JP2000161953A - 傾斜計 - Google Patents
傾斜計Info
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- JP2000161953A JP2000161953A JP33640798A JP33640798A JP2000161953A JP 2000161953 A JP2000161953 A JP 2000161953A JP 33640798 A JP33640798 A JP 33640798A JP 33640798 A JP33640798 A JP 33640798A JP 2000161953 A JP2000161953 A JP 2000161953A
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- Japan
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- inclinometer
- wire rope
- displacement
- light
- wire
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 高さ寸法を充分に小さく且つ、角度変位の高
い検出感度を得ることを可能とし、設置個所の制約を軽
減して設置の自由度を向上すると共に、感度のバラツ
キ、非直線性のバラツキ、ヒステリシス等の大幅な低減
化を実現し、併せて耐振性、耐衝撃性の改善を図る。 【解決手段】 ワイヤロープ24は、傾斜計の中心軸
O,O′に対しθなる角度だけ傾斜してスタンド1およ
びクラウン2に設けた板ばね23のワイヤロープ固定部
25A、25B間に捩り回動可能に張設されている。可
動鉄芯11は、アーム26A,26Bによってワイヤロ
ープ24に一体的に取付けられており、ワイヤロープ2
4を中心として回動するとき、差動トランスコイル10
の空胴内を円弧状に移動する。傾斜計に傾きが加えられ
ると、先端部に可動鉄芯11が設けられたアーム26
A,26Bが常に重心を求めてワイヤロープ24を中心
として回動し、高感度に傾斜に応じた変位を生じる。
い検出感度を得ることを可能とし、設置個所の制約を軽
減して設置の自由度を向上すると共に、感度のバラツ
キ、非直線性のバラツキ、ヒステリシス等の大幅な低減
化を実現し、併せて耐振性、耐衝撃性の改善を図る。 【解決手段】 ワイヤロープ24は、傾斜計の中心軸
O,O′に対しθなる角度だけ傾斜してスタンド1およ
びクラウン2に設けた板ばね23のワイヤロープ固定部
25A、25B間に捩り回動可能に張設されている。可
動鉄芯11は、アーム26A,26Bによってワイヤロ
ープ24に一体的に取付けられており、ワイヤロープ2
4を中心として回動するとき、差動トランスコイル10
の空胴内を円弧状に移動する。傾斜計に傾きが加えられ
ると、先端部に可動鉄芯11が設けられたアーム26
A,26Bが常に重心を求めてワイヤロープ24を中心
として回動し、高感度に傾斜に応じた変位を生じる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水平または鉛直か
らの傾斜を高精度に検知計測する傾斜計に係り、特に地
震または建設工事に起因する地盤変動等の挙動調査に好
適な傾斜計に関するものである。
らの傾斜を高精度に検知計測する傾斜計に係り、特に地
震または建設工事に起因する地盤変動等の挙動調査に好
適な傾斜計に関するものである。
【0002】
【従来の技術】地震または建設工事に起因する地盤変動
等のような地盤の変動あるいは建築物の傾斜等の状況を
観測するために、水平または鉛直からの傾斜を高精度に
検知計測する傾斜計が用いられている。この傾斜計は、
一般に重力方向のずれを検出するものであり、基本的
に、いわゆる下げ振りの原理を応用している。すなわ
ち、傾斜計では、特定の方向に回動可能にまたはあらゆ
る方向に回動可能に支持された部材を介して錘を吊下し
て回動変位を計測することにより、傾斜を検出する。前
記回動変位の計測には、錘部近傍の相対位置変位による
電磁誘導を利用した変位検出または回動支持部のたわみ
変形を利用した変位検出が行われる。
等のような地盤の変動あるいは建築物の傾斜等の状況を
観測するために、水平または鉛直からの傾斜を高精度に
検知計測する傾斜計が用いられている。この傾斜計は、
一般に重力方向のずれを検出するものであり、基本的
に、いわゆる下げ振りの原理を応用している。すなわ
ち、傾斜計では、特定の方向に回動可能にまたはあらゆ
る方向に回動可能に支持された部材を介して錘を吊下し
て回動変位を計測することにより、傾斜を検出する。前
記回動変位の計測には、錘部近傍の相対位置変位による
電磁誘導を利用した変位検出または回動支持部のたわみ
変形を利用した変位検出が行われる。
【0003】しかしながら、この従来の傾斜計において
は、下げ振り式の構成を基本としているので、微小角変
位の検出を可能にするためには、基本長を長く構成し
て、感度を向上させることになる。そのため、傾斜計の
高さ寸法はどうしても大きくならざるを得なかった。し
たがって、傾斜計の設置上いろいろな制約を生じてお
り、狭い場所については設置が不能となる場合もあっ
た。
は、下げ振り式の構成を基本としているので、微小角変
位の検出を可能にするためには、基本長を長く構成し
て、感度を向上させることになる。そのため、傾斜計の
高さ寸法はどうしても大きくならざるを得なかった。し
たがって、傾斜計の設置上いろいろな制約を生じてお
り、狭い場所については設置が不能となる場合もあっ
た。
【0004】そこで、本出願人は、上述した事情を考慮
して、基準となる鉛直軸に対して所定の傾斜角度だけ傾
斜させて配設された回転軸と、前記回転軸に沿う軸線に
対して所定半径で振り子回動可能に設けられる作動部材
と、前記作動部材の先端近傍に設けられた作動片と、前
記作動片の基準位置に対する変位を計測する計測部とを
具備する傾斜計を先に提案した(特開平10−1419
50号)。
して、基準となる鉛直軸に対して所定の傾斜角度だけ傾
斜させて配設された回転軸と、前記回転軸に沿う軸線に
対して所定半径で振り子回動可能に設けられる作動部材
と、前記作動部材の先端近傍に設けられた作動片と、前
記作動片の基準位置に対する変位を計測する計測部とを
具備する傾斜計を先に提案した(特開平10−1419
50号)。
【0005】この先願に係る傾斜計について、図4およ
び図5を用いてより具体的に説明する。図4および図5
に示す傾斜計は、スタンド1、クラウン2、ピボット軸
受け3A,3B、ニードル旋回軸4、アーム保持部材
5、アーム6A,6B、ベース部材7、トップ部材8、
ケース9、差動トランスコイル10、可動鉄芯11、ナ
ット12A,12B、回路基板13、ケーブル14、グ
ランド金具15等を具備している。この傾斜計の設置さ
れている部位が傾斜することにより、傾斜計が図5に示
すCまたはC′方向に傾斜すると、それに伴って、B方
向に角度θだけ傾斜していたニードル旋回軸4が、さら
にCまたはC′方向に傾斜する。このため、ニードル旋
回軸4は、CまたはC′方向についての傾斜角度に対応
して、図2のB方向とC方向との中間の方向、またはB
方向とC′方向との中間の方向に傾斜することになる。
び図5を用いてより具体的に説明する。図4および図5
に示す傾斜計は、スタンド1、クラウン2、ピボット軸
受け3A,3B、ニードル旋回軸4、アーム保持部材
5、アーム6A,6B、ベース部材7、トップ部材8、
ケース9、差動トランスコイル10、可動鉄芯11、ナ
ット12A,12B、回路基板13、ケーブル14、グ
ランド金具15等を具備している。この傾斜計の設置さ
れている部位が傾斜することにより、傾斜計が図5に示
すCまたはC′方向に傾斜すると、それに伴って、B方
向に角度θだけ傾斜していたニードル旋回軸4が、さら
にCまたはC′方向に傾斜する。このため、ニードル旋
回軸4は、CまたはC′方向についての傾斜角度に対応
して、図2のB方向とC方向との中間の方向、またはB
方向とC′方向との中間の方向に傾斜することになる。
【0006】可動鉄芯11は、重力の作用によりニード
ル旋回軸4の鉛直軸に対する傾斜方向に偏倚するので、
CまたはC′方向についての傾斜角度に応じた方向に偏
倚する。このとき、差動トランスコイル10の2次コイ
ルから検出回路で検出される出力は、差動トランスコイ
ル10に対する可動鉄芯11の変位量に対応した値とな
る。したがって、検出回路からは、CまたはC′方向に
ついての傾斜角に対応する信号が出力される。このよう
な構成にすると、高さ寸法が小さくても、微小な傾斜に
よる角度変位に対して大きく振れるので、高い角度変位
の検出感度を得ることを可能とする傾斜計とすることが
できる。
ル旋回軸4の鉛直軸に対する傾斜方向に偏倚するので、
CまたはC′方向についての傾斜角度に応じた方向に偏
倚する。このとき、差動トランスコイル10の2次コイ
ルから検出回路で検出される出力は、差動トランスコイ
ル10に対する可動鉄芯11の変位量に対応した値とな
る。したがって、検出回路からは、CまたはC′方向に
ついての傾斜角に対応する信号が出力される。このよう
な構成にすると、高さ寸法が小さくても、微小な傾斜に
よる角度変位に対して大きく振れるので、高い角度変位
の検出感度を得ることを可能とする傾斜計とすることが
できる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上述した
先願(特開平10−141950号)に係る発明は、ニ
ードル旋回軸4の両端が尖鋭に形成されてそれぞれピボ
ット軸受3A,3Bに支持されていることから、次のよ
うな問題がある。即ち、第1に、ニードル旋回軸4とピ
ボット軸受3A,3Bとの間の機械的静止摩擦によっ
