JP2000154912A - ごみ焼却炉の燃焼制御方法 - Google Patents
ごみ焼却炉の燃焼制御方法Info
- Publication number
- JP2000154912A JP2000154912A JP10330820A JP33082098A JP2000154912A JP 2000154912 A JP2000154912 A JP 2000154912A JP 10330820 A JP10330820 A JP 10330820A JP 33082098 A JP33082098 A JP 33082098A JP 2000154912 A JP2000154912 A JP 2000154912A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- combustion
- temperature
- grate
- furnace
- incinerator
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Incineration Of Waste (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 大型のごみ焼却炉において、炉幅方向の燃焼
の不均一を制御する。 【解決手段】 火格子の駆動が炉幅方向に分割されてい
るごみ焼却炉の燃焼制御方法であって、分割されている
ゾ−ン毎に炉内の温度を測定し、測定した複数ゾ−ンの
温度から炉内温度の平均温度を求め、この平均温度と各
ゾ−ンの温度との温度差に基づいて、各ゾ−ンの火格子
速度の制御を行うことにより、燃焼を制御するごみ焼却
炉の燃焼制御方法。
の不均一を制御する。 【解決手段】 火格子の駆動が炉幅方向に分割されてい
るごみ焼却炉の燃焼制御方法であって、分割されている
ゾ−ン毎に炉内の温度を測定し、測定した複数ゾ−ンの
温度から炉内温度の平均温度を求め、この平均温度と各
ゾ−ンの温度との温度差に基づいて、各ゾ−ンの火格子
速度の制御を行うことにより、燃焼を制御するごみ焼却
炉の燃焼制御方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ストーカ式ごみ焼
却炉の燃焼制御方法、詳しくは大型のごみ焼却炉におい
て炉幅方向の燃焼状態の偏在を補正しながら炉内燃焼状
態を安定に維持することにより、ボイラの蒸気発生量を
安定化することを目的とする制御方法に関する。
却炉の燃焼制御方法、詳しくは大型のごみ焼却炉におい
て炉幅方向の燃焼状態の偏在を補正しながら炉内燃焼状
態を安定に維持することにより、ボイラの蒸気発生量を
安定化することを目的とする制御方法に関する。
【0002】
【従来技術】都市におけるごみ焼却炉は、日々の生活に
おいて排出される様々な廃棄物を処理するという重要な
役割を担っている。近年では、廃棄物であるごみの焼却
処理によって発生する膨大な熱エネルギーの回収への関
心が高まり、ボイラ発電設備のついたごみ焼却炉が増加
している。
おいて排出される様々な廃棄物を処理するという重要な
役割を担っている。近年では、廃棄物であるごみの焼却
処理によって発生する膨大な熱エネルギーの回収への関
心が高まり、ボイラ発電設備のついたごみ焼却炉が増加
している。
【0003】ごみ焼却炉では、ごみはクレーンによって
数10分の間隔で間欠的にホッパへ投入され、このホッパ
の下にあるプッシャによってごみは炉内に送り込まれ
る。炉内では火格子の往復運動によりごみは乾燥・燃焼
され、最終的には灰となって排出される。
数10分の間隔で間欠的にホッパへ投入され、このホッパ
の下にあるプッシャによってごみは炉内に送り込まれ
る。炉内では火格子の往復運動によりごみは乾燥・燃焼
され、最終的には灰となって排出される。
【0004】炉内の燃焼状態を維持するために、火格子
の下からはごみを乾燥・燃焼するための空気(燃焼空気
と呼ぶ)が、搬送方向に分割された吹き出し口から吹き
込まれる。そして、燃焼空気量は各空気ダンパによって
調整される。
の下からはごみを乾燥・燃焼するための空気(燃焼空気
と呼ぶ)が、搬送方向に分割された吹き出し口から吹き
込まれる。そして、燃焼空気量は各空気ダンパによって
調整される。
【0005】ごみの燃焼によって発生する排ガスは、炉
出口に設けられた熱交換機でボイラ水に熱を与えた後排
気される。火格子の中間部上方において、炉内温度が測
定され、熱交換機の手前において、炉出口温度が測定さ
れる。このようなごみ焼却炉においては、炉出口温度を
一定に保ち、ボイラの蒸気発生量を一定にするため、自
動燃焼制御が行われ、燃焼空気量、冷却空気量、火格子
空気量が制御される。
出口に設けられた熱交換機でボイラ水に熱を与えた後排
気される。火格子の中間部上方において、炉内温度が測
定され、熱交換機の手前において、炉出口温度が測定さ
れる。このようなごみ焼却炉においては、炉出口温度を
一定に保ち、ボイラの蒸気発生量を一定にするため、自
動燃焼制御が行われ、燃焼空気量、冷却空気量、火格子
空気量が制御される。
【0006】最近、ごみ焼却炉においては、ダイオキシ
ンの排出問題が注目を集めている。ごみ焼却炉は、処理
量が大きいほど燃焼状態が安定し、ダイオキシン等の有
害物質の排出濃度も低くなる傾向が見られるので、焼却
炉あたりの処理量が200ton/day以上の大型炉の需要が、
大都市を中心に増加している。そして、将来的には、複
数の処理量の少ない焼却炉が、処理量の多い焼却炉へ統
合されるものと推測される。
ンの排出問題が注目を集めている。ごみ焼却炉は、処理
量が大きいほど燃焼状態が安定し、ダイオキシン等の有
害物質の排出濃度も低くなる傾向が見られるので、焼却
炉あたりの処理量が200ton/day以上の大型炉の需要が、
大都市を中心に増加している。そして、将来的には、複
数の処理量の少ない焼却炉が、処理量の多い焼却炉へ統
合されるものと推測される。
【0007】しかしながら、焼却炉の大型化にともない
炉床が大きくなるにつれ、焼却炉の炉幅方向におけるご
