JP2000162456A - Y分岐光導波路を具える波長分波器 - Google Patents

Y分岐光導波路を具える波長分波器

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JP2000162456A
JP2000162456A JP33962898A JP33962898A JP2000162456A JP 2000162456 A JP2000162456 A JP 2000162456A JP 33962898 A JP33962898 A JP 33962898A JP 33962898 A JP33962898 A JP 33962898A JP 2000162456 A JP2000162456 A JP 2000162456A
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wavelength
waveguide
curve
optical waveguide
branch
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JP33962898A
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Inventor
Hideki Ono
英輝 小野
Hiromi Takahashi
博実 高橋
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Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 第1伝搬方向に対して全長が短く、生産効率
が高く、しかも放射損失が従来構成の放射損失と同程度
にすること。 【解決手段】 幹線導波路22を、幹線導波路22の中
心線が第2伝搬方向L2に向く直線導波路とする。ま
た、第1分岐導波路26の中心線を、滑らかな第1曲線
R1に沿って第2分岐導波路28から離れる方向に曲げ
てから、この第1曲線R1の接線方向を第1伝搬方向L
1に一致させる。また、第2分岐導波路28の中心線
を、滑らかな第2曲線R2に沿って第1分岐導波路26
から離れる方向に曲げて、さらに、第2曲線R2の接線
方向を以ってこの第2曲線R2に接続してある滑らかな
第3曲線R3に沿って第1分岐導波路26に近づく方向
に曲げてから、この第3曲線R3の接線方向を第1伝搬
方向L1に一致させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、光通信に用いら
れる、Y分岐光導波路を具える波長分波器に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、FTTH(ファイバ・トウ・ザ・
ホーム)実現のため、Y分岐光導波路を具える波長分波
器の研究開発が進められている。
【0003】このY分岐光導波路を具える波長分波器の
1つとして、図8に示すように、誘電体多層膜フィルタ
を具える反射型波長分波器が提案されている(たとえ
ば、文献:1995年電子情報通信学会エレクトロニク
スソサイエティ大会C−229、または文献:信学技報
EMD96−36、CPM96−59、OPE96−5
8、LQE96−60(1996−08))。
【0004】図8は、これらの文献に開示されているY
分岐光導波路14を具える反射型波長分波器(以下、波
長分波器Aと言う。)の導波路部分および誘電体多層膜
フィルタ16のみを取り出して、それを上方から見た平
面図である。
【0005】たとえば、第1 波長光S1および第2波長
光S2からなる波長多重光SPが波長多重光導波路18
に入力される場合、誘電体多層膜フィルタ16は、第1
波長光S1を透過させてY分岐光導波路14に入力させ
ると共に、第2波長光S2を反射させて反射光導波路2
0に入力させることによって、波長多重光SPを分波す
る。
【0006】このY分岐光導波路14は、幹線導波路2
2と称する導波路と、導波路幅を拡げるためのテーパ導
波路24と、第1および第2分岐導波路26および28
とからなる。Y分岐光導波路14に入力された第1波長
光S1は、幹線導波路22と、導波路幅を拡げるための
テーパ導波路24を伝搬した後、第1および第2分岐導
波路26および28に分岐して外部に出力される。
【0007】ただし、この反射型波長分波器を用いる光
通信モジュールの構成上、波長分波器の入力方向と出力
方向とを互いに一致させるように、各導波路を形成す
る。後述のように、入力方向(すなわち、出力方向)を
第1伝搬方向L1と定義する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、両文献
に開示の波長分波器Aは、第1伝搬方向に対して長くな
る欠点を有している。
【0009】この欠点を解消するために、図9に示すよ
うに、誘電体多層膜フィルタ16を入力方向LAに対し
て斜めに設ける反射型波長分波器(以下、波長分波器B
と言う。)が提案されている。なお、図9は、図8と同
様に、波長分波器Bを上方から見た平面図である。
【0010】しかしながら、波長分波器Bの生産効率は
低い。以下、その理由を述べる。図10は、波長分波器
Bを形成する、ウェハ上の同一列の3個のチップを取り
出して、それらを同じ向きに並置させて上方から見た平
面図である。これらのチップの表面上には、誘電体多層
膜を挿入する溝36が形成されているが、個々の溝36
は傾いて配設されているため、共通の一直線上にないか
ら、この同一列上の反射型分波器のチップの溝36を一
括してダイシング形成できない。したがって、上述のよ
うに、この波長分波器Bの生産効率は低い。
【0011】これに対して、波長分波器Aの生産効率
は、波長分波器Bに比べて高い。以下、その理由を述べ
る。図11は、図10と同様に、波長分波器Aを形成す
