JP2000164399A - サイクロトロン装置 - Google Patents

サイクロトロン装置

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JP2000164399A
JP2000164399A JP10339542A JP33954298A JP2000164399A JP 2000164399 A JP2000164399 A JP 2000164399A JP 10339542 A JP10339542 A JP 10339542A JP 33954298 A JP33954298 A JP 33954298A JP 2000164399 A JP2000164399 A JP 2000164399A
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cyclotron
yoke
return yoke
extraction port
width
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Akihiko Maruyama
昭彦 丸山
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Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大きな偏向電磁石を使用せずにビーム取出し
角を小さくすることができ、小型軽量なサイクロトロン
装置を得る。 【解決手段】 荷電粒子ビームを円形に周回させる磁場
を発生するコイル6と、ビームの軌道面上の磁場分布を
整形するポールチップ2と、コイル6の周囲に設けられ
上記ポールチップ2と接続して磁路を形成するリターン
・ヨーク4aとを備えたサイクロトロン装置において、
リターン・ヨーク4aのヨーク幅tをリターン・ヨーク
の磁束密度を飽和させる程度のものとした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、粒子線を用いた
癌治療装置に用いられるサイクロトロン装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】図15は、従来のサイクロトロン装置の
構成を示す横断面図で、荷電粒子の軌道面で切断した図
である。図20は、図16の従来のサイクロトロン装置
の縦断面図で、サイクロトロン中心軸に沿って切断した
断面図である。図15、図16は、例えば、「Proposal
for a Manufacturing Prototype SUPERCONDUCTING CYC
LOTRON for Advanced Cancer Therapy」National Super
conducting Cyclotron Laboratory, Michigan State Un
iversity, MSUCL--874 (1993)、P14−15に示されたもの
である。
【0003】図15において、2は、ポールチップで、
鉄で構成され、コイル6で発生された磁場を、ビーム軌
道面上で所望の磁場分布となるようにするものである。
4は、リターンヨークで、サイクロトロンの外周部を鉄
で囲んで形成され、ポールチップ2と共に磁気回路を形
成するもので、サイクロトロン外部に磁束を漏洩させな
いようにするものである。リターンヨーク4は、漏れ磁
場を低減するために十分厚く構成されており、リターン
ヨーク4中の磁束密度は、リターンヨーク4を構成する
鉄の飽和磁束密度に比べて小さい値である。6は、コイ
ルで、磁束を発生させるものである。8は、加速空洞で
あって、電界が印加されたRF空洞で、荷電粒子ビーム
の加速を行う空間である。10は、ビーム取り出しポー
トで、リターンヨーク4の一部に開けられた開口であっ
て、加速されたビームを取出す場所である。
【0004】図16において、20はビーム軌道面、2
2はサイクロトロンの中心軸である。その他の符号は図
15のものと同様のものであるので説明を省略する。
