JP2000165805A - 付随情報付加装置および方法、付随情報検出装置および方法、ならびに不正利用防止システム - Google Patents

付随情報付加装置および方法、付随情報検出装置および方法、ならびに不正利用防止システム

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JP2000165805A
JP2000165805A JP33910398A JP33910398A JP2000165805A JP 2000165805 A JP2000165805 A JP 2000165805A JP 33910398 A JP33910398 A JP 33910398A JP 33910398 A JP33910398 A JP 33910398A JP 2000165805 A JP2000165805 A JP 2000165805A
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English (en)
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Kazuhisa Hosaka
和寿 保坂
Nobusada Miyahara
信禎 宮原
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ベースバンドでも、ビットストリームでも、
解像度変換を行う前と後の双方において同一のウォータ
マークの検出が可能であって、しかも、検出精度の低
下、検出時間の増加、画質の劣化、検出処理量の増加を
押える。 【解決手段】 画像の一部の縦×横=M×N(M,Nは
正の整数)個の画素からなる小領域に対応する大きさの
単位ウォータマークパターンを発生する単位ウォータマ
ークパターン発生器14を設ける。ウォータマーク反復
器13は、発生器14からの単位ウォータマークパター
ンを縦横に反復した反復ウォータマークを発生する。ウ
ォータマーク埋め込み器11は、反復ウォータマークを
画像に付加する。単位ウォータマークパターン発生器1
4では、画像について解像度変換が行なわれることが想
定されている解像度において、単位ウォータマークの
縦、横の大きさが、画像符号化における符号化ブロック
の大きさの整数倍となるように単位ウォータマークパタ
ーンの大きさを決める。ことを特徴とする付随情報付加
装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、静止画像あるい
は動画像シーケンスなどの画像データに対して、それに
付随する情報を、電子透かし(ウォータマーク)として
画像データ中に付加する付随情報付加装置および方法、
また、その付随情報を検出する付随情報検出装置および
方法に関する。また、この発明は、これら付随情報付加
装置および方法、また、付随情報検出装置および方法を
用いる不正コピー防止装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】任意の画像データ(静止画像あるいは動
画像シーケンス)に対して、それに付随する情報を画像
データ中に付加し、再生時にその付随情報を検出して利
用する技術がある。この技術の代表的な利用例として、
著作権情報の付加が挙げられる。
【0003】特定の画像データを不特定の利用者が利用
することが可能である場合、その画像に対して著作権を
持つ者がその権利を主張するために、あらかじめ著作権
情報を画像データ中に付加しておくことが考えられる。
著作権情報を付加しておくことにより、画像の再生装置
あるいは再生方法における処理手順の中でその画像デー
タを表示不可と指示する著作権情報が検出された場合に
は、その画像データの表示を行なわない等の対策を講じ
ることが可能となる。
【0004】上述の著作権情報の付加あるいは検出は、
現在、アナログ記録(ビデオ信号をアナログ信号の状態
で記録)のビデオテープの不正コピー防止機能等で利用
されている。この機能により、レンタル業者から借りて
くるなどの方法で手元にあるビデオテープを不正にコピ
ーすることを不可能にし、そのビデオテープの著作権を
持つ者の権利を守っている。
【0005】アナログ記録のビデオテープの場合には、
画像データがアナログ的に記録されるため、コピーを行
なうと画質が劣化する。これに対し、最近普及しつつあ
るデジタル的に画像データを記録し再生する機器におい
ては、原理的にコピーによって画質が劣化することがな
く、コピーを多数回繰り返すことさえも画質の劣化無し
に可能である。そのため、デジタル的に処理を行なう機
器による不正コピーによる損害は、アナログの場合より
さらに大きなものとなり、デジタル的に処理を行なう機
器における不正コピー防止は、非常に重要になってい
る。
【0006】ところで、上述の著作権情報などの画像デ
ータに付随する情報を、その画像データ中に付加する方
法としては、主に2つの方法がある。
【0007】第1の方法は、画像データの補助部分に付
加する方法である。画像データの補助部分とは、有効画
面領域の画像データ以外の部分を指す。例えば、アナロ
グビデオ信号の垂直ブランキング期間や、デジタルビデ
オ信号のヘッダ部や付加データ部などである。実際に、
アナログビデオテープでは、画像データの補助的な付随
情報が、垂直ブランキング期間の一部に付加されてい
る。
【0008】第2の方法は、画像データの主要部分、す
なわち、有効画面領域の画像データに付加する方法であ
る。これは、ある特定のパターンを視覚的に感知できな
い程度に画像の全体あるいは一部に付加するものであ
る。これは、電子透かし処理と呼ばれている。この具体
例として、乱数やM系列等を用いて発生させた鍵パター
ンを利用して情報の付加および検出を行なう、スペクト
ラム拡散等がある。
【0009】第1の方法は、画像データの補助部分とい
う、画像の内容自体とは異なった場所に情報を付加をし
ているため、一度、補助部分を分離してしまえば付加し
た情報がなくなってしまうという問題がある。
【0010】これに対して、電子透かし処理は、画像デ
ータに存在する人間の知覚上の重要でない部分、すなわ
ち、画像に対して冗長でない部分に、雑音として情報を
埋め込む処理である。このような電子透かし処理により
画像データ中に埋め込まれた情報(以下、電子透かしに
より埋め込まれる情報をウォータマークという)は、画
像データと同じ周波数領域および時間領域に付加される
ので、その画像データから除去されにくい。一方、画像
データについてフィルタリング処理やデータ圧縮処理を
した後であっても、それらに埋め込まれたウォータマー
クを画像データ中から検出することが可能であるという
特徴がある。
【0011】以下では、上述のような特徴を備える第2
の方法の、画像データの主要部分に付随情報を付加する
方法であるウォータマークを用いた方法について述べ
る。
【0012】まず、図8〜図11を用いてウォータマー
クの付加、検出方式の概略を説明する。
【0013】図8は、ウォータマークパターンWMの例
を示し、この例のウォータマークパターンWMは、例え
ば、縦×横=4n画素×4n画素(nは自然数)の大き
さで、各画素について、図示のように、+1,−1の2
つのシンボルのいずれかを取るものを用いるとする。な
お、実際の利用においては、ウォータマークパターン
は、2つのシンボルのいずれかをランダムに取る方が望
ましい。また、ウォータマークパターンの領域の形状、
大きさは任意である。
【0014】画像に付随情報を付加する際には、付加を
行なう対象となる画像上で、付加しようとするウォータ
マークパターンの領域と等しい大きさの領城を設定す
る。設定された領域とウォータマークパターンWMとを
重ねて照らし合わせ、ウォータマークパターンWMで+
1のシンボルが対応する画素については値aを加算し、
−1のシンボルが対応する画素については値bを減算す
る。ここで、値a,値bは、共に、任意の値を取り得
る。
【0015】図9は、画像へのウォータマークパターン
WMの付加の例を示しており、この例では、付加を行な
う対象となる画像Piの領域の画素値が全て100の場
合であり、また、付加するウォータマークパターンWM
の前記a=1,b=1に設定されている場合である。こ
のウォータマークパターンWMの埋め込み操作が行われ
た結果の画像Poでは、図示のように、101と99の
画素値に分かれることになる。
【0016】付随情報を検出する際には、検出を行なう
対象となる画像上でウォータマークパターンWMの領域
と等しい大きさの領域を設定する。そして、設定された
画像領域とウォータマークパターンWMとの相関につい
ての評価値を求める。この場合、設定された画像領域の
画素の全てについて合計したものを評価値として用い
る。
【0017】具体的には、評価値を求めるために、画素
全てを合計する際に、設定された画像領域とウォータマ
ークパターンWMとを重ねて照らし合わせ、ウォータマ
ークパターンWMの+1のシンボルの画素については足
し算、−1のシンボルの画素については引ぎ算を適用す
る。このとき、付随情報を付加する際に用いたウォータ
マークパターンと同じパターンを用いて検出を行なうも
のである。
【0018】図10は、図9のようにしてウォータマー
クパターンWMが付加された画像Poからウォータマー
クを検出する場合の評価値の算出を説明するための図で
ある。この図10の例では、評価値は4n2 (領域に含
まれる画素数の数と同じ)になる。
【0019】これに対して、図11の画像Poは、ウォ
ータマークパターンWMが付加されていない場合を示し
ており、この画像Poについての、ウォータマークパタ
ーンとの相関の評価値は0となる。
【0020】実際的には、ウォータマークパターンが付
加される対象の画像Piの画素のすべてが同じ値になる
ことはほとんどないが、ウォータマークパターンの領域
が充分に広く、かつ、ウォータマークパターンが充分に
ランダムである場合、画像の水平、垂直相関性から、ウ
ォータマークが付加されていない場合の画像Poについ
ての前記評価値は常にほぼ0となる。このことから、評
価値がある一定の閾値を超えた場合には、ウォータマー
クによる付随情報が画像に付加されていると判別するこ
とができる。
【0021】上記の手順により、付随情報として、ウォ
ータマークが付加されているか否かという2値の情報
(1ビット)を付加することが可能となる。より多くの
情報(複数ビット)を付加したい湯合には、画像全体を
空間的に、時間的に、または空間的かつ時間的にk個の
領域に分けて、それぞれ上記の操作を行なう等の処理方
法により、2k 通り(kビット)の情報を画像に付加す
ることができる。
【0022】ウォータマークパターンとしては、例え
ば、M系列(最長符号系列)を用いて生成したものを利
用することができる。M系列は、2値のシンボルからな
る数列で、それぞれのシンボルの統計的分布は一定であ
り、符号相関は、原点で1、その他では−1/符号長と
なるものである。もちろん、M系列を用いる以外の方法
でウォータマークパターンを生成してもよい。
【0023】ところで、画像データをデジタル的に記録
し再生する場合、画像データは、そのままでは非常に情
報量が多いため、画像データを圧縮するのが一般的であ
る。画像データを圧縮する方法としては、JPEG(カ
ラー静止画像の符号化方式)あるいはMPEG(カラー
