JP2000153284A - オゾンによるシアン処理方法 - Google Patents

オゾンによるシアン処理方法

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JP2000153284A
JP2000153284A JP10328257A JP32825798A JP2000153284A JP 2000153284 A JP2000153284 A JP 2000153284A JP 10328257 A JP10328257 A JP 10328257A JP 32825798 A JP32825798 A JP 32825798A JP 2000153284 A JP2000153284 A JP 2000153284A
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ozone gas
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cyanide
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Iichi Nakamura
威一 中村
Takao Suzuki
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シアンイオン、特に難分解性シアノ金属錯イ
オンを含む液相、例えば青化製錬廃液の無害化処理方
法、およびこの方法を用いたクローズド化可能な青化製
錬法を提供する。 【解決手段】 オゾン濃度150g/Nm3 以上のオゾ
ンガスを金の青化製錬における廃液などの液相に接触さ
せることにより液相中の難分解性シアノ金属イオンを分
解する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オゾンによるシア
ン処理方法に関し、具体的にはシアンや難分解性シアノ
金属錯イオンを含む廃液の処理方法に関し、特に青化製
錬より発生する含シアン廃液、その他の含シアン産業廃
液の処理に関する。ここに、廃液は典型的には廃水や廃
スラリーをいう。また、難分解性シアノ金属錯イオンは
典型的にはシアノ鉄錯イオン、シアノニッケル錯イオン
をいう。
【0002】
【従来の技術】金鉱石より金を回収する方法の一つに青
化製錬法がある。これは、例えば、金鉱石を粉砕し、シ
アンを含む溶液と接触させて金をシアノ金錯イオンとし
て浸出し、得た浸出液より金を回収し、シアンを繰り返
し使用するものである。この青化製錬法は、微量の金ま
で浸出して回収できるという点より、優れたものとされ
てきている。
【0003】シアンを用いる青化製錬法では、発生する
浸出残渣中の付着水にシアン成分が含まれ、あるいは余
剰水中、場面水等に必ずシアン成分が含まれるという危
険性があり、青化製錬法から出る含シアン廃液の処理が
大きな課題となっていた。
【0004】従来、この問題は、後述する各種の方法で
無害化し、さらに大量の水で廃液を希釈して工場外に放
出するのが常であった。しかし、昨今の環境基準の見直
し等に見られる環境重視の動きに対応するには、このよ
うな方法では必ずしも十分な対応とはならず、まして
や、限られた工業用水しか使用できないプラントでは重
大な問題点となり、青化製錬法の採用を困難なものとし
てきている。
【0005】ところで、従来から採用、あるいは試みら
れている廃液中のシアンの分解法としては、自然分解
法、酸揮発回収法、過酸化水素法、アルカリ塩素法やS
2 ・AIR法などがある。
【0006】自然分解法とは、製錬所のそばにダムなど
を設置し、このダムなどにシアン成分を含む浸出残渣や
廃液を一時保管しておき、数ヶ月以上放置して自然の浄
化力による分解等を行わせ、水分自体も蒸発させるもの
である。この、自然分解法では単に自然界の浄化能力を
利用するにすぎないので、広大なダム等を必要とするこ
と、また例えば、冬季にダム等の水が凍結した際には著
しく浄化速度が低下することが知られている。さらに、
最近の環境保護を重視する見地から、この方法での単独
処理は問題視されてきている。
【0007】酸揮発回収法は、廃液に酸を添加してpH
を下げ、シアンを揮発させたのちにアルカリ等に吸収さ
せ、回収する方法である。この方法では、酸を用いるた
め、排液中の遊離シアンのみか、シアノ鉄錯イオンを含
めた全てのシアノ金属錯イオンの分解が可能であるが、
青化製錬行程で発生する浸出残渣を含んだ処理に対して
は、設傭や効率面での問題から実際的ではなく、ほとん
ど用いられていない。
【0008】アルカリ塩素法、過酸化水素法、SO2
AIR法はいずれも液中のシアンを酸化分解する方法で
あり、直接的な酸化剤として塩素、次亜塩素酸塩、過酸
化水素、AIR等を用いるものであり、特にアルカリ塩
素法とSO2 ・AIR法は、一定の実績があるとされて
いる。
【0009】これら3つの方法の中では、副成物での安
全面や処理コストの面でSO2 ・AIR法が最も有利と
され、新しく開発される金鉱山ではSO2 ・AIR法を
採用する場合が多いとされている。
【0010】ところで、上記3つの処理法において共通
していえることは、分解可能なものは主に遊離シアンで
あり、全てのシアノ金属錯イオンが分解できるわけでは
ないということである。たとえば、金鉱石中の鉄品位が
高い場合、シアンが鉄と結びついてシアノ鉄錯イオンを
形成し、浸出液中の鉄濃度を高くすることがある。この
シアノ鉄錯イオンはシアン化合物の中で最も難分解性の
ものであり、過酸化水素法では、シアノ鉄錯イオンの分
解ができないばかりか、シアノニッケル錯イオンの分解
も不完全である。
【0011】アルカリ塩素法においても、シアノ鉄錯イ
オンの分解は困難である。これらの例でシアノ鉄錯イオ
