JP2000157839A - 消毒廃ガス処理方法及びその処理装置 - Google Patents

消毒廃ガス処理方法及びその処理装置

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JP2000157839A
JP2000157839A JP10338637A JP33863798A JP2000157839A JP 2000157839 A JP2000157839 A JP 2000157839A JP 10338637 A JP10338637 A JP 10338637A JP 33863798 A JP33863798 A JP 33863798A JP 2000157839 A JP2000157839 A JP 2000157839A
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waste gas
titanium oxide
disinfecting
filter
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JP10338637A
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English (en)
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Kazuo Yanagihara
和夫 柳原
Yasutaka Kawanobu
保隆 川延
Shoji Kida
昇司 貴田
Mitsuo Naruse
光夫 成瀬
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SANKO SEKIYU KOGYO KK
Daido Steel Co Ltd
Original Assignee
SANKO SEKIYU KOGYO KK
Daido Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 医療器具等の消毒処理廃ガスを容易かつ確実
に、しかも低廉なコストで分解・無害化する方法及び装
置を提供すること。 【解決手段】 消毒処理室12で医療器具をホルムアル
デヒドあるいはグルタルアルデヒド等の消毒剤により消
毒した後に発生するホルムアルデヒドガスやグルタルア
ルデヒドガス等を分解処理室14で光触媒型フィルタ2
0に通し、その光触媒型フィルタ20に担持されるアナ
ターゼ型酸化チタン粒子により二酸化炭素(CO)と
水(HO)とに分解し無害化して排気処理する。アナ
ターゼ型酸化チタン粒子にAg触媒などが担持されてお
れば、そのガス中に含まれる細菌類の滅菌処理も行われ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、消毒廃ガス処理方
法及びその処理装置に関し、さらに詳しくは、カテーテ
ル、内視鏡等の医療器具類をホルムアルデヒドやグルタ
ルアルデヒド等の消毒剤により消毒した後に発生する消
毒廃ガスを分解し無害化する消毒廃ガス処理方法、及び
それに用いられる消毒廃ガス処理装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、既存の病院での院内感染の問題や
各種施設、宿泊所などでの衛生管理問題がクローズアッ
プされている。そうした中で例えば、各種病院や医療施
設などにおいて患者が使用したマットレス、布団、リネ
ン等を真空滅菌乾燥機の使用により、或いは高圧蒸気に
よる滅菌処理などにより消毒し、再使用することが行わ
れている。
【0003】一方、医療器具類の中には、カテーテル、
内視鏡、麻酔器、人工呼吸器、保育器等、高圧蒸気によ
り滅菌処理のできないものもある。これらの医療器具類
については、ホルムアルデヒド消毒装置を用いて消毒処
理し、ホルムアルデヒドは人体に有害であるのでこれを
アンモニアにより中和処理し、更に消毒室内の強制換気
さらには排気中に含まれるホルムアルデヒドは触媒酸化
処理して排気することも行われている。
【0004】また例えば、特開平7−322801号公
報には、医療器具を消毒処理した後のホルムアルデヒド
ガスを触媒による化学反応により分解する技術が開示さ
れ、触媒はヒータ内蔵のアルミナ担体の表面に白金やパ
ラジウム等が塗布されたものが使用されている。ヒータ
