JP2000155084A - 原子間力顕微鏡、それを用いた表面形状の測定方法及び磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

原子間力顕微鏡、それを用いた表面形状の測定方法及び磁気記録媒体の製造方法

Info

Publication number
JP2000155084A
JP2000155084A JP10330564A JP33056498A JP2000155084A JP 2000155084 A JP2000155084 A JP 2000155084A JP 10330564 A JP10330564 A JP 10330564A JP 33056498 A JP33056498 A JP 33056498A JP 2000155084 A JP2000155084 A JP 2000155084A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
measured
probe
substance
shape
atomic force
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10330564A
Other languages
English (en)
Inventor
Kouji Tani
谷  弘詞
Yoko Ogawa
陽子 小川
Masanori Inoue
雅典 井上
Takaaki Shirokura
高明 白倉
Koji Sonoda
幸司 園田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP10330564A priority Critical patent/JP2000155084A/ja
Publication of JP2000155084A publication Critical patent/JP2000155084A/ja
Priority to US10/309,278 priority patent/US6989535B2/en
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01QSCANNING-PROBE TECHNIQUES OR APPARATUS; APPLICATIONS OF SCANNING-PROBE TECHNIQUES, e.g. SCANNING PROBE MICROSCOPY [SPM]
    • G01Q60/00Particular types of SPM [Scanning Probe Microscopy] or microscopes; Essential components thereof
    • G01Q60/24AFM [Atomic Force Microscopy] or apparatus therefor, e.g. AFM probes
    • G01Q60/38Probes, their manufacture, or their related instrumentation, e.g. holders
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y35/00Methods or apparatus for measurement or analysis of nanostructures
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/84Processes or apparatus specially adapted for manufacturing record carriers
    • G11B5/8408Processes or apparatus specially adapted for manufacturing record carriers protecting the magnetic layer
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10STECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10S977/00Nanotechnology
    • Y10S977/84Manufacture, treatment, or detection of nanostructure
    • Y10S977/849Manufacture, treatment, or detection of nanostructure with scanning probe
    • Y10S977/852Manufacture, treatment, or detection of nanostructure with scanning probe for detection of specific nanostructure sample or nanostructure-related property