ンが分解処理できないのは、鉄原子とシアン分子とがず
ばぬけて強い結合力を持っていることがあり、酸化力が
それに見合った強さでないと分解することが不可能であ
るためである。
【0012】これに対し、SO2 ・AIR法は、AIR
の酸化でシアン鉄錯イオンを分解するのではなく、シア
ノ鉄錯イオンと銅イオンとを反応させ、フェロシアン化
銅の形態にして、これを沈殿除去するものである。よっ
て、処理すべき廃液中に十分な銅イオン量が存在しない
場合、外部から銅イオンを添加する必要がある。また、
たとえ銅イオンの添加により沈殿化処理できたとして
も、沈殿分離させるのみであるから、シアン分子を“分
解”するという恒久的な除去は不可能である。
【0013】このようにSO2 ・AIR法では、たとえ
シアノ鉄錯イオンが分離除去されたとはいえ、実際には
分離先にてシアン成分の存在は続くわけであり、処理に
より発生した処理澱物を管理する場所で紫外線により一
部分解され、シアノ金属錯イオンとして流出することが
懸念されている。
【0014】このような中、オゾンによる青化製錬排液
中のシアン分解の可能性が、北米を中心として1970
年代半ばから指摘されていた。しかしこれまでの研究報
告例としては、遊離シアンや比較的に易分解性のシアノ
金属錯イオンを中心とするオゾン分解の可能性について
の報告例であり、難分解性であるシアノ鉄錯イオンのオ
ゾン分解は不可能とされていた。
【0015】オゾンに関し、1980年以前ではオゾン
を含む気体(以下「オゾンガス」という。)中のオゾン
濃度が20g/m3 以下でしか得られなかったのに対し
て、1980年代になると、オゾン濃度40g/m3
いったオゾンガスが実際に研究機関で用いられるように
なった。
【0016】しかし、このような高いオゾン濃度のオゾ
ンガスを用いても、シアノ鉄錯イオンの分解反応に関し
ては、反応時間として数時間かけてようやくシアノ鉄錯
イオンの初期濃度の半分程度まで分解反応が進むという
報告しかなく、工業的に使用しうる水準に達しているも
のは、今日に至るまで、全く見あたらない。
【0017】1997年に開催された「オゾンワ−ルド
コングレス京都1997」会議予稿集にpH中性域にお
いて鉄シアン錯体を分解した報告例がある。これは、Ru
hleらがpH7、オゾンガス24リットル/時間でオゾ
ン注入速度が9mg/リットル・min(本発明者らの
計算によれば、オゾンガスのオゾン濃度は22.5g/
Nm3 と推定される。)の条件でシアン鉄錯イオンの分
解実験をおこなった結果を報告したものであるが、18
0分の反応時間内でようやく初期投入濃度の60%程度
が分解され、40%程度が未分解のまま残ってしまって
いるとされている。
【0018】なお、前記報告例では、シアノ鉄錯イオン
のpHごとの分解速度が比較されてはおらず、pHとシ
アノ鉄錯イオンの分解挙動に与えるpHの影響について
は何ら述べられていない。また、Ruhle らの報告を含め
て、従来のいずれの報告においても、鉄シアン錯体の分
解状況とpHとの関係について示唆を与える報告はみら
れない。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】最近、環境保護の観点
から、新たに開発される金鉱山における青化製錬廃液中
のシアン分解処理プロセスに関しても、より高度に分解
処理することが求められるようになってきた。その結
果、SO2 ・AIR法と比べて、一層効率的で、効果的
な分解方法の採用が期待され、求められてきた。これ
は、単にシアノ鉄錯イオンの分解だけではなく、例え
ば、従来採用されてきたSO2 ・AIR法で余剰SO2
の酸化に伴い副次的に発生する処理済み廃液酸性化の進
行(シアン処理から出る排水が硫酸酸性化して、そのま
までは廃棄できない)という問題や、SO2 ・AIR法
では分解が1割程度しか進まなくても問題視されてきた
分解によりシアンを生成するチオシアンイオンへの対応
問題、さらに処理剤としてのSO2原料の輸送時の安全
対策問題なども含めて、金鉱山開発全体において環境保
護対策として真剣に考えていかなければならない課題と
なってきた。
【0020】青化製錬廃液のシアンイオン、シアン金属
錯イオンのオゾンにより処理プロセスは、オゾン発生機
への初期投資コスト、オゾン発生費の高額さから、敬遠
されていた。しかし、最近の技術開発の結果、単位オゾ
ン発生量当たりの必要電力量が大幅に低下し、コスト的
に安価なものとなってきている。しかし、実際には、鉄
シアン錯体分解に関する基礎的なデ−タについて、十分
な調査研究が行われておらず、上記廃液のオゾン処理に
ついて技術的実用性や具体的な様式も、いまだ確立され
ているにはほど遠い状況であった。
【0021】青化精錬排水を対象としてオゾンによりシ
アン分解処理を実施する際には、分解処理が遊離シアン
だけでなく、難分解性の金属シアン錯イオンを含む場合
の処理として、新たに処理プロセスを考える必要があ
る。その際、遊離シアンと難分解性金属シアン錯イオン
とを別々に処理する方式では、処理が2段階以上となる
ことが予想される。その場合に実施上の重要なポイント
として、ひとつには分解能力的にみて充分な特性を持た
せることがあり、もうひとつのポイントとしては、反応
速度を高めながら如何に全体の処理コストを少しでも低
減できるか、ということが挙げられる。
【0022】本発明は、上記状況を鑑みてなされたもの
であり、シアンイオン、特に難分解性シアノ金属錯イオ
ンを含む液相、例えば青化製錬廃液の無害化処理方法の
提供と、この方法を用いたクローズド化可能な青化製錬
法の提供を課題とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】本願発明による液相のシ
アン処理方法は、オゾン濃度150g/Nm3 以上のオ
