0049】その結果、TB64株DNAをブロットしたもの
についてのみ、きわめて強い陽性の反応を確認できた。
ここで、他の9種の菌株においては、陽性の反応を検出
することはできなかった。
【0050】実施例8(TB64株のプローブを用いた検出
(2)) 実施例4に記載の10種類の各種細菌を常法により培養し
た。0.1M りん酸ナトリウム緩衝液(pH8.0)で洗浄の
後、前記緩衝液を用いてそれぞれの菌数が2×10 7cells/
mlになるよう調製した。このようにして調製した菌懸濁
液50μlに6%のホルムアルデヒド溶液を50μl加え菌体を
固定し、0.1% ゼラチン、0.01% クロムミョウバンでコ
ートしたスライドグラスに30μlを滴下し、風乾した。
試料を固定したスライドグラスを、90% メタノール、3%
ホルムアルデヒド溶液に10分間浸けて菌体を再固定し
た後、純水で洗浄した。
【0051】上記処理を行ったスライドグラスを、50mM
NaBH4を含む10mM Tris-Cl緩衝液(pH8.0)に室温で30
分間、遮光状態で浸した後、純水で洗浄、風乾した。プ
ローブは実施例3で調製したビオチン標識オリゴヌクレ
オチドプローブ: 5’GGCGCTTGTGACTGCAAGGCTAGAGTAT-Biotin 3’ に、FITC(Fluorescein isothiocyanate)標識されたス
トレプトアビジンをあらかじめ結合させたものを用い
た。この標識プローブを、ハイブリダイゼーション溶液
(0.1M Tris-Cl緩衝液(pH8.0)、0.75M NaCl、5mM EDT
A、10%硫酸デキストラン、0.2% BSA(Bovine Serum Alb
umin)、0.01% ポリアデニル酸)で5ng/μl濃度とし、3
0μlを滴下した。スライドグラスを気密性の容器に入れ
て、45℃、1時間の反応を遮光状態で行った。
【0052】反応後、SET緩衝液(Tris-Cl(pH8.0)、
0.2mM EDTA、30mM NaCl)でスライドグラスを洗浄し、
遮光状態で風乾の後、オリンパスの落射型蛍光顕微鏡で
検鏡を行い蛍光の有無を調べた。励起光源は水銀ランプ
を使用し、B励起により観察を行った。検鏡の結果、TB6
4株については菌体に蛍光が認められたが、他の細菌で
は蛍光を観察することはできなかった。
【0053】
【発明の効果】本発明の核酸断片は、TB64株の16S rRNA
をコードする遺伝子であり、これらの構成塩基またはそ
の一部分の塩基配列をプライマーまたはプローブとして
利用すれば、TB64株の検出を特異的に行うことができ
る。また、本発明によるTB64株の検出方法は、上記の核
酸断片あるいはこれらの一部をプライマーまたはプロー
ブとして用いるものであり、感度、特異性、簡便さ、迅
速性の点で優れたものであり、環境浄化などの分野で多
大な貢献をなすものである。
【0054】
【配列表】 配列番号:1 配列の長さ:1343 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 起源 生物名:ラルストーニャ ユートロファ(Ralstonia eutropha) 配列の種類:ラルストーニャ ユートロファ TB64株の16SrRNA遺伝子 配列 CGTGCCCTGT AGTGGGGGAT AACTAGTCGA AAGATTAGCT AATACCGCAT ACGACCTGAG 60 GGTGAAAGCG GGGGACCGCA AGGCCTCGCG CTACAGGAGC GGCCGATGTC TGATTAGCTA 120 GTTGGTGGGG TAAAGGCCTA CCAAGGCGAC GATCAGTAGC TGGTCTGAGA GGACGATCAG 180 CCACACTGGG ACTGAGACAC GGCCCAGACT CCTACGGGAG GCAGCAGTGG GGAATTTTGG 240 ACAATGGGGG CAACCCTGAT CCAGCAATGC CGCGTGTGTG AAGAAGGCCT TCGGGTTGTA 300 AAGCACTTTT GTCCGGAAAG AAATGGCTCT GGTTAATACC CGGGGTCGAT GACGGTACCG 360 GAAGAATAAG CACCGGCTAA CTACGTGCCA GCAGCCGCGG TAATACGTAG GGTGCGAGCG 420 TTAATCGGAA TTACTGGGCG TAAAGCGTGC GCAGGCGGTT TTGTAAGACA GGCGTGAAAT 480 CCCCGAGCTC AACTTGGGAA TGGCGCTTGT GACTGCAAGG CTAGAGTATG TCAGAGGGGG 540 GTAGAATTCC ACGTGTAGCA GTGAAATGCG TAGAGATGTG GAGGAATACC GATGGCGAAG 600 GCAGCCCCCT GGGACGTCAC TGACGCTCAT GCACGAAAGC GTGGGGAGCA AACAGGATTA 660 GATACCCTGG TAGTCCACGC CCTAAACGAT GTCAACTAGT TGTTGGGGAT TCATTTCTTC 720 AGTAACGTAG CTAACGCGTG AAGTTGACCG CCTGGGGAGT ACGGTCGCAA GATTAAAACT 780 CAAAGGAATT GACGGGGACC CGCACAAGCG GTGGATGATG TGGATTAATT CGATGCAACG 840 CGAAAAACCT TACCTACCCT TGACATGCCA CTAACGAAGC AGAGATGCAT CAGGTGCCCG 900 AAAGGGAAAG TGGACACAGG TGCTGCATGG CTGTCGTCAG CTCGTGTCGT GAGATGTTGG 960 GTTAAGTCCC GCAACGAGCG CAACCCTTGT CTCTAGTTGC TACGAAAGGG CACTCTAGAG 1020 AGACTGCCGG TGACAAACCG GAGGAAGGTG GGGATGACGT CAAGTCCTCA TGGCCCTTAT 1080 GGGTAGGGCT TCACACGTCA TACAATGGTG CGTACAGAGG GTTGCCAACC CGCGAGGGGG 1140 AGCTAATCCC AGAAAACGCA TCGTAGTCCG GATCGTAGTC TGCAACTCGA