JP2000156526A - 照明装置 - Google Patents

照明装置

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JP2000156526A
JP2000156526A JP33045998A JP33045998A JP2000156526A JP 2000156526 A JP2000156526 A JP 2000156526A JP 33045998 A JP33045998 A JP 33045998A JP 33045998 A JP33045998 A JP 33045998A JP 2000156526 A JP2000156526 A JP 2000156526A
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light emitting
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電球や蛍光灯を用いた照明装置と代替可能な
発光ダイオードを用いた照明装置を提供する。 【解決手段】 例えば青色発光ダイオード単体210に
蛍光体を含む樹脂製キャップ220を被せ、発光ダイオ
ード210からの出射光を受けて蛍光体を白色に再発光
させ、白色光源(発光ダイオードユニット)200とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、白熱電球や蛍光灯
を用いた照明装置の代替が可能な発光ダイオード(LE
D:Light Emitting Diode)を用いた照明装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、発光ダイオード(以下、LED
とする)の特徴として、(1)半導体素子であるので長寿
命であり、白熱電球のような突然の断線がないこと、
(2)熱的又は放電的発光でないため点灯・消灯速度が速
い、(3)電気−光変換効率が高く消費電力が少ない(白
熱電球の約1/8、蛍光灯の約1/2)、(4)素子その
ものが非常に小さい等が知られている。そのため、従来
からLEDを用いたさまざまな照明装置が提案されてい
る。また、近年問題とされている照明用エネルギーの削
減(資源の節約)や使用済み電球等の鉛や水銀を含む廃
棄物処理(環境保護)の観点から、LED用いた照明装
置の実用化が期待されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、LED
の発光スペクトルがシャープであり、単色光源として自
動車の計器やオーディオ機器の表示部の照明等には広く
用いられてきたが、白熱電球や蛍光灯を用いた照明装置
を代替するまでには至っていない。また、近年まで赤色
LEDの発光輝度に比べて緑色LEDや青色LEDの発
光輝度が低かったため、これら各色のLEDを組み合わ
せた白色光源は、理論的には可能であったが、実用化さ
れていなかった。
【0004】本発明は、上記従来例の問題点を解決する
ためになされたものであり、LEDを光源として用いな
がら、白熱電球や蛍光灯を用いた照明装置の代替が可能
な照明装置を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の照明装置は、第1分光スペクトル分布を有
する光を出射する発光ダイオード単体と、発光ダイオー
ド単体の出射面に対向するように被せられ、発光ダイオ
ード単体からの出射光を受けて第2分光スペクトル分布
を有する蛍光を発する蛍光体キャップとを含む発光ダイ
オードユニットを光源として用いたことを特徴とする。
【0006】上記構成において、複数の発光ダイオード
ユニットを2次元的に配列しても良い。
【0007】また、複数の発光ダイオードユニット取付
面の中央部を凸状に成形しても良い。
【0008】また、点灯する発光ダイオードユニットの
数を調節することにより光量調節を行うように構成して
も良い。
【0009】また、発光ダイオードユニットからの出射
光を導光板に入射させ、導光板の出射面を面発光させる
ように構成しても良い。
【0010】また、導光板の出射面に対向するように、
所定パターンに形成された発光部と、発光部を除く遮光
