JP2000153646A - プリント装置及び紙状媒体発行装置 - Google Patents

プリント装置及び紙状媒体発行装置

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JP2000153646A
JP2000153646A JP32858798A JP32858798A JP2000153646A JP 2000153646 A JP2000153646 A JP 2000153646A JP 32858798 A JP32858798 A JP 32858798A JP 32858798 A JP32858798 A JP 32858798A JP 2000153646 A JP2000153646 A JP 2000153646A
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JP32858798A
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English (en)
Inventor
Eiji Imai
栄治 今井
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Nidec Sankyo Corp
Original Assignee
Nidec Sankyo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画質を低下させることなくプリント時間を短
縮する。 【解決手段】 媒体走行路72に複数のプリントヘッド
部48を所定の順序で並べて配置するとともに、複数の
プリントヘッド部48にプリントすべき媒体2を一方向
から通過させ、複数のプリントヘッド部48により媒体
2にプリントするようにしたプリント装置71におい
て、媒体2の幅に対してプリントヘッド部48の幅を小
さく形成するとともに、プリントヘッド部48を媒体2
の幅方向に移動可能に設け、媒体走行路72には複数の
プリントヘッド部48の出口部73から入口部74に連
通させる循環走行路75を設けて媒体2が循環走行路7
5を循環できるように構成し、媒体2の循環に同期させ
て複数のプリントヘッド部48を媒体2の幅方向に移動
させてプリントする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリント装置及び
紙状媒体発行装置に関する。更に詳述すると、本発明
は、プリント装置のプリント機構の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】プリント装置の1つであるインクジェッ
トプリンタは、図37に示すように、プリントヘッド1
21のノズル122からインクを吐出して媒体123へ
のプリントを行うように形成されたものである。そして
図38のような複数のプリントヘッド部124を備えた
カラープリンタでは、図39にフローチャートで示すよ
うに、プリントヘッド121を主走査方向に往復動作さ
せながら、媒体123をこの主走査方向と直交する副走
査方向に送って印字することが一般的である。
【0003】このようにプリントヘッド121を往復動
させるプリント装置では、往動と復動の両方においてプ
リントを行うことも可能である。しかし、プリントヘッ
ド121の往動のときと復動のときとで機械的誤差によ
る僅かなインクの吐出の位置ずれが生じることがあるこ
と、更に、例えば4色のプリントヘッド部124を有す
るカラープリンタでは色を重ねる順序を一定とした方が
画質が向上することから、片方向への移動時のみプリン
トを行って画質をより良くするようにしている。したが
って、この場合は、プリントヘッド121を一方向へ移
動させるときのみインクを吐出してプリントを行い、逆
方向への移動中はこのヘッド121を移動させるのみと
している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに片方向への移動時のみプリントを行うプリント装置
では、プリントせずにヘッド121を戻すという空走時
間が必要となることから、おのずとプリント時間が長く
なるという問題がある。プリント時間を短縮するために
は例えばプリントヘッド121の幅を広くするという手
段も考えられるが、機器の小型化という点では不利とな
るし、空走時間の分だけ余計な時間を要しているという
点では幅の狭いものと変わるところがない。
【0005】一方、往復動時ともにプリントすることと
すればプリント時間の短縮は達成できるが、その結果、
上述のように画質が低下してしまうという相反する問題
がある。
【0006】そこで、本発明は、画質を低下させること
なくプリント時間を短縮できるプリント装置及びこのプ
リント装置を備えた紙状媒体発行装置を提供することを
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、媒体走行路に複数のプリン
トヘッド部を所定の順序で並べて配置するとともに、複
数のプリントヘッド部にプリントすべき媒体を一方向か
ら通過させ、複数のプリントヘッド部により媒体にプリ
ントするようにしたプリント装置において、媒体の幅に
対してプリントヘッド部の幅を小さく形成するととも
に、プリントヘッド部を媒体の幅方向に移動可能に設
け、媒体走行路には複数のプリントヘッド部の出口部か
ら入口部に連通させる循環走行路を設けて媒体が循環走
行路を循環できるように構成し、媒体の循環に同期させ
て複数のプリントヘッド部を媒体の幅方向に移動させて
プリントするようにしたものである。
【0008】この場合、媒体は媒体走行路を通過し循環
走行路へ到達・進入した後、先端側から当該循環路に送
られ、先端と後端とが近接した状態に丸められたままで
周回して循環する。プリントヘッド部は、このように循
環する媒体の表面に対し、媒体の幅方向のどちらか一方
に位置し、停止したままでインクを吐出してライン状に
プリントする。媒体が1周するとプリントヘッド部の幅
に相当する1区域分だけプリントが終わるので、媒体後
端がプリントヘッド部前を通過し、再び先端が差しかか
るまでの間に当該プリントヘッドを媒体幅方向に移動さ
せ、隣りの区域に位置させる。そして媒体先端が通過す
れば再びインクを吐出し、第2の区域にライン状にプリ
ントする。このプリントが終われば再びプリントヘッド
部を幅方向に移動させて第3の区域にプリントを行うと
いうように動作を繰り返し、媒体全体にプリントするこ
とができる。
【0009】このようにしてプリントが行われる場合、
プリントヘッド部はプリントが1区域終わるごとに幅方
向へ区域幅の分だけ僅かに移動すれば良いし、その移動
に要する時間もごく少なくて済む。つまりこのプリント
装置では、プリントしている間プリントヘッドを空走さ
せる必要がなく、無駄な時間をとらずに済むためプリン
ト時間が短縮される。しかも、従来と同様、媒体に対し
て一方向からのみプリントするようにしているから、画
質が低下してしまうこともない。
【0010】次に、請求項2記載の発明では、請求項1
記載のプリント装置において、媒体走行路が水平方向ま
たは垂直方向に形成されている。したがって、この場
合、媒体を水平な状態または鉛直な状態で走行させなが
らその表面にプリントすることができる。
【0011】請求項3記載の発明では、請求項1または
2記載のプリント装置において、循環走行路が、媒体が
プリントされている最中に媒体の先端は走行方向が変更
されるように形成されている。この場合、媒体は、その
先端が最終的に再びプリントヘッド部の前を通過するよ
うに周回する必要があるため、当該先端は循環するよう
に走行方向が変更される。
【0012】請求項4記載の発明では、請求項1から3
のいずれかに記載のプリント装置において、複数のプリ
ントヘッド部からなるプリントヘッドを媒体の幅方向に
複数個並べて同時にプリントを行うようにしている。こ
の場合、同時に複数区域にプリントできるためプリント
時間をさらに短縮することが可能である。しかも、同時
にプリントできる領域を拡げるといっても、個々のプリ
ントヘッドを幅広に形成する必要はなく、プリントヘッ
ドを複数並べるだけで済む。
【0013】請求項5記載の発明では、請求項1から3
のいずれかに記載のプリント装置において、複数のプリ
ントヘッド部からなるプリントヘッドを少なくとも1つ
媒体の表面に配置して当該表面へプリントする一方、プ
リントヘッドを少なくとも1つ媒体の裏面に配置して当
該裏面へプリントすることにより両面同時プリントを行
うようにしている。したがって、表面にプリントするの
と同じ時間で、両面同時プリントをすることができる。
【0014】請求項6記載の発明では、請求項1から5
のいずれかに記載のプリント装置において、循環走行路
を鉛直軸の周囲を循環するように設定するとともに、プ
リントヘッド部を水平向き、かつ循環走行路に対して垂
直に設置するようにしている。したがって、媒体は鉛直
軸の周囲を周回するように循環し、このとき、水平方向
を向いているプリントヘッド部は媒体に対して垂直にイ
