JP2000164599A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置の製造方法

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JP2000164599A
JP2000164599A JP33301298A JP33301298A JP2000164599A JP 2000164599 A JP2000164599 A JP 2000164599A JP 33301298 A JP33301298 A JP 33301298A JP 33301298 A JP33301298 A JP 33301298A JP 2000164599 A JP2000164599 A JP 2000164599A
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electrode
layer
semiconductor layer
oxide film
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JP33301298A
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English (en)
Inventor
Tomoyoshi Kushida
知義 櫛田
Shinya Yamazaki
信也 山崎
Hirokazu Saito
広和 斎藤
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スイッチング特性のターンオフ時間を十分に
短くするための欠陥領域をイオン照射により形成する
際、スイッチング素子内の酸化膜付近の劣化を十分に抑
制する。 【解決手段】 半導体装置は、スイッチング素子102
〜104,106,107,110及び欠陥領域112
を形成してなる半導体層10と、チタン、クロム、タン
グステン、コバルト、ニッケル、モリブデン等の重金
属、同重金属の合金及び同重金属と半導体との化合物の
うちのいずれか一つで形成したソース電極110とを備
えている。ソース電極110を介して半導体層10に4
He2+を照射して欠陥領域112を形成する。これによ
れば、ソース電極110から発生するγ線の量を少なく
することができるため、スイッチング素子内のゲート酸
化膜103付近を劣化させることなく、欠陥領域が形成
される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体層にスイッ
チング素子及び欠陥領域を形成してなる半導体装置の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の半導体装置の製造方法と
しては、例えば特開平9−162136号公報及び特開
平7−297414号公報に示されているように、半導
体層にスイッチング素子を形成した後にアルミニウム電
極を形成し、その後、半導体層にH+2+3He2+
4He2+,Pt+,Au+などのイオン又は電子線を照射
して、スイッチング特性のターンオフ時間を短くするた
めの欠陥領域を形成することが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記方法のう
ちで、照射イオンとしてPt+,Au+を採用しようとす
る場合、イオン照射装置が複雑で製造コストも高くなる
ので、この方法は現実的ではない。一方、本発明者ら
は、微小コンタクトにボイドレスの高信頼性電極を形成
するために、上記従来の半導体装置のアルミニウム電極
に代えて、チタン(4.5020g/cm3)、クロム(7.18820g/c
m3)、タングステン(19.320g/cm3)、コバルト(8.920g/cm
3)、ニッケル(8.90225g/cm3)、モリブデン(10.2220g/cm
3)等の重金属(密度が4g/cm3以上の金属)であって高融
点、高信頼(電流マイグレーション、ストレスマイグレ
ーションが小さいことをいう)の特性を有する金属、同
金属の合金及び同金属と半導体との化合物のうちのいず
れか一つを電極に用いることを考えた。なお、各金属の
密度を括弧内に示したが、肩付きの小文字は測定温度を
示しており、温度が示されていないものは室温における
