JP2000156518A - 太陽光発電システム - Google Patents

太陽光発電システム

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JP2000156518A
JP2000156518A JP10351371A JP35137198A JP2000156518A JP 2000156518 A JP2000156518 A JP 2000156518A JP 10351371 A JP10351371 A JP 10351371A JP 35137198 A JP35137198 A JP 35137198A JP 2000156518 A JP2000156518 A JP 2000156518A
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photovoltaic
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Toshio Matsushima
敏雄 松島
Shiro Torigoe
史郎 鳥越
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の課題は、照射された太陽光の有効利用
が可能であり、単位面積当たりの発電電力の向上を図っ
た太陽光発電システムを提供することにある。 【解決手段】本発明は、太陽光の短波長領域の光で発電
する第一の太陽光発電パネル41、赤外線吸収機能を持
った材料から構成された集光器42、および、主に前記
第一の太陽光発電パネル41での発電に使用されない波
長領域の光で発電する第二の太陽光発電パネル43から
なり、第一の太陽光発電パネル41を透過した光を前記
集光器42によって集光し、第二の太陽光発電パネル4
3に照射し発電させることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、太陽から照射され
た太陽エネルギーを有効に発電に利用し、発電効率の向
上を図った太陽光発電システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】太陽光発電は、太陽からの光を半導体に
あてることで電子を放出させ、それを外部に取り出すこ
とで発電するもので、基本的な発電原理は図20
(a)、(b)、(c)の通りである。即ち、図20
(a)に示すように、P型半導体11とN型半導体12
を接合させることで、発電を行う一枚の発電セルが形成
されており、このセルに太陽光13をあてると図示する
ように内部に電子14と正孔(電子が抜けて生じる)1
5が生まれる。ここで、セルは先に述べたようにP型と
N型半導体が接合された構造であるので、図20(b)
に示すように、この接合面で電子14はN型半導体12
側に、また、正孔15はP型半導体11側に引き寄せら
れ、起電力が発生する。従って、図20(c)に示すよ
うに、2つの半導体11、12を導線16で接続するこ
とで外部に電力を取り出すことが可能になり、電球17
を点灯することができる。
【0003】一方、これらの半導体から上記のような原
理で電子(および正孔)を取り出すためには、所定のエ
ネルギーが必要であるが、太陽光の持つエネルギーは波
長によって異なり、また、太陽光発電セルの発電が有効
に行われる波長は、材料や半導体の構造(状態)によっ
て異なっている。例えば、通常のシリコン系太陽発電セ
ルにおいては、結晶系シリコン太陽発電セルが、0.4
〜1.1ミクロン、また、アモルファス系シリコン太陽
発電セルが、0.4〜0.7ミクロンの波長で有効に発
電が進行する。図21は、地上で得られる太陽光の波長
毎の強度と上記の2つのセルの太陽光の波長に対する感
度特性である。なお、これらのセルにおける太陽光から
電気への変換効率は、前者が約15%程度、後者が約1
0%であり、セルのコストとしては、後者の方が低い。
【0004】太陽光発電システムは、このような発電特
性を持ったセルを複数枚平面状に並べ、直列・並列に接
続して組み立てたパネルを所定の枚数設置し、負荷が必
要とする電圧−電流特性を満足する発電電力を得るもの
である。この際、パネルは、太陽からの光を効率的に受
けるため、所定の仰角をもって設置される。図22は従
来の太陽光発電システムの構成を示す図であり、通常、
複数の太陽光発電パネル31が水平面に対して一定の傾
斜角度をもって設置され、この状態で得られる発電電力
が電圧調整器32を介して負荷33及び蓄電池34に供
給されている。太陽光発電は日中の太陽光が得られる時
間しか発電できないので、夜間や天候不良時に備えて、
蓄電池34を備えてシステムが構成される場合が多い。
従来のシステムでは、このように太陽光発電セルに太陽
光を照射し、さきに示した原理による発電で得た電力を
直接利用するというものであった。
【0005】従って、光の有するエネルギーから得られ
る電力は、太陽光発電セルの発電特性に直接影響され、
結晶系シリコン太陽電池でも変換効率は15%程度にし
か過ぎず、所定の出力を得るためにはそれに比例した面
積のパネルが必要だった。そのため、発電システムにお
けるパネル全体の表面積が大きくなり、発電システムの
設置に広い場所を必要とし、設置予定地のスペースが不
十分な場合、目的とするシステムの設置が困難になると
いった問題もあった。そこで、変換効率の向上に向け
て、これまで、セルの表面へ反射防止層を形成したり、
ピラミッド型の凹凸を形成し光の吸収効率を向上させる
等の対策が採られているが、製造プロセスが複雑とな
り、セル製造コストの低減に対する阻害要因の一つにな
っていた。
【0006】一方、このようなセル表面の構造改造に関
する改造と並行して、先に述べたようなセルの発電に対
する太陽光の有効波長の違いを利用した試みも行われて
きた。すなわち、シリコンを主成分とする太陽電池にお
いては、アモルファス系が0.4〜0.7ミクロン、結
晶系が0.4〜1.1ミクロンの波長範囲の光で発電す
ることを利用し、1つの素子状のセルで上部にアモルフ
ァスシリコン太陽電池層を、そしてその下部に結晶系シ
リコン太陽電池層を形成する、タンデム型セルも作製さ
れてきた(化学と工業、1991、44巻10号、p.