ンクを吐出してプリントを行う。
【0015】請求項7記載の発明では、紙状媒体にプリ
ントをした後に当該紙状媒体を発行する紙状媒体発行装
置において、請求項1から6のいずれかに記載のプリン
ト装置を利用し、ロール紙をカットして形成された前記
紙状媒体にプリントを行うようにしている。この場合、
紙状媒体へのプリントを短時間で行い得るため、あらか
じめ媒体にプリントしてストックしておく必要がない。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成を図面に示す
実施の形態の一例に基づいて詳細に説明する。
【0017】図1〜図4に、本発明のプリント装置及び
紙状媒体発行装置1の一実施形態を示す。プリント装置
71は、媒体走行路72に複数のプリントヘッド部48
を所定の順序で並べて配置するとともに、複数のプリン
トヘッド部48にプリントすべき紙などの媒体2を一方
向から通過させ、複数のプリントヘッド部48により当
該媒体2にプリントするものである。そして、本実施形
態では、媒体2の幅に対してプリントヘッド部48の幅
を小さく形成するとともに、プリントヘッド部48を媒
体2の幅方向yに移動可能に設け、媒体走行路72には
複数のプリントヘッド部48の出口部73から入口部7
4に連通させる循環走行路75を設けて媒体2が循環走
行路75を循環できるように構成し、媒体2の循環に同
期させて複数のプリントヘッド部48を媒体2の幅方向
yに移動させてプリントするようにしている。
【0018】以下においては、プリント装置71がイン
クジェット方式を採用したカラープリンタである場合に
ついて説明する。本実施形態におけるプリント部は4色
(Y:イエロー、C:シアン、M:マゼンダ、K(また
はBk):ブラック)の各プリントヘッド部48を備え
て形成されており、図1に示すように、媒体2の走行方
向xに各色が直線上に並ぶように配置されている。また
プリントヘッド部48は、例えば横方向のシャフト80
に取り付けられるなどにより、図2に示すように媒体走
行方向xと垂直な幅方向yに移動可能に設けられてい
る。この場合、プリントヘッド部48を移動させる機構
としては、特に図示していないが公知のもの、例えばモ
ータとベルトが組み合わされてプリントヘッド部48を
1対1に位置決めしながら移動させ得るようにした機構
などが採用される。
【0019】なお、本明細書中では複数のプリントヘッ
ド部48からなるヘッドをプリントヘッド76と称して
使い分けているが、例えば黒色のみのヘッドなど、プリ
ントヘッド76が1つのプリントヘッド部48からなる
場合にはこれらプリントヘッド部とプリントヘッドの区
別が必ずしも明瞭でないこともある。
【0020】本実施形態のプリント装置71では、媒体
2が走行する走行路72の一部に、当該媒体2を循環さ
せ得る循環走行路75が形成されている。循環走行路7
5は、図1に示すように、媒体2がプリントヘッド部4
8にプリントされて出てくる出口部73から、このプリ
ントヘッド部48の手前にある入口部74に再び媒体2
を移動させるようにループ状に設けられるものである。
したがって、出口部73より下流に移動させない限り、
媒体2を延々と循環させることも可能となっている。
【0021】図3に示すように、この循環走行路75
は、少なくとも、回転軸が幅方向yに水平で互いに離れ
て配置される同径の2本のドラム77,77と、これら
ドラム77,77の間に張架された内ベルト78とによ
って構成されている。このようにドラム77,77に架
けられた内ベルト78は、2つの直線と2つの半円から
なる長円を形成し、上側の直線部において媒体2へのプ
リントを行い得るようにしている。また、ドラム77,
77のうち一方は図示していない駆動源に接続され、内
ベルト78を介して他方のドラムと一体的に回転する。
なお、2本のドラム77,77は同径でなくても構わな
い。また、内ベルト78の両側には、媒体2の両側を押
さえるはたらきをするベルト79,79が図3、図4に
示すように架けられている。2本のベルト79,79
は、媒体2の両側を押さえることができるよう、ほぼ媒
体2の幅だけ離れて平行に配置されている。
【0022】このように、内ベルト78が2つのドラム
77,77の間に張架され、媒体2がこの内ベルト78
とともに循環移動できることとしたため、この循環走行
路75では、プリントされている最中の媒体2の先端2
aの走行方向は常に方向を変えるように変更される。ま
た、内ベルト78の周回長さは媒体2の走行方向xの長
さより僅かでも長くなるように形成されている。したが
って、内ベルト78に巻かれたとき媒体2の先端2aと
後端2bとは重なり合うことがない。ただし機器の小型
化、プリント時間の短縮という観点からすれば、このよ
うに巻かれたときの媒体2の先端2aと後端部2bとの
隙間はあまり大きくならないようにすることが好まし
い。
【0023】このように構成されている循環走行路75
では、特に図示していないものの、その周囲に媒体2を
貼り付けた状態のまま循環させるための吸着手段が設け
られており、この吸着手段によって、媒体2を内ベルト
78の周囲に密着させながら、内ベルト78およびベル
ト79,79とともにドラム77,77の周囲を循環さ
せることができる。吸着手段としては例えば空気を吸い
込むようにして媒体2を内ベルト78に密着させるよう
にした空気吸引方式のものが挙げられ、この場合、内ベ
ルト78の表面に多孔(図示省略)を設け、ここから吸
気させて媒体2を吸着すれば良い。また、この他として
は、媒体2を内ベルト78に一時的に粘着させ循環を終
えたら剥がし取れるようにした粘着方式や、静電気の静
電吸着力によって内ベルト78に吸着させるようにした
静電方式などが採用可能である。
【0024】なお、本実施形態のプリント装置71にお
ける媒体走行路72は、図示するようにx、y方向とも
水平方向に形成され、媒体2を水平に移動させ得るよう
にしたものであるが、例えば媒体2が斜めに移動するよ
うにされたものでも良いし、あるいは幅方向yを鉛直に
した状態で媒体2が立ったまま移動するように垂直方向
に形成されたものであっても良い。
【0025】以上のように構成されたプリント装置71
では、図11に示すチャートの流れに沿って以下のよう
にプリントが行われる。まず、媒体2は媒体走行路72
を走行した後に循環走行路75に到達・進入し、内ベル
ト78にエアー吸着され、先端2a側から順にこの回転
する内ベルト78に密着していく。媒体2の両側は、ベ
ルト79,79によって押さえられる。そして後端2b
まですべて密着した媒体2は、吸着手段が作用している
間、内ベルト78とともに循環走行路75を周回する。
【0026】そしてこのように媒体2が周回している間
に、プリントヘッド部48を用いて媒体2へのプリント
を行う。このとき、本実施形態ではまず幅方向のどちら
かにプリントヘッド部48を移動させ、媒体2の一方の
側部から他方の側部に向けて順にプリントを行うことと
なる。例えば、図5に示すように媒体2を走行方向xに
沿ってn個の区域にトラック状に縦割りし、端から1つ
ずつプリントする場合、プリントヘッド部48をまず1
番目の区域に対応する位置に移動させ、媒体2が1周す
る間にインクを吐出させてプリントを行う。媒体2の後
端2bがプリントヘッド部48を通過するとこの1番目
の区域へのプリントが終わるので、媒体2がそのまま循
環して再び先端2aが通過するまでの間に、プリントヘ
ッド部48を幅方向yに1区域分だけ移動させて2番目
の区域に位置させる。そして、媒体2の先端2aが入口
部74を通過してプリントヘッド部68に差しかかるの
に伴いインクの吐出を再開し、この区域へのプリントを
行う。そしてこの区域のプリントが終われば再びプリン
トヘッド部48を1区域分だけ移動させるというよう
に、操作をn番目の区域まで繰り返し、媒体2へのプリ
ントを終える。このようにプリントをし終えたら、エア
ー吸着を止めて媒体2と内ベルト78の密着状態を解除
し、媒体2を今度は循環走行路75にではなく、媒体走
行路72へと送り出す。
【0027】このように、媒体2へのプリントは、媒体
2が内ベルト78へ密着している間に行われるのが原則
である。ただし、媒体走行路72を移動した媒体2が循
環走行路75に到達し、先端2aから後端2bまですべ
て内ベルト78に密着するまでの間に1番目の区域への
プリントを行うことが可能だし、また、先端2aから順
に内ベルト78への密着が解除され、再び媒体走行路7
2へ送り出されるまでの間に最後のn番目の区域へのプ
リントを行うことも可能であり、このようにすることに
よって媒体2の循環回数を減らし、プリント時間を更に
短縮することが可能となる。
【0028】なお、媒体2へのプリントが行われている
間、本実施形態での内ベルト78は特にその速度を変化
させることなく回転しているが、この回転速度を適宜変
化させるようにすることもできる。例えば、縦割りにし
た1区域へのプリントを終えるごとに回転を遅くするか
止め、その間にプリントヘッド部48を1区域分だけ正