動画像の符号化方式)等の高能率符号化方式が国際的に
標準化され、実用化に至っている。これらの高能率符号
化方式によって圧縮されたデータをビットストリームデ
ータ、あるいは単にビットストリームと呼ぶ。また、対
比する表現として、圧縮する前の画像および復号した後
の画像をベースバンド画像、あるいは単にベースバンド
と呼ぶ。
【0024】ところで、ベースバンド画像に対してウォ
ータマークを付加しておくだけで、そのままベースバン
ド画像として配布されても、また、JPEG、MPEG
などの高能率符号化を行なった後のビットストリームと
して配布されても、どちらの場合についてもウォータマ
ーク検出器を用意でき、簡単にウォータマークを検出で
きれば好都合である。つまり、高能率符号化などによっ
て圧縮する前に付加したウォータマークが、ベースバン
ドでもビットストリームでも共通して検出に用いること
が出来ることが好ましい。
【0025】図12は、この場合の画像情報へのウォー
タマークの付加および検出の全体の流れを説明するため
の概念図である。
【0026】すなわち、図12においては、入力端子1
を通じてベースバンド画像情報がウォータマーク付加装
置10に供給されると共に、単位ウォータマーク入力端
子2を通じて、付加しようとする単位ウォータマークw
mの情報がウォータマーク付加装置10に供給される。
単位ウォータマークwmは、後で詳述するように、画像
の一部の小領域に対応する大きさを有するものである。
【0027】この例のウォータマーク付加装置10で
は、入力端子2からの単位ウォータマークwmを画像上
の縦横に反復した状態の反復ウォータマークWMRを、
入力端子1からのベースバンド画像に付加する。反復ウ
ォータマークWMRを付加したベースバンド画像情報
は、出力端子3を通じて出力される。
【0028】また、反復ウォータマークWMRが付加さ
れたベースバンド画像は、MPEG符号化器20に供給
されて、MPEG方式により高能率符号化されて、ビッ
トストリームとされ、出力端子4を通じて出力される。
この場合のMPEG符号化における符号化ブロックの大
きさは、単位ウォータマークwmに等しいか、あるい
は、単位ウォータマークwmが、整数個の符号化ブロッ
クに等しい関係となるようにされている。換言すれば、
単位ウォータマークwmの大きさは、この符号化ブロッ
クの大きさの整数倍の大きさに選定されるものである。
【0029】出力端子3から出力されたウォータマーク
WMRが付加されたベースバンド画像の画像情報は、入
力端子5を通じてウォータマークベースバンド検出装置
30に供給される。そして、ウォータマークベースバン
ド検出装置30では、入力端子6からの単位ウォータマ
ークwm(入力端子2からの単位ウォータマークwmに
等しい)に基づいて、ベースバンド画像情報から、後述
のようにして、ウォータマークが検出され、その検出結
果が出力端子7を通じて導出される。
【0030】また、出力端子4から出力されたウォータ
マークWMRが付加されたビットストリームの画像情報
は、入力端子8を通じてウォータマークビットストリー
ム検出装置40に供給される。そして、ウォータマーク
ビットストリーム検出装置40では、入力端子6からの
単位ウォータマークwmに基づいて、後述するようにし
て、ビットストリーム画像情報からウォータマークが検
出され、その検出結果が出力端子9を通じて導出され
る。
【0031】図12のウォータマーク付加装置10は、
従来は、図13に示すように構成されている。このウォ
ータマーク付加装置は、画像の縦横に単位ウォータマー
クwmが反復するウォータマークWMRを画像に付加
し、そのウォータマーク付加画像を出力する装置であ
る。
【0032】この場合、画像入力端子1から入力される
動画像データは、I(x,y,t)(0≦x<widt
h(I),0≦y<height(I))と表すことが
でき、また、単位ウォータマーク入力端子2から入力さ
れる単位ウォータマークwmは、W(x,y)(0≦x
<L,0≦y<L)と表すことができる。
【0033】ただし、x,yは、それぞれ、画像を構成
する各画素の画像上の横方向および縦方向の座標を表
す。また、tは画像単位の時間を表すものとする。ま
た、図15(B),(C)にも示すように、width
(I)およびheight(I)は、それぞれ、画像の
幅および高さである。また、L(自然数)は、図15
(A)に示すように、単位ウォータマークwmの幅およ
び高さである。このように、従来は、単位ウォータマー
クwmの幅および高さは、等しく選定されていた。
【0034】単位ウォータマーク入力端子2から入力さ
れた単位ウォータマークwmは、ウォータマーク反復器
103に入力される。このウォータマーク反復器103
の内部構成は、従来は、図14に示すようなものとされ
ている。
【0035】すなわち、図14に示すように、ウォータ
マーク反復器103には、1枚の画像分に相当する反復
ウォータマークWMRの要素数を格納可能な容量のメモ
リ1031が設けられている。
【0036】メモリ1031への単位ウォータマークw
mの書き込み時には、x座標入力端子11およびy座標
入力端子12を通じて、単位ウォータマークwmについ
ての座標(x,y)の座標要素x,yが入力される。す
ると、アドレス設定部1032および1033により、
入力座標に対応したメモリアドレスx,yが設定され、
入力端子2からの単位ウォータマークwmが、メモリ1
031に書き込まれる。
【0037】この場合、アドレス設定部1032は、入
力座標(x,y)に対応する一つのメモリ位置だけでな
く、その位置から縦方向および横方向に、それぞれLの
1倍、2倍、3倍、……と、整数倍離れた位置を指定す
るアドレスをメモリ1031に供給する。したがって、
メモリ1031には、図15(B),(C)に示すよう
に、単位ウォータマークwmが画像の縦方向および横方
向に反復するウォータマークWMRが書き込まれる。
【0038】つまり、単位ウォータマークの各値W
(x,y)が入力される毎に、 i%L=x かつ j%L=y (0≦i<width(I),0≦j<height
(I)) を満たす全てのi,j(i,jは正の整数)の組につい
て、反復後のウォータマークを保持するメモリrepe
atWに、 repeatW(i,j)=W(x,y) と書き込むものである。なお、この明細書で、「%」は
剰余を求める演算子とする。
【0039】これを図15を用いて説明する。図15
(A)の単位ウォータマークW(x,y)が入力された
とき、ウォータマーク反復器103では、単位ウォータ
マークW(x,y)を繰返して、幅width(I)、
高さheight(I)になるようした、図15(B)
のウォータマークWMRが作られる。
【0040】図15(B)は、画像の幅width
(I)、画像の高さheight(I)が、それぞれ、
単位ウォータマークwmの幅および高さLで割り切れる
場合であるが、割り切れない場合には、図15(C)に
示すようなものとなる。
【0041】以上のようにしてウォータマーク反復器1
03のメモリ1031に書き込まれたウォータマークW
MRは、画像入力端子4から入力される画像情報の各画
素位置に応じた座標(x,y)が、順次に、x座標入力
端子11およびy座標入力端子12からメモリ1031
に供給されることにより、読み出される。そして、読み
出された反復ウォータマークWMRは、ウォータマーク
埋め込み器101に渡される。
【0042】一方、画像入力端子4から入力されたベー
スバンド画像情報は、ウォータマーク埋め込み器101
だけでなく、埋め込み量判断器102にも送られる。埋
め込み量判断器102は、入力された画像の特徴を調
べ、付加しても画質に与える影響が少ないウォータマー
クの埋め込み量を画像の各場所について判断し、その量
をウォータマーク埋め込み器101に伝える。
【0043】ウォータマーク埋め込み器101では、ウ
ォータマーク反復器103から入力された反復ウォータ
マークWMRに応じ、画像入力端子4から送られた画像
にウォータマークを埋め込む。そのとき、埋め込み量判
断器102から入力される、埋め込み量の情報に応じて
埋め込み量が調節される。
【0044】ここで、埋め込み量判断器102は、ウォ
ータマーク付加画像の画質を向上させるために必要なも
のであって、反復ウォータマークWMRの付加および検
出をするにあたって必須ではない。例えば、埋め込み量
判断器102を用いずに、ウォータマークパターンによ
って付加することが示されている部分すべてに、同様の
埋め込み量で付加しても、ウォータマークを検出するこ
とに問題は生じない。
【0045】ウォータマーク埋め込み器101で作られ
た反復ウォータマークWMRが付加された画像情報は、
ベースバンド画像出力端子3から出力される。
【0046】ここで、ウォータマーク埋め込み器101
の動作を整理しておく。
【0047】入力画像I(x,y,t)に対して埋め込
み量判断器102で求められた埋め込み量をD(x,
y,t)とすると、埋め込み器101で、指定された量
だけ埋め込む場合、ウォータマーク付加後の画像wmI
(x,y,t)は、 wmI(x,y,t)=I(x,y,t)+repea
tW(x,y)×D(x,y,t) となる。
【0048】すべての画素に、埋め込み量一定にウォー
タマークを付加するとすると、ウォータマーク付加後の
画像wmI(x,y,t)は、定数Dを用い、 wmI(x,y,t)=I(x,y,t)+repea
tW(x,y)×D と表せる。
【0049】次に、ウォータマークベースバンド検出装
置30の従来の構成例を、図16を用いて説明する。
【0050】図16のウォータマークベースバンド検出
装置30は、ベースバンドの画像情報と、単位ウォータ
マークwmのパターンを読み込み、そのベースバンド画
像情報に含まれるウォータマークの情報を出力する装置
である。ウォータマークの情報とは、ウォータマークが
その画像に存在すれば、その単位ウォータマークの検出
された位置のシフト量で、ウォータマークがその画像に
存在しなければ、ウォータマークなしという情報であ
る。単位ウォータマークが検出された位置のシフト量
は、比較する単位ウォータマークwmのパターンと、検
出された画像上のウォータマーク中の単位ウォータマー
クパターンとのずれ量に等しい。
【0051】図16に示すように、ベースバンド画像入
力端子4から入力された画像I(x,y,t)(図17
(A)参照)は、折り畳み累積器301に入力されて、
図17(B)に示すように、単位ウォータマークの大き
さで折り畳んで累積される。式で表すと、折り畳み累積
された結果foldI(x,y)は、次のように表され
る。
【0052】 foldI(x,y)=ΣI(i%L,j%L,t) i%L=x,j%L=y Lは単位ウォータマークwmの縦横の大きさなので、折
り畳み累積結果foldI(x,y)は単位ウォータマ
ークwmと同じ大きさの空間情報である。
【0053】図18は、折り畳み累積器301の従来の
構成例を示すものである。この折り畳み累積器301
は、少なくともL×L要素の単位ウォータマークwm分
の容量を有するメモリ3012と、累積加算器3011
と、メモリ3012用のアドレス設定部3013および
3014とからなる。
【0054】累積加算器3011には、画像入力端子5
からの画像情報が入力されると共に、メモリ3012か