みの偏在によって、燃焼が不均一になりやすいという問
題が発生する。ごみの偏在が大きい場合には、燃焼が安
定して行われないという問題がある。その問題に対し、
従来の一般的なストーカ式焼却炉で、ごみを攪拌・輸送
する火格子は、炉幅方向に駆動系が分割されていない。
また、燃焼空気吹き込み口も、ごみの搬送方向には分割
されているが、炉幅方向には分割はなされていない。し
たがって、当然のことながら、炉幅方向の燃焼の不均一
を何らかの手段で計測し、それを補正することにより、
燃焼の安定化を図る燃焼制御系も従来は提案されていな
い。
炉床が大きくなるにつれ、焼却炉の炉幅方向におけるご
みの偏在によって、燃焼が不均一になりやすいという問
題が発生する。ごみの偏在が大きい場合には、燃焼が安
定して行われないという問題がある。その問題に対し、
従来の一般的なストーカ式焼却炉で、ごみを攪拌・輸送
する火格子は、炉幅方向に駆動系が分割されていない。
また、燃焼空気吹き込み口も、ごみの搬送方向には分割
されているが、炉幅方向には分割はなされていない。し
たがって、当然のことながら、炉幅方向の燃焼の不均一
を何らかの手段で計測し、それを補正することにより、
燃焼の安定化を図る燃焼制御系も従来は提案されていな
い。
【0008】上述したような、ごみ焼却炉の大型化にと
もなう燃焼の不均一に対処するために、特開平10-19212
号公報や特開平10-19213号公報に開示された技術におい
ては、炉幅の広い大型炉に対して、炉幅方向の燃焼の不
均一を補正するなどの目的から、火格子の駆動機構、ま
たは燃焼空気の吹き込み口を幅方向に分割するごみ焼却
炉が提案されている。
もなう燃焼の不均一に対処するために、特開平10-19212
号公報や特開平10-19213号公報に開示された技術におい
ては、炉幅の広い大型炉に対して、炉幅方向の燃焼の不
均一を補正するなどの目的から、火格子の駆動機構、ま
たは燃焼空気の吹き込み口を幅方向に分割するごみ焼却
炉が提案されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
10-19212号公報や特開平10-19213号公報に開示された技
術は、火格子の駆動機構、または燃焼空気の吹き込み口
を幅方向に分割する機構については記述されているが、
炉幅方向の燃焼の不均一を補正して、燃焼状態を安定に
維持するための幅方向に分割されている火格子速度、ま
たは燃焼空気の吹き込み量などの具体的な制御手法が提
案されていないという問題点がある。
10-19212号公報や特開平10-19213号公報に開示された技
術は、火格子の駆動機構、または燃焼空気の吹き込み口
を幅方向に分割する機構については記述されているが、
炉幅方向の燃焼の不均一を補正して、燃焼状態を安定に
維持するための幅方向に分割されている火格子速度、ま
たは燃焼空気の吹き込み量などの具体的な制御手法が提
案されていないという問題点がある。
【0010】また、炉内、炉出口温度に基づいて、駆動
系が1つの火格子や幅方向に分割されていない場合に、
燃焼空気の吹き込み量を決定する従来の制御手法では、
炉幅の広い大型炉に対して、炉幅方向の燃焼の不均一
を、精度良く補正することは困難であるという問題もあ
る。
系が1つの火格子や幅方向に分割されていない場合に、
燃焼空気の吹き込み量を決定する従来の制御手法では、
炉幅の広い大型炉に対して、炉幅方向の燃焼の不均一
を、精度良く補正することは困難であるという問題もあ
る。
【0011】この発明は、従来技術の上述のような問題
点を解消するためになされたものであり、火格子の駆
動、または燃焼空気の吹き込みが幅方向に分割されてい
るごみ焼却炉において、燃焼部分の温度分布(熱電対、
放射温度計)から幅方向に分割された個々の火格子速
度、または燃焼空気の吹き込み量の補正を行うことによ
り、炉幅の広い大型炉の炉幅方向の燃焼の不均一を補正
し、燃焼の安定化を図ることのできる燃焼制御方法を提
供することを目的としている。
点を解消するためになされたものであり、火格子の駆
動、または燃焼空気の吹き込みが幅方向に分割されてい
るごみ焼却炉において、燃焼部分の温度分布(熱電対、
放射温度計)から幅方向に分割された個々の火格子速
度、または燃焼空気の吹き込み量の補正を行うことによ
り、炉幅の広い大型炉の炉幅方向の燃焼の不均一を補正
し、燃焼の安定化を図ることのできる燃焼制御方法を提
供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明に係る第一のご
み焼却炉の燃焼制御方法は、火格子の駆動が炉幅方向に
分割されているごみ焼却炉の燃焼制御方法であって、分
割されているゾ−ン毎に炉内の温度を測定し、測定した
複数ゾ−ンの温度から炉内温度の平均温度を求め、この
平均温度と各ゾ−ンの温度との温度差に基づいて、各ゾ
−ンの火格子速度の制御を行うことにより、燃焼を制御
するものである。
み焼却炉の燃焼制御方法は、火格子の駆動が炉幅方向に
分割されているごみ焼却炉の燃焼制御方法であって、分
割されているゾ−ン毎に炉内の温度を測定し、測定した
複数ゾ−ンの温度から炉内温度の平均温度を求め、この
平均温度と各ゾ−ンの温度との温度差に基づいて、各ゾ
−ンの火格子速度の制御を行うことにより、燃焼を制御
するものである。
【0013】また、前記各ゾ−ンの火格子速度の制御
を、ファジイ制御を用いて行なうものである。
を、ファジイ制御を用いて行なうものである。
【0014】火格子の燃焼帯上方の温度の計測端(以
後、炉内温度と呼ぶ)は、火格子の乾燥帯から燃焼帯に
かけてのごみの燃焼状態を反映している。乾燥帯から燃
焼帯へ移動するごみの水分が多いと、蒸発の潜熱やごみ
の着火が悪いことにより、炉内温度が低下する。約30分
から1時間程度経過して、この乾燥状態の悪いごみが燃
焼帯に来たときに、すぐに燃焼しないため、ガス混合室
温度が低下してしまい、燃焼状態が崩れてしまう。
後、炉内温度と呼ぶ)は、火格子の乾燥帯から燃焼帯に
かけてのごみの燃焼状態を反映している。乾燥帯から燃