確に移動させるようにすることもできる。
【0029】このように、上述したプリント装置71で
は、媒体走行路72に循環走行路75が追加的に設けら
れ、媒体2が循環しながら走行できるようになっている
ことから、同じ場所を循環走行させながらこの媒体2に
プリントすることができる。このとき、プリントヘッド
部48は媒体幅方向yに移動可能であり、しかもその移
動距離は縦割りにされた1区域の幅だけと短いため、内
ベルト78に密着した媒体2の先端2aと後端2bの隙
間が狭くても確実に次の区域へ移動できる。つまり、こ
のような構成のプリント装置71にあっては、プリント
ヘッド部48の移動に要する時間(空走時間)が少なく
て済むから、媒体2へのプリント時間に余計なロスがな
いこととなり、大幅に時間を短縮できるようになる。し
かも、媒体2へのプリントは従来と同様に一方向からの
みとしているので、画質が従来より低下することもな
い。また、プリントヘッド部48を短時間で大きく動か
す必要がないから位置決めがより安定化することに加
え、速く動作させるための機能も要らなくなるため装置
を小型化できるようになる。
【0030】次に、別の図を用い、プリント装置71の
別の実施形態について説明する。この第2の実施形態に
おけるプリント装置71は、上述したプリント装置71
にさらに別のプリントヘッド76を設けることにより、
媒体2の表裏への同時プリントを可能としたものであ
る。ここでは、図6に示すように、循環走行路75の下
側走行路上面に、黒一色のみからなるプリントヘッド部
48(プリントヘッド76)を設けることとしている。
この場合、プリントヘッド部48を4色とし、表裏面と
もカラー印刷できるようにすることも勿論可能である
が、ここでは両面ともにはカラー印刷する必要のない場
合を想定している。
【0031】新たに設置される単色のプリントヘッド7
6は、循環走行路75の内側に、循環移動する媒体4の
裏面に面した状態で配置されている。媒体2は、循環走
行路75の下側を移動するときは裏面を上にして循環し
ているため、プリントヘッド76はこのときの裏面と向
かい合うように下向きとされている。
【0032】尚、第1の実施形態でも用いた4色のプリ
ントヘッド76を図6の想像線で示すような位置に設け
ることも可能ではあるが、重力に逆らいながら上にイン
クを吐出させるような位置への設置は吐出などの面にお
いて好ましくない。本実施形態では、プリント装置71
に上述のような循環走行路75を採用したことにより、
2つのプリントヘッド76,76を両方とも下方に向け
て設置することを可能としている。なお、この実施形態
では、厳密にいえば媒体2の表裏を同時にプリントして
いるわけではないが、媒体2が1周する間に表裏とも同
じ区域のプリントが終わっているという点において同時
である。
【0033】次に、プリント装置71の第3の実施形態
について説明する。ここでのプリント装置71は、図7
および図8に示すように、循環走行路75が、例えば軸
方向が水平とされた円筒型のドラムなどにより円形に形
成されたものである。そしてこの循環走行路75には、
装置71の入口方向および出口方向へ向かう2つの媒体
走行路72がそれぞれ円筒周面の接線方向に設けられて
いる。循環走行路75は、円周長さが媒体2の走行方向
xへの長さ(つまり媒体2の縦の長さ)よりも長くなる
ように形成される。そして循環走行路75の周面には、
媒体2を密着させるための押さえ手段として、例えばエ
ア吸引装置や静電装置などが設けられる。このように循
環走行路75を円筒ドラムなどによって形成した本実施
形態のようなプリント装置71では、構成部材が少なく
て済むという利点がある。
【0034】各色のプリントヘッド部48は、図示する
ように各ヘッドのノズルが円筒の中心を向くよう、各点
において接線とほぼ垂直に設置されているものである。
つまり、ここでは第1や第2の実施形態におけるよう
な、各色が直線状に一体化されたブロック状のプリント
ヘッド76を採用する代わりに、各プリントヘッド部4
8をそれぞれ媒体2の表面と垂直に面するように設ける
こととしている。さらにこの場合、各プリントヘッド部
48はできるだけ下を向いた状態で使用されるよう循環
走行路75の真横より上側に設置し、これより下側には
配置しないようにしている。そしてこの場合、好ましく
はできるだけ真上に近い位置に配置するようにし、重力
によってインクの吐出能力を減少させることなくプリン
ト能力の維持を図るようにする。なお、循環走行路75
の大きさに合わせて当初から円弧状に配置され一体化さ
れたプリントヘッド部76があれば、これら各プリント
ヘッド部48を一つひとつ設置する代わりにこれを使用
しても良いことはいうまでもない。また、媒体2の幅方
向yへのプリントを可能とするため、ここでのプリント
ヘッド部48は図7において、循環走行路75の回転軸
の軸方向(紙面に垂直な方向)に移動可能に設けられて
いる。
【0035】さらに、プリント装置71の第4の実施形
態について以下に説明する。本実施形態でのプリント装
置71は第3の実施形態と同様に循環走行路75が円筒
型とされたものであるが、ここでは図9に示すように、
この循環走行路75の回転軸が鉛直方向を向いた状態で
当該円筒が縦置きされている。したがって、媒体2は垂
直に立てられた状態のまま媒体走行路72を移動し、循
環走行路75を周回し、そしてその状態のまま再び媒体
走行路72を移動していくこととなる。循環走行路75
には、入口方向および出口方向への2つの媒体走行路7
2がそれぞれ円筒周面の接線方向に設けられている。循
環走行路75は、円周長さが媒体2の走行方向xへの長
さ(縦の長さ)よりも長くなっている。
【0036】また、本実施形態におけるプリントヘッド
部48は、図9、図10に示すように、円筒の側面、つ
まり循環走行路75の外周面を向いた姿勢で等間隔に設
置されている。したがってこの場合のプリントヘッド部
48は水平向きに設置されることとなり、プリント時、
水平にインクを吐出する。また、この実施形態では媒体
2の幅方向yは鉛直方向となるため、各プリントヘッド
部48も鉛直方向に移動可能に設けられることとなる。
【0037】この実施形態におけるプリント装置71で
は、プリントヘッド部48は、循環走行路75の方を向
いた姿勢である限り、どの位置であってもインクを水平
に吐出することができる。したがって、プリントヘッド
部48は必ずしも4等分して配置されなくても構わず、
全周のどの位置にも自由に配置できるものである。この
ため、このプリント装置71ではプリントヘッド部48
の配置に際しての設計が容易であり、自由度が大きいと
いう利点がある。
【0038】なお、上述の各実施形態は本発明の好適な
実施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本
発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能
である。例えば上述した各実施形態では、インクジェッ
ト方式を採用したプリント装置71を例示して説明した
が、本発明のプリント装置71は特にこれに限られるこ
とはない。例えば本発明のごとくプリントを短時間で効
率良く行い得る装置はサーマルプリント方式を採用した
ものでも実現できるし、静電プリント方式を採用したも
のでも勿論実現できる。
【0039】また、上述した各実施形態でのプリント装
置71は、イエロー、マゼンダ、シアンそしてブラック
という4色のプリントヘッド部48を有し、これをひと
まとめとしたものをプリントヘッド76としていたが、
このひとまとまりのヘッド66を2つ設けることも可能
である。この場合は、特に図示していないが、左右各ヘ
ッドの間隔を全印刷幅の半分程度あけて並べ、紙状媒体
2を走行させながら同時にプリントする。また、ヘッド
を幅方向に移動させるときには同じ幅だけ同じ方向へ移
動させ、さらに次の区域を続けてプリントするようにす
る。このようにすると、それぞれのヘッドをプリント幅
の半分ずつ動かすだけでプリントすることができる。同
様に、3つ以上のヘッドを幅方向に並べて配置すること
も可能である。
【0040】更に以下においては、本発明のプリント装
置71を紙状媒体発行装置1に採用した場合の実施形態
を、紙状媒体発行装置1の構成と併せて説明する。
【0041】この実施形態では、紙状媒体発行装置1を
クーポンやチケット等を発行するセルフサービスターミ
ナルに組み込むユニットとして使用している。この紙状
媒体発行装置1は、紙からなる媒体(以下「紙状媒体」
という)2を1枚ずつ供給する媒体供給部3と、媒体供
給部3からの紙状媒体2に偽造防止等のセキュリティ性
を付与するセキュリティ部4と、セキュリティ性を付与
された紙状媒体2に固有画像5及び個別情報6をプリン
トするプリント部7と、プリントの良否を確認するプリ
ント確認部8とを有している。そして、紙状媒体発行装
置1に接続された上位装置9からの指令により紙状媒体
2を1枚ずつ発行するようにしている。
【0042】また、この紙状媒体発行装置1は、プリン
ト確認部8からの紙状媒体2を外部に送り出す投出部1