部からなる表示板を設けてもよい。
【0011】また、上記各構成において、発光ダイオー
ド単体として紫外線、近紫外線及び青色の各発光ダイオ
ードのいずれかを用い、蛍光体キャップとして略白色光
を発光するものを用いても良い。
【0012】一方、本発明の他の照明装置は、第1分光
スペクトル分布を有する光を出射する発光ダイオード単
体と、発光ダイオード単体からの出射光を繰り返し反射
することにより所定の出射面から出射させる導光板と、
導光板の出射面に対向するように設けられ、発光ダイオ
ード単体からの出射光を受けて第2分光スペクトル分布
を有する蛍光を発する蛍光体シートを含むことを特徴と
する。
【0013】上記構成において、蛍光体シートは、所定
パターンに形成された発光部と、発光部を除く遮光部か
らなるように構成しても良い。
【0014】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)本発明の照明
装置の第1の実施形態について説明する。第1の実施形
態は、天井や壁面に設けられる室内照明装置に関する。
図1は第1の実施形態の照明装置の外観及び構成を示す
斜視図であり、図2はその断面図である。また、図3は
第1の実施形態で用いるLEDの構成を示す部分断面図
である。
【0015】図1及び図2に示すように、第1の実施形
態の照明装置100は、乳白色の透光性カバー部材11
0と、2次元的に配列された複数のLEDユニット20
0を保持するベース部材120と、ベース部材120の
内側に設けられた回路基板130と、照明装置100と
は離れた場所に設置される光量調節用のコントロールス
イッチ140等で構成されている。また、回路基板13
0は商用交流電源150に接続されている。
【0016】図2に示すように、ベース部材120のL
ED取付面121は、カバー部材110の形状に合わせ
て、中央部が凸になるように形成されている。また、L
ED取付面121の表面は光をカバー部材110側に反
射するように鏡面処理又は金属メッキされている。
【0017】第1の実施形態では、一例としてカバー部
材110ベース部材120の形状を円形としているが、
これに限定されるものではなく、正方形、長方形、六角
形等の多角形やその他任意の形状であっても良い。LE
Dユニット200はカバー部材110及びベース部材1
20の形状に応じて円形や多角形等に配列されている。
各LEDユニット200の配列間隔は、LEDユニット
200の指向性、その大きさ及び発光強度等に応じて適
宜選択すればよい。
【0018】LEDを用いた照明装置において明るさ
(光量)調節を行う場合、点灯するLEDユニット20
0の数を調節する。回路基板130上に設けられた制御
回路は、コントロールスイッチ140からの信号に応じ
て、点灯するLEDユニット200を選択し、それらの
オン/オフを制御する。例えば、光量最大の場合は全て
のLEDユニット200を点灯させ、光量最小の場合
は、中央部に位置する数個のLEDユニット200のみ
を点灯させる。あるいは、所定数のLEDユニット20
0を分散的に点灯させても良い。
【0019】図3に示すLEDユニット200の一例で
は、公知のLED単体210の外側に、蛍光体を含む樹
脂製の蛍光体キャップ220が設けられている。周知の
ように、LEDの発光スペクトルはシャープであり、実
質的に単色光源である。そこで、本実施形態では、一旦
LED単体210を発光させ、蛍光体キャップ220に
含まれている蛍光体がLED単体210からの光を受け
て、例えば白色光を再発光するように構成している。L
ED単体210の発光色は特に限定されず、赤色LED
の他、近年実用化が進んでいる青色LEDや紫外線LE
D等を用いても良い。具体的には、Ga:ZnO赤色L
ED、GaP:N緑色LED、GaAsP系赤色LE
D、GaAsP系橙色・黄色LED、GaAlAs系L
ED、InGaAlP系橙・黄色LED、GaN系青色
LED、SiC青色LED、II−VI族青色LED等を挙
げることができる。
【0020】LED単体210の一例として、ピーク波
長が470nmの青色LEDを用い、また蛍光体キャッ
プ220に含まれる蛍光体の一例としてYAG蛍光体を
用いた場合における青色LEDとYAG蛍光体のスペク