る、ウェハ上の同一列の3個のチップを取り出して、そ
れらを同じ向きに並置させて上方から見た平面図であ
る。これらのチップの表面上には、誘電体多層膜を挿入
する溝36が形成されているが、これらの溝36は共通
の一直線上に形成されているから、この同一列上の反射
型分波器のチップの溝36を一括してダイシング形成で
きる。したがって、上述のように、この波長分波器Aの
生産効率は高い。
【0012】そこで、第1伝搬方向に対して全長が短
く、生産効率が高く、しかも放射損失が上述の従来構成
の放射損失と同程度であるY分岐光導波路を具える波長
分波器の出現が望まれていた。
【0013】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、この発明のY分岐光導波路を具える波長分波器は、
第1伝搬方向を以ってこの波長分波器へ入力した波長多
重光から特定の波長光を分波した後、この波長光を第1
伝搬方向と異なる方向の第2伝搬方向を以って出力する
波長分波部と、第2伝搬方向を以って入力した波長光を
第1伝搬方向を以って出力するY分岐光導波路とを具え
る。
【0014】このY分岐光導波路は、波長分波部に接続
されている幹線導波路と、幹線導波路に接続されていて
導波路幅を拡げるためのテーパ導波路と、テーパ導波路
にそれぞれ接続されている第1および第2分岐導波路と
を具える。
【0015】上述のY分岐光導波路を具える波長分波器
において、幹線導波路を、幹線導波路の中心線が第2伝
搬方向に向く直線導波路とする。また、第1分岐導波路
の中心線を、滑らかな第1曲線に沿って第2分岐導波路
から離れる方向に曲げてから、この第1曲線の接線方向
を第1伝搬方向に一致させてある。また、第2分岐導波
路の中心線を、滑らかな第2曲線に沿って第1分岐導波
路から離れる方向に曲げて、さらに、第2曲線の接線方
向を以ってこの第2曲線に接続してある滑らかな第3曲
線に沿って第1分岐導波路に近づく方向に曲げてから、
この第3曲線の接線方向を第1伝搬方向に一致させてあ
る。
【0016】上述のこの発明のY分岐光導波路を具える
波長分波器によれば、第1および第2分岐導波路を、そ
れぞれ入出力方向と等しい第1伝搬方向に対して短くす
ることが可能となる。なお、滑らかな曲線とは、連続的
微分可能な曲線を意味する。
【0017】この発明の実施に当たり、好ましくは、第
1曲線の曲がり部分を、真円の円弧とするのが良い。
【0018】このようにすれば、入力方向(すなわち、
出力方向)と等しい第1伝搬方向に対する、第1分岐導
波路の全長は、最短になる。このとき、上述の円弧の曲
率半径として、放射損失が最小となる半径を選べば良
い。
【0019】また、この発明の実施に当たり、好ましく
は、第2曲線を、真円の円弧とし、および第3曲線の曲
がり部分を、真円の円弧とするのが良い。
【0020】このようによれば、第2分岐導波路を、入
出力方向と等しい第1伝搬方向に対して短くすることが
可能となる。このとき、上述の円弧の曲率半径として、
放射損失が最小となる半径を選べば良い。
【0021】また、この発明の実施に当たり、好ましく
は、第2曲線に、第3曲線の円弧が接続されているのが
良い。
【0022】このようにすれば、入力方向(すなわち、
出力方向)と等しい第1伝搬方向に対する、第2分岐導
波路の全長は、最短になる。
【0023】また、この発明の実施に当たり、好ましく
は、波長分波部を、誘電体多層膜フィルタを用いた反射
型波長分波部とするのが良い。
【0024】このようにすれば、この波長分波器を形成
する、ウェハ上の同一列のチップの表面上に、誘電体多
層膜を挿入する溝を一直線上に各チップを貫いて形成す
ることができる。よって、この同一列上の反射型分波器
のチップの溝を一括してダイシング形成できる。したが
って、この波長分波器の生産効率は高い。
【0025】また、この発明の実施に当たり、好ましく
は、マッハツェンダー干渉計とするのが良い。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、図を参照して、この発明の
Y分岐光導波路の実施の形態につき説明する。なお、各
図は、この発明が理解できる程度に、各構成成分の形
状、大きさ及び配置関係を概略的に示してあるにすぎ
ず、したがって、この発明は、図示例に限定されるもの
ではない。また、以下の説明において、数値は単なる一
例にすぎず、この発明はこれらの数値のみに限定される
ものではない。
【0027】図1および図2を参照して、この発明のY
分岐光導波路14を具える波長分波器10の構成につき
説明する。なお、図1および図2で使用されている記号
については、後述する。
【0028】図1は、この発明のY分岐光導波路14を
具える波長分波器10の導波路部分および誘電体多層膜
フィルタ16のみを取り出して、これを上方から見たと
きの平面図である。
【0029】この発明のY分岐光導波路14を具える波
長分波器10は、波長多重された波長多重光SPから特
定の第1波長光S1を分波する波長分波部12と、分波
された第1波長光S1を伝搬させるY分岐光導波路14
とを具える。
【0030】この実施の形態では、波長分波部12を、
誘電体多層膜フィルタ16を具える反射型波長分波部1
2とする。すなわち、波長分波部12は、波長多重光S
Pを入力させる波長多重光導波路18と、波長多重光S
Pの中の特定の波長の第1波長光S1を透過させて、か
つこの第1波長光S1の波長以外の第2波長光S2を反
射させる誘電体多層膜フィルタ16と、反射された第2
波長光S2を入力させる反射光導波路20とを具える。
【0031】誘電体多層膜フィルタ16を透過した第1
波長光S1を伝搬させるY分岐光導波路14は、誘電体
多層膜フィルタ16に接続されてある幹線導波路22
と、幹線導波路22に接続されていて導波路幅を拡げる
