JP2000164522A - 半導体製造用炭化珪素質組立ウェーハボート - Google Patents
半導体製造用炭化珪素質組立ウェーハボートInfo
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Abstract
よる損傷がなく、長期間使用が可能であり、半導体製造
装置や半導体ウェーハに対するパーティクル汚染のない
半導体製造用炭化珪素質組立ウェーハボートを提供す
る。 【解決手段】半導体ウェーハ載置用の溝部2が形成さ
れ、両端部3に係止部4が設けられた炭化珪素質のウェ
ーハ保持部材5と、このウェーハ保持部材5固定用の取
付孔6が各々設けられた炭化珪素質の2枚の支持基板
7、8とを、取付孔6を貫通した係止部4に炭化珪素質
の係合体9を係合させて組立て、かつ係合体の係合面1
0にテーパを形成し、さらに基材5、7、8および係止
体9がCVD―SiC被膜された半導体製造用炭化珪素
質組立ウェーハボート。
Description
素質組立ウェーハボートに係わり、特に長期間使用が可
能で、半導体製造装置や半導体ウェーハをパーティクル
汚染しない半導体製造用炭化珪素質組立ウェーハボート
に関する。
C)からなるSi−SiC系材質は緻密性、高純度およ
び強度に優れているため、半導体熱処理用ウェーハボー
ト(以下、ウェーハボートと記す。)に用いられてい
る。
硬度であるため、ウェーハボートの構成部品間の接合は
接着剤を用いて行い、この接着剤の凝固はウェーハボー
ト製造プロセスの溶融シリコン含浸工程において行って
いた。この溶融シリコン含浸工程においてウェーハボー
ト基材の焼成体に体積変化が起こり、この体積変化率が
半導体ウェーハのウェーハ保持部材と支持基板間で微妙
に異なり、特に複数個のウェーハ保持部材間の伸びの違
いによりウェーハボートに応力が発生し、接合部割れに
つながることがしばしばあった。
立ウェーハボートは、ウェーハボートを用いた熱処理工
程中に、半導体ウェーハの荷重による応力と加熱による
熱応力を受け、ウェーハボート、特に接合部にはシリコ
ン含浸、凝固工程で残留応力が存在しており、ウェーハ
ボートを長時間使用すると、使用中にウェーハボートが
損傷することがあった。
理使用中の損傷、あるいはウェーハボートの搬送中に局
部的な損傷が生じても、損傷が生じた構成部品を交換す
ることができず、ウェーハボート全体を廃棄するなどの
手段が取られて、不経済であった。
に記載されているように、半導体ウェーハ支持溝が設け
られたウェーハ保持部材の両端部にネジ部を形成し、2
枚の基板に穿設された取付孔を貫通したネジ部にナット
を螺合させて一体に組立てた組立式ウェーハボートが記
載されている。この記載のウェーハボートは、ネジ部と
ナットの螺合によってウェーハボートの組立てを行って
いるため、Si含浸炭化珪素材料のような炭化珪素質材
料を用いて、ネジ部、ナットを形成するための切削加工
を行うと、ネジ部にバリが生じる。
リを十分に除去することは困難であり、実質的にバリが
残存する。このバリが残存したウェーハボートを用い
て、半導体ウェーハの熱処理を行うと、熱処理炉などの
半導体製造装置を汚染したり、半導体ウェーハを汚染す
る場合があった。
は、このウェーハボートに用いられる基材中からの不純
物汚染を防止するために、通常基材の表面にCVD−S
iC膜を形成する。しかしながら、上記のように微細加
工されたネジ部に所定の厚さのCVD−SiC被膜を均
一に形成することは困難であり、特にの凹部に十分な被
膜が形成されず、その結果、わずか1回のナット締めに
よって、被膜が破損して、この螺合部分から上記のよう
な不純物を熱処理装置内に放出したり、この破損に起因
するパーティクル汚染が発生する危険性があった。
換が容易で、熱処理中の熱応力による損傷がなく、長期
間使用が可能であり、半導体製造装置や半導体ウェーハ
に対するパーティクルおよび不純物汚染のない半導体製
造用炭化珪素質組立ウェーハボートが要望されていた。
もので、構成部品の交換が容易で、熱処理中の熱応力に
より損傷することがなく、長期間使用が可能であり、半
導体製造装置や半導体ウェーハに対するパーティクルお
よび不純物汚染のない半導体製造用炭化珪素質組立ウェ
ーハボートを提供することを目的とする。
になされた本願請求項1の発明は、半導体ウェーハ載置