ゾンガスを金の青化製錬における廃液などの液相に接触
させることにより液相中の難分解性シアノ金属イオンを
分解することを特徴とする。この場合、 オゾンガスを
液相に接触させる際の液相のpHの値を7.0〜9.5
の範囲内とすることが好ましい。
【0024】また、前記液相中の遊離シアンやシアノ金
属錯イオンをオゾンガスで分解するに際し、液相をpH
10以上の状態でオゾンガスと接触させ、次いで該液相
をpH7.0〜9.5の状態でオゾン濃度150g/N
3 以上のオゾンガスとを接触させることが好ましい。
【0025】さらに、本願発明によるシアン処理方法
は、液相中の遊離シアンやシアノ金属錯イオンをオゾン
ガスで分解するに際し、内部が2部以上に区画化された
領域をもつ反応槽もしくは2個以上の反応槽からなる直
列連続式反応槽を用い、かつ、液相とオゾンガスとを向
流で接触させることが好ましい。
【0026】特に、液相をpH10以上の状態でオゾン
ガスと接触させるに際し、オゾンガスのオゾン物質流入
速度が、液相リットル当たり毎分20mg以下とするこ
とが好ましい。
【0027】本願発明によるシアン処理方法では、液相
の流れからみて下流側の区画の反応槽で上流側の区画の
反応槽に入るオゾンガスの量およびオゾン濃度を調整す
ることが好ましい。そして、液相中の遊離シアンおよび
シアノ金属錯イオンをオゾンガスで分解するに際し、内
部が2部以上に区画化された領域をもつ反応槽もしくは
2個以上の反応槽からなる直列連続式反応槽を用い、か
つ、液相の流れからみて上流側の区画で遊離シアンおよ
び易分解性シアノ金属錯イオンをpH10以上の状態で
オゾンガスとの接触で分解し、下流側の区画で難分解性
シアノ金属錯イオンをオゾン濃度150g/Nm3 以上
のオゾンガスとの接触で分解することが好ましい。さら
に、上流側の区画においてオゾンガスのオゾン物質流入
速度が、液相リットル当たり毎分20mg以下とするこ
とが好ましい。
【0028】本願発明のシアン処理方法で廃液を処理し
た後、放出された酸素含有排気ガスを、金の青化製錬に
おける事前酸化処理工程にて再利用することが好まし
い。
【0029】
【発明の実施の形態】本願発明における廃液のシアン処
理方法は、オゾンによる難分解性シアノ金属錯イオン、
及び遊離シアンイオンの分解を基礎とする。
【0030】本発明者らは、オゾンガスにより難分解性
シアノ金属錯イオンの分解について鋭意研究を行った結
果、オゾンガスを用いる際にそのオゾン濃度pHとの関
係で難分解性シアノ金属錯イオンの分解反応速度が大き
く左右されることを見いだし、また、処理対象の中に遊
離シアンイオンが含まれる場合には、遊離シアンのオゾ
ン酸化反応が、全てのシアノ金属錯体イオンの酸化反応
に優先するかたちで起きていることも見いだし、本発明
に至った。
【0031】すなわち、本願発明によれば、シアノ鉄錯
イオン、シアノニッケル錯イオン等の難分解性シアノ金
属錯イオンを含む廃水若しくは廃スラリ−中の難分解性
シアノ金属錯イオンをオゾンガスで分解するに際し、オ
ゾン濃度150g/Nm3 以上のオゾンガスと廃水若し
くは廃スラリ−と接触させる。また、このように接触さ
せる際のpHの値を7.0〜9.5の範囲内とするのが
好ましい。
【0032】そして、遊離シアン、シアノ鉄錯イオン、
シアノニッケル錯イオン等の難分解性シアノ金属錯イオ
ンを含む廃水若しくは廃スラリ−中の難分解性シアノ金
属錯イオンをオゾンガスで分解するに際し、まず、廃水
若しくは廃スラリ−のpHを10以上とし、オゾンガス
と接触させ、次いでpHを7.0〜9.5とし、廃水若
しくは廃スラリ−とオゾン濃度150g/Nm3 以上の
オゾンガスとを接触させるのが好ましい。
【0033】さらに、上記廃水若しくは廃スラリ−とオ
ゾンガスとを接触させるに際して、内部が2部以上に区
画化された領域を持つ反応槽もしくは2個以上の反応槽
からなる、直列連続反応槽を用い、かつ、廃水若しくは
廃スラリ-とオゾンガスとを向流で接触させることが好
ましい。さらに、本願発明は典型的には青化製錬法へ適
用される。
【0034】オゾンによる難分解性シアノ金属錯イオン
の分解、及び遊離シアンイオンについて詳述する。
【0035】[高オゾン濃度によるシアン分解]分解対
象が遊離シアンイオンの場合は、20g/Nm3 のよう
な低い濃度のオゾンガスを用いても、高pH領域では良
好に分解可能であることは知られている。しかし、シア
ノ金属錯イオンの分解、特にシアノ鉄錯イオンの分解に
関しては、その分解が一部分までしか進まないというこ
とも知られている。
【0036】本発明者らは、使用するオゾンガスのオゾ
ン濃度ごとのシアノ鉄錯イオン分解率と時間経過との関
係を実験でもとめ、その結果の一部を表1に示す。
【0037】表1に、pHを7.0〜9.5の範囲内に
保ちつつ、シアノ鉄錯イオン溶液に接触させるオゾンガ
スのオゾン濃度を変えてシアン分解実験を行った際の該
溶液中の全シアン濃度(mg/液相L)を示す。これに
よれば、シアノ鉄錯イオンは、オゾン濃度150g/N
3 の高濃度オゾンガスを用いれば、反応時間180分
で分解率は65.8%、オゾン濃度200g/Nm3
高濃度オゾンガスを用いれば、反応時間180分で分解
率96.7%となっている。この結果、150g/Nm
3 以上の高濃度オゾンガスを用いれば、シアノ鉄錯体の
オゾン分解法は十分に実用化可能であることがわかる。
【0038】
【表1】
【0039】[液相中のオゾンの自己分解]オゾンガス
を用いる場合を含めて、一般には高pH領域の方がシア
ン分の分解効率が良いとされているが、それは遊離シア
ンイオンを対象とした場合であることを本発明者らは次
のような実験で確認した。
【0040】すなわち、本発明者らは、気液分離器を兼
ねる密閉式の反応槽と該反応槽に直結したエゼクタ−式
