JP2000161497A - 往復動軸用オイルシール及びその製造方法 - Google Patents

往復動軸用オイルシール及びその製造方法

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JP2000161497A
JP2000161497A JP10347967A JP34796798A JP2000161497A JP 2000161497 A JP2000161497 A JP 2000161497A JP 10347967 A JP10347967 A JP 10347967A JP 34796798 A JP34796798 A JP 34796798A JP 2000161497 A JP2000161497 A JP 2000161497A
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oil seal
main lip
oil
solid lubricant
coated
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JP10347967A
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English (en)
Inventor
Shinichi Sumimoto
晋一 住本
Seiji Miyazawa
誠司 宮澤
Kazuyoshi Maki
和義 牧
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Arai Seisakusho Co Ltd
Original Assignee
Arai Seisakusho Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 主リップが固形潤滑剤でコーティングされて
いてもシール性の良好なオイルシールを得ること。 【構成】 未加硫の合成ゴムを加硫成型後、未加工の状
態のオイルシール素材の少なくとも密封接触部に固形潤
滑剤をコーティングし、コーティング終了後主リップと
なる部位を内周方向よりカットしシャープエッジとされ
た主リップを形成した往復動軸用オイルシール。 【効果】 主リップの軸と摺動するリップ先端はシャー
プエッジとされているにもかかわらず固形潤滑剤が被覆
されており、そのため摺動抵抗を低減することができ、
また、シャープエッジとされた主リップはシール性が良
好であり、摺動抵抗の低減とシール性の向上を両立させ
たものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、往復動軸用のオイ
ルシールの摺動抵抗の低減を図るとともにシール性を損
なわないオイルシール及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】従来の往復動軸用のオイルシールにおいて
は、主リップの軸との当接する部位がゴムのみでは初期
の摺動抵抗が大きいので、その低減を図るためにオイル
シールの往復動軸との摺動面に固形の潤滑剤いわゆるフ
ッ素樹脂、モリブデン等をコーティングしていた。
【0003】上記のフッ素樹脂やモリブデン等のコーテ
ィングは、オイルシールを金型で加硫成型し、主リップ
等をカットした後においてコーティングを行っている。
このようにリップの先端部はコーティングされているた
めシャープエッジではなく、未コーティングのものに比
し丸みを帯びたいわゆるラウンド状態となり、このラウ
ンド化されたリップは、コーティングをされていないシ
ャープエッジを備えたリップのオイルシールに比してシ
ール性が低下することは避けられなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、上記
した問題点を解決し、フッ素樹脂等がコーティングされ
ていてもシャープエッジとされた主リップを備え、シー
ル性を損なうことなくフリクションの低減を図った往復
動軸用のオイルシールとその製造方法の提供を目的とす
るものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係る往復動軸用
オイルシールは、前記の目的を達成するために、オイル
シールの構成として、合成ゴムを加硫成型して得た未加
工状態のオイルシール素材の少なくとも密封接触部に固
形潤滑剤のコーティングを施し、コーティング終了後前
記素材を内周方向よりカットしシャープエッジとされた
主リップを形成したことを特徴とするものであり、ま
た、その製造方法として、未加硫の合成ゴムをオイルシ
ール成型用金型内に装着し加硫成型して得た未加工状態
のオイルシール素材の少なくとも密封接触部に固形潤滑
剤のコーティングを施し、コーティング終了後、前記の
素材を内周方向よりカットし、固形潤滑剤がコーティン
グされたシャープエッジの主リップを形成することをそ
の特徴とするものである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図に基づい
て説明すると、図1に示す未加工のオイルシール素材1
は、未加硫の合成ゴムをオイルシール成型用金型(図示
しない)に装着して加硫成型し、バリ等が付されたまま
未だ主リップ等の仕上げ加工がされていない状態におい
て主リップが形成される部位3及びダストリップ4並び
にバリ部等を含む内周面にフッ素樹脂のコーティング5
が施されている状態を示している。
【0007】本実施の形態においては、前記したように
加硫成型後に主リップ等の仕上げ加工をする前にその内
周面にフッ素樹脂等のコーティング5を施し、コーティ
ング終了後にオイルシールの素材1を例えばロクロ(図
示しない)に取着して回転させ、切断用の刃物6にて図
1に矢印で示す方向すなわち内周方向より主リップが形
成される部位3の先端部をカットし主リップ8を形成す
る(図2参照)。このようにして形成された主リップ8
はフッ素樹脂がコーティングされた後に内周方向よりカ
ットされるため、フッ素樹脂のコーティングが付された
まま主リップ8は軸と当接する部位にカエリのないシャ
ープエッジ9を形成することができ、往復動軸用オイル
シールAのシール性を損なうことなくフリクションを低
減できるものである。
【0008】図2は前記したようにオイルシール素材1
の主リップが形成される部位3をカットして主リップ8
を形成したオイルシールAを示し、図1と同一部には同
一符号を付してある。前記したようにオイルシールAは
金属補強環2で補強され、ダストリップ4を備え、内周
面にフッ素樹脂がコーティング5されている。
【0009】本発明の実施の形態において説明したオイ