【0005】次に、従来のシンクロ・サイクロトロン装
置やAVFサイクロトロンの動作を説明する。コイル6
で発生された磁場を、ポールチップ2により整形、増幅
し、ビーム軌道面20上の磁場分布を所望の形に整形す
る。イオン源(図示なし)により、サイクロトロン中心
軸22が通るビーム軌道面20上の中心部に生成された
荷電粒子32は、コイル6及びポールチップ2で形成さ
れた磁場中を略円形に周回し、RF空洞8において荷電
粒子ビームが加速される。このように、サイクロトロン
内部で所定の速度に加速された後荷電粒子はビーム取出
しポート10を通して、サイクロトロン外部に取出され
る。
【0006】この時、リターンヨーク4の一部に開けら
れたビーム取出しポート10の内部では、磁場はほぼゼ
ロである。ビーム取出しポート10内を通過する荷電粒
子ビームの軌道は直線となる。ビーム取出しポート10
出口での、ビーム取出角は、約37°となっている。こ
こで、ビーム取出角θとは、ビーム取出しポート10出
口での荷電粒子ビーム進行方向と、サイクロトロン中心
軸とビーム取出しポート10から出射されるビームの方
向のなす角度である。
【0007】図17は、従来の他のサイクロトロン装置
の構成を示す正面断面図であって、「COMPACT SUPERCON
DUCTING SYNCHROCYCLOTRON SYSTEMS FOR PROTON THERAP
Y」Nuclear Instruments and Methods in Physics Rese
arch B40/41 (1989)、P1326-1330で示された、サイクロ
トロン装置を回転ガントリーに組み込んで使用した例で
ある。ここで回転ガントリーとは、ビームの被照射体を
所定の軸回りに回転させる装置である。図17におい
て、100は、サイクロトロン装置、102は、ビーム
軌道、104は、回転ガントリー回転軸、106は、回
転ガントリー偏向電磁石、108は、ビーム照射ポー
ト、110は、ビーム照射点である。荷電粒子ビーム
が、サイクロトロン装置100から取出されてから、ビ
ーム照射点110に達するまで(ビーム輸送系)の軌道
は、ひとつの平面内に入るように構成されている。サイ
クロトロンの軌道面は、ビーム輸送系と同一の平面内に
ある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】被照射体の位置を照射
するビーム方向に対して回転させながらビーム照射をお
こなう回転ガントリー方式によるビーム照射装置では、
通常、回転ガントリー装置内部でのビーム経路が、一つ
の平面内に入るように構成される。これは、ビーム照射
点でのビーム特性を調整するパラメータを減少させるこ
とで、ビーム調整機器を簡略化、又は、省略させて、回
転ガントリー全体の大きさを小型化する効果が得られる
ためである。小型サイクロトロン装置100を回転ガン
トリーに組み込んで使用する場合においても、サイクロ
トロン装置100からビーム照射点110までのビーム
経路102を一つの平面内に収めることで、機器の簡略
化、回転ガントリー全体の小型化している。
【0009】通常のサイクロトロン装置から取り出され
るビームの角度は、30°から40°程度の値となるの
で、ビーム経路が一つの平面内に入るように構成するた
めには、図17の様な方法でサイクロトロン装置を取り
付けるか、図18のようにサイクロトロン装置のビーム
出口の直後に電磁石を設置して、ビーム軌道を調整する
方法がある。
【0010】サイクロトロン装置の内部のビーム軌道面
上における磁場は、正確にビーム軌道を設定するために
は、磁場の大きさ、方向の設定に非常に高い精度が求め
られる。このため、サイクロトロン装置を構成するポー
ルチップ2やリターンヨーク4等の磁性体材料は、高い
精度で対称性を保つように配置される。サイクロトロン
装置の外部に設けられる装置の磁性体材料についても、
同様に対称性を保った配置が必要となる。
【0011】しかしながら、図17のサイクロトロン装
置においては、サイクロトロン装置に対して外部の磁性