焼帯へ移動するごみの水分が多いと、蒸発の潜熱やごみ
の着火が悪いことにより、炉内温度が低下する。約30分
から1時間程度経過して、この乾燥状態の悪いごみが燃
焼帯に来たときに、すぐに燃焼しないため、ガス混合室
温度が低下してしまい、燃焼状態が崩れてしまう。
【0015】従来、炉の片側から炉内温度は計測してい
たが、炉の両側またはそれ以上の位置で炉内温度を計測
することにより、幅方向のごみの偏在も含めた炉内ごみ
の燃焼状態を計測することができる。
たが、炉の両側またはそれ以上の位置で炉内温度を計測
することにより、幅方向のごみの偏在も含めた炉内ごみ
の燃焼状態を計測することができる。
【0016】火格子の速度については、炉全体の燃焼状
態の指標となる蒸発量を入力として、燃焼を活発にした
いときには、火格子の速度を上昇させ、逆に燃焼を抑制
したいときには、火格子の速度を下降させる方法が従来
から採られている。
態の指標となる蒸発量を入力として、燃焼を活発にした
いときには、火格子の速度を上昇させ、逆に燃焼を抑制
したいときには、火格子の速度を下降させる方法が従来
から採られている。
【0017】この燃焼制御方法においては、上記の方法
に加え、炉の両側またはそれ以上の位置で計測した炉内
温度の平均値と、それぞれの位置で計測した炉内温度と
の差からごみの偏在を検知し、差が大きい時にはその値
に応じて、平均値よりも温度の低い側の火格子速度を上
昇させると共に、平均値よりも温度の高い側の火格子速
度を下降させることにより、大型炉におけるごみの偏在
に起因する炉幅方向の温度のバラツキを抑制することが
でき、安定した燃焼が可能になる。
に加え、炉の両側またはそれ以上の位置で計測した炉内
温度の平均値と、それぞれの位置で計測した炉内温度と
の差からごみの偏在を検知し、差が大きい時にはその値
に応じて、平均値よりも温度の低い側の火格子速度を上
昇させると共に、平均値よりも温度の高い側の火格子速
度を下降させることにより、大型炉におけるごみの偏在
に起因する炉幅方向の温度のバラツキを抑制することが
でき、安定した燃焼が可能になる。
【0018】また、この発明に係る第二のごみ焼却炉の
燃焼制御方法は、燃焼空気の吹き込みが幅方向に分割さ
れているごみ焼却炉の燃焼制御方法であって、分割され
ているゾ−ン毎に炉内の温度を測定し、測定した複数ゾ
−ンの温度から炉内温度の平均温度を求め、この平均温
度と各ゾ−ンの温度との温度差に基づいて、各ゾ−ンの
燃焼空気の吹き込み量の制御を行うことにより、燃焼を
制御するものである。
燃焼制御方法は、燃焼空気の吹き込みが幅方向に分割さ
れているごみ焼却炉の燃焼制御方法であって、分割され
ているゾ−ン毎に炉内の温度を測定し、測定した複数ゾ
−ンの温度から炉内温度の平均温度を求め、この平均温
度と各ゾ−ンの温度との温度差に基づいて、各ゾ−ンの
燃焼空気の吹き込み量の制御を行うことにより、燃焼を
制御するものである。
【0019】また、前記各ゾ−ンの燃焼空気の吹き込み
量の制御を、ファジイ制御を用いて行なうものである。
量の制御を、ファジイ制御を用いて行なうものである。
【0020】火格子の燃焼帯上方の炉内温度は、火格子
の乾燥帯から燃焼帯にかけてのごみの燃焼状態を反映し
ている。乾燥帯から燃焼帯へ移動するごみの水分が多い
と、蒸発潜熱やごみの着火が悪いことにより、炉内温度
が低下する。約30分から1時間程度経過して、この乾燥
状態の悪いごみが燃焼帯に来たときに、すぐに燃焼しな
いため、ガス混合室温度が低下してしまい、燃焼状態が
崩れてしまう。
の乾燥帯から燃焼帯にかけてのごみの燃焼状態を反映し
ている。乾燥帯から燃焼帯へ移動するごみの水分が多い
と、蒸発潜熱やごみの着火が悪いことにより、炉内温度
が低下する。約30分から1時間程度経過して、この乾燥
状態の悪いごみが燃焼帯に来たときに、すぐに燃焼しな
いため、ガス混合室温度が低下してしまい、燃焼状態が
崩れてしまう。
【0021】従来、炉の片側から炉内温度は計測してい
たが、炉の両側またはそれ以上の位置で炉内温度を計測
することにより、幅方向のごみの偏在も含めた炉内ごみ
の燃焼状態を計測することができる。
たが、炉の両側またはそれ以上の位置で炉内温度を計測
することにより、幅方向のごみの偏在も含めた炉内ごみ
の燃焼状態を計測することができる。
【0022】燃焼空気吹き込み量を決定する火格子下の
ダンパ開度は、対応する領域により異なるが、ごみの乾
燥部、燃焼上部の領域では、蒸発量を入力として、燃焼
を活発にしたいときには、乾燥部、燃焼上部領域の火格
子下のダンパ開度を大きくしていき、逆に燃焼を抑制し
たいときには、乾燥部、燃焼上部領域の火格子下のダン
パ開度を小さくしていく方法が従来から採られている。
ダンパ開度は、対応する領域により異なるが、ごみの乾
燥部、燃焼上部の領域では、蒸発量を入力として、燃焼
を活発にしたいときには、乾燥部、燃焼上部領域の火格
子下のダンパ開度を大きくしていき、逆に燃焼を抑制し
たいときには、乾燥部、燃焼上部領域の火格子下のダン
パ開度を小さくしていく方法が従来から採られている。
【0023】この燃焼制御方法においては、上記の方法
に加え、炉の両側またはそれ以上の位置で計測した炉内
温度の平均値と、それぞれの位置で計測した炉内温度と
の差からごみの偏在を検知し、差が大きい時にはその値
に応じて、平均値よりも温度の低い側の乾燥部、燃焼上
部領域の火格子下の燃焼空気のダンパ開度を大きくして
いくとともに、温度の高い側の乾燥部、燃焼上部領域の
火格子下の燃焼空気のダンパ開度を小さくしていくこと
により、大型炉におけるごみの偏在に起因する炉幅方向
の温度のバラツキを抑制することができ、安定した燃焼
が可能になる。
に加え、炉の両側またはそれ以上の位置で計測した炉内
温度の平均値と、それぞれの位置で計測した炉内温度と
の差からごみの偏在を検知し、差が大きい時にはその値
に応じて、平均値よりも温度の低い側の乾燥部、燃焼上
部領域の火格子下の燃焼空気のダンパ開度を大きくして
いくとともに、温度の高い側の乾燥部、燃焼上部領域の