気液接触装置を用意し、反応槽に1.5リットルの純水
を試験水として入れ、該試験水をポンプによりエゼクタ
−式気液接触装置と反応槽との間で循環させるととも
に、エゼクタ−式気液接触装置にオゾン濃度200g/
Nm3 のオゾンガスを毎分0.5リットルの一定速度で
導入してオゾンガスと試験水とを接触させた。オゾンガ
スは、その全量が試験水に吸収され、反応槽に入ったあ
と、気液分離により反応槽から排出された。気液分離
は、反応槽上部に設けたヘッドスペースを利用した分離
方式によった。
【0041】そして、反応槽から排出された直後のオゾ
ンガス中のオゾン濃度(排出オゾン濃度)と、エゼクタ
−式気液接触装置に入る直前のオゾンガス中のオゾン濃
度(投入オゾン濃度)とを、紫外線式オゾンガス濃度計
によって計測した。
【0042】試験水(液相)のpHを所定の値とし、約
20分間オゾンガスと試験水とを接触させた後、反応槽
より排出されるオゾンガスの濃度が一定に収束し、反応
系が平衡状態となったことを確認した上で、上記排出オ
ゾン濃度と投入オゾン濃度を読みとり、その差を反応槽
中でのオゾン自己分解量とした。これを繰り返し、各p
Hにおける反応槽中でのオゾン自己分解量について詳細
に実測した。その結果の一部を表2および図1に示し
た。
【0043】
【表2】
【0044】なお、pH調整剤として弱電解質系の緩衝
塩類を添加することは、液相中におけるいわゆる「OH
ラジカルスカベンジャ−」由来によるオゾン消費を誘発
させる可能性があるため、今回pH調整剤としては、敢
えて、水酸化ナトリウムおよび塩酸を用いた。
【0045】また、気液接触装置として、浮選機、吸引
式アジテイター等を用いても同様の効果が得られる。
【0046】本発明者らは、上記試験で用いた計測条件
の下では、各回のオゾン濃度差の測定時点で、排出オゾ
ン濃度が一定値に収束しているために試験水(液相)中
の溶存オゾン濃度も一定となっているはずであり、従っ
て気相から試験水中に移動するオゾンの物質移動速度
は、試験水中でのオゾンの自己分解速度と一致すること
になると推定している。
【0047】オゾンの自己分解速度が急増するpH値に
ついては、古くからの文献等で中性域前後であると言わ
れていたが、本実験結果によれば、pH9.5を境にオ
ゾン分解量は急増していることが解る。よって、pH
9.5以下の領域であれば、自己分解反応により消費さ
れるオゾン量を少なくし、相対的にシアノ鉄錯イオン分
解量が増加させ、シアノ鉄錯イオンを十分低濃度域まで
分解することが可能といえる。
【0048】なお、表2及び図1で示されるように、p
H7.0より酸性側では、それ以上いくらpHを下げて
もオゾン自己分解量はほぼ一定となり変化がないことが
わかる。また、pHを下げすぎるとシアンが気相中へ揮
発するため、pH7.0を実操業時の下限とすることが
好ましい。
【0049】以上の結果をまとめると、オゾン濃度15
0g/Nm3 以上の高濃度オゾンガスとシアノ鉄錯イオ
ン溶液(廃液や試験水)とを接触させた場合、該溶液の
pHが9.5を越える条件では該溶液中に吸収されたオ
ゾンの大半が自己分解によって消費されてしまう。すな
わち、これまで遊離シアン分解にとって効率良いとされ
てきたpH10〜11近辺の高pH領域でのオゾン分解
処理は、遊離シアン分解の後は、自己分解反応が主反応
となるため、共存する難分解性シアノ金属錯イオンに対
してはさして有効とは言えない。
【0050】特にシアノ鉄錯イオンが分解対象であると
きは、シアノ鉄錯イオン溶液(廃液や試験水)のpHを
9.5以下として、オゾンの自己分解量を極力押さえ、
シアノ鉄錯イオンの分解が主反応となるようにすること
が重要である。そして、オゾン濃度150g/Nm3
上のオゾンガスを利用することが重要である。
【0051】[直列連続式反応槽]実際の廃液では遊離
シアンとシアノ鉄錯イオン等の難分解性シアノ金属錯イ
オンとが共存している。従って、必ずしも最初から廃液
のpHを7.0以上9.5以下に調整したうえでオゾン
を作用させる必要はなく、最初は任意の酸化処理方法に
より遊離シアンを酸化分解し、その後pHをシアノ鉄錯
イオン分解用の設定とし、150g/Nm3 以上の高濃
度オゾンガスと接触させ、廃液中のシアノ鉄錯イオンを
分解するのが効果的である。なお、この時、遊離シアン
の分解についてオゾンを用いても良い。
【0052】また、元々遊離シアン濃度が低い場合、例
えば、遊離シアン濃度が30mg/リットル以下で、含
有シアン化合物イオンの大半が難分解性シアノ金属錯イ
オンであるような廃液に対しては、最初から高濃度オゾ
ンを作用させてもよい。
【0053】さらに、鉄シアン錯体を含むシアン廃液を
オゾン分解させる場合、pH10〜11程度の高pH領
域においては、最初にこの条件下で反応選択率の高い物
質、たとえばチオシアンや錯体化していないが電解して
いる遊離シアンが、まずオゾンにより酸化されてシアン
酸イオンに変化する。そして遊離シアンがおおむね全て
シアン酸イオンに変化した後に、残るシアン成分である
鉄シアン錯体を含む金属シアン錯体が分解し始める。
【0054】そこで最初に遊離シアンをオゾンにより酸
化分解させておき、遊離シアンの大部分が分解された後
に、難分解性シアン錯イオン分解向けの設定に合わせて
オゾンによる酸化分解を続行させることが効果的であ
る。
【0055】本発明を適用する場合、反応槽として回分
式のものを用いても良いし、または連続式のものを用い
てもかまわない。連続式の場合、廃液と高濃度オゾンガ
スを向流で接触させ、廃液の流れからみて上流側の前段
部分は、主として遊離シアン分解ゾ−ンとして、下流側
の後段部分は、難分解性シアノ金属錯イオン分解ゾ−ン
として機能させるとよい。
【0056】オゾン原料をコスト的に効率よく消費させ