値である。
【0004】そして、前記金属、合金及び化合物のうち
のいずれか一つで電極を構成して種々のイオンを照射し
た結果、イオンの種類によってはγ線が電極から多量に
発生し、同発生したγ線によってスイッチング素子内
(具体的には、スイッチング素子内の酸化膜の界面付
近)の界面準位密度が増大する、すなわちスイッチング
素子内の酸化膜の界面付近が劣化するという問題があっ
た。
【0005】
【発明の概要】本発明は、上記問題に対処するためにな
されたもので、前記チタン、クロム、タングステン、コ
バルト、ニッケル、モリブデン等の重金属、同重金属の
合金及び同重金属と半導体との化合物のうちのいずれか
一つを電極に用いた場合であっても、スイッチング特性
のターンオフ時間を短くするために十分に機能する欠陥
領域をイオン照射により形成する際、スイッチング素子
内の酸化膜付近の劣化を十分に抑制することを解決課題
とする。この課題を解決するために、本発明者らは、種
々の実験を行った結果、半導体層に4He2+を照射して
欠陥領域を形成すればよいことを確認した。好ましく
は、前記電極をチタン、クロム、タングステン、コバル
ト、ニッケル、モリブデンのうちのいずれか一つで構成
するとよい。
【0006】これは、照射イオンとして3He2+,H+
2+を用いた場合には、前記電極を構成する金属から多
量のγ線が発生して、スイッチング素子内の酸化膜付近
が劣化してしまう。また、電子線を照射した場合には、
電子線は半導体層全体に広がり、酸化膜を劣化させた
り、イオン照射に比べて同一オン電圧時のスイッチング
が遅くなってしまう。そして、本発明のように4He2+
を照射して欠陥領域を形成するようにすれば、スイッチ
ング素子内の酸化膜を劣化させることなく、スイッチン
グ特性のターンオフ時間を十分に短くする欠陥領域が形
成されるからである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
を用いて説明すると、図1は同実施形態に係る半導体装
置の構造を示す図である。
【0008】[構造] (半導体層)この半導体装置は、プレーナ型のnチャネ
ル絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(以下、IGB
T:Insulated Gate Bipolar Transistorという)に適
用されるもので、高濃度p型シリコンのp+基板101
とその上に形成されたnエピタキシャル層102とが半
導体層10をなす。この半導体層10において、nエピ
タキシャル層102の側(図1では上方)を表面側とい
い、p+基板101の側(図1では下方)を裏面側とい
うものとする。そして、半導体層10の表面側には、n
+ソース領域106とpボディ領域107とp+ボディ
領域109とが形成されている。これらは、nエピタキ
シャル層102の一部にイオン注入等ににより形成され
た拡散層である。nエピタキシャル層102のうちこれ
ら拡散層以外の部分をnドリフト領域102dという。
【0009】また、nドリフト領域102dとp+基板
101との界面付近には、格子欠陥を高濃度に分布させ
た欠陥領域112が形成されている。欠陥領域112
は、その大部分がnドリフト領域102dであるが、一
部はp+基板101に及んでいる。ただしpボディ領域
107等の拡散層には及んでいない。また、nドリフト
領域102dは、空乏化領域102aと非空乏化領域1
02bとに分けて考えることができる。これらは製造上
区別されているわけではないが、動作上の違いがあるか
らである。すなわち、詳細は後述するが、IGBT1を
スイッチオフした後にnドリフト領域102dとpボデ
ィ領域107およびp+ボディ領域109との間のpn
接合から空乏層が広がってくる範囲が空乏化領域102
aであり、残りが非空乏化領域102bである。そし
て、非空乏化領域102bは、欠陥領域112に含まれ
ている。
【0010】上記の構造の半導体層10の、図1中X−
X線上における不純物濃度(細い実線)および格子欠陥
濃度(太い実線)を図2に示す。図2に示されるよう
に、格子欠陥濃度は連続的に変化しており、明確なステ
ップはない。図1に示した欠陥領域112の範囲は、格
子欠陥濃度が半値幅をなす範囲である。
【0011】(電極、絶縁膜)次に、半導体層10の表
