JP2000157539A - 超音波診断装置 - Google Patents

超音波診断装置

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JP2000157539A
JP2000157539A JP10339209A JP33920998A JP2000157539A JP 2000157539 A JP2000157539 A JP 2000157539A JP 10339209 A JP10339209 A JP 10339209A JP 33920998 A JP33920998 A JP 33920998A JP 2000157539 A JP2000157539 A JP 2000157539A
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reception
transducers
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ultrasonic diagnostic
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JP10339209A
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Yoshihiko Ito
嘉彦 伊藤
Hiroshi Fukukita
博 福喜多
Takashi Hagiwara
尚 萩原
Morio Nishigaki
森雄 西垣
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フォールド・オーバーを用いたアレイ型超音
波診断装置で、ビームフォーマーチャンネル数の倍を超
える振動子数で受信を行うことが可能で、コストが低
く、かつ性能の優れた超音波診断装置を実現する。 【解決手段】 受信フォールド・オーバー加算におい
て、複数の振動子を配列した超音波プローブ100の隣
接する複数の不均等個数の振動子からの受信信号を加算
する加算装置手段120Aを含むクロスポイントスイッ
ッチ110Aによって、効果的に受信信号を加算して受
信信号数を減らした後、A/Dコンバータ130でディ
ジタル信号に変換し、メモリ140に記憶し、ビームフ
ォーマ150により整相遅延加算を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の振動子を有
し、超音波ビームを電子的に走査する超音波診断装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、送受信に複数の振動子を用い、ビ
ームの集束や偏向を行う超音波診断装置が広く知られて
いる。ビーム制御の方法としては、送信では複数の振動
子に異なるタイミングで電気パルスを印加する方法が知
られている。また受信では、各振動子で受信した信号に
異なる遅延量を与えてから加算するという方法や、各振
動子で受信した信号をディジタル信号に変換した後、メ
モリに格納し、遅延量に相当する読み出しアドレスを発
生して取り出したデータを加算するという方法が知られ
ている。また、複数の振動子を使用して生体内の断層像
を得る手段としては、送受信で使用する振動子群を順次
ずらしながら選択し、生体内を走査する電子リニア走査
法が広く知られている。
【0003】図9は電子リニア走査式超音波診断装置の
受信部の構成を示す。図9において、100はアレイ型
の超音波プローブであり、L個が配列された振動子1〜
Lで構成されている。この例では説明を簡単にするた
め、L=32としている。110Cはプローブ100の
32個の振動子1〜32からMch(チャンネル)の振
動子を選択するクロスポイントスイッチであり、この例
ではM=4とし、プローブ100の10〜13の4ch
が接続されている。130はA/Dコンバータであり、
超音波のアナログ受信信号をディジタル信号に変換す
る。140はメモリであり、A/Dコンバータ130で
変換されたディジタル信号を記憶する。150Cはビー
ムフォーマであり、生体内のF点に、ビームが集束する
ような遅延時間に基づき、メモリ140の内容をそれぞ
れ適切なタイミングで読み出し、加算することで受信信
号の整相処理を行う。上記遅延時間は、各振動子に到達
する音波の時間差を幾何学的に求めることで計算するこ
とができる。超音波をプローブの正面方向に向かって送
受信する際には、遅延時間の対称性を利用することで、
A/Dコンバータ130、メモリ140、ビームフォー
マ150Cの回路規模を変えずに、使用する振動子の個
数を倍増することが可能である。これをフォールド・オ
ーバー加算という。
【0004】図10はこのフォールド・オーバー加算を
行う際の構成を示す。図10において、超音波プローブ