火格子下の燃焼空気のダンパ開度を小さくしていくこと
により、大型炉におけるごみの偏在に起因する炉幅方向
の温度のバラツキを抑制することができ、安定した燃焼
が可能になる。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を、図面を参
照して説明する。図1は、この発明の第一および第二の
実施の形態のごみ焼却炉の燃焼制御方法を行なうときの
燃焼制御系統図である。
照して説明する。図1は、この発明の第一および第二の
実施の形態のごみ焼却炉の燃焼制御方法を行なうときの
燃焼制御系統図である。
【0025】図1において、1はごみ焼却炉、2はごみ投
入口、3はごみを装入するプッシャ、4は火格子、5は
灰落下口、6は燃焼空気供給ブロア、7は炉出口、8は
煙突、9aは熱交換器、9bはボイラ、10は冷却空気
吹き込み口、11は冷却空気ブロア、12は排ガス中の
炉出口温度を測る温度計、13は蒸発量を測る流量計、1
4は炉内温度計、15は制御手段、16aは乾燥部火格
子下右側燃焼空気ダンパ、16bは燃焼上部火格子下右
側燃焼空気ダンパ、16cは燃焼下部火格子下右側燃焼
空気ダンパ、16dは後燃焼部火格子下右側燃焼空気ダ
ンパ、17aは乾燥部火格子下左側燃焼空気ダンパ、1
7bは燃焼上部火格子下左側燃焼空気ダンパ、17cは
燃焼下部火格子下左側燃焼空気ダンパ、17dは後燃焼
部火格子下左側燃焼空気ダンパ、18aは右側の火格子
駆動装置、18bは左側の火格子駆動装置である。
入口、3はごみを装入するプッシャ、4は火格子、5は
灰落下口、6は燃焼空気供給ブロア、7は炉出口、8は
煙突、9aは熱交換器、9bはボイラ、10は冷却空気
吹き込み口、11は冷却空気ブロア、12は排ガス中の
炉出口温度を測る温度計、13は蒸発量を測る流量計、1
4は炉内温度計、15は制御手段、16aは乾燥部火格
子下右側燃焼空気ダンパ、16bは燃焼上部火格子下右
側燃焼空気ダンパ、16cは燃焼下部火格子下右側燃焼
空気ダンパ、16dは後燃焼部火格子下右側燃焼空気ダ
ンパ、17aは乾燥部火格子下左側燃焼空気ダンパ、1
7bは燃焼上部火格子下左側燃焼空気ダンパ、17cは
燃焼下部火格子下左側燃焼空気ダンパ、17dは後燃焼
部火格子下左側燃焼空気ダンパ、18aは右側の火格子
駆動装置、18bは左側の火格子駆動装置である。
【0026】このごみ焼却炉1においては、ごみ投入口
2から投入されたごみは、プッシャ3により、火格子4に
装入される。火格子4を駆動させる火格子駆動装置は、
右側火格子駆動装置18a(給じん装置側から見て右側)
と、左側火格子駆動装置18b(給じん装置側から見て左
側)とに、炉幅方向で左右に分割されている。
2から投入されたごみは、プッシャ3により、火格子4に
装入される。火格子4を駆動させる火格子駆動装置は、
右側火格子駆動装置18a(給じん装置側から見て右側)
と、左側火格子駆動装置18b(給じん装置側から見て左
側)とに、炉幅方向で左右に分割されている。
【0027】火格子4では、下部から燃焼空気供給ブロ
ア6により供給される燃焼空気の吹き込みにより、ごみ
の乾燥が行われた後に、ごみの燃焼が行われ、ごみは排
ガスと灰に分解される。そして、灰は灰落下口5から落
下して炉外に排出される。
ア6により供給される燃焼空気の吹き込みにより、ごみ
の乾燥が行われた後に、ごみの燃焼が行われ、ごみは排
ガスと灰に分解される。そして、灰は灰落下口5から落
下して炉外に排出される。
【0028】なお、燃焼空気の吹き込み口はごみの搬送
方向に乾燥部、燃焼上部、燃焼下部、後燃焼部に分割さ
れているだけでなく、炉幅方向に左右に分割されてお
り、それぞれの吹き込み量を調整するために、それぞれ
の燃焼空気供給ダクトの途中に右側火格子下燃焼空気ダ
ンパ16a〜16d(給じん装置側から見て右側:図中実線部
分)、および左側格子下ダンパ17a〜17d(給じん装置側
から見て左側:図中点線部分)が設けられている。
方向に乾燥部、燃焼上部、燃焼下部、後燃焼部に分割さ
れているだけでなく、炉幅方向に左右に分割されてお
り、それぞれの吹き込み量を調整するために、それぞれ
の燃焼空気供給ダクトの途中に右側火格子下燃焼空気ダ
ンパ16a〜16d(給じん装置側から見て右側:図中実線部
分)、および左側格子下ダンパ17a〜17d(給じん装置側
から見て左側:図中点線部分)が設けられている。
【0029】一方、燃焼排ガスは炉出口7から煙突8に導
かれて炉外へ排出される。排ガスが放出される炉出口7
には熱交換器9aを備えたボイラ9bが設置されている。冷
却空気吹き込み口10からは、冷却空気ブロア11により冷
却空気が吹き込まれ、燃焼ガス中の未燃焼成分を完全燃
焼すると共に、炉壁の温度が過度に上昇することを防い
でいる。炉出口には、排ガス中の炉出口温度を測る温度
計12が設けられ、また、ボイラ9bの出口には、蒸気の
蒸発量を測る流量計13が設けられている。
かれて炉外へ排出される。排ガスが放出される炉出口7
には熱交換器9aを備えたボイラ9bが設置されている。冷
却空気吹き込み口10からは、冷却空気ブロア11により冷
却空気が吹き込まれ、燃焼ガス中の未燃焼成分を完全燃
焼すると共に、炉壁の温度が過度に上昇することを防い
でいる。炉出口には、排ガス中の炉出口温度を測る温度
計12が設けられ、また、ボイラ9bの出口には、蒸気の
蒸発量を測る流量計13が設けられている。
【0030】火格子4の燃焼部の上側には、火格子4の
燃焼部の温度を測る炉内温度計14が設けられている。
炉内温度計14の信号は、制御手段15に入力され、制
御手段15からは、左右の乾燥部、燃焼上部の火格子下
燃焼空気ダンパ16a、16b、17a、17bおよび左右の火格子
駆動装置18a、18bに信号が出力される。制御手段15に
は、例えばコンピュータが使用される。
燃焼部の温度を測る炉内温度計14が設けられている。
炉内温度計14の信号は、制御手段15に入力され、制
御手段15からは、左右の乾燥部、燃焼上部の火格子下
燃焼空気ダンパ16a、16b、17a、17bおよび左右の火格子