て、出力データの再現性が悪く、且つ大きなヒステリシ
スが生ずるという難点がある。第2に、ニードル旋回軸
4の先端部およびピボット軸受を加工するのに高度な加
工技術を必要とし、それがため加工コストを上昇させる
要因となっている。第3に、定格容量を決定する傾斜角
度の設定フルスケール値を、例えば、±1度、±2度、
±5度などに設定しようとする場合、ニードル旋回軸4
の取付傾斜角度を変えて対応させなくてはならないた
め、定格容量毎に部品を予め製作し複数種用意しておか
なければならず、この面でも製造コストの上昇をもたら
すという難点がある。
先願(特開平10−141950号)に係る発明は、ニ
ードル旋回軸4の両端が尖鋭に形成されてそれぞれピボ
ット軸受3A,3Bに支持されていることから、次のよ
うな問題がある。即ち、第1に、ニードル旋回軸4とピ
ボット軸受3A,3Bとの間の機械的静止摩擦によっ
て、出力データの再現性が悪く、且つ大きなヒステリシ
スが生ずるという難点がある。第2に、ニードル旋回軸
4の先端部およびピボット軸受を加工するのに高度な加
工技術を必要とし、それがため加工コストを上昇させる
要因となっている。第3に、定格容量を決定する傾斜角
度の設定フルスケール値を、例えば、±1度、±2度、
±5度などに設定しようとする場合、ニードル旋回軸4
の取付傾斜角度を変えて対応させなくてはならないた
め、定格容量毎に部品を予め製作し複数種用意しておか
なければならず、この面でも製造コストの上昇をもたら
すという難点がある。
【0008】第4に、ニードル旋回軸4の先端が、細く
尖鋭であるために、設置場所における振動、輸送中の振
動・衝撃等によりニードル旋回軸先端が折損する事故が
発生するおそれがあり、いわば耐振性・耐衝撃性が充分
とはいえない、という難点がある。本発明は、上述した
事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところ
は、出力データの再現性が良好で、ヒステリシスの減少
・コストの低減が可能であり、耐振性および耐衝撃性に
優れ、しかも高さ寸法が小さく、構成が簡素でありなが
ら、高い角度変位の検出感度を得ることが可能であると
共に、設置個所の制約を軽減して設置の自由度を向上し
得る傾斜計を提供することにある。
尖鋭であるために、設置場所における振動、輸送中の振
動・衝撃等によりニードル旋回軸先端が折損する事故が
発生するおそれがあり、いわば耐振性・耐衝撃性が充分
とはいえない、という難点がある。本発明は、上述した
事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところ
は、出力データの再現性が良好で、ヒステリシスの減少
・コストの低減が可能であり、耐振性および耐衝撃性に
優れ、しかも高さ寸法が小さく、構成が簡素でありなが
ら、高い角度変位の検出感度を得ることが可能であると
共に、設置個所の制約を軽減して設置の自由度を向上し
得る傾斜計を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る傾
斜計は、上記の目的を達成するために、基準となる鉛直
軸に対して所定の傾斜角度だけ傾斜させて、一端が本体
部に固定され、他端が張力調整手段を介して本体部に張
設された細径のワイヤロープと、前記ワイヤロープの線
心に対して所定半径で振り子回動可能に一体的固設され
た作動部材と、前記作動部材の先端近傍に設けられた作
動片と、前記作動片の基準位置に対する変位を計測する
計測部とを具備し、前記ワイヤロープの線径を異ならせ
ることによって異なる定格容量のものを得るように構成
したことを特徴とすることにある。
斜計は、上記の目的を達成するために、基準となる鉛直
軸に対して所定の傾斜角度だけ傾斜させて、一端が本体
部に固定され、他端が張力調整手段を介して本体部に張
設された細径のワイヤロープと、前記ワイヤロープの線
心に対して所定半径で振り子回動可能に一体的固設され
た作動部材と、前記作動部材の先端近傍に設けられた作
動片と、前記作動片の基準位置に対する変位を計測する
計測部とを具備し、前記ワイヤロープの線径を異ならせ
ることによって異なる定格容量のものを得るように構成
したことを特徴とすることにある。
【0010】また、請求項2の発明に係る傾斜計の張力
調整手段は、一端が本体部に固定された板ばねと、先端
側に前記板ばねの他端が固定され基端側が本体部に進退
調節可能に螺合されたねじ部材を含んで構成されている
ことを特徴とする。また、請求項3の発明に係る傾斜計
のワイヤロープは、定格容量によってその線径が0.0
8mm乃至0.15mmのものが用いられることを特徴とす
るものである。また、請求項4の発明に係る傾斜計の作
動片は、可動鉄芯を含み、且つ計測部は、中空部を有
し、該中空部内に前記可動鉄芯を非接触で往復自在とし
て挿入して、前記可動鉄芯による電磁誘導により該可動
鉄芯の変位を電気信号として取り出す差動トランスコイ
ルを含むことを特徴とするものである。
調整手段は、一端が本体部に固定された板ばねと、先端
側に前記板ばねの他端が固定され基端側が本体部に進退
調節可能に螺合されたねじ部材を含んで構成されている
ことを特徴とする。また、請求項3の発明に係る傾斜計
のワイヤロープは、定格容量によってその線径が0.0
8mm乃至0.15mmのものが用いられることを特徴とす
るものである。また、請求項4の発明に係る傾斜計の作
動片は、可動鉄芯を含み、且つ計測部は、中空部を有
し、該中空部内に前記可動鉄芯を非接触で往復自在とし
て挿入して、前記可動鉄芯による電磁誘導により該可動
鉄芯の変位を電気信号として取り出す差動トランスコイ
ルを含むことを特徴とするものである。
【0011】また、請求項5の発明に係る傾斜計の作動
片は、可動磁石を含み、且つ計測部は、磁気感知部を有
し、該磁気感知部近傍に前記可動磁石を非接触で往復自
在として配設して、前記可動磁石による磁束変化により
該可動磁石の変位を電気信号として取り出す半導体磁気
センサを含むことを特徴とするものである。また、請求
項6の発明に係る傾斜計の作動片は、遮光部材を含み、
且つ計測部は、前記遮光部材を挟んで対峙して光を送受
する投光部および受光部を有し、前記遮光部材による遮
光位置により該遮光部材の変位を電気信号として取り出
す光学計測部を含むことを特徴とするものである。
片は、可動磁石を含み、且つ計測部は、磁気感知部を有
し、該磁気感知部近傍に前記可動磁石を非接触で往復自
在として配設して、前記可動磁石による磁束変化により
該可動磁石の変位を電気信号として取り出す半導体磁気
センサを含むことを特徴とするものである。また、請求
項6の発明に係る傾斜計の作動片は、遮光部材を含み、
且つ計測部は、前記遮光部材を挟んで対峙して光を送受
する投光部および受光部を有し、前記遮光部材による遮
光位置により該遮光部材の変位を電気信号として取り出
す光学計測部を含むことを特徴とするものである。
【0012】また、請求項7の発明に係る傾斜計の作動
片は、反射部材を含み、且つ計測部は、前記反射部材に
対峙して光を送受する投光部および受光部を有し、前記
遮光部材による反射位置により該反射部材の変位を電気
信号として取り出す光学計測部を含むことを特徴とする
ものである。また、請求項8の発明に係る傾斜計のワイ
ヤロープ、作動部材、作動片および計測部を収容し且つ
高周波動作に対する感度を抑制するオイルが充填された
容器をさらに具備することを特徴とするものである。
片は、反射部材を含み、且つ計測部は、前記反射部材に
対峙して光を送受する投光部および受光部を有し、前記
遮光部材による反射位置により該反射部材の変位を電気
信号として取り出す光学計測部を含むことを特徴とする
ものである。また、請求項8の発明に係る傾斜計のワイ
ヤロープ、作動部材、作動片および計測部を収容し且つ
高周波動作に対する感度を抑制するオイルが充填された
容器をさらに具備することを特徴とするものである。
【0013】
【作用】請求項1の発明に係る傾斜計は、基準となる鉛
直軸に対して所定の傾斜角度だけ傾斜させて一端が本体
部に固定され、他端が張力調整手段を介して本体部に張
設された細径のワイヤロープの線心に対して所定半径で
振り子回動可能に作動部材を設け、該作動部材の先端近
傍に設けられた作動片の基準位置に対する変位を計測部
にて計測するように構成してある。このような構成によ
り、高さ寸法が小さくても、微小な傾斜による角度変位
に対して作動部材が大きく振れるので、充分に小さな高
さ寸法で、しかも高い角度変位の検出感度を得ることを
可能とし、設置個所の制約を軽減して設置の自由度を向
上することができ、コンパクトで且つ角度変位の検出を
高感度に行うことが可能となる。
直軸に対して所定の傾斜角度だけ傾斜させて一端が本体
部に固定され、他端が張力調整手段を介して本体部に張
設された細径のワイヤロープの線心に対して所定半径で
振り子回動可能に作動部材を設け、該作動部材の先端近
傍に設けられた作動片の基準位置に対する変位を計測部
にて計測するように構成してある。このような構成によ
り、高さ寸法が小さくても、微小な傾斜による角度変位
に対して作動部材が大きく振れるので、充分に小さな高
さ寸法で、しかも高い角度変位の検出感度を得ることを
可能とし、設置個所の制約を軽減して設置の自由度を向
上することができ、コンパクトで且つ角度変位の検出を
高感度に行うことが可能となる。
【0014】また、上記の構成によりアーム回動に伴う
摩擦がなくなるので、出力データの再現性も良好とな
り、ヒステリシスは大幅に軽減され、また、機械的に弱
い軸受機構がないので、振動や衝撃にも耐え得る傾斜計
とすることができる。請求項2の発明に係る傾斜計の張
力調整手段は、一端が本体部に固定された板ばねと、先
端側に前記板ばねの他端が固定され基端側が本体部に進