体を対称的に配置しなくてはならず、ビーム経路が、一
つの平面内に入るように構成することは非常に困難であ
った。このため、サイクロトロン装置の周辺部の構造物
を非磁性材料で構成する必要がある等、装置のコストが
増大するという問題があった。
【0012】図18は、従来のサイクロトロン装置を配
備したビーム照射装置の構成を示すビーム軌道面で切断
した横断面図であって、回転ガントリー回転軸とサイク
ロトロン中心軸を一致させたものである。ここで同一番
号の符号は、図17のものと同様のものであるので説明
を省略する。図18の装置では、回転ガントリーを構成
する鉄等の磁性体材料による非対称な磁場成分を低減す
ることができるが、ビーム経路を1平面内にするため
に、サイクロトロン出口に偏向電磁石を設置する必要が
ある。
【0013】図19は、従来のサイクロトロン装置の構
成を示すビーム軌道面で切断した横断面図であって、ビ
ームの出口に偏向電磁石を配置した構成図である。32
は、ビームで、50は、出口の偏向電磁石であって、サ
イクロトロン装置からの出力ビームの取出し角度が0°
となるようにビーム32を偏向させるものである。偏向
電磁石50は、鉄等の磁性体材料で構成されており、ビ
ーム経路が、一つの平面内に入るように構成するもので
ある。この構成により出力ビームの取出し角度が0°と
なるようにしようとすると、偏向電磁石50自身も磁場
を発生するものであり、偏向電磁石50自身が発生する
非対称な磁場成分を消すために、さらに新たな偏向電磁
石と対称な位置に相当する磁性体を配置する必要があ
り、回転ガントリーの重量、外径の増大となり、装置全
体のコストが増大するという問題があった。この発明
は、上記のような問題点を解決するためになされたもの
で、大きな偏向電磁石を使用することなくビーム取出し
角を小さくすることができ、小型軽量なサイクロトロン
装置を得ることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1に係
わるサイクロトロン装置は、荷電粒子ビームを円形に周
回させる磁場を発生するコイルと、ビームの軌道面上の
磁場分布を整形するポールチップと、コイルの周囲に設
けられ上記ポールチップと接続して磁路を形成するリタ
ーン・ヨークとを備えたサイクロトロン装置において、
リターン・ヨークのヨーク幅をリターン・ヨーク内の磁
束密度を飽和させる幅のものとしたものである。
【0015】この発明の請求項2に係わるサイクロトロ
ン装置は、ビーム取出しポート近傍のリターンヨークの
ヨーク幅をビーム取出しポートにおけるリターンヨーク
内の磁束密度を飽和させる幅のものとしたものである。
【0016】この発明の請求項3に係わるサイクロトロ
ン装置は、ビーム取出しポートが形成されているビーム
軌道面上のリターンヨークに、ビーム取出しポートに隣
接して複数個の貫通穴を設けたものである。
【0017】この発明の請求項4に係わるサイクロトロ
ン装置は、リターン・ヨークのビーム取出しポートに隣
接するビーム軌道面上の部分を非磁性体で構成したもの
である。
【0018】この発明の請求項5に係わるサイクロトロ
ン装置は、ポールチップの外周部分に対向する部分のヨ
ーク幅が、ポールチップの外周部分に対向しない部分の
ヨーク幅より厚いリターン・ヨークと、厚いヨーク幅の
部分の上記リターン・ヨークを貫通するビーム取出しポ
ートを設けたものである。
【0019】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1は、実施の形
態1のサイクロトロン装置の構成を示すサイクロトロン
中心軸22で切断した縦断面図である。図2は、図1の
AA横断面図である。図3は、図1のサイクロトロン装
置のEE縦断面図である。図1において、4aは、リタ
ーンヨークであって、ヨーク幅tが、リターン・ヨーク
内部の磁束密度を飽和させる限界の近傍または、それ以
下の厚さに限定して形成されたものである。30は、リ
ターンヨーク4内を通る磁束である。その他の符号は、
図15〜図19の従来装置のものと同様のものであるの