る方法については、以下のように設定するのが良い。
【0057】直列連続式の反応槽における実施を考える
場合には、例えば図2に示したような2区画の反応槽
2、3を直列に用いて、あるいは2つの反応槽2、3を
直列に用いて、廃液の流れからみて上流側の前段部分2
は、主に遊離シアンの分解向けに、後段部分3は、鉄シ
アン錯体を含む比較的難分解性のシアン成分を対象とし
て、それぞれ反応槽内での処理条件を設定するのが望ま
しい。なお、図2では2段式の反応槽で考えているが、
連続処理の場合には特に、3槽以上の構成であってもよ
いし、また内部に仕切り板を併用する構造であってもか
まわない。
【0058】この場合、廃液と高濃度オゾンガスを向流
で接触させることが好ましい。すなわち、ガスの流れか
らみて最前段の、言い換えると廃液の流れからみて下流
側の後段部分の反応槽区画内では、処理対象(廃液)で
は遊離シアン濃度が既に前半の処理で減少して、オゾン
吸収能への化学的な寄与が低くなっているので、たとえ
オゾンガスを充分な能率で通気接触させたとしても、そ
の大半は処理対象中に物理的に吸収されずに排出される
ことがある。そこで、オゾン濃度のまだ存在する後段部
分の反応槽区画から排出されるオゾンガスは、いったん
取り出された後にリサイクル利用させるのが望ましい。
このため、直列式反応槽の並びに対し向流の向きに順次
繰り返して再度通気接触させつつ、ガスの流れからみて
最後段の、言い換えると廃液の流れからみて上流側の前
段部分の反応槽区画内で、最終的に、処理対象における
初期成分での遊離シアンと接触・反応させる。そこでは
遊離シアン濃度が後段部分よりも高くなっていてオゾン
吸収率が十分高いので、オゾンの全量が吸収される。
【0059】図2では廃液の流れからみて後段の反応槽
3からのリサイクルオゾンガスが、前段の反応槽2にて
再利用されるような配管構成が示してある。ただし、前
段の反応槽2で用いるオゾンガス中のオゾン濃度を一定
に保つためには、図2中に示したオゾン濃度計5に連動
させて調節バルブ6を操作してオゾンを補充しても良
い。図2の直列式連続反応槽を用いた場合、オゾンガス
の流れからみて上流側の反応槽3のガス排出口を経て出
る排出ガスの割合が、下流側の反応槽2から外部に取り
出す排出ガスの例えば80%以上になるようにすること
が望ましい。なお、下流側の反応槽2から外部に取り出
す排出ガスは酸素が主成分である。
【0060】[遊離シアンの分解におけるオゾン物質流
入速度]廃液の流れから見て最初に遊離シアンをオゾン
により酸化分解させておき、遊離シアンの大部分が分解
された後に、難分解性シアン錯イオン分解向けの設定に
合わせてオゾンによる酸化分解を続行させる複数区画処
理の場合、廃液の流れから見て最前段の反応槽区画にお
けるオゾンガスのオゾン物質流入速度を、該区画の内容
積当たり廃液リットル当たり毎分20mg以下とするこ
とが望ましい。このようにすることにより、高濃度のオ
ゾンを含有するオゾンガスを使っても、廃液の流れから
見て前半の区画領域において遊離シアンがシアン酸イオ
ンになるまでの反応で終了させられるように調整でき、
かつ、最前段の反応槽区画(オゾンガスの流れでは最下
流区画)からの排出ガス中に含まれるオゾン成分の量を
最小限にできる。この理由としては、この条件下では、
この部分の反応がオゾンについての物質移動律速となっ
ていることも挙げられる。従って、反応槽の大きさの如
何を問わず、オゾン注入速度20mg/L・min以下
にて実施し、その範囲内にてオゾン供給量を微調整する
ことによって、容易に遊離シアンからシアン酸イオンま
での酸化反応のみだけをおこさせ、さらにその反応速度
も制御できる。特に回分処理やカラム流に近い連続処理
の場合には、定まった滞留時間内の制限がある場合にお
いても、シアン酸イオンまでの反応終点で丁度オゾン酸
化を打ち切らせることができるので、この部分までの処
理コストを最大限に低減化させることが可能である。
【0061】以上のようにするならば、処理対象(廃
液)中に難分解性金属シアン錯体が如何に多く含有して
いようとも、総合してのオゾン原料消費率を常時95%
以上に上げることが可能である。その具体的状況につい
て確認した結果は、実施例において詳細に述べることに
する。全シアン濃度が数百mg/L以下程度の一般的な
濃度域の含シアン廃液の処理においては、遊離シアン濃
度が存在する反応槽区画におけるオゾン注入速度が20
mg/L・min以下であれば、オゾンによる遊離シア
ンからシアン酸イオンまでの反応のほとんどの進行を、
オゾンの物質移動律速にて、原料利用面で効率よく実施
でき、その際に物理吸収されないオゾン量の投入量の5
%以下にできることを、本発明者らは実際の実験で確認
している。ただし、その際に使用する気液接触機構の能
力が不十分であると、気液混合状態が不十分となり形成
される界面の面積が小さく、界面まで到達せずに一定の
割合で排ガス中に直接出てくるオゾン量が存在してしま
う。
【0062】さて、ここでいうオゾン注入速度とは、最
前段区画(廃液から見て最上流側の反応槽)に投入する
単位時間当たりのオゾン物質重量をその部分の区画の内
容積で割ったものを意味する。
【0063】本願発明の態様として望ましいことは、遊
離シアン分解の反応槽からの排ガスを含めて、処理対象
物に作用させた後に放出された排気ガス(酸素を主成分
とする)を、反応槽から最終的に排気された後に、別の
工程、例えば金の青化精錬処理における他の酸化処理工
程にて再利用することである。さらに、従来までは空気
による酸化処理としていた別工程に、この酸素主成分の
副産物ガスを再利用すれば、これらの酸化処理工程の時
間短縮も可能となるであろう。また、今までに酸素ガス
にて酸化処理を行っていた工程に前記排気ガスを適用す