退調節可能に螺合されたねじ部材を含んで構成してあ
る。このような構成により、ワイヤロープを所定の傾斜
角度だけ傾斜させると共にワイヤロープに適度な張力を
簡単に付与することが可能となる。
摩擦がなくなるので、出力データの再現性も良好とな
り、ヒステリシスは大幅に軽減され、また、機械的に弱
い軸受機構がないので、振動や衝撃にも耐え得る傾斜計
とすることができる。請求項2の発明に係る傾斜計の張
力調整手段は、一端が本体部に固定された板ばねと、先
端側に前記板ばねの他端が固定され基端側が本体部に進
退調節可能に螺合されたねじ部材を含んで構成してあ
る。このような構成により、ワイヤロープを所定の傾斜
角度だけ傾斜させると共にワイヤロープに適度な張力を
簡単に付与することが可能となる。
【0015】請求項3の発明に係る傾斜計におけるワイ
ヤロープは、定格容量によってその線径が0.08mm乃
至0.15mmのものを用いるように構成してある。この
ような構成により、定格容量が異なるものを製作する毎
に、作動部の回動中心となる軸心の傾斜角度を変える必
要がなくなり、換言すればそのための部品を予め用意し
たり、加工工程が増えたりすることがなくなり単に、ワ
イヤロープの線径の異なるものを用意するだけで足り、
大幅なコストダウンを図ることが可能となる。請求項4
の発明に係る傾斜計の作動片は、可動鉄芯を含み且つ前
記計測部は、中空部を有し、該中空部内に前記可動鉄芯
を非接触で往復自在として挿入して、前記可動鉄芯によ
る電磁誘導により該可動鉄芯の変位を電気信号として取
り出す差動トランスコイルを含んだ構成としてある。こ
のような構成により、特に、角度変位を電気的に且つ高
感度に検出することが可能となる。
ヤロープは、定格容量によってその線径が0.08mm乃
至0.15mmのものを用いるように構成してある。この
ような構成により、定格容量が異なるものを製作する毎
に、作動部の回動中心となる軸心の傾斜角度を変える必
要がなくなり、換言すればそのための部品を予め用意し
たり、加工工程が増えたりすることがなくなり単に、ワ
イヤロープの線径の異なるものを用意するだけで足り、
大幅なコストダウンを図ることが可能となる。請求項4
の発明に係る傾斜計の作動片は、可動鉄芯を含み且つ前
記計測部は、中空部を有し、該中空部内に前記可動鉄芯
を非接触で往復自在として挿入して、前記可動鉄芯によ
る電磁誘導により該可動鉄芯の変位を電気信号として取
り出す差動トランスコイルを含んだ構成としてある。こ
のような構成により、特に、角度変位を電気的に且つ高
感度に検出することが可能となる。
【0016】請求項5の発明に係る傾斜計は、前記作動
片が、可動磁石を含み、且つ前記計測部が、磁気感知部
を有し、該磁気感知部近傍に前記可動磁石を非接触で往
復自在として配設して、前記可動磁石による磁束変化に
より該可動磁石の変位を電気信号として取り出す半導体
磁気センサを含んだ構成としてある。このような構成に
より、特に、電源回路構成を簡易化し得ると共に、検出
信号を電気的に検出するための回路構造を簡易化するこ
とが可能となる。本発明の請求項6による傾斜計は、前
記作動片が、遮光部材を含み、且つ前記計測部が、前記
遮光部材を挟んで対峙して光を送受する投光部および受
光部を有し、前記遮光部材による遮光位置により該遮光
部材の変位を電気信号として取り出す光学計測部を含ん
だ構成としてある。
片が、可動磁石を含み、且つ前記計測部が、磁気感知部
を有し、該磁気感知部近傍に前記可動磁石を非接触で往
復自在として配設して、前記可動磁石による磁束変化に
より該可動磁石の変位を電気信号として取り出す半導体
磁気センサを含んだ構成としてある。このような構成に
より、特に、電源回路構成を簡易化し得ると共に、検出
信号を電気的に検出するための回路構造を簡易化するこ
とが可能となる。本発明の請求項6による傾斜計は、前
記作動片が、遮光部材を含み、且つ前記計測部が、前記
遮光部材を挟んで対峙して光を送受する投光部および受
光部を有し、前記遮光部材による遮光位置により該遮光
部材の変位を電気信号として取り出す光学計測部を含ん
だ構成としてある。
【0017】また、本発明の請求項7による傾斜計は、
前記作動片が、反射部材を含み、且つ前記計測部は、前
記反射部材に対峙して光を送受する投光部および受光部
を有し、前記遮光部材による反射位置により該反射部材
の変位を電気信号として取り出す光学計測部を含んだ構
成としてある。これら請求項6または請求項7の構成に
より、特に、変位を光学的に且つ高感度に検出すること
が可能となり、周辺環境の電磁的特性の影響を受けにく
くなる。請求項8の発明に係る傾斜計は、前記ワイヤロ
ープ、作動部材、作動片および計測部を収容し且つ高周
波動作に対する感度を抑制するオイルが充填された容器
をさらに設けた構成としてある。このような構成によ
り、特に、高周波振動による誤動作を防止することが可
能となる。
前記作動片が、反射部材を含み、且つ前記計測部は、前
記反射部材に対峙して光を送受する投光部および受光部
を有し、前記遮光部材による反射位置により該反射部材
の変位を電気信号として取り出す光学計測部を含んだ構
成としてある。これら請求項6または請求項7の構成に
より、特に、変位を光学的に且つ高感度に検出すること
が可能となり、周辺環境の電磁的特性の影響を受けにく
くなる。請求項8の発明に係る傾斜計は、前記ワイヤロ
ープ、作動部材、作動片および計測部を収容し且つ高周
波動作に対する感度を抑制するオイルが充填された容器
をさらに設けた構成としてある。このような構成によ
り、特に、高周波振動による誤動作を防止することが可
能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、実施の形態に基づき、図面
を参照して本発明の傾斜計を詳細に説明する。図1、図
2および図3は、本発明の一つの実施の形態に係る傾斜
計の要部および電気的回路の構成を示している。図1
は、一部を破断して示す傾斜計の正面図、図2は、図1
のA−A′線に沿う横断面図、そして図3は、図1、図
2に示した傾斜計の電気的回路の概略構成を示すブロッ
ク図である。図1、図2に示す傾斜計は、スタンド1、
クラウン2、ベース部材7、トップ部材8、ケース9、
差動トランスコイル10、可動鉄芯11、ナット12
A,12B、回路基板13、ケーブル14、グランド金
具15、シール部材16、板ばね23、ワイヤロープ2
4、アーム26A,26B、板ばね固定用ナット27、
ロックナット28、張力調整ねじ29および挟持用ねじ
30を具備している。
を参照して本発明の傾斜計を詳細に説明する。図1、図
2および図3は、本発明の一つの実施の形態に係る傾斜
計の要部および電気的回路の構成を示している。図1
は、一部を破断して示す傾斜計の正面図、図2は、図1
のA−A′線に沿う横断面図、そして図3は、図1、図
2に示した傾斜計の電気的回路の概略構成を示すブロッ
ク図である。図1、図2に示す傾斜計は、スタンド1、
クラウン2、ベース部材7、トップ部材8、ケース9、
差動トランスコイル10、可動鉄芯11、ナット12
A,12B、回路基板13、ケーブル14、グランド金
具15、シール部材16、板ばね23、ワイヤロープ2
4、アーム26A,26B、板ばね固定用ナット27、
ロックナット28、張力調整ねじ29および挟持用ねじ
30を具備している。
【0019】スタンド1は、水平部と垂直部とからなる
L字状の部材であり、垂直部の上端には、水平部に対峙
させてクラウン2がねじによって固定されている。すな
わち、本体部を形成するスタンド1およびクラウン2
は、コ字状の枠体を構成している。スタンド1のL字状
に折曲された角部近傍には、小孔が穿設されたワイヤロ
ープ固定部25Aが設けられ、ワイヤロープ24の一端
が該小孔に挿通された上、半田付け、ロー付けなどの手
段により固定されている。ワイヤロープ24の他端は、
張力調整手段の一部をなす板ばね23の中間部のワイヤ
ロープ固定部25Bに連結固定されている。一対のワイ
ヤロープ固定部25Aと25Bは、垂直軸に対して角度
θだけ傾斜する軸上において対向しており、そのため、
ワイヤロープ24は、垂直軸に対して角度θなる傾斜角
をもっている。この傾斜角θは、10〜45°の範囲内
に設定することが望ましい。
L字状の部材であり、垂直部の上端には、水平部に対峙
させてクラウン2がねじによって固定されている。すな
わち、本体部を形成するスタンド1およびクラウン2
は、コ字状の枠体を構成している。スタンド1のL字状
に折曲された角部近傍には、小孔が穿設されたワイヤロ
ープ固定部25Aが設けられ、ワイヤロープ24の一端
が該小孔に挿通された上、半田付け、ロー付けなどの手
段により固定されている。ワイヤロープ24の他端は、
張力調整手段の一部をなす板ばね23の中間部のワイヤ
ロープ固定部25Bに連結固定されている。一対のワイ
ヤロープ固定部25Aと25Bは、垂直軸に対して角度
θだけ傾斜する軸上において対向しており、そのため、
ワイヤロープ24は、垂直軸に対して角度θなる傾斜角
をもっている。この傾斜角θは、10〜45°の範囲内
に設定することが望ましい。
【0020】ワイヤロープ24の張力調整手段は、一端
がクラウン2に固定され、中間部にワイヤロープ24が
連結固定された板ばね23と、クラウン2の雌ねじ2A
に螺合された張力調整ねじ29と、この張力調整ねじ2
9に板ばね23を固定する一対の板ばね固定用ナット2
7,27と、張力調整ねじ29を、張力調整が終わった
後に不用意に回動しないように固定するロックナット2
8から構成されている。ワイヤロープ24の中間部に
は、1対のアーム26A、26Bのアーム保持部26
C、26Dが固定保持されている。これをより具体的に
説明すると、一対のアーム保持部26Cと26D間にワ
イヤロープ24を挟み込み、挟持用ねじ30によってア