ためのテーパ導波路24と、テーパ導波路24の出力端
にそれぞれ接続される第1及び第2分岐導波路26およ
び28とを具える。
【0032】次に、図2を参照して、この発明のY分岐
光導波路14を具える波長分波器10の一例につき説明
する。
【0033】図2は、Y分岐光導波路14を具える波長
分波器10の斜視図である。なお、図2で説明する構成
例においては、波長多重光導波路18、反射光導波路2
0、およびY分岐光導波路14は、いずれも上部クラッ
ド層34の下側に隠れているが、この図2では、これら
の導波路の形状及び配置の様子を、上部クラッド層34
の上面に実線で示している。
【0034】そこで、まず、図1および図2を参照し
て、Y分岐光導波路14を具える波長分波器10の作製
の工程につき説明する。
【0035】以下に説明する構成例では、基板30とし
て、対向する端面が互いに平行で、厚さ1mmで、しか
も平面形状が長方形のシリコン基板30を用いる。この
シリコン基板30上に、たとえば、プラズマCVD法に
よって、厚さ20μm及び屈折率1.4514の下部ク
ラッド層32(石英系ガラス)を成膜する。次に、この
下部クラッド層32の表面から、たとえば、固相拡散法
またはイオンプレーディング法によって、Ge(ゲルマ
ニューム)等を注入して、注入部分の屈折率を調整する
ことによって、厚さ8μmのコア層を形成する。これら
の固相拡散法またはイオンプレーディング法を用いてコ
ア層の屈折率を調整する方法は公知の技術なので、その
詳細な説明は省略する。このコア層は、波長多重光導波
路18、反射光導波路20及びY分岐光導波路14のそ
れぞれの光導波路として利用される。
【0036】この実施の形態では、波長多重光導波路1
8を伝搬する波長多重光SPとして、波長1.3μmお
よび1.55μmの2種類の光を使用する。また、波長
1.3μmの光を、Y分岐光導波路14を伝搬する第1
波長光S1とする。また、波長1.55μmの光を、反
射光導波路20を伝搬する第2波長光S2とする。な
お、波長1.3μmの光は、たとえば、電話回線用の光
信号として用いられる。また、波長1.55μmの光
は、たとえば、映像用の光信号として用いられる。
【0037】そこで、波長多重光導波路18、反射光導
波路20およびY分岐光導波路14を、それぞれ波長多
重光SP(波長1.3μmの光および1.55μmの
光)、第2波長光S2(波長1.55μmの光)、およ
び第1波長光S1(波長1.3μmの光)に対して、0
次モードのみを伝搬させる単一モード導波路とするため
に、波長多重光導波路18、反射光導波路20およびY
分岐光導波路14のコアの屈折率を、1.4556と設
定した。
【0038】なお、この波長分波器10を使用する光通
信モジュールの構成上、これらのコアを、波長分波器1
0の対向する、互いに平行な両端面に対し、好ましく
は、光が垂直に入力或いは出力できるように、形成す
る。これは、波長分波器10に対する入力光と出力光と
が、互いに平行となるように導波路を構成するためであ
る。すなわち、この波長分波器10では、波長多重光導
波路18の入力ポートである第1ポートP1に外部から
波長多重光SP(波長1.3μmおよび波長1.55μ
mの光)が入力する方向と、反射光導波路20の出力ポ
ートである第2ポートP2から第2波長光S2(波長
1.55μmの光)が外部に出力される方向と、第1分
岐導波路26の出力ポートである第3ポートP3から第
1波長光S1(波長1.3μmの光)が外部に出力され
る方向と、第2分岐導波路28の出力ポートである第4
ポートP4から第1波長光S1が外部に出力される方向
とを一致させる。そして、これらの光の入力方向および
出力方向を第1伝搬方向L1と定義する。
【0039】また、誘電体多層膜フィルタ16を挿入す
る溝36の方向を、第1伝搬方向L1に対して垂直にす
る。よって、同一列上の波長分波器10を形成する各チ
ップの溝36を一括してダイシング形成できるので、こ
の波長分波器10の生産効率が上がる。
【0040】ここで、波長多重光SPが誘電体多層膜フ
ィルタ16に入力される方向を、第2伝搬方向L2と定
義する。第2伝搬方向L2は、第1伝搬方向L1と異な
る。上述のように、誘電体多層膜フィルタ16は、第1
波長光S1を透過させてY分岐光導波路14に出力させ
る共に、第2波長光S2を反射させて反射光導波路20
に出力させる。
【0041】ところで、従来構成の波長分波器A(図8
参照)では、幹線導波路22は、入力した第1波長光S
1の放射損失を小さくするために、誘電体多層膜フィル
タ16に第2伝搬方向L2を以って接続されている。そ
して、この幹線導波路22の中心線は、滑らかに曲げら
れて第1伝搬方向L1に延びている。この幹線導波路2
2に、両者間の中心線に対して互いに対称的な第1およ
び第2分岐導波路26および28がそれぞれ接続されて
いる。よって、これらの第1および第2分岐導波路26
および28の中心線も、第3および第4ポートP3およ
びP4では、再び第1伝搬方向L1に延びている。
【0042】この従来構成の波長分波器Aによれば、幹
線導波路22が、第1伝搬方向L1に対して長くなる欠
点がある。
【0043】この欠点をなくすために、この発明の波長
分波器10は、中心線の方向が第2伝搬方向L2である
幹線導波路22を直線導波路とすることにより、幹線導
波路22は、第1伝搬方向L1に対して短くなってい
る。幹線導波路22の中心線の方向は、第2伝搬方向L
2であるから、従来構成の波長分波器Aと同様に、誘電
体多層膜フィルタ16より首尾良く第1波長光S1を入
力させることができる。
【0044】そこで、テーパ導波路24にそれぞれ接続
されている第1および第2分岐導波路26および28の
形状を工夫することにより、第3および第4ポートP3
およびP4における第1および第2分岐導波路26およ
び28の中心線の方向を第1伝搬方向L1にして、かつ