面と裏面とに設けられている電極や絶縁膜等について説
明する。まず表面側には、電極としてゲート電極104
とソース電極110とが設けられ、ゲート電極104を
半導体層10等から絶縁するためのゲート絶縁膜103
や絶縁膜105,108が設けられている。ゲート電極
104は、nエピタキシャル層102の表面のうち、n
ドリフト領域102dの部分とpボディ領域107の部
分との上方に存在し、さらにn+ソース領域106の一
部の上方に及んでいる。このゲート電極104は、ゲー
ト絶縁膜103により半導体層10から絶縁されてい
る。一方、ソース電極110は、アルミニウム(Al)
からなる上層110c,窒化チタン(TiN)からなる
中間層110b及びチタン(Ti)からなる下層110
aの3層から構成されており、n+ソース領域106お
よびp+ボディ領域109に接触し、これらに電気的に
導通するように設けられている。ゲート電極104とソ
ース電極110との間は、絶縁膜105,108により
絶縁されている。そして、ゲート電極104にはゲート
端子Gが、ソース電極110にはソース端子SCが、そ
れぞれ設けられている。
【0012】このようにソース電極110をアルミニウ
ムからなる上層110c,窒化チタンからなる中間層1
10b及びチタンからなる下層110aで構成するよう
にしたので、微小コンタクトにボイドレスの高信頼性電
極が形成できる。
【0013】一方裏面側には、p+基板101に接触し
てこれと電気的に導通するドレイン電極111が設けら
れている。そして、ドレイン電極111には、ドレイン
端子DEが設けられている。
【0014】(素子構成)上記の構造を有するIGBT
1において、p+ボディ領域109とnドリフト領域1
02dとp+基板101とがpnpバイポーラトランジ
スタを構成する。すなわち、p+ボディ領域109がコ
レクタであり、nドリフト領域102dがべースであ
り、p+基板101がエミッタである。また、n+ソー
ス領域106とpボディ領域107とnドリフト領域1
02dとゲート電極104とがnチャネル電界効果トラ
ンジスタを構成する。すなわち、pボディ領域107が
チャネル形成領域であり、nドリフト領域102dがド
レインである。n+ソース領域106がソースであり、
ゲート電極104がゲートである。したがってnドリフ
ト領域102dは、バイポーラトランジスタのべースと
電界効果トランジスタのドレインを兼ねていることにな
る。
【0015】[製造方法]次に、上記のように構成され
たIGBT1の製造方法を説明する。
【0016】(エピタキシャル成長)IGBT1の製造
においては、シリコン基板として高濃度p型の基板を使
用する。まず、よく洗浄したp+基板101上にエピタ
キシャル成長により、低濃度n型シリコンの層を形成す
る。これにより図3に示すように、p+基板101とn
エピタキシャル層102との積層体である半導体層10
が形成される。このp+基板101は、IGBT1にお
いてバイポーラトランジスタのエミッタ領域となるもの
である。またnエピタキシャル層102は、nドリフト
領域102dや拡散層となる部分である。
【0017】(ゲート電極の形成)続いて、nエピタキ
シャル層102の表面に熱酸化膜を形成した後、CVD
法により、多結晶シリコン膜、酸化シリコン膜を順次積
層する。多結晶シリコン膜には、導電性付与のためリン
(P)のような不純物を含有させておく。そして、熱酸
化膜を残しつつ、多結晶シリコン膜と酸化シリコン膜と
を所定形状にエッチングすると、図4に示すように、ゲ
ート電極104(多結晶シリコン膜)が形成される。ゲ
ート電極104は、ゲート絶縁膜103(熱酸化膜)に
よりnエピタキシャル層102から絶縁されている。な
お絶縁膜105(酸化シリコン膜)は、ゲート電極10
4と後に形成されるソース電極110との絶縁のための
ものである。
【0018】(拡散層の形成)次に、nエピタキシャル
層102の一部に拡散層を形成する。最初に形成する拡
散層は、n+ソース領域106である。このため、ゲー
ト電極104の形成を行った半導体層10に対し、上方
からヒ素(As)等のドナー性の元素をイオン注入する
(図5参照)。すると、注入されたイオンが分布する範
囲は高濃度n型となり、n+ソース領域106が形成さ
れる。ここで、絶縁膜105がマスクとなってイオンを