用の溝部が形成され少なくとも一端部に係止部が設けら
れた炭化珪素質のウェーハ保持部材と、このウェーハ保
持部材固定用の取付孔が設けられた炭化珪素質の支持基
板と、前記取付孔を貫通した前記係止部と係合する炭化
珪素質の係合体を有し、この係合体の係合面にテーパ部
が形成されたことを特徴とする半導体製造用炭化珪素質
組立ウェーハボートであることを要旨としている。
合面は3〜5°のテーパを有していることを特徴とする
請求項1または2に記載の半導体製造用炭化珪素質組立
ウェーハボートであることを要旨としている。
ェーハ保持部材に直交して設けられ直方体形状であり、
上記係合体は扁平な有底円筒形状をなし、前記係止体が
貫通し底部係合面に設けられ係合面の直径上に設けられ
た長方形状の係合用孔と、この係合用孔により2分割さ
れて係合面に形成された分割係合面とを有し、この2個
の分割係合面は水平面に対して反対方向のテーパを有す
ることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体製
造用炭化珪素質組立ウェーハボートであることを要旨と
している。
止部の係合面の表面粗さがいずれも算術平均粗さRa
1.0〜3.0μmであることを特徴とする請求項1な
いし3のいずれか1項に記載の半導体製造用炭化珪素質
組立ウェーハボートであることを要旨としている。
止部の係合面の表面粗さがいずれも最大高さRy20μ
m以下であることを特徴とする請求項4に記載の半導体
製造用炭化珪素質組立ウェーハボートであることを要旨
としている。
持部材と、支持基板と、係止体のいずれにも、表面に3
0〜100μmのCVD−SiC被膜が形成されている
請求項1ないし5のいずれか1項に記載の半導体製造用
炭化珪素質組立ウェーハボートであることを要旨として
いる。
珪素質組立ウェーハボートを図面を参照して説明する。
質組立ウェーハボート、例えば縦型ウェーハボート1
は、半導体ウェーハ載置用の溝部2が形成され、少なく
とも一端部例えば両端部3a、3bに各々同一形状をな
す係止部4が設けられた例えば4本の炭化珪素質のウェ
ーハ保持部材5と、このウェーハ保持部材5取付用の取
付孔6が各々設けられた炭化珪素質の2枚の支持基板
7、8と、取付孔6を貫通した係止部4と係合する炭化
珪素質の係合体9とを有し、取付部1aで着脱自在に取
付けられて一体に組立られている。
および係合体9を形成するウェーハボート基材には、ウ
ェーハボート1組立前にいずれも、その表面にCVD−
SiC被膜が形成されている。
ウェーハの出入れを考慮して偏倚した位置に4個のほぼ
長方形状の取付孔6が穿設されている。支持基板8は支
持基板7と同様の形状を有するとともに、中空円筒形状
の脚部8aを有し、この脚部8aに係合体9が収納され
る。
れたウェーハ保持部材5は、両端部3に係止部4を有
し、この係止部4は端部3から延伸し取付孔6を貫通す
る細い円柱形状の取付挿入部10の長手方向と直交する
ように設けられ、平滑な平面形状の係合面4aを有して
いる。
取付孔6は、支持基板、例えば上部支持基板7、8に各
4個穿設され、係止部4が容易に貫通できるような長方
形状をなしている。
支持基板7、8の取付孔6を貫通した取付挿入部10と
係止部4のうち、係止部4に係合体9を係合させて、ウ
ェーハ保持部材5を支持基板7、8に取付けてなってい
る。
取付挿入部10および係止部4は、支持基板7、8の表
面部7a、8aから突出しており、取付挿入部10は上
記係合体9の係合面11の平均(中央部位)肉厚t1と
ほぼ同じ長さt2だけ突出している。
ェーハ保持部材5の係止部4と係合する係合体9は、扁
平な有底円筒形状をなし、底部には係合面11が形成さ
れ、この係合面11には係合面11の対角線上にほぼ長
方形状の係合用孔12が形成されており、この係合用孔
12により係合面11は2個の分割係合面11a、11
bに分割されている。この2個の分割係合面11a、1
1bは、図8に示すように、紙面側から見た場合、水平
面に対して角度θがは3〜5°、例えば4°のテーパを
有する傾斜面をなしており、分割係合面11a、11b
のテーパは逆方向になっている。
び係止部4が係合体9の係合用孔12を貫通する状態
で、係合体9を取付挿入部10中心に回転させる場合、
係止部4と分割係合面11a、11bの摩擦抵抗が増大
する方向に傾斜している。
〜5°にするのは、係合面(接触面)の摩擦抵抗を増大