100、A/Dコンバータ130、メモリ140は図9
と同様のため、説明を省略する。いま、図10に示すよ
うに、超音波の焦点を振動子11と12の中間から垂直
な点Fに結ぶ場合、焦点Fからの音波の到達時間は、振
動子11と12で同一となる。同様に、10と12、9
と13... というように、音軸に対して対称な位置の振
動子に与えるべき遅延時間は同一量となる。この関係を
利用して、クロスポイントスイッチ110Dは、音軸と
対称な位置の振動子を加算接続する加算手段120Dを
包含する構成とする。この例では、超音波プローブ10
0における、8〜15の8chの振動子を選択し、8〜
11および12〜15の振動子を音軸対称に加算し、4
chの信号とした後、A/Dコンバータ130に接続し
ている。ビームフォーマ150Dで与える遅延時間(読
み出しアドレス)は、開口中心から開口端までの振動子
の遅延時間差を与えればよい。
【0005】以上の構成により、超音波をプローブ正面
に送受信する場合は、クロスポイントスイッチ110D
内の加算手段120Dにより受信信号のチャンネル数を
半減することが可能となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の方法では、フォールド・オーバー加算を行っても、
ビームフォーマの入力チャンネル数(以下、ビームフォ
ーマch数)の倍までの振動子を使用するのみで、それ
以上の開口を実現することはできなかった。この問題
は、振動子ピッチを大きくとり、開口を稼ぐことで一応
解決するように見えるが、振動子ピッチを大きくする
と、グレーティングローブやサイドローブが増大し、画
質の劣化を招くという問題がある。一般に超音波エコー
を受信する場合、近傍では口径を小さく、遠方では口径
を大きくした方がフォーカスを有効に変えられる。これ
を実現するのがダイナミックアパーチャ方式であるが、
通常のダイナミックアパーチャ方式では開口の大きさに
限界がある。上記のフォールド・オーバー加算を行って
も、ビームフォーマch数の倍の振動子数での開口が最
大であり、ある一定の深さ以降、開口を拡大することが
できなかった。
【0007】本発明は、このような従来の問題を解決す
るものであり、電子リニア走査において、回路規模の増
加を招くことなく、ビームフォーマch数の倍以上の振
動子で受信を行う、受信感度の高い、優れた超音波診断
装置を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するため
に本発明は、複数の振動子を有し、使用する振動子を順
次切替選択することにより超音波ビームを電子的に走査
する超音波診断装置において、受信フォールド・オーバ
ー加算において隣接する複数の不均等個数の振動子から
の受信信号を加算し、整相遅延加算を行うことを特徴と
するものであり、これにより、回路規模を変えずに、ビ
ームフォーマch数の倍以上の振動子で受信を行うこと
が可能であるため、遠方の微弱なエコー信号を捕らえら
れるとともに、大開口でのフォーカスをかけることがで
きる。また、不均等のチャンネル加算を行うことによ
り、振動子の均等配列に基づいて発生するグレーティン
グローブを抑止できるという効果もある。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、複数の振動子を有し、使用する振動子を順次切替選
択することにより超音波ビームを電子的に走査する超音
波診断装置において、受信フォールド・オーバー加算に
おいて隣接する複数の不均等個数の振動子からの受信信
号を加算し、整相遅延加算を行うよう構成したものであ
る。これにより、回路規模を変えずに、ビームフォーマ
ch数の倍以上の振動子で受信を行うことができるとと
もに、均等配置に基づくグレーティングローブの発生を
抑止した受信ビームを形成することができる。
【0010】また、請求項2に記載の発明は、請求項1
記載の超音波診断装置において、隣接して加算する振動
子の個数が、開口の中心に近いほど多く、開口端側に近
いほど少なくなるよう構成したものである。これによ
り、回路規模を変えずに、ビームフォーマch数の倍以
上の振動子で受信を行うことができるとともに、均等配
置に基づくグレーティングローブを抑止した、遅延精度
の高い受信ビームを形成することができる。
【0011】また、請求項3に記載の発明は、請求項1
または請求項2に記載の超音波診断装置において、隣接
加算をある一定の深さから開始するよう構成したもので
ある。これにより、比較的広い開口を必要としない近距
離ゾーンでは、隣接加算を行わず、広い開口を必要とす
る遠距離ゾーンでは、隣接加算を行うというように開口
幅を変えることができる。これにより、回路規模を変え
ずに、近距離・遠距離ゾーンと効果的に開口の大きさを
変えることができ、遠距離ゾーンではビームフォーマc
h数の倍以上の振動子で受信ビームを形成することがで