0と、発行後の紙状媒体2を外部から回収する回収部1
1と、発行中にエラーを生じた紙状媒体2や回収部11
で回収された紙状媒体2を収容する回収箱12と、各部
の制御を行うと共に上位装置9に接続される制御部14
とを備えている。本実施形態では紙状媒体発行装置1に
回収部11及び回収箱12を備えているが、これらは特
に無くても構わない。また、図12で想像線にて囲んで
示すストッカ部13は、固有画像5をプリントされた紙
状媒体2を種類別にしてストックしておくために必要に
応じて設けられるものである。本実施形態の紙状媒体発
行装置1では、これまで説明したプリント装置71を採
用していることからこのようなストッカ部13がなくて
も紙状媒体2の迅速な発行が可能なのであるが、以下で
はまずストッカ部13があるものとしてこの紙状媒体発
行装置1を説明し、その後にストッカ部13を省いた場
合との比較をすることとする。
【0043】媒体供給部3は、紙状媒体2を発行可能な
ように用紙を保持し発行時に1枚ずつ供給するものであ
る。この媒体供給部3は、図12及び図13に示すよう
にロール紙15を保持して供給可能なロール紙保持部1
6と、このロール紙保持部16から供給された用紙を所
定の長さに切断して紙状媒体2として排出するカッタ1
7とを備えている。本実施形態では媒体供給部3にロー
ル紙15をセットしているが、これには限られずファン
フォールド紙のように折り畳まれた用紙を保持するよう
にしても良い。また、ロール紙15とファンフォールド
紙等のように複数種類の用紙を保持すると共に発行する
1種類を選択するセレクタを備えるようにしても良い。
なお、図12中符号18はロール紙15が無くなったこ
とを検出するエンドセンサ、符号19はロール紙15が
もうすぐ無くなることを検出するニアエンドセンサを示
す。
【0044】そして、制御部14から紙状媒体2を供給
するよう指令が出されると、ロール紙保持部16のモー
タドライバ20を作動してロール紙15が引き出され
る。このロール紙15はカッタ17で切断されて、紙状
媒体2として供給される。
【0045】また、ロール紙15は無地であったり、あ
るいはセキュリティ性を得るために全紙状媒体2に共通
の図柄や模様等が予め印刷されている。但し、紙状媒体
2にクーポンやチケット等としての付加価値を与えるた
めの図柄や模様等は未だ印刷されていないものとする。
このため、紙状媒体発行装置1の内部で無地に近い用紙
から紙状媒体2をプリントできるので、固有画像5や個
別情報6等を予め印刷した紙状媒体2を収容しておいて
単に投出するだけの紙状媒体発行装置に比べて、紙状
媒体2の発行可能な種類を増大できる、投出前の用紙
が盗難されても未プリントで紙状媒体2として不完全で
あるので不正使用を防止できる、等の利点を有してい
る。
【0046】セキュリティのための印刷の図柄等は特に
限定されないが、複写を防止するためには、図18に示
すように複写が困難な淡い色の模様21やマイクロ文
字、特殊な色彩、透かし22、隠し文字等をプリプリン
トすることが好ましい。また、セキュリティのために磁
気記録用の磁気ストライプ23等を貼付しておいたり、
バーコード24をプリプリントしておいても良い。
【0047】そして、セキュリティ部4は、媒体供給部
3より供給される紙状媒体2にセキュリティ性を付与す
るものである。このセキュリティ部4は、セキュリティ
性を付与するための動作を選択可能としている。本実施
形態でのセキュリティ部4は、紙状媒体2に予め付与さ
れたセキュリティ用の属性を検出する属性検出部25
と、独自のセキュリティを付与するセキュリティ付与部
26とを有しており、属性検出部25及びセキュリティ
付与部26は選択的に動作可能であるようにしている。
このため、セキュリティ部4の動作を選択的にしている
ので、紙状媒体2の付加価値に応じてセキュリティ性の
レベルを異ならせることができ、発行する紙状媒体2の
付加価値に最適なレベルのセキュリティ性を選択するこ
とができる。よって、必要レベル以上のセキュリティ性
の付与を防止して、紙状媒体2の発行時間の短縮化を図
ることができる。
【0048】属性検出部25はランダム属性リードセン
サとしての例えばフォトセンサから成るものとしてい
る。この属性検出部25は、例えば画像情報の場合、紙
状媒体2の例えば所定の直線上のランダムな画像模様を
読み取って、その画像模様をその紙状媒体2の固有の情
報、即ちランダム属性として検出する。読み取ったラン
ダム属性はコード化してプリント部7で紙状媒体2に個
別情報6として数値やバーコード24によりプリントし
たり、またセキュリティ付与部26で紙状媒体2の磁気
ストライプ23に書き込んだりする。これにより、その
紙状媒体2の固有のランダム属性と該紙状媒体2に後か
ら付与された情報とを照合可能になるので、セキュリテ
ィ性を得ることができる。
【0049】セキュリティ付与部26は、磁気ヘッド2
7とロゴスタンプ28とを有している。磁気ヘッド27
は紙状媒体2に磁気ストライプ23が予め貼付されてい
る場合に、この磁気ストライプ23に磁気情報を書き込
むものである。これにより、例えば属性検出部25で得
られた紙状媒体2のランダム属性やその他のセキュリテ
ィ情報を磁気ストライプ23に書き込むことができる。
また、ロゴスタンプ28は紙状媒体2にロゴ29を押印
するものである。この押印は偽造防止用の特殊なイン
ク、例えば紫外線にのみ反応するインクにより行うよう
にしたり、また目視できるようにカラープリントも行う
ようにする。
【0050】さらに、図14に示すように、ランダム属
性の読み取り工程30とランダム属性の磁気情報として
の書き込み工程31とロゴ29の押印工程32とは、セ
キュリティの選択工程33により選択的に動作可能であ
るようにしている。さらに、ランダム属性の読み取り工
程30で得られたランダム属性をコード化してバーコー
ドによりプリントする工程34や文字または数字として
プリントする工程35も有している。そして、これらの
全てを行ったり、いずれか1つのみを行う等のように選
択できるので、紙状媒体2の付加価値に応じて最適なレ
ベルのセキュリティ性を付与できる。このため、紙状媒
体2の発行時間の短縮化を図ることができると共に経済
性を向上させることができる。ここで、最低限のセキュ
リティ性は紙状媒体2をカラープリントすることにな
る。
【0051】また、本実施形態では、セキュリティ部4
に属性検出部25及びセキュリティ付与部26を設けて
選択可能としているが、これには限られず複数種類のセ
キュリティ性を選択可能に付与できれば良いので、例え
ば固有の凹凸を付加する機構を付け加えたり、プリント
部7でのセキュリティ情報やロゴ29やバーコード24
等を印刷するようにして、これらを選択可能にしても良
い。
【0052】プリント部7は、媒体供給部3より供給さ
れる紙状媒体2に発行媒体に共通な固有画像5と発行媒
体ごとに異なる個別情報6とをプリントするものであ
る。固有画像5とは、図15〜図17に示すように、発
行しようとする紙状媒体2の種類ごとに共通な背景画像
等であり、主としてカラープリントされる。また、個別
情報6は、紙状媒体2ごとに1枚ずつ異なる名称等の文
字や発行番号等の数値、バーコード24、マーク等であ
る。この実施形態でのプリント部7としては、特に細か
く図示していないが、第1から第4までの実施形態の中
で説明したプリント装置71のいずれかが採用されてい
る。
【0053】この紙状媒体発行装置1は、固有画像5を
記録するローカルメモリ部36を有している。ローカル
メモリ部36としては、図31に示すように例えばRA
M等の半導体メモリ38やハードディスク39とした
り、またFDやCD−ROM等の入れ替え可能な媒体と
しても良い。そして、図19に一点鎖線で示すように、
紙状媒体2を発行する前に、予め固有画像5を上位装置
9から受信してローカルメモリ部36に記録しておく。
記録作業は、例えば紙状媒体発行装置1の電源投入時
や、初期化時、発行媒体の種類を変更する時等に、上位
装置9からデータを一括して受信して行う。そして、紙
状媒体2の発行時には、プリントする固有画像5がロー
カルメモリ部36に記録されたものであるかを判断し
て、記録されたものであれば固有画像5の記録をローカ
ルメモリ部36より読み出してプリントメモリ37に送
信してプリントする。このため、紙状媒体2を発行する
度に固有画像5の膨大なデータを上位装置9から受信す
る必要はないので、データ転送時間を短縮することがで
きる。よって、紙状媒体2の発行時間の短縮化を図るこ
とができる。
【0054】また、ローカルメモリ部36は複数のデー
タ領域を有していて複数の固有画像5を記録するように
しておく。これにより、例えば10種類の固有画像5を
記録していれば10種類の紙状媒体2をローカルメモリ
部36の利用によりプリントすることができる。
【0055】これに対し、個別情報6は、図19に二点
鎖線で示すように上位装置9から受信してそのままプリ
ントメモリ37に送信してプリントされる。ここで、個
別情報6は紙状媒体2の1枚ごとに異なる情報であり文