ーム保持部26Cと26Dを強く圧設させると共に、半
田付け、またはロー付け、等の溶着手段により、ワイヤ
ロープ24とアーム保持部26C、26Dのワイヤロー
プ挟持部26Eとを強固に結合する。
がクラウン2に固定され、中間部にワイヤロープ24が
連結固定された板ばね23と、クラウン2の雌ねじ2A
に螺合された張力調整ねじ29と、この張力調整ねじ2
9に板ばね23を固定する一対の板ばね固定用ナット2
7,27と、張力調整ねじ29を、張力調整が終わった
後に不用意に回動しないように固定するロックナット2
8から構成されている。ワイヤロープ24の中間部に
は、1対のアーム26A、26Bのアーム保持部26
C、26Dが固定保持されている。これをより具体的に
説明すると、一対のアーム保持部26Cと26D間にワ
イヤロープ24を挟み込み、挟持用ねじ30によってア
ーム保持部26Cと26Dを強く圧設させると共に、半
田付け、またはロー付け、等の溶着手段により、ワイヤ
ロープ24とアーム保持部26C、26Dのワイヤロー
プ挟持部26Eとを強固に結合する。
【0021】このように、ワイヤロープ24は、その両
端がワイヤロープ固定部25Aと25Bとに固定され、
中間部がアーム保持部26C、26Dに固定されること
になるので、傾斜角に応じアーム26A、26Bが可動
鉄芯11と共に重力により揺動し、そのとき発生する回
転モーメントと自身の捩り弾性力とが釣り合う角度変位
位置で止まる。上述したように、ワイヤロープ24に連
結固定されたアーム26A、26Bは、作動部材を構成
している。アーム26Aおよび26Bは、基端を挟持用
ねじ30によって一体的に接合固定され、中間部を、図
2に示すように、両側方に分岐して延び、その先端間に
可動鉄芯11を支持している。
端がワイヤロープ固定部25Aと25Bとに固定され、
中間部がアーム保持部26C、26Dに固定されること
になるので、傾斜角に応じアーム26A、26Bが可動
鉄芯11と共に重力により揺動し、そのとき発生する回
転モーメントと自身の捩り弾性力とが釣り合う角度変位
位置で止まる。上述したように、ワイヤロープ24に連
結固定されたアーム26A、26Bは、作動部材を構成
している。アーム26Aおよび26Bは、基端を挟持用
ねじ30によって一体的に接合固定され、中間部を、図
2に示すように、両側方に分岐して延び、その先端間に
可動鉄芯11を支持している。
【0022】可動鉄芯11は、両端に雄ねじ部が形成さ
れており、ナット12Aおよび12Bによりアーム26
Aおよび26Bに固定されている。この可動鉄芯11
は、作動片を構成している。本体部を構成するスタンド
1およびクラウン2は、ベース部材7上に固定され、該
ベース部材7は、ケース9の下端、すなわち底部を閉塞
している。ケース9の上端は、トップ部材8により閉塞
されている。ケース9の内周面とトップ部材8の外周面
との間には、いわゆるOリングのようなシール部材16
が設けられている。同様にケース9の内周面とベース部
材7の外周面との間にもOリング等のシール部材(図示
せず)が設けられている。これらベース部材7、ケース
9およびトップ部材8は、傾斜計の全体を保護する筐体
を構成している。
れており、ナット12Aおよび12Bによりアーム26
Aおよび26Bに固定されている。この可動鉄芯11
は、作動片を構成している。本体部を構成するスタンド
1およびクラウン2は、ベース部材7上に固定され、該
ベース部材7は、ケース9の下端、すなわち底部を閉塞
している。ケース9の上端は、トップ部材8により閉塞
されている。ケース9の内周面とトップ部材8の外周面
との間には、いわゆるOリングのようなシール部材16
が設けられている。同様にケース9の内周面とベース部
材7の外周面との間にもOリング等のシール部材(図示
せず)が設けられている。これらベース部材7、ケース
9およびトップ部材8は、傾斜計の全体を保護する筐体
を構成している。
【0023】差動トランスコイル10は、計測部を構成
しており、中空筒状の空芯トランスとして形成されてい
る。この差動トランスコイル10は、図3に示すよう
に、1次コイル10A、第1の2次コイル10Bおよび
第2の2次コイル10Cを巻装している。可動鉄芯11
は、差動トランスコイル10の中空部に適宜なる間隙を
存して挿通されており、差動トランスコイル10の中空
部内において、ワイヤロープ24を軸として、差動トラ
ンスコイル10に接することなく、自在に振り子回動し
得るようになっている。
しており、中空筒状の空芯トランスとして形成されてい
る。この差動トランスコイル10は、図3に示すよう
に、1次コイル10A、第1の2次コイル10Bおよび
第2の2次コイル10Cを巻装している。可動鉄芯11
は、差動トランスコイル10の中空部に適宜なる間隙を
存して挿通されており、差動トランスコイル10の中空
部内において、ワイヤロープ24を軸として、差動トラ
ンスコイル10に接することなく、自在に振り子回動し
得るようになっている。
【0024】本体部のクラウン2の上面には、トップ部
材8との間に適宜なる間隙を存して回路基板13が配設
されており、該回路基板13は、図示されていないリー
ド線を介して差動トランスコイル10に接続されてい
る。また、回路基板13には、ケーブル14の心線14
aが接続されており、該ケーブル14は、トップ部材8
の中央に設けた開口に嵌挿されたグランド金具15を貫
通して外部に引き出されている。ここで、グランド金具
15とトップ部材8との間およびグランド金具15とケ
ーブル14との間は、シール部材(図示せず)により、
液密にシールされている。
材8との間に適宜なる間隙を存して回路基板13が配設
されており、該回路基板13は、図示されていないリー
ド線を介して差動トランスコイル10に接続されてい
る。また、回路基板13には、ケーブル14の心線14
aが接続されており、該ケーブル14は、トップ部材8
の中央に設けた開口に嵌挿されたグランド金具15を貫
通して外部に引き出されている。ここで、グランド金具
15とトップ部材8との間およびグランド金具15とケ
ーブル14との間は、シール部材(図示せず)により、
液密にシールされている。
【0025】スタンド1、クラウン2、板ばね23、ワ
イヤロープ24、板ばね固定用ナット27、ロックナッ
ト28、張力調整ねじ29、アーム26A,26B、差
動トランスコイル10、可動鉄芯11、ナット12A,
12Bおよび回路基板13等からなる部分は、ベース部
材7、トップ部材8、ケース9およびグランド金具15
からなる筐体内に収容されている。前記筐体は、シール
部材により密封されており、筐体内には、高周波動作に
対する感度を抑制するダンピングオイルが封入されてい
る。ダンピングオイルは、ワイヤロープ24、アーム2
6A,26B、差動トランスコイル10および可動鉄芯
11等の作動部分が充分にオイルに浸かる図示レベルま
で充填されている。
イヤロープ24、板ばね固定用ナット27、ロックナッ
ト28、張力調整ねじ29、アーム26A,26B、差
動トランスコイル10、可動鉄芯11、ナット12A,
12Bおよび回路基板13等からなる部分は、ベース部
材7、トップ部材8、ケース9およびグランド金具15
からなる筐体内に収容されている。前記筐体は、シール
部材により密封されており、筐体内には、高周波動作に
対する感度を抑制するダンピングオイルが封入されてい
る。ダンピングオイルは、ワイヤロープ24、アーム2
6A,26B、差動トランスコイル10および可動鉄芯
11等の作動部分が充分にオイルに浸かる図示レベルま
で充填されている。
【0026】図3は、図1および図2に示した傾斜計の
電気的回路の概略構成を示すブロック図である。図3に
示すように、差動トランスコイル10は、1次コイル1
0A、第1の2次コイル10Bおよび第2の2次コイル
10Cからなり、可動鉄芯11は、振り子回動による差
動トランスコイル10の中空部内での進退移動により、
これら差動トランスコイル10(10A,10B,10
C)に対する結合が密になったり疎になったりする。第
1および第2の2次コイル10Bおよび10Cは、バイ
ファイラ等により均等に巻装される。これら差動トラン
スコイル10(10A、10Bおよび10C)に接続さ
れる計測回路は、検出回路21および電源22を備えて
いる。
電気的回路の概略構成を示すブロック図である。図3に
示すように、差動トランスコイル10は、1次コイル1
0A、第1の2次コイル10Bおよび第2の2次コイル
10Cからなり、可動鉄芯11は、振り子回動による差
動トランスコイル10の中空部内での進退移動により、
これら差動トランスコイル10(10A,10B,10
C)に対する結合が密になったり疎になったりする。第
1および第2の2次コイル10Bおよび10Cは、バイ
ファイラ等により均等に巻装される。これら差動トラン
スコイル10(10A、10Bおよび10C)に接続さ
れる計測回路は、検出回路21および電源22を備えて
いる。
【0027】電源22は、差動トランスコイル10の1
次コイル10Aに、例えば交流信号を印加する電源であ
る。検出回路21は、差動トランスコイル10の第1お
よび第2の2次コイル10Bおよび10Cに接続され、
1次コイル10Aに供給された電流により、誘起される
出力を検出する。すなわち、第1および第2の2次コイ
ル10Bおよび10Cは、互いに逆極性で且つ対称にな
るように結線され、可動鉄芯11が中央の基準位置にあ
るときに、誘導起電力が打ち消し合って出力があらわれ
ないようになっている。そして、可動鉄芯11の変位量
に対する2次コイル10Bおよび10Cの誘導起電力は
線形的に変化するように構成している。
次コイル10Aに、例えば交流信号を印加する電源であ
る。検出回路21は、差動トランスコイル10の第1お
よび第2の2次コイル10Bおよび10Cに接続され、