トル分布を図4に示す。図4から明らかなように、YA
G蛍光体を再発光させているので、青色LEDスペクト
ル分布にはほとんど含まれていない黄色や赤色の光が発
光されており、LEDユニット200全体としては、ほ
ぼ白色光を発光していることがわかる。
【0021】なお、一般にLEDは指向性が強く、LE
Dを正面から見たときは輝度が高いけれども、LEDを
観察する角度が大きくなるにつれて輝度が低下し、最終
的には発光が観察されないことが知られている。ところ
が、LED単体210に蛍光体を含む蛍光体キャップ2
20をかぶせることにより、LEDユニット200全体
としての指向性を緩和することが可能となる。その理由
は以下のように考えられる。
【0022】LED単体210から出射された光は蛍光
体キャップ220に入射するが、全ての光が直接蛍光体
キャップ220に入射するのではなく、一部の光は蛍光
体キャップ220の表面で反射されてLED単体210
側に戻る。LED単体210側に反射された光はLED
単体210の表面で再反射されて、蛍光体キャップ22
0側に向かう。蛍光体キャップ220の表面では上記と
同じ現象が繰り返されるので、このような反射を無限に
繰り返すことにより、LED単体210から出射された
光は散乱され、蛍光体キャップ220のほぼ全体に入射
する。蛍光体キャップ220にはほぼ均一に蛍光体が含
まれているので、蛍光体キャップ220のほぼ全体が光
源となり、発光すると考えられる。
【0023】なお、ベース部材120のLED取付面1
21は必ずしも中央部が凸になるように形成する必要は
なく、平面であっても良い。
【0024】(第2の実施形態)本発明の照明装置の第
2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、自
動車用オーディオ装置、計器、エアコン等の表示部等に
用いられる照明装置に関する。図5は第2の実施形態の
照明装置の外観及び構成を示す斜視図であり、図6はそ
の断面図である。また、図7は第2の実施形態の変形例
の構成を示す断面図である。
【0025】図5及び図6に示すように、第2の実施形
態の照明装置300は、反射面311を有する基板31
0と、反射面311上に設けられ、アクリル等の透明樹
脂等で成形された導光板320と、導光板320の鏡面
311とは反対側に設けられ、文字や図形等の光が透過
する透光部331及び光を透過させない遮光部332か
らなる表示板330等で構成されている。導光板320
には、基板310上に設けられたLEDユニット200
と対向し、かつLEDユニット200を収納するための
凹部321が形成されている。LEDユニット200
は、上記第1の実施形態で使用したもの(図3参照)を
用いる。
【0026】LEDユニット200から出射した光は、
導光板320の凹部321の界面から導光板320内部
に入射し、導光板320内部を直進する。導光板320
内部を進んだ光は、導光板320と基板310の反射面
311又は表示板330の遮光部332との界面に達す
ると、その界面で反射され、再度導光板320内部を直
進する。この光は透光部331に到達して導光板320
の外部に出射するか、あるいは減衰するまでこの反射を
繰り返す。
【0027】透光部331は所定の文字や記号等の形状
に形成されているため、観察者は透光部331から出射
した光により、その文字や記号等を認識することができ
る。なお、表示板330は例えば黒色等に着色された樹
脂成型品であっても良いし、あるいは導光板320の出
射面に黒色の塗料等で遮光部332を印刷したものであ
っても良い。
【0028】図7に示す変形例では、樹脂の2色成形技
術を応用し、透光部に相当する発光部334を、蛍光体
を含む樹脂で成形し、遮光部332を遮光性顔料を含む
樹脂で成形する。また、蛍光体キャップ220を含むL
EDユニット200の代わりに、LED単体210を用
いる。この変形例では、透光部331から光が出射する
のではなく、透光部331の位置に配置された発光部3
34の蛍光体が直接発光する。
【0029】図6に示す基本形の場合、透光部331を
透過した光を観察するが、図7に示す変形例では発光部
334から直接発光するので、文字や記号等の見栄えが
若干異なる。
【0030】(第3の実施形態)本発明の照明装置の第