字等のキャラクタであることが多く、また画像であった
としても小さなマークや模様程度であるので、情報量と
しては固有画像5よりも遥かに少ない。このため、紙状
媒体2の発行の度に個別情報6を受信しても長時間を要
することはない。
【0056】さらに、プリント部7では、図15に示す
ように装置情報40がプリントされる。この装置情報4
0は、図19に破線で示すように紙状媒体発行装置1が
上位装置9とは関係なく独自にコード化するセキュリテ
ィ情報であり、紙状媒体発行装置1ごとに固有の情報を
装置ごとに独自に付与するものである。具体的には紙状
媒体発行装置1のユニット番号を付したりする。これは
セキュリティ性のために、プリントを行った紙状媒体発
行装置1を特定するために為されるものである。
【0057】また、プリント部7はプリントレベルを上
位装置9より選択変更可能であるようにしている。この
ため、紙状媒体2の付加価値に応じてプリントレベルを
異ならせることができるので、発行する紙状媒体2の付
加価値に最適なプリントレベルを選択することができ
る。よって、必要以上のプリントレベルによるプリント
を防止して、紙状媒体2の発行時間の短縮化を図ること
ができる。例えば本実施形態ではプリント部7において
固有画像5と個別情報6と装置情報40とをプリントし
ているが、これには限られず図20に示すように少なく
とも個別情報6をプリントすれば紙状媒体2としての最
低限の付加価値を与えることはできる。この場合、固有
画像5及び装置情報40のプリント時間が必要なくなる
ので、紙状媒体2の発行時間を更に短縮することができ
る。
【0058】プリントレベルを変更する例としては、入
場券を600dpiで印刷する一方、クーポン券を30
0dpiで印刷することができる。また、プリントする
固有画像5を最低限必要な部分(紙状媒体2が区別でき
る部分)に限定したり、あるいは固有画像5をテキスト
のみにすることができる。例えば、予め固有画像5の代
替テキストを定義しておけばテキストのみの紙状媒体2
として発行することができる。この場合は、カラープリ
ント画像のセキュリティ性が失われるので、バーコード
等でセキュリティを追加することが好ましい。
【0059】また、プリントレベルの選択肢の例として
は、図31に示すように例えば分解能を600dpiと
300dpiで選択する工程41や、印刷モードを固有
画像5を含む画像モードと個別情報6のみから成るテキ
ストモードで選択する工程42や、紙状媒体2のサイズ
をフルサイズと小型のエコノミサイズで選択する工程4
3等がある。これらの選択肢は上位装置9からのプリン
トレベル選択工程44の指令によって、CPU45にお
いてソフトウェア上で処理されて決定される。さらに、
分解能や印刷モードが変更されると、その内容がプリン
タドライバ46に送信されて印刷に反映される。また、
プリントサイズが変更されると、その内容が用紙カッタ
ドライバ47に送信されてカッタ17が所定の用紙サイ
ズにカットする。
【0060】また、本実施形態ではプリント部7におい
て固有画像5と個別情報6と装置情報40とをプリント
可能としているが、これには限られず少なくとも固有画
像5及び個別情報6をプリント可能とすれば良い。
【0061】さらに、プリント部7は複数のプリントヘ
ッド部48を有しており、複数のプリントヘッド48を
同時に動作させて1枚の紙状媒体2をプリントするよう
にしている。したがって、従来のように単一のプリンタ
ヘッド部によりプリントする場合に比べてプリント速度
の向上を図ることができるので、紙状媒体2の発行時間
を短縮化することができる。
【0062】本実施形態では、図22に示すように、プ
リントヘッド48は2つのインクジェットプリント(以
下、IJPという)ヘッド48を並列して有している。
各IJPヘッド48はイエロー、マゼンダ、シアン、ブ
ラックの4色によりカラー印刷が可能なものであるが、
その構成は特に限定されず既知のまたは新規のもので良
い。そして、各IJPヘッド48は印刷の幅方向yに移
動可能に支持されている。
【0063】そして、上位装置9からプリントの指令が
出されると、固有画像5はローカルメモリ部36から読
み出され、個別情報6は上位装置9から受信され、装置
情報40は紙状媒体発行装置1により独自に作成され
て、これらが図15に示すように合成されて、プリント
メモリ37に1つの画像情報として記録される。プリン
トメモリ37に記録された画像情報49をプリントする
際は、例えば図23に示すように画像情報49を2分割
して各IJPヘッド48のプリンタドライバ46に送信
する。
【0064】さらに、図24に示すように2つのIJP
ヘッド48で同時にプリントを行う。このとき、各IJ
Pヘッド48の間隔を全印刷幅の半分程度あけておき、
紙状媒体2を移動させることにより(本明細書では説明
していないが、紙状媒体2を移動させる代わりに各IJ
Pヘッド48を直進移動させるようにしても良い)、I
JPヘッド48と紙状媒体2とを相対的に移動させなが
ら、トラック状に縦割りされた最初の区域をそれぞれ印
刷する(A1及びB1)。紙状媒体2の後端2bまで達
したら、トラック状区域の幅の分だけ各IJPヘッド4
8を幅方向yにずらし、2番目の区域へ印刷する(A2
及びB2)。これを繰り返して一方のIJPヘッド48
の最終印刷区域(A3)と他方のIJPヘッド48の最
初の印刷区域(B1)とを半分程度ずつ重ね合わせて、
2つのIJPヘッド48により印刷すべき全領域の半分
ずつを印刷するようにする。また、全印刷幅の両側部の
外側では、IJPヘッド48の未印刷部分(破線で示
す)も生ずる場合がある。ここで、各行程での印刷の濃
度を最終的に印刷すべき濃度の半分の濃度としておくと
共に、各IJPヘッド48により印刷される範囲とを半
分ずつ重ねるようにする。これにより、印刷範囲の全領
域において二重に印刷を行うことができるので、1回の
みで印刷する場合よりも高画質にすることができる。
【0065】本実施形態では印刷すべき範囲の全領域で
2重に印刷を行っているが、これには限られず、図25
に示すように1度の印刷部分(A1,B1)の一側部と
次の印刷部分(A2,B2)の他側部とを重ね合わせる
ようにしても良い。このとき、印刷が重なり合う部分で
は各IJPヘッド48による印刷濃度を薄くして、重ね
印刷によっても他の部分に比べて濃くならないようにす
る。この場合、従来のように単一のプリンタヘッドによ
りプリントする場合に比べてプリント速度の向上を図る
ことができるので、紙状媒体2の発行時間を短縮化する
ことができる。
【0066】また、上述したようにプリントする紙状媒
体2の種類に応じて印刷モードを変更可能としているの
で、これに合わせて印刷部分の重なり量等を変更するよ
うにしている。なお、図12中で符号50はIJPヘッ
ド48にインクを補充するタンクであり、符号51はイ
ンクの終了を検知するエンドセンサである。
【0067】一方、プリント確認部8は、プリント部7
によるプリントの良否を確認するものである。すなわ
ち、IJPヘッド48の故障や駆動異常、紙状媒体2の
搬送の異常、インクエンドの検出異常等により、プリン
トが全く無い紙状媒体2や、判別できないようなプリン
トである紙状媒体2を発行してしまうことを防止するも
のである。このプリント確認部8は、確認レベルの異な
る複数の確認手段52を有しており、複数の確認手段5
2を選択可能としている。本実施形態では、確認手段5
2として、図26に示すように紙状媒体2のプリントを
読み込むフォトセンサ53やイメージスキャナ54を有
しており、これらをセレクト工程64により選択可能と
している。
【0068】フォトセンサ53によりプリント確認を行
う場合は、図27に示すように紙状媒体2の一部にイエ
ロー、マゼンダ、シアン、ブラック等の確認用マーク5
5を付しておく。そして、図28に示すように少なくと
も一部の確認用マーク55をフォトセンサ53により読
み取って、ドライバ56を介してCPU45に取り込ん
で、その出力を破線で示すスライスレベルと比較するこ
とによりその色のインクが適正にプリントされているか
を判断する。また、図30に示すように、紙状媒体2の
例えば全体に亘って直線状に読み込みを行い、ドライバ
56を介してCPU45に取り込む。そして、その読取
りパターンの特徴的な部分(例えば図中破線で示すウイ
ンドウの設定等をしておく)をプリントメモリ37中の
画像データと比較動作65により比較して確認を行うよ
うにしても良い。これによれば比較するデータ量を少な
くできるので、確認作業を短時間ででき発行時間を短縮
することができる。一方、読み取ったパターンの全体を
詳細に比較して確認すれば、精度を向上させることがで
きる。または、これらの中間でも良いのは勿論である。
【0069】イメージスキャナ54によりプリント確認
を行う場合は、図29に示すように紙状媒体2の一部に
印刷されたロゴ29等を読み込んで、ドライバ57を介
してCPU45に取り込み、印刷すべきロゴ29のプリ
ントメモリ37中の画像データと比較する。この比較の