により触媒を加熱し、ホルムアルデヒドガスをその加熱
触媒により炭酸ガスと水に分解するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
アンモニア中和法では、アンモニア液による中和処理装
置が必要であり、また中和処理によってヘキサメチレン
テトラミンが生成されるが、その中和生成物の排気処理
が新たな問題として生じていた。
【0006】また特開平7−32280号公報のもの
は、白金やパラジウム等の高価な触媒を使用し、また触
媒の加熱処理により触媒活性を高める必要があることか
ら処理コストが掛かるという問題があった。
【0007】本発明の解決しようとする課題は、カテー
テル、内視鏡などの医療器具等をホルムアルデヒドやグ
ルタルアルデヒドによる滅菌消毒処理を行うことにより
発生する消毒廃ガスを光触媒型フィルタに通してその消
毒廃ガスの分解、無害化処理を行う方法及びその処理装
置を提供することにある。これによりホルマリン等の消
毒廃ガス処理の徹底・確実性と、その消毒廃ガスの分解
処理の容易性、並びにその処理コストの低廉化を達成し
ようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
本発明の消毒廃ガス処理方法は、請求項1に記載のよう
に、被消毒処理物の消毒処理に用いられた消毒剤から発
生する消毒廃ガスを、フィルタ基材に酸化チタン粒子が
分散担持される光触媒型フィルタに通し、消毒廃ガスを
分散無害化するようにしたことを要旨とするものであ
る。
【0009】この場合の被消毒処理物としては、カテー
テル、内視鏡等の医療器具類を主に対象としている。ま
た使用される消毒液は、この種のものに使用されるホル
ムアルデヒド又はグルタルアルデヒドを対象としている
が、勿論これに限定されるものではない。
【0010】そして前記光触媒型フィルタに分散担持さ
れる酸化チタン粒子は、アナターゼ型結晶構造を有する
ものであることが望ましい。酸化チタン粒子の結晶構造
にはルチル型やアナターゼ型のものがあるが、特にアナ
ターゼ型結晶構造のものが紫外線を照射したときに光触
媒性能が強く働き、消毒廃ガスの分解効果が大きい。
【0011】また前記光触媒型フィルタは、前記酸化チ
タン粒子に更に金属銀若しくは金属銅の金属粒子を分散
付着させたものであることが望ましい。酸化チタン粒子
に分散担持されている金属銀若しくは金属銅粒子が活性
助剤として機能し、消毒廃ガスの分解性能が高められ、
また繰り返しの利用にも高性能が持続されることにな
る。
【0012】更に前記光触媒型フィルタは、前記フィル
タ基材に活性炭若しくはゼオライトの吸着剤を担持し、
その吸着剤表面に前記酸化チタンの光触媒粒子が担持さ
れていることが望ましい。活性炭やゼオライトは吸着性
能が高いため、消毒廃ガスの補足効果を更に高めること
が期待される。
【0013】この場合光触媒型フィルタは、フィルタ基
材に活性炭若しくはゼオライトの吸着剤と酸化チタン粒
子との混合物が担持されるものであっても同様の効果が
期待される。
【0014】また本発明の消毒廃ガス処理装置は、請求
項8に記載のように、被消毒処理物の消毒処理に用いら
れた消毒液から発生する消毒廃ガスの主ガス流路に、フ
ィルタ基材に酸化チタン粒子が分散担持される光触媒型
フィルタを配設してなることを要旨とするものである。
【0015】この場合に、前記光触媒型フィルタに分散
担持される酸化チタン粒子は、アナターゼ型結晶構造を
有すること、又、前記光触媒型フィルタは、前記酸化チ
タン粒子に更に金属銀若しくは金属銅の金属粒子を分散
付着させていることが望ましいのは既述した通りであ
る。
【0016】また、前記光触媒型フィルタは、前記フィ
ルタ基材に活性炭若しくはセオライトの吸着剤を担持
し、その吸着剤表面に前記酸化チタンの光触媒粒子が担
持されているか、或いは、前記フィルタ基材に活性炭若
しくはセオライトの吸着剤と前記酸化チタンの光触媒粒
子との混合物が担持されていることが望ましいことも既
述した通りである。
【0017】そしてこの消毒廃ガス処理装置では更に、
前記光触媒型フィルタを通過した消毒廃ガスを前記主ガ
ス流路に戻す還流路を備えるようにすれば、光触媒型フ
ィルタを通過した消毒廃ガスに未分解ガスが含まれてい
たとしても還流路を介して再び光触媒型フィルタによる
分解に供されることになる。したがって消毒廃ガスの分