ルシールAのシール性を従来のオイルシールである主リ
ップの仕上げ加工後にフッ素樹脂をコーティングした製
品のシール性と比較するため、図3に示す実験装置によ
り比較試験をしたので、これを説明すると、図3におい
て、10は一端を閉鎖し他端を開放した筒体であり、該
筒体10の開放端側外周にねじ11を刻設してある。1
4は前記筒体10のねじ11に螺合するねじ15を内周
に刻設した蓋体であり、該蓋体14の中央部には往復動
軸16が挿通する孔17が穿設され、該蓋体14は、内
周に刻設されたねじ15を筒体10のねじ11と螺合せ
しめて筒体10に結合され、蓋体14の前記孔17に往
復動軸16を挿通する。
【0010】12は前記筒体10の閉鎖された底部のオ
イル室18とシール室19との間に設けた環状段部であ
り、該段部12によって前記したオイルシールAと後述
する掻出し用オイルシール20のそれぞれのハウジング
22,23の軸方向の位置決めがなされており、前記オ
イル室18にはオイルを注入してある。Aは前述した本
実施の形態のオイルシールで、該オイルシールAは前記
のオイルをシールするために主リップをオイル室側に向
けて前記環状段部12によって隔てられたシール室19
に配置され、また、前記シール室19の大気側に主リッ
プ21を大気側に向けた掻出し用オイルシール20を設
けてある。24は、前記ハウジング22,23を挟んで
蓋体14にて螺締めするためのカラーである。
【0011】上記のように本実施の形態のオイルシール
Aを装着し、軸16の先端部をオイル室18のオイル内
に挿入するように蓋体14の中央部の孔17より挿入
し、該軸16を往動せしめると軸16に付着のオイルは
オイルシールAの主リップによってシールされ、微小量
のシールしきれなかったオイルは軸表面に油膜状態で付
着し、ダストリップ4、掻出し用オイルシール20を通
過して油膜状態のオイルはシール室19外に至る。次い
で軸16が複動すると軸16に油膜状態で付着されたオ
イルは掻出し用オイルシール20の主リップ21によっ
て掻き取られ、掻き取られたオイルは軸16の上死点軸
上に環状に掻き集められ、この掻き集められたオイルを
あらかじめ秤量された吸引紙(図示しない)で吸い取り
秤量することにより漏れ量を知ることができる。
【0012】上記した実験装置によって外径寸法41.
0mmの軸16を使用して本実施の形態のオイルシール
Aの主リップの内径及びダストリップの内径をそれぞれ
39.40mm,39.02mmとしたオイルシール
(NO.1)と主リップの内径及びダストリップの内径
をそれぞれ39.33mm,39.02mmとしたオイ
ルシール(NO.2)をシール室19に装着し、軸16
をストローク±25mm、スピード0.5m/sで往復
動を10分間行ったところ表1に示す結果を得た。そし
て表1に示すようにいずれの場合であってもそのオイル
の漏れ量は0.003g/10minであった。
【0013】上記した本実施の形態のオイルシールAと
比較するために、前記した実験装置のオイルシールAに
変えて従来のオイルシールすなわち加硫成型後主リップ
を仕上げ加工した後フッ素樹脂をコーティングしたため
主リップがラウンド状となっているオイルシールを装着
し、前記と同様な条件で軸16を10分往復動させオイ
ルの漏れ量をみた。その結果を表1に示すが、その漏れ
量は主リップ内径39.15mm,ダストリップの内径
39.24mmのオイルシール(NO.3)では0.2
03g/10min,また、主リップの内径39.30
mm,ダストリップの内径39.20mmのオイルシー
ル(NO.4)では漏れ量が0.220g/10min
であった。
【0014】
【表1】
【0015】表1にみられるように、本実施の形態によ
るオイルシールAは、従来の主リップの仕上げ加工を施
した後、フッ素樹脂等をコーティングし、その結果主リ
ップが丸みを帯びたものに比し、その漏れ量は極めて少
なく、主リップ8はフッ素樹脂のコーティング5が施さ
れているにもかかわらずシャープエッジ9とされるの
で、シール性は良好であり、また、前記のフッ素樹脂の
コーティングにより摺動抵抗も軽減できるものである。
なお、本実施の形態においては、コーティング剤をフッ
素樹脂として説明したが、これに限定されるものでなく
同様な効果を奏する固形潤滑剤であればどのようなもの
でも良いものである。
【0016】
【発明の効果】本発明に係る往復動軸用オイルシール
は、合成ゴムを加硫成型後、未加工状態のオイルシール
素材において、その少なくとも密封接触部に固形潤滑剤
をコーティングし、コーティング終了後内周方向よりカ
ットしシャープエッジとされる主リップを形成したの
で、前記のシャープエッジとされた主リップの軸と当接
するリップ先端には固形潤滑剤がコーティングされてお
り、そのため摺動抵抗を低減することができ、また、シ
ャープエッジとされた主リップはシール性が良好であ
り、本発明のオイルシールは、摺動抵抗の低減とシール
性の向上を両立させることができたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】加硫成型後の未加工のオイルシール素材の内周
面にフッ素樹脂をコーティングした状態を示す半截断面
【図2】オイルシール素材にコーティングした後に主リ
ップを加工形成したオイルシールの半截断面図
【図3】オイルシールの漏れ量の実験装置の説明図
【符号の説明】
A オイルシール 4 ダストリップ 5 固形潤滑剤コーティング 8 主リップ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 牧 和義 東京都葛飾区堀切3丁目30番1号 株式会 社荒井製作所内 Fターム(参考) 3J006 AE18 CA01

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成ゴムを加硫成型して得た未加工状態
    のオイルシール素材の少なくとも密封接触部に固形潤滑
    剤のコーティングを施し、コーティング終了後前記素材
    を内周方向よりカットしシャープエッジとされた主リッ
    プを形成したことを特徴とする往復動軸用オイルシー
    ル。
  2. 【請求項2】 未加硫の合成ゴムをオイルシール成型用
    金型内に装着し加硫成型して得た未加工状態のオイルシ
    ール素材の少なくとも密封接触部に固形潤滑剤のコーテ
    ィングを施し、コーティング終了後、前記の素材を内周
    方向よりカットし、固形潤滑剤がコーティングされたシ
    ャープエッジの主リップを形成することを特徴とする往
    復動軸用オイルシールの製造方法。
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