ら読み出された単位ウォータマークwm分の画像要素が
供給されて、累積加算される。そして、この累積加算器
3011の出力がメモリ3012に、アドレス設定部3
013および3014により示されるアドレスに書き込
まれると共に、読み出される。これにより、メモリ30
12から、折り畳み累積画像出力が得られ、出力端子3
3を通じて導出される。
【0055】この場合、入力端子31および32から入
力される画像についての画素の座標(x、y)の座標要
素x、yが、それぞれアドレス設定部3013および3
014に供給される。アドレス設定部3013では、x
%Lなる剰余を求める演算を行い、求めた剰余を、メモ
リ3012にそのアドレスxとして供給し、また、アド
レス設定部3014では、y%Lなる剰余を求める演算
を行い、求めた剰余を、メモリ3012に、そのアドレ
スyとして供給する。このアドレッシングにより、累積
加算器3011およびメモリ3012により、折り畳み
累積が実行される。
【0056】このように単位ウォータマークの大きさ単
位で折り畳んで累積する折り畳み累積を行う場合におい
て、折り畳みの領域ARが、図19(A)に示すよう
に、画像上のウォータマークとの間にシフトがない場合
には、折り畳み累積後の入力画像のウォータマークは、
図19(B)のように、単位ウォータマークwmと全く
同じパターンになる。
【0057】また、折り畳みの領域ARが、図20
(A)に示すように、画像上のウォータマークとの間で
シフトしたものとなっていた場合には、折り畳み累積後
の入力画像のウォータマークは、図20(B)のよう
に、単位ウォータマークwmを分割したパターンを寄せ
集めたようなパターンになる。
【0058】しかし、以上のように折り畳み累積を行う
と、図19のように、ウォータマークを付加したときと
ウォータマークを検出したときの間に画像シフトがない
場合はもちろんこと、図20のように、ウォータマーク
を付加したときとウォータマークを検出したときの間に
シフトがあった場合にも、累積されたウォータマーク成
分は常に同じ位置であるため強調される上、累積回数が
十分多くなると、累積された画像成分は相殺される。
【0059】そこで、入力画像I(x,y,t)にウォ
ータマークが含まれていれば、この折り畳み累積結果f
oldI(x,y)と、単位ウォータマークW(x,
y)をシフトしたものが必ず相関を持つ。この相関を以
下のようにFFT(FastFourier Tran
sform)を用いて調べる。
【0060】すなわち、折り畳み累積器301の出力は
FFT器302に入力され、L×L要素のFFTが施さ
れた後に、畳み込み演算器303に送られる。また、単
位ウォータマーク入力端子6から入力された単位ウォー
タマークwm(=W(x,y))も、FFT器304
で、L×L要素のFFTが施された後に、畳み込み演算
器303に送られる。
【0061】畳み込み演算器303は、上述の2つのF
FT空間の係数に対して畳み込みを行ない、結果を逆F
FT器305に送る。畳み込み演算器303での畳み込
みは、単位ウォータマークwmと、折り畳み後の画像と
について、空間領域での両者の間でのすべてのシフトの
組合せの相関をとることに相当する。
【0062】逆FFT器305では、畳み込み演算器3
03で得られた結果に対して逆FFTを行なうことによ
り空間領域に戻す。この逆FFT器305での逆FFT
で得られた全ての係数の出力を最大値検出器306およ
び分散計算器307に供給する。
【0063】最大値検出器306では、逆FFT器30
5での逆FFTで得られた係数のうちの最大係数を探
し、最大係数とその座標を出力する。
【0064】そして、分散計算器307には、逆FFT
器305からのすべての係数と、最大値検出器306か
らの最大係数の座標値が入力され、係数の最大値以外の
値の分散が計算される。
【0065】また、正規化器308には、分散計算器3
07で計算された分散と、最大値検出器306で見つけ
られた最大係数が入力される。正規化器308の出力
は、最大係数を、分散で割ることによって正規化した値
である。この値は、閾値比較器309に入力され、予め
設定されている閾値と比較される。
【0066】閾値比較器309では、これに入力される
最大値を分散で割った値が閾値よりも小さいときにはウ
ォータマーク無しとみなされ、出力制御器310が制御
されて、ウォータマーク無しという情報が、ウォータマ
ーク情報出力端子6から出力される。
【0067】また、閾値比較器309では、これに入力
される最大値を分散で割った値が閾値よりも大きければ
ウォータマークが入っているとみなされ、出力制御器3
10が制御されて、最大値検出器306で検出された最
大係数の座標、つまり、ウォータマークが入っていた位
置のシフト量がウォータマーク情報出力端子6から出力
される。
【0068】以上のように、図16のウォータマークベ
ースバンド検出装置においては、FFT領域での畳み込
みを用いてすべての可能なシフト量について相関を求
め、その相関の最大値が、しかるべき基準より大きいか
どうかでウォータマークが画像に付加されているかを判
定している。
【0069】ウォータマークが画像に付加されていた場
合に、そのシフト量が情報としてとり出力されるが、ウ
ォータマークの付加時とウォータマークの検出時の間の
シフト量であるので、絶対的な意味を持たせることはで
きない。しかし、次のように相対的な意味を持たせるこ
とができる。
【0070】あるウォータマークと、そのウォータマー
クの各要素に−1を掛けたウォータマーク(つまり反転
パターン)との、2つのウォータマークを、1つの画像
の異なった位相に付加しておく。また、図16の最大値
判定器306を最大値と最小値の両方を抽出する最大・
最小値判定器に置き換え、逆FFT器305からの係数
のうちの最大値あるいは最小値およびその座標を求め
る。そして、求めた最大係数または最小係数を分散によ
って正規化した後、閾値比較器309で最大係数、最小
係数の絶対値が、閾値より大きいどうかを判定し、大き
かった場合、その最大係数が検出されたウォータマーク
と、その最小係数が検出されたウォータマークとの2つ
のウォータマークのシフト量の差を情報とするのであ
る。この情報は相対的なものであるので、画像にシフト
が起こっても変化しない。
【0071】次に、ウォータマークビットストリーム検
出装置40の従来の構成例について、図21を用いて説
明する。
【0072】図21において、ビットストリーム画像入
力端子8には、MPEG符号化器20で符号化された画
像データのビットストリームが入力される。このウォー
タマークビットストリーム検出装置40は、このビット
ストリーム画像と単位ウォータマークwmのパターンと
の入力を受け、画像に付加されているウォータマークの
情報を出力するものである。前述と同様に、ウォータマ
ークの情報とは、ウォータマークがそのビットストリー
ム画像に存在すれば、そのウォータマークの検出された
位置のシフト量であり、ウォータマークがそのビットス
トリーム画像に存在しなければ、ウォータマーク無しと
いう情報である。
【0073】この図21のウォータマークビットストリ
ーム検出装置40は、一部を除くと、図16のウォータ
マークベースバンド検出装置30とほぼ同様の構成とな
る。すなわち、図16の折り畳み累積器301、FFT
器302、畳み込み演算器303、FFT器304、逆
FFT器305、最大値検出器306、分散計算器30
7、正規化器308、閾値比較器309、出力制御器3
10は、図21の折り畳み累積器401、FFT器40
2、畳み込み演算器403、FFT器404、逆FFT
器405、最大値検出器406、分散計算器407、正
規化器408、閾値比較器409、出力制御器410
に、それぞれ対応している。
【0074】図16のウォータマークベースバンド検出
装置30と異なるのは、入力がベースバンド画像データ
からビットストリーム画像データに変わっている点と、
新しく、折り畳み累積器301の前後に、DCT(離散
コサイン変換)係数抽出器411と逆DCT器412が
設けられている点である。以下、図16のウォータマー
クベースバンド検出装置30と異なる点を中心に説明す
る。
【0075】ビットストリーム入力端子8から入力され
たビットストリーム画像データは、DCT係数抽出器4
11で部分的に復号されて、IピクチャのDCT係数が
抽出される。
【0076】ここで、DCT係数に対して逆DCTを施
して空間領域の画素値に変換すれば、以降は図16のウ
ォータマークベースバンド検出装置30と同じ装置で検
出を行なうことが可能である。しかし、計算量を減らす
ために、図21のウォータマークビットストリーム検出
装置40では、DCT係数抽出器411の出力は、折り
畳み累積器401に供給されて、折り畳み累積が行われ
た後に、逆DCT器412に供給されて、逆DCTが行
なわれる。
【0077】ところで、MPEG2のような符号化方式
の場合には、フレームとフィールドの2つのモードのD
CTを適応的に使う。図22は、フレームモードのDC
Tの場合のブロックを示し、また、図23は、フィール
ドモードのDCTの場合のブロックを示している。
【0078】すなわち、フレームモードにおいては、図
22(A)のマクロブロック201は、図22(B)に
示す4個のDCTブロック202,203,204,2
05に分けられる。また、フィールドモードにおいて
は、図23(A)のマクロブロック201は、図23
(B)に示す4個のDCTブロック206,207,2
08,209に分けられる。
【0079】これら図22、図23で表されるように、
フレームDCTを行なうブロックと、フィールドDCT
を行なうブロツクの占める画素の範囲は互いに異なる。
【0080】しかし、縦に2つのDCTブロックを合わ
せた領域が、横×縦=8×16画素の領域であるのは共
通である。そこで、この例では、フレームとフィールド
のどちらのモードでDCTが行なわれた場合にも対応で
きるように、縦に2つのDCTブロックを合わせた8×
16画素の領域を1つの単位の符号化ブロックとして扱
う。
【0081】画像をこの符号化ブロック(DCTブロッ
ク)に分割したとき、横方向にx番目で、縦方向にy番
目のブロック、つまり横8x、縦16yの座標の画素か
らはじまる2つのDCTの係数の組を、フレームDCT
が使われているときと、フィールドDCTが使われてい
るときとに分けて、それぞれ、FrDCT(x,y,
t)、FiDCT(x,y,t)とする。ただし、番号
の数え方は0番目からはじまるものとする。
【0082】折り畳み累積器401では、これらのDC
T係数をDCT係数抽出器411から受取り、折り畳み
累積して逆DCT器412に渡す。その折り畳み累積し
たものを、それぞれfoldFrDCT(x,y)、f
oldFiDCT(x,y)とすると、次の式で表され
る。
【0083】foldFrDCT(x,y)=ΣFrD
CT(i,j,t) i%(L/8)=x,j%(L/16)=y foldFiDCT(x,y)=ΣFiDCT(i,
j,t) i%(L/8)=x,j%(L/16)=y ただし、このDCT領域のまま折り畳み累積ができるた
めに、L/8、L/16は、割り切れて整数であるもの
とする。
【0084】例えば、図24の場合、単位ウォータマー
クの大きさL=32である。この場合には、単位ウォー
タマークの範囲において、図24(A)に示すように、