1711)。このような、タンデム型セルによって、太
陽光の利用率の向上が図られ発電効率の改善効果を得る
ことが出来た。しかしながら、このような構造のセルで
は、セルの作製プロセスそのものが難しくなり、このた
めに商用ベースに乗る安価なセルの実現は難しかった。
そこで、上記のような、一つの素子として形成されるタ
ンデム型セルとは異なり、二種類のセルを物理的に二段
に配置した構造とし、それぞれにアモルファスシリコン
太陽電池、結晶系シリコン太陽電池を用い、さらに、下
段においては下段セルの温度上昇の抑制と熱の有効利用
を兼ねた集熱板が配置されたものも提案されている(特
開平10−19388号)。しかし、このような2段配
置構造のセルにおいては、同一の発電面積を持ったセル
が上下に使用されているものの、太陽光が上段のセルを
透過する際に、下段のセルの発電にも使用可能な短波長
領域の光の一部が発電に使用され、また、上段のセルの
基板となっているガラス板を透過する際、ほぼ全波長領
域にわたって光の吸収が生じ、下段に到達する光の量は
減少している。従って、本来、発電効率が高い結晶系シ
リコン太陽電池を下段に設置しても、この太陽電池の発
電能力を有効に発揮することが出来ず、2段構造とした
にも拘わらず、この太陽電池モジュールの出力は両者の
特性を単純に合算したものにはならなかった。すなわ
ち、下段の太陽電池の発電能力は有効に発揮されておら
ず、設備投資の効率が低下していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の事情に
鑑みてなされたもので、照射された太陽光の有効利用が
可能であり、単位面積当たりの発電電力の向上を図った
太陽光発電システムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の太陽光発電システムは、太陽光の短波長領域
の光で発電する第一の太陽光発電パネル、赤外線吸収機
能を持った材料から構成された集光器、および、主に前
記第一の太陽光発電パネルでの発電に使用されない波長
領域の光で発電する第二の太陽光発電パネルからなり、
第一の太陽光発電パネルを透過した光を前記集光器によ
って集光し、第二の太陽光発電パネルに照射し発電させ
ることを特徴とするものである。
【0009】また本発明は、前記太陽光発電システムに
おいて、第一の太陽光発電パネルが光透過型のアモルフ
ァスシリコン太陽光発電セルから構成され、第二の太陽
光発電パネルが結晶系シリコン太陽光発電セル、もしく
はGaAsを主成分とする太陽光発電セルから構成され
ていることを特徴とするものである。
【0010】また本発明の太陽光発電システムは、太陽
光の短波長領域の光で発電する光透過性の第一の太陽電
池セル、および、主に前記第一の太陽電池セルでの発電
に使用されない波長領域の光で発電する第二の太陽電池
セルからなり、第一の太陽電池セルは前記集光体を兼ね
た基板表面に形成され、第一の太陽電池セルを透過し、
前記基板によって集光された光が、第二の太陽電池セル
に照射されているように構成されていることを特徴とす
るものである。
【0011】また本発明は、前記太陽光発電システムで
あって、第一の太陽電池セルが光透過型で、シリコンを
主成分とするアモルファス薄膜太陽電池から構成され、
第二の太陽電池セルがシリコンを主成分とする結晶系太
陽電池、もしくは、GaAsを主成分とする太陽電池か
ら構成され、集光体はガラス製で凸レンズ、もしくは、
フレネルレンズであることを特徴とするものである。
【0012】また本発明は、前記太陽光発電システムで
あって、第一の太陽電池セルと第二の太陽電池セルの間
には、空間を有し、この部分に赤外線吸収体が設けられ
ていることを特徴とするものである。
【0013】また本発明は、前記太陽光発電システムに
適用される、光透過型の第一の太陽電池セルであって、
アモルファスシリコンからなる薄膜を2つの透明電極の
間に配置することで1個の発電部が形成され、前記透明
電極は均一な厚みの層とその表面に重ねて形成される尾
根状の肉厚部からなり、尾根状の部分は発電部の直列接
続方向と平行な方向に一個以上形成されていることを特
徴とするものである。
【0014】また本発明の太陽光発電システムは、太陽
光の長波長光の透過性を持つ第一の太陽光発電パネル、
集光器、および、第二の太陽光発電パネルからなり、第
一の太陽光発電パネルから反射される光を前記集光器に
よって集光し、第二の太陽光発電パネルに照射し発電さ
せることを特徴とするものである。
【0015】また本発明の太陽光発電システムは、太陽
光の長波長光の透過性を持つ第一の太陽光発電パネル、
第一の集光器、第二の太陽光発電パネル、第二の集光
器、および、集熱体からなり、第一の太陽光発電パネル
から反射される光を第一の集光器によって集光し、第二
の太陽光発電パネルに照射し発電させ、第一の太陽光発
電パネルを透過した長波長光を第二の集光器を通して集
光後、集熱体に導くように構成したことを特徴とするも
のである。
【0016】また本発明は、前記太陽光発電システムで
あって、第一の太陽光発電パネルに設けられた第一の太
陽電池の出力が直列に接続されて専用の電力変換器に入
力され、第二の太陽光発電パネルに設けられた第二の太
陽電池の出力も直列に接続されて専用の電力変換器に入
力され、前記各電力変換器の出力を個別、もしくは一体
として使用することを特徴とするものである。
【0017】従来の太陽光発電システムは、複数のセル
を平面状に並べて構成したパネルを太陽の方向に向けて
設置することを基本構成とし、この状態でセルが発生す
る電力を利用するものであった。このような使用形態で
は、太陽電池セルの表面での光の反射や長波長の光の侵
入によるセル温度の上昇のため電気への変換効率が低下
する。このため、所定の電力を得るためにはパネル全体
の面積が大きくなったり、セルについては表面での光の
反射防止のため表面への反射防止層の設置や、ピラミッ
ド型の凸凹の加工等の処理が必要とされ、セルのコスト
低下の阻害要因となっていた。
【0018】本発明は、短波長側の太陽光で主に発電す
る光透過型の第一の太陽光発電パネルと、その下段に位
置し長波長側の太陽光で主に発電する第二の太陽光発電
パネルを一定の間隔で積層した状態で使用し、この時、
各パネル間に集光器を設置、あるいは第1の太陽光発電
パネルを集光体基板上に形成したセルから構成するもの
で、単位面積当たりの発電電力の向上を図った太陽光発
電システムの提供を図るものである。すなわち、短波長
側の太陽光で主に発電する光透過型の第一の太陽光発電
パネルを用いて、まず、このパネルで発電し、次いでこ
のパネルを通過した光を集光して第二の太陽光発電パネ
ルに照射して発電させるもので、単位面積あたりの太陽
光エネルギーの利用効率と発電電力の向上を図ることを
最も大きな特徴としている。
【0019】これまで、本発明のように、集光器を介し
て太陽光発電パネルを2段に積層し、下段の発電パネル
には、上段の太陽光発電パネルを透過した光を集光器で
集めて照射するような構成の太陽光発電システムは作製
されていない。
【0020】また本発明は、太陽光の長波長光の透過性
を持つ第一の太陽光発電パネルを用い、このパネルで発
電すると共に、透過した長波長の太陽光を集熱して利用
し、さらに第一の太陽光発電パネルで反射された短波長
の太陽光を集光して第二の太陽光発電パネルに照射して
発電させるもので、セル表面への反射防止層やピラミッ
ド型の凸凹の加工等の処理の無いセルでも支障無く適用
でき、また、第二の太陽光発電パネルは小面積でも良
く、総じて、システムの単位設置面積あたりの太陽光エ
ネルギーの利用効率が高いシステムの実現が可能にな
る。
【0021】これまで、太陽光発電パネルで反射させた
光を集光させて再度発電に利用すると共に、発電に有効
に利用されない長波長光を太陽光パネルを透過させた
後、熱として利用する太陽光発電システムの発明や組み
立ては行われていない。