させて、係合体9による取付部1aの締付けが強固に行
われ、係合が緩むことがないようにするためである。
係合体9が締まらず、安定的にウェーハ保持部材5を支
持基板7、8に固定できない。
合体9を十分に回転できず、係合体9が緩み易く、ウェ
ーハ保持部材5と支持基板7、8の固定の信頼性に欠け
る。
0の表面粗さは、いずれも算術平均粗さRaは1.0〜
3.0μmであり、さらに、いずれも最大高さRyは2
0μm以下になっている(Ra、Ryはいずれも JI
S B 0601−1994 表面粗さ−定義及び表示に
よる)。
0μmにするのは、係止部4と係合体9の係合面(接触
面)4a、10の表面粗さが締付けに適して、係合面4
a、10での滑りがなく、係合体9により係止部4の締
付けが十分に行われて、強固な組立が行えるからであ
る。さらに、ウェーハボート基材からのパーティクル発
生がなく、また、組立作業性もよい。
より小さいと、上記係止部4と係合体9の係合面(接触
面)4a、10は滑り易くなり、係合体9による締付け
を十分に行うことができず、安定したボート組立をする
ことができない。
を超えると、ウェーハボート基材からのパーティクル発
生が生じ易くなる。また、組立作業性が低下する。
するのは、上記パーティクル発生の抑制効果をより確実
にするためであり、また、組立作業性を低下させること
がないからである。
および係合体9の基材の表面に形成されるCVD−Si
C被膜の厚さは30〜100μmであり、CVD−Si
C被膜形成をした場合の係合面4a、11の表面粗さお
よび最大高さは、被膜表面のものである。
は、Si−SiC等のウェーハボート基材ウェーハ保持
部材5、支持基板7、8および係合体9から不純物が被
膜表面に拡散するのを抑制できる十分な厚さであるから
である。また、係合面4a、11の強度としても十分耐
えられるからである。
−SiC等のウェーハボート基材から不純物が被膜表面
に拡散して、被膜が不純物の拡散を防止するというCV
D−SiC被膜の目的を達成することができない。ま
た、係合面4a、11の強度としては不十分であり、破
損する虞がある。
ーハボート基材のエッジ部にCVDが集中して堆積する
肉盛り状態になり、この状態でウェーハボート1を使用
すると、従来技術のバリに相当するものとなり、パーテ
ィクル汚染の要因となる。パーティクル汚染を防止しよ
うとすると、CVD被覆後に再度研磨工程が必要とな
り、製造コストが増加する。
持部材を2個の支持基板に係合体を用いて組立てる完全
組立方式の縦型ウェーハボートの例で説明したが、ウェ
ーハ保持部材の一端部が接着剤で接合され、他端部のみ
上述のような係合方式により組立てた半組立式のウェー
ハボートでもよく、また、上述した縦型ウェーハボート
1にあっては、支持基板8は脚部8aを有する底板とな
るが、横型ウェーハボートでは、2枚の支持基板を同一
形状のものにすればよい。
部4は、上述のような長方形状に限らずいずれの形状で
もよく、例えば十字形状であってもよい。この係合体4
が十字形状の場合には、係合体9の係合用孔もその形状
に合わせて十字形状である。
て説明する。
取付挿入部10と係止部4をウェーハ保持部材5の取付
孔6に貫通させて、取付挿入部10の一部(長さt2)
と係止部4を支持基板7、8の表面部7a、8aから突
出させる。この突出した係止部4と係合体9の係合用孔
12を一致させた後、係合体9を押込み、係合用孔12
に取付挿入部10と係止部4を貫通させる。
係合体9を一方向例えば時計回り方向に、所定角度例え
ば90°回動させて、分割係合面11a、11bと係止
部4の係合面4aを係合させる。同様に支持基板8の取
付けも行い、ウェーハボート1の組立てが完了する。
時、ウェーハ保持部材5と支持基板7、8の組立てが、
ネジとナットの螺合によって行うのと異なり、係合体9
をわずか90°回動させるだけでウェーハボート1の組
立てが行えるので、ウェーハボート基材に形成されたC
VD−SiC被膜を破損することがなく、不純物を半導
体製造装置に放出したり、パーティクルを発生させたり
することがない。
t2が係合面11の平均(中央部位)肉厚t1とほぼ同
じ長さを有し、分割係合面11a、11bが4°を有し
ているので、係合面4aと分割係合面11a、11bの
摩擦抵抗が増大して、係合体9により係合部4の締付け
が行われ、係合が緩むことなく、安定したボート組立て