横方向に4(=L/8)、縦方向に2(=L/16)の
8×16画素の符号化ブロックが存在している。この場
合、L/8=4、L/16=2となって割り切れるの
で、DCT領域のまま折り畳み累積ができる。すなわ
ち、単位ウォータマークのL×Lの領域の範囲内の8個
の8×16画素のブロックについて、図24(B),
(C)に示すように、フレームDCTとフィールドDC
Tとに分けて累積するのである。
【0085】逆DCT器412では、折り返し累積器4
01の出力の累積されたDCT係数を逆DCTして空間
領域に戻し、FFT器402に送る。FFT器402に
送られる値は、要素数がL×Lで、それぞれが画素値の
和であり、図16の折り畳み累積器の出力と同じであ
る。以降はべースバンドの場合と同じである。
【0086】以上のようなウォータマークの付加装置お
よび検出装置においては、FFT空間に写像し、FFT
空間における畳み込みによって空間上での探索を行なう
方法により、ウォータマークの画像全体に渡ってのシフ
トを検出することを可能にしている。また、画像を折り
畳み累積した後に、FFTをかけることにより、そのF
FTの演算量を減らすようにしている。
【0087】
【発明が解決しようとする課題】ところで、動画像の形
式には、通常解像度のSD(Standard Def
inition)、高解像度のHD(High Def
inition)などの複数の解像度がある。また、S
DおよびHDの中においても更に細分化され、図25の
表のような解像度が一般的に用いられている。
【0088】ここで、図25の表に記述されているレタ
ーボックス変換、パンスキャンについて簡単に説明す
る。
【0089】図26(A)、(B)に示すように、ビデ
オ素材と映画素材の画像の横対縦の比は、それぞれ、
4:3と16:9である。映画素材をビデオ素材に変換
して記録する方法として、主に次の2つの方法が使われ
ている。
【0090】1つ目は、図27(A)の画枠の映画素材
を、図27(C)に示されるように、ビデオ画像の上下
を余らせ、中央部分の16:9の領域に画像を表示する
方法である。上下に余った部分は通常、黒で埋められ
る。この表示方法はレターボックス(letter b
ox)表示と呼ばれ、その画像はレターボックス画像と
呼ばれている。
【0091】2つ目は、図27(A)の画枠の映画素材
を、図27(B)の左下側に示されるように、横方向に
3/4倍に縮小してビデオ画像の全域(4:3の領域)
に表示する方法である。画像は横方向に縮められてい
て、この表示方法はスクイズ(squeeze)表示と
呼ばれ、その画像はスクイズ画像と呼ばれている。
【0092】スクイズ画像をレターボックス画像に変換
することを、レターボックス変換という。レターボック
ス変換は、図27(B),(C)の2つの図で示される
ように、図27(B)のスクイズ画像を縦方向に3/4
倍に縮小する変換である。前述したように、スクイズ画
像は、横方向に3/4倍に縮められており、物体は実際
よりも細く写っているため、観賞のために画像を表示す
るときには、レターボックス変換を行なう必要がある。
【0093】映画素材をそのまま表示すれば観賞できる
ということは、レターボックス画像の利点である。一
方、スクイズ画像には、ビデオの画枠の縦方向の解像度
が有効に使われている分、画質がよいという利点があ
る。レターボックス画像では上下に有効に使われていな
い画素がある分、画質は劣る。
【0094】パンスキャン(Pan Scan)には、
図26(A)が該当する。パンスキャンは、図26
(B)の16:9の映画素材の画枠から、左右の画像部
分を切り落として4:3の領域として取り出すものであ
る。左右の画像部分が切り落とされているため、情報が
失われているが、4:3の画枠中の画素がすべて有効に
使われ、かつ、そのまま表示して観賞可能なため、この
パンスキャンが使われる機会は多い。
【0095】ところで、上述のような解像度変換を行な
ったときに、画像に埋め込まれたウォータマークが検出
できなくなり、著作権情報などの付随情報を取り出すこ
とができなくなる事態が生じると、それは問題である。
この問題を解決する方法として、次の2つの方法が考え
られる。
【0096】第1の解決策は、解像度変換の前後のそれ
ぞれの解像度用に別々のウォータマークを付加するとい
う方法である。第2の解決策は、1つの解像度において
付加したウォータマークを他の解像度においても検出で
きるようにするという方法である。
【0097】第1の解決策においては、解像度変換の前
後の別々のウォータマークを空間的または時間的に画像
の別々の場所に付加する方法と、空間的にも時間的にも
画像の同一の場所に付加する方法とが考えられる。空間
的または時間的に別々の場所に付加する場合には、それ
ぞれのウォータマークについて、単位時間当たりに付加
できる量が減るので、同じ時間内で検出するには検出精
度が落ち、同じ検出精度を保つには検出時間が延びると
いう欠点がある。
【0098】一方、空間的にも時間的にも同一の場所に
付加する場合には、2つのウォータマークの信号が画像
に重ねて加えられるため、ウォータマークのパターン
が、もともとの画像に加えられたノイズとして見えやす
くなり、画質の劣化になってしまうという問題がある。
【0099】また、第1の解決策を用いた場合、解像度
変換が行なわれる可能性のあるものとして想定される全
ての解像度に対して別々のウォータマークを付加するこ
とが必要になるため、対応させる解像度が増えるほど、
検出精度、検出時間、画質の犠牲が大きくなるという問
題がある。
【0100】そこで、第2の解決策の、1つの解像度に
おいて付加したウォータマークを他の解像度においても
検出できるようにするという方法が重要である。
【0101】ベースバンドにおける検出については、検
出装置への入力画像(解像度変換後の画像)を、あらか
じめフィルタによって元の解像度(解像度変換前の画
像)に戻してから通常のウォータマーク検出装置に入力
するという方法が考えられていた。
【0102】例えば、SDの最も一般的な解像度であ
る、横720画素、縦480画素(あるいはライン、以
下同じ)の形式から、横の大きさが、その2/3の横4
80画素、縦480画素の形式への解像度変換を行なっ
たときのウォータマークの検出について考える。
【0103】解像度変換前の横720画素、縦480画
素の形式でウォータマークを付加しておき、横480画
素、縦480画素の形式に解像度変換された後で検出す
るには、ベースバンドにおいては、検出装置への入力画
像を、あらかじめ拡大フィルタを用いて横方向に3/2
倍しておき、通常のウォータマーク検出装置に入力して
検出するのである。
【0104】しかしながら、この方法は、解像度変換を
行った画像に対して、ウォータマークの検出のために、
再び、元の解像度に戻すのと等しい処理が必要になって
しまい、構成が複雑となる。また、DCT係数に対して
DCT領域で解像度変換のフィルタをかけるのは困難で
あるので、ビットストリームにおけるウォータマーク検
出は、この方法では事実上不可能であるという問題があ
る。ビットストリームからベースバンドの画像を復号す
る方法もあるが、それでは、復号の処理量が大きいため
好ましくない。
【0105】この発明は、以上のような第1の解決策の
問題点および第2の解決策の問題点にかんがみ、ベース
バンドでも、また、ビットストリームでも、解像度変換
を行う前と後の双方において同一のウォータマークの検
出が可能であって、しかも、検出精度の低下、検出時間
の増加、画質の劣化、検出処理量の増加を押えることが
できるようにする方法および装置を提供することを目的
とする。
【0106】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1の発明による付随情報付加装置は、画像の
一部の縦×横=M×N(M,Nは正の整数)個の画素か
らなる小領域に対応する大きさの単位ウォータマークパ
ターンを発生する単位ウォータマークパターン発生手段
と、前記単位ウォータマークパターン発生手段からの単
位ウォータマークパターンを縦横に反復した反復ウォー
タマークを発生するウォータマーク反復手段と、前記ウ
ォータマーク反復手段からの前記反復ウォータマークを
前記画像に付加するウォータマーク埋め込み手段とを備
える付随情報付加装置であって、前記単位ウォータマー
クパターン発生手段では、前記画像について解像度変換
が行なわれることが想定されているすべての解像度にお
いて、前記単位ウォータマークの縦、横の大きさが、画
像符号化における符号化ブロックの大きさの整数倍とな
るように前記単位ウォータマークパターンの大きさが決
められることを特徴とする。
【0107】この請求項1の発明による付随情報付加装
置によれば、単位ウォータマークパターンの大きさが、
解像度変換が想定される全ての解像度において、画像符
号化における符号化ブロックの大きさの整数倍となって
いるので、付随情報の検出時には、画像情報の解像度が
別れば、その解像度における単位ウォータマークが符号
化ブロックの何倍であるかを知ることができ、その単位
ウォータマーク分の整数個の単位ウォータマーク分の符
号化ブロックの単位で、折り畳み累積が可能になる。
【0108】また、ビットストリームでも、符号化ブロ
ックの整数倍の単位ウォータマークパターンについて折
り畳み累積を行って、ウォータマークの検出ができる。
【0109】また、請求項3の発明による付随情報付加
装置は、画像の一部の縦×横=M×N(M,Nは正の整
数)個の画素からなる小領域に対応する大きさの単位ウ
ォータマークパターンを発生する単位ウォータマークパ
ターン発生手段と、前記単位ウォータマークパターン発
生器からの単位ウォータマークパターンを縦横に反復し
た反復ウォータマークを発生するウォータマーク反復手
段と、前記ウォータマーク反復手段からの前記反復ウォ
ータマークを前記画像に付加するウォータマーク埋め込
み手段とを備える付随情報付加装置であって、前記単位
ウォータマークパターン発生手段では、前記画像につい
て解像度変換が行なわれることが想定されているすべて
の解像度のうちの選定された複数の解像度において、前
記単位ウォータマークの縦、横の大きさが、画像符号化
における符号化ブロックの大きさの整数倍となるように
前記単位ウォータマークパターンの大きさが決められる
ことを特徴とする。
【0110】請求項1の発明の場合には、解像度変換が
想定される全ての解像度について、符号化ブロックの大
きさの整数倍となるように単位ウォータマークパターン
の大きさを選定するため、単位ウォータマークパターン
の大きさが大きくなるおそれがある。
【0111】これに対して、この請求項3の発明におい
ては、例えば解像度変換が頻繁に行われるであろう解像
度についてのみ、単位ウォータマークパターンの大きさ
が、符号化ブロックの大きさの整数倍とするようにした
ことにより、単位ウォータマークパターンの大きさを、
請求項1の発明の場合よりも小さくすることができる。
このため、ウォータマークの検出時、折り畳み累積のた
めのメモリ容量を小さくすることができる。
【0112】
【発明の実施の形熊】以下、この発明の実施の形態を、
図を参照しながら説明する。以下に説明する実施の形態
においても、ウォータマークの付加および検出に関する
情報の流れは、解像度変換に関する部分を除く部分に関