1次コイル10Aに供給された電流により、誘起される
出力を検出する。すなわち、第1および第2の2次コイ
ル10Bおよび10Cは、互いに逆極性で且つ対称にな
るように結線され、可動鉄芯11が中央の基準位置にあ
るときに、誘導起電力が打ち消し合って出力があらわれ
ないようになっている。そして、可動鉄芯11の変位量
に対する2次コイル10Bおよび10Cの誘導起電力は
線形的に変化するように構成している。
【0028】次に、上述のように構成した傾斜計の作用
について説明する。上述した傾斜計を使用する際には、
まず傾斜計を水平状態に設置する。この状態では、ワイ
ヤロープ24が、鉛直線と合致させて配設される傾斜計
の中心軸O−O′に対して角度θだけ傾斜している。こ
のため、アーム26Aおよび26Bにより支持される可
動鉄芯11は、重力により傾斜方向に偏倚する。傾斜計
が鉛直に置かれているとき、差動トランスコイル10の
2次コイル10Bおよび10Cから検出回路21で検出
される出力はゼロであり、基準位置に位置していること
がわかる。したがって、検出回路21からは、傾斜ゼロ
を示す信号が出力される。
について説明する。上述した傾斜計を使用する際には、
まず傾斜計を水平状態に設置する。この状態では、ワイ
ヤロープ24が、鉛直線と合致させて配設される傾斜計
の中心軸O−O′に対して角度θだけ傾斜している。こ
のため、アーム26Aおよび26Bにより支持される可
動鉄芯11は、重力により傾斜方向に偏倚する。傾斜計
が鉛直に置かれているとき、差動トランスコイル10の
2次コイル10Bおよび10Cから検出回路21で検出
される出力はゼロであり、基準位置に位置していること
がわかる。したがって、検出回路21からは、傾斜ゼロ
を示す信号が出力される。
【0029】そして、傾斜計の設置されている部位が傾
斜することにより、傾斜計が図2に示すCまたはC′方
向に傾斜すると、それに伴って、B方向に角度θだけ傾
斜していたワイヤロープ24が、さらにCまたはC′方
向に傾斜する。このため、ワイヤロープ24は、Cまた
はC′方向についての傾斜角度に対応して、図2のB方
向とC方向との中間の方向、またはB方向とC′方向と
の中間の方向に傾斜することになる。可動鉄芯11は、
重力の作用によりワイヤロープ24の鉛直軸に対する傾
斜方向に偏倚するので、CまたはC′方向についての傾
斜角度に応じた方向に偏倚する。
斜することにより、傾斜計が図2に示すCまたはC′方
向に傾斜すると、それに伴って、B方向に角度θだけ傾
斜していたワイヤロープ24が、さらにCまたはC′方
向に傾斜する。このため、ワイヤロープ24は、Cまた
はC′方向についての傾斜角度に対応して、図2のB方
向とC方向との中間の方向、またはB方向とC′方向と
の中間の方向に傾斜することになる。可動鉄芯11は、
重力の作用によりワイヤロープ24の鉛直軸に対する傾
斜方向に偏倚するので、CまたはC′方向についての傾
斜角度に応じた方向に偏倚する。
【0030】このとき、差動トランスコイル10の2次
コイル10Bおよび10Cから検出回路21で検出され
る出力は、差動トランスコイル10に対する可動鉄芯1
1の変位量に対応した値となる。したがって、検出回路
21からは、CまたはC′方向についての傾斜角に対応
する信号が出力される。CまたはC′方向の傾斜角に対
する可動鉄芯11の変位量は、ワイヤロープ24の取り
付け傾斜角θが小さいほど大きくなり、取り付け傾斜角
θが大きいほど小さくなる。例えば、取り付け傾斜角θ
が90°の場合、すなわち、ワイヤロープ24が水平に
取り付けられている場合には、可動鉄芯11の動作は、
従来と同様の単なる振り子回動にすぎない。この場合、
水平位置では、可動鉄芯11は基準位置に位置し、検出
出力は傾斜ゼロを示す。
コイル10Bおよび10Cから検出回路21で検出され
る出力は、差動トランスコイル10に対する可動鉄芯1
1の変位量に対応した値となる。したがって、検出回路
21からは、CまたはC′方向についての傾斜角に対応
する信号が出力される。CまたはC′方向の傾斜角に対
する可動鉄芯11の変位量は、ワイヤロープ24の取り
付け傾斜角θが小さいほど大きくなり、取り付け傾斜角
θが大きいほど小さくなる。例えば、取り付け傾斜角θ
が90°の場合、すなわち、ワイヤロープ24が水平に
取り付けられている場合には、可動鉄芯11の動作は、
従来と同様の単なる振り子回動にすぎない。この場合、
水平位置では、可動鉄芯11は基準位置に位置し、検出
出力は傾斜ゼロを示す。
【0031】C方向に傾斜すると可動鉄芯11は、その
傾斜角に応じてC方向に偏倚し、C′方向に傾斜すると
可動鉄芯11はその傾斜角に応じてC′方向に偏倚する
が、このときの変位量は、振り子の長さ、すなわちワイ
ヤロープ24から可動鉄芯11までの距離に応じた値と
なる。したがって、高感度とするためには、ワイヤロー
プ24から可動鉄芯11までの距離を長くとらなければ
ならなくなる。また、取り付け傾斜角θがゼロの場合、
標準位置の水平状態では、傾斜がないので、可動鉄芯1
1の偏倚方向は不定となり、基準が定まらない。しか
し、C方向にわずかに傾斜すると可動鉄芯11はC方向
に偏倚しようとし、C′方向にわずかに傾斜すると可動
鉄芯11はC′方向に偏倚しようとするので、わずかな
傾斜でも敏感に反応し、180°異なる方向への動作を
生じる。現実には、可動鉄芯11は、適宜配設されたス
トッパーあるいはケース9の内壁に当接することによ
り、可動範囲が物理的に制限されるので、わずかな傾斜
で、直ちに可動範囲の限界に達し、振り切ってしまうこ
とになる。
傾斜角に応じてC方向に偏倚し、C′方向に傾斜すると
可動鉄芯11はその傾斜角に応じてC′方向に偏倚する
が、このときの変位量は、振り子の長さ、すなわちワイ
ヤロープ24から可動鉄芯11までの距離に応じた値と
なる。したがって、高感度とするためには、ワイヤロー
プ24から可動鉄芯11までの距離を長くとらなければ
ならなくなる。また、取り付け傾斜角θがゼロの場合、
標準位置の水平状態では、傾斜がないので、可動鉄芯1
1の偏倚方向は不定となり、基準が定まらない。しか
し、C方向にわずかに傾斜すると可動鉄芯11はC方向
に偏倚しようとし、C′方向にわずかに傾斜すると可動
鉄芯11はC′方向に偏倚しようとするので、わずかな
傾斜でも敏感に反応し、180°異なる方向への動作を
生じる。現実には、可動鉄芯11は、適宜配設されたス
トッパーあるいはケース9の内壁に当接することによ
り、可動範囲が物理的に制限されるので、わずかな傾斜
で、直ちに可動範囲の限界に達し、振り切ってしまうこ
とになる。
【0032】したがって、取り付け傾斜角θが、0〜9
0°(0<θ<90°)の範囲であれば、一応動作する
ことになる。しかしながら、θを大きくとると感度が鈍
くなり、温度特性、ヒステリシス特性等の影響が顕著に
なり、本発明の長所が充分に発揮されないことから、θ
は小さめにとることが望ましい。ただし、θがあまり小
さくなると、基準位置への復帰性が悪くなり、傾斜以外
の、衝撃や振動等の要因で、可動鉄芯11が偏倚した場
合、なかなか基準位置へ戻らず、傾斜したのと同様の出
力を出し続けることになる。このため、実用的には、取
り付け傾斜角θを10°以上とすることが望ましい。
0°(0<θ<90°)の範囲であれば、一応動作する
ことになる。しかしながら、θを大きくとると感度が鈍
くなり、温度特性、ヒステリシス特性等の影響が顕著に
なり、本発明の長所が充分に発揮されないことから、θ
は小さめにとることが望ましい。ただし、θがあまり小
さくなると、基準位置への復帰性が悪くなり、傾斜以外
の、衝撃や振動等の要因で、可動鉄芯11が偏倚した場
合、なかなか基準位置へ戻らず、傾斜したのと同様の出
力を出し続けることになる。このため、実用的には、取
り付け傾斜角θを10°以上とすることが望ましい。
【0033】また、現実には、可動鉄芯11の動作スト
ロークが装置の外径でほぼ一義的に定まってしまうた
め、検出感度が高精度になるほど、傾斜計としてのフル
スケール値、すなわち最大検出傾斜角の大きさが小さく
なってしまう。例えば、取り付け傾斜角θが45°程度
で、検出傾斜角のフルスケール値が±5°とした場合、
取り付け傾斜角θが35°程度で、検出傾斜角のフルス
ケール値が±3°、取り付け傾斜角θが25°程度で、
検出傾斜角のフルスケール値が±2°、取り付け傾斜角
θが15°程度で、検出傾斜角のフルスケール値が±1
°、そして取り付け傾斜角θが10°程度で、検出傾斜
角のフルスケール値が±0.5°となる。したがって、
取り付け傾斜角θは10〜45°程度とすることが望ま
しい。
ロークが装置の外径でほぼ一義的に定まってしまうた
め、検出感度が高精度になるほど、傾斜計としてのフル
スケール値、すなわち最大検出傾斜角の大きさが小さく
なってしまう。例えば、取り付け傾斜角θが45°程度
で、検出傾斜角のフルスケール値が±5°とした場合、
取り付け傾斜角θが35°程度で、検出傾斜角のフルス
ケール値が±3°、取り付け傾斜角θが25°程度で、
検出傾斜角のフルスケール値が±2°、取り付け傾斜角
θが15°程度で、検出傾斜角のフルスケール値が±1
°、そして取り付け傾斜角θが10°程度で、検出傾斜
角のフルスケール値が±0.5°となる。したがって、
取り付け傾斜角θは10〜45°程度とすることが望ま
しい。
【0034】しかも、ケース9等で構成される筐体内に
ダンピングオイルを充填して、急激な動作を抑制してい
るので、衝撃や振動等により、誤動作したり、破損した
りすることも防止でき、充分な耐久性も得られる。上述
したように、傾斜角度変化に伴って回動する張り出し部
を形成するアーム26Aおよび26Bを有し、取り付け
傾斜角θをもって設置されたワイヤロープ24と、張り
出し部先端に固着された可動鉄芯11と、当該可動鉄芯