阻止しているので、ゲート電極104の下部には、縁部
を除いてn+ソース領域106は、形成されない。縁部
には、nエピタキシャル層102内でのイオンの回り込
みにより、n+ソース領域106が形成される。n+ソ
一ス領域106は、IGBT1において電界効果トラン
ジスタのソースとなる部分である。
【0019】次に形成する拡散層は、pボディ領域10
7である。このため、n+ソース領域106の形成を行
った半導体層10に対し、斜め上方(各矢印方向)から
ホウ素(B)等のアクセプタ性の元素をイオン注入する
(図6参照)。このとき、注入されたイオンのnエピタ
キシャル層102内での飛程が、n+ソース領域106
の形成のためのイオン注入の場合より大きく、例えば3
〜5倍程度になるようにする。この飛程は大きければ大
きいほどよいが、大きくするためにはより大きなエネル
ギーを必要とするため、実際的には3〜5倍程度が好ま
しい。そして注入のドーズ量は、n+ソース領域106
の導電型を反転させず、かつ、n+ソース領域106以
外のnエピタキシャル層102の導電型をp型に反転さ
せる程度とする。すると、注入されたイオンが分布する
範囲であってn+ソース領域106以外の範囲はp型と
なり、pボディ領域107が形成される。
【0020】形成されたpボディ領域107は、イオン
注入を斜め方向から行っているため、また、注入された
イオンの飛程がより大きいため、n+ソース領域106
の周囲全体を覆っている。このため、n+ソース領域1
06とnドリフト領域102d(nエピタキシャル層1
02のうち拡散層でない部分)とは直接接してはいな
い。また、pボディ領域107は、n+ソース領域10
6の下部以外ではnエピタキシャル層102の表面に臨
んでおり、その部分ではゲート絶縁膜103を挟んでゲ
ート電極104と対面している。この部分が、IGBT
1の電界効果トランジスタにおいてチャネルが形成され
る箇所である。
【0021】続いて、p+ボディ領域109の形成が行
われる。このためまず、pボディ領域107の形成を行
った半導体層10に対し、CVD法により酸化シリコン
膜を堆積する。この堆積は等方的に行われるので、酸化
シリコンは、ゲート電極104および絶縁膜105の側
壁(図6中にWで示す)にも付着する。このため、堆積
される酸化シリコン膜108は図7に示すような形状と
なる。そして、ゲート電極104から離れた箇所におい
てnエピタキシャル層102(n+ソース領域106)
が露出するまで酸化シリコンを上方から異方性エッチン
グによりエッチバックすると、図8に示すような形状と
なる。
【0022】そして、ホウ素等のアクセプタ性の元素を
イオン注入する(図9参照)。このとき、注入されたイ
オンのnエピタキシャル層102内での飛程が、pボデ
ィ領域107の形成のためのイオン注入の場合と同程度
になるようにする。また注入のドーズ量は、n+ソース
領域106の部分の導電型をも反転させる程度とする。
これによりpボディ領域107の一部およびn+ソース
領域106の一部が、より不純物濃度の高いp+ボディ
領域109となる。形成されたp+ボディ領域109
は、nエピタキシャル層102の表面に臨んでいる。ま
た下部においてはpボディ領域107を介さず直接にn
ドリフト領域102dに接している。この部分が、IG
BT1のバイポーラトランジスタにおいてコレクタ領域
となる部分である。
【0023】(ソース電極の形成)次に、絶縁膜10
5,108を部分的にエッチングする。このエッチング
の目的は、図10に示すように、n+ソース領域106
の一部を露出させることである。また同時に、絶縁膜1
05の膜厚調整もなされている。したがってこのエッチ
ングは、ウェットエッチングのような等方的エッチング
法を用いて行われる。そして、チタンをスパッタ法によ
り堆積すると、図11に示すように、p+ボディ領域1
09とn+ソース領域106との双方に接触する下層1
10aが形成される。この下層110aの上面に窒化チ
タンをスパッタ法により堆積すると、図12に示すよう
に中間層110bが形成され、同中間層110bの上面
にアルミニウムをスパッタ法により堆積すると、図13
に示すように、上層110cが形成される。なお、図1
3の状態におけるゲート電極104は、絶縁膜103,