で、以下説明を省略する。
【0020】図2において、22は、サイクロトロン中
心軸、32は荷電粒子ビームである。θは、ビーム取り
出し角度である。図3で、30aは、ビーム取出しポー
ト10付近の磁束である。その他の符号は、図1、図2
のものと同様のものであるので説明を省略する。
【0021】次に、実施の形態1のサイクロトロン装置
の動作について説明する。図1において、コイル6によ
り発生した磁束30は、ポールチップ2で整形され、ビ
ーム軌道面20上に必要な磁場分布を形成する。荷電粒
子ビーム32は、ビーム軌道面20上で、サイクロトロ
ン中心軸22を中心としてほぼ円形に周回する。荷電粒
子ビーム32は、加速空洞8において加速され、次第に
周回半径を増大して、最大エネルギーに到達した時点
で、ビーム取出しポート10からサイクロトロン装置の
外に取出される。
【0022】コイル6が作る磁束30は、主にポールチ
ップ2及びリターンヨーク4により磁路を形成する。こ
こで、ビーム取出しポート10があるヨーク部分の磁束
30aの向きと、サイクロトロン中心部のポールチップ
2の部分の磁束30bの向き方向が逆であるので、図2
に示すように、サイクロトロン中心部のビーム32aの
軌道は、内側に向かう曲率を描くのに対し、取り出しポ
ート10を通過するビーム32bの軌道は、外側に広が
る曲率で偏向されるので、取り出しポート10における
ビーム取出し角度θを小さくする方向に作用する。
【0023】図3は、実施の形態1のサイクロトロン装
置のビーム取出しポート10付近の磁束の状態を示すも
ので、図1のEE断面図である。ヨーク幅tを調整し
て、リターンヨーク4内の磁束密度が飽和、または、飽
和に近い状態になるように設定しているので、リターン
ヨーク4中の磁束の一部は、取り出しポート10内の空
間を貫通している。ビーム取出しポート10の内部を貫
通する磁束は、例えば数千〜数万ガウス等である。取り
出しポート10内を通過する磁束により、荷電ビームを
外側に広げる曲率方向に偏向することができ、大きな偏
向電磁石を使用することなくビーム取出し角度θの小さ
いサイクロトロン装置を得ることができる。
【0024】実施の形態2.図4は、実施の形態2のサ
イクロトロン装置の構成を示すサイクロトロン中心軸2
2で切断した断面図である。実施の形態2のサイクロト
ロン装置では、ビーム取出しポート10のあるビーム軌
道面20のリターンヨーク4のヨーク幅tを、ビーム取
出しポート10の位置におけるリターンヨーク4内の磁
束密度を飽和させる幅以下のものとしている。これによ
り、取り出しポート10内を通過するビームは外側に広
がる曲率方向に偏向されるので、大きな偏向電磁石を使
用することなくビーム取出し角度θを小さくすることが
できる。ビーム軌道面20以外のリターンヨーク4のヨ
ーク幅tは、磁束密度が未飽和の状態である厚いものと
して、外部への磁束の漏洩を防止するようにしてもよ
い。
【0025】実施の形態3.図5は、実施の形態3のサ
イクロトロン装置の構成を示すサイクロトロン中心軸2
2で切断した縦断面図である。図6は、図5のサイクロ
トロン装置のビーム軌道面20で切断した横断面図であ
る。図7は、図5のサイクロトロン装置のFF断面図
で、ビーム取出しポート10付近のものである。
【0026】図5、図6、図7、において、40は貫通
穴であって、図6に示すように、リターンヨーク4のビ
ーム取出しポート10が形成されているビーム軌道面2
0上にビーム取出しポート10に隣接して所定の間隔を
もって、複数個設けられたものである。複数個の貫通穴
40は、例えばサイクロトロン中心軸22に対して対称
的に配置している。その他の符号は、図1〜図4のもの
と同様のものであるので説明を省略する。
【0027】図5において、リターンヨーク4の厚さ
は、リターンヨーク4内の磁束が飽和しない程度の厚さ
のヨーク幅tで構成されている。複数個の貫通穴40
は、リターンヨーク4のヨーク幅から複数個の貫通穴4
0を除いたヨーク幅部分を通過する磁束密度が飽和して