11が非接触で中空部内を往復変位し得る差動トランス
コイル10とを具備することにより、傾斜角度変化を与
えると、ワイヤロープ24が常に重心を求めて回動また
は捩り作動し、高感度に傾斜に応じた変位を生じる。可
動鉄芯11が回動偏倚して平衡状態に達したときに、差
動トランスコイル10と可動鉄芯11との相対変位に基
づき電気信号を得て、角度変化を検出する。
ダンピングオイルを充填して、急激な動作を抑制してい
るので、衝撃や振動等により、誤動作したり、破損した
りすることも防止でき、充分な耐久性も得られる。上述
したように、傾斜角度変化に伴って回動する張り出し部
を形成するアーム26Aおよび26Bを有し、取り付け
傾斜角θをもって設置されたワイヤロープ24と、張り
出し部先端に固着された可動鉄芯11と、当該可動鉄芯
11が非接触で中空部内を往復変位し得る差動トランス
コイル10とを具備することにより、傾斜角度変化を与
えると、ワイヤロープ24が常に重心を求めて回動また
は捩り作動し、高感度に傾斜に応じた変位を生じる。可
動鉄芯11が回動偏倚して平衡状態に達したときに、差
動トランスコイル10と可動鉄芯11との相対変位に基
づき電気信号を得て、角度変化を検出する。
【0035】この場合、感度は、主としてワイヤロープ
24の取り付け傾斜角θおよびワイヤロープ24の線径
に基づく捩り弾性力に起因して定まるので、全体として
大きな寸法を必要とせず、高感度の傾斜計をコンパクト
に構成することができる。ちなみに、ワイヤロープ24
と可動鉄芯11との間の距離が長いほど、動作は確実に
なるが、動作速度が遅くなる。従来の多くの傾斜計で
は、支持部に板ばねを使用していたが、板ばねのばね定
数は一般に温度特性を有する。このため、従来の傾斜計
は、温度変化によって感度変化を生じるものが少なくな
かった。これに対して、上述した本発明による傾斜計
は、板ばねを使用ないので、温度変化に基づく感度変動
がなく、高い安定性を得ることができる。
24の取り付け傾斜角θおよびワイヤロープ24の線径
に基づく捩り弾性力に起因して定まるので、全体として
大きな寸法を必要とせず、高感度の傾斜計をコンパクト
に構成することができる。ちなみに、ワイヤロープ24
と可動鉄芯11との間の距離が長いほど、動作は確実に
なるが、動作速度が遅くなる。従来の多くの傾斜計で
は、支持部に板ばねを使用していたが、板ばねのばね定
数は一般に温度特性を有する。このため、従来の傾斜計
は、温度変化によって感度変化を生じるものが少なくな
かった。これに対して、上述した本発明による傾斜計
は、板ばねを使用ないので、温度変化に基づく感度変動
がなく、高い安定性を得ることができる。
【0036】しかも、本発明においては、上述した先願
の発明に用いられているニードル旋回転やピボット軸受
けのような摩擦部分のないワイヤロープを用いているか
ら、直線性、ヒステリシスおよび繰返し性のよい傾斜計
を提供することができると共に、定格容量によって、そ
の線径を異ならせるだけでなく、例えば、線径0.08
mm乃至0.15mmのものを用いることで、定格容量の異
なる傾斜計とすることができる。因に、線径が0.1mm
でフルスケール値±1度計を、線径が0.12mmでフル
スケール値±2度計を、線径が0.15mmでフルスケー
ル値±5度計とすることができる。
の発明に用いられているニードル旋回転やピボット軸受
けのような摩擦部分のないワイヤロープを用いているか
ら、直線性、ヒステリシスおよび繰返し性のよい傾斜計
を提供することができると共に、定格容量によって、そ
の線径を異ならせるだけでなく、例えば、線径0.08
mm乃至0.15mmのものを用いることで、定格容量の異
なる傾斜計とすることができる。因に、線径が0.1mm
でフルスケール値±1度計を、線径が0.12mmでフル
スケール値±2度計を、線径が0.15mmでフルスケー
ル値±5度計とすることができる。
【0037】これは、線径を太くすることで捩り弾性力
が増大するので、より大きな傾斜角にも対応させること
ができるのである。ここで、本発明の一実施例の傾斜計
および先願に係る発明(ニードル旋回軸型)の実施例の
実測データを表1〜表6および表7〜表12に示す。こ
の測定に用いた傾斜計は、いずれも±1度計であり、先
願の傾斜計に係る2つの実施例を試料1と試料2とし、
本発明の傾斜計に係る2つの実施例を試料3と試料4と
する。そして各資料1〜資料4については、+方向(0
度〜1度)と−方向(0度〜−1度)について、それぞ
れ3回ずつ測定したものである。即ち表1、表2、表3
は、試料1について3回にわたって測定したときの試験
データである。
が増大するので、より大きな傾斜角にも対応させること
ができるのである。ここで、本発明の一実施例の傾斜計
および先願に係る発明(ニードル旋回軸型)の実施例の
実測データを表1〜表6および表7〜表12に示す。こ
の測定に用いた傾斜計は、いずれも±1度計であり、先
願の傾斜計に係る2つの実施例を試料1と試料2とし、
本発明の傾斜計に係る2つの実施例を試料3と試料4と
する。そして各資料1〜資料4については、+方向(0
度〜1度)と−方向(0度〜−1度)について、それぞ
れ3回ずつ測定したものである。即ち表1、表2、表3
は、試料1について3回にわたって測定したときの試験
データである。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【表3】
【0041】上記表1〜表3の試験データによれば、3
回の感度バラツキは、3312、3294、3309の
平均値が3305μVであるから、バラツキ率は、(3
312−3294)×100/3305=0.54%で
あり、3回の非直線性のバラツキは、0.49、0.6
3、0.52の平均値が0.55%であるから、バラツ
キ率は、(0.63−0.49)×100/0.52=
26.92%であり、3回の試験データの内、最大ヒス
テリシス値と平均感度の割合は41×100/3305
=1.24%である。尚、各非直線性は、行きのデータ
を最小二乗法で算出したものである。表4、表5、表6
は試料2について、3回にわたって測定したときの試験
データである。
回の感度バラツキは、3312、3294、3309の
平均値が3305μVであるから、バラツキ率は、(3
312−3294)×100/3305=0.54%で
あり、3回の非直線性のバラツキは、0.49、0.6
3、0.52の平均値が0.55%であるから、バラツ
キ率は、(0.63−0.49)×100/0.52=
26.92%であり、3回の試験データの内、最大ヒス
テリシス値と平均感度の割合は41×100/3305
=1.24%である。尚、各非直線性は、行きのデータ
を最小二乗法で算出したものである。表4、表5、表6
は試料2について、3回にわたって測定したときの試験
データである。
【0042】
【表4】
【0043】
【表5】
【0044】
【表6】
【0045】上記表4〜表6の試験データによれば、3
回の感度バラツキは、3013,3026,3015の
平均値が、3018μVであるから、バラツキ率は、
(3026−3013)×100/3018=0.43
%であり、3回の非直線性のバラツキは、0.65、
0.56、0.48の平均値が0.56%であるから、
バラツキ率は、(0.65−0.48)×100/0.
56=30.36%であり、3回の試験データの内、最
大ヒステリシス値と平均感度の割合は、39×100/
3018=1.29%である。表7、表8、表9は試料
2について、3回にわたって測定したときの試験データ
である。
回の感度バラツキは、3013,3026,3015の
平均値が、3018μVであるから、バラツキ率は、
(3026−3013)×100/3018=0.43
%であり、3回の非直線性のバラツキは、0.65、
0.56、0.48の平均値が0.56%であるから、
バラツキ率は、(0.65−0.48)×100/0.
56=30.36%であり、3回の試験データの内、最
大ヒステリシス値と平均感度の割合は、39×100/
3018=1.29%である。表7、表8、表9は試料
2について、3回にわたって測定したときの試験データ
である。
【0046】
【表7】
【0047】
【表8】
【0048】
【表9】
【0049】上記表7〜表9の試験データによれば、3
回の感度バラツキは、2852、2857、2854の
平均値が、2854μVであるから、バラツキ率は、
(2857−2852)×100/2854=0.18
%であり、3回の非直線性のバラツキは、0.45、
0.42、0.47の平均値が0.45%であるから、
バラツキ率は、(0.47−0.42)×100/0.
45=11.1%であり、3回の試験データの内、最大
ヒステリシス値と平均感度の割合は11×100/28
54=0.39%である。表10、表11、表12は試
料4について、3回にわたって測定したときの試験デー
タである。
回の感度バラツキは、2852、2857、2854の
平均値が、2854μVであるから、バラツキ率は、
(2857−2852)×100/2854=0.18
%であり、3回の非直線性のバラツキは、0.45、
0.42、0.47の平均値が0.45%であるから、
バラツキ率は、(0.47−0.42)×100/0.
45=11.1%であり、3回の試験データの内、最大
ヒステリシス値と平均感度の割合は11×100/28
54=0.39%である。表10、表11、表12は試
料4について、3回にわたって測定したときの試験デー
タである。
【0050】
【表10】
【0051】
【表11】
【0052】
【表12】
【0053】上記表10〜表12の試験データによれ
ば、3回の感度バラツキは、2965、2963、29
66の平均値が、2965μVであるから、バラツキ率
は、(2966−2963)×100/2965=0.