【0022】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明の実施
の形態例を詳細に説明する。
【0023】図1(a)は本発明の一実施形態例を示す
平面図、図1(b)は図1(a)のA−A′線断面図で
ある。図において、41は第一の太陽光発電パネル、4
2は集光器、43は第二の太陽光発電パネル、44はセ
ル、45はセル、46はレンズ部、47は通気口、48
は封着部材である。すなわち、第一の太陽光発電パネル
41と第二の太陽光発電パネル43は所定間隔でほぼ平
行して配置され、この第一の太陽光発電パネル41と第
二の太陽光発電パネル43の間に集光器42がほぼ平行
して配置される。前記第一の太陽光発電パネル41と第
二の太陽光発電パネル43間は周囲が封着部材48で封
着されて気密に保持され、前記封着部材48には通気口
47が設けられる。図では、前記第一の太陽光発電パネ
ル41と第二の太陽光発電パネル43にそれぞれ20枚
のセル44、45を取り付けた例を示す。
【0024】以上のように積層型太陽光発電システム
は、太陽光の短波長領域の光で発電する第一の太陽光発
電パネル41、赤外線吸収機能を持った材料から構成さ
れた集光器42、および、主に前記第一の太陽光発電パ
ネル41での発電に使用されない波長領域の光で発電す
る第二の太陽光発電パネル43からなり、第一の太陽光
発電パネル41を透過した光を前記集光器42によって
集光し、第二の太陽光発電パネル43に照射し発電させ
る。
【0025】図2(a)〜(c)は第一の太陽光発電パ
ネル41、集光器42、第二の太陽光発電パネル43に
おける各セルやレンズ部の具体的な配置例を示す。
【0026】図2(a)は第一の太陽光発電パネルの一
例を示す平面図であり、第一の太陽光発電パネル41の
裏面には20枚のセル44が取り付けられる。前記第一
の太陽光発電パネル41には、アモルファスシリコン太
陽電池で裏面への光の透過が可能なシースルー型セルを
使用している。このシースルー型セルの具体的な構造は
図3に示す通りである。すなわち、裏面に透明電極62
が配設されたガラス基板61の裏面にはアモルファスシ
リコン層63が設けられ、このアモルファスシリコン層
63には裏面電極64が設けられる。前記アモルファス
シリコン層63及び裏面電極64には多数の小孔65が
設けられる。このシースルー型のアモルファスシリコン
太陽電池の光透過率は30%である。なお、セル表面に
は、反射防止層(図示せず)を設けた。したがって、セ
ルに入射した全太陽光のうち、アモルファスシリコン太
陽電池の発電に有効な、0.4〜0.7ミクロンの波長
の光がここで電力発生に費やされる。そして、この波長
の光の中で発電に費やされなかったものや、0.7〜
1.1ミクロンの波長の光、さらに、通常のシリコン系
太陽電池セルの発電には使用されない、波長1.1ミク
ロン以上のいわゆる赤外線はセルに設けられた小孔を通
過して裏面方向に進み透過光となる。これらの第一の太
陽光発電パネル41を通過した太陽光は、集光器42に
達し、ここで集光されて光の強度が増した状態で、第二
の太陽光発電パネル43に供給される。
【0027】図2(b)は集光器の一例を示す平面図で
あり、集光器42には20個のレンズ部46が設けられ
る。前記レンズ部46にはガラス製のフレネルレンズを
用いた。フレネルレンズの構造は図4(a)、(b)の
通りである。図4(a)はガラス製のフレネルレンズの
1/2裏面図であり、図4(b)は図4(a)のB−
B′断面図である。すなわち、ガラス平板66の裏面に
は同心円状に山型の凸部67が設けられ、この山型の凸
部67は外側の面の傾斜角度が異なるように形成され
る。したがって、入射太陽光はレンズ部46で屈折され
て第二の太陽光発電パネル43のセル45に集光入射す
る。レンズ部46に使用したガラス材料としては、結晶
系シリコン太陽電池の発電に有効利用されない1.1ミ
クロン以上の波長の赤外線を吸収する機能、いわゆるフ
ィルタ機能を持ったものを用いた(具体的には、駿河精
機製、熱線吸収フィルタ576−HAと類似品)。これ
によって、第一の太陽光発電パネル41を通過した赤外
線はこの集光器42に吸収され、残りの波長の光が第二
の太陽光発電パネル43に供給される。この結果、第二
の太陽光発電パネル43として用いた結晶系シリコン太
陽光発電セルの温度上昇を防止することができる。太陽
電池において、セル温度の上昇は出力電圧の低下と、こ
れによる発電効率の低下をもたらし、例えば、単結晶シ
リコン太陽光発電セルにおいては、20℃において15
%の効率が80℃では約10%に低下する。しかし、本
実施形態例では、このような効率低下を防止することが
できた。
【0028】なお、集光器42を用いると、集光された
光の照射面積は小さくなるので、第二の太陽光発電パネ
ル43の面積も小型になる。そして、発電に有効な光が
大きい強度で入射するので、パネル全体の面積が小さく
ても有効な電力が得られる。ちなみに、光の強度が同一
の条件で、集光しない場合と、10倍に集光した2つの
場合について太陽電池パネルの面積を求めると、集光に
よってパネル面積は1/10、辺の長さは約1/3に低
減可能である。このように、結晶系シリコン太陽光発電
セルだけでなく、コストは上昇するものの変換効率が高
いGaAs系セルの適用も可能である。この場合でも、
第二の太陽光発電パネル43の全体の面積が小さいの
で、パネルのコスト上昇を抑えることが出来る。
【0029】具体的な実施形態例としては、以下の通り
である。第一の太陽光発電パネル41としては、上で述
べたシースルー型のアモルファスシリコン太陽電池で、
一辺の大きさが10cm角のセルを縦10枚×横10枚
張り合わせた、1m角のものを用いた。そして、集光器
42には、集光度が10で1.1ミクロン以上の波長の
赤外線の吸収機能を持ったガラスからなるフレネルレン
ズを用いた。これによって、第二の太陽光発電パネル4
3を構成するセルの全体面積を1/10とした。具体的
には、4cm角の結晶系シリコン太陽電池セルを用い、
各セルを第一の太陽光発電パネル41を構成するセルを
透過した光が集光されて投影される位置に配置した。第
二の太陽光発電パネル43に照射される太陽光では、
0.4〜0.7ミクロンの波長成分が少ないが、第一の
太陽光発電パネル41でほとんど使用されなかった0.
7〜1.1ミクロンの波長の光が集光されて届くので、
面積が1/10となっても第一の太陽光発電パネル41
と同等程度の発電が可能である。また、第二の太陽光発
電パネル43には、セル温度の上昇原因となる長波長光
が照射されることも無いので、セル温度の上昇とこれに
よる発電効率の低下がほとんど無いという利点がある。
本太陽光発電システムでは、第一の太陽光発電パネル4
1で9〜10%の変換効率で電力を得ることが出来た
(日射強度;1000w/m2 の条件で、90〜100
w)。そして、第二の太陽光発電パネル43でも、第一
のセルを透過した30%の光量基準で約10%の変換効
率が得られた。これは本発明の太陽光発電パネルに照射
された光量を基準とすると約3%であり、第二の太陽光
発電パネル全体では発電量が30wになった。なお、通
常の結晶系シリコン太陽電池セルの効率は室温で15%
程度であるので、この値に比べると多少低いが、この原
因は、短波長の光が第一の太陽光発電パネルで消費され
て少ないことと、集光器等を透過する際の吸収による光
の損失の影響と考えられる。しかしながら、先にも述べ
たように結晶系シリコン太陽電池の発電効率は、セル温
度が上昇すると10%程度にまで低下するので、この点
を考慮すると本発明における第二の太陽光発電パネル4
3では、集光器によって温度上昇の原因となる赤外線が
除かれており、セル温度の上昇をもたらすことなく、
0.7〜1.1ミクロンの波長の光が有効に発電に利用
されたことがわかる。
【0030】このように、本発明では太陽光発電パネル
を2段に配置しているので、この結果、太陽光の照射面