しては、図12に示したものと同一であるとしている。
そこで、図面上、従来例として前述した部分と対応する
部分には、同一番号および記号を付与し、実施の形態の
説明の理解が容易となるようにする。
【0113】そして、以下の実施の形態の説明では、フ
レーム、フィールドのDCTを適応的に使うMPEG2
を想定し、画像符号化の符号化ブロックとして、横×縦
=8画素×16画素の大きさのブロックを用いる場合と
して記述する。なお、説明が冗長になるのを避けるた
め、符号化ブロックは、単にブロックと記述する。
【0114】[第1の実施の形態]第1の実施の形態
は、ウォータマークを付加した画像が複数の解像度に相
互変換される場合に、符号化したビットストリーム上で
ウォータマークを容易に検出できるようなウォータマー
クを付加するウォータマーク付加装置である。
【0115】この第1の実施の形態において、以下、具
体例をあげるときには、想定された全ての解像度が、横
720画素、縦480画素と、横480画素、縦480
画素との2種類であって、その間で相互に解像度変換さ
れる場合に対応したウォータマークの付加について記述
することとする。
【0116】図1は、第1の実施の形態の付随情報付加
装置の例としてのウォータマーク付加装置のブロック図
である。図1において、従来の技術の欄で説明した図1
3に示した従来のウォータマーク付加装置と対応する部
分には同一番号を付すものとする。
【0117】図1において、従来例との相違は、単位ウ
ォータマーク生成器14が設けられ、この単位ウォータ
マーク生成器14からの単位ウォータマークがウォータ
マーク反復器13に供給されている点である。以下、従
来例との相違点である、単位ウォータマーク生成器14
を中心に説明する。
【0118】単位ウォータマーク生成器14には、横方
向解像度入力端子15から、画像について解像度変換が
行なわれる可能性があり、対応すべき解像度の横方向の
すべての解像度(画素数)が入力されるとともに、縦方
向解像度入力端子16から、画像について解像度変換が
行なわれる可能性があり、対応すべき解像度の縦方向の
すべての解像度(画素数あるいはライン数)が入力され
る。
【0119】これらの横方向および縦方向の解像度は、
単位ウォータマーク生成器14では、それぞれ横方向L
CM(Least Common Multiple;
最小公倍数)計算器141および縦方向LCM計算器1
42に入力される。
【0120】横方向LCM計算器141では、これに入
力された複数個の解像度と、通常の横方向の解像度(7
20画素)との比の通常の横方向の解像度側の項を生成
し、その最小公倍数を計算する。
【0121】縦方向LCM計算器142では、これに入
力された複数個の解像度と、通常の縦方向の解像度(4
80画素)との比の通常の縦方向の解像度側の項を生成
し、その最小公倍数を計算する。
【0122】上述した例の場合、横方向の解像度は、7
20画素と、480画素であるので、横方向LCM計算
器141では、通常の解像度は720画素であることか
ら、1(720:720=1:1)と3(720:48
0=3:2)の最小公倍数を計算して3を出力する。ま
た、縦方向の解像度は、480画素と480画素である
ので、縦方向LCM計算器142では、1(480:4
80=1:1)と1(480:480=1:1)の最小
公倍数を計算して1を出力する。
【0123】単位ウォータマーク生成器14には、ま
た、画像入力端子1から入力されるウォータマークを付
加するべき入力画像が入力される。入力画像は、単位ウ
ォータマーク生成器14の横方向解像度計算器143お
よび縦方向解像度計算器144に入力されて、横方向お
よび縦方向の解像度が算出される。
【0124】そして、演算器145では、横方向LCM
計算器141の出力の最小公倍数に、通常の横方向の解
像度と横方向解像度計算器143で算出された解像度と
の比を掛けたものが求められ、その演算出力が、横方向
の単位ウォータマークの大きさとしてPN発生器147
に入力される。また、演算器146では、縦方向LCM
計算器142の出力の最小公倍数に、通常の縦方向の解
像度と縦方向解像度計算器144で算出された解像度と
の比をかけたものが求められ、その演算出力が、縦方向
の単位ウォータマークの大きさとしてPN発生器147
に入力される。
【0125】具体例を挙げると、上述の例の場合は、横
方向の単位ウォータマークの大きさは、3(=3×72
0/720)ブロックで、縦方向の単位ウォータマーク
の大きさは、1(=1×480/480)ブロックであ
る。
【0126】PN発生器147は、入力された単位ウォ
ータマークの大きさに合わせてウォータマークをPN系
列によって発生する。そして、PN発生器147は、発
生したPN系列からなる単位ウォータマークをウォータ
マーク反復器13に供給する。以降の処理は、図13に
おいて、単位ウォータマークが単位ウォータマーク入力
端子2からの入力であるとしたものと同じである。
【0127】上述の例の場合の単位ウォータマークの大
きさの具体例を図2に示す。すなわち、図2(A)の例
に示すように、単位ウォータマークの大きさは、横72
0画素、縦480画素の解像度のときには、横3ブロッ
ク、縦1ブロックであり、また、横480画素、縦48
0画素の解像度のときには、横2ブロック、縦1ブロッ
クとなる。どちらの解像度のときにも、単位ウォータマ
ークの大きさが、16画素×8画素の大きさの符号化ブ
ロックの整数倍になっている。
【0128】ところで、実際には、2つのLCM計算器
141、142においては、厳密に最小公倍数を計算し
なくても、公倍数を計算するようにしてもよい。例え
ば、横方向の公倍数として6を、縦方向の公倍数として
2を使うとする。この場合、図2(B)に示されるよう
に、単位ウォータマークの大きさは、横720画素、縦
480画素の解像度のときには、横6ブロック、縦2ブ
ロックであり、横480画素、縦480画素の解像度の
ときには、横4ブロック、縦2ブロックとなる。どちら
の解像度のときにも、単位ウォータマークの大きさが符
号化ブロックの大きさの整数倍になっている。
【0129】なお、単位ウォータマークの要素数が同じ
であれば、実際の系列はPN発生以外の方法によって生
成してもよい。更に、符号化ブロックの大きさが、横8
画素×縦16画素以外の大きさであってもよいことはい
うまでもない。
【0130】また、上述の例は、2つの解像度について
の例であったが、3つ以上の解像度を、横方向解像度入
力端子15および縦方向解像度入力端子16から入力し
てもよい。その場合の単位ウォータマーク生成器14の
動作は、2つの解像度が入力されたときと同様で、それ
ぞれ、2つの数の最小公倍数を計算していて、2つのL
CM計算器141、142が、3つ以上の数の最小公倍
数を計算するように変わるだけである。
【0131】更に、上述の例では、横方向および縦方向
で取り得る全ての解像度の値を横方向解像度入力端子1
5および縦方向解像度入力端子16から入力するように
したが、通常、1つの使用目的のなかでは、取り得る解
像度は、ある集合に固定しているため、あらかじめ最小
公倍数を計算して、単位ウォータマーク生成器14中に
埋め込んでおけば、2つのLCM計算器141、142
は不要である。
【0132】なお、図25の表のすべての解像度に対応
するために必要な単位ウォータマークパターンの大きさ
を求めると次のようになる。
【0133】まず、横方向については、通常の解像度
(720画素)との比は、次のようになる。 720:1920=3: 8 720:1440=1: 2 720:1280=9:16 720:1080=2: 3 720: 960=3: 4 720: 720=1: 1 720: 640=8: 7 720: 544=4: 3 720: 480=3: 2 720: 360=2: 1
【0134】よって、この場合の横方向LCM計算器1
41で得られる最小公倍数は、3、1、9、2、3、
1、8、4、3、2の最小公倍数の72である。
【0135】また、縦方向については、通常の解像度
(480画素)との比は、次のようになる。 480:1080= 4:9 480: 720= 2:3 480: 576= 5:6 480: 480= 1:1 480: 432=10:9 480: 360= 4:3
【0136】よって、この場合の縦方向LCM計算器1
42で得られる最小公倍数は、4、2、5、1、10、
4の最小公倍数の20である。ゆえに、単位ウォータマ
ークパターンの大きさは、横72ブロック、縦20ブロ
ック、すなわち横576画素、縦360画素である。
【0137】[第2の実施の形態]第2の実施の形態
は、第1の実施の形態のウォータマーク付加装置で付加
されたウォータマークを、対応する解像度に変換した場
合において、ビットストリームにおけるウォータマーク
検出が可能である付随情報検出装置としてのウォータマ
ーク検出装置である。
【0138】この付随情報検出装置の実施の形態として
のウォータマークビットストリーム検出装置のブロック
図を、図3に示す。
【0139】従来例として示した図21のウォータマー
クビットストリーム検出装置との相違点は、解像度比算
出器421と、単位ウォータマークサイズ算出器422
と、解像度変換器423とが追加されている点である。
以下、従来例との相違点である、解像度比算出器421
と、単位ウォータマークサイズ算出器422と、解像度
変換器423とを中心に説明する。
【0140】解像度比算出器421は、入力端子8を通
じたビットストリームから、入力画像の縦横の大きさを
抽出して、通常の画像の解像度(横720画素、縦48
0画素)との比を求め、それを折り畳み累積器401と
解像度変換器423とに送る。また、単位ウォータマー
クサイズ算出器422では、単位ウォータマークの大き
さ(縦横の画素数)を抽出して、それを折り畳み累積器
401に送る。
【0141】折り畳み累積器401では、縦、横、それ
ぞれ、単位ウォータマークサイズ算出器422からの単
位ウォータマークの大きさに、解像度比算出器421か
らの実際の画像の解像度と通常の画像の解像度との比を
掛けた値を、累積する折り畳み単位領域の大きさとし
て、その折り畳み単位領域毎にDCT係数のまま、フレ
ームDCTとフィールドDCTとに分けて累積を行な
う。
【0142】例えば、入力画像データとして、前述した
第1の実施の形態の例でウォータマークを付加した画像
を、横480画素、縦480画素に縮小して符号化した
ビットストリームを考える。このビットストリーム画像
データが、入力端子8からの入力になっている場合であ
れば、解像度比算出器421では、入力ビットストリー
ムから横480画素、縦480画素の解像度が抽出され
る。そして、このときに単位ウォータマークサイズ算出
器422で算出される単位ウォータマークの大きさは、
横3ブロック、縦1ブロックであるので、折り畳み累積
器401で折り畳む、折り畳み単位領域の大きさは、横
2(=3×480/720)ブロック、縦1(=1×4
80/480)ブロックである。
【0143】この場合、折り畳み累積の大きさは、符号
化ブロックの整数倍であり、符号化ブロック毎にDCT
係数の累積ができるため、正しくウォータマークを検出
できる。
【0144】もし、この大きさが符号化ブロックの整数
倍でなかった場合には、符号化ブロック毎のDCT係数