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Nanotechnology (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Radiology & Medical Imaging (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)
  • Magnetic Record Carriers (AREA)
  • Length Measuring Devices With Unspecified Measuring Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】軟質物の表面形状や、物体表面に付着した軟質
の付着物自体の表面形状を測定すること可能な原子間力
顕微鏡を提供すること。 【解決手段】被測定物質6の表面と、これと微小間隔を
もって近接する探針1との間に生じる現象を用いて被測
定物質6表面の形状を測定する原子間力顕微鏡におい
て、探針1の先端部分の表面エネルギーを、この先端部
分と被測定物質との間の界面エネルギーより低くなるよ
うに、探針1の少なくとも先端部分表面の材質を定める
ようにした原子間力顕微鏡。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、物体表面原子とそ
れに近接させた探針原子との間に働く、極微弱な原子間
力を用いて物体表面の形状を測定する原子間力顕微鏡、
それを用いた表面形状の測定方法及び磁気記録媒体の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、物体の微細な表面形状を極めて忠
実に観察できる原子間力顕微鏡(AFMとも呼ばれる)
が市販されている。その原理は、例えば特開平5−16
4514号公報、特開平6−88723号公報及び特開
平7−325090号公報等に記載されているように、
物体表面原子とそれに近接させた探針原子との間に働
く、極微弱な原子間力を検出して予め設定された値にな
るように高さ位置(Z方向位置)を調節し、X−Y微動
ステージを走査したときのその各位置におけるZ方向位
置をプロットすることにより、物体の表面形状を原子的
な寸法で観察するものである。
【0003】従来、この原子間力顕微鏡用の探針として
は、特開平8−193941号公報や特開平10−90
287号公報等に開示されているように、シリコン系の
材質を用いることが一般的であった。
【0004】一方、従来の磁気ディスクの製造方法は、
基板上に、非磁性下地膜、磁性膜、保護膜を形成し、そ
の上に液体潤滑剤を塗布して行なっていた。液体潤滑剤
は、磁気ヘッドと磁気ディスクが接触した際の摩耗を低
減する目的で塗布されている。そのため、液体潤滑剤の
量が少ないと摩耗が大きくなり、また逆に多すぎたとき
は磁気ヘッドと磁気ディスクが吸着し、磁気ディスク装
置が起動しないといった問題が発生する。そのため特開
平7−192255号公報には、潤滑剤の平均膜厚をF
TIR(フーリエ変換赤外分光光度計)等で測定するだ
けでなく、X線光電子分光法を用いて潤滑剤の被覆状態
を測定し、潤滑剤が島状に付着しているようにした磁気
ディスクの製造方法、磁気ディスクの評価方法が開示さ
れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の原子間力顕
微鏡は、一般にその探針の表面エネルギーが高いため、
物体表面に極微量に付着した油脂等の軟質付着物があっ
た場合、その軟質付着物が探針に付着し、かつ、その軟
質付着物を引きずってしまうため、物体の表面形状を測
定する際の障害となるという問題があった。
【0006】また、上記従来の磁気ディスクの製造方法
は、短時間の測定によって、潤滑特性を十分に制御した
磁気ディスクを得ることが困難であるという問題があっ
た。FTIRによる測定は、平均膜厚のみを測定評価す
るものであり、測定した値を用いて潤滑特性を十分に制
御することは困難である。また、X線光電子分光法を用
いた測定は、真空中で試料を保持して測定するため、真