105,108により他の部分から絶縁されている。
【0024】(欠陥領域の形成)次に、半導体層10の
表面側から同半導体層10に向けて4He2+をイオン照
射して欠陥領域112を形成する。このとき、4He2+
がチタンからなる下層110aを通過する際又は通過後
に、同下層110aからγ線が発生する。発生したγ線
は、スイッチング素子内のゲート酸化膜103、界面K
等を通過する。
【0025】その後、200〜470℃程度の温度でア
ニールして欠陥を安定化する。こうして、nドリフト領
域102dの中の非空乏化領域102bを包含する欠陥
領域112が、1回のイオン照射により得られる。
【0026】(ドレイン電極の形成)最後に、半導体層
10の裏面(p+基板101)にアルミニウム等の金属
をスパッタ法または蒸着法により堆積してドレイン電極
111を形成し、各電極(10,104,111)に必
要な端子(SC,G,DE)を取り付けると、図1
(a)に示すIGBT1が完成する。
【0027】[実験結果]上述した欠陥領域を形成する
際に、4He2+3He2+をそれぞれ同じ照射量だけ(例
えば、8E10cm-2)照射した場合におけるIGBT
からのγ線を測定すると、半導体層10に4He2+をイ
オン照射したときのγ線の発生量は、同半導体層10に
3He2+をイオン照射したときのγ線の発生量に比べて
約1/5となっていることを確認した。また、IGBT
のゲート電圧をそれぞれ測定すると、4He2+をイオン
照射した場合のしきい値電圧の低下は、3He2+をイオ
ン照射した場合に比べて約0.7V小さかった。H+2
+を照射する場合においても、3He2+ を照射した場
合と同様な実験結果を得ることになる。
【0028】上記のような製造方法においては、ソース
電極110を構成する下層110aから発生するγ線の
量を少なくすることができるため、スイッチング素子内
(具体的には、スイッチング素子内のゲート酸化膜10
3の界面付近)に正孔が発生するのを抑制し、スイッチ
ング素子内の界面準位密度が増大するのを抑制するの
で、スイッチング素子内のゲート酸化膜103付近を劣
化させることなく、スイッチング特性のターンオフ時間
を十分に短くする欠陥領域が形成される。
【0029】[動作]次に、上記のように製造されたI
GBT1の動作を説明する。IGBT1の基本的な動作
は、絶縁ゲートであるゲート電極104の電圧により、
ドレイン電極111からソース電極110への電流、す
なわち半導体層10の厚さ方向の電流をスイッチング制
御することである。
【0030】(オフ状態)まず、ゲート電極104に何
ら電圧が掛けられていない状態を考える。この状態で
は、電界効果トランジスタがオンしておらず、ドレイン
電極111とソース電極110との間の電流の流れ方に
対し影響を及ぼさない。したがって、ドレイン端子DE
とソース端子SCとの間に、ドレイン端子DEがより高
電位となる向きに電圧を印加して、ドレイン電極111
からソース電極110へ向けて電流を流そうとしても、
nドリフト領域102dとpボディ領域107およびp
+ボデイ領域109との間のpn接合が逆方向となるた
め、電流はほとんど流れない。すなわちバイポーラトラ
ンジスタがオフなのである。
【0031】(オン状態)ここで、ゲート端子Gを用い
てゲート電極104に正電圧(vsソース電極110)
を印加する(以下、ゲート電圧という)と、次のような
ことが起こる。まず、ゲート絶縁膜103を挟んでゲー
ト電極104と対面しているpボディ領域107の表面
に、ゲート電圧の電界効果によるnチャネルが生成され
る。このため、n+ソース領域106のキャリアである
電子がこのnチャネルを通って、より電位の高いnドリ
フト領域102dに流れ込む。すなわち電界効果トラン
ジスタがオンとなる。
【0032】これによりnドリフト領域102d(空乏
化領域102a、非空乏化領域102bとも)の電子濃
度が上昇する。このため、nドリフト領域102dの抵
抗が小さくなるとともにその電位が下がるので、p+基
板101のキャリアであるホールが、nドリフト領域1
02dに引き込まれる。すなわちnドリフト領域102
dとp+基板101とにより構成されるダイオードが導
通する、これによりnドリフト領域102dは、電子濃
度ばかりでなくホール濃度も高い状態となる。nドリフ