の累積ができなくなる。図4(A)は、単位ウォータマ
ークが符号化ブロックの整数倍の場合で、図4(B)
は、単位ウォータマークが符号化ブロックの整数倍にな
っていない場合の例である。図4において、太線で囲わ
れる「WM」の文字パターン部分が単位ウォータマーク
wmである。
【0145】図4(B)では、太線で示す単位ウォータ
マークwmの境界と、細線の16画素×8画素の符号化
ブロックの境界が順次ずれていくため、各単位ウォータ
マークwmのDCT係数をそのまま累積することはでき
ない。
【0146】折り畳み累積器401で折り畳み累積され
たDCT係数は、逆DCT器412に送られ、逆DCT
が行なわれる。逆DCTの結果は、解像度変換器423
に入力される。解像度変換器423では、入力された画
像領城のデータを、通常の解像度(横720画素、縦4
80画素)に変換する。そのときの変換比率は、解像度
比算出器421から知らされる。この例の場合、入力画
像の解像度が、横480画素、縦480画素であること
から、横方向に3/2(=720/480)倍、縦方向
に1(=480/480)倍であることが知らされる。
【0147】解像度変換器423で得られた、通常の解
像度の単位ウォータマークと同じ要素数の画像領域のデ
ータは、FFT器402に送られ、そのFFTの結果が
畳み込み演算器403に供給される。また、単位ウォー
タマークサイズ算出器422を通じた単位ウォータマー
クがFFT器404に供給され、そのFFT結果が畳み
込み演算器403に供給される。以降の処理は、図21
の従来例と同じである。
【0148】また、例えば、入力画像データが、前述し
た第1の実施の形態の例でウォータマークを付加した画
像を、横720画素、縦480画素の解像度のまま符号
化したビットストリームの場合であれば、折り畳み累積
器401で折り畳む大きさは、横3(=3×720/7
20)ブロック、縦1(=1×480/480)ブロッ
クである。また、解像度変換器423による拡大率は、
横方向に1(=720/720)倍、縦方向に1(=4
80/480)倍である。
【0149】これは、従来例として示した図21の場合
の動作と同じであり、正しくウォータマークを検出でき
る。このように、この実施の形態では、どちらの解像度
の場合にも、ビットストリームを完全に復号してベース
バンドに戻すなどの計算コストを使わずに、正しくウォ
ータマークを検出できる。
【0150】実際の画像の符号化ブロックの数は、画像
の大きさが、横480画素、縦480画素で、符号化ブ
ロックの大きさが、横8画素、縦16画素であるので、
1800(=480×480/8/16)である。折り
畳み累積をせずに、すべてのブロックに対して、逆DC
Tを行なうと、各ブロックで8×8の逆DCTが2回必
要なので、1フレーム当たり、3600回の逆DCTが
必要になる。
【0151】この実施の形態では、折り返し累積を、フ
レームDCT、フィールドDCT、それぞれ3つの符号
化ブロックを単位として折り返し累積しているので、1
フレーム当たり12回の逆DCTで済む。また、複数フ
レーム累積してから始めて逆DCTを行なってもよいの
で、逆DCTの数を更に減らすことができるという利点
もある。
【0152】なお、第1の実施の形態の付加装置で付加
されたウォータマークを検出するウォータマークベース
バンド検出装置の構成は、図3のDCT係数抽出器41
1と、逆DCT器412とを除いたブロック構成により
実現することが可能である。
【0153】また、以上の実施の形態は、入力画像デー
タがビットストリームの場合であるので、解像度変換を
折り畳み累積の後になっているが、ベースバンドの画像
データが入力である場合には、解像度変換を行った後
に、折り畳み累積をすることができる。その場合には、
解像度変換を行った後には、特定の解像度の画像データ
になるため、単位ウォータマークの大きさは、その特定
の解像度の画像について定められているものを用いれば
よく、解像度比算出器や、単位ウォータマークサイズ算
出器は、不要となる。
【0154】[第3の実施の形態]第3の実施の形態
は、第1の実施の形態と同様、ウォータマークを付加し
た画像が複数の解像度に変換される場合に、符号化した
ビットストリーム上でウォータマークを容易に検出でき
るようなウォータマークを付加するウォータマーク付加
装置である。
【0155】第1の実施の形態では、想定される画像の
解像度変換の全てを考慮に入れて、単位ウォータマーク
パターンの大きさを決定したのに対して、この第3の実
施の形態では、それ程頻繁に用いられない解像度は考慮
に入れずに、単位ウォータマークパターンの大きさを決
定するようにするものである。
【0156】したがって、ウォータマーク付加装置のブ
ロック図は、第1の実施の形態で説明した図1のブロッ
ク図と同様である。ただし、横方向解像度入力端子15
および縦方向解像度入力端子16には、想定される全て
の解像度が入力されるわけではなく、全ての解像度の中
から、予め選択された複数の解像度が入力される点が異
なる。この点が異なるのみで、ウォータマーク付加装置
としての動作も、前述した第1の実施の形態の場合と同
じである。
【0157】第3の実施の形態において、上述のように
する理由を、以下に説明する。図5は、第1の実施の形
態において、横720画素、縦480画素の解像度の画
像と、横480画素、縦480画素の解像度の画像に加
えて、横1280画素、縦720画素の解像度の画像に
ついても対応した場合の、それぞれの解像度での単位ウ
ォータマークである。
【0158】前述した図2の例と比べると、図5の例の
場合には、横1280画素、縦720画素の解像度の画
像を加えたことにより、横720画素、縦480画素に
おける単位ウォータマークの大きさも、横480画素、
縦480画素における単位ウォータマークの大きさも、
共に、6倍の符号化ブロック数に増えることになる。
【0159】このように、第1の実施の形態の場合に
は、想定される全ての解像度を考慮して単位ウォータマ
ークの大きさを決めるため、最小公倍数の符号化ブロッ
クとしても、大きなものとなってしまう。そして、単位
ウォータマークを構成する符号化ブロック数が増えるほ
ど、ウォータマーク付加装置のウォータマーク反復器の
メモリおよびウォータマーク検出装置での折り畳み累積
器でのメモリの使用量が増え、さらに、ウォータマーク
検出装置では、逆DCTの回数も増え、装置が大型かつ
コスト高になってしまう。メモリの使用量と、逆DCT
の回数を減らすことが、この第3の実施の形態の目的で
ある。
【0160】この第3の実施の形態では、図1のウォー
タマーク付加装置のブロック図において、横方向解像度
入力端子15および縦方向解像度入力端子16にすベて
の解像度が入力されるわけではない。この例では、前述
の図5の例の場合の横1280画素の情報を、横方向L
CM計算器141に入力しない。一方、縦方向CM計算
器142には、480画素、480画素、720画素が
入力される。
【0161】したがって、この例の場合の横方向の解像
度は、720画素と、480画素であるので、3(72
0:480=3:2)と、1(720:720=1:
1)で、第1の実施の形態と同じく横方向の最小公倍数
は3となる。また、縦方向の解像度は、480画素(ま
たはライン)と、480画素(またはライン)と、72
0画素(またはライン)であるので、1(480:48
0=1:1)と1(480:480=1:1)と2(4
80:720=2:3)で、縦方向の最小公倍数は2と
なる。
【0162】単位ウォータマークの大きさは、 入力画像の解像度が横720画素、縦480画素のと
き、横方向3(=3×720/720)ブロック、縦方
向2(=2×480/480)ブロック、 入力画像の解像度が横480画素、縦480画素のと
き、横方向2(=3×480/720)ブロック、縦方
向2(=2×480/480)ブロック、 入力画像の解像度が横1280画素、縦720画素のと
き、横方向5.333(=3×1280/720)ブロ
ック、縦方向2(=2×720/480)ブロック である。横1280画素、縦720画素のときの横方向
以外は、単位ウォータマークの大きさは、ブロックの大
きさの整数倍になっている。
【0163】第1の実施の形態の説明の最後の部分で述
べたように、表1のすべての解像度に対応するために必
要な単位ウォータマークの大きさは、横方向に576画
素(符号化ブロックの72個分)と、ある程度大きいも
のとなってしまう。これを、この第3の実施の形態のよ
うに、横1280画素の解像度を横方向LCM計算器に
渡さないとすれば、単位ウォータマークの大きさは、
3、1、2、3、1、8、4、3、2の最小公倍数の2
4個の符号化ブロック数となり、画素数としては192
画素になり、小さくすることができる。
【0164】[第4の実施の形態]第4の実施の形態
は、第3の実施の形態のウォータマーク付加装置で付加
されたウォータマークを、対応する解像度に変換した場
合において、ビットストリームにおけるウォータマーク
検出が可能である付随情報検出装置としてのウォータマ
ーク検出装置である。
【0165】この付随情報検出装置の実施の形態として
のウォータマークビットストリーム検出装置のブロック
図を、図6に示す。第2の実施の形態の図3の検出装置
のブロック図との相違点は、解像度変換器423が折り
畳み/解像度変換器424に置き換わっている点および
折り畳み累積器401の動作が少し異なる点である。以
下、従来例との相違を中心に説明する。
【0166】解像度比算出器421は、ビットストリー
ムから画像の縦、横の大きさを抽出して、通常の解像度
(横720画素、縦480画素)との解像度比を求め、
それを折り畳み累積器401と、折り畳み/解像度変換
器424とに送る。また、単位ウォータマークサイズ算
出器422では、単位ウォータマークの大きさ(縦横の
画素数)を抽出して、折り畳み累積器401に送る。
【0167】折り畳み累積器401では、縦、横、それ
ぞれ、単位ウォータマークの大きさに、実際の画像の解
像度と通常の画像の解像度(横720縦480画素)と
の比を掛けた値を、累積する折り畳み単位領域の大きさ
として、その折り畳み単位領域毎にDCT係数のまま累
積を行なう。
【0168】ただし、この場合に、折り畳み累積器40
1では、この折り畳み単位領域の大きさとなるべき値
が、符号化ブロックの大きさの整数倍でなかった場合に
は、その値が整数になるように任意の整数を掛ける。こ
の場合に掛け算する数値としては、小さな数を用いた方
が、メモリ使用量が少なく、計算量も多少ない。
【0169】例えば、入力画像データとして、前述の第
3の実施の形態の例でウォータマークを付加した画像
を、横1280画素、縦720画素に拡大して符号化し
たビットストリームを考えらる。このビットストリーム
画像データが、入力端子8からの入力になっている場合
であれば、解像度比算出器421では、入力ビットスト
リームから横1280画素、縦720画素の解像度が抽
出される。
【0170】そして、このときに単位ウォータマークサ
イズ算出器422で算出される単位ウォータマークの大
きさは、横3ブロック、縦2ブロックであるので、折り
畳み累積器401で折り畳む、折り畳み単位領域の大き
さは、横が5.333(=3×1280/720)ブロ
ックとなり、整数にならない。そこで、この例では、整
数3をかけて16ブロックで折り畳むようにする。縦に