いるか、または、飽和に近い状態となる程度に個数や、
穴径が設定されている。
【0028】次に、実施の形態3のサイクロトロン装置
の動作について説明する。ビーム取出しポート10のあ
るビーム軌道面20から離れたリターンヨーク4の部分
では磁束30は主に、リターンヨーク4の磁束密度が飽
和していない磁性体部分を通過するが、図7に示すよう
に、ビーム取出しポート10のあるビーム軌道面20
に、複数個の貫通穴40を設けたので、貫通穴40と貫
通穴40との間の磁性体中の磁束密度が高まり、リター
ンヨーク4の磁束密度は飽和しているか、または、飽和
に近い状態となる。このため、磁束30aの一部30a
pは取り出しポート10内部を貫通する。また、リター
ンヨーク4に複数個の貫通穴40を設けたので、リター
ンヨーク4の重量を軽減することができる。
【0029】この取り出しポート10内部を貫通する磁
束30apにより、取り出しポート10内を通過するビ
ーム32が外側に広げる曲率方向に偏向され、大きな偏
向電磁石を使用することなくビーム取出し角度θを小さ
くすることができ、小型軽量なサイクロトロン装置を得
ることができる。また、貫通穴40は、リターンヨーク
4を貫通している必要はなく、穴の先端がヨークの途中
までのものとしてもよい。
【0030】実施の形態4.図8は、実施の形態4のサ
イクロトロン装置の構成を示すサイクロトロン中心軸2
2で切断した縦断面図である。図9は、図8のサイクロ
トロン装置のGG断面図である。図8及び図9におい
て、42は非磁性リングであって、リターンヨーク4の
ビーム取出しポート10が形成されているビーム軌道面
20と交差する部分の全面に設けられたステンレス等の
非磁性材料のリングである。非磁性リング42は、上下
のリターンヨーク4の間に働く強い吸引力を支持可能の
ものとする。リターンヨーク4の軌道面20近傍には、
磁性体材料がない。その他の符号は、図1〜図4のもの
と同様のものであるので説明を省略する。
【0031】次に実施の形態4のサイクロトロン装置の
動作について説明する。図9に示すように、リターンヨ
ーク4がビームの軌道面20を交差する部分において、
ビームの軌道面20のビーム取出しポート10を囲んで
非磁性リング42が形成されているので、磁束30a
は、ビーム取出しポート10の内部を、例えば、数千〜
数万ガウスの磁束が貫通することができる。このビーム
取出しポート10の内部を貫通する磁束30apによ
り、ビーム32が外側に広がる曲率方向に偏向される。
これにより大きな偏向電磁石を使用することなくビーム
取出し角度θを小さくすることができる。
【0032】実施の形態5.図10は、実施の形態5の
サイクロトロン装置の構成を示すビームの軌道面20に
おける横断面図である。図10に示すサイクロトロン装
置のサイクロトロン中心軸22で切断した縦断面図は、
図1のものと同様のものであるので記載を省略する。実
施の形態5のサイクロトロン装置は、図10に示すよう
に、ポールチップ2の外周部分に対向するリターン・ヨ
ーク部分4aのヨーク幅taを、ポールチップに対向し
ないリターン・ヨーク部分4bのヨーク幅tbより厚く
構成したものである。ここで、厚い部分のヨーク幅ta
は、リターン・ヨーク内の磁束密度が飽和する程度の幅
か、或いはそれより小さい幅となるように形成してい
る。
【0033】10aは、ビーム取出しポートであって、
リターン・ヨーク4のポールチップ2の外周部分に対向
する部分4aのヨーク幅taの厚い部分を貫通して設け
られたものである。44は、リターンヨークの補強であ
って、リターン・ヨーク4のポールチップ2の外周部分
に対向する部分に設けられた磁性体の補強材である。実
施の形態5でいう厚い部分のヨーク幅taは、通常のヨ
ーク幅tbとこの補強材44の幅を含めたものを示すも
のである。
【0034】次に、実施の形態5のサイクロトロン装置
の動作を説明する。ヨーク幅taの部分では、リターン
ヨーク4内の磁束密度がほぼ飽和するように設定してい
るので、磁束の一部は、取り出しポート10a内を貫通