レベル(精度)は発行する紙状媒体2の種類に応じて設
定する。例えば、紙状媒体2の発行時間を優先させる場
合は、図29のように一部のロゴ29についてのみ確認
することが好ましい。また、高精度の確認作業を要する
場合は、紙状媒体2の印刷部分の全体の読み込みを行っ
て詳細に比較して確認すれば良い。これらの中間でも良
いのは勿論である。
【0070】このプリント確認部8では確認手段52を
フォトセンサ53としたりイメージスキャナ54とした
り、またそれぞれで確認レベルを変更可能にしているの
で、発行する紙状媒体2の付加価値に最適な確認レベル
を選択することができる。例えば価値の低い紙状媒体2
には高精度なベリファイは必要無いので、発行時間の短
縮のために簡易なベリファイを行うように選択できる。
このため、必要以上の確認レベルを防止して、紙状媒体
2の発行時間の短縮化を図ることができると共に経済性
を向上させることができる。
【0071】投出部10は、図12に示すようにプリン
ト確認部8からの紙状媒体2を外部に送り出すものであ
る。この投出部10は、発行された紙状媒体2を所定枚
数溜めておく保留部58と、該保留部58を紙状媒体発
行装置1の外部から遮断するシャッタ59とを備えてい
る。そして、例えばまとめ買いのように紙状媒体2を数
枚まとめて発行する場合には、紙状媒体2を1枚ずつ発
行して保留部58に溜めておき、全ての紙状媒体2が発
行されてからシャッタ59を開いて利用者が一括して取
り出せるようにする。また、シャッタ59が設けられて
いることにより、外部のごみや埃が紙状媒体発行装置1
の内部に入ることを防止できる。
【0072】回収部11は、一旦利用者に渡され未使用
で返却された紙状媒体2を外部から回収するものであ
る。この回収の際に偽造した紙状媒体2を使用すること
を防止するために、紙状媒体2を発行した紙状媒体発行
装置1でのみ回収可能とすることが好ましい。例えば、
紙状媒体2の発行時に装置情報40を付しておき、回収
の際に装置情報40を読み取って当該紙状媒体発行装置
1で発行されたもので有れば回収するようにすれば良
い。これにより、紙状媒体発行装置1が丸ごと盗難され
て大量に偽造された場合でも、その紙状媒体2を回収す
ることを防止できる。
【0073】回収部11の回収口60には、外部と遮断
するためのシャッタ61と紙状媒体2が回収口60に差
し込まれたことを検知するセンサ(図示せず)とを設け
ている。そして、センサにより紙状媒体2の差込が検出
されるとシャッタ61を開いて取り込むようにする。さ
らに、取り込んだ紙状媒体2の装置情報40等を読み取
って回収可能なものであると判断されれば当該紙状媒体
2に回収すべきものであることを示す文字等の情報をプ
リントして回収箱12に搬送して破棄する。一方、取り
込んだ紙状媒体2の装置情報40等を読み取った結果、
回収不能なものであると判断されれば回収口60から外
部に返却される。
【0074】回収箱12は、発行中にエラーを生じた紙
状媒体2や回収部11で回収された紙状媒体2を収容す
るものである。例えば、セキュリティ部4でランダム属
性リードが異常であったときや、セキュリティ部4で磁
気記録の付与が不適正であったときや、プリント確認部
8でプリント異常が検出されたときや、投出部10でシ
ャッタ59の開放後に紙状媒体2が所定時間たっても取
り出されなかったときに、その紙状媒体2が回収され
る。ここで、当該紙状媒体2に回収したものであること
を示す文字等の情報をプリントして回収箱12に搬送し
て破棄することが好ましい。これにより、回収後の紙状
媒体2の不正使用を防止することができる。
【0075】スタッカ部13は、固有画像5をプリント
された紙状媒体2を種類別にしてストックしておくため
に必要に応じて設けられるものである。このスタッカ部
13はプリント確認部8の下流側とセキュリティ部4の
上流側との間に設置されている。そして、媒体供給部3
から供給された紙状媒体2にプリント部7で固有画像5
をプリントしてプリント確認部8でベリファイを行って
からスタッカ部13にストックする。紙状媒体2の発行
時には、所定のスタッカ部13から紙状媒体2を供給し
てセキュリティ部4でセキュリティを付与して個別情報
6をプリントして発行するようにする。これにより、利
用者が紙状媒体2の発行指示を出してから固有画像5の
プリントを行う必要が無いので、紙状媒体2の発行時間
を短縮することができる。すなわち、固有画像5はカラ
ー画像等であり印刷時間が例えば数十秒かかってしまう
ことがあるが、この固有画像5を予めプリントしておけ
ばそのプリント時間を省略して発行時間を短縮すること
ができる。
【0076】このスタッカ部13は必要に応じて複数設
けられるものである。このため、複数種類の紙状媒体2
をストックしておくことができる。また、各スタッカ部
13には例えば20枚程度の紙状媒体2をストックでき
るようにしておく。ここで、各スタッカ部13に紙状媒
体2をストックする際は、ストックカウンタをカウント
アップしてストック枚数を記録しておく。そして、スタ
ッカ部13から紙状媒体2が供給されるときには、スト
ックカウンタをカウントダウンする。これにより、紙状
媒体2が何枚ストックされているかを監視することがで
きる。そして、スタッカ部13にストックされる紙状媒
体2が使用により所定枚数よりも少なくなったときは、
紙状媒体発行装置1のアイドル時(発行等の作業を行っ
ていない時)に紙状媒体2の補充を行うようにする。
【0077】制御部14は、図31に示すように各部の
制御を行うと共に上位装置9に接続されている。この制
御部14は、中央演算装置であるCPU45と、固有画
像5を記録するローカルメモリ部36と、記録手段であ
るROMやRAMのメモリ62と、プリントする画像を
記録するプリントメモリ37と、プリント部7を作動さ
せるプリンタドライバ46と、上位装置9に接続するI
/Fドライバ63とを備えている。CPU45には媒体
供給部3やセキュリティ部4、プリント確認部8、投出
部10、回収部11、回収箱12等が接続されている。
【0078】上述した紙状媒体発行装置1の動作を図3
2〜図36に示すフローチャートに基づいて説明する。
ここで、本フローチャートは各部において選択された動
作の一例を示すに過ぎず、選択された動作によってはこ
れと異なるフローになる。
【0079】図32に示すように、待機状態にある紙状
媒体発行装置1は、利用者の操作により上位装置9から
紙状媒体2の発行が指示されたか否かを判断する(ステ
ップ(以下、Sと略称する)100)。発行が指示され
れば(S100;YES)、図33及び図34に示す紙
状媒体2の発行動作を行う(S101)。発行が指示さ
れていなければ(S100;NO)、各スタッカ部13
に、各スタッカ部13にストックされる紙状媒体2が所
定の枚数有るかを判断する(S102)。
【0080】紙状媒体2が所定の枚数有れば(S10
2;YES)、再び紙状媒体2の発行が指示されたか否
かを判断する(S100)。各スタッカ部13にストッ
クされる紙状媒体2が所定の枚数に満たなければ(S1
02;NO)、紙状媒体発行装置1がアイドル状態であ
るか否かを判断する(S103)。アイドル状態で有れ
ば(S103;YES)、図35及び図36に示す紙状
媒体2のスタッカ部13への補充動作を行う(S10
4)。アイドル状態でなければ(S103;NO)、再
び紙状媒体2の発行が指示されたか否かを判断する(S
100)。
【0081】図33及び図34に示すように、紙状媒体
2の発行動作(S101)では、まずスタッカ部13の
機能が有効であるか判断される(S105)。これは、
本紙状媒体発行装置1がスタッカ部13を有している
か、有しているならスタッカ部13を使用して良い
か、発行するのはスタッカ部13にストックされてい
る種類の紙状媒体2であるか、を判断する。そして、い
ずれかのスタッカ部13にストックされた紙状媒体2を
使用すると判断されれば(S105;YES)、当該ス
タッカ部13に紙状媒体2がストックされているかを判
断する(S106)。その紙状媒体2がストックされて
いれば(S106;YES)、その紙状媒体2を当該ス
タッカ部13から取り出して(S107)、ストックカ
ウンタをカウントダウンする(S108)。
【0082】一方、スタッカ部13が使用不可であった
り、ストックされていない種類の紙状媒体2を発行する
ものであったとき(S105;NO)や、スタッカ部1
3に紙状媒体2がストックされていないとき(S10
6;NO)は、媒体供給部3を作動させて用紙供給を行
う(S109)。そして、用紙切れを起こしていれば
(S110;YES)、紙状媒体2を発行できないので
エラーを表示して処理を停止する(S111)。用紙が
あれば(S110;NO)、所定の長さにカットして紙
状媒体2として供給する(S112)。
【0083】スタッカ部13または媒体供給部3から供
給された紙状媒体2は、セキュリティ部4でセキュリテ
ィが付与される。例えば、図34に示すフローチャート
では、ランダム属性をリードして(S113)、磁気記