3の実施形態について説明する。第3の実施形態は、自
動車用カーナビゲーションシステム、ビデオカメラ、携
帯電話、パーソナルコンピュータ等の表示部として用い
られている液晶パネルの照明装置に関する。図8は第3
の実施形態の照明装置の外観及び構成を示す斜視図であ
り、図9はその断面図である。また、図10は第3の実
施形態の変形例の構成を示す断面図である。
【0031】図8及び図9に示すように、第3の実施形
態の照明装置400は、出射面411及び反射面412
を有し、アクリル等の透明樹脂等で成形された導光板4
10と、導光板410の出射面411に略直交する入射
面413に対向するように設けられた発光部420等で
構成されている。導光板410の出射面411は、液晶
パネル500の入射面に対向するように配置されてい
る。
【0032】発光部420には、導光板410の入射面
413に対向し、かつ入射面413のなが手方向に平行
となるように複数のLEDユニット200が配列されて
いる。LEDユニット200は、上記第1の実施形態で
使用したもの(図3参照)を用いる。
【0033】LEDユニット200から出射した光は、
導光板410の入射面413から導光板410内部に入
射し、導光板410内部を直進する。導光板410内部
を進んだ光は、導光板410の反射面412又は出射面
411と空気との界面に達すると、その界面で反射さ
れ、再度導光板410内部を直進する。この光は出射面
411に到達して導光板410の外部に出射するか、あ
るいは減衰するまでこの反射を繰り返す。なお、出射面
411から液晶パネル500側へ出射する光の光量が均
一となるように、反射面412は入射面413から遠ざ
かるほど出射面411に近付くように傾斜されている。
【0034】図10に示す変形例では、導光板410の
出射面411に対向するように、蛍光体を含む樹脂で成
形された蛍光体シート430を設けている。また、蛍光
体キャップ220を含むLEDユニット200の代わり
に、LED単体210を用いる。この変形例では、導光
板410の出射面から出射された光で直接液晶パネル5
00を照明するのでなく、出射面411に対向するよう
に設けられた蛍光体シート430の蛍光体の発光により
液晶パネル500を照明する。
【0035】(LED単体と蛍光体キャップ等の具体的
実施例)次に、上記各実施形態で用いるLED単体21
0及び蛍光体キャップ220又は蛍光体シート430等
について試作したので、その結果を示す。
【0036】
【実施例1】シリコーンゴムに蛍光物質としてNKP−
8306(蛍光体名、日本蛍光化学社製)を1.5部分
散させ、金型と加熱プレスを用いて肉厚0.5mmの蛍
光体キャップ220を成型した。また、LED単体21
0として、CIE(国際照明委員会)標準表色系(The
ICI standard colorimetric system 以下、色度座標と
呼称する)に従って、色度座標でx=0.1490、y
=0.1203の青色LEDを用いた。この青色LED
単体210に上記蛍光体キャップ220を装着して発光
させたところ、色度座標でx=0.3912、y=0.
4322の黄味かかった拡散白色光が観測された。
【0037】この場合、青色LED単体210の輝度は
32cd/m2であったが、蛍光体キャップ220を装
着し色調を変化させることで輝度が66cd/m2と高
められ、LED特有の指向性が低減され、発光色は蛍光
体キャップ220の全面から拡散された。
【0038】
【実施例2】蛍光物質としてNKP−8306(蛍光体
名、日本蛍光化学社製)の添加量を1.25部、1.0
7部、0.94部、0.83部および0.75部と変化
させて、シリコーンゴムに分散し、製造例1と同様の金
型と加熱プレスを用いて肉厚0.5mmの蛍光体キャッ
プ220をそれぞれ成型した。これらの蛍光体キャップ
220を色度座標でx=0.1490、y=0.120
3の青色LED単体210に装着して発光させたとこ
ろ、下記表1に示す拡散発光色の結果が得られた。
【0039】
【表1】
【0040】表1の結果から明らかなように、蛍光物質
の添加量により発光色をコントロールできることが確認
された。特に上記の場合において、蛍光物質を1.25