解無害化処理が徹底して行われ、しかもクローズドでの
廃ガス処理により環境汚染の問題も生じないことにな
る。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に本発明の好適な一実施の形
態を図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明が
適用される消毒処理装置の外観を示したものである。ま
た図2はその配管構成も含めた消毒処理装置全体の概略
構成を示している。この消毒処理装置10は、カテーテ
ル、内視鏡等の医療器具である被消毒処理物をホルムア
ルデヒドやグルタルアルデヒド等の消毒剤によって消毒
処理が行われる消毒処理室12と、その消毒処理室12
において医療器具の消毒処理が行われた時に生じるホル
ムアルデヒドガスやグルタルアルデヒドガス等の消毒廃
ガスを分解し無害化する分解処理室14とを備える。
【0019】医療器具の消毒剤には主に上述したホルム
アルデヒドやグルタルアルデヒド等が用いられるが、例
えばホルムアルデヒドであれば、その消毒廃ガスが分解
処理室14において炭酸ガス(CO)と水(HO)
とに分解され、無害化されるものである。
【0020】この消毒処理装置10には、前記消毒処理
室12及び分解処理室14に夫々ホルムアルデヒドガス
濃度を検知するHCHO検知センサ16、18が設けら
れるほか、分解処理室14には前記消毒処理室12より
送られてきた消毒廃ガスを通過させて分解する光触媒型
フィルタ20、及びこの光触媒型フィルタに紫外線を照
射して触媒を活性化させる光触媒用光源22等が配設さ
れる。
【0021】そしてこの消毒処理装置10の操作盤24
には、電源スイッチ26、消毒処理タイマースタートス
イッチ、稼働時間計、前記HCHO検知センサにより検
知されるHCHOガス濃度表示器30等が設けられてい
る。尚、前記消毒処理室12には開閉扉32が設けら
れ、また前記分解処理室14には点検用扉34が設けら
れている。更にこの消毒処理装置10はキャスタ36に
より移動自在に構成されている。
【0022】次に図2に示した消毒処理装置10の概略
構成について説明すると、前述の消毒処理室12と分解
処理室14とは主ガス管38により接続され、また該分
解処理室14と前記消毒処理室12とは循環パイプ40
を介して接続されている。
【0023】そして主ガス管38及び循環パイプ40に
は夫々自動開閉バルブA,Aが設けられると共に、
循環パイプ40には循環用ブロワ42が設けられ、該循
環用ブロワ42の駆動により消毒処理室12で発生した
ホルムアルデヒドガスのような消毒廃ガスが分解処理室
14に導入され、また該分解処理室14で分解処理され
た後、その分解ガスは循環パイプ40を介して消毒処理
室12へ戻すことができるようになっている。
【0024】また前記循環パイプ40と主ガス管38と
の間にバイパス管44が接続されると共に、該バイパス
管44にも自動開閉バルブBが設けられ、前記開閉バ
ルブA、Aが閉じられ、かつ該開閉バルブBを開
いた状態では分解処理室14で分解処理された後の分解
ガスを消毒処理室12に戻さずに分解処理室14へ戻す
ことができるようにもなっている。
【0025】前記循環パイプ40には前記循環ブロワ4
2の吐気側に位置して排気管46が接続されると共に、
該排気管46にも自動開閉バルブCが設けられ、該開
閉バルブCを開いた状態で循環用ブロワ42を駆動さ
せることにより前記排気管46を介して大気中へ排出さ
れるようにもなっている。
【0026】尚、前記分解処理室14に乾燥空気を送り
込むための吸気ブロワ48が吸気管50を介して接続さ
れ、該吸気管50に設けられる自動開閉バルブCを開
いている状態で該吸気ブロワ48の駆動により大気中の
乾燥した空気が分解処理室14内に送り込まれるように
なっている。分解処理室14内に配設される光触媒型フ
ィルタ20は湿気に弱いため、消毒廃ガスの分解処理に
より生じる水分によりフィルタが吸湿しないように配慮
したものである。
【0027】次に前記光触媒型フィルタ20の構成につ
いて説明する。この光触媒型フィルタには2種類があ
る。その1つは、アナターゼ型結晶構造の酸化チタン
(TiO )粒子をフィルタ基材の表面に分散担持させ
たものであり、他の1つは、その酸化チタン粒子に更に
金属銀(Ag)粒子を分散付着させたものである。
【0028】前者の光触媒型フィルタは、平均粒径0.