録を行うようにしている(S114)。但し、セキュリ
ティは選択的であるので、このフローチャートに示すも
のに限られないのは勿論である。さらに、プリント部7
で紙状媒体2にプリントを行う(S115)。ここで、
スタッカ部13から供給された紙状媒体2には個別情報
6及び装置情報40を印刷するようにし、媒体供給部3
から供給された紙状媒体2には個別情報6及び装置情報
40の他に固有画像5を印刷する。そして、プリント確
認部8でプリントのベリファイを行う(S116)。プ
リントが良好で有れば(S116;OK)、紙状媒体2
を投出部10に搬送して(S117)、発行すべき指定
枚数に達したかを判断する(S118)。そして、指定
枚数に達していなければ(S118;NO)、再びスタ
ッカ部13の機能が有効であるか判断する(S10
5)。
【0084】ところで、ランダム属性リード時と磁気記
録時とプリント確認時に異常が有れば(S113、S1
14、S116のいずれか;NG)、その紙状媒体2は
回収箱12に破棄される(S119)。このときはリト
ライするか判断して(S120)、リトライするのであ
れば(S120;YES)、発行すべき指定枚数に達し
たかを判断する(S118)。また、リトライしないな
ら(S120;NO)、エラーを表示して処理を停止す
る(S121)。
【0085】発行枚数が指定枚数に達していれば(S1
18;YES)、投出部10のシャッタ59を開いて、
指定枚数の紙状媒体2を一括して投出する(S12
2)。ここで、紙状媒体2が取り出されたか判断して
(S123)、一定時間取り出されなければ(S12
3;YES)、回収箱12に破棄する(S124)。ま
た、取り出されていれば(S123;NO)、紙状媒体
2の発行動作を終了する(S125)。
【0086】一方、図35及び図36に示すように、ス
タッカ部13に紙状媒体2を補充する動作(S104)
では、まずスタッカ部13の機能が有効であるか判断さ
れる(S126)。これは、本紙状媒体発行装置1が
スタッカ部13を有しているか、有しているならスタ
ッカ部13を使用して良いか、を判断する。そして、有
効な全てのスタッカ部13に紙状媒体2が存在するか、
すなわち紙状媒体2の枚数が不足しているスタッカ部1
3は有るかを判断する(S127)。ここで、スタッカ
部13を使用できなかったり(S126;NO)、紙状
媒体2の枚数が不足しているスタッカ部13が無ければ
(S127;NO)、補充作業を終了する(S12
9)。
【0087】紙状媒体2の枚数が不足しているスタッカ
部13が有れば(S127;YES)、補充すべきスタ
ッカ部13と当該スタッカ部13に補充する紙状媒体2
を選択する(S130)。そして、媒体供給部3を作動
させて用紙供給を行う(S131)。そして、用紙切れ
を起こしていれば(S132;YES)、紙状媒体2を
発行できないのでエラーを表示して処理を停止する(S
133)。用紙があれば所定の長さにカットして紙状媒
体2として供給する。この紙状媒体2はプリント部7に
搬送されて(S134)、固有画像5がプリントされる
(S135)。この固有画像5について、プリント確認
部8でプリントのベリファイを行う(S136)。プリ
ントが良好で有れば(S136;OK)、紙状媒体2を
所定のスタッカ部13に搬送して(S137)、ストッ
クカウンタをカウントアップして、所定のスタッカ部1
3に必要枚数の紙状媒体2を補充したかを判断する(S
138)。必要枚数を補充していなければ(S138;
NO)、さらに紙状媒体2を補充するために再び用紙を
供給する(S131)。必要枚数を補充していれば(S
138;YES)、当該スタッカ部13については補充
が終了したので、他に紙状媒体2が不足しているスタッ
カ部13は有るかを判断し、まだ有るならば次に補充す
べきスタッカ部13と当該スタッカ部13に補充する紙
状媒体2を選択する(S130)。ここで、紙状媒体2
の枚数が不足しているスタッカ部13が無くなれば、補
充作業を終了する。
【0088】また、プリント確認時に異常が有れば(S
136;NG)、その紙状媒体2は回収箱12に破棄さ
れる(S139)。このときはリトライするか判断して
(S140)、リトライするのであれば(S140;Y
ES)、ストックする所定枚数に達したかを判断する
(S138)。また、リトライしないなら(S140;
NO)、エラーを表示して処理を停止する(S14
1)。
【0089】上述したように、本実施形態の紙状媒体発
行装置1によれば、紙状媒体2の発行前に予め固有画像
5をローカルメモリ部36に記録しておき紙状媒体2の
発行時に固有画像5をローカルメモリ部36より読み出
してプリントするので、紙状媒体2を発行する度に固有
画像5を上位装置9から受信する必要はなくデータ転送
時間を短縮することができる。よって、紙状媒体2の発
行時間の短縮化を図ることができる。
【0090】また、プリント部7は2つのプリントヘッ
ド48を同時に動作させて1枚の紙状媒体2をプリント
するようにしているので、従来のように単一のプリンタ
ヘッドによりプリントする場合に比べてプリント速度の
向上を図ることができる。このため、紙状媒体2の発行
時間を短縮化することができる。また、単一のプリンタ
ヘッドによりプリントする場合と同等の時間を掛けれ
ば、二重プリントできるので高画質の印刷を行うことが
できるようになる。
【0091】さらに、セキュリティ部4では属性検出部
25及びセキュリティ付与部26を選択的に動作可能で
あるようにしているので、紙状媒体2の付加価値に応じ
てセキュリティ性のレベルを異ならせることができる。
このため、発行する紙状媒体2の付加価値に最適なレベ
ルのセキュリティ性を選択することができるので、必要
レベル以上のセキュリティ性の付与を防止して、紙状媒
体2の発行時間の短縮化を図ることができると共に経済
性を向上させることができる。
【0092】また、プリント部7はプリントレベルを上
位装置9より選択変更可能であるようにしているので、
紙状媒体2の付加価値に応じてプリントレベルを異なら
せることができる。このため、発行する紙状媒体2の付
加価値に最適なプリントレベルを選択することができる
ので、必要以上のプリントレベルによるプリントを防止
して、紙状媒体2の発行時間の短縮化を図ることができ
ると共に経済性を向上させることができる。
【0093】さらに、プリント確認部8では複数の確認
手段52を選択可能としているので、紙状媒体2の付加
価値に応じてプリントの確認レベルを異ならせることが
できる。このため、発行する紙状媒体2の付加価値に最
適な確認レベルを選択することができるので、必要以上
の確認レベルを防止して、紙状媒体2の発行時間の短縮
化を図ることができると共に経済性を向上させることが
できる。
【0094】加えて、この実施形態で説明した紙状媒体
発行装置1では、その前まで説明してきたプリント装置
71が採用されていることから、さらに以下のような利
点がある。
【0095】すなわち、プリント装置71は、プリント
ヘッド部48を元の位置に戻すときの無駄な空走時間を
排除可能とし、これにより、紙状媒体2へのプリントを
迅速に行い得るようにしたものである。
【0096】これに対し、スタッカ部13は、プリント
装置のプリント速度が十分な速さに達していない場合に
これを補う手段の一つとして選択的に採用されるもので
あり、前にも述べたように、本装置1においても本来的
には必要に応じて設けられるものである。ここまで述べ
た本実施形態では、スタッカ部13を備えたものとして
紙状媒体発行装置1の説明をしてきたのであるが、上述
のプリント装置71を採用した場合にあっては、紙状媒
体2の発行時間が長いという問題が解消され得ることと
なるため、スタッカ部13を必ずしも備えなくて良いこ
ととなる。
【0097】このような場合(つまりスタッカ部13を
排除した場合)にあっては、スタッカ部13を設置しな
くて済むようになることは勿論、スタッカ部13へ紙状
媒体2を送るためのローラなども必要なくなるので、装
置1自体が簡素化・小型軽量化されることとなる。ま
た、各スタッカ部13にストックされる紙状媒体2が所
定の枚数有るかどうかの判断をする必要がなくなるか
ら、この判断に必要な機器が不要となるし、ストックカ
ウンタをカウントアップしてストック枚数を記録する必
要もない。加えて、媒体供給部3から紙状媒体2を直接
供給できるようになり、スタッカ部13に補充しておく
ための動作も要らなくなる。さらには、例えばスタッカ
部13の機能が有効であるかどうかの判断など、フロー
チャートの中でスタッカ部13に関するものを省略可能
となることから、発行動作を簡素化し、発行速度の向上
を図ることができる。そして、スタッカ部13がなくて
も、プリント装置71の採用により従来と同様あるいは
それ以上の速度で紙状媒体2にプリントし、発行するこ
とができる。
【0098】なお、本実施形態ではプリンタ部7として
プリントヘッド48を使用しているが、これには限られ
ずカラーレーザプリンタや熱転写プリンタを使用しても
良い。カラーレーザプリンタを使用すれば、印刷速度の