部分散させた時の発光色が、最も高い輝度70cd/m
2であることが観測された。
【0041】なお、蛍光体キャップ220の肉厚は均一
であっても良く、また部分的に肉厚を変化させて発光色
を拡散、または色調を変えることも可能であり、目的に
応じた設計をすることができる。
【0042】
【実施例3】蛍光物質としてNKP−8306(蛍光体
名、日本蛍光化学社製)を用い、これと添加剤としての
酸化ガドリニウムとを10:2の割合で混合した。この
混合物の0.75部をシリコーンゴムに分散させ、金型
と加熱プレスを用いて肉厚0.5mmの蛍光体キャップ
220を成型した。この蛍光体キャップ220を発光色
が色度座標でx=0.1490、y=0.1203の青
色LED単体210に装着したところ、色度座標でx=
0.2971、y=0.3485の青みを帯びた拡散白
色光が観測された。
【0043】
【実施例4】蛍光物質としてNKP−8306(蛍光体
名、日本蛍光化学社製)を用い、これと添加剤としての
酸化ガドリニウムとを10:4の割合で混合した。この
混合物の0.75部をシリコーンゴムに分散させ、金型
と加熱プレスを用いて肉厚0.5mmの蛍光体キャップ
220を成型した。この蛍光体キャップ220を発光色
が色度座標でx=0.1490、y=0.1203の青
色LED単体210に装着したところ、色度座標でx=
0.2985、y=0.3529の青みを帯びた拡散白
色光が観測された。
【0044】
【実施例5】蛍光物質としてNKP−8306(蛍光体
名、日本蛍光化学社製)を用い、これと添加剤としての
酸化ガドリニウムとを10:6の割合で混合した。この
混合物の0.75部をシリコーンゴムに分散させ、金型
と加熱プレスを用いて肉厚0.5mmの蛍光体キャップ
220を成型した。この蛍光体キャップ220を発光色
が色度座標でx=0.1490、y=0.1203の青
色LED単体210に装着したところ、色度座標でx=
0.3090、y=0.3679の拡散白光色が観測さ
れた。
【0045】
【実施例6】蛍光物質としてNKP−8306(蛍光体
名、日本蛍光化学社製)を用い、これと添加剤としての
酸化ガドリニウムとを10:8の割合で混合した。この
混合物の0.75部をシリコーンゴムに分散させ、金型
と加熱プレスを用いて肉厚0.5mmの蛍光体キャップ
220を成型した。この蛍光体キャップ220を発光色
が色度座標でx=0.1490、y=0.1203の青
色LED単体210に装着したところ、色度座標でx=
0.3138、y=0.3734の拡散白光色が観測さ
れた。
【0046】
【実施例7】蛍光物質としてNKP−8306(蛍光体
名、日本蛍光化学社製)を用い、これと添加剤としての
酸化ガドリニウムとを10:10の割合で混合した。こ
の混合物の0.75部をシリコーンゴムに分散させ、金
型と加熱プレスを用いて肉厚0.5mmの蛍光体キャッ
プ220を成型した。この蛍光体キャップ220を発光
色が色度座標でx=0.1490、y=0.1203の
青色LED単体210に装着したところ、色度座標でx
=0.3254、y=0.3890の拡散白光色が観測
された。
【0047】なお、上記実施例3〜7の発光色の結果か
ら明らかなように、酸化カドリニウムの添加量を増加さ
せることにより、青色LED単体210の波長をより効
果的に励起させうることがわかる。
【0048】
【実施例8】シリコーンゴムに蛍光物質としてYAG蛍
光体(イットリウム28.0wt%、アルミニウム1
3.6wt%、ガドリニウム56.62wt%、セリウ
ム1.23wt%)を40部分散させ、金型と加熱プレ
スを用いて肉厚0.6mmの蛍光体キャップ220を成
型した。また、LED単体210として、色度座標でx
=0.1275、y=0.0883、輝度28.95c
d/m2の青色LEDを用いた。
【0049】この青色LED単体210に上記蛍光体キ
ャップ20を装着して発光させたところ、色度座標でx
=0.3192、y=0.3375、輝度が66.36
cd/m2の拡散白色光が観測された。
【0050】
【実施例9】シリコーンゴムに蛍光物質としてYAG蛍
光体(イットリウム28.0wt%、アルミニウム1
3.6wt%、ガドリニウム56.62wt%、セリウ
ム1.23wt%)を12.5部分散させて、肉厚0.