積が同一の場合、本発明の方が従来方式よりも大きな発
電出力を得ることが出来る。受光面積を1m2 とした太
陽光発電パネルを例に示すと、まず、従来の結晶系シリ
コン太陽電池の場合、効率15%として150wの出力
であるが、使用中の温度上昇の影響で効率が10%に低
下すると、出力は100wになる。一方、本発明の場
合、上述した実施形態例でも示したように、上段のパネ
ルで100w、さらに、下段のパネルで30w、合計1
30wの電力を得ることができる。このような、発電出
力密度の向上効果が得られるので、従来の結晶系シリコ
ン太陽電池に置き換えれば同一設置面積でも発電電力を
30%増加させることができる。逆に、一定の電力を得
るのであれば、設置するパネルの枚数は従来品にくらべ
約25%削減することが可能となり、物品費や設置工事
費の低減を図ることもできる。さらに、これまで、屋根
上やビルの屋上等、必ずしも十分な設置スペースが確保
できず、従来品の設置では目的とする電力が得難かった
場所に適用すれば、本来必要とされていた電力を容易に
得ることが出来る。
【0031】なお、上記の実施形態例では、集光器42
のレンズとしてフレネル型について示したが、集光機能
を有すれば特にフレネル型にこだわるものではなく、凸
レンズ構造のものでも一向に構わないことは言うまでも
無いことである。レンズの構造の選定にあたっては、第
一の太陽光発電パネル41と第二の太陽光発電パネル4
3間に許容される間隔等を考慮すれば良い。
【0032】図5(a)〜(d)は本発明に使用可能な
他のレンズの形式を示す。図5(a)は太陽光発電パネ
ルのセルと集光器のレンズ部の取り付け状態を示す分解
斜視図、図5(b)はレンズ部の表面図、図5(c)は
図5(b)のA方向側面図、図5(d)は図5(b)の
B方向側面図である。すなわち、レンズ部46は下面方
向に凸状を呈し、また、凸部が横方向に楕円状に形成さ
れている。これにより、太陽が経時的に移動しても太陽
光が極力第一の太陽光発電パネル内のセル44に照射さ
れるようになる。なお、集光器内に取り付けるレンズ部
46について、上記の実施形態例では、第一の太陽光発
電パネル内の各セル44に対応して同数のレンズ部46
を設けたが、2個ないし4個のセル44を透過した光を
一個のレンズ部で集光し、この光を一個もしくは複数個
のセル45に照射するようにしても良い。また、第一の
太陽光発電パネル内におけるセルの配置において、各セ
ル間に隙間を空け、セルを通過して光のみならず、この
隙間を通過する光も後方の集光器で集光し、第二の太陽
光発電パネル内のセルに照射するものでもよい。
【0033】また、本発明では、第二の太陽光発電パネ
ルを形成するセル44として、結晶系シリコン太陽電池
セルだけに限らず、GaAs系太陽電池セルも適用可能
である。さらに、GaAs基板上にGaInP/GaA
sを積層したセルやGaAs/GaSbセルも、上記の
実施形態例と同様に第一の発電パネルの各セルの投影位
置に配置し、集光した太陽光を照射し発電させることが
出来た。第二の太陽光発電パネルでの発電効率は、15
〜20%が確認された。
【0034】以上のように、本発明によれば、入射され
た太陽エネルギーを極めて高い効率で電力に変換するこ
とが出来、小型の設置面積でも十分な電力が得られる太
陽光発電システムが実現可能になる。
【0035】図1〜図5では、2段に構成された各セル
の間に集光レンズを配置し、これによって下段のセルの
小型化を図った。しかし、図1〜図5のように、単に上
下段のセルの間に集光器を配置しただけでは、下段に至
るまでの光の透過路内に上段のセルのガラス基板と集光
器のガラスの2つが存在することになり、このためこれ
らのガラス体による吸収のため、光の損失が大きくなる
という問題があった。また、上段のセルと集光器の2つ
の部品を個別に作製する必要があり、部品コストの低減
を阻害する要因になっており、その上、部品の組み立て
の際にも上下段のセルと集光器の3つの部品の固定が必
要等、組み立て工程の簡略化を図る上でも不利になって
いた。
【0036】そこで、図6〜図14を参照して前記図1
〜図5の問題点を解決した実施形態例について説明す
る。
【0037】図6(a)、(b)及び図7は、本発明を
実施した太陽光発電システムの構成例を示し、(a)は
上面図、(b)は(a)のA―A′線断面図、図7は下
段のパネルを示す平面図である。70は第一の太陽光発
電パネル、71は第一の太陽電池(セル)、72は基板
を兼ねた集光体、73はレンズ部、74は第二の太陽電
池(セル)、75は第二の太陽光発電パネルである。第
二の太陽電池74は、第一の太陽電池71を透過した光
が集光される位置に配置される。
【0038】ここで、第一の太陽電池71には、アモル
ファスシリコン太陽電池を使用し、このセルの基板を兼
ねた集光体72には、光透過度が90%以上のガラス材
料から作製され、フレネルレンズ状に加工されたものを
用いた。
【0039】この第一の太陽光発電パネル70の具体的
な構造は、図8(a)、(b)に示す通りであり、
(a)は上面図、(b)は(a)のA―A′線断面図で
ある。フレネルレンズとなるガラス基板の集光体72上
にアモルファスシリコン層による第一の太陽電池71を
設けた。したがって、第一の太陽電池71に入射した全
太陽光のうち、アモルファスシリコン太陽電池の発電に
有効な、0.4〜0.7ミクロンの波長の光がここで電
力発生に費やされる。そして、第一の太陽電池71で消
費されない太陽光は、集光体72で集光されて光の強度
が増した状態で、第二の太陽電池74に供給される。
【0040】なお、本実施形態例では、集光体72によ
って集光した光を第二の太陽電池74に照射するように
しており、集光によって光の照射面積が小さくなる結
果、第二の太陽電池74の面積を小型にすることが出来
る。太陽電池における、光量と発電出力の関係を見る
と、図9に示すように、両者はほぼ直線関係にあり、出
力は光量にほぼ比例して増加する。従って、本実施形態
例のように、集光によって光量が増した光が入射される
と、パネル全体の面積が小さくても十分な電力を得るこ
とが出来る。具体的には、例えば光を10倍に集光した
場合、太陽光発電パネルの面積を1/10(辺の長さを
約1/3)に低減することが出来、このような小面積の
状態でも、元の面積のパネルによって集光しない状態で
発電させた時とほぼ同一の出力を得ることが可能であ
る。このように、第二の太陽電池74が小型化され、太
陽電池のコストは面積に比例するので大きな経済効果を
得ることが出来る。このことから、結晶系シリコン太陽
電池だけでなく、変換効率が高いもののコストも高かっ
たGaAs系セルの適用も可能である。このように、集
光による太陽電池の面積の小型化による経済効果のメリ
ットも反映させることが出来る。
【0041】以下に、具体的な実施例を示す。第一の太
陽光発電パネル70は、上で述べたようなフレネルレン
ズとなるように加工したガラス基板の平坦な面上に、ア
モルファスシリコン薄膜太陽電池を形成した。ここで
は、一辺の大きさが10cm角で、集光度が10倍のガ
ラス基板を用いた。
【0042】従来のアモルファスシリコン薄膜太陽電池
では、ガラスを基板とした場合、光の入射方向から見
て、ガラスの裏面側に形成され、ガラス基板を透過した
光が発電部に照射されるようになっていた。しかし、本
発明では、発電部を透過した光がレンズを兼ねたガラス
基板に入射し、その後集光されることになるので、図1
0及び図11に示すようにガラス基板の表面側に形成し
た。従って、作製プロセスは、従来のアモルファスシリ
コン太陽電池と逆になるが、これまでのプロセスの順序
を入れ替えるだけで作製することが出来た。すなわち、
従来、アモルファスシリコン太陽電池の作製プロセス
は、ガラス基板の上に、透明電極、アモルファスシリコ
ン膜、裏面電極の順で形成されてきたが、本発明では、
まず、透明電極層の作製として、ガラス基板81上に従