第1伝搬方向L1に対するY分岐導波路14の全長を、
従来構成の波長分波器AのY分岐光導波路14の全長よ
り短くできることにつき説明する。
【0045】すなわち、第1分岐導波路26の中心線
を、滑らかな第1曲線R1に沿って第2分岐導波路28
から離れる方向に曲げてから、この第1曲線R1の接線
方向を第1伝搬方向L1に一致させる。また、第2分岐
導波路28の中心線を、滑らかな第2曲線R2に沿って
第1分岐導波路26から離れる方向に曲げて、さらに、
第2曲線R2の接線方向を以ってこの第2曲線R2に接
続してある滑らかな第3曲線R3に沿って第1分岐導波
路26に近づく方向に曲げてから、この第3曲線R3の
接線方向を第1伝搬方向L1に一致させる。
【0046】このように、幹線導波路22、および第1
および第2分岐導波路26および28を形成すれば、第
1伝搬方向L1に対する、この発明の波長分波器10の
全長を短くすることが可能となる。
【0047】このとき、曲がり部分における光の放射損
失が最小となるように、第1曲線R1の曲がり部分を真
円の円弧とし、第2曲線R2を真円の円弧とし、および
第3曲線R3の曲がり部分を真円の円弧とする。光の放
射損失が最小なる円弧の半径の具体的な値については、
後述する。
【0048】ここで、第1、第2および第3曲線R1、
R2およびR3の中心角を、それぞれ第1、第2および
第3角度θ1 、θ2 およびθ3 とおく。また、波長多重
光導波路18の中心線と反射光導波路20の中心線との
間の交差角を2θ0 とおく。また、テーパ導波路24の
境界線と幹線導波路22の中心線との間の角度がφ(一
定値)となるように、テーパ導波路24を拡げる。
【0049】このとき、 θ1 =θ0 −φ ・・・(1) θ3 =θ0 +θ2 +φ ・・・(2) の関係が成り立つ。
【0050】さらに、第2曲線R2に、第3曲線R3の
円弧部分(前述)が接続されているとき、第1伝搬方向
に対して、Y分岐光導波路14の全長は、最短になる。
よって、第1伝搬方向に対して、このY分岐光導波路1
4を具える波長分波器10の全長も、最短になる。後述
するこの発明の波長分波器10は、第2曲線R2に、第
3曲線R3の円弧が接続されている。このとき、次式
(3)が成り立つ。
【0051】
【数3】
【0052】ここで、図1および(3)式で用いられる
記号につき説明する。r1 、r2 およびr3 は、それぞ
れ第1曲線R1、第2曲線R2および第3曲線R3の第
1曲率半径、第2曲率半径および第3曲率半径である。
wは、波長多重光導波路18、反射光導波路20、第1
分岐導波路26および第2分岐導波路28の導波路幅で
ある。gは、テーパ導波路24との接続部分における、
第1分岐導波路26の境界部と第2分岐導波路28の境
界部との距離である。dは、第3ポートP3における第
1分岐導波路26の中心線と、第4ポートP4における
第2分岐導波路28の中心線との間隔である。以下、こ
れらの記号を用いて、これらのパラメータをそれぞれ設
定する。
【0053】上述のように、Y分岐光導波路14におい
て、幹線導波路22、テーパ導波路24、第1分岐導波
路26および第2分岐導波路28が互いに連結して結合
されるように、それぞれのコアを形成する。また、これ
らのコアのそれぞれの一端は、波長多重光導波路18か
ら波長1.3μmの第1波長光S1をY分岐光導波路1
4に導入し、かつ、波長1.55μmの第2波長光S2
を反射光導波路20へ導入できるように、互いに接近ま
たはつながった状態に形成する。このような、これらコ
アの分岐付近を交差部と称する。
【0054】次に、たとえば、プラズマCVD法によっ
て、厚さ20μmの上部クラッド層34(石英系ガラ
ス)を、コアを含む下部クラッド層32の全面上に成膜
する。この上部クラッド層34の屈折率は、下部クラッ
ド層32の屈折率と同じ1.4514にする。この上部
クラッド層34を成膜することにより、反射型波長分波
器10の基本的構造を具える構造体が得られる。この構
造体は、埋込み型の導波路を有している。すなわち、基
板30上に、上部クラッド層34の下側であって、かつ
下部クラッド層32によって挟まれた、Y分岐光導波路
14と、波長多重光導波路18と、反射光導波路20と
を具えている。なお、下部及び上部クラッド層32およ
び34として、樹脂(たとえば、ポリメチルメタクリレ
ート(PMMA))を用いても良い。
【0055】最後に、上部クラッド層34が成膜されて
得られた構造体に対し、この上部クラッド層34側の面
からダイシングを行って、幅20μm及び深さ200μ
mの溝36を直線状に形成する。この溝36は、シリコ
ン基板30に至る。更に、この溝36は、上述の交差部
を通り、かつ、光の入力端面及び出力端面と平行となる
ように、すなわち第1伝搬方向L1に垂直になるように
形成する。この溝36は、同一列上の波長分波器10を
形成する各チップ上に一直線上にあるから、一括して同
一列上のチップの溝36をダイシング形成できる。よっ
て、この波長分波器10の生産効率は高い。そして、こ
の交差部において、溝36に誘電体多層膜フィルタ16
を挿入して、反射型波長分波器10の作製は完了する。
【0056】この構成例では、誘電体多層膜フィルタ1
6を、波長1.55μmの第2波長光S2を反射させる
とともに、波長1.3μmの第1波長光S1を透過させ
る波長分波フィルタとして形成してある。この誘電体多
層膜フィルタ16は、既存の誘電体多層膜フィルタ16
を入手して用いればよい。したがって、波長多重光導波
路18を伝播してきた波長1.55μmの第2波長光S
2は、誘電体多層膜フィルタ16で反射されて、反射光
導波路20を伝播して出力していく。一方、この波長多
重光導波路18を伝播してきた波長1.3μmの第1波
長光S1は、この誘電体多層膜フィルタ16を透過して
Y分岐光導波路14に入力する。