空にする時間が必要で、短時間の測定が困難であるうえ
に、潤滑剤が島状に分布していること、島状の潤滑剤の
膜厚が等しいことを仮定しているため、誤った評価を行
なう可能性がある等の問題があった。特に、近年記録密
度の急激な増加により磁気ヘッドの浮上量が25nmと
いう値にまで低下してきている磁気ディスクにおいて、
その表面に付着させている10nm程度以下の極薄い潤
滑膜の付着している形態を観察する必要性が高まってお
り、上記従来の磁気ディスクの製造方法は、それに十分
に対応することが困難であった。
【0007】本発明の第1の目的は、軟質物の表面形状
や、物体表面に付着した軟質の付着物自体の表面形状を
測定すること可能な原子間力顕微鏡を提供することにあ
る。本発明の第2の目的は、そのような原子間力顕微鏡
を用いた表面形状の測定方法を提供することにある。本
発明の第3の目的は、磁気ディスクの表面に付着した潤
滑膜の表面形状の測定工程を有する磁気ディスクの製造
方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために、本発明の原子間力顕微鏡は、被測定物質表面
と、これと微小間隔をもって近接する探針との間に生じ
る現象を用いて被測定物質表面の形状を測定するもので
あって、探針の先端部分の表面エネルギーが、この先端
部分と被測定物質との間の界面エネルギーより低くなる
ように、探針の少なくとも先端部分表面の材質を定める
ようにしたものである。
【0009】また、上記第1の目的を達成するために、
本発明の原子間力顕微鏡は、被測定物質表面と、これと
微小間隔をもって近接する探針との間に生じる現象を用
いて被測定物質表面の形状を測定するものであって、探
針の少なくとも先端部分表面にフルオロアルキル基を含
んだフッ素系コーティング膜で溶媒に不溶の膜が存在す
るようにしたものである。
【0010】また、上記第1の目的を達成するために、
本発明の原子間力顕微鏡は、被測定物質表面と、これと
微小間隔をもって近接する探針との間に生じる現象を用
いて被測定物質表面の形状を測定するものであって、探
針の先端部分の表面エネルギーを40dyn/cm以下
とするようにしたものである。
【0011】また、上記第2の目的を達成するために、
本発明の表面形状の測定方法は、被測定物質表面に微小
間隔をもって探針を近接させ、被測定物質表面と探針と
の間に生じる原子間力を測定し、被測定物質表面の形状
を測定するものであって、探針の先端部分の表面エネル
ギーを、この先端部分と被測定物質との間の界面エネル
ギーより低くなるように、探針の少なくとも先端部分表
面の材質を定めるようにしたものである。
【0012】また、上記第2の目的を達成するために、
本発明の表面形状の測定方法は、被測定物質表面に微小
間隔をもって探針を近接させ、被測定物質表面と探針と
の間に生じる原子間力を測定し、被測定物質表面の形状
を測定するものであって、探針の少なくとも先端部分の
表面にフルオロアルキル基を含んだフッ素系コーティン
グ膜で溶媒に不溶の膜を設けるようにしたものである。
【0013】また、上記第2の目的を達成するために、
本発明の表面形状の測定方法は、被測定物質表面に微小
間隔をもって探針を近接させ、被測定物質表面と探針と
の間に生じる原子間力を測定し、被測定物質表面の形状
を測定するものであって、探針の少なくともその先端部
分を、予め、フルオロアルキル基を含んだフッ素系コー
ティング材料の溶液に浸積し、加熱してフッ素系コーテ
ィング膜を形成するようにしたものである。
【0014】いずれの場合も、探針の先端部分とは、先
端から被測定物質表面の最大面粗さの長さの範囲であ
る。つまり、被測定物質表面の最大面粗さが20nmで
あれば、先端から20nmの間である。また、探針の少
なくともその先端部分を、予め、フルオロアルキル基を
含んだフッ素系コーティング材料の溶液に浸積し、加熱
してフッ素系コーティング膜を形成する場合、好ましい
加熱温度は、100℃以上、400℃以下である。
【0015】また、上記第3の目的を達成するために、
本発明の磁気記録媒体の製造方法は、基板表面に、少な
くとも磁性膜を形成し、磁性膜上に、直接又は保護膜を