10%であり、3回の非直線性のバラツキは、0.6
6、0.65、0.61の平均値が0.64%であるか
ら、バラツキ率は、(0.66−0.61)×100/
0.64=7.81%であり、3回の試験データの内、
最大ヒステリシス値と平均感度の割合は、9×100/
2965=0.30%である。
ば、3回の感度バラツキは、2965、2963、29
66の平均値が、2965μVであるから、バラツキ率
は、(2966−2963)×100/2965=0.
10%であり、3回の非直線性のバラツキは、0.6
6、0.65、0.61の平均値が0.64%であるか
ら、バラツキ率は、(0.66−0.61)×100/
0.64=7.81%であり、3回の試験データの内、
最大ヒステリシス値と平均感度の割合は、9×100/
2965=0.30%である。
【0054】上記のデータから分かるように、本発明の
実施例に係る傾斜計は、先願発明の実施例に係る傾斜計
に対し、感度バラツキ、非直線バラツキ、ヒステリシス
等、すべての項目で優れている。なお、本発明は上述し
且つ図面に示す実施の形態にのみ限定されることなく、
その要旨を変更しない範囲内で種々変形して実施するこ
とができる。例えば、上述した実施の形態では、作動片
としての可動鉄芯11を計測部としての差動トランスコ
イル10に対して偏倚させて、変位量を検出するように
したが、可動鉄芯に代えて可動磁石を用いて、差動部と
して差動トランスコイルに代えてホール素子等のような
半導体磁気センサにより、磁束変化を検出するようにし
てもよい。
実施例に係る傾斜計は、先願発明の実施例に係る傾斜計
に対し、感度バラツキ、非直線バラツキ、ヒステリシス
等、すべての項目で優れている。なお、本発明は上述し
且つ図面に示す実施の形態にのみ限定されることなく、
その要旨を変更しない範囲内で種々変形して実施するこ
とができる。例えば、上述した実施の形態では、作動片
としての可動鉄芯11を計測部としての差動トランスコ
イル10に対して偏倚させて、変位量を検出するように
したが、可動鉄芯に代えて可動磁石を用いて、差動部と
して差動トランスコイルに代えてホール素子等のような
半導体磁気センサにより、磁束変化を検出するようにし
てもよい。
【0055】また、作動片として、遮光部材を用い、計
測部として投光部および受光部を設けて、投光部から受
光部に至る光を遮光部材が遮光することにより、変位を
検出するようにしてもよい。さらに、遮光部材に代え
て、反射部材を用い、光の反射を検出して、変位を検出
するようにしてもよい。さらに、作動片および計測部
は、要は非接触センサを構成すればよいので、静電容量
の変化を用いた容量式センサ等を用いることができる。
また、重力による動作を、ダンピングオイル等の流体中
における浮きを用いた浮力による動作に変換して、傾斜
を検出することもできる。この場合、図1および図2に
おけるワイヤロープ24および可動鉄芯11等を天地を
逆に配設し、可動鉄芯11に一体的に浮きを設ければよ
い。
測部として投光部および受光部を設けて、投光部から受
光部に至る光を遮光部材が遮光することにより、変位を
検出するようにしてもよい。さらに、遮光部材に代え
て、反射部材を用い、光の反射を検出して、変位を検出
するようにしてもよい。さらに、作動片および計測部
は、要は非接触センサを構成すればよいので、静電容量
の変化を用いた容量式センサ等を用いることができる。
また、重力による動作を、ダンピングオイル等の流体中
における浮きを用いた浮力による動作に変換して、傾斜
を検出することもできる。この場合、図1および図2に
おけるワイヤロープ24および可動鉄芯11等を天地を
逆に配設し、可動鉄芯11に一体的に浮きを設ければよ
い。
【0056】また、ワイヤロープ24は、10°〜45
°の範囲内の特定の角度に固定する場合に限らず、複数
の角度に変化させ得るように構成してもよいが、定格容
量を変えるには、ワイヤロープ24の線径および張力を
変えるだけで足りる。また、張力調整手段でワイヤロー
プ24に与える張力は、適宜でよいが、上記の実施の形
態においては、1.5kg〜2kgに設定した。
°の範囲内の特定の角度に固定する場合に限らず、複数
の角度に変化させ得るように構成してもよいが、定格容
量を変えるには、ワイヤロープ24の線径および張力を
変えるだけで足りる。また、張力調整手段でワイヤロー
プ24に与える張力は、適宜でよいが、上記の実施の形
態においては、1.5kg〜2kgに設定した。
【0057】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の請求項1に
よれば、基準となる鉛直軸に対して所定の傾斜角度だけ
傾斜させて、一端が本体部に固定され、他端が張力調整
手段を介して本体部に張設された細径のワイヤロープの
線心に対して所定半径で振り子回動可能に作動部材を設
け、該作動部材の先端近傍に設けられた作動片の基準位
置に対する変位を計測部にて計測する構成により、高さ
寸法が小さくても、微小な傾斜による角度変位に対して
作動部材が大きく振れるので、充分に小さな高さ寸法
で、しかも高い角度変位の検出感度を得ることを可能と
し、設置個所の制約を軽減して設置の自由度を向上する
ことができ、延いては安価でしかもコンパクトで且つ角
度変位の検出を高感度に行うことが可能であることに加
え、上述した先願の発明に係る傾斜計に対し、ニードル
旋回軸の先端部およびピボット軸受のように高度な加工
技術を必要とする部材に代えて適度な張力をもって張設
された細径のワイヤロープを用いた構成としたから、製
作コストを大幅に低減することができ、また、ニードル
旋回軸とピボット軸受との支持構造のように機械的静止
摩擦がないから出力データの再現性がよく、例えば、感
度バラツキ、非直線性のバラツキの大幅な低減化とヒス
テリシスの大幅の低減化が実現され、また、定格容量の
異なるものを製作する場合、例えば±1度、±2度、±
5度の傾斜計のものを製作する場合、フルスケール時の
作動片の振れ角が一定とすれば、先願の発明に係る傾斜
計では、ニードル旋回軸の取付傾斜角度をそれぞれに対
応させて変化させなくてはならず、そのため、本体部や
ニードル旋回軸、ピボット軸受等をそれぞれ製作しなけ
ればならなくなるため、コストが嵩む要因となっていた
が、本発明に係る傾斜計の場合、ワイヤロープの太さや
張力を適宜変更するだけで定格値に容易且つ安価に対応
可能であり、また、先願の傾斜計のようなニードル旋回
軸の折損等の故障が全くなく、耐振性、耐衝撃性の良好
な傾斜計を提供することができる。
よれば、基準となる鉛直軸に対して所定の傾斜角度だけ
傾斜させて、一端が本体部に固定され、他端が張力調整
手段を介して本体部に張設された細径のワイヤロープの
線心に対して所定半径で振り子回動可能に作動部材を設
け、該作動部材の先端近傍に設けられた作動片の基準位
置に対する変位を計測部にて計測する構成により、高さ
寸法が小さくても、微小な傾斜による角度変位に対して
作動部材が大きく振れるので、充分に小さな高さ寸法
で、しかも高い角度変位の検出感度を得ることを可能と
し、設置個所の制約を軽減して設置の自由度を向上する
ことができ、延いては安価でしかもコンパクトで且つ角
度変位の検出を高感度に行うことが可能であることに加
え、上述した先願の発明に係る傾斜計に対し、ニードル
旋回軸の先端部およびピボット軸受のように高度な加工
技術を必要とする部材に代えて適度な張力をもって張設
された細径のワイヤロープを用いた構成としたから、製
作コストを大幅に低減することができ、また、ニードル
旋回軸とピボット軸受との支持構造のように機械的静止
摩擦がないから出力データの再現性がよく、例えば、感
度バラツキ、非直線性のバラツキの大幅な低減化とヒス
テリシスの大幅の低減化が実現され、また、定格容量の
異なるものを製作する場合、例えば±1度、±2度、±
5度の傾斜計のものを製作する場合、フルスケール時の
作動片の振れ角が一定とすれば、先願の発明に係る傾斜
計では、ニードル旋回軸の取付傾斜角度をそれぞれに対
応させて変化させなくてはならず、そのため、本体部や
ニードル旋回軸、ピボット軸受等をそれぞれ製作しなけ
ればならなくなるため、コストが嵩む要因となっていた
が、本発明に係る傾斜計の場合、ワイヤロープの太さや
張力を適宜変更するだけで定格値に容易且つ安価に対応
可能であり、また、先願の傾斜計のようなニードル旋回
軸の折損等の故障が全くなく、耐振性、耐衝撃性の良好
な傾斜計を提供することができる。
【0058】また、請求項2の発明に係る傾斜計によれ
ば、一端が本体部に固定された板ばねと、先端側に前記
板ばねの他端が固定され基端側が本体部に進退調節可能
に螺合されたねじ部材を含んで構成された張力調節手段
を備えてあるから、ワイヤロープに所定の初期張力を与
えてアームの旋回中心を正しく設定し易いと共に、外部
から衝撃が加わったとしても、板ばねで衝撃を吸収する
ので、ワイヤロープの切断事故が発生するおそれはな
く、長期使用中に板ばねのへたりが生じてもねじ部材を
用いて再調整することができる。
ば、一端が本体部に固定された板ばねと、先端側に前記
板ばねの他端が固定され基端側が本体部に進退調節可能
に螺合されたねじ部材を含んで構成された張力調節手段
を備えてあるから、ワイヤロープに所定の初期張力を与
えてアームの旋回中心を正しく設定し易いと共に、外部
から衝撃が加わったとしても、板ばねで衝撃を吸収する
ので、ワイヤロープの切断事故が発生するおそれはな
く、長期使用中に板ばねのへたりが生じてもねじ部材を
用いて再調整することができる。
【0059】また、請求項3の発明に係る傾斜計は、定
格容量によってその線径が0.08mm乃至0.15mmの
ワイヤロープを用いるようにしたから、上述した先願の
発明に係る傾斜計のように、ニードル旋回軸やピボット
軸受を定格容量毎に製作したり本体部の孔開け加工など
をする必要がなく、単に定格容量に見合う線径のワイヤ
ロープを用いるだけでよいので、部品点数と加工工程が
少なく、安価に構成することができる。
格容量によってその線径が0.08mm乃至0.15mmの
ワイヤロープを用いるようにしたから、上述した先願の
発明に係る傾斜計のように、ニードル旋回軸やピボット
軸受を定格容量毎に製作したり本体部の孔開け加工など
をする必要がなく、単に定格容量に見合う線径のワイヤ
ロープを用いるだけでよいので、部品点数と加工工程が
少なく、安価に構成することができる。
【0060】請求項4の発明に係る傾斜計によれば、前