来の裏面電極に相当する透明電極層のパターニングをし
て透明電極82を形成し、その後、アモルファスシリコ
ン膜の作製として、アモルファスシリコン膜のパターニ
ングをして形成したアモルファスシリコン層83、透明
電極層の作製として、透明電極層のパターニングをして
形成した透明電極84を設け、その後端子の取り付けを
した。従来採用されてきた裏面電極については、アルミ
ニウム等の金属材料が使用されてきたが、本発明では光
の透過性を考慮し、この電極にも透明電極を用いた。こ
の2つの透明電極82、84の材料には、透光性導電性
酸化物としてSnO2 を用い、スパッタ法で作製した。
第一の太陽電池(セル)71の具体的な作製法として
は、まず、第一の透明電極82を形成後、この表面にn
型微結晶シリコン層、i型アモルファスシリコン層、さ
らに、p型のアモルファスシリコンカーバイト層の3つ
の層を形成しアモルファスシリコン層83の発電層とし
た。そして、最後に、この表面に、第二の透明電極84
を形成した。これらの3種類のシリコン層の形成は、従
来から採用されてきているプラズマCVD法によって行
い、原料ガスにはSiH4 、CH4 、O2 、H2 等を用
いた。CVD条件としては、基板温度を250〜300
℃、反応圧力を0.3Torrを基本とし、作製するシ
リコンの層の組成に応じて前記の各ガスの供給量を調節
した。
【0043】第二の太陽電池74としては、セルの全体
面積が第一の太陽電池71の1/10(3cm角)の結
晶系シリコン太陽電池を用いた。第二の太陽電池74の
各セルの配置位置は、第一の太陽電池71を透過した光
が集光されて投影される位置とした。第二の太陽電池7
4に照射される太陽光では、0.4〜0.7ミクロンの
波長成分が少ないが、第一の太陽電池71ではほとんど
使用されなかった0.7〜1.1ミクロンの波長の光が
集光されて届くので、面積が1/10となっても十分な
発電が可能である。本発明では、上で述べたような10
cm角と3cm角の太陽電池セルを、上下におのおの、
縦10枚×横10枚張り合わせて1m角の集光式のモジ
ュールを作製した。なお、上下各段に使用したアモルフ
ァスと結晶系シリコン太陽電池セルの出力電圧は異なっ
ているので、上段、下段毎に独立して直列に接続し、専
用の電力変換器に入力した。一方、一般的に結晶系シリ
コン太陽電池の発電効率は、セル温度によって影響さ
れ、20℃において15%であった効率が80℃になる
と約10%に低下する。このような温度上昇は、約1ミ
クロン以上の波長の光によってもたらされ、太陽光を集
光させるとこのような1ミクロン以上の波長の光の量も
増すことになる。そこで、本発明では、上段と下段のセ
ルの中間に、このようなセルの温度上昇をもたらす波長
の光を吸収するフィルタの設置を行うこととしている。
フィルタには、温度上昇の原因となりうる1.1ミクロ
ン以上の波長の赤外線を吸収する機能を持ったものを用
いた(具体的には、駿河精機製、熱線吸収フィルタ57
6−HAと類似品)。これによって、第二の太陽電池7
4での発電に有効な波長の光のみが第二の太陽電池74
に供給され、この結果、本発明では太陽電池の温度上昇
と、これによる効率低下を効果的に防止することが出来
た。
【0044】このように構成された、本発明の太陽電池
システムでは、第一の太陽電池71で約9%の変換効率
で電力を得ることが出来た。そして、第二の太陽電池7
4でも、約10%の変換効率が得られ、本発明の太陽電
池全体としては、19%にも達することが出来た。
【0045】なお、上記の実施例では、一個の第一の太
陽電池(セル)を、レンズ部が一個形成されたガラス基
板上に形成したが、ガスを原料とするCVD法による作
製であり、図12に示すように、レンズを有するガラス
基板91が大きい場合には、ガラス基板91の形状や大
きさに合わせて、レンズ部92を複数個例えば4個と
し、各レンズ部92の集光部に第二の太陽電池(セル)
93を配置することも出来る。94はアモルファスシリ
コン太陽電池である。
【0046】このように、本発明では太陽光発電パネル
を2段に配置しているので、この結果、太陽光の照射面
積が同一の場合、本発明の方が従来方式よりも大きな発
電出力を得ることが出来る。ちなみに、発電面積が1m
2 の太陽光発電パネルを例に示すと、まず、従来の結晶
系シリコン太陽電池の場合、効率15%として150w
の出力であるが、使用中の温度上昇によって効率が10
%に低下すると、出力は100wになる。一方、本発明
の場合、上述した実施例でも示したように、上段の太陽
光発電パネルで90w(効率9%)、さらに、下段の太
陽光発電パネルで100w(効率10%)、合計190
w(効率19%)の電力を得ることが出来た。このよう
に発電出力密度の向上効果が得られるので、従来の結晶
系シリコン太陽電池に置き換えれば、設置面積が同一で
も発電電力を最大90%増加させることが出来る。逆
に、一定の電力を得る場合、設置するパネルの枚数は従
来品にくらべ最大約1/2に削減することが可能とな
り、設置工事費の低減も図ることも出来る。さらに、こ
れまで、屋根上やビルの屋上等、必ずしも十分な設置ス
ペースが確保出来ず、従来品では目的とする電力が得難
かった場所でも、本発明品を適用すれば、本来必要とさ
れていた電力を容易に得ることが出来る。
【0047】なお、上記の実施例では、集光体としてフ
ルネル型レンズについて示したが、集光機能を有すれば
特にレンズの形式にこだわるものではなく、凸レンズ構
造のものでも一向に構わない。レンズの構造の選定にあ
たっては、第一と第二の太陽電池間に許容される間隔
と、レンズの焦点距離等を考慮すれば良い。図13に本
発明に使用可能な凸レンズの形式を示し、(a)はセル
とレンズの取り付け状態を示す斜視図、(b)はレンズ
部の構造で、(b−1)は上面図、(b−2)はA方向
からの側面図、(b−3)はB方向からの側面図であ
る。この凸レンズ101は、一方が第一の太陽電池10
2の形式に適するように平坦で、他方が凸状を呈し、ま
た、凸部が横方向に楕円状に形成されている。これによ
り、太陽光線が経時的に移動しても、集光された太陽光
が極力第二の太陽電池103に照射されるようにするこ
とも出来る。なお、この構成で、レンズ部が単一のため
集光体全体の厚みが増し、光の透過損失が無視出来ない
ものになる場合、小型の凸レンズを複数配置して集光体
を兼ねた基板を作製してもよい。
【0048】また、本発明では、第二の太陽電池を形成
するセルとして、結晶系シリコン太陽電池セルだけに限
らず、GaAs系太陽電池セルも適用可能である。さら
に、GaAs基板上にGaInP/GaAsを積層した
セルやGaAs/GaSbセルも、上記の実施例と同様
に第一の太陽光発電パネルの各太陽電池セルの投影位置
に配置し、集光した太陽光を照射し発電させることが出
来た。これらの第二の太陽電池セルでの発電効率として
は、10〜12%が確認された。
【0049】なお、本発明では、上段に配置される第一
の太陽電池として光透過型のセルを利用するが、第一の
セルでの発電に使用されない長波長領域の光を下の第二
の太陽電池に供給するため集電用の電極としては全て透
明電極を使用している。アモルファスシリコン層から構
成された、光透過型でない従来のセルにおいては上部の
電極のみ透明電極で、下部の電極にはアルミニウムの薄
膜等の不透明のものが使用されていた。この理由は、透
明電極の導電性が必ずしも高いものではないので、光の
透過性が要求されない下部電極には導電性を高め発電電
流の取り出し時のセル内の電圧降下を極力防止するため
であった。一方、本発明のセルでは、光の透過性が要求
される第一の太陽電池では、電極材料には透明性が要求
され、ここで使用される電極材料では導電性がアルミニ
ウムに比べると低いため、電圧降下を招く恐れがあっ
た。そこでこのような欠点を補うため、本発明では、透
明電極部での電圧降下の抑制を目的に、図14に示すよ
うに透明電極部に厚みを増した部分を複数設けることと