介して液体潤滑剤からなる潤滑膜を形成し、さらに上記
の何れかの原子間力顕微鏡の探針を潤滑膜表面に微小間
隔をもって近接させ、潤滑膜表面と探針との間に生じる
原子間力を測定して潤滑膜表面の形状を測定し、この形
状から算出される潤滑膜の被覆率が所望の範囲にある磁
気記録媒体を選択するようにしたものである。
【0016】本発明の作用について説明する。探針の先
端に軟質付着物が付着するということは、先端材料と軟
質付着物との間に界面が生じることである。探針の先端
部分の表面エネルギーを、この先端部分と被測定物質と
の間の界面エネルギーより低くなるようすると、界面を
作るより元の表面のままでいた方がエネルギー的に低い
ために軟質付着物が付着しない。また、エネルギー的に
同等の場合は、付着による液滴の変形により表面積が増
加し、液滴の表面エネルギーが増加するため、付着が発
生しない。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を用いて詳細に説明する。フッ素コーティング用溶液
は、フルオロアルキル基を含んだフッ素化合物の溶液で
ある住友3M社製フロラードFC722(商標、以後
(R)と付す)を、住友3M社製FC726(R)(フ
ルオロカーボン系溶媒)で30倍に希釈して用いた。単
結晶シリコンの探針をこの溶液に1分間浸漬した後、5
0℃、80℃、100℃、150℃で60分熱処理を行
なったもの及び100℃で熱処理時間を10分、30
分、60分と変化させたものを作成した。さらに一部の
試料は、熱処理後にフッ素系溶媒である住友3M社製フ
ロリナートFC3255(R)に1分間浸漬してリンス
処理を行なった。さらに1つの試料は、リンス処理後、
最終熱処理として、150℃で60分熱処理を行なっ
た。
【0018】また、比較例として、何ら処理をしないも
の、フッ素コーティング用溶液に、探針を1分間浸漬し
たのみで、熱処理もリンス処理も行なわないもの、探針
を1分間浸漬し、熱処理を行なわないで、リンス処理の
み行なったものを作成した。表1にこれらの処理条件を
示す。
【0019】
【表1】
【0020】表面エネルギー測定の試料として、シリコ
ンウエハにも上記と同じ処理を行なったものを作成し
た。表面エネルギーの測定は、各種の試験液滴を滴下し
たときの接触角を測定し、各試験液滴の表面張力とその
接触角とのグラフを作成して接触角が0°になるときの
表面張力を外挿して求め、そのときに対応する表面張力
をその材料の表面エネルギーとする、いわゆるジスマン
プロットを作成して求めた。
【0021】一方、磁気ディスクを次ぎのようにして製
造した。アルミ合金基板の上にNi−Pめっき膜を形成
し、その上にCr下地膜、Co−Cr−Ta合金磁性
膜、カーボン保護膜をスパッタリングで形成し、その上
にパーフルオロポリエーテルの液体潤滑剤を塗布した。
液体潤滑剤は、フォンブリンZ−DOL(R)を600
ppm、1400ppmの濃度で、浸漬時間3分、引き
上げ速度1分で浸漬塗布した。塗布した潤滑剤の厚さは
FTIRによりC−F結合の赤外吸光度から求めた値で
0.9nm、1.8nmである。また、表面観察のた
め、液体潤滑剤を塗布しないものも作成した。
【0022】これらの磁気ディスクの表面形状を本発明
のAFMにより測定した。使用したAFMはデジタルイ
ンストルメンタント社製のD3000(R)であり、カ
ンチレバーはタッピングモード用の単結晶シリコンカン
チレバーNCH−W(R)を用い、全てタッピングモー
ドで測定した。カンチレバーは図9に示すような形状を
しており、図中三角形の先端部分が探針1であり、前述
のように単結晶シリコンからなる。カンチレバー全体の
表面をフッ素系コーティング膜2で覆ったが、カンチレ
バーの探針先端部分だけ、例えば、先端から30nm程
度の間でもよいが、余裕を見て先端から50nm程度の
間を覆うのが好ましい。
【0023】これらの測定結果を図1から図5に示す。
図1は、比較例1とした未処理の探針、すなわち、従来
のシリコン探針そのままを用いて測定した場合の潤滑剤
のない磁気ディスクの表面形状の顕微鏡写真、図2は、
同じ探針で潤滑剤を塗布した磁気ディスクの表面形状の
顕微鏡写真である。磁気ディスクは、潤滑剤の膜厚が