CTACGTGAAG 1200 CTGGAATCGC TAGTAATCGC GGATCAGCAT GCCGCGGTGA ATACGTTCCC GGGTCTTGTA 1260 CACACCGCCC GTCACACCAT GGGAGTGGGT TTTGCCAGAA GTAGTTAGCC TAACCGCAAG 1320 GAGGGCGATT ACCACGGCAG GGT 1343 配列番号:2 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:16SrRNA遺伝子検出用共通プライマー 配列 GGCGAACGGG TGAGTAATAC 20 配列番号:3 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:TB64株16SrRNA遺伝子検出用プライマー 配列 CTTCACCCCA GTCACGAACC 20 配列番号:4 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:TB64株16SrRNA遺伝子検出用プライマー 配列 ATGGCTCTGG TTAATACCCG 配列番号:5 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:TB64株16SrRNA遺伝子検出用プライマー 配列 GAAGAAATGA ATCCCCAACA 20 配列番号:6 配列の長さ:28 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:TB64株16SrRNA遺伝子検出用プローブ 配列 GGCGCTTGTG ACTGCAAGGC TAGAGTAT 28
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野本 毅 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 4B024 AA11 AA17 BA80 CA09 HA12 4B063 QA01 QA18 QQ18 QQ19 QR08 QR32 QR55 QR62

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列表の配列番号:1の塩基配列を有す
    ることを特徴とする16S rRNA遺伝子。
  2. 【請求項2】 以下の塩基配列: (a)配列表の配列番号:1の塩基配列、及び (b)配列表の配列番号:1の塩基配列と相補的な塩基
    配列 のいずれかを有することを特徴とする核酸断片。
  3. 【請求項3】 ラルストニア・ユウトロファ(Ralstonia
    eutropha)TB64株の有する16S rRNA遺伝子検出用のプラ
    イマーまたはプローブとして有用な核酸断片であって、 請求項2に記載の核酸断片中の全配列またはその部分配
    列、あるいはこれらの配列に対して、前記16S rRNA遺伝
    子にハイブリダイズする機能を消失しない範囲内で塩基
    の欠失、置換または付加による変異を施した変異配列を
    有することを特徴とするプライマーまたはプローブ用の
    核酸断片。
  4. 【請求項4】 前記プライマーとして利用可能な核酸が
    10〜50塩基の長さであり、前記プローブとして利用可能
    な核酸が10塩基から請求項2に記載の核酸の全塩基数以
    下の長さである請求項3に記載の核酸断片。
  5. 【請求項5】 標識物を結合可能な部位及び固相担体と
    結合可能な部位の少なくとも1つが導入されている請求
    項3または4に記載の核酸断片。
  6. 【請求項6】 前記標識物質を結合可能な部位または前
    記固相担体と結合可能な部位の少なくとも1つが、前記
    核酸断片の5’末端側に導入されている請求項3〜5の
    いずれかに記載の核酸断片。
  7. 【請求項7】 前記標識物を結合可能な部位または固相
    担体と結合可能な部位が、ビオチン残基、2,4−ジニ
    トロフェニル基またはジゴキシゲニン残基である請求項
    3〜6のいずれかに記載の核酸断片。
  8. 【請求項8】 2種の核酸断片の組み合わせからなるラ
    ルストニア・ユウトロファ TB64株の有する16S rRNA遺
    伝子検出用のプライマーのセットであって、 これらの核酸断片の少なくとも一方が、請求項3〜7の
    いずれかに記載の核酸断片であることを特徴とするプラ
    イマーセット。
  9. 【請求項9】 ラルストニア・ユウトロファ TB64株の
    存在の有無を、該株の有する16S rRNA遺伝子をプローブ
    により検出することで判定するラルストニア・ユウトロ
    ファ TB64株の検出方法であって、 前記プローブとして、請求項3〜7のいずれかに記載の
    核酸断片を用いることを特徴とする検出方法。
  10. 【請求項10】 ラルストニア・ユウトロファ TB64株
    の存在の有無を、該株の有する16S rRNA遺伝子をプライ
    マーを用いて検出することで判定するラルストニア・ユ
    ウトロファ TB64株の検出方法であって、 前記プライマーとして、請求項3〜7のいずれかに記載
    の核酸断片または請求項8に記載のプライマーセットを
    用いることを特徴とする検出方法。
  11. 【請求項11】 請求項3〜7のいずれかに記載のプラ
    イマーまたは請求項8に記載のプライマーセットを用
    い、下記(1)〜(4)の工程: (1)ラルストニア・ユウトロファ TB64株の存在の有
    無を検出したい試料を準備する工程、(2)必要に応じ
    て、試料中の菌体の破砕処理を行う工程、(3)試料中
    に上記プライマーを加え、該プライマーを起点とした核
    酸鎖の伸張反応を行う工程、及び(4)工程(3)で得
    られた伸張反応物について検出操作を行う工程を有する
    ことを特徴とするラルストニア・ユウトロファ TB64株
    の検出方法。
  12. 【請求項12】 プライマーの伸張反応がPCR(ポリ
    メラーゼ チェインリアクション)法による請求項11
    に記載の検出方法。
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