した。(a)は太陽光発電装置の外観図、(b)は
(a)のA―A′線断面図である。図14において、1
10は透明電極の肉厚部、111はガラス基板、112
は透明電極、113はアモルファスシリコン太陽電池、
114は透明電極である。本実施例では、光の入射方向
から見て下部に相当する電極にこのような加工を施し
た。この肉厚部110は、透明電極の材料であるSnO
2 を用い、CVD法によって作製した。具体的には、ま
ず、下地となる平坦な部分を、電極形成面上にそのまま
CVD法処理を行うことで作製し、次に、目的とする肉
厚部の間隔と幅に相当するマスクを乗せ、再度CVD処
理を施すことで作製した。ここでは、具体例として、以
下のような肉厚部を形成した模擬透明電極を形成し、電
極断面の面積増加を検討した。
【0050】 透明電極平坦部 巾1cm、長さ5cm、厚み100ミクロン 肉厚部 巾1cm、長さ0.1cm、厚み100ミクロン 平坦部の長さ方向に、5mm間隔で9個設置。
【0051】透明電極平坦部のみの場合の電極断面積
(長さ方向)…5cm×0.01cm=0.05cm2 肉厚部を有する透明電極の断面積(長さ方向)…透明電
極平坦部断面積+肉厚部断面積 5cm×0.01cm+0.1cm×0.01cm×9
=0.059cm2 以上のように、電極の断面積を18%向上させることが
出来た。電極内を電流が通過する際の電圧降下は、断面
積の逆数に比例するので、断面積が18%向上すること
で、電圧降下を15%低減させることが出来る。
【0052】また、上記に述べた本発明では、第一の太
陽電池として、レンズの機能をもったガラス基板上に発
電素子を形成した例を示したが、まず、薄膜状のガラス
板上にアモルファスシリコン薄膜発電素子を形成し、こ
れをフレネルレンズ状のガラス基板上に貼り合わせたも
のも適用出来る。なお、本発明では、上記の実施例で開
示した集光体やセルの材料や構成に限定されるものでは
なく、請求内容を満足するものであればよく、それらも
包含するものである。
【0053】次に、本発明に示す2段構造の積層集光式
太陽電池システムの上下太陽光発電パネルからの電力の
取り出しについて述べる。
【0054】一般的に、結晶系シリコン太陽電池及びア
モルファスシリコン太陽電池からの発電出力は、図15
のような電圧―電流特性図で表され、セルから外部に取
り出す電流が変わるとこれに応じて電圧がこの特性図に
沿って変化する。そして、図中に示した発電出力が最大
となる条件ポイントで最大の発電出力が得られる。従っ
て、太陽電池から最も効率良く電力を得るためには、極
力このポイントに近い電圧を最適運転電圧として使用す
ることが好ましいことになる。しかしながら、シリコン
を主成分とした太陽電池においても、結晶構造が異なる
と図に示すように発電特性に違いが現われ、上で述べた
最適運転電圧にも違いが表われてくる。そこで、このよ
うな電圧の違いに対応するため、本発明では、第1と第
2の太陽電池パネルからの出力を各々別個の電力変換器
に入力する方式とした。図16は、このような電力の取
り出しに関する、セル(太陽電池)と電力変換器の結線
状態を示したものである。すなわち、第一の太陽光発電
パネル121に設けられた第一の太陽電池122及び第
二の太陽光発電パネル123に設けられた第二の太陽電
池124はおのおの直列に接続され、それぞれ対応した
専用のDC―DCコンバータ125、126に入力され
る。そして、各コンバータ125、126で出力電圧を
同一に調整した後、各DC―DCコンバータ125、1
26の出力はインバータ127に送られ、ここで必要と
する交流電圧に変換されて、負荷(図示せず)に送られ
る。本発明では、このように上下各段の太陽光発電パネ
ルからの出力を専用の電力変換器に接続することで、セ
ルの種類によって最適運転電圧が異なってもなんら支障
無く各セルから最も効率良く電力を取り出すことができ
る。なお、図に例示した、インバータと2台のDC―D
Cコンバータからなる一式の電力変換器に代えて、2台
のDC―ACコンバータを使用し交流出力を直接負荷に
供給することも可能である。
【0055】以上のように、本発明によれば、入射され
た太陽エネルギーを極めて高い効率で電力に変換するこ
とが出来、小型の設置面積でも十分な電力が得られる太
陽電池システムが実現可能になる。
【0056】図17は本発明の他の実施形態例を示す構
成説明図である。図において、41は第一の太陽光発電
パネル、42は第一の集光器、43は第二の太陽光発電
パネルである。すなわち、太陽光の長波長光の透過性を
持つ第一の太陽光発電パネル41、第一の集光器42、
および、第二の太陽光発電パネル43からなり、太陽光
が第一の太陽光発電パネル41に入射され、この第一の
太陽光発電パネル41から反射される光を第一の集光器
42によって集光し、第二の太陽光発電パネル43に照
射し発電させる。
【0057】ここで、第一の太陽光発電パネル41に
は、アモルファスシリコン太陽電池で裏面への光の透過
が可能なシースルー型セルを使用している。このセルの
具体的な構造は、図3に示す通りであり、アモルファス
シリコン層63に多数の小孔65を設けたものである。
したがって、セルに入射した全太陽光のうち、アモルフ
ァスシリコン太陽電池の発電に有効な0.4〜0.7ミ
クロンの波長の光のうちの一部がここで電力発生に費や
される。そして、これらの波長の光の中で電力発生に有
効に費やされなかった光や、0.7〜1.1ミクロンの
波長の光は大部分がセル表面で反射される。なお、通常
のシリコン系太陽電池セルの発電には使用されない波長
1.1ミクロン以上のいわゆる赤外線はセルに設けられ
た小孔65を通過して裏面方向に進む。本セルのように
長波長の光をセル裏面に透過させない場合、このような
長波長光はセル温度を上昇させる原因となり、結晶系太
陽電池セルでは温度上昇による発電効率の低下をもたら
していた。しかし、本実施形態例の様に、第一の太陽光
発電パネル41にアモルファスシリコン太陽電池を用い
ることで、セル温度の上昇による発電効率の低下の問題
を除去することができる。次に、第一の太陽光発電パネ
ル41から反射された、先に述べた短波長側の成分から
なる太陽光は第一の集光器42に達し、ここで集光され
て光の強度が増した状態で、第二の太陽光発電パネル4
3に供給される。第一の集光器42は、ガラス製の鏡、
または、アルミニウムを蒸着させたガラス板を用いる。
第一の集光器42で集光された光は照射面積が小さくな
るので、第二の太陽光発電パネル43の面積も小型で済
み、この結果、シリコン系以外のコストが高いが変換効
率も良好なセルの適用も可能である。第二の太陽光発電
パネル43の全体の面積は小さいので、セルコストの高
いセルを使用しても、パネル全体のコスト上昇はそれほ
ど大きくなることは無い。発電に有効な光が高い強度で
入射するので、第二の太陽光発電パネル43の全体の面
積は小さくても有効な電力の取り出しが可能である。ち
なみに、光の強度が同一の条件で、集光した場合と、そ
うでない2つの場合について太陽光発電パネルの面積を
求めると、図19の通りであり、集光によってパネル面
積の低減が可能であることがわかる。
【0058】そこで、ここでは集光度を30とし、第二
の太陽光発電パネル43には、大きさを第一の太陽光発
電パネル41の1/30程度とした結晶系シリコン太陽
電池を使用した。第二の太陽光発電パネル43に照射さ
れる太陽光では0.4〜0.7ミクロンの波長成分が少
ないが、第一の太陽光発電パネル41でほとんど使用さ
れなかった0.7〜1.1ミクロンの波長の光が集光さ
れて届くので、面積が1/30となっても第一の太陽光
発電パネル41と同等程度の発電が可能である。また、
第二の太陽光発電パネル43には、セル温度の上昇原因
となる長波長光が照射されることも無いので、セル温度
の上昇とこれによる発電効率の低下がほとんど無いとい
う利点がある。
【0059】具体的な実施形態例としては、以下の通り
である。第一の太陽光発電パネル41としては、10c