0.9nmのものである。高さ方向の値は像の明るさの
度合いで表されており、明るい部分が他の部分より高い
ことを示す。表示面積は、図1及び図2(b)が100
nm四方であり、図2(a)が500nm四方であり、
図2(b)は図2(a)の一部を拡大したものである。
また高さスケールの最大値は10nmである。
【0024】この場合、どちらの磁気ディスクに対して
も像が鮮明とならず、図中に示したようにかろうじてカ
ーボン保護膜表面の微細な凹凸が見えるに過ぎず、潤滑
剤や表面汚染物質の形態を見分けることはできない。
【0025】次に、実施例5の探針を用いた結果を図
3、図4に示す。図3は潤滑剤を塗布しなかった磁気デ
ィスク表面についての測定結果であり、図4は、潤滑剤
を塗布した磁気ディスクの表面についての測定結果であ
る。図3(a)、(b)、図4(a)、(b)は、それ
ぞれ図2(a)、(b)と表示面積が同じであり、ま
た、各図とも高さのスケールも同じである。
【0026】まず、図3の潤滑剤を塗布しなかった磁気
ディスクについての結果を見ると、特に図3(b)を見
ると、丸く黒っぽい部分の回りを白い線状のものが取り
巻いていることがはっきりと見て取れる。白い部分は高
い部分であるので、丸い部分の回りに壁のように何かが
付着していることが分かる。この付着物は表面汚染物質
であり、丸い黒い部分はカーボン保護膜表面の凸部と推
定している。
【0027】次に、図4の潤滑剤を塗布した磁気ディス
クについての結果を見ると、特に図4(b)を見ると、
表面汚染物質の場合ほどコントラストがなく、高さにあ
まり違いがないことが分かるが、やはり丸い部分の回り
に帯状の物が付着していることが分かる。この帯状の部
分が潤滑剤であり、丸い部分はカーボン保護膜表面の凸
部と推定している。
【0028】さらに潤滑剤を塗布した磁気ディスクの表
面を拡大した斜視図が図5である。潤滑剤表面にさらに
構造があり、ステップ状になっていることまで鮮明に捕
らえることができた。
【0029】このように、表面汚染物質や潤滑剤の付着
の形態、さらに液体潤滑剤の表面構造までが、数nmレ
ベルで鮮明に捕らえられたのはこれまででも初めてのこ
とである。
【0030】この実施例5と比較例1の探針を潤滑剤を
塗布した磁気ディスクの表面に接触した後、引き離すと
きの探針に作用する力をフォースカーブとして測定し、
その最大値から探針を表面から引き離す際の吸着力を求
めたところ、実施例5の場合には比較例の場合の10分
の1に激減していることが分かった。比較例1の場合は
潤滑剤が探針の先端に付着してしまうため吸着力が高い
が、実施例5の場合フッ素コーティングにより潤滑剤が
探針の先端に付着し難くなったために吸着力が激減した
ものと考えられる。
【0031】表1に示した各実施例、比較例について上
記吸着力を測定した結果を図6及び図7に示す。図6
は、熱処理温度と吸着力の関係を示す。熱処理時間は6
0分である。熱処理温度25℃のものは比較例1、3で
ある。フッ素コーティングした探針を用いることによ
り、吸着力が低下し、好適であることが分かる。特に、
熱処理温度が100℃以上であるものが望ましい。熱処
理温度は400℃以下が好ましい。また、リンス処理を
したものが望ましい。特に吸着力が20nN以下が好ま
しいが、熱処理温度が100℃以上でリンス処理をする
ことにより、この条件を満たすようになる。20nN以
下の吸着力のものでは、水に対する接触角は140°以
上になる。
【0032】図7は、熱処理時間と吸着力との関係を示
す。熱処理温度は150℃である。特に好適な吸着力で
ある20nN以下なるためには、30分以上の熱処理時
間が必要であることが分かる。
【0033】一方、前述のシリコンウエハに形成したフ
ッ素コーティング膜について、AFMにより表面エネル
ギーを測定した結果をそのコーティング条件での表面エ
ネルギーとみなして、上記吸着力との相関を取ったもの
が図8である。本図より、表面エネルギーと吸着力との
間には相関があることが分かる。表面エネルギーは約4
0dyn/cm以下が好ましく、20dyn/cm以下
がより好ましい。前記した特に好適な吸着力である20
nN以下の探針とするためには、表面エネルギーを20