る場合は、酸素ガスを別に新しく用意する必要がなくな
り、その分の処理コストだけの経費削減効果が加わるこ
とは言うまでもない。
【0064】[本発明のシアン処理方法を利用した青化
製錬法]青化製錬法は、例えば最も古典的なものとし
て、受け入れた鉱石を次工程の摩鉱が良好にできるよう
な大きさまで粗砕する粗砕工程、含シアン液中で粗砕さ
れた鉱石を所望の粒度まで湿式粉砕する摩鉱工程、浸出
残渣と浸出液とを分離する濃縮工程、浸出残渣に含シア
ン液を補充して再度浸出残渣中の金銀を浸出し、尾鉱と
浸出液とを得る攪拌工程、尾鉱中のシアン分を最小限と
し、投棄可能とするための洗浄・濾過工程、浸出液中の
酸素を除去し、亜鉛を加え、セメンテ−ションにより金
銀を沈殿として析出させて回収する金銀分離工程、沈殿
より十分な純度の金と銀とを得る精金工程、金銀を分離
回収した後の回収終液よりシアン分を回収する青化物再
回収工程から構成されている。また、例えば、金銀分離
工程を活性炭での吸着で行う方法や、イオン交換樹脂で
行う方法がある。
【0065】金銀分離工程としていずれの方法を用いる
にしろ、発生する尾鉱や、シアン回収後の廃液中には遊
離シアンや難分解性シアノ金属イオンが含まれている。
本発明の青化製錬法では、上記尾鉱に付着するシアン
分、シアン回収終液中のシアン分、金銀分離後の回収終
液中のシアン分などを、高濃度オゾンガスを用いて分解
する。
【0066】ところで、青化製錬法は基本的には低品位
の金鉱石に適用することが推奨されるもので、中・高品
位鉱石処理に最適な方法とは言えない。中・高品位鉱を
対象とする本発明の青化製錬法の態様は、例えば以下の
ようになる。
【0067】まず、粉砕し、比重選鉱により粗大金銀粒
子を回収し、発生する排鉱を浮遊選鉱して排鉱中の大部
分の金銀成分を精鉱として回収し、発生した尾鉱と含シ
アン液とを接触させ、金銀をシアノ錯イオンとして浸出
し、得た浸出液中の金銀成分を活性炭あるいはイオン交
換樹脂に吸着させ、得た金銀回収終液を繰り返し使用
し、一部の金銀回収液、活性炭洗浄液、浸出残渣等を高
濃度オゾンガスと所定pHで接触させてアン分を分解
し、残渣を積み立て、金銀回収終液、活性炭洗浄液等を
繰り返し使用可能とし、水をクロ−ズド化可能とする。
【0068】
【実施例1】青化製錬後の含スラリ−排水であって、そ
の中に含まれる遊離シアンイオンの一部が既に酸化分解
されているスラリ−濃度50%のものであり、残存する
シアン成分中にシアノ鉄錯イオンが、シアンとして数百
〜千mg/リットルの濃度範囲内で所定濃度にされた処
理前スラリ−を所定同一量づつ採取して実験液とし、そ
れぞれ通気攪拌型の密閉式反応槽内に充填し、外部から
200g/Nm3 のオゾン濃度のオゾンガスを、一定注
入速度で投入しつつ、酸化分解処理実験を実施した。
【0069】反応槽に出入りするガスは、入口部と出口
部において一部のサンプルガスを採取し、それぞれ紫外
線式オゾン濃度計(オキトロニクス社製型式OZM・7
000)によりオゾンガス濃度を計測し、それら二つの
オゾンガス濃度の差とその時点での通気速度とから、実
際に実験液中で消費されたオゾン量を連続的に読みとっ
て積算して、実験液内で実際に消費されたオゾン総量を
算出した。
【0070】また、実験液は所定時間ごとに少量サンプ
リングして全シアン濃度を分析した。実験液のpHは終
始8.0に保ち、20℃および30℃の2つの温度条件
にて2系列での実験をおこなった。実験開始後180分
までの計測値についてまとめたところ、積算オゾン消費
量と初期濃度に対する分解率の関係は表3のようになっ
た。
【0071】シアノ鉄錯イオンの分解は180分経過時
において20℃では92%、30℃では97%程度、そ
れぞれ進むことがわかり、かつ、単位体積当たりのオゾ
ン消費量とシアン分解率とは、ほぼ直線関係に近かっ
た。このように、pHをオゾンの自己分解反応がおこり
にくい条件にすることによって、シアノ鉄錯イオンの分
解処理が実用技術的に可能であることがわかった。
【0072】
【表3】
【0073】
【実施例2】150g/Nm3 のオゾン濃度のオゾンガ
スを用いたこと以外は、実施例1と同じ条件で、液温3
1℃にて実験を行った。実験開始後180分までの計測
値についてまとめたところ、積算オゾン消費量と初期濃
度に対する分解率の関係は表4のようになった。
【0074】
【表4】
【0075】
【比較例1】120g/Nm3 のオゾン濃度のオゾンガ
スを用いたこと以外は、実施例1と同じ条件で、液温3
1℃にて実験を行った。実験開始後180分までの計測
値についてまとめたところ、積算オゾン消費量と初期濃
度に対する分解率の関係は表5のようになった。
【0076】
【表5】
【0077】単位体積あたりのオゾン消費量とシアン分
解率は直線関係ではあったが、シアン分解率の立ち上が
り方は実施例の結果と比べて小さく、またそれ以上に問
題となるのは、反応時間3時間内に分解率が50%を切
る結果となったことであり、実用レベルでの処理時間と
は離れきってしまっていた。
【0078】
【実施例3】実験液のpHを終始10.5に保ったこと
以外は、実施例1と全く同じ条件で実験を行った。実験
開始後180分までの計測値についてまとめたところ、
積算オゾン消費量と初期濃度に対する分解率の関係は、
表6のようになった。
【0079】
【表6】
【0080】また、実施例1の結果と比較するために、
図3に実施例1及び実施例3の結果を重ねてプロットし
たグラフを示した。
【0081】実施例3においては、シアノ鉄錯イオンの
分解は60%を越えて大きくは進まなかった。また、オ
ゾン消費に対する分解率は反応途中から頭打ちとなって
おり、シアンに対するオゾン分解効率が途中から大きく
低下していることがわかった。
【0082】この原因は、pH条件がオゾン自己分解反