する。この磁束により、取り出しポート10a内のビー
ムが外側に広がる曲率方向に偏向される。従って、大き
な偏向電磁石を使用することなくビーム取出し角度θを
小さくすることができる。
【0035】また、磁束密度が比較的小さいポールチッ
プ2の外周部分に対向しないリターンヨーク部分4bの
ヨーク幅tbを薄く構成しているので、リターンヨーク
4の形状を小さく、軽量にすることができ、小型軽量な
サイクロトロン装置を得ることができる。
【0036】図11は、実施の形態5のサイクロトロン
装置の一実施例の構成を示す平面図で、リターンヨーク
の補強44の構成を示したものである。図12は、図1
1の装置の横断面図である。装置の調整等のために設け
たポールチップ引上げ機構46を所定の厚さの磁性体で
構成して、リターンヨークの補強44としたものであ
る。
【0037】図13は、実施の形態5のサイクロトロン
装置の他の実施例を示すビームの軌道面20における横
断面図である。図14は、図13の装置のヨーク4の外
観を示す斜視図である。図13のサイクロトロン装置
は、図10で示したリターンヨーク4の代わりに、ポー
ルチップ2の外周部分と対向しないリターン・ヨーク部
分4bに、複数個の貫通穴42を設けたものである。ポ
ールチップ2の外周部分に対向しないリターン・ヨーク
部分4bの磁束密度は比較的小さいので、貫通穴42を
設けても飽和することがなく、複数個の貫通穴42を設
けたことにより更にリターンヨークを軽量化することが
できる。
【0038】
【発明の効果】以上のように、第1の発明によれば、荷
電粒子ビームを円形に周回させる磁場を発生するコイル
と、ビームの軌道面上の磁場分布を整形するポールチッ
プと、コイルの周囲に設けられ上記ポールチップと接続
して磁路を形成するリターン・ヨークとを備えたサイク
ロトロン装置において、リターン・ヨークのヨーク幅が
リターン・ヨーク内の磁束密度を飽和させる幅のものと
したので、大きな偏向電磁石を使用することなくビーム
取出し角度θを小さくすることができ、小型軽量なサイ
クロトロン装置を得ることができる。
【0039】第2の発明によれば、ビーム取出しポート
近傍のリターンヨークのヨーク幅を、ビーム取出しポー
ト位置におけるリターンヨーク内の磁束密度が飽和する
幅のものとしたので、重量を軽減したリターンヨークに
より大きな偏向電磁石を使用することなくビーム取出し
角度θを小さくすることができ、小型軽量なサイクロト
ロン装置を得ることができる。
【0040】第3の発明によれば、ビーム取出しポート
が形成されているビーム軌道面上のリターンヨークに、
ビーム取出しポートに隣接して複数個の貫通穴を設けた
ので、重量を軽減したリターンヨークにより大きな偏向
電磁石を使用することなくビーム取出し角度θを小さく
することができ、小型軽量なサイクロトロン装置を得る
ことができる。
【0041】第4の発明によれば、リターン・ヨークの
ビーム取出しポートに隣接するビーム軌道面上の部分を
非磁性体で構成したので、簡易な構造で、大きな偏向電
磁石を使用することなくビーム取出し角度θを小さくす
ることができ、小型軽量なサイクロトロン装置を得るこ
とができる。
【0042】第5の発明によれば、ポールチップの外周
部分に対向する部分のヨーク幅が、ポールチップの外周
部分に対向しない部分のヨーク幅より厚いリターン・ヨ
ークと、厚いヨーク幅の部分のリターン・ヨーク部分を
貫通するビーム取出しポートを設けたので、重量を軽減
したリターンヨークにより大きな偏向電磁石を使用する
ことなくビーム取出し角度θを小さくすることができ、
小型軽量なサイクロトロン装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1のサイクロトロン
装置の構成を示すサイクロトロン中心軸で切断した縦断
面図である。
【図2】 実施の形態1のサイクロトロン装置の構成
を示す図1のAA横断面図である。
【図3】 実施の形態1のサイクロトロン装置の構成
を示す図1のEE横断面図である。
【図4】 実施の形態2のサイクロトロン装置の構成