dyn/cm以下、0dyn/cmより大きくすること
で達成できることが分かる。
【0034】図10は、本発明の一実施例のAFMの概
略構成図である。被測定物質6と微小間隙をもって対向
する探針1に前記実施例の何れかのものを用いる。片持
ち梁のレバー3は、一端に探針1を支持し、他端は支持
体4に支持される。探針1の変位を検出する変位検出器
5は、光干渉計、光てこ等が用いられる。
【0035】次ぎに、このAFMを用いて潤滑剤の被覆
率測定した例を示す。前述の方法で磁気ディスクを製造
した。前記のように潤滑剤の平均膜厚は、0.9nm、
1.8nmである。さらに平均膜厚0.9nmの磁気デ
ィスクを潤滑剤の塗布に用いた溶剤でリンスすると潤滑
剤の平均膜厚が0.4nmの磁気ディスクが得られた。
【0036】実施例11の探針を用いたAFMにより、
潤滑剤がカーボン保護膜の表面を被覆している面積の測
定面積に対す比率を求めた。潤滑剤の平均膜厚1.8n
mのものが被覆率100%、0.9nmのものが43
%、0.4nmのものが13%であった。この測定に要
した時間は、1試料約5分であった。
【0037】この磁気ディスクを用いて、コンタクトス
タートストップ(CSS)試験と言われる摩擦摩耗試験
を行なった。この試験に用いた磁気ヘッドは荷重3g
f、ヘッド長さ1.2mm、ヘッドスライダー面にはカ
ーボン保護膜が形成されているものを用いた。磁気ヘッ
ド浮上量は40nm、磁気ディスクの回転数は7200
rpmである。
【0038】CSS回数30000回行なったときの摩
擦力を比較すると、被覆率100%の磁気ディスクでは
2.1gf、被覆率43%の磁気ディスクでは2.3g
f、被覆率13%の磁気ディスクでは5.8gfであっ
た。この結果より被覆率が極端に小さくなると摩擦力が
大きくなると考えられる。潤滑剤の好ましい被覆率は4
3〜100%であり、特に好ましい被覆率は55〜10
0%である。
【0039】このデータに基づき、前記のように磁気デ
ィスクを製造し、潤滑剤の被覆率が上記の範囲のものを
選び出した。これにより、信頼性の高い磁気ディスクを
得ることができた。
【0040】
【発明の効果】本発明の原子間力顕微鏡により、軟質物
の表面形状や、固体表面の薄膜液体等のような物体表面
に付着した軟質の付着物自体の表面形状を測定すること
可能となった。また、そのような原子間力顕微鏡を用い
て、磁気ディスク上の潤滑剤等のような軟質物の表面形
状の測定をすることができた。さらにまた、磁気ディス
クの表面に付着した潤滑膜の表面形状の測定工程を有す
る磁気ディスクの製造方法を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】比較例1の探針を用いた潤滑剤のない磁気ディ
スク表面のAFM写真。
【図2】比較例1の探針を用いた潤滑剤のある磁気ディ
スク表面のAFM写真。
【図3】実施例5の探針を用いた潤滑剤のない磁気ディ
スク表面のAFM写真。
【図4】実施例5の探針を用いた潤滑剤のある磁気ディ
スク表面のAFM写真。
【図5】本発明の探針を用いた磁気ディスク表面の潤滑
剤のAFM写真。
【図6】熱処理温度と吸着力の関係を示す図。
【図7】熱処理時間と吸着力の関係を示す図。
【図8】表面エネルギーと吸着力の関係を示す図。
【図9】本発明の一実施例のカンチレバーの断面模式
図。
【図10】本発明の一実施例のAFMの概略構成図。
【符号の説明】
1…探針 2…フッ素系コーティング膜 3…レバー 4…支持体 5…変位検出器 6…被測定物質
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井上 雅典 神奈川県小田原市国府津2880番地 株式会 社日立製作所ストレージシステム事業部内 (72)発明者 白倉 高明 神奈川県小田原市国府津2880番地 株式会 社日立製作所ストレージシステム事業部内 (72)発明者 園田 幸司 神奈川県小田原市国府津2880番地 株式会 社日立製作所ストレージシステム事業部内 Fターム(参考) 2F069 AA60 BB17 DD01 DD08 DD13 GG04 GG52 GG62 HH05 HH09 LL03 RR03