ができる。
Ra1.0〜3.0μmであり、表面粗さの最大高さR
yを20μm以下であるので、係合体9により係止部4
の締付けが十分に行われて、強固組立てが行え、さら
に、取付部1aからのパーティクル発生がなく、組立作
業性もよい。
支持基板7、8への取付けるのと異なり、少なくとも一
端部を係合による組立方式にしたので、複数個のウェー
ハ保持部材間の伸びの違いによりウェーハボートに応力
が発生し、接合部割れにつながることがない。
係合体9内に収納されているので、ウェーハボート1の
使用時、取扱い不注意により、係止部4を破損すること
がない。
パ角度を変えたウェーハボートを製造し、組立時および
使用時の状況を調べた。調査結果は表1の通りである。
組立ウェーハボートによれば、構成部品の交換が容易
で、熱応力による損傷がなく、長期間使用が可能であ
り、パーティクル汚染の発生のない半導体製造用炭化珪
素質組立ウェーハボートを提供できる。
付けが、螺合のようなネジ溝を有する複雑な構造を有さ
ず、簡単な構造で係合体と係止部との係合によって行っ
ているので、CVD−SiC被膜を係合体と係止部を強
固かつ均一に行うことができる。
パを持たせれば、係合面の摩擦抵抗が増大して、係合体
による取付部の締付け強固に行われ、係合が緩むことが
なく、安定したボート組立てができる。
収納するようにすれば、ウェーハボートの使用時、取扱
い不注意により、係止部を破損することがなく、長時間
の使用が可能になる。
れも算術平均粗さRa1.0〜3.0μmにすれば、係
合体により取付部の締付けが十分に行われて、強固な組
立てが行え、さらに、取付部からのパーティクル発生が
なく、組立作業性もよい。
膜を30〜100μmにすれば、Si−SiC等ウェー
ハボート基材の係合部から不純物が被膜表面に拡散する
のを抑制できる。また、係合面での被膜の破損を防止で
きる。
ェーハボートの斜視図。
ェーハボートの取付部を分解して示す説明図。
ェーハボートに用いられるウェーハ保持部材を一部切欠
して示す側面図。
ェーハボートに用いられるウェーハ保持部材の係止部を
示す斜視図。
ェーハボートの取付部の断面図。
ェーハボートに用いられる係合体の斜視図。
ェーハボートに用いられる係合体の平面図。
ェーハボートに用いられる係合体の正面図。
ェーハボートに用いられる係合体の側面図。
Claims (6)
- 【請求項1】 半導体ウェーハ載置用の溝部が形成され
少なくとも一端部に係止部が設けられた炭化珪素質のウ
ェーハ保持部材と、このウェーハ保持部材固定用の取付
孔が設けられた炭化珪素質の支持基板と、前記取付孔を
貫通した前記係止部と係合する炭化珪素質の係合体を有
し、この係合体の係合面にテーパ部が形成されたことを
特徴とする半導体製造用炭化珪素質組立ウェーハボー
ト。 - 【請求項2】 上記係合体の係合面は3〜5°のテーパ
を有していることを特徴とする請求項1または2に記載
の半導体製造用炭化珪素質組立ウェーハボート。 - 【請求項3】 上記係止部はウェーハ保持部材に直交し
て設けられ直方体形状であり、上記係合体は扁平な有底
円筒形状をなし、前記係止体が貫通し底部係合面に設け
られ係合面の直径上に設けられた長方形状の係合用孔
と、この係合用孔により2分割されて係合面に形成され
た分割係合面とを有し、この2個の分割係合面は水平面
に対して反対方向のテーパを有することを特徴とする請
求項1または2に記載の半導体製造用炭化珪素質組立ウ
ェーハボート。 - 【請求項4】 上記係合体と係止部の係合面の表面粗さ
がいずれも算術平均粗さRa1.0〜3.0μmである
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記
載の半導体製造用炭化珪素質組立ウェーハボート。 - 【請求項5】 上記係合体と係止部の係合面の表面粗さ
がいずれも最大高さRy20μm以下であることを特徴
とする請求項4に記載の半導体製造用炭化珪素質組立ウ
ェーハボート。 - 【請求項6】 上記ウェーハ保持部材と、支持基板と、
係止体のいずれにも、表面に30〜100μmのCVD
−SiC被膜が形成されている請求項1ないし5のいず
れか1項に記載の半導体製造用炭化珪素質組立ウェーハ
ボート。
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