m角のアモルファスシリコン太陽電池セルを張り合わせ
た、1m角のものを用いた。第一の集光器42には、ア
ルミニウムを蒸着させた多数のガラスを張合せた凹面鏡
を用い、集光度は30倍とした。これによって、第二の
太陽光発電パネル43の面積を1/30とし、6cm角
の結晶系シリコン太陽電池を9枚(3枚×3枚で並べ
る)使用した(パネルの1辺;18cm)。本太陽光発
電システムでは、第一の太陽光発電パネル41で9〜1
0%の変換効率で電力を得ることが出来た(日射強度;
1000w/cm2 の条件で、90〜100w)。これ
は、先に述べたように、セル温度の上昇原因となってい
た長波長光をセルの裏面まで透過させたことによる効果
であり、次に、第二の太陽光発電パネル43では、日射
強度;1000w/cm2 の条件で、100wの電力が
得られた。通常、結晶系シリコン太陽電池の変換効率は
約15%であり、これに比べるとやや低い10%の効率
である。この原因は、第一の太陽光発電パネル41で短
波長光が吸収されていることと、第一の太陽光発電パネ
ル41での反射が必ずしも十分でなく第一の集光器42
に集まらずに散乱される光が存在するためと考えられ
る。しかし、第二の太陽光発電パネル43では、0.7
〜1.1ミクロンの波長の光が有効に発電に利用されて
いると言える。
【0060】なお、本発明では、太陽光を有効に反射し
集光させるため、システム全体を、太陽光追尾装置上に
設置し、太陽光発電パネルが常に太陽の方向に向くよう
に制御した。
【0061】図18は本発明の他の実施形態例を示す構
成説明図である。図において、41は第一の太陽光発電
パネル、42は第一の集光器、43は第二の太陽光発電
パネル、51は第二の集光器、52は集熱体、53はタ
ンク、54は熱交換器である。第二の集光器51はアル
ミニウムを蒸着させたガラスからなり、集熱体52はア
ルミニウム製ヒートシンクを用いた。すなわち、太陽光
の長波長光の透過性を持つ第一の太陽光発電パネル4
1、第一の集光器42、第二の太陽光発電パネル43、
第二の集光器51、集熱体52、タンク53、および、
熱交換器54からなり、太陽光が第一の太陽光発電パネ
ル41に入射され、この第一の太陽光発電パネル41か
ら反射される光を第一の集光器42によって集光し、第
二の太陽光発電パネル43に照射し発電させ、前記第一
の太陽光発電パネル41を透過した長波長光を第二の集
光器51を通して集光後、集熱体52に導いて集熱し、
この集熱体52の熱をタンク53に導いて熱交換器54
で熱交換する。
【0062】本実施形態例においては、第一の太陽光電
池パネル41の後方に第二の集光器51を設けてあるの
で、第一の太陽光発電パネル41を透過した長波長の光
が第二の集光器51で集光され、その熱を集熱体52で
集めることが出来る。集められた熱は、熱交換器54を
介して、タンク53に蓄積され、さらに、このタンク5
3から外部の熱利用部に供給することが出来る。具体的
な熱量を求めたところ、日射強度;1000w/cm2
の条件において、1時間当たり170キロカロリーが得
られた。また、一日(6時間)運転したところ、45℃
の温水を50リットル得ることができた。
【0063】以上のように、本実施形態例によれば、入
射された太陽エネルギーを電力と共に熱としても利用す
ることが可能となり、エネルギー利用率の向上を図った
システムの実現が可能になる。
【0064】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、太陽
光の長波長光の透過性を持つ第一の太陽光発電パネルを
用い、このパネルで発電すると共に、透過した長波長の
太陽光から温度上昇の原因となる赤外線を除去した後、
集光して第二の太陽光発電パネルに照射して発電するよ
うにしている。
【0065】従って、第二の太陽光発電パネルの温度上
昇を防ぐことができ、入射された太陽エネルギーを極め
て高い効率で電力に変換することが可能となり、太陽エ
ネルギー利用率の向上を図ったシステムの実現が可能に
なる。そして、このシステムの実現にあたっては、第一
の太陽光発電パネルとして、コストの低いアモルファス
シリコン太陽光発電セルが適用可能であり、また、第二
の太陽光発電パネルでは、セルの発電面積の小型化が図
れるので、セルコストが高くとも発電効率が高い結晶系
シリコン太陽光発電セルやGaAs系太陽電池セルの適
用が可能となる。 また、本発明によれば単位面積当た
りの出力の増加を図ることも可能であり、一定出力を得
るために必要なパネル枚数も減少し、設備に占めるパネ
ルコストやパネル設置工事費の低減を図ることもでき、
大きな経済効果を得ることが出来る。以上述べたよう
に、本発明のような2段のセルの組み合わせによって、
小型・低コストで発電効率の高い発電システムの組み立
てが可能になる。さらに、本発明では、第一の太陽光発
電パネルを透過した、セル温度の上昇原因となり好まし
くない長波長の光を集光器で吸収することで除去するの
で、第二の太陽光発電パネルの温度上昇を防ぎ、太陽エ
ネルギーを効率良く電力に変換することが出来る。
【0066】また本発明によれば、太陽光の長波長の透
過性を持つ第一の太陽光発電パネルを用い、このパネル
で発電すると共に、透過した長波長の太陽光を集熱して
利用し、さらに第一の太陽光発電パネルで反射された短
波長の太陽光を集光して第二の太陽光発電パネルに照射
して発電するようにしている。
【0067】従って、入射された太陽エネルギーを電力
と共に熱としても利用することが可能となり、太陽エネ
ルギー利用率の向上を図ったシステムの実現が可能にな
る。そして、このシステムの実現にあたっては、比較的
コストの低いアモルファスシリコン太陽光発電セルの適
用が可能であり、また、反射光を集光させた後照射させ
る第二の太陽光発電パネルは、発電面積の小型化が図れ
るので、若干コストが高いが発電効率が高い結晶系シリ
コン太陽光発電セルが適用できる。このような2段のセ
ルの組み合わせによって、発電効率の高い発電システム
の組み立てが可能になる。さらに、本発明では、第一の
太陽光発電パネルを透過し、本来、セル温度の上昇原因
となり好ましくない長波長の光を後方で集光させ、これ
を熱として利用することができエネルギーの有効利用が
可能である。
【0068】また、第一のセルはフレネルレンズを呈し
たガラス基板の表面に直接形成する場合には、別の集光
体を使用する必要が無くなり、光が第二の太陽電池に到
達するまでに透過するガラス部の距離が短縮され、吸収
による光のロスを減少させることが出来る。さらに、レ
ンズとして機能する基板上にセルを作製することでレン
ズ部品を不要とし、太陽電池システムのコスト低減も図
ることが出来る。
【0069】したがって、コストの上昇を抑えた状態
で、単位面積当たりの出力増加を図ることが可能であ
る。また、これによって、一定出力を得るために必要な
パネル枚数も減少し、パネル設置工事費の低減も図るこ
とも出来、大きな経済効果を得ることが出来る。
【0070】また、第一と第二の太陽電池の間に、セル
温度の上昇原因となる長波長光の吸収フィルタを配置す
る場合には、第2の太陽光発電パネルの温度上昇を防ぐ
ことが出来、入射された太陽エネルギーを極めて高い効
率で電力に変換することが可能となり、太陽エネルギー
利用率の向上を図ったシステムの実現が可能になる。
【0071】なお、本発明では、上段に配置される第一
の光透過型の太陽電池セルで、集電用の電極として使用
される透明電極の構造として、透過する光量を低下させ
ない範囲内で透明電極部に厚みを増した部分を複数設け
る場合には、透明電極部での光の透過量の減少を抑えつ
つセル内での電圧降下を低減させることが出来、本発明
の積層集光式太陽電池から高い効率で発電電力を得るこ
とが出来る。
【0072】以上述べたように、本発明の上下2段構造
のセルの組み合わせによって、小型・低コストで発電効