ついては、3(=2×720/480)ブロックとな
り、符号化ブロックの整数倍の大きさであるので、その
まま用いる。
【0171】また、横720画素、縦480画素および
横480画素、縦480画素のデータが入力された場合
には、折り畳み単位領域の大きさは、それぞれ、横3
(=3×720/720)ブロック、縦2(=2×48
0/480)ブロック、および、横2(=3×480/
720)ブロック、縦2(=2×480/480)ブロ
ックである。
【0172】これらを図示すると図7に示すようにな
る。この例では、横1280画素、縦720画素の解像
度のときに、前述のように横方向が5.333ブロック
となるので、それを整数になるように3倍して16ブロ
ックとしたが、これは、単位ウォータマーク1つでは符
号化ブロックと周期が合わないが、単位ウォータマーク
3つでは符号化ブロックと周期が合うからである。
【0173】この第4の実施の形態の場合、横1280
画素、縦720画素の解像度のときには、第2の実施の
形態と単位ウォータマークの大きさは同じで、横720
画素、縦480画素および横480縦480画素の解像
度のときには、単位ウォータマークの横方向のブロック
数を1/3に減らすことにより、メモリ使用量を減ら
し、逆DCTなどの演算を減らしている。
【0174】横1280画素、縦720画素の解像度の
ときには、逆DCTが終った後、通常より解像度が横方
向に3倍に大きくなっているので、折り畳み/解像度変
換器424において、解像度変換の直前に1/3に折り
畳みを行なう。以降は図3に示した第2の実施の形態と
同じである。
【0175】なお、第3の実施の形態の付加装置で付加
されたウォータマークを検出するウォータマークベース
バンド検出装置の構成は、図6のDCT係数抽出器41
1と、逆DCT器412とを除いたブロック構成となる
ものである。
【0176】なお、第3の実施の形態の付加装置で付加
されたウォータマークを検出するウォータマークベース
バンド検出装置の構成は、前述の第2の実施の形態の場
合と同様にして、図6のDCT係数抽出器411と、逆
DCT器412とを除いたブロック構成により実現する
ことが可能である。
【0177】また、以上の第4の実施の形態の説明は、
入力画像データがビットストリームの場合であるので、
解像度変換を折り畳み累積の後になっているが、ベース
バンドの画像データが入力である場合には、解像度変換
を行った後に、折り畳み累積をすることができる。その
場合には、解像度変換を行った後には、特定の解像度の
画像データになるため、単位ウォータマークの大きさ
は、その特定の解像度の画像について定められているも
のを用いればよく、解像度比算出器や、単位ウォータマ
ークサイズ算出器は、不要となる。
【0178】[第5の実施の形態]第5の実施の形態
は、ウォータマークを付加した画像に解像度変換が行な
われた場合にも、ウォータマークによる付随情報を検出
することができることを特徴とする不正利用防止システ
ムである。この不正利用防止システムには、不正コピー
防止システムを含み、ウォータマーク検出装置で検出し
たウォータマークの情報に基づき、ベースバンド画像情
報あるいはビットストリーム画像情報の再生や、複製記
録への利用を行わせるかどうかを制御する。
【0179】この第5の実施の形態は、ウォータマーク
付加装置として、第1の実施の形態または第3の実施の
形態のウォータマーク付加装置を用い、また、ウォータ
マークビットストリーム検出装置として、第2の実施の
形態または第4の実施の形態のウォータマーク検出装置
を用いるものである。
【0180】前述の第1〜4の実施の形態で記述したよ
うに、このシステムによれば、解像度変換が行なわれた
場合にもウォータマークによって付随情報を検出するこ
とができる。
【0181】
【発明の効果】以上で説明したように、この発明のウォ
ータマーク検出装置および検出方法では、単位ウォータ
マークの大きさが解像度変換の前においても、後におい
ても、画像の圧縮符号化の際の符号化ブロックの整数倍
になるようにしたことにより、解像度変換の前後いずれ
においても、ビットストリームにおけるウォータマーク
検出が、検出精度の低下、検出時間の増加、画質の劣
化、検出の処理量を押えながら可能になる。
【0182】また、使われることが少ない解像度がある
場合においては、単位ウォータマークの大きさとして、
その解像度においては符号化ブロックの整数倍以外の値
を許すことによって、更に検出の処理量を減らすことが
可能になる。
【0183】更に、この発明の不正利用防止システムで
は、解像度の変換が行なわれた前、後のいずれにおいて
も、不正な利用およびコピーの防止を、防止の精度の低
下、防止の時間の増加、画質の劣化、防止の処理量を押
えながら可能にすることがでる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による付随情報付加装置の実施の形態
のブロック図である。
【図2】図1の実施の形態の要部を説明するために用い
る図である。
【図3】この発明による付随情報検出装置の実施の形態
のブロック図である。
【図4】図3の実施の形態の要部を説明するために用い
る図である。
【図5】図3の実施の形態の要部を説明するために用い
る図である。
【図6】この発明による付随情報検出装置の他の実施の
形態のブロック図である。
【図7】図6の実施の形態の付随情報検出装置の説明の
ための図である。
【図8】画像に埋め込むウォータマークを説明するため
の図である。
【図9】画像に埋め込むウォータマークを説明するため
の図である。
【図10】画像に埋め込むウォータマークを説明するた
めの図である。
【図11】画像に埋め込むウォータマークを説明するた
めの図である。
【図12】付随情報付加装置および付随情報検出装置を
含むシステム構成の流れを説明するための図である。
【図13】従来の付随情報付加装置のブロック図であ
る。
【図14】従来のウォータマーク反復器のブロック図で
ある。
【図15】従来の反復ウォータマークの生成を説明する
ための図である。
【図16】ウォータマークベースバンド検出装置のブロ
ック図である。
【図17】ウォータマークを検出するための折り畳み累
積処理を説明するための図である。
【図18】折り畳み累積器の一例のブロック図である。
【図19】折り畳み累積の累積結果を説明するための図
である。
【図20】折り畳み累積の累積結果を説明するための図
である。
【図21】ウォータマークビットストリーム検出装置の
ブロック図である。
【図22】MPEG圧縮符号化のフレームモードの時の
符号化ブロック(DCTブロック)を説明するための図
である。
【図23】MPEG圧縮符号化のフィールドモードの時
の符号化ブロック(DCTブロック)を説明するための
図である。
【図24】単位ウォータマークと符号化ブロックの大き
さとの関係を説明するための図である。
【図25】画像情報として考えられる全ての解像度を示
す図である。
【図26】ビデオ素材と映画素材との違いを説明するた
めの図である。
【図27】映画素材から、ビデオ素材に変換する方法の
例を説明するための図である。
【符号の説明】
10…ウォータマーク付加装置、13…ウォータマーク
反復器、14…単位ウォータマーク発生器、15…横方
向解像度入力端子、16…縦方向解像度入力端子、20
…MPEG符号化器、30…ウォータマークベースバン
ド検出装置、40…ウォータマークビットストリーム検
出装置、101…ウォータマーク埋め込み器、102…
埋め込み量判断器、103…ウォータマーク反復器、1
41…横方向LCM計算器、142…縦方向LCM計算
器、143…横方向解像度計算器、144…縦方向解像
度計算器、301…折り畳み累積器、302…FFT
器、303…畳み込み演算器、304…FFT器、30
5…逆FFT器、411…DCT係数抽出き、412…
逆DCT器、421…解像度比算出器、422…単位ウ
ォータマークサイズ算出器、423…解像度変換器、4
24…折り畳み/解像度変換器
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04N 7/30 9A001 Fターム(参考) 5C053 FA13 FA17 FA21 GB07 GB22 GB36 GB37 JA30 KA01 KA22 KA26 5C059 KK43 5C063 AC10 CA11 DA07 DB09 5C076 AA14 AA40 BA06 5J104 AA14 NA15 PA14 9A001 EE04 HH27 HH28 LL03

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】画像の一部の縦×横=M×N(M,Nは正
    の整数)個の画素からなる小領域に対応する大きさの単
    位ウォータマークパターンを発生する単位ウォータマー
    クパターン発生手段と、 前記単位ウォータマークパターン発生器からの単位ウォ
    ータマークパターンを縦横に反復した反復ウォータマー
    クを発生するウォータマーク反復手段と、 前記ウォータマーク反復手段からの前記反復ウォータマ
    ークを前記画像に付加するウォータマーク埋め込み手段
    と を備える付随情報付加装置であって、 前記単位ウォータマークパターン発生手段では、前記画
    像について解像度変換が行なわれることが想定されてい
    るすべての解像度において、前記単位ウォータマークの
    縦、横の大きさが、画像符号化における符号化ブロック
    の大きさの整数倍となるように前記単位ウォータマーク
    パターンの大きさが決められることを特徴とする付随情
    報付加装置。
  2. 【請求項2】画像の一部の縦×横=M×N(M,Nは正
    の整数)個の画素からなる小領域に対応する大きさの単
    位ウォータマークを縦横に反復した反復ウォータマーク
    を、画像に付加するに当たって、 前記画像について解像度変換が行なわれることが想定さ
    れているすべての解像度において、前記単位ウォータマ
    ークの縦、横の大きさが、画像符号化における符号化ブ
    ロックの大きさの整数倍となるように前記単位ウォータ
    マークパターンの大きさを決めることを特徴とする付随
    情報付加方法。
  3. 【請求項3】画像の一部の縦×横=M×N(M,Nは正
    の整数)個の画素からなる小領域に対応する大きさの単
    位ウォータマークパターンを発生する単位ウォータマー
    クパターン発生手段と、 前記単位ウォータマークパターン発生手段からの単位ウ
    ォータマークパターンを縦横に反復した反復ウォータマ
    ークを発生するウォータマーク反復手段と、 前記ウォータマーク反復手段からの前記反復ウォータマ
    ークを前記画像に付加するウォータマーク埋め込み手段
    とを備える付随情報付加装置であって、 前記単位ウォータマークパターン発生手段では、前記画
    像について解像度変換が行なわれることが想定されてい
    るすべての解像度のうちの選定された複数の解像度にお
    いて、前記単位ウォータマークの縦、横の大きさが、画
    像符号化における符号化ブロックの大きさの整数倍とな
    るように前記単位ウォータマークパターンの大きさが決