記作動片が、可動鉄芯を含み、且つ前記計測部が、中空
部を有し、該中空部内に前記可動鉄芯を非接触で往復自
在として挿入して、前記可動鉄芯による電磁誘導により
該可動鉄芯の変位を電気信号として取り出す差動トラン
スコイルを含むことにより、特に、角度変位を電気的に
且つ高感度に検出することが可能となる。請求項5の発
明に係る傾斜計によれば、前記作動片が、可動磁石を含
み、且つ前記計測部が、磁気感知部を有し、該磁気感知
部近傍に前記可動磁石を非接触で往復自在として配設し
て、前記可動磁石による磁束変化により該可動磁石の変
位を電気信号として取り出す、例えばホール系のような
半導体磁気センサを含むことにより、特に、検出信号を
電気的に検出するための回路構造を簡易化し且つ高感度
化することが可能となる。
記作動片が、可動鉄芯を含み、且つ前記計測部が、中空
部を有し、該中空部内に前記可動鉄芯を非接触で往復自
在として挿入して、前記可動鉄芯による電磁誘導により
該可動鉄芯の変位を電気信号として取り出す差動トラン
スコイルを含むことにより、特に、角度変位を電気的に
且つ高感度に検出することが可能となる。請求項5の発
明に係る傾斜計によれば、前記作動片が、可動磁石を含
み、且つ前記計測部が、磁気感知部を有し、該磁気感知
部近傍に前記可動磁石を非接触で往復自在として配設し
て、前記可動磁石による磁束変化により該可動磁石の変
位を電気信号として取り出す、例えばホール系のような
半導体磁気センサを含むことにより、特に、検出信号を
電気的に検出するための回路構造を簡易化し且つ高感度
化することが可能となる。
【0061】請求項6の発明に係る傾斜計によれば、前
記作動片が、遮光部材を含み、且つ前記計測部が、前記
遮光部材を挟んで対峙して光を送受する投光部および受
光部を有し、前記遮光部材による遮光位置により該遮光
部材の変位を電気信号として取り出す光学計測部を含
み、また、請求項7の発明に係る傾斜計によれば、前記
作動片が、反射部材を含み、且つ前記計測部は、前記反
射部材に対峙して光を送受する投光部および受光部を有
し、前記遮光部材による反射位置により該反射部材の変
位を電気信号として取り出す光学計測部を含むことによ
り、特に、変位を光学的に且つ高感度に検出することが
可能となり、周辺環境の電磁的特性の影響を受けにくく
なる。請求項8の発明に係る傾斜計によれば、前記ワイ
ヤロープ、作動部材、作動片および計測部を収容し且つ
高周波動作に対する感度を抑制するオイルが充填された
容器をさらに設けることにより、特に、高周波振動によ
る誤動作を防止することが可能となる。
記作動片が、遮光部材を含み、且つ前記計測部が、前記
遮光部材を挟んで対峙して光を送受する投光部および受
光部を有し、前記遮光部材による遮光位置により該遮光
部材の変位を電気信号として取り出す光学計測部を含
み、また、請求項7の発明に係る傾斜計によれば、前記
作動片が、反射部材を含み、且つ前記計測部は、前記反
射部材に対峙して光を送受する投光部および受光部を有
し、前記遮光部材による反射位置により該反射部材の変
位を電気信号として取り出す光学計測部を含むことによ
り、特に、変位を光学的に且つ高感度に検出することが
可能となり、周辺環境の電磁的特性の影響を受けにくく
なる。請求項8の発明に係る傾斜計によれば、前記ワイ
ヤロープ、作動部材、作動片および計測部を収容し且つ
高周波動作に対する感度を抑制するオイルが充填された
容器をさらに設けることにより、特に、高周波振動によ
る誤動作を防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一つの実施の形態に係る傾斜計の要部
の構成を模式的に示す一部破断正面図である。
の構成を模式的に示す一部破断正面図である。
【図2】図1の傾斜計のA−A′線に沿う横断面図であ
る。
る。
【図3】図1の傾斜計における計測系の電気的回路構成
を模式的に示すブロック図である。
を模式的に示すブロック図である。
【図4】従来の傾斜計の一例の構成を模式的に示す一部
破断正面図である。
破断正面図である。
【図5】図4の傾斜計のA−A′線に沿う横断面図であ
る。
る。
1 スタンド 2 クラウン 7 ベース部材 8 トップ部材 9 ケース 10 差動トランスコイル 10A 1次コイル 10B,10C 2次コイル 11 可動鉄芯 12A,12B ナット 13 回路基板 14 ケーブル 15 グランド金具 16 シール部材 21 検出回路 22 電源 23 板ばね 24 ワイヤロープ 25A,25B ワイヤロープ固定部 26A,26B アーム 26C,26D アーム保持部 27 板ばね固定用ナット 28 ロックナット 29 張力調整ねじ 30 挟持用ねじ
Claims (8)
- 【請求項1】 基準となる鉛直軸に対して所定の傾斜角
度だけ傾斜させて、一端が本体部に固定され、他端が張
力調整手段を介して本体部に張設された細径のワイヤロ
ープと、 前記ワイヤロープの線心に対して所定半径で振り子回動
可能に一体的に固設された作動部材と、 前記作動部材の先端近傍に設けられた作動片と、 前記作動片の基準位置に対する変位を計測する計測部と
を具備し、前記ワイヤロープの線径を異ならせることに
よって異なる定格容量のものを得るように構成したこと
を特徴とする傾斜計。 - 【請求項2】 張力調整手段は、一端が本体部に固定さ
れた板ばねと、先端側に前記板ばねの他端が固定され基
端側が本体部に進退調節可能に螺合されたねじ部材を含
んで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の
傾斜計。 - 【請求項3】 ワイヤロープは、定格容量によってその
線径が0.08mm乃至0.15mmのものが用いられるこ
とを特徴とする請求項1または2に記載の傾斜計。 - 【請求項4】 作動片は、可動鉄芯を含み、且つ計測部
は、中空部を有し、該中空部内に前記可動鉄芯を非接触
で往復自在として挿入して、前記可動鉄芯による電磁誘
導により該可動鉄芯の変位を電気信号として取り出す差
動トランスコイルを含むことを特徴とする請求項1〜3
のうちのいずれか1項に記載の傾斜計。 - 【請求項5】 作動片は、可動磁石を含み、且つ計測部
は、磁気感知部を有し、該磁気感知部近傍に前記可動磁
石を非接触で往復自在として配設して、前記可動磁石に
よる磁束変化により該可動磁石の変位を電気信号として
取り出す半導体磁気センサを含むことを特徴とする請求
項1〜3のうちのいずれか1項に記載の傾斜計。 - 【請求項6】 作動片は、遮光部材を含み、且つ計測部
は、前記遮光部材を挟んで対峙して光を送受する投光部
および受光部を有し、前記遮光部材による遮光位置によ
り該遮光部材の変位を電気信号として取り出す光学計測
部を含むことを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれ
か1項に記載の傾斜計。 - 【請求項7】 作動片は、反射部材を含み、且つ計測部
は、前記反射部材に対峙して光を送受する投光部および
受光部を有し、前記遮光部材による反射位置により該反
射部材の変位を電気信号として取り出す光学計測部を含
むことを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか1項
に記載の傾斜計。 - 【請求項8】 ワイヤロープ、作動部材、作動片および
計測部を収容し且つ高周波動作に対する感度を抑制する
オイルが充填された容器をさらに具備することを特徴と
する請求項1〜7に記載の傾斜計。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33640798A JP2000161953A (ja) | 1998-11-26 | 1998-11-26 | 傾斜計 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33640798A JP2000161953A (ja) | 1998-11-26 | 1998-11-26 | 傾斜計 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000161953A true JP2000161953A (ja) | 2000-06-16 |
Family
ID=18298823
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33640798A Pending JP2000161953A (ja) | 1998-11-26 | 1998-11-26 | 傾斜計 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000161953A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006078406A (ja) * | 2004-09-10 | 2006-03-23 | Asahi Kasei Electronics Co Ltd | 磁気検出式角度センサおよび回転軸と鉛直とのなす角度の決定法 |
CN105203128A (zh) * | 2015-09-24 | 2015-12-30 | 中石化石油工程技术服务有限公司 | 一种可调式无线随钻测斜仪校验架底座及使用方法 |
CN113719273A (zh) * | 2021-08-04 | 2021-11-30 | 河南谨之臻科技有限公司 | 一种圆柱式钻孔倾斜仪 |
-
1998
- 1998-11-26 JP JP33640798A patent/JP2000161953A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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CN105203128B (zh) * | 2015-09-24 | 2018-09-04 | 中石化石油工程技术服务有限公司 | 一种可调式无线随钻测斜仪校验架底座 |
CN113719273A (zh) * | 2021-08-04 | 2021-11-30 | 河南谨之臻科技有限公司 | 一种圆柱式钻孔倾斜仪 |
CN113719273B (zh) * | 2021-08-04 | 2023-08-04 | 河南谨之臻科技有限公司 | 一种圆柱式钻孔倾斜仪 |
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