きる。
【0012】また、請求項4に記載の発明は、請求項3
に記載の超音波診断装置において、深さに応じて、隣接
加算をする振動子の組合せを変化させるよう構成したも
のである。これにより、回路規模を変えずに、受信距離
に応じて最適な開口を実現することができ、特に広い開
口を必要とする遠距離受信においては、ビームフォーマ
chの倍以上の開口で受信ビームを形成することができ
る。
【0013】以下、本発明の実施の形態について、図1
から図8を用いて説明する。 (実施の形態1)図1は実施の形態1における受信フォ
ールド・オーバー加算において隣接する複数の不均等個
数の振動子からの受信信号を加算し、整相遅延加算を行
う電子リニア方式の超音波診断装置の受信部の構成を示
したものである。図1において、100はアレイ型の超
音波プローブであり、L個が配列された振動子1〜Lで
構成されている。この例では、説明を簡単にするため
に、L=32としている。110Aは加算手段120A
を包含したクロスポイントスイッチであり、振動子1〜
Lの中からM個の振動子を選択する。図1では、簡単の
ためM=16とし、振動子4〜19が接続されている。
加算手段120Aは、隣接する振動子から任意のチャン
ネル数の振動子を選択し、電流加算し、フォールド・オ
ーバー加算をする。図1においては、3ch加算、2c
h加算、1ch加算(選択)を行い、フォールド・オー
バーする加算手段120Aを示した。隣接加算する振動
子の個数は、順に、 2,2,1,3,3,1,2,2 のようになっており、フォールド・オーバー加算によ
り、A/Dコンバータ130に入力される信号の振動子
の個数は、順に、 6,2,4,4 となり、合計16chの振動子の信号が入力されること
になる。
【0014】130は超音波の受信アナログ信号をディ
ジタル信号に変換するA/Dコンバータ、140はA/
Dコンバータ130で変換されたディジタル信号を記憶
するメモリ、150Aは複数の入力信号に異なる遅延を
与えたのち、それぞれの入力を加算するビームフォーマ
であり、生体内のF1点にビームが集束するような遅延
時間に基づき、適切なアドレスを発生し、メモリ140
からデータを読み出して加算する。上記遅延時間は、各
素子に到達する音波の時間差を幾何学的に求めることで
計算することができる。
【0015】ビームフォーマ150Aによる遅延時間計
算の詳細について説明する。まず、本実施の形態1にお
ける代表素子座標の求め方について説明する。図2は使
用中の16個の振動子を抜き出したもので、図1におけ
る4〜19の振動子に相当する。遅延時間を計算するた
めの素子座標(以下、代表点)は、束ねられている素子
同士の中間点とする。図2においては、x(1)、x
(2)、x(3)、…、x(4)を代表点とする。な
お、フォールド・オーバー加算を行うので、音軸に対し
片側半分だけ考えればよい。いま、束ねられている振動
子の個数の配列(片側半分)をp[n]とする。図2におい
ては、n の最大値Nは4である。開口中心側より、 p[n]= {3,1,2,2 } のように配列されている。図2におけるx(n)の座標
は、素子ピッチをEpとし、原点を開口中心におくと、 x(1)=1.5・ Ep, x(2)=3.5・Ep, x(3)=5・ Ep, x(4)=7・ Ep で表される。
【0016】一般に、x(n)は、以下の式で、表すこ
とができる。
【数1】 以上のような計算により、代表素子座標を求めることが
できる。
【0017】これら代表点を用いて遅延時間を計算す
る。束ねた素子に対する代表点を決定した後の遅延時間
の計算法は従来例と同様のため簡単に説明する。図2に
示すように、開口中心から見て、距離rの位置にある生
体内の焦点をF1とし、F1から各代表点x(n)まで
の距離をそれぞれ ?(1), ?(2),..., ?(4) とすると、
遅延時間を求めるには、開口中心からの距離rとの音波
の到達時間差を求めればよい。すなわち、 dt(n)=r - ?(n)+offset により、遅延時間は求められる。ここで、dt(n) はn番
目のビームフォーマに与える遅延時間、offsetは遅延時
間が負数にならないために加算する定数量である。この
ようにして、束ねた振動子に対する遅延時間を算出する
ことができる。
【0018】以上のように、本実施の形態1によれば、
加算手段120Aを擁するクロスポイントスイッチ11
0Aにより、隣接加算およびフォールド・オーバーを用
いて入力信号の数を減らすことができるため、ビームフ
ォーマchの倍以上の広い開口での受信が可能である。
特に、クロスポイントスイッチ110Aの加算手段12
0Aによって不均等のチャンネル加算を行うことによ
り、均等配列に基づき発生するグレーティングローブを
効果的に抑止できる。
【0019】なお、本実施の形態1では、説明の都合