    められることを特徴とする付随情報付加装置。
  4. 【請求項4】画像の一部の縦×横=M×N(M,Nは正
    の整数)個の画素からなる小領域に対応する大きさの単
    位ウォータマークを縦横に反復した反復ウォータマーク
    を、画像に付加するに当たって、 前記画像について解像度変換が行なわれることが想定さ
    れているすべての解像度のうちの選定された複数の解像
    度において、前記単位ウォータマークの縦、横の大きさ
    が、画像符号化における符号化ブロックの大きさの整数
    倍となるように前記単位ウォータマークパターンの大き
    さを決めることを特徴とする付随情報付加方法。
  5. 【請求項5】画像の一部の縦×横=M×N(M,Nは正
    の整数)個の画素からなる小領域に対応する大きさであ
    って、前記画像について解像度変換が行なわれることが
    想定されているすべての解像度において、縦、横の大き
    さが、画像符号化における符号化ブロックの大きさの整
    数倍とされた単位ウォータマークパターンが縦横に反復
    した反復ウォータマークが付加された画像から、前記単
    位ウォータマークパターンを検出して、付随情報を検出
    する付随情報検出装置であって、 前記画像の解像度を、特定の解像度に変換する解像度変
    換手段と、 前記解像度変換手段で解像度が変換された画像と、前記
    単位ウォータマークパターンとの相関を調べる相関検出
    手段と、 前記相関検出手段の検出出力に基づいて、前記単位ウォ
    ータマークについての検出出力を得る検出出力生成手段
    と、 を備えることを特徴とする付随情報検出装置。
  6. 【請求項6】請求項5に記載の付随情報検出装置におい
    て、 入力画像情報に含まれる解像度の情報に基づき、前記解
    像度変換手段での解像度変換の比率を算出する解像度比
    算出手段を備え、 前記解像度変換手段は、前記解像度比算出手段で算出さ
    れた解像度比に基づいて前記解像度変換を行うことを特
    徴とする付随情報検出装置。
  7. 【請求項7】請求項6に記載の付随情報検出装置におい
    て、 前記解像度変換に先立ち、前記反復ウォータマークが付
    加された画像について、前記解像度比算出手段からの解
    像度比と、解像度変換後の単位ウォータマークパターン
    の大きさの情報とに基づいて定められる前記解像度変換
    前の単位ウォータマークパターンの大きさに対応する小
    領域を単位として、折り畳み累積する折り畳み累積手段
    を備え、 前記相関検出手段は、折り畳み累積手段の累積結果を前
    記解像度変換手段で解像度変換したものと、前記解像度
    変換後の単位ウォータマークパターンとの相関を調べる
    ことを特徴とする付随情報検出装置。
  8. 【請求項8】請求項7に記載の付随情報検出装置におい
    て、 入力画像情報はDCT(離散コサイン変換)を用いた圧
    縮データであり、 前記折り畳み累積手段は、前記圧縮データのDCT係数
    の段階で前記折り畳み累積を行い、 前記折り畳み累積手段の累積結果を逆DCT処理する逆
    DCT処理部を設け、 前記逆DCT処理部の出力を前記解像度変換手段に供給
    することを特徴とする付随情報検出装置。
  9. 【請求項9】画像の一部の縦×横=M×N(M,Nは正
    の整数)個の画素からなる小領域に対応する大きさの単
    位ウォータマークパターンが縦横に反復した反復ウォー
    タマークが付加された画像から、前記単位ウォータマー
    クパターンを検出して、付随情報を検出する付随情報検
    出方法であって、 前記単位ウォータマークパターンの縦、横の大きさは、
    前記画像について解像度変換が行なわれることが想定さ
    れているすべての解像度において、画像符号化における
    符号化ブロックの大きさの整数倍とされており、 前記画像の解像度を、特定の解像度に変換した後、前記
    特定の解像度に変換された画像と、前記単位ウォータマ
    ークパターンとの相関を調べ、 その相関検出結果に基づいて、前記単位ウォータマーク
    についての検出出力を得ることを特徴とする付随情報検
    出方法。
  10. 【請求項10】請求項9に記載の付随情報検出方法にお
    いて、 入力画像情報に含まれる解像度の情報に基づき、前記解
    像度変換の比率を算出し、 前記解像度変換は、前記算出された解像度比に基づいて
    行うことを特徴とする付随情報検出方法。
  11. 【請求項11】請求項10に記載の付随情報検出方法に
    おいて、 前記解像度変換に先立ち、前記反復ウォータマークが付
    加された画像について、前記解像度比算出手段からの解
    像度比と、解像度変換後の単位ウォータマークパターン
    の大きさの情報とに基づいて定められる前記解像度変換
    前の単位ウォータマークパターンの大きさに対応する小
    領域を単位として、折り畳み累積し、 その折り畳み累積結果を前記解像度変換したものと、前
    記解像度変換後の単位ウォータマークパターンとの相関
    を調べることを特徴とする付随情報検出方法。
  12. 【請求項12】請求項11に記載の付随情報検出方法に
    おいて、 入力画像情報はDCT(離散コサイン変換)を用いた圧
    縮データであり、前記折り畳み累積は、前記圧縮データ
    のDCT係数の段階で行い、 前記折り畳み累積結果を逆DCT処理したものを解像度
    変換することを特徴とする付随情報検出方法。
  13. 【請求項13】画像の一部の縦×横=M×N(M,Nは
    正の整数)個の画素からなる小領域に対応する大きさで
    あって、前記画像について解像度変換が行なわれること
    が想定されているすべての解像度のうちの選定された複
    数の解像度において、縦、横の大きさが、画像符号化に
    おける符号化ブロックの大きさの整数倍とされた単位ウ
    ォータマークパターンが縦横に反復した反復ウォータマ
    ークが付加された画像から、前記単位ウォータマークパ
    ターンを検出して、付随情報を検出する付随情報検出装
    置であって、 前記画像の解像度を、特定の解像度に変換する解像度変
    換手段と、 前記解像度変換手段で解像度が変換された画像と、前記
    単位ウォータマークパターンとの相関を調べる相関検出
    手段と、 前記相関検出手段の検出出力に基づいて、前記単位ウォ
    ータマークについての検出出力を得る検出出力生成手段
    と、 を備えることを特徴とする付随情報検出装置。
  14. 【請求項14】請求項13に記載の付随情報検出装置に
    おいて、 入力画像情報に含まれる解像度の情報に基づき、前記解
    像度変換手段での解像度変換の比率を算出する解像度比
    算出手段を備え、 前記解像度変換手段は、前記解像度比算出手段で算出さ
    れた解像度比に基づいて前記解像度変換を行うことを特
    徴とする付随情報検出装置。
  15. 【請求項15】請求項14に記載の付随情報検出装置に
    おいて、 前記解像度変換に先立ち、前記反復ウォータマークが付
    加された画像について、前記解像度比算出手段からの解
    像度比と、解像度変換後の単位ウォータマークパターン
    の大きさの情報とに基づいて定められる前記解像度変換
    前の単位ウォータマークパターンの大きさに対応する小
    領域を単位として、折り畳み累積する折り畳み累積手段
    を備え、 前記相関検出手段は、折り畳み累積手段の累積結果を前
    記解像度変換手段で解像度変換したものと、前記解像度
    変換後の単位ウォータマークパターンとの相関を調べる
    ことを特徴とする付随情報検出装置。
  16. 【請求項16】請求項15に記載の付随情報検出装置に
    おいて、 入力画像情報はDCT(離散コサイン変換)を用いた圧
    縮データであり、 前記折り畳み累積手段は、前記圧縮データのDCT係数
    の段階で前記折り畳み累積を行い、 前記折り畳み累積手段の累積結果を逆DCT処理する逆
    DCT処理部を設け、 前記逆DCT処理部の出力を前記解像度変換手段に供給
    することを特徴とする付随情報検出装置。
  17. 【請求項17】画像の一部の縦×横=M×N(M,Nは
    正の整数)個の画素からなる小領域に対応する大きさの
    単位ウォータマークパターンが縦横に反復した反復ウォ
    ータマークが付加された画像から、前記単位ウォータマ
    ークパターンを検出して、付随情報を検出する付随情報
    検出方法であって、 前記単位ウォータマークパターンの縦、横の大きさは、
    前記画像について解像度変換が行なわれることが想定さ
    れているすべての解像度のうちの選定された複数の解像
    度において、画像符号化における符号化ブロックの大き
    さの整数倍とされており、 前記画像の解像度を、特定の解像度に変換した後、前記
    特定の解像度に変換された画像と、前記単位ウォータマ
    ークパターンとの相関を調べ、 その相関検出結果に基づいて、前記単位ウォータマーク
    についての検出出力を得ることを特徴とする付随情報検
    出方法。
  18. 【請求項18】請求項17に記載の付随情報検出方法に
    おいて、 入力画像情報に含まれる解像度の情報に基づき、前記解
    像度変換の比率を算出し、 前記解像度変換は、前記算出された解像度比に基づいて
    行うことを特徴とする付随情報検出装置。
  19. 【請求項19】請求項18に記載の付随情報検出方法に
    おいて、 前記解像度変換に先立ち、前記反復ウォータマークが付
    加された画像について、前記解像度比算出手段からの解
    像度比と、解像度変換後の単位ウォータマークパターン
    の大きさの情報とに基づいて定められる前記解像度変換
    前の単位ウォータマークパターンの大きさに対応する小
    領域を単位として、折り畳み累積し、 その折り畳み累積結果を前記解像度変換したものと、前
    記解像度変換後の単位ウォータマークパターンとの相関
    を調べることを特徴とする付随情報検出方法。
  20. 【請求項20】請求項19に記載の付随情報検出方法に
    おいて、 入力画像情報はDCT(離散コサイン変換)を用いた圧
    縮データであり、前記折り畳み累積は、前記圧縮データ
    のDCT係数の段階で行い、 前記折り畳み累積結果を逆DCT処理したものを解像度
    変換することを特徴とする付随情報検出方法。
  21. 【請求項21】画像に付随情報を付加する付随情報付加
    装置と、前記付随情報を画像から検出する付随情報検出
    装置との組を用いた不正利用防止システムにおいて、 前記付随情報付加装置として、請求項1または請求項3
    に記載の付随情報付加装置のいずれかを用い、 前記付随情報検出装置として、請求項5〜8、請求項1
    3〜16に記載の付随情報検出装置のいずれかを用いた
    ことを特徴とする不正利用防止システム。
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