【0057】次に、この反射型波長分波器10に入力さ
れた光の伝搬ルートの形態につき説明する。
【0058】この光の伝搬ルートには、2つの形態があ
る。
【0059】第1の伝搬ルートは、上述の伝搬ルートで
ある。すなわち、第1の伝搬ルートは、第1ポートP1
から入力された波長1.3μmの第1波長光S1および
波長1.55μmの第2波長光S2のうち、波長1.3
μmの第1波長光S1を第3ポートP3および第4ポー
トP4からそれぞれ出力させて、かつ波長1.55μm
の第2波長光S2を第2ポートP2から出力させる伝搬
ルートである。第1の伝搬ルートの光の発振源は、第1
ポートP1にそれぞれ接続されている、波長1.3μm
の第1波長光S1を発振するレーザダイオード、および
波長1.55μmの第2波長光S2を発振するレーザダ
イオードである。
【0060】第2ポートP2には、波長1.55μmの
第2波長光S2を受信するためのフォトダイオードが接
続されている。この第2ポートP2から出力された波長
1.55μmの第2波長光S2は、このフォトダイオー
ドに入力された後、電気信号に変換される。上述のよう
に、後段階で、この電気信号は、たとえば映像に変換さ
れる。この波長1.55μmの第2波長光S2は、第2
ポートP2の受信用信号である。
【0061】また、第4ポートP4には、波長1.3μ
mの第1波長光S1を受信するためのフォトダイオード
が接続されている。この第4ポートP4から出力された
波長1.3μmの第1波長光S1は、このフォトダイオ
ードに入力された後、電気信号に変換される。上述のよ
うに、後段階で、この電気信号は、たとえば電話回線の
音声に変換される。この波長1.3μmの第1波長光S
1は、第4ポートP4の受信用信号である。
【0062】ただし、第3ポートP3には、波長1.3
μmの第1波長光S1を受信するためのフォトダイオー
ドが接続されていない。その代わりに、後述のように、
第3ポートP3には、波長1.3μmの第1波長光S1
を送信するためのレーザダイオードが接続されている。
この第3ポートP3から出力された波長1.3μmの第
1波長光S1は、レーザダイオードに入力された後、使
用されずに捨てられる。
【0063】この波長分波器10の伝搬ルートには、上
述の第1の伝搬ルートに加えて、後述する第2の伝搬ル
ートがある。これらの第1および第2の伝搬ルートを、
同時に使用できる。
【0064】この第2の伝搬ルートの光の発振源は、第
3ポートP3に接続されている波長1.3μmの第1波
長光S1を発振するレーザダイオードである。第2の伝
搬ルートは、第3ポートP3に接続されてある上述のレ
ーザダイオードから波長1.3μmの第1波長光S1を
入力して、第1分岐導波路26、テーパ導波路24、幹
線導波路22、誘電体多層膜フィルタ16および反射光
導波路20を経由させた後、この波長1.3μmの第1
波長光S1を第1ポートP1から出力させる伝搬ルート
である。この波長1.3μmの第1波長光S1は、第3
ポートP3の発振用信号である。
【0065】なお、この波長1.3μmの第1波長光S
1は、反射光導波路20には入力されない。なぜなら
ば、幹線導波路22は、第2伝搬方向L2を向く直線導
波路であるため、幹線導波路22を伝搬する波長1.3
μmの第1波長光S1は、誘電体多層膜フィルタ16に
入力されるまでに、第2伝搬方向L2に方向づけられる
からである。波長多重光導波路18は、誘電体多層膜フ
ィルタ16の近傍で第2伝搬方向L2に向けられている
から、波長1.3μmの第1波長光S1は、首尾良く波
長多重光導波路18に入力される。したがって、この波
長1.3μmの第1波長光S1は、反射光導波路20に
は入力されない。
【0066】このように、第1ポートP1には、上述の
波長1.3μmの第1波長光S1を発振するためのフォ
トダイオードと、上述の波長1.55μmの第2波長光
S2を発振するためのフォトダイオードとに加えて、波
長1.3μmの第1波長光S1を受信するためのフォト
ダイオードが接続されている。この第1ポートP1から
出力された波長1.3μmの第1波長光S1は、このフ
ォトダイオードに入力された後、電気信号に変換され
る。上述のように、後段階で、この電気信号は、たとえ
ば電話回線の音声に変換される。
【0067】上述した光の伝搬ルートの形態をまとめる
と、以下のようになる。すなわち、受信用の波長1.3
μmの第1波長光S1は、第1ポートP1から反射型波
長分波器10に入力した後、第4ポートP4から外部へ
出力されて受信される。また、発振用の波長1.3μm
の第1波長光S1は、第3ポートP3から反射型波長分
波器10に入力した後、第1ポートP1から出力されて
受信される。また、受信用の1.55μmの第2波長光
S2は、第1ポートP1から反射型波長分波器10に入
力した後、第2ポートP2から出力されて受信される。
【0068】次に、(1)式、(2)式および(3)式
の各パラメータを具体的にそれぞれ設定して、この発明
の波長分波器10の特長につき説明する。
【0069】なお、述べる第1〜第4の実施の形態で
は、各パラメータを φ=0.5° g=3.5μm d=250μm のように共通に設定してある。
【0070】「第1の実施の形態」波長多重光導波路1
8と反射光導波路20との交差角2θ0 =10°に設定
したとき(すなわち、θ0 =5°に設定したとき)、
(1)式、(3)式および(2)式より、それぞれθ1
=4.5°、θ2 =2.03°およびθ3 =7.53°
となる。このとき、この発明の波長分波器10の全長
は、9.34mmとなる(全長は、第1伝搬方向L1に
対する長さである)。これに対して、同じく、交差角2
θ0 =10°にしたときの従来構成の波長分波器Aの全
長は、10.7mmとなる。したがって、この発明の波
長分波器10の全長は、従来構成の波長分波器Aの全長
より1.16mmも短い。