上、隣接加算およびフォールド・オーバー加算を2段階
にわけて説明したが、実際にはクロスポイントスイッチ
1段で実施できる。また、本実施の形態1では、使用振
動子数を16ch、ビームフォーマを4入力としたが、
その他の組み合せ、例えば使用振動子数24ch・ビー
ムフォーマ8入力や、使用振動子数64ch・ビームフ
ォーマ16入力のような組合せでも実施可能である。ま
た、受信フォーカス位置が動的に移動するダイナミック
フォーカスも全く同様の構成で実施可能である。
【0020】(実施の形態2)図3は実施の形態2にお
ける隣接して加算する振動子の個数が開口中心に近いほ
ど多く、開口端側にいくほど少なくなるなるように接続
し、フォールド・オーバー加算を行うクロスポイントス
イッチを用いた構成である。図3において、110Bは
加算手段120Bを包含したクロスポイントスイッチで
あり、隣接する振動子から任意の個数の振動子を選択加
算、フォールド・オーバー加算する。この際、開口中心
側ほど、多くの振動子を加算接続し、開口端側にいくほ
ど、加算接続する振動子の個数が少なくなるよう構成さ
れている。隣接加算する振動子の個数は、順に、 1,2,2,3,3,2,2,1 のようになっている。フォールド・オーバー加算によ
り、A/Dコンバータ130に入力される信号の振動子
の個数は、順に、 6,4,4,2 となり、合計16chの振動子の新語言うが入力され
る。その他の構成は、実施の形態1と同一であるため、
説明を省略する。
【0021】次に上記実施の形態2の動作について説明
する。図4のグラフは、整相加算を行うために、ビーム
フォーマに与える遅延時間を表した例である。横軸に開
口中心を原点とする素子座標(単位mm)、縦軸に遅延時
間(単位ナノ秒)をとっている。この図では、深さ30
mmの例を示した。図4のグラフから分かるように、開
口端付近(グラフ右側)と比較して、開口中心付近(グ
ラフ左側)の遅延時間は緩やかなカーブを描いている。
このため、隣接する振動子間の遅延時間差は、開口中心
に近いほど小さい。隣接する振動子を加算手段120B
で電流加算する場合、この関係を利用して開口中心ほど
多く、開口端ほど少なくすることで、遅延精度をより高
めることができる。
【0022】以上のように、本実施の形態2によれば、
加算手段120Bを有するクロスポイントスイッチ11
0Bにより、隣接加算およびフォールド・オーバーを用
いてビームフォーマに与える入力信号の数を減らすこと
ができるため、より広い開口での受信が可能である。特
に、開口中心に近いほど多くの振動子を加算する構成と
しているため、均等配列に基づくグレーティングローブ
の発生を抑止できるとともに、精度の高い整相加算を行
えるため、鋭いビームを得ることができる。
【0023】なお、本実施の形態2では、説明の都合
上、隣接加算およびフォールド・オーバー加算を2段階
に分けて説明したが、実際にはクロスポイントスイッチ
1段で実施できる。また、本実施の形態2においても、
使用振動子数、ビームフォーマをその他の組み合せ、例
えば使用振動子数24ch・ビームフォーマ8入力や、
使用振動子数64ch・ビームフォーマ16入力のよう
な組み合せでも実施可能である。また、本実施の形態2
においても固定フォーカス、ダイナミックフォーカスの
両方に対して対応可能である。
【0024】(実施の形態3)図5および図6は実施の
形態3における隣接加算をある一定の深さから開始する
ことを特徴とする超音波診断装置の受信部の構成を示し
たものである。図5は近距離受信時における隣接加算を
行わない場合、図6は遠距離受信時における隣接加算を
行う場合の例である。160は受信深度カウンタで、送
信開始と同期してスタートするカウンタで受信深度を計
算し、クロスポイントスイッチ110Bに現在の受信深
度を通知する。110Bのクロスポイントスイッチは、
実施の形態2での適用例と同様、加算手段120Bを包
含し、隣接する複数の振動子からの受信信号を加算する
ことが可能である。受信深度カウンター160が示す距
離によって、図5の「隣接加算なし」から図6の「隣接
加算あり」へと遷移する。その他の構成は実施の形態2
と同様である。
【0025】一般に超音波エコーを受信する場合、近傍
では口径を小さく、遠方では口径を大きくした方がフォ
ーカスを有効にかけられる。これを実現するのがダイナ
ミックアパーチャ方式であるが、通常のダイナミックア
パーチャ方式では開口の大きさに限界がある。そこで、
本発明の実施の形態3においては、ある一定の距離まで
は図5のように、通常のフォールド・オーバー加算を行
う。もちろん、ダイナミック・アパーチャによって開口
を制御するのが望ましい。ある一定の距離以降は、図6
のように隣接加算を開始することで、開口を拡大するこ
とが可能である。実施の形態2で示したように、開口中
心付近の遅延カーブが緩やかなことから、この部分の振