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被測定物質表面と、これと微小間隔をもっ
    て近接する探針との間に生じる現象を用いて上記被測定
    物質表面の形状を測定する原子間力顕微鏡において、上
    記探針の先端部分の表面エネルギーが、該先端部分と上
    記被測定物質との間の界面エネルギーより低くなるよう
    に、上記探針の少なくとも先端部分表面の材質を定めた
    ことを特徴とする原子間力顕微鏡。
  2. 【請求項2】被測定物質表面と、これと微小間隔をもっ
    て近接する探針との間に生じる現象を用いて上記被測定
    物質表面の形状を測定する原子間力顕微鏡において、上
    記探針の少なくとも先端部分表面にフルオロアルキル基
    を含んだフッ素系コーティング膜で溶媒に不溶の膜が存
    在することを特徴とする原子間力顕微鏡。
  3. 【請求項3】被測定物質表面と、これと微小間隔をもっ
    て近接する探針との間に生じる現象を用いて上記被測定
    物質表面の形状を測定する原子間力顕微鏡において、上
    記探針の先端部分の表面エネルギーを40dyn/cm
    以下とすることを特徴とする原子間力顕微鏡。
  4. 【請求項4】被測定物質表面に微小間隔をもって探針を
    近接させ、上記被測定物質表面と上記探針との間に生じ
    る原子間力を測定し、上記被測定物質表面の形状を測定
    する表面形状の測定方法において、上記探針の先端部分
    の表面エネルギーを、該先端部分と上記被測定物質との
    間の界面エネルギーより低くなるように、上記探針の少
    なくとも先端部分表面の材質を定めたことを特徴とする
    表面形状の測定方法。
  5. 【請求項5】被測定物質表面に微小間隔をもって探針を
    近接させ、上記被測定物質表面と上記探針との間に生じ
    る原子間力を測定し、上記被測定物質表面の形状を測定
    する表面形状の測定方法において、上記探針の少なくと
    も先端部分の表面にフルオロアルキル基を含んだフッ素
    系コーティング膜で溶媒に不溶の膜を設けたことを特徴
    とする表面形状の測定方法。
  6. 【請求項6】被測定物質表面に微小間隔をもって探針を
    近接させ、上記被測定物質表面と上記探針との間に生じ
    る原子間力を測定し、上記被測定物質表面の形状を測定
    する表面形状の測定方法において、上記探針の少なくと
    もその先端部分を、予め、フルオロアルキル基を含んだ
    フッ素系コーティング材料の溶液に浸積し、加熱してフ
    ッ素系コーティング膜を形成することを特徴とする表面
    形状の測定方法。
  7. 【請求項7】上記被測定物質は、磁気記録媒体表面に配
    置された潤滑膜であることを特徴とする請求項4、5又
    は6記載の表面形状の測定方法。
  8. 【請求項8】基板表面に、少なくとも磁性膜を形成し、
    該磁性膜上に、直接又は保護膜を介して液体潤滑剤から
    なる潤滑膜を形成する磁気記録媒体の製造方法におい
    て、請求項1、2又は3記載の原子間力顕微鏡の上記探
    針を上記潤滑膜表面に微小間隔をもって近接させ、上記
    潤滑膜表面と上記探針との間に生じる原子間力を測定し
    て上記潤滑膜表面の形状を測定し、該形状から算出され
    る上記潤滑膜の被覆率が所望の範囲にある上記磁気記録
    媒体を選択することを特徴とする磁気記録媒体の製造方
    法。
JP10330564A 1998-11-20 1998-11-20 原子間力顕微鏡、それを用いた表面形状の測定方法及び磁気記録媒体の製造方法 Pending JP2000155084A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10330564A JP2000155084A (ja) 1998-11-20 1998-11-20 原子間力顕微鏡、それを用いた表面形状の測定方法及び磁気記録媒体の製造方法
US10/309,278 US6989535B2 (en) 1998-11-20 2002-12-04 Atomic force microscopy, method of measuring surface configuration using the same, and method of producing magnetic recording medium