応のおこりやすい条件であったために、シアノ鉄錯イオ
ン濃度の低下に伴い、オゾンがシアノ鉄錯イオンとの反
応で消費される速度よりも、自己分解によりオゾンが消
費される速度の方が優勢になった結果と推測される。
【0083】このように、高濃度域のオゾンガスを使用
した場合であっても、pH条件を適当な範囲に設定する
ことにより、シアノ鉄錯イオンを含むシアン濃度の低下
を進めることが容易になることが示された。
【0084】
【実施例4】当初の遊離シアン濃度が160mg/lで
あるところの青化精錬排水15リットルを対象として、
オゾン濃度200g/Nm3 のオゾンガスを連続で通気
接触させて、オゾンによる半回分式のシアン分解試験を
行った。反応槽内容量15リットル中に最初からpH1
0.4の排水全量を入れたうえで、25℃の当初温度に
て通気接触法によりオゾンを作用させ、シアンのオゾン
酸化反応を起こさせた。
【0085】実験では、反応槽としてスラリー対応型の
通気接触混合器(400W)を採用することにより、充
分にオゾンガスと対象スラリーとの間の気液界面面積を
増加させ、かつ界面近傍に渦流を巻き起こしながら、充
分な撹拌能力をも確保した。
【0086】純酸素使用での放電型オゾナイザーでオゾ
ン濃度200g/Nm3 のオゾンガスを発生させ、いっ
たん別の反応槽で難分解性金属シアン錯イオンを主に含
有するシアン排水の処理に用いた後、そこで排水中に吸
収されずに当該反応槽から外に出てきたものを再利用す
る形で、前記15リットル通気接触混合器の反応槽に供
給した。
【0087】ガスの出入り口部分からはそれぞれ一部の
ガスを随時サンプリングして紫外線式オゾン濃度計(オ
キトロニクス社製OZM7000)にてオゾンガス濃度
を計測し、それらの値と通気速度から反応槽中における
オゾンの物理吸収量を算出した。また、反応槽からは随
時試料を少量ずつサンプリングし遊離シアン濃度および
シアン酸イオン濃度等をそれぞれ分析した。
【0088】この実施例では、オゾンの注入速度を、反
応槽内容量(L)当たり、時間(分)当たりにて、10
mg/L・minとなるように一定に流量調整しつつ、
前記通気接触混合器の反応槽に送り込んだ。そうしたと
ころ、反応開始後60分では、遊離シアンのシアン酸イ
オンまでの酸化反応の進行率はシアン重量基準で98.
5%であり、さらにシアン酸イオンから先への酸化反応
の進行は、いったん生成したシアン酸イオン重量の4%
未満にまで抑えられていた。
【0089】反応開始後60分までのオゾンの排液中へ
の物理吸収量は、上記化学反応により消費された量、す
なわち化学的吸収量と一致しており、また、反応開始後
60分までの間において、物理吸収されずに排ガス中に
存在したオゾン量は、外部より注入したオゾン総量に対
して4%未満であった。
【0090】前述のように別の反応槽で難分解性金属シ
アン錯イオンを主に含有するシアン排水の処理に用いた
後に当該反応槽から出てきた排ガスは、最初の投入量の
35%であった。また、遊離シアン分解向けの反応槽
(通気接触混合器)には、平均すると、さらにその内の
90%を投入していた。これら全部を含めてのオゾン原
料の消費率は95%であった。なお、反応槽(通気接触
混合器)内の温度変化は60分後で2℃上昇しただけで
あり、温度変化はわずかだった。
【0091】以上の操作を、当初温度だけ20℃、15
℃と順次変えて、あとは全く同じ条件を用いて同様に実
験を繰り返したが、それらの結果では、最初の結果とほ
ぼ同一の結果が繰り返され、オゾンの利用効率に関して
の再現性が確認された。
【0092】これらの観測結果から、これら実施例で用
いた条件下では、遊離シアン分解向けの反応槽内におい
て反応開始後60分間については、1)遊離シアンの酸
化速度がほとんど温度に依存していないことからオゾン
の物質移動律速となっていた、2)物理吸収されずに排
気されたオゾン量の割合がほとんどなかった、3)オゾ
ンとの反応対象物としての遊離シアンのいわゆる“選択
率”は遊離シアン濃度が低濃度域に至るまでの間を通じ
十分高く維持されていた、という3つの事実が得られ
た。これらの事実から結論として、シアンを含有する青
化製錬排水へのオゾン注入速度が10mg/L・min
の条件においては、この注入量近傍でオゾン注入速度の
みを微調節すれば、遊離シアンのシアン酸イオンまでの
酸化スピードを容易に調節しうることが明らかであっ
た。
【0093】さらに、これらの実験にて遊離シアン分解
中に排出されたガスをガス分析器にかけて内容組成を調
べたところ、濃度99%以上の酸素ガスであった。した
がって、この排ガスは、酸素による酸化処理を含む別工
程にて再利用することが効果的であるとわかった。
【0094】
【比較例2】オゾン注入速度を30mg/L・minの
条件に変え、あとは実施例4と全く同様にして温度25
℃において実験をおこなったところ、反応開始後20分
において、遊離シアンはほぼ酸化されてはいたが10%
近くが未だ残存しており、いったん生成したシアン酸イ
オンの内の10%がさらに酸化されて、この時点ですで
に別の進んだ酸化形態に変化していた。また、実施例4
と違って、排ガス中にはオゾン濃度が反応開始直後から
すでに認められていた。このように、オゾン注入速度が
実施例よりも大きい条件であったために、遊離シアンか
らシアン酸イオンへの反応は、実施例4の時のようなオ
ゾン物質移動律速の状態とは離れて、また、さらに悪い
ことには、各反応別にそれら各々の進行を外部から個別
にコントロールしがたい逐次反応系の状態に変わってし
まっていた。したがって、遊離シアンからシアン酸イオ
ンまでの酸化反応におけるオゾンの原料利用効率は、実
施例4に比べて低下していた。
【0095】
【発明の効果】本発明では、シアノ鉄錯イオンを含むシ