04μm未満のアナターゼ型結晶構造の酸化チタン粒子
を、チタニウムアルコキシドとシラン系アルコキシドを
50:50の等モル比でグリコールエーテル溶媒に5〜
30重量%混合したバインダ溶剤に3重量%程度分散懸
濁させ、更に疎水性セグメントと親水性からなる親疎水
性ブロック共重合体(日本油脂(株)製「モディパーHシ
リーズ」)を5〜20重量%配合して光触媒型酸化チタ
ンのコーティング液を作成する。そしてこの光触媒型酸
化チタンのコーティング液をフィルタ基材の表面にコー
ティングし、常温又は150℃以下の低温乾燥により、
この酸化チタン粒子がフィルタ基材の表面に分散担持さ
れたものである。
【0029】後者の光触媒型フィルタは、初めに酸化チ
タン粒子に金属銀(Ag)若しくは金属銅(Cu)粒子
を分散付着させ、これをフィルタ基材の表面にコーティ
ングしたものであるが、例えば、硝酸銀を純水に溶解
し、この液にアンモニア水を加えることによって、硝酸
銀のアンモニア錯体を得、この溶液に平均粒径0.04
μm未満のアナターゼ型結晶構造の酸化チタン粒子を加
えた後、攪拌、分散させる。
【0030】そして、この分散液に還元剤としてぶどう
糖を含むぶどう糖溶液を添加した後、30〜50℃に加
熱して攪拌することにより酸化チタン粒子の表面に金属
銀が析出するのでこれをデカンテーションで分離し、水
洗浄及び乾燥することによって、アナターゼ酸化チタン
粒子の表面に金属銀の粒子が分散付着したAg担持酸化
チタン粒子が得られる。
【0031】そこでこのAg担持酸化チタン粒子をチタ
ニウムアルコキシドとシラン系アルコキシドを50:5
0の等モル比でグリコールエーテル溶媒に5〜30重量
%混合したバインダ溶剤に3重量%程度分散懸濁させ、
更に疎水性セグメントと親水性からなる親疎水性ブロッ
ク共重合体(日本油脂(株)製「モディパーHシリー
ズ」)を5〜20重量%配合して光触媒型Ag担持酸化
チタンのコーティング液を作成する。
【0032】そしてこの光触媒型酸化チタンのコーティ
ング液をフィルタ基材の表面にコーティングし、常温又
は150℃以下の低温乾燥により、この酸化チタン粒子
がフィルタ基材の表面に分散担持されたものである。
【0033】次にこの消毒処理装置10を用いて医療器
具類のホルムアルデヒド消毒処理と、それにより発生す
るホルムアルデヒドガスの分解処理とについて説明す
る。図3はその制御フローチャートを示している。初め
に医療器具類のホルムアルデヒド消毒処理を行うに際し
ては、消毒処理室12の開閉扉32を開けてその消毒処
理室12内にカテーテルや内視鏡等の医療器具類を入れ
るとともに消毒剤を入れて開閉扉32を閉める。こうし
て所定時間が経過することにより医療器具類の消毒が行
われる。
【0034】そしてその間に操作盤24の電源スイッチ
26をONし、循環用ブロワ42を駆動させ、その時に
分解処理室14内に配設される光触媒型フィルタ20の
紫外線光源22もONし、紫外線により光触媒型フィル
タ20を活性にしておく。尚、この時バイパス管44の
開閉バルブB以外の開閉バルブ(A,A,C
)は閉じられている(S1〜S3)。
【0035】こうして消毒処理室12内での医療器具の
消毒処理が終了した時点でタイマーを設定し、タイマー
の作動が開始される(例えば、6時間とか、8時間とい
う消毒時間が設定される)(S4)と、主ガス管38の
自動開閉バルブAと循環パイプ40の自動開閉バルブ
が開かれ、バイパス管44の開閉バルブBは閉じ
られる(S5,S6)。そのために消毒処理室12で医
療器具の消毒処理により発生したホルムアルデヒドガス
は、循環用ブロワ42の駆動により主ガス管38を通っ
て分解処理室14へ導かれ、その分解処理室14で光触
媒型フィルタ20を通過することにより二酸化炭素(C
)と水(HO)とに分解される。
【0036】そしてその分解ガスは循環パイプ40を通
って元の消毒処理室12へ戻され、主ガス管38を介し
て再び分解処理室14へ送られることによりホルムアル
デヒドガスの分解処理が繰り返し行われる。その間消毒