【0071】ただし、r1 =r2 =r3 =25mmとし
てある。これらの第1、第2および第3曲率半径r1
2 およびr3 は、いずれも伝搬光の放射損失が最も小
さくなるように導出されている。これらの曲率半径の導
出に係る説明は、“光集積回路、オーム社、47−49
頁" に記述されており、その説明を参考にして、これら
の曲率半径を決定してある。また、波長多重光導波路1
8および反射光導波路20の曲がり部分の中心線の曲率
半径も、それぞれ25mmとしてある。また、第1ポー
トP1における波長多重光導波路18の中心と、第2ポ
ートP2における反射光導波路20の中心との距離を、
250μmとしてある。また、導波路幅wを8μmとし
てある。
【0072】ところで、波長分波器10を設計する上
で、波長分波器10の全長以外に、S/Nも重要なファ
クターとなる。つまり、上述の第1および第2伝搬ルー
トに対して、第1波長光S1のS/Nを上げるには、放
射損失を小さくすることが必要である。
【0073】そこで、第1伝搬方向L1に対してコンパ
クトであるこの発明の波長分波器10の放射損失が従来
構成のものと比べてさほど変わらないことを示す。ただ
し、この実施の形態では、波長1.3μmの第1波長光
S1に関する放射損失についてのみ説明する。
【0074】第3ポートP3から波長1.3μmの第1
波長光S1を入力させて第1ポートP1から出力させた
場合、この発明の波長分波器10では放射損失が4.1
61dBであるのに対して、従来構成の波長分波器Aで
は放射損失4.996dBである。したがって、この発
明の波長分波器10は、従来構成の波長分波器Aと比べ
て、0.835dBだけ放射損失を低減している。
【0075】また、第1ポートP1から波長1.3μm
の第1波長光S1を入力させて第4ポートP4から出力
させた場合、この発明の波長分波器10では放射損失が
4.390dBであるのに対して、従来構成の波長分波
器Aでは3.518dBである。したがって、この発明
の波長分波器10は、従来構成の波長分波器Aと比べ
て、0.872dBだけ放射損失を増加させている。
【0076】したがって、この発明の波長分波器10の
全体放射損失と、従来構成の波長分波器Aの全体放射損
失とは、ほとんど同じである。よって、この発明の波長
分波器10による光通信は、実用上問題ない。
【0077】なお、全体放射損失とは、第3ポートP3
から波長1.3μmの第1波長光S1を入力させて第1
ポートP1から出力させた場合の放射損失と、第1ポー
トP1から波長1.3μmの第1波長光S1を入力させ
て第4ポートP4から出力させた場合の放射損失を加算
した値である。
【0078】「第2の実施の形態」次に、波長多重光導
波路18と反射光導波路20との交差角2θ0 =15°
に設定したとき(すなわち、θ0 =7.5°に設定した
とき)、(1)式、(3)式および(2)式より、それ
ぞれθ1 =7°、θ2 =1.38°およびθ3 =9.3
8°となる。このとき、この発明の波長分波器10の全
長は、10.9mmとなる。これに対して、同じく、交
差角2θ0 =15°にしたときの従来構成の波長分波器
Aの全長は、12.8mmとなる。したがって、この発
明の波長分波器10の全長は、従来構成の波長分波器A
の全長より1.9mmも短い。
【0079】ただし、第1の実施の形態と同様に、r1
=r2 =r3 =25mmとし、かつ波長多重光導波路1
8および反射光導波路20の曲がり部分の中心線の曲率
半径も、それぞれ25mmとしてある。また、第1ポー
トP1における波長多重光導波路18の中心と、第2ポ
ートP2における反射光導波路20の中心との距離を、
500μmとしてある。また、導波路幅wを8μmとし
てある。
【0080】「第3の実施の形態」次に、波長多重光導
波路18と反射光導波路20との交差角2θ0 =20°
に設定したとき(すなわち、θ0 =10°に設定したと
き)、(1)式、(3)式および(2)式より、それぞ
れθ1 =9.5°、θ2 =0.98°およびθ3 =1
1.48°となる。このとき、この発明の波長分波器1
0の全長は、10.8mmとなる。これに対して、同じ
く、交差角2θ0 =20°にしたときの従来構成の波長
分波器Aの全長は、13.1mmとなる。したがって、
この発明の波長分波器10の全長は、従来構成の波長分
波器Aの全長より2.3mmも短い。
【0081】ただし、第2の実施の形態と同様に、r1
=r2 =r3 =25mmとし、波長多重光導波路18お
よび反射光導波路20の曲がり部分の中心線の曲率半径
も、それぞれ25mmとしてある。また、第1ポートP
1における波長多重光導波路18の中心と、第2ポート
P2における反射光導波路20の中心との距離を、50
0μmとしてある。また、導波路幅wを8μmとしてあ
る。
【0082】次に、この波長分波器10の導波路幅の依
存性に関して説明する。
【0083】図3は、導波路幅wを変化させたときの放
射損失の変化を示すグラフである。縦軸および横軸は、
それぞれ放射損失(単位はdB)および導波路幅(単位
はμm)を表す。図中の黒丸は、第1ポートP1から第
4ポートP4に波長1.3μmの第1波長光S1が伝搬
した場合の放射損失であり、この黒丸を連ねた近似曲線
を曲線1とする。また、図中の白丸は、第3ポートP3
から第1ポートP1に波長1.3μmの第1波長光S1
が伝搬した場合の射放損失であり、この白丸を連ねた近
似曲線を曲線2とする。
【0084】曲線1および曲線2は、それぞれ直線的
に、単調増加および単調減少している。
【0085】ところで、光通信上、送信信号および受信
信号の放射損失を等しくするのが望ましい。この場合、
曲線1および曲線2の放射損失を等しくするのが望まし
い。図3を参照すると、導波路幅wが8.0μmのと
き、曲線1および曲線2の放射損失は、等しくなる。た