駆動装置18a、18bに信号が出力される。制御手段15に
は、例えばコンピュータが使用される。
【0031】次に、幅方向に分割された火格子4の速度
を制御する本発明の第一の実施の形態のごみ焼却炉の燃
焼制御方法を、火格子4が左右二つに分割されている場
合で説明する。なお、分割が二つの場合には、平均温度
は左右の温度の中間の値となるので、左右の温度差を基
準として温度制御することができる。
を制御する本発明の第一の実施の形態のごみ焼却炉の燃
焼制御方法を、火格子4が左右二つに分割されている場
合で説明する。なお、分割が二つの場合には、平均温度
は左右の温度の中間の値となるので、左右の温度差を基
準として温度制御することができる。
【0032】制御手法としては、通常PID演算やルール
ベースによる演算、ファジィ演算などが挙げられる。こ
こでは、比較的複雑な制御規則でも言語から数式に容易
に変換できるので、非線形性の強いごみ焼却炉等の制御
に有効であるファジイ制御を適用した。
ベースによる演算、ファジィ演算などが挙げられる。こ
こでは、比較的複雑な制御規則でも言語から数式に容易
に変換できるので、非線形性の強いごみ焼却炉等の制御
に有効であるファジイ制御を適用した。
【0033】ファジィ制御による幅方向に分割された火
格子4の速度制御は、次の規則に従って行われる。
格子4の速度制御は、次の規則に従って行われる。
【0034】規則 左側の炉内温度が右側の炉内温度
よりも所定値以上上回るときには、左側の火格子速度を
遅くして、右側の火格子速度を速くする。
よりも所定値以上上回るときには、左側の火格子速度を
遅くして、右側の火格子速度を速くする。
【0035】規則 左右の炉内温度の差が基準範囲内
にあるときには、左右の火格子速度を通常の燃焼制御の
速度に維持する。
にあるときには、左右の火格子速度を通常の燃焼制御の
速度に維持する。
【0036】規則 左側の炉内温度が右側の炉内温度
よりも所定値以上下回るときには、左側の火格子速度を
速くして、右側の火格子速度を遅くする。また、制御量
を演算するために、入力と出力を整理し、制御パラメー
タを表1のように定める。
よりも所定値以上下回るときには、左側の火格子速度を
速くして、右側の火格子速度を遅くする。また、制御量
を演算するために、入力と出力を整理し、制御パラメー
タを表1のように定める。
【0037】
【表1】
【0038】表中各規則の後件部推論結果(補正量)の
出力には、ファジィ制御の一般的な手法、例えば、min-
max重心法やシングルトン法等が用いられる。演算時間
が短く実用的なシングルトン法を適用した場合について
説明する。
出力には、ファジィ制御の一般的な手法、例えば、min-
max重心法やシングルトン法等が用いられる。演算時間
が短く実用的なシングルトン法を適用した場合について
説明する。
【0039】入力となる炉内温度差Tは左右の炉内温度
計測結果から(1)式より導出する。 T=TL-TR…………(1) なお、TLは左側炉内温度、TRは右側炉内温度の計測値で
ある。
計測結果から(1)式より導出する。 T=TL-TR…………(1) なお、TLは左側炉内温度、TRは右側炉内温度の計測値で
ある。
【0040】炉内温度差Tより、規則〜における適
合度X1〜X3を決定する。適合度の決定は図2に示すメン
バーシップ関数に基づいて行う。あらかじめ各規則に対
する炉内温度と適合度のメンバーシップを設定しておく
(図中台形部分)。現在の炉内温度差Tを図中垂直方向
に延長したときに各規則のメンバーシップと交叉する点
の垂直方向高さが適合度X1〜X3となる。
合度X1〜X3を決定する。適合度の決定は図2に示すメン
バーシップ関数に基づいて行う。あらかじめ各規則に対
する炉内温度と適合度のメンバーシップを設定しておく
(図中台形部分)。現在の炉内温度差Tを図中垂直方向
に延長したときに各規則のメンバーシップと交叉する点
の垂直方向高さが適合度X1〜X3となる。
【0041】次に、各規則の適合度X1〜X3と左右の火格
子速度後件部パラメータYL1、YL2、YL3、YR1、YR2、YR3
から次の(2)式および(3)式により、左右火格子速度の補
正量UL、URを推論する。
子速度後件部パラメータYL1、YL2、YL3、YR1、YR2、YR3
から次の(2)式および(3)式により、左右火格子速度の補
正量UL、URを推論する。
【0042】 UL=(X1・YL1+X2・YL2+X3・YL3)/(X1+X2+X3)…………(2) UR=(X1・YR1+X2・YR2+X3・YR3)/(X1+X2+X3)…………(3) なお、左右の火格子速度後件部パラメータYL1、YL2、Y
L3、YR1、YR2、YR3は予め値を設定する必要がある。今
回の場合、YL1とYR3は速度を遅くする場合で負の値が入
り、YL2とYR2は速度を維持する場合で0の値が入る。並
びにYL3とYR1は速度を速くする場合で正の値が入る。
L3、YR1、YR2、YR3は予め値を設定する必要がある。今
回の場合、YL1とYR3は速度を遅くする場合で負の値が入
り、YL2とYR2は速度を維持する場合で0の値が入る。並
びにYL3とYR1は速度を速くする場合で正の値が入る。
【0043】最後に求められた補正量を、次の(4)式お
よび(5)式により、通常の火格子速度V0(左右共通)に
加えて出力値VLおよびVRを算出する。
よび(5)式により、通常の火格子速度V0(左右共通)に
加えて出力値VLおよびVRを算出する。
【0044】VL=V0+KL・UL…………(4) VR=V0+KR・UR…………(5) ただし、KL、KRは制御パラメータである。
【0045】次に、幅方向に分割された火格子下燃焼空
気ダンパ(以下、単にダンパという)開度を制御する本
発明の第二の実施の形態のごみ焼却炉の燃焼制御方法
を、燃焼空気の吹き込みが幅方向に2分割されている場
合で説明する。なお、分割が二つの場合には、平均温度
は左右の温度の中間の値となるので、左右の温度差を基
準として温度制御することができる。