5mmの蛍光体シートを作成した。
【0051】青色LED単体210として、上記実施例
8で使用したものを用い、この青色発光LED単体21
0から5mm離れた位置に上記蛍光体シートを装着し、
20mAの電流で発光ダイオードを点灯させた。蛍光体
シートを通して拡散された光を分光放射輝度計「PR−
704」で測定したところ、色度座標でx=0.266
7、y=0.2725、輝度が1629cd/m2の拡
散白色光が観測された。
【0052】
【実施例10】シリコーンゴムに蛍光物質としてペリレ
ン系集光性蛍光染料である「Lumogen ORAN
GE F」(BASF社製)を0.2部分散させ、金型
と加熱プレスを用いて肉厚0.5mmの蛍光体キャップ
210を成型した。また、青色LED単体210として
上記実施例8で使用したものを用い、この青色LED単
体210に上記蛍光体キャップ210を装着して20m
Aの電流で発光させたところ、色度座標でx=0.34
05、y=0.3235、輝度が2.124cd/m2
の拡散白色光が観測された。
【0053】(その他の実施形態)なお、上記各実施形
態では、蛍光体により白色光を発光するように構成した
が、これに限定されるものではなく、電球色や昼光色を
発光するような蛍光体を用いても良いことは言うまでも
ない。
【0054】また、上記各実施形態では、LED単体2
10の表面に蛍光体を含む蛍光体キャップ220をかぶ
せるように構成したが、これに限定されるものではな
く、複数のLED単体210を、蛍光体を含む1つのカ
バーで覆うような構成であっても良い。
【0055】また、蛍光体キャップ220の材料として
シリコーンゴムを用いたが、これに限定されるものでは
なく、フッ素系ゴム等を用いても良い。すなわち、紫外
線を透過させ、紫外線による劣化が少ない材料であれば
よい。
【0056】さらに、上記各実施形態では、LED単体
210とは別個に蛍光体キャップ220や蛍光体シート
430を用いたが、例えばLEDを構成する樹脂部分に
蛍光体を含有させた白色LED等を用いても良い。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の照明装置
は、第1分光スペクトル分布を有する光を出射する発光
ダイオード単体と、発光ダイオード単体の出射面に対向
するように被せられ、発光ダイオード単体からの出射光
を受けて第2分光スペクトル分布を有する蛍光を発する
蛍光体キャップとを含む発光ダイオードユニットを光源
として用いたことを特徴とする。すなわち、発光ダイオ
ードはほぼ単色光源であるが、蛍光体による再発光を利
用しているので、広い波長域にわたる発光色を得ること
ができ、電球や蛍光灯等を用いた照明装置の代替が可能
となる。また、発光ダイオードは初期コストは電球や蛍
光灯を用いた照明装置よりも高くなるが、電気−光変換
効率が高く消費電力が少ないうえに、電球や蛍光灯等の
ような球切れがないので、トータルでの照明コストを低
減させることが可能となる。さらに、蛍光体キャップを
直接発光ダイオード単体に被せることにより、発光ダイ
オード単体の指向性を緩和することが可能となる。
【0058】また、複数の発光ダイオードユニットを2
次元的に配列して用いることにより、天井や壁面に設け
られる室内照明装置を提供することが可能となる。特
に、複数の発光ダイオードユニット取付面の中央部を凸
状に成形することにより、配列中央部分に位置する発光
ダイオードからの光も、他の発光ダイオードからの光に
妨げられることなく、有効に利用することが可能とな
る。また、点灯する発光ダイオードユニットの数を調節
することにより光量調節を行うことが可能となる。
【0059】また、発光ダイオードユニットからの出射
光を導光板に入射させ、導光板の出射面を面発光させる
ように構成することにより、液晶パネル等のバックライ
トとして使用可能な面発光装置を提供することが可能と
なる。
【0060】また、導光板の出射面に対向するように、
所定パターンに形成された発光部と、発光部を除く遮光
部からなる表示板を設けることにより、オーディオ装置
等の表示部として使用可能な照明装置を提供することが
可能となる。
【0061】また、発光ダイオード単体として、波長が
短くパワーの大きい紫外線、近紫外線及び青色の各発光
ダイオードのいずれかを用い、蛍光体キャップとして略
白色光を発光するものを用いることにより、照明装置の
消費電力のさらなる低減が可能となる。
【0062】一方、本発明の他の照明装置は、第1分光
スペクトル分布を有する光を出射する発光ダイオード単
体と、発光ダイオード単体からの出射光を繰り返し反射
することにより所定の出射面から出射させる導光板と、
導光板の出射面に対向するように設けられ、発光ダイオ
ード単体からの出射光を受けて第2分光スペクトル分布
を有する蛍光を発する蛍光体シートを含むことを特徴と
する。すなわち、導光板を用いた面発光装置において、
その出射面を直接発光面とするので、上記と同様に、液