処理室12及び分解処理室14のホルムアルデヒド濃度
はそれぞれHCHO検知センサ16、18によりモニタ
(監視)されている。
【0037】かくしてタイマによる一定時間が経過した
時点では消毒処理室12及び分解処理室のHCHO濃度
は十分に下がっていることが確認される(S7,S8)
と、主ガス管38及び循環パイプ自動の開閉弁A、A
は閉じられ、代わりにバイパス管44の自動開閉バル
ブBが開かれ、今度はバイパス管44を介しての消毒
廃ガスの分解処理が行われる(S9〜S10)。
【0038】こうして分解処理室14でホルムアルデヒ
ドガスの濃度が十分に下がった時点で、今度は排気管4
6の自動開閉バルブCと吸気管50の自動開閉バルブ
が開かれ、この時吸気ブロワ48がONされる(S
11〜S12)。これにより分解処理室14を出た分解
ガスである二酸化炭素(CO)と水(HO)は、排
気管46より大気へ排出される。そしてこの排気ガス中
にはホルムアルデヒドガスがほとんど含まれないことに
なる。
【0039】また分解処理室14ではホルムアルデヒド
ガスの分解により水分(HO)が発生するが、この湿
気が吸気ブロワ42により導入される乾燥空気によって
排除されるので光触媒型フィルタ20が湿気を帯びてそ
の触媒性能が劣化してしまうというようなことも回避さ
れる。
【0040】次に試験結果について説明する。次の図4
は、前述の酸化チタン光触媒(Ag担持せず)によるホ
ルムアルデヒドの分解性能のテスト結果を示したもので
ある。横軸に処理時間(分)を採り、縦軸にホルムアル
デヒド濃度(ppm)を採っている。
【0041】実験条件としては、消毒処理室の内容積約
70リットル、光触媒処理室の内容積約50リットルで
ホルムアルデヒドガスはエアー(空気)により1.7倍
に希釈されている。そして光触媒の担体には活性炭を担
持した発泡ウレタン(サイズ300mm×300mm×
10mm)を3枚重ねで使用し、光触媒であるアナター
ゼ型酸化チタンの平均粒径は7nm、その担持量は1枚
当たり2.5gとした。また紫外線光源には東芝ライラ
ック社製商品名「FC3V36/300T4」(3ワッ
ト)を4本使用し、ホルムアルデヒド分解処理の各イン
ターバル間の放置時間中も紫外線を照射した。
【0042】その結果、図4に示されるように1回の処
理時間が大体100分間でホルマリン濃度は0ppmに
まで下がり、ほぼ完全に分解されることがわかる。ま
た、この分解処理を2回、3回・・・・と繰り返しても
光触媒型酸化チタンフィルタによるホルムアルデヒドガ
スの分解能は損なわれないことも示している。そしてこ
のようにホルムアルデヒドガスの分解処理を繰り返して
行えるということは、この光触媒型酸化チタンフィルタ
はホルムアルデヒドガスを吸着して除去するのではな
く、ホルマリンガスを分解して二酸化炭素(CO)と
水(HO)とに分解して無害化していることを証明す
るものである。
【0043】尚、この図4において、各分解処理間のイ
ンターバル時間を当初は600分としたが、210分、
60分、30分と短くしてもホルマリンの分解能にほと
んど低下は認められない。このことにより短時間の休止
で連続的な運転が可能であることがわかる。
【0044】また次の図5は、Agを担持した酸化チタ
ン光触媒によるホルマリンの分解性能のテスト結果を示
したものである。光触媒であるアナターゼ型酸化チタン
に担持されるAgの担持量は3wt%とし、その他の条件
はすべて前述のAgを担持しない光触媒の場合と同じと
した。
【0045】その結果、図5に示されるように、1回の
処理時間が大体20分〜50分以内でホルマリン濃度が
0ppmにまで下がり、ほぼ完全に分解されることがわ
かる。また、この分解処理を2回、3回・・・・と繰り
返しても光触媒型酸化チタンフィルタによるホルムアル
デヒドガスの分解能はほとんど損なわれないことも示し
ている。そして各分解処理間のインターバル時間をAg
を担持しない場合よりも短い60分としたが、ホルムア
ルデヒドの分解能にほとんど低下は認められず、この場