気ダンパ(以下、単にダンパという)開度を制御する本
発明の第二の実施の形態のごみ焼却炉の燃焼制御方法
を、燃焼空気の吹き込みが幅方向に2分割されている場
合で説明する。なお、分割が二つの場合には、平均温度
は左右の温度の中間の値となるので、左右の温度差を基
準として温度制御することができる。
【0046】制御手法としては通常PID演算やルールベ
ースによる演算、ファジィ演算などが挙げられる。ここ
では、比較的複雑な制御規則でも言語から数式に容易に
変換できるので、非線形性の強いごみ焼却炉等の制御に
有効であるファジイ制御を適用した。
ースによる演算、ファジィ演算などが挙げられる。ここ
では、比較的複雑な制御規則でも言語から数式に容易に
変換できるので、非線形性の強いごみ焼却炉等の制御に
有効であるファジイ制御を適用した。
【0047】ファジィ制御による幅方向に分割された火
格子下ダンパ開度制御は、次の規則に従って行われる。
格子下ダンパ開度制御は、次の規則に従って行われる。
【0048】規則まる11 左側の炉内温度が右側の炉内
温度よりも所定値以上上回るときには、乾燥部火格子下
左側ダンパの開度を小さくして、右側ダンパの開度を大
きくする。
温度よりも所定値以上上回るときには、乾燥部火格子下
左側ダンパの開度を小さくして、右側ダンパの開度を大
きくする。
【0049】また、燃焼上部火格子下左側ダンパの開度
を小さくして、右側ダンパの開度を大きくする。
を小さくして、右側ダンパの開度を大きくする。
【0050】規則まる12 左右の炉内温度の差が基準範
囲内にあるときには、左右の乾燥部火格子下ダンパ開度
を通常の燃焼制御の開度に維持する。また、左右の燃焼
上部火格子下ダンパ開度を通常の燃焼制御の開度に維持
する。
囲内にあるときには、左右の乾燥部火格子下ダンパ開度
を通常の燃焼制御の開度に維持する。また、左右の燃焼
上部火格子下ダンパ開度を通常の燃焼制御の開度に維持
する。
【0051】規則まる13 左側の炉内温度が右側の炉内
温度よりも所定値以上下回るときには、乾燥部火格子下
左側ダンパの開度を大きくして、右側ダンパの開度を小
さくする。
温度よりも所定値以上下回るときには、乾燥部火格子下
左側ダンパの開度を大きくして、右側ダンパの開度を小
さくする。
【0052】また、燃焼上部火格子下左側ダンパの開度
を大きくして、右側ダンパの開度を小さくする。
を大きくして、右側ダンパの開度を小さくする。
【0053】また、制御量を演算するために、入力と出
力を整理し、制御パラメータを表2のように定める。
力を整理し、制御パラメータを表2のように定める。
【0054】
【表2】
【0055】表中各規則の後件部推論結果(補正量)の
出力には、ファジィ制御の一般的な手法、例えば、min-
max重心法やシングルトン法等が用いられる。演算時間
が短く実用的なシングルトン法を適用した場合について
説明する。
出力には、ファジィ制御の一般的な手法、例えば、min-
max重心法やシングルトン法等が用いられる。演算時間
が短く実用的なシングルトン法を適用した場合について
説明する。
【0056】入力となる炉内温度差Tは、左右の炉内温
度計測結果から(6)式より導出する。 T=TL-TR…………(6) なお、TLは左側炉内温度、TRは右側炉内温度の計測値で
ある。
度計測結果から(6)式より導出する。 T=TL-TR…………(6) なお、TLは左側炉内温度、TRは右側炉内温度の計測値で
ある。
【0057】炉内温度差Tより、規則まる11〜まる13に
おける適合度X1〜X3を決定する。適合度の決定は図2に
示すメンバーシップ関数に基づいて行う。あらかじめ各
規則に対する炉内温度と適合度のメンバーシップを設定
しておく(図中台形部分)。現在の炉内温度差Tを図中
垂直方向に延長したときに各規則のメンバーシップと交
叉する点の垂直方向高さが適合度X1〜X3となる。
おける適合度X1〜X3を決定する。適合度の決定は図2に
示すメンバーシップ関数に基づいて行う。あらかじめ各
規則に対する炉内温度と適合度のメンバーシップを設定
しておく(図中台形部分)。現在の炉内温度差Tを図中
垂直方向に延長したときに各規則のメンバーシップと交
叉する点の垂直方向高さが適合度X1〜X3となる。
【0058】次に、各規則の適合度X1〜X3と左右の火格
子下ダンパ開度後件部パラメータZL 1、ZL2、ZL3、ZR1、
ZR2、ZR3から次の(7)式および(8)式により左右火格子下
ダンパ開度の補正量SL、SRを推論する。
子下ダンパ開度後件部パラメータZL 1、ZL2、ZL3、ZR1、
ZR2、ZR3から次の(7)式および(8)式により左右火格子下
ダンパ開度の補正量SL、SRを推論する。
【0059】 SL=(X1・ZL1+X2・ZL2 +X3・ZL3)/(X1+X2+X3)…………(7) SR=(X1・ZR1+X2・ZR2+X3・ZR3)/(X1+X2+X3)…………(8) なお、左右の火格子下ダンパ開度後件部パラメータ
ZL1、ZL2、ZL3、ZR1、ZR2、ZR3は予め値を設定する必要
がある。今回の場合、ZL1とZR3は開度を小さくする場合
で負の値が入り、ZL2とZR2は開度を維持する場合で0の
値が入る。並びにZL3とZR1は開度を大きくする場合で正
の値が入る。
ZL1、ZL2、ZL3、ZR1、ZR2、ZR3は予め値を設定する必要
がある。今回の場合、ZL1とZR3は開度を小さくする場合
で負の値が入り、ZL2とZR2は開度を維持する場合で0の
値が入る。並びにZL3とZR1は開度を大きくする場合で正
の値が入る。
【0060】最後に求められた補正量を、次の(9)式お
よび(10)式により、通常の火格子下ダンパ開度W0(左右
共通)に加えて出力値WLおよびWRを算出する。
よび(10)式により、通常の火格子下ダンパ開度W0(左右
共通)に加えて出力値WLおよびWRを算出する。
【0061】WL=W0+LL・SL…………(9) WR=W0+LR・SR…………(10) ただし、LL、LRは制御パラメータである。なお、制御量
の補正間隔については、数秒間隔で十分である。