動子の隣接加算数を多めにとることで、精度の高い遅延
を行うことができる。
【0026】図7のグラフは、図4と同様、整相加算を
行うために、ビームフォーマに与える遅延時間を表した
ものである。横軸に開口中心を原点とする素子座標(単
位mm)、縦軸に遅延時間(単位ナノ秒)をとっている。
この図では、深さ30mm、深さ70mm、深さ200
mmの3種類を示した。図7のグラフで明らかなよう
に、遅延カーブは遠方にいくに従い滑らかな曲線とな
り、隣接素子間での遅延時間差は小さくなる。従って、
本実施の形態3で示すような、遠方での隣接加算は遅延
精度の点で非常に好都合である。遠方フォーカスにおい
ては、隣接加算数を多くとった場合でも、遅延精度がほ
とんど落ちない。従って、遠方にいくほど、精度を落と
さず開口を大きくとることが可能である。これは、より
有効なフォーカスがかけられるというばかりでなく、遠
方の微弱なエコー信号を大口径で受信できるため、ペネ
トレーションを向上させることが可能である。また、不
均等加算によりビーム形成を行うため、均等配置に基づ
く、グレーティングローブの発生を抑止できる。
【0027】以上のように、本実施の形態3によれば、
ある一定の深さ以降、クロスポイントスイッチ110B
によって振動子から入力される受信信号を効果的に減少
させることができるため、遠距離受信においてより広い
開口での受信が可能である。遠方においても鋭いメイン
ローブを得られるとともに、微弱なエコー信号を大口径
で受信できるため、ペネトレーションの向上が望まれ
る。また、隣接chの不均等加算を行うため、グレーテ
ィングローブを効果的に抑止できる。
【0028】なお、本実施の形態3では、説明の都合
上、隣接加算およびフォールド・オーバー加算を2段階
に分けて説明したが、実際にはクロスポイントスイッチ
1段で実施可能である。また、本実施の形態3において
も、使用振動子数、ビームフォーマch数のその他の組
み合わせも可能である。また、本実施の形態3において
も、固定フォーカス、ダイナミックフォーカスの両方に
対応可能である。
【0029】(実施の形態4)図8は実施の形態4にお
ける隣接加算をする振動子の組み合せを深さに応じて変
化させることを特徴とする超音波診断装置の受信部の構
成を示したものである。170はルックアップテーブル
であり、深さに応じて隣接加算する振動子の組み合せを
記憶している。その他の構成は実施の形態3と同様であ
る。
【0030】本実施の形態4においては、ダイナミック
アパーチャを開口の制限なしに実施可能である。実施の
形態3と同様、フォールド・オーバーのみで開口を広げ
ることのできる距離までは、隣接加算を行わない。それ
以降は、隣接加算により開口を拡大していく。この制御
は受信深度カウンタ160の距離情報に基づき、ルック
アップテーブル170から組み合せを引くことで実施で
きる。表1にルックアップテーブル170の例を示す。
ここでは、簡単のために、4chビームフォーマでの例
を示した。
【0031】
【表1】
【0032】表1において、p[1]〜p[4]は実施の形態1
で示した振動子の組合せを表す配列であり、p[1]が開口
中心側、p[4]が開口端側である。フォールド・オーバー
加算により合計振動子数は、p[1]〜p[4]の和の倍となっ
ている。この表1に示すような組み合せとすることで、
距離に応じて、開口の大きさを4chから24chまで
というように自在に拡大することが可能である。実施の
形態3で示したように、遠方において開口を拡大しても
遅延精度を落とすことなく、効果的に開口を拡大でき
る。なお、表1の組み合せはあくまでも例であり、その
他の組み合せももちろん可能である。また、距離をより
細かく設定したり、振動子ピッチに応じてルックアップ
テーブル170の内容を変更すれば、さらによい開口制
御を行うことができる。ビームフォーマを例に示したよ
うな4chではなく、8ch、16chとした場合、p
[n]の組合せはさらに自在性が増し、よりよいビーム形
状が得られることは自明である。
【0033】以上のように、本実施の形態4によれば、
受信フォールド・オーバー加算において隣接する複数の
振動子からの受信信号を加算することにより、より広い
開口での受信が可能である。特に隣接加算する振動子の
組み合せを距離に応じて変化させることができるため、
ビームフォーマの2倍の振動子数を超えた最適な開口を
実現することができる。これにより全深度に渡って、鋭
いメインローブを得られるとともに、遠方の微弱なエコ
ー信号を大口径で受信できるため、ペネトレーションの
向上が望まれる。また、隣接chの不均等加算を行うた
め、グレーティングローブを効果的に抑止できる。
【0034】なお、本実施の形態4においては、隣接加
算する振動子の組み合せをルックアップテーブルで記憶
する構成としているが、その他の構成、例えばCPUな