合も短時間の休止で連続的な運転が可能であることを示
している。
【0046】そしてAgを担持した光触媒と、Agを担
持しない光触媒のいずれが触媒性能として優れているか
を比較した場合、ホルマリンガスの分解能については、
上述の図4と図5を較べても明かなようにAgを担時し
た方が分解速度が大きい。また医療器具に細菌類が付着
していて、その細菌類の中にはホルマリン消毒によって
死滅しないものも含まれると思われる。
【0047】例えば、黄色ブドウ状球菌(MRSA)や
レジオネラ菌、あるいは大腸菌O−157などは一般に
ホルマリン消毒によって死滅するが、グラム陰性菌を構
成するエンドトキシンなどは残存しているとも言われて
いる。Agを酸化チタンに担持した光触媒を用いた場合
エンドトキシンも分解するということが各種の実験で証
明されているので有効と思われる。ここでは詳細は述べ
ないが、本出願人による特願平10−249585号に
その詳細が述べられているのでここでは割愛する。
【0048】本発明は上記した実施の形態に何ら限定さ
れるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種
々の改変が可能である。例えば、上記実施例では、消毒
剤としてホルムアルデヒドを用いた場合について説明し
たが、その他のグルタルアルデヒドなどのアルデヒド、
あるいはエチレンオキサイドガスなどにも適用できる。
そして本発明の適用が医療器具に限定されないことも本
発明の趣旨から当然のことである。また消毒処理室と分
解処理室とを一体化して一つの処理室で医療器具の消毒
処理とその消毒ガスの光触媒フィルタによる分解を行う
ようにしてもよいことは言うまでもない。
【0049】更に本発明がアナターゼ型酸化チタン粒子
の光触媒に限定されないこと、上記実施例では銀(A
g)粒子を用いた場合しか説明していないが銅(Cu)
粒子を酸化チタン粒子に担持させても細菌効果があるこ
と、更には白金(Pt)やパラジウム(Pd)を併用し
て触媒性能を高める等の改良は可能であることは勿論の
ことである。
【0050】
【発明の効果】本発明の消毒廃ガス処理方法及びその装
置によれば、医療器具等を消毒した後の消毒廃ガスを酸
化チタン担持の光触媒型フィルタに通すことにより分解
して無害化するものであるから環境衛生に優れており、
各種病院や医療施設、あるいは公共の宿泊所等に適用で
きる。そしてその消毒廃ガスの分解処理が光を照射する
だけの比較的低コストで行えるものであるから、従来の
触媒を高温度に加熱する等の手間に較べて低廉に達成で
きるという利点を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されるホルムアルデヒド消毒処理
装置の外観図である。
【図2】図1に示した消毒処理装置の概略構成を示した
図である。
【図3】この消毒処理装置の運転状況を説明する制御ブ
ロック図である。
【図4】本発明の性能を評価するため酸化チタン光触媒
(Ag担持せず)によるホルマリン分解性能の試験デー
タを示した図である。
【図5】本発明の性能を評価するためAg担持の酸化チ
タン光触媒によるホルマリン分解性能の試験データを示
した図である。
【符号の説明】
10 消毒処理装置 12 消毒処理室 14 分解処理室 20 光触媒型フィルタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01J 29/068 B01J 29/068 A 35/02 ZAB 35/02 ZABJ B01D 53/36 H (72)発明者 川延 保隆 愛知県葉栗郡木曽川町大字黒田字往還南44 の1 (72)発明者 貴田 昇司 愛知県岩倉市大地町上千8−1 三興石油 工業株式会社内 (72)発明者 成瀬 光夫 愛知県名古屋市守山区八剣2丁目1302番地 大東電機内 Fターム(参考) 4D048 AA19 AA22 AB03 BA05X BA07X BA11Y BA34X BA35X BA41X BB07 BB09 CA07 CC26 CC27 DA01 DA02 DA05 DA08 EA01 EA04 4G069 AA03 AA08 BA04A BA04B BA07A BA08A BA08B BA22B BA48A BB02A BB02B BC31A BC31B BC32A BC32B BE19B CA10 CA17 DA05 EA07 EA11 EB11 EB18Y EC22X FA03 FB23 FB46