の補正間隔については、数秒間隔で十分である。
【0062】
【実施例】図1で示したごみ焼却炉を用いて、従来の制
御方に前述したファジイ制御による左右の火格子下ダン
パ開度補正を加えた制御を、10秒ごとに実施した。同時
に従来の左右同じ開度で火格子下ダンパの開度を制御し
た燃焼試験も実施し、ボイラでの蒸気の蒸発量の変化を
調べた。その結果を図3および図4に示す。
御方に前述したファジイ制御による左右の火格子下ダン
パ開度補正を加えた制御を、10秒ごとに実施した。同時
に従来の左右同じ開度で火格子下ダンパの開度を制御し
た燃焼試験も実施し、ボイラでの蒸気の蒸発量の変化を
調べた。その結果を図3および図4に示す。
【0063】図3は、左右の炉内温度の差に基づき、左
右別々の乾燥、燃焼上部火格子下ダンパ開度の補正を行
なう本発明の燃焼制御方法で、燃焼試験を行ったときの
試験結果を示すグラフであり、図3(a)は燃焼上部火格
子下の燃焼空気流量の経時変化を、図3(b)はボイラで
の蒸気の蒸発量の経時変化を示す。図4は、従来の左右
同じ開度で火格子下ダンパの開度を操作させたときの燃
焼試験結果であり、図4(a)は炉内温度の経時変化を、図
4(b)はボイラ蒸発量の経時変化を示す。
右別々の乾燥、燃焼上部火格子下ダンパ開度の補正を行
なう本発明の燃焼制御方法で、燃焼試験を行ったときの
試験結果を示すグラフであり、図3(a)は燃焼上部火格
子下の燃焼空気流量の経時変化を、図3(b)はボイラで
の蒸気の蒸発量の経時変化を示す。図4は、従来の左右
同じ開度で火格子下ダンパの開度を操作させたときの燃
焼試験結果であり、図4(a)は炉内温度の経時変化を、図
4(b)はボイラ蒸発量の経時変化を示す。
【0064】本発明の燃焼制御方法による燃焼試験にお
いては、左右の炉内温度差が最大100℃以上になる瞬間
が発生しているが、温度差に基づいて図3(a)に見られ
るように、温度が低い側の燃焼上部火格子下に、多くの
燃焼空気を送ることにより、図3(b)のように蒸気の蒸
発量が、目標値に対して安定して維持されている。な
お、燃焼上部火格子下と同様に、乾燥火格子下の燃焼空
気量についても同様である。
いては、左右の炉内温度差が最大100℃以上になる瞬間
が発生しているが、温度差に基づいて図3(a)に見られ
るように、温度が低い側の燃焼上部火格子下に、多くの
燃焼空気を送ることにより、図3(b)のように蒸気の蒸
発量が、目標値に対して安定して維持されている。な
お、燃焼上部火格子下と同様に、乾燥火格子下の燃焼空
気量についても同様である。
【0065】これに対して、従来の燃焼制御法では、炉
内温度差に基づき制御を行っていないため、図4(a)に示
すような炉内温度の経時変化により、図4(b)のように目
標値より2t/h以上ボイラ蒸発量が落ち込む事態が発生し
ていることが分かる。
内温度差に基づき制御を行っていないため、図4(a)に示
すような炉内温度の経時変化により、図4(b)のように目
標値より2t/h以上ボイラ蒸発量が落ち込む事態が発生し
ていることが分かる。
【0066】
【発明の効果】本発明により、ごみ焼却炉の炉幅方向の
温度偏差を小さくすることができるので、炉内の燃焼状
態が安定し、ボイラの蒸気発生量を一定に保つことがで
きる。
温度偏差を小さくすることができるので、炉内の燃焼状
態が安定し、ボイラの蒸気発生量を一定に保つことがで
きる。
【図1】この発明の第一および第二の実施の形態のごみ
焼却炉の燃焼制御方法を行なうときの燃焼制御系統図で
ある。
焼却炉の燃焼制御方法を行なうときの燃焼制御系統図で
ある。
【図2】シングルトン法の説明図である。
【図3】本発明の燃焼制御方法で、燃焼試験を行ったと
きの試験結果を示すグラフであり、(a)は燃焼上部火格
子下の燃焼空気流量の経時変化を、(b)はボイラでの蒸
気の蒸発量の経時変化を示す。
きの試験結果を示すグラフであり、(a)は燃焼上部火格
子下の燃焼空気流量の経時変化を、(b)はボイラでの蒸
気の蒸発量の経時変化を示す。
【図4】従来の左右同じ開度で火格子下ダンパの開度を
操作させたときの燃焼試験結果であり、(a)は炉内温度
の経時変化を、(b)はボイラ蒸発量の経時変化を示す。
操作させたときの燃焼試験結果であり、(a)は炉内温度
の経時変化を、(b)はボイラ蒸発量の経時変化を示す。
1 ごみ焼却炉 2 ごみ投入口 3 プッシャ 4 火格子 5 灰落下口 6 燃焼空気供給ブロア 7 炉出口 8 煙突 9a 熱交換器 9b ボイラ 10 冷却空気吹き込み口 11 冷却空気ブロア 12 温度計 13 流量計 14 炉内温度計 15 制御手段 16a 乾燥部火格子下右側燃焼空気ダンパ 16b 燃焼上部火格子下右側燃焼空気ダンパ 16c 燃焼下部火格子下右側燃焼空気ダンパ 16d 後燃焼部火格子下右側燃焼空気ダンパ 17a 乾燥部火格子下左側燃焼空気ダンパ 17b 燃焼上部火格子下左側燃焼空気ダンパ 17c 燃焼下部火格子下左側燃焼空気ダンパ 17d 後燃焼部火格子下左側燃焼空気ダンパ 18a 右側の火格子駆動装置 18b 左側の火格子駆動装置
Claims (4)
- 【請求項1】 火格子の駆動が炉幅方向に分割されてい
るごみ焼却炉の燃焼制御方法であって、分割されている
ゾ−ン毎に炉内の温度を測定し、測定した複数ゾ−ンの
温度から炉内温度の平均温度を求め、この平均温度と各
ゾ−ンの温度との温度差に基づいて、各ゾ−ンの火格子
速度の制御を行うことにより、燃焼を制御することを特
徴とするごみ焼却炉の燃焼制御方法。 - 【請求項2】 前記各ゾ−ンの火格子速度の制御を、フ
ァジイ制御を用いて行なうことを特徴とする請求項1に
記載のごみ焼却炉の燃焼制御方法。 - 【請求項3】 燃焼空気の吹き込みが幅方向に分割され
ているごみ焼却炉の燃焼制御方法であって、分割されて
いるゾ−ン毎に炉内の温度を測定し、測定した複数ゾ−
ンの温度から炉内温度の平均温度を求め、この平均温度
と各ゾ−ンの温度との温度差に基づいて、各ゾ−ンの燃
焼空気の吹き込み量の制御を行うことにより、燃焼を制