率の高い発電システムの組み立てが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の一実施形態例を示す平面図、
(b)は(a)のA−A′線断面図である。
【図2】(a)は本発明における第一の太陽光発電パネ
ルの一例を示す平面図、(b)は本発明における集光器
の一例を示す平面図、(c)は本発明における第二の太
陽光発電パネルの一例を示す平面図である。
【図3】本発明で使用するシースルー型アモルファスシ
リコン太陽光発電セルの一例を示す斜視図である。
【図4】(a)は本発明における集光器に用いるガラス
製のフレネルレンズの1/2裏面図であり、(b)は
(a)のB−B′断面図である。
【図5】(a)は本発明で使用する太陽光発電パネルの
セルと集光器のレンズ部の取り付け状態を示す分解斜視
図、(b)は本発明で使用するレンズ部の表面図、
(c)は(b)のA方向側面図、(d)は(b)のB方
向側面図である。
【図6】本発明を実施した太陽光発電システムの構成例
を示し、(a)は上面図、(b)は(a)のA―A′線
断面図である。
【図7】本発明を実施した太陽光発電システムの下段の
パネルを示す平面図である。
【図8】本発明に係る第一の太陽光発電パネルの具体的
な構造を示し、(a)は上面図、(b)は(a)のA―
A′線断面図である。
【図9】本発明に係る太陽電池における光量と発電出力
の関係を示す特性図である。
【図10】本発明に係るアモルファスシリコン太陽電池
の作製プロセスを示す構成図である。
【図11】本発明に係るアモルファスシリコン太陽電池
の作製プロセスを示すフローチャートである。
【図12】本発明に係る第一の太陽電池(セル)の他の
例を示し、(a)は上面図、(b)は(a)のA―A′
線断面図である。
【図13】本発明に使用可能な凸レンズの形式を示し、
(a)はセルとレンズの取り付け状態を示す斜視図、
(b)はレンズ部の構造で、(b−1)は上面図、(b
−2)はA方向からの側面図、(b−3)はB方向から
の側面図である。
【図14】本発明に係る透明電極部の他の例を示し、
(a)は太陽光発電装置の外観図、(b)は(a)のA
―A′線断面図である。
【図15】本発明に係る結晶系シリコン太陽電池及びア
モルファスシリコン太陽電池からの発電出力の電圧―電
流特性を示す特性図である。
【図16】本発明に係るセル(太陽電池)と電力変換器
の結線状態を示す構成説明図である。
【図17】本発明の他の実施形態例を示す構成説明図で
ある。
【図18】本発明の他の異なる実施形態例を示す構成説
明図である。
【図19】本発明において、光の強度が同一の条件で、
集光した場合と、そうでない2つの場合について太陽光
発電パネルの面積の一例を示す説明図である。
【図20】太陽光発電の発電原理を示す説明図である。
【図21】地上で得られる太陽光強度とシリコン系太陽
光発電セルの感度特性の一例を示す特性図である。
【図22】従来の太陽光発電システムを示す構成説明図
である。
【符号の説明】
11…P型半導体、12…N型半導体、13…太陽光、
14…電子、15…正孔、16…導線、17…電球、3
2…電圧調整器、33…負荷、34…蓄電池、41…第
一の太陽光発電パネル、42…集光器、43…第二の太
陽光発電パネル、44…第一の太陽光発電パネル内のセ
ル、45…第二の太陽光発電パネル内のセル、46…レ
ンズ部、47…通気孔、51…第二の集光器、52…集
熱体、53…タンク、54…熱交換器、61…ガラス基
板、62…透明電極、63…アモルファスシリコン層、
64…裏面電極、65…小孔。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 太陽光の短波長領域の光で発電する第一
    の太陽光発電パネル、赤外線吸収機能を持った材料から
    構成された集光器、および、主に前記第一の太陽光発電
    パネルでの発電に使用されない波長領域の光で発電する
    第二の太陽光発電パネルからなり、 第一の太陽光発電パネルを透過した光を前記集光器によ
    って集光し、第二の太陽光発電パネルに照射し発電させ
    ることを特徴とする太陽光発電システム。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の太陽光発電システムにお
    いて、 第一の太陽光発電パネルが光透過型のアモルファスシリ
    コン太陽光発電セルから構成され、 第二の太陽光発電パネルが結晶系シリコン太陽光発電セ
    ル、もしくはGaAsを主成分とする太陽光発電セルか
    ら構成されていることを特徴とする太陽光発電システ
    ム。
  3. 【請求項3】 太陽光の短波長領域の光で発電する光透
    過性の第一の太陽電池セル、および、主に前記第一の太
    陽電池セルでの発電に使用されない波長領域の光で発電
    する第二の太陽電池セルからなり、 第一の太陽電池セルは前記集光体を兼ねた基板表面に形
    成され、第一の太陽電池セルを透過し、前記基板によっ
    て集光された光が、第二の太陽電池セルに照射されてい
    るように構成されていることを特徴とする太陽光発電シ
    ステム。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の太陽光発電システムであ
    って、 第一の太陽電池セルが光透過型で、シリコンを主成分と
    するアモルファス薄膜太陽電池から構成され、 第二の太陽電池セルがシリコンを主成分とする結晶系太
    陽電池、もしくは、GaAsを主成分とする太陽電池か
    ら構成され、 集光体はガラス製で凸レンズ、もしくは、フレネルレン
    ズであることを特徴とする太陽光発電システム。
  5. 【請求項5】 請求項3記載の太陽光発電システムであ
    って、 第一の太陽電池セルと第二の太陽電池セルの間には、空
    間を有し、この部分に赤外線吸収体が設けられているこ
    とを特徴とする太陽光発電システム。
  6. 【請求項6】 請求項4記載の太陽光発電システムに適
    用される、光透過型の第一の太陽電池セルであって、 アモルファスシリコンからなる薄膜を2つの透明電極の
    間に配置することで1個の発電部が形成され、前記透明
    電極は均一な厚みの層とその表面に重ねて形成される尾
    根状の肉厚部からなり、尾根状の部分は発電部の直列接
    続方向と平行な方向に一個以上形成されていることを特
    徴とする太陽光発電システム。
  7. 【請求項7】 太陽光の長波長光の透過性を持つ第一の
    太陽光発電パネル、集光器、および、第二の太陽光発電
    パネルからなり、 第一の太陽光発電パネルから反射される光を前記集光器
    によって集光し、第二の太陽光発電パネルに照射し発電
    させることを特徴とする太陽光発電システム。
  8. 【請求項8】 太陽光の長波長光の透過性を持つ第一の
    太陽光発電パネル、第一の集光器、第二の太陽光発電パ
    ネル、第二の集光器、および、集熱体からなり、 第一の太陽光発電パネルから反射される光を第一の集光
    器によって集光し、第二の太陽光発電パネルに照射し発
    電させ、 第一の太陽光発電パネルを透過した長波長光を第二の集
    光器を通して集光後、集熱体に導くように構成したこと
    を特徴とする太陽光発電システム。
  9. 【請求項9】 請求項1、3、7又は8記載の太陽光発
    電システムであって、 第一の太陽光発電パネルに設けられた第一の太陽電池の
    出力が直列に接続されて専用の電力変換器に入力され、 第二の太陽光発電パネルに設けられた第二の太陽電池の
    出力も直列に接続されて専用の電力変換器に入力され、 前記各電力変換器の出力を個別、もしくは一体として使
    用することを特徴とする太陽光発電システム。
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