ト領域102dに進入したホールは、一部が電子と対消
滅するほか、さらに電位が低いp+ボディ領域109に
流れ込む。すなわちバイポーラトランジスタがオンする
のである。したがってドレイン電極111からソース電
極110へ厚さ方向の電流が流れる。
【0033】すなわちIGBT1においては、オン動作
に電子とホールとの双方が関与するバイポーラトランジ
スタ的な作用を基本としつつ、絶縁されているゲート電
極104の電圧によりオンオフが制御される。ここにお
いて、ゲート電圧により直接にオンオフされる電界効果
トランジスタが、バイポーラトランジスタの導通、非導
通をスイッチングするスイッチング素子としての役割を
果たしている。また、半導体層10のうち格子欠陥を高
濃度に分布させた欠陥領域112が、非空乏化領域10
2bの付近に限られており、pボディ領域107等の拡
散層には及んでいないので、オン抵抗が高いということ
はない。
【0034】(スイッチオフ)前記のようなオン状態か
らゲート電極104への正電圧の印加を断つと、pボデ
ィ領域107の表面のnチャネルが消滅して、nドリフ
ト領域102dへの電子の注入が断たれるので、IGB
T1はオフに戻る。その際の過渡動作を説明する。
【0035】まずオン状態におけるnドリフト領域10
2dは、電子とホールとの双方が高濃度に充満している
状態にある。スイッチオフされると、電子の注入が断た
れることと、ホールがp+ボディ領域109に流出する
こととにより、p+ボディ領域109およびpボディ領
域107との界面のpn接合から、キャリア濃度が非常
に低い空乏層が広がる。この空乏層の広がりは、nドリ
フト領域102dの中でも空乏化領域102aには及ぶ
が非空乏化領域102bには及ばない。しかしながら非
空乏化領域102bは、前記のように欠陥領域112に
含まれており、格子欠陥濃度が高い。このためキャリア
のライフタイムが短く、電子とホールとは早期に対消滅
する。そして、電子の注入が断たれるとともにp+基板
101からのホールの流入も断たれているので、キャリ
ア濃度は対消滅により早期に低下する。
【0036】したがってnドリフト領域102d全体に
おいて、スイッチオフ後早期にキャリア濃度が低下す
る。このため、ドレイン電極111からソース電極11
0への電流はスイッチオフ後早期に「0」に収束する。
すなわちターンオフ時間が短く、スイッチオフの応答性
に優れている。
【0037】なお、上記実施形態においては、チタン電
極を用いた実施形態について述べたが、このチタン(4.5
020g/cm3)に代えて、微小コンタクトにボイドレスの高
信頼性電極を形成するために、高融点、高信頼(電流マ
イグレーション、ストレスマイグレーションが小さいこ
とをいう)の特性を有するクロム(7.18820g/cm3)、タン
グステン(19.320g/cm3)、コバルト(8.920g/cm3)、ニッ
ケル(8.90225g/cm3)、モリブデン(10.2220g/cm3)等の重
金属(密度が4g/cm3以上の金属)のうちのいずれか一
つ、好ましくはクロム、タングステン、コバルト、ニッ
ケル、モリブデンのうちのいずれか一つを電極に用いた
場合にも、チタン電極を用いた場合と同様なことがいえ
る。すなわち、前記重金属を電極に用いた場合にも欠陥
領域を形成するために4He2+をイオン照射して欠陥領
域を形成すれば、同電極から発生するγ線の量を少なく
することができるため、スイッチング素子内(具体的に
は、スイッチング素子内のゲート酸化膜の界面付近)の
界面準位密度が増大するのを抑制するので、スイッチン
グ素子内のゲート酸化膜付近を劣化させることなく、ス
イッチング特性のターンオフ時間を十分に短くする欠陥
領域が形成される。なお、各金属の密度を括弧内に示し
たが、肩付きの小文字は測定温度を示しており、温度が
示されていないものは室温における値である。
【0038】また、前記重金属に代えて、前記高融点、
高信頼の特性を有するこれら重金属のうち少なくともい
ずれか一つをベースとする合金、好ましくはチタン、ク
ロム、タングステン、コバルト、ニッケル、モリブデン
のうち少なくともいずれか一つをベースとする合金を電
極に用いた場合にも、チタン電極を用いた場合と同様な
作用及び効果を期待できる。
【0039】また、前記重金属及び合金に代えて、前記