とえば、導波路幅wが8.0μmから0.6μmずれて
も放射損失の絶対値は、おおよそ0.5dBずれるだけ
である。よって、多少導波路幅が8.0μmからずれて
も、第1ポートP1から第4ポートP4に波長1.3μ
mの第1波長光S1が伝搬した場合の放射損失と、第3
ポートP3から第1ポートP1に波長1.3μmの第1
波長光S1が伝搬した場合の射放損失がおおよそ等しい
波長分波器10を製造することが容易である。
【0086】このように、曲線1および曲線2は、単調
な直線的な曲線であるから、第1ポートP1から第4ポ
ートP4に波長1.3μmの第1波長光S1が伝搬した
場合の放射損失と、第3ポートP3から第1ポートP1
に波長1.3μmの第1波長光S1が伝搬した場合の放
射損失との調整が容易である。
【0087】これに対して、従来構成の波長分波器Aの
放射損失を容易に調整することは困難である。
【0088】図4は、従来構成の波長分波器Aの導波路
幅を変化させたときの放射損失の変化を示すグラフであ
る。縦軸および横軸は、それぞれ放射損失(単位はd
B)および導波路幅(単位はμm)を表す。図中の黒丸
は、第1ポートP1から第4ポートP4に波長1.3μ
mの第1波長光S1が伝搬した場合の放射損失であり、
この黒丸を連ねた近似曲線を曲線3とする。また、図中
の白丸は、第3ポートP3から第1ポートP1に波長
1.3μmの第1波長光S1が伝搬した場合の放射損失
であり、この白丸を連ねた近似曲線を曲線4とする。
【0089】曲線3および曲線4は、いずれも複雑に変
化している。図4を参照すると、図3と同様に、導波路
幅が8.0μmのとき、曲線3および曲線4の放射損失
は、等しくなる。しかしながら、たとえば、導波路幅w
が8.0μmから0.4μmずれただけで、放射損失の
絶対値は、1.5〜2dBもずれる。よって、第1ポー
トP1から第4ポートP4に波長1.3μmの第1波長
光S1が伝搬した場合の放射損失と、第3ポートP3か
ら第1ポートP1に波長1.3μmの第1波長光S1が
伝搬した場合の射放損失がおおよそ等しい波長分波器A
を製造することは、この発明の波長分波器10と比べ
て、困難である。
【0090】「第4の実施の形態」第1〜第3の実施の
形態では、r1 =r2 =r3 =25mmとしたが、r
1 、r2 およびr3 は、この値に限定されるものではな
い。波長多重光導波路18と反射光導波路20との交差
角2θ0 =20°(すなわち、θ0 =10°)に設定し
てある。また、導波路幅w=8μmとしてある。
【0091】図5は、第4の実施の形態のY分岐光導波
路14を具える波長分波器10の導波路部分および誘電
体多層膜フィルタ16のみを取り出して、これを上方か
ら見たときの平面図である。
【0092】図6は、第1曲率半径を変化させたときの
放射損失の変化を示すグラフである。縦軸および横軸
は、それぞれ放射損失(単位はdB)および第1分岐導
波路26の第1曲率半径r1 (単位はmm)を表す。図
中の黒丸は、第1ポートP1から第4ポートP4に波長
1.3μmの第1波長光S1が伝搬した場合の放射損失
であり、この黒丸を連ねた近似曲線を曲線5とする。ま
た、図中の白丸は、第3ポートP3から第1ポートP1
に波長1.3μmの第1波長光S1が伝搬した場合の放
射損失であり、この白丸を連ねた近似曲線を曲線6とす
る。
【0093】曲線5および曲線6は、それぞれ直線的
に、単調増加および単調減少している。曲線5および曲
線6は、単調な直線的な曲線であるから、第1ポートP
1から第4ポートP4に波長1.3μmの第1波長光S
1が伝搬した場合の放射損失と、第3ポートP3から第
1ポートP1に波長1.3μmの第1波長光S1が伝搬
した場合の放射損失との調整が容易である。なお、r1
=20.4mmのとき、曲線5および曲線6の放射損失
は、等しくなる。
【0094】なお、第4の実施の形態では、r1 をr2
およびr3 より小さくしたが、r1をr2 およびr3
り大きくしても、同様の効果が得られる。
【0095】この発明は、上述の実施の形態にのみ限定
されるものではなく、設計に応じて種々の変更を加える
ことができる。
【0096】たとえば、波長分波部12を、誘電体多層
膜フィルタ16を用いた反射型波長分波部12ではな
く、たとえば、マッハツェンダー干渉計38としても良
い。
【0097】図7は、波長分波部12として1入力2出
力型のマッハツェンダー干渉計38を用いた場合の導波
路部分のみを取り出して、これを上方から見たときの平
面図である。
【0098】この場合、幹線導波路を1入力2出力型の
マッハツェンダー干渉計38の1出力端に接続させて、
Y分岐光導波路14を使用することができる。図7で
は、1入力2出力型のマッハツェンダー干渉計38は、
第1波長光S1及び第2波長光S2を有する波長多重光
SPを分波した後、第1波長光S1を直進させながら出
力させ、第2波長光S2をY分岐光導波路14に入力さ
せている。
【0099】また、上述の実施の形態では、固相拡散法
またはイオンプレーティング法等によって、コアを形成
してあるが、コアの形成方法はこれらに限らない。たと
えば、下部クラッド層32の表面上に、厚さ8μmのコ
ア層(石英系ガラス)を成膜し、次に、たとえば、反応
性イオンエッチング法(RIE法)により、8μmの幅
にコア層をエッチングして、各導波路用のコアを形成し
ても良い。
【0100】
【発明の効果】上述の説明から明らかなように、第1伝
搬方向に対する、この発明の波長分波器の全長は、従来
構成の波長分波器Aの全長と比較して、短い。
【0101】また、波長分波器を形成する同一列上の波
長分波器チップの溝を一直線にすることができる。よっ
て、この発明の波長分波器の生産効率が向上する。
【0102】また、この発明の波長分波器の全体放射損
失は、従来構成の波長分波器Aの放射損失と同程度であ
るから、この発明の波長分波器による光通信は、実用上