高速化や印刷品位の向上を図ることができる。また、熱
転写プリンタを使用すれば、印刷品位の向上を図ること
ができる。さらに、プリンタ部7として白黒のみ印刷可
能なプリンタを使用しても良い。いずれの場合も、紙状
媒体2の発行時に固有画像5をローカルメモリ部36よ
り読み出してプリントできるので、データ転送時間を短
縮して紙状媒体2の発行時間の短縮化を図ることができ
る。
【0099】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、請求項
1記載の発明のプリント装置では、媒体が循環走行路を
循環できるようにし、媒体の循環に同期させてプリント
ヘッド部を媒体の幅方向に移動させてプリントしている
ので、プリントヘッド部は幅方向へプリント幅の分だけ
僅かに移動させれば良いし、その移動に要する時間も少
なくて済む。つまり、プリントしている間に無駄な時間
をとらずに済むことから、画質を低下させることなくプ
リント時間を短縮することができる。加えて、プリント
ヘッド部を往復運動させずに済むことから、装置の小型
化も図れる。
【0100】また、請求項2記載の発明のプリント装置
では、媒体を水平な状態または鉛直な状態で走行させな
がらその表面にプリントすることができる。このため、
高さを抑え、あるいは幅を抑えた各種形状のプリント装
置の設計が可能となる。
【0101】さらに、請求項3記載の発明のプリント装
置では、循環走行路を、媒体がプリントされている最中
にその先端の走行方向が変更されるように形成している
ため、媒体の先端が最終的に再びプリントヘッド部の前
を通過するように周回させることができる。
【0102】また、請求項4記載の発明のプリント装置
では、複数のプリントヘッドを媒体の幅方向に複数個並
べて同時にプリントしているので、複数区域を同時プリ
ントし、プリント時間をさらに短縮することができる。
【0103】さらに請求項5記載の発明のプリント装置
では、プリントヘッドを少なくとも1つずつ媒体の表面
と裏面とに配置しているので、表面にプリントするのと
同じ時間で両面に同時にプリントすることができる。
【0104】加えて請求項6記載の発明のプリント装置
では、循環走行路を鉛直軸の周囲を循環するように設定
するとともに、プリントヘッド部を水平向き、かつ循環
走行路に対して垂直に設置している。この場合、各プリ
ントヘッド部は周方向自由な位置に設置され得るので、
プリントヘッド部周辺の設計自由度が大きく、小型化も
より容易となる。
【0105】そして請求項7記載の発明の紙状媒体発行
装置では、プリント装置を利用してロール紙がカットさ
れてなる紙状媒体にプリントを行うこととしているの
で、紙状媒体へのプリントを短時間で行うようにし、あ
らかじめ媒体にプリントしてストックしておく手間を削
除することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプリント装置及び紙状媒体発行装置の
一実施形態を示す図であり、全体の構成を側面からの概
略図で示す。
【図2】図1に示すプリント装置の平面図である。
【図3】プリント装置の循環走行路の構成を示す概略側
面図である。
【図4】図3に示す循環走行路の平面図である。
【図5】媒体へプリントする区域を縦割りに分割した様
子を示す図である。
【図6】本発明のプリント装置の第2の実施形態を示す
概略側面図である。
【図7】本発明のプリント装置の第3の実施形態を示す
概略側面図である。
【図8】図7に示す循環走行路を示す斜視図である。
【図9】本発明の第4の実施形態を示す斜視図である。
【図10】図9に示す循環走行路の周囲の構成を示す平
面図である。
【図11】本発明のプリント装置によるプリントの流れ
を示すフロー図である。
【図12】本発明のプリント装置を備えた紙状媒体発行
装置の一実施形態の全体を示すブロック図である。
【図13】媒体供給部を示すブロック図である。
【図14】セキュリティ部におけるセキュリティレベル
の選択動作を示すブロック図である。
【図15】紙状媒体の印刷情報の種類を示す図である。
【図16】紙状媒体の一例を示す平面図である。
【図17】紙状媒体の他の例を示す平面図である。
【図18】紙状媒体の別の例を示す平面図である。
【図19】各種印刷情報の送信経路を示すブロック図で
ある。
【図20】紙状媒体の更に他の例を示す平面図である。
【図21】プリント部におけるプリントレベルの選択動
作を示すブロック図である。
【図22】プリント部での印刷状態を示す図であり、
(A)は平面図、(B)は側面図を示す。
【図23】プリントヘッド部とプリントメモリとの接続
を示すブロック図である。
【図24】プリント部での印刷方法の一例を示す平面図
である。
【図25】プリント部での印刷方法の他の例を示す平面
図である。
【図26】プリント確認部での確認動作を示すブロック
図である。
【図27】プリント確認のためのマークを印刷した紙状
媒体を示す平面図である。
【図28】プリント確認のためのマークを読み取る際の
出力を示すグラフである。
【図29】ロゴを比較する際の確認動作を示すブロック
図である。
【図30】プリント確認のための固有画像を読み取る際
の出力を示すグラフである。
【図31】制御部を示すブロック図である。
【図32】紙状媒体発行装置のメイン動作を示すフロー
チャートである。
【図33】紙状媒体を発行する際の動作を示すフローチ
ャートである。
【図34】紙状媒体を発行する際の動作を示すフローチ
ャートである。
【図35】紙状媒体をストックする際の動作を示すフロ
ーチャートである。
【図36】紙状媒体をストックする際の動作を示すフロ
ーチャートである。
【図37】プリントヘッドの構成を示す(A)底面図
と、(B)側面図である。
【図38】カラープリンタにおいて使用される複数のプ
リントヘッドを示す斜視図である。
【図39】従来のプリント装置におけるプリントの流れ
を示すフロー図である。
【符号の説明】
2 媒体 2a 媒体の先端 2b 媒体の後端 71 プリント装置 72 媒体走行路 73 出口部 74 入口部 75 循環走行路 76 プリントヘッド

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 媒体走行路に複数のプリントヘッド部を
    所定の順序で並べて配置するとともに、前記複数のプリ
    ントヘッド部にプリントすべき媒体を一方向から通過さ
    せ、前記複数のプリントヘッド部により前記媒体にプリ
    ントするようにしたプリント装置において、前記媒体の
    幅に対して前記プリントヘッド部の幅を小さく形成する
    とともに、前記プリントヘッド部を前記媒体の幅方向に
    移動可能に設け、前記媒体走行路には前記複数のプリン
    トヘッド部の出口部から入口部に連通させる循環走行路
    を設けて前記媒体が前記循環走行路を循環できるように
    構成し、前記媒体の前記循環に同期させて前記複数のプ
    リントヘッド部を前記媒体の幅方向に移動させてプリン
    トするようにしたことを特徴とするプリント装置。
  2. 【請求項2】 前記媒体走行路は、水平方向または垂直
    方向に形成されてなることを特徴とする請求項1記載の
    プリント装置。
  3. 【請求項3】 前記循環走行路は、前記媒体がプリント
    されている最中に前記媒体の先端が走行方向が変更され
    るように形成されてなることを特徴とする請求項1また
    は2記載のプリント装置。
  4. 【請求項4】 前記複数のプリントヘッド部からなるプ
    リントヘッドを前記媒体の幅方向に複数個並べて同時に
    プリントを行うことを特徴とする請求項1から3のいず
    れかに記載のプリント装置。
  5. 【請求項5】 前記複数のプリントヘッド部からなるプ
    リントヘッドを少なくとも1つ前記媒体の表面に配置し
    て当該表面へプリントする一方、前記プリントヘッドを
    少なくとも1つ前記媒体の裏面に配置して当該裏面へプ
    リントすることにより両面同時プリントを行うことを特
    徴とする請求項1から3のいずれかに記載のプリント装
    置。
  6. 【請求項6】 前記循環走行路を鉛直軸の周囲を循環す
    るように設定するとともに、前記プリントヘッド部を水
    平向き、かつ前記循環走行路に対して垂直に設置してい
    ることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の
    プリント装置。
  7. 【請求項7】 紙状媒体にプリントをした後に当該紙状
    媒体を発行する紙状媒体発行装置において、ロール紙を
    カットして形成された前記紙状媒体にプリントを行うこ
    とを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のプリ
    ント装置を備えた紙状媒体発行装置。
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