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10330564A JP2000155084A (ja) 1998-11-20 1998-11-20 原子間力顕微鏡、それを用いた表面形状の測定方法及び磁気記録媒体の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000155084A true JP2000155084A (ja) 2000-06-06

Family

ID=18234067

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10330564A Pending JP2000155084A (ja) 1998-11-20 1998-11-20 原子間力顕微鏡、それを用いた表面形状の測定方法及び磁気記録媒体の製造方法

Country Status (2)

Country Link
US (1) US6989535B2 (ja)
JP (1) JP2000155084A (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4403585B2 (ja) * 2005-10-06 2010-01-27 並木精密宝石株式会社 探針及びカンチレバー
US7599213B2 (en) * 2006-05-01 2009-10-06 Seagate Technology Llc Low surface energy coatings in probe recording
US9293152B2 (en) 2012-01-25 2016-03-22 International Business Machines Corporation Abrasion test methods and devices

Family Cites Families (23)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6163917A (ja) * 1984-09-05 1986-04-02 Matsushita Electric Ind Co Ltd 磁気記録媒体及びその製造方法
JPH0412547A (ja) 1990-05-02 1992-01-17 Toshiba Corp 膜厚分布測定装置
US5193383A (en) * 1990-07-11 1993-03-16 The United States Of America As Represented By The Secretary Of The Navy Mechanical and surface force nanoprobe
JP2912694B2 (ja) * 1990-09-07 1999-06-28 松下電器産業株式会社 記録再生装置
JPH05164514A (ja) 1991-12-19 1993-06-29 Advantest Corp トンネル顕微鏡及び原子間力顕微鏡両用探針
JPH0688723A (ja) 1992-09-08 1994-03-29 Hitachi Constr Mach Co Ltd 原子間力顕微鏡
JPH06267109A (ja) 1993-03-15 1994-09-22 Matsushita Electric Ind Co Ltd 記録媒体及びその製造方法
JPH06264217A (ja) 1993-03-15 1994-09-20 Canon Inc プローブ及びそれを用いた走査型プローブ顕微鏡並びに情報処理装置
JPH07121916A (ja) 1993-10-26 1995-05-12 Canon Inc 探針機構、該探針機構の駆動方法および前記探針機構を備えたメモリー装置
JPH07130013A (ja) 1993-11-04 1995-05-19 Canon Inc 探針走査機構及び走査型トンネル顕微鏡を応用したメモリー装置
JP2500373B2 (ja) 1993-11-09 1996-05-29 工業技術院長 原子間力顕微鏡及び原子間力顕微鏡における試料観察方法
JP3449637B2 (ja) 1993-12-28 2003-09-22 Hoya株式会社 磁気記録媒体及びその製造方法並びに磁気記録媒体の評価方法
US5509300A (en) * 1994-05-12 1996-04-23 Arizona Board Of Regents Acting For Arizona State University Non-contact force microscope having a coaxial cantilever-tip configuration
US5753814A (en) * 1994-05-19 1998-05-19 Molecular Imaging Corporation Magnetically-oscillated probe microscope for operation in liquids
JP3364531B2 (ja) 1994-05-31 2003-01-08 日立建機株式会社 光てこ方式の走査型プローブ顕微鏡及び原子間力顕微鏡
US5750747A (en) * 1994-12-14 1998-05-12 Hitachi Maxell, Ltd. Organic triblock compound solid lubricant comprising the same and magnetic recording medium
US5843561A (en) * 1994-12-22 1998-12-01 Fuji Electric Co., Ltd. Magnetic recording medium and method for manufacturing the same
JPH08193341A (ja) 1995-01-17 1996-07-30 Hitachi Constr Mach Co Ltd 無限軌道走行体の泥よけ装置
DE69622928T2 (de) * 1995-05-29 2002-12-12 Fuji Photo Film Co Ltd Verfahren zur Herstellung von Schutzschichten aus Siliziumdioxid
JPH1090287A (ja) 1996-09-12 1998-04-10 Nikon Corp 原子間力顕微鏡用プローブ及びその製造方法
US6249403B1 (en) * 1997-05-23 2001-06-19 Hitachi, Ltd. Magnetic hard disk drive and process for producing the same
JP3334611B2 (ja) * 1997-06-24 2002-10-15 日本板硝子株式会社 撥水性物品の製造方法、撥水性物品および撥水性被膜形成用溶液
JP3978818B2 (ja) * 1997-08-08 2007-09-19 ソニー株式会社 微小ヘッド素子の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
US6989535B2 (en) 2006-01-24
US20030150990A1 (en) 2003-08-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Bhushan et al. Micro/nanoscale friction and wear mechanisms of thin films using atomic force and friction force microscopy
Tao et al. Surface modification of AFM silicon probes for adhesion and wear reduction
Tani Observation of PFPE lubricant film on magnetic disk surface by atomic force microscopy
Perry et al. Adhesion and friction properties of hydrogenated amorphous carbon films measured by atomic force microscopy
JP2000155084A (ja) 原子間力顕微鏡、それを用いた表面形状の測定方法及び磁気記録媒体の製造方法
US20010009729A1 (en) Magnetic recording media
Mate et al. Determination of lubricant film thickness on a particulate disk surface by atomic force microscopy
Suh et al. Effect of molecularly thin lubricant on roughness and adhesion of magnetic disks intended for extremely high-density recording
Khurshudov et al. In situ quantitative analysis of nano-scale lubricant migration at the slider–disk interface
JP4773325B2 (ja) 磁気記録媒体の製造方法および評価方法
Gui et al. Slip sliding away: A novel head–disk interface and its tribology
Ishii et al. Simultaneous measurement of pin wear and change in lubricant thickness on thin-film magnetic disks
Dai et al. Tribological issues in perpendicular recording media
Zhao et al. Effect of environmental humidity on the friction/stiction and durability of lubricated magnetic thin-film disks
Kennedy et al. Fractal analysis of hard disk surface roughness and correlation with static and low-speed friction
Jiaa et al. Opportunities and challenges for near contact recording
JPH05234072A (ja) 磁気ディスク媒体の評価方法、磁気ディスク媒体及び磁気ディスク装置
Cha et al. Effect of slider load on the wear debris contamination tendency of head/slider
JP3148783B2 (ja) 磁気記録媒体のトライボロジー特性評価方法
Moseley et al. Experimental evidence of lubricant droplet transfer from slider to disk
Sinha et al. Topographical and tribo-chemical studies of contact sliding on ultrathin perfluoropolyether film
JP4457968B2 (ja) 磁気記録媒体、およびその潤滑層膜厚測定方法
JP2000003512A (ja) 磁気ディスク並びにそれらを備えた磁気ディスク装置
Tagawa et al. Effects of functional end-groups on nano-tribology characteristics of ultra-thin liquid lubricant films in hard disk drives
Gitis et al. Study of Low Flying Height Using Acoustic Emission and Friction Techniques

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20031226

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040427

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040831