晶パネル等のバックライトとして使用可能な面発光装置
を提供することが可能となる。
【0063】また、蛍光体シートを、所定パターンに形
成された発光部と、発光部を除く遮光部からなるように
構成することにより、オーディオ装置等の表示部として
使用可能な照明装置を提供することが可能となる。
【0064】さらに、蛍光体キャップや蛍光体シート
は、その厚さを均一にすることが容易であるので、蛍光
体キャップや蛍光体シート中の蛍光体の分布を均一にす
ることができる。その結果、これら蛍光体キャップや蛍
光体シートからの再発光光の輝度や色合いを均一にする
ことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の照明装置の第1の実施形態の外観及
び構成を示す斜視図である。
【図2】 第1の実施形態の構成を示す断面図である。
【図3】 第1の実施形態で用いるLEDの構成を示す
部分断面図である。
【図4】 青色LED及びYAG蛍光体のスペクトル分
布を示す図である。
【図5】 本発明の照明装置の第2の実施形態の外観及
び構成を示す斜視図である。
【図6】 第2の実施形態の構成を示す断面図である。
【図7】 第2の実施形態の変形例の構成を示す断面図
である。
【図8】 本発明の照明装置の第3の実施形態の外観及
び構成を示す斜視図である。
【図9】 第3の実施形態の構成を示す断面図である。
【図10】 第3の実施形態の変形例の構成を示す断面
図である。
【符号の説明】
100:照明装置 110:カバー部材 120:ベース部材 121:LED取付面 130:回路基板 140:コントロールスイッチ 150:商用交流電源 200:発光ダイオード(LED)ユニット 210:LED単体 220:蛍光体キャップ 300:照明装置 310:基板 311:反射面 320:導光板 321:凹部 330:表示板 331:透光部 332:遮光部 334:発光部 400:照明装置 410:導光板 411:出射面 412:反射面 413:入射面 420:発光部 430:蛍光体シート 500:液晶パネル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3K013 BA01 CA05 CA16 5F041 AA11 CA33 CA34 CA36 CA37 CA38 CA40 CA41 DA13 DA20 DA74 EE23 EE25 FF11

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1分光スペクトル分布を有する光を出
    射する発光ダイオード単体と、発光ダイオード単体の出
    射面に対向するように被せられ、発光ダイオード単体か
    らの出射光を受けて第2分光スペクトル分布を有する蛍
    光を発する蛍光体キャップとを含む発光ダイオードユニ
    ットを光源として用いたことを特徴とする照明装置。
  2. 【請求項2】 複数の発光ダイオードユニットを2次元
    的に配列したことを特徴とする請求項1記載の照明装
    置。
  3. 【請求項3】 複数の発光ダイオードユニット取付面の
    中央部を凸状に成形したことを特徴とする請求項2記載
    の照明装置。
  4. 【請求項4】 点灯する発光ダイオードユニットの数を
    調節することにより光量調節を行うことを特徴とする請
    求項2又は3記載の照明装置。
  5. 【請求項5】 発光ダイオードユニットからの出射光を
    導光板に入射させ、導光板の出射面を面発光させること
    を特徴とする請求項1記載の照明装置。
  6. 【請求項6】 導光板の出射面に対向するように、所定
    パターンに形成された発光部と、発光部を除く遮光部か
    らなる表示板を設けたことを特徴とする請求項5記載の
    照明装置。
  7. 【請求項7】 発光ダイオード単体として紫外線、近紫
    外線及び青色の各発光ダイオードのいずれかを用い、蛍
    光体キャップとして略白色光を発光するものを用いたこ
    とを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の照明
    装置。
  8. 【請求項8】 第1分光スペクトル分布を有する光を出
    射する発光ダイオード単体と、発光ダイオード単体から
    の出射光を繰り返し反射することにより所定の出射面か
    ら出射させる導光板と、導光板の出射面に対向するよう
    に設けられ、発光ダイオード単体からの出射光を受けて
    第2分光スペクトル分布を有する蛍光を発する蛍光体シ
    ートを含むことを特徴とする照明装置。
  9. 【請求項9】 蛍光体シートは、所定パターンに形成さ
    れた発光部と、発光部を除く遮光部からなることを特徴
    とする請求項8記載の照明装置。
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