高融点、高信頼の特性を有するこれら重金属と半導体と
の化合物のうちいずれか一つ、例えばシリコンとの化合
物(シリサイド)のうちいずれか一つ、好ましくはチタ
ンシリサイド(TiSi2)、クロムシリサイド(Cr
Si2)、タングステンシリサイド(WSi2)、コバル
トシリサイド(CoSi2)、ニッケルシリサイド(N
iSi2)、モリブデンシリサイド(MoSi2)、白金
シリサイド(PtSi2)、タンタルシリサイド(Ta
Si2)のうちいずれか一つを電極に用いた場合にも、
チタン電極を用いた場合と同様な作用及び効果を期待で
きる。
【0040】また、上記実施形態においては、本発明を
IGBTに適用したが、チタン電極を用いたMOSFE
Tにも適用できる。この場合にも、MOSFETのチタ
ン電極内から発生するγ線の量を少なくすることができ
るため、スイッチング素子内(具体的には、スイッチン
グ素子内の酸化膜の界面付近)に正孔が発生するのを抑
制し、スイッチング素子内の界面準位密度が増大するの
を抑制するので、スイッチング素子内の酸化膜付近を劣
化させることなく、スイッチング特性のターンオフ時間
を十分に短くする欠陥領域が形成される。
【0041】また、本発明はバイポーラトランジスタ、
ダイオード、サイリスタ、静電誘導トランジスタ(SI
T:Static Induction Transistor)等にも適用でき
る。これらの場合にも、ゲート酸化膜等の酸化膜の界面
付近の劣化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は本発明の一実施形態に係る半導体装
置の構造を示す図であり、(b)は同装置の部分拡大図
である。
【図2】 図1の半導体装置における格子欠陥及び不純
物の濃度分布を説明する図である。
【図3】 エピタキシャル成長を行った半導体層を示す
図である。
【図4】 ゲート電極の形成及び加工を行った状態を示
す図である。
【図5】 ソース領域の形成を示す図である。
【図6】 ボディ領域(電解効果トランジスタのチャネ
ル形成領域)の形成を示す図である。
【図7】 絶縁膜を形成した状態を示す図である。
【図8】 絶縁膜の一部をエッチングした状態を示す図
である。
【図9】 高濃度ボディ領域(バイポーラトランジスタ
のコレクタ領域)の形成を示す図である。
【図10】 絶縁膜の一部をエッチングした状態を示す
図である。
【図11】 ソース電極の下層を形成した状態を示す図
である。
【図12】 ソース電極の中間層を形成した状態を示す
図である。
【図13】 ソース電極の上層を形成した状態を示す図
である。
【符号の説明】
1…IGBT、10…半導体層、101…p+基板、1
02…nエピタキシャル層、102a…空乏化領域、1
02b…非空乏化領域、102d…nドリフト領域、1
03…ゲート絶縁膜、104…ゲート電極、105,1
08…絶縁膜、106…n+ソース領域、107…pボ
ディ領域、109…p+ボディ領域、110…ソース電
極、110a…下層、110b…中間層、110c…上
層、111…ドレイン電極、112…欠陥領域。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斎藤 広和 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 4M104 AA01 BB01 BB02 BB05 BB13 BB14 BB16 BB18 CC01 CC05 DD37 DD82 FF18 GG06

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スイッチング素子及び欠陥領域を形成し
    てなる半導体層と、チタン、クロム、タングステン、コ
    バルト、ニッケル、モリブデン等の重金属、同重金属の
    合金及び同重金属と半導体との化合物のうちのいずれか
    一つで形成した電極とを備えた半導体装置の製造方法に
    おいて、前記半導体層に4He2+を照射して前記欠陥領
    域を形成するようにしたことを特徴とする半導体装置の
    製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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