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被消毒処理物の消毒処理に用いられた消
    毒剤から発生する消毒廃ガスを、フィルタ基材に酸化チ
    タン粒子が分散担持される光触媒型フィルタに通し、消
    毒廃ガスを分解無害化するようにしたことを特徴とする
    消毒廃ガス処理方法。
  2. 【請求項2】 前記被消毒処理物が医療器具であること
    を特徴とする請求項1に記載の消毒廃ガス処理方法。
  3. 【請求項3】 前記消毒剤が、ホルムアルデヒド又はグ
    ルタルアルデヒドであることを特徴とする請求項1又は
    2に記載の消毒廃ガス処理方法。
  4. 【請求項4】 前記光触媒型フィルタに分散担持される
    酸化チタン粒子は、アナターゼ型結晶構造を有するもの
    であることを特徴とする請求項1ないし3に記載の消毒
    廃ガス処理方法。
  5. 【請求項5】 前記光触媒型フィルタは、前記酸化チタ
    ン粒子に更に金属銀若しくは金属銅の金属粒子を分散付
    着させたものであることを特徴とする請求項1ないし4
    に記載に消毒廃ガス処理方法。
  6. 【請求項6】 前記光触媒型フィルタは、前記フィルタ
    基材に活性炭若しくはゼオライトの吸着剤を担持し、そ
    の吸着剤表面に前記酸化チタンの光触媒粒子が担持され
    ていることを特徴とする請求項1ないし5に記載の消毒
    廃ガス処理方法。
  7. 【請求項7】 前記光触媒型フィルタは、前記フィルタ
    基材に活性炭若しくはゼオライトの吸着剤と前記酸化チ
    タンの光触媒粒子との混合物が担持されていることを特
    徴とする請求項1ないし5に記載の消毒廃ガス処理方
    法。
  8. 【請求項8】 被消毒処理物の消毒処理に用いられた消
    毒剤から発生する消毒廃ガスの主ガス流路に、フィルタ
    基材に酸化チタン粒子が分散担持される光触媒型フィル
    タを配設してなることを特徴とする消毒廃ガス処理装
    置。
  9. 【請求項9】 前記光触媒型フィルタに分散担持される
    酸化チタン粒子は、アナターゼ型結晶構造を有するもの
    であることを特徴とする請求項8に記載の消毒廃ガス処
    理装置。
  10. 【請求項10】 前記光触媒型フィルタは、前記酸化チ
    タン粒子に更に金属銀若しくは金属銅の金属粒子を分散
    付着させたものであることを特徴とする請求項8又は9
    に記載の消毒廃ガス処理装置。
  11. 【請求項11】 前記光触媒型フィルタは、前記フィル
    タ基材に活性炭若しくはセオライトの吸着剤を担持し、
    その吸着剤表面に前記酸化チタンの光触媒粒子が担持さ
    れていることを特徴とする請求項8ないし10に記載の
    消毒廃ガス処理装置。
  12. 【請求項12】 前記光触媒型フィルタは、前記フィル
    タ基材に活性炭若しくはセオライトの吸着剤と前記酸化
    チタンの光触媒粒子との混合物が担持されていることを
    特徴とする請求項8ないし10に記載の消毒廃ガス処理
    装置。
  13. 【請求項13】 前記光触媒型フィルタを通過した消毒
    廃ガスを前記主ガス流路に戻す還流路を備えることを特
    徴とする請求項8ないし12に記載の消毒廃ガス処理装
    置。
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