問題ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の波長分波器の導波路部分および誘電
体多層膜フィルタを上方から見たときの平面図である。
【図2】この発明の波長分波器の斜視図である。
【図3】この発明の第3の実施の形態の波長分波器の導
波路幅を変化させたときの放射損失の変化を示すグラフ
である。
【図4】従来構成の波長分波器の導波路幅を変化させた
ときの放射損失の変化を示すグラフである。
【図5】この発明の第4の実施の形態の導波路部分およ
び誘電体多層膜フィルタを上方から見たときの平面図で
ある。
【図6】この発明の第4実施の形態の第1曲率半径を変
化させたときの放射損失の変化を示すグラフである。
【図7】この発明のY分岐光導波路を具える1入力2出
力型のマッハツェンダー波長分波器である。
【図8】従来構成の波長分波器Aの導波路部分および誘
電体多層膜フィルタを上方から見たときの平面図であ
る。
【図9】従来構成の波長分波器Bの導波路部分および誘
電体多層膜フィルタを上方から見たときの平面図であ
る。
【図10】波長分波器Bを形成する、同一列上にある3
個の波長分波器Bのチップを上方から見た平面図であ
る。
【図11】波長分波器Aを形成する、同一列上にある3
個の波長分波器Aのチップを上方から見た平面図であ
る。
【符号の説明】
10:Y分岐光導波路を具える波長分波器 12:波長分波部 14:Y分岐光導波路 16:誘電体多層膜フィルタ 18:波長多重光導波路 20:反射光導波路 22:幹線導波路 24:テーパ導波路 26:第1分岐導波路 28:第2分岐導波路 30:基板 32:下部クラッド層 34:上部クラッド層 36:溝 38:マッハツェンダー干渉計 d:第3ポートにおける第1分岐導波路の中心と、第4
ポートにおける第2分岐導波路の中心との距離 g:テーパ導波路との接続部分における、第1分岐導波
路の境界線と第2分岐導波路の境界線との距離 L1:第1伝搬方向 L2:第2伝搬方向 P1:第1ポート P2:第2ポート P3:第3ポート P4:第4ポート R1:第1曲線 R2:第2曲線 R3:第3曲線 r1 :第1曲率半径 r2 :第2曲率半径 r3 :第3曲率半径 S1:第1波長光 S2:第2波長光 SP:波長多重光 w:導波路幅 2θ0 :波長多重光導波路の中心線と反射光導波路の中
心線との間の角度 θ1 :第1角度 θ2 :第2角度 θ3 :第3角度 φ:テーパ導波路の境界線と幹線導波路の中心線との間
の角度

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1伝搬方向を以って当該波長分波器へ
    入力した波長多重光から特定の波長光を分波した後、前
    記波長光を前記第1伝搬方向と異なる方向の第2伝搬方
    向を以って出力する波長分波部と、前記第2伝搬方向を
    以って入力した前記波長光を前記第1伝搬方向を以って
    出力するY分岐光導波路とを具え、 前記Y分岐光導波路が、前記波長分波部に接続されてい
    る幹線導波路と、前記幹線導波路に接続されていて導波
    路幅を拡げるためのテーパ導波路と、前記テーパ導波路
    にそれぞれ接続されている第1および第2分岐導波路と
    を具える波長分波器において、 前記幹線導波路を、前記幹線導波路の中心線が前記第2
    伝搬方向に向く直線導波路とし、 前記第1分岐導波路の中心線を、滑らかな第1曲線に沿
    って前記第2分岐導波路から離れる方向に曲げてから、
    該第1曲線の接線方向を前記第1伝搬方向に一致させて
    あり、 前記第2分岐導波路の中心線を、滑らかな第2曲線に沿
    って前記第1分岐導波路から離れる方向に曲げて、さら
    に、前記第2曲線の接線方向を以って該第2曲線に接続
    してある滑らかな第3曲線に沿って前記第1分岐導波路
    に近づく方向に曲げてから、該第3曲線の接線方向を前
    記第1伝搬方向に一致させてあることを特徴とするY分
    岐光導波路を具える波長分波器。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のY分岐光導波路を具え
    る波長分波器において、 前記第1曲線の曲がり部分を、真円の円弧とすることを
    特徴とするY分岐光導波路を具える波長分波器。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のY分岐光導波路を具え
    る波長分波器において、 前記第2曲線を、真円の円弧とし、および前記第3曲線
    の曲がり部分を、真円の円弧とすることを特徴とするY
    分岐光導波路を具える波長分波器。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載のY分岐光導波路を具え
    る波長分波器において、 前記第2曲線に、前記第3曲線の曲がり部分である前記
    円弧が接続されていることを特徴とするY分岐光導波路
    を具える波長分波器。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載のY分岐光導波路を具え
    る波長分波器において、 前記波長分波部を、誘電体多層膜フィルタを用いた反射
    型波長分波部とすることを特徴とするY分岐光導波路を
    具える波長分波器。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載のY分岐光導波路を具え
    る波長分波器において、 前記波長分波部を、マッハツェンダー干渉計とすること
    を特徴とするY分岐光導波路を具える波長分波器。
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