アン濃度の低下をオゾン濃度を高めることにより実現
し、適当なpH条件においてオゾンの自己分解反応を抑
制する。この結果、シアノ鉄錯イオン、シアノニッケル
錯イオン等の難分解性シアノ錯イオンをオゾンにより、
より完全に分解することが可能となった。なお、使用す
るオゾンガスのオゾン濃度が高くなればなるほど、本発
明の効果は大きくなる。
【0096】また、オゾンを作製する原料が電気と空気
のみであり、オゾンが分解し発生するのは酸素であり、
他の化学処理と比較して二次的な環境汚染物質を発生さ
せないことから、本発明は環境保護的にみて非常に有効
である。
【0097】また、本発明を用いることにより、難分解
性金属錯イオンを含む青化製錬シアン排水中のシアンの
処理における、遊離シアンの分解時での反応制御面にお
いて、反応現象の進行を外部からの操作で容易に制御す
ることが可能となるため、この部分の処理を経済的に実
施することが可能であり、また、副成物である酸素を主
とする排気ガスは、オゾン濃度が低レベルで組成的にも
安定しているものが得られるため、それをも最大限に活
用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 pHとオゾン自己消費率との関係を表したグ
ラフである。
【図2】 本発明の実施形態に使用した反応槽構成の概
略断面図である。
【図3】 本発明の実施例1および2におけるシアン分
解率とオゾン消費量との関係を表すグラフである。
【符号の説明】
1 オゾンガス発生機 2 気液混合反応槽 3 気液混合反応槽 4 触媒式オゾン排ガス分解器 5 オゾンガス濃度計 6 調整弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐々木 公司 千葉県市川市中国分3−18−5 住友金属 鉱山株式会社中央研究所内 (72)発明者 今泉 有二 愛媛県新居浜市磯浦町17−5 住友金属鉱 山株式会社新居浜研究所内 (72)発明者 中山 良一 愛媛県新居浜市磯浦町17−5 住友金属鉱 山株式会社新居浜研究所内 (72)発明者 中村 威一 愛媛県新居浜市磯浦町17−5 住友金属鉱 山株式会社新居浜研究所内 (72)発明者 鈴木 孝雄 東京都港区新橋5−11−3 住友金属鉱山 株式会社内 (72)発明者 久恒 政幸 東京都港区新橋5−11−3 住友金属鉱山 株式会社内 Fターム(参考) 4D050 AA13 AB38 AB39 BB02 BD02 BD08 CA13 4K001 AA04 DB10

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オゾン濃度150g/Nm3 以上のオゾ
    ンガスを液相に接触させることにより液相中の難分解性
    シアノ金属イオンを分解することを特徴とするオゾンに
    よるシアン処理方法。
  2. 【請求項2】 オゾンガスを液相に接触させる際の液相
    のpHの値を7.0〜9.5の範囲内とすることを特徴
    とするオゾンによるのシアン処理方法。
  3. 【請求項3】 液相中の遊離シアンおよびシアノ金属錯
    イオンをオゾンガスで分解するに際し、液相をpH10
    以上の状態でオゾンガスと接触させ、次いで該液相をp
    H7.0〜9.5の状態でオゾン濃度150g/Nm3
    以上のオゾンガスと接触させることを特徴とするオゾン
    によるシアン処理方法。
  4. 【請求項4】 液相をpH10以上の状態でオゾンガス
    と接触させるに際し、オゾンガスのオゾン物質流入速度
    が、液相リットル当たり毎分20mg以下とすることを
    特徴とする請求項3記載のオゾンによるシアン処理方
    法。
  5. 【請求項5】 液相中の遊離シアンおよびシアノ金属錯
    イオンをオゾンガスで分解するに際し、内部が2部以上
    に区画化された領域をもつ反応槽もしくは2個以上の反
    応槽からなる直列連続式反応槽を用い、かつ、液相とオ
    ゾンガスとを向流で接触させることを特徴とするオゾン
    によるシアン処理方法。
  6. 【請求項6】 液相の流れからみて下流側の区画の反応
    槽で上流側の区画の反応槽に入るオゾンガスの量および
    オゾン濃度を調整することを特徴とする請求項5記載の
    オゾンによるシアン処理方法。
  7. 【請求項7】 液相中の遊離シアンおよびシアノ金属錯
    イオンをオゾンガスで分解するに際し、内部が2部以上
    に区画化された領域をもつ反応槽もしくは2個以上の反
    応槽からなる直列連続式反応槽を用い、かつ、液相の流
    れからみて上流側の区画で遊離シアンおよび易分解性シ
    アノ金属錯イオンをpH10以上の状態でオゾンガスと
    の接触で分解し、下流側の区画で難分解性シアノ金属錯
    イオンをオゾン濃度150g/Nm3 以上のオゾンガス
    との接触で分解することを特徴とするオゾンによるシア
    ン処理方法。
  8. 【請求項8】上流側の区画においてオゾンガスのオゾン
    物質流入速度が、液相リットル当たり毎分20mg以下
    とすることを特徴とする請求項7記載のオゾンによるシ
    アン処理方法。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8に記載のシアン処理方法で
    廃液を処理することを特徴とする青化製錬法。
  10. 【請求項10】請求項9に記載のシアン処理方法で廃液
    を処理した後、放出された酸素含有排気ガスを、金の青
    化製錬における事前酸化処理工程にて再利用することを
    特徴とする青化製錬法。
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