御することを特徴とするごみ焼却炉の燃焼制御方法。 - 【請求項4】 前記各ゾ−ンの燃焼空気の吹き込み量の
制御を、ファジイ制御を用いて行なうことを特徴とする
請求項3に記載のごみ焼却炉の燃焼制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10330820A JP2000154912A (ja) | 1998-11-20 | 1998-11-20 | ごみ焼却炉の燃焼制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10330820A JP2000154912A (ja) | 1998-11-20 | 1998-11-20 | ごみ焼却炉の燃焼制御方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000154912A true JP2000154912A (ja) | 2000-06-06 |
Family
ID=18236919
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10330820A Pending JP2000154912A (ja) | 1998-11-20 | 1998-11-20 | ごみ焼却炉の燃焼制御方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000154912A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114877347A (zh) * | 2022-06-07 | 2022-08-09 | 杭州和利时自动化有限公司 | 一种用于康恒垃圾焚烧炉的acc协调控制方法和装置 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0835630A (ja) * | 1993-12-29 | 1996-02-06 | Martin Gmbh Fuer Umwelt & Energietech | 燃焼炉の火格子上の燃焼に影響を与える個別あるいは全体の要因を調整する方法 |
JPH09273732A (ja) * | 1996-02-06 | 1997-10-21 | Nkk Corp | ごみ焼却炉の燃焼制御方法 |
-
1998
- 1998-11-20 JP JP10330820A patent/JP2000154912A/ja active Pending
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0835630A (ja) * | 1993-12-29 | 1996-02-06 | Martin Gmbh Fuer Umwelt & Energietech | 燃焼炉の火格子上の燃焼に影響を与える個別あるいは全体の要因を調整する方法 |
JPH09273732A (ja) * | 1996-02-06 | 1997-10-21 | Nkk Corp | ごみ焼却炉の燃焼制御方法 |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114877347A (zh) * | 2022-06-07 | 2022-08-09 | 杭州和利时自动化有限公司 | 一种用于康恒垃圾焚烧炉的acc协调控制方法和装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR100304244B1 (ko) | 쓰레기소각로의연소제어방법및그장치 | |
JP6543389B1 (ja) | 炉内状況判定方法及び燃焼制御方法 | |
JP6927127B2 (ja) | 廃棄物焼却方法 | |
JP4292126B2 (ja) | ストーカ型ごみ焼却炉の燃焼情報監視制御装置 | |
JP6543390B1 (ja) | 炉内状況判定方法及び蒸発量制御方法 | |
JP3030614B2 (ja) | ごみ層厚指標の推定方法及びこれを利用したごみ焼却炉の燃焼制御方式 | |
JP2001033017A (ja) | ごみ焼却炉の燃焼制御方法 | |
JP3099229B2 (ja) | 水平ストーカ式ごみ焼却炉のごみ送り制御方式 | |
JP6973246B2 (ja) | 廃棄物焼却方法 | |
JP2000154912A (ja) | ごみ焼却炉の燃焼制御方法 | |
JP3466555B2 (ja) | ごみ焼却プラントの燃焼制御方法及び装置 | |
JP3783348B2 (ja) | ごみ焼却炉の給じん量制御方法及び給じん量制御装置 | |
JP2004239508A (ja) | ごみ焼却炉の燃焼制御方法及びごみ焼却炉 | |
JP3946603B2 (ja) | 廃棄物焼却炉及びそれによる焼却方法 | |
JPH0470528B2 (ja) | ||
JP6797083B2 (ja) | 一次燃焼用気体の供給制御方法、蒸発量安定化方法、発電量安定化方法、及び火格子式廃棄物焼却炉 | |
JPH09273733A (ja) | ごみ焼却炉の燃焼制御方法 | |
JP2002122317A (ja) | ごみ焼却炉の燃焼制御方式 | |
JPH09273732A (ja) | ごみ焼却炉の燃焼制御方法 | |
JP3556078B2 (ja) | ゴミ焼却炉の給塵速度制御方法及びゴミ焼却炉 | |
JP3763963B2 (ja) | ごみ焼却炉におけるストーカ温度制御装置及びこれを備えたごみ焼却炉の燃焼制御装置 | |
JPH09273731A (ja) | ごみ焼却炉の燃焼制御方法 | |
JP2004085093A (ja) | 焼却炉の燃焼空気温度制御方法 | |
JPH10332121A (ja) | ごみ焼却炉の燃焼制御方法 | |
JPH11257634A (ja) | ごみ焼却炉における燃焼制御装置の運転支援装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20021015 |