を示すサイクロトロン中心軸で切断した縦断面図であ
る。
【図5】 実施の形態3のサイクロトロン装置の構成
を示すサイクロトロン中心軸で切断した縦断面図であ
る。
【図6】 図5のサイクロトロン装置ビーム軌道面2
0で切断した横断面図である。
【図7】 図5のサイクロトロン装置のFF断面図で
ある。
【図8】 実施の形態4のサイクロトロン装置の構成
を示すサイクロトロン中心軸で切断した縦断面図であ
る。
【図9】 図8のサイクロトロン装置のGG断面図で
ある。
【図10】 実施の形態5のサイクロトロン装置の構成
を示すビームの軌道面20における横断面図である。
【図11】 実施の形態5のサイクロトロン装置の構成
を示す平面図である。
【図12】 図11の装置の横断面図である。
【図13】 実施の形態5のサイクロトロン装置の他の
実施例を示すビームの軌道面20における横断面図であ
る。
【図14】 図13のサイクロトロン装置のヨーク4の
外観を示す斜視図である。
【図15】 従来のサイクロトロン装置の構成を示すサ
イクロトロン中心軸で切断した縦断面図である。
【図16】 図19のサイクロトロン装置をビーム軌道
面で切断した横断面図である。
【図17】 従来のサイクロトロン装置を配備したビー
ム照射装置の構成を示すビーム軌道面で切断した横断面
図である。
【図18】 従来のサイクロトロン装置を配備したビー
ム照射装置の構成を示すビーム軌道面で切断した横断面
図である。
【図19】 従来のサイクロトロン装置の構成を示すビ
ーム軌道面で切断した横断面図である。
【符号の説明】
2 ポールチップ、 3 空洞部 4 リターンヨーク、 6 コイル、 8 加速空洞、 10、10a ビーム取出しポート、 20 ビーム軌道面、 22 サイクロトロン中心軸、 30、30a、30b 磁束線、 32 ビーム、 40 貫通穴、 42 非磁性リング、 44 リターンヨーク補強、 46 ポールチップ引き上げ機構、 50 偏向電磁石、 100 サイクロトロン装置、 102 ビーム軌道、 104 回転ガントリー回転軸、 106 回転ガントリー偏向電磁石、 108 ビーム照射ポート、 110 ビーム照射点。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 荷電粒子ビームを円形に周回させる磁場
    を発生するコイルと、上記ビームの軌道面上の磁場分布
    を整形するポールチップと、上記コイルの周囲に設けら
    れ上記ポールチップと接続して磁路を形成するリターン
    ・ヨークとを備えたサイクロトロン装置において、上記
    リターン・ヨークのヨーク幅が上記リターン・ヨーク内
    の磁束密度を飽和させる幅のものであることを特徴とす
    るサイクロトロン装置。
  2. 【請求項2】 ビーム取出しポート近傍のリターンヨー
    クのヨーク幅が、上記ビーム取出しポートの位置におけ
    る上記リターンヨーク内の磁束密度を飽和させる幅のも
    のであることを特徴とする請求項1に記載のサイクロト
    ロン装置。
  3. 【請求項3】 ビーム取出しポートが形成されているビ
    ーム軌道面上のリターンヨークに、ビーム取出しポート
    に隣接して複数個の貫通穴を設けたことを特徴とする請
    求項1に記載のサイクロトロン装置。
  4. 【請求項4】 リターン・ヨークのビーム取出しポート
    に隣接するビーム軌道面上の部分を非磁性体で構成した
    ことを特徴とする請求項1に記載のサイクロトロン装
    置。
  5. 【請求項5】 ポールチップの外周部分に対向する部分
    のヨーク幅が、上記ポールチップの外周部分に対向しな
    い部分のヨーク幅より厚いリターン・ヨークと、厚いヨ
    ーク幅の部分の上記リターン・ヨークを貫通するビーム
    取出しポートを設けたことを特徴とする請求項1に記載
    のサイクロトロン装置。
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