どで逐次算出し、設定する方法をとっても実施可能であ
る。
【0035】
【発明の効果】上記実施の形態から明らかなように、本
発明は、受信フォールド・オーバー加算において隣接す
る複数の不均等個数の振動子からの受信信号を加算し、
遅延整相加算を行う構成としたため、ビームフォーマc
hの倍以上の開口での受信が可能である。特に、クロス
ポイントスイッチの加算手段によって不均等のチャンネ
ル加算を行うことで、均等配列に基づき発生するグレー
ティングローブを効果的に抑止できるという効果を有す
る。
【0036】本発明はまた、隣接して加算する振動子の
個数を開口中心ほど多く加算し、ビームフォーマに入力
する構成としたため、受信感度が向上するとともに、グ
レーティングローブの発生を抑止し、メインローブの鋭
いビームを発生することができるという効果を有する。
【0037】本発明はまた、隣接加算をある一定の深さ
から開始するよう構成したため、ある一定の深さ以降、
振動子から入力される受信信号を効果的に減少させるこ
とができ、遠距離受信においてより広い開口での受信が
可能である。また、遠方においても鋭いメインローブを
得られるとともに、微弱なエコー信号を大口径で受信で
きるため、ペネトレーションの向上が望まれる。また、
隣接chの不均等加算を行うため、グレーティングロー
ブを抑止できる効果を有する。
【0038】本発明はまた、隣接加算をする振動子の組
み合せを、深さに応じて変化させることができるため、
ビームフォーマの2倍の振動子数を超えた最適な開口を
実現することができる。これにより全深度に渡って、鋭
いメインローブを得られるとともに、遠方の微弱なエコ
ー信号を大口径で受信できるため、ペネトレーションの
向上が望まれる。また、隣接chの不均等加算を行うた
め、グレーティングローブを抑止できるという効果を有
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における超音波診断
装置の受信部のブロック図
【図2】本発明の第1の実施の形態における遅延時間演
算を説明する模式図
【図3】本発明の第2の実施の形態における超音波診断
装置の受信部のブロック図
【図4】本発明の第2の実施の形態における焦点を結ぶ
ための遅延時間を示す特性図
【図5】本発明の第3の実施の形態における近距離受信
時の超音波診断装置の受信部のブロック図
【図6】本発明の第3の実施の形態における遠距離受信
時の超音波診断装置の受信部のブロック図
【図7】本発明の第3の実施の形態における焦点を結ぶ
ための遅延時間を示す特性図
【図8】本発明の第4の実施の形態における超音波診断
装置の受信部のブロック図
【図9】従来例における超音波診断装置の受信部のブロ
ック図
【図10】従来例における超音波診断装置のフォールド
・オーバーを使用した受信部のブロック図
【符号の説明】
1 〜32 振動子 100 超音波プローブ 110A〜110D クロスポイントスイッチ 120A、120B、120D 加算手段 130 A/Dコンバータ 140 メモリ 150、150A〜150D ビームフォーマ 160 受信深度カウンタ 170 ルックアップテーブル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 萩原 尚 神奈川県横浜市港北区綱島東四丁目3番1 号 松下通信工業株式会社内 (72)発明者 西垣 森雄 神奈川県横浜市港北区綱島東四丁目3番1 号 松下通信工業株式会社内 Fターム(参考) 4C301 BB01 BB23 EE06 EE15 GB03 GB04 HH15 HH25 HH27 HH37 HH38 JB03 JB29 LL05

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の振動子を有し、使用する振動子を
    順次切替選択することにより超音波ビームを電子的に走
    査する超音波診断装置において、受信フォールド・オー
    バー加算において隣接する複数の不均等個数の振動子か
    らの受信信号を加算し、整相遅延加算を行うことを特徴
    とする超音波診断装置。
  2. 【請求項2】 隣接して加算する振動子の個数は、開口
    の中心に近いほど多く、開口端側に近いほど少なくする
    ことを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
  3. 【請求項3】 隣接加算をある一定の深さから開始する
    ことを特徴とする請求項1または請求項2記載の超音波
    診断装置。
  4. 【請求項4】 隣接加算をする振動子の組み合せを、深
    さに応じて変化させることを特徴とする請求項3記載の
    超音波診断装置。
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