JP2000152801A - 長靴及びその製造方法 - Google Patents

長靴及びその製造方法

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JP2000152801A
JP2000152801A JP10329571A JP32957198A JP2000152801A JP 2000152801 A JP2000152801 A JP 2000152801A JP 10329571 A JP10329571 A JP 10329571A JP 32957198 A JP32957198 A JP 32957198A JP 2000152801 A JP2000152801 A JP 2000152801A
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boots
molding
colored
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transparent resin
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JP10329571A
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English (en)
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Fujio Matsumoto
富士夫 松本
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Okamoto Industries Inc
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    • AHUMAN NECESSITIES
    • A43FOOTWEAR
    • A43BCHARACTERISTIC FEATURES OF FOOTWEAR; PARTS OF FOOTWEAR
    • A43B1/00Footwear characterised by the material
    • A43B1/0072Footwear characterised by the material made at least partially of transparent or translucent materials

Landscapes

  • Footwear And Its Accessory, Manufacturing Method And Apparatuses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 多段打ちにより構成した長靴と同様な外観
のもの、さらには、従来の長靴では表現できない斬新な
外観の長靴を製造し得る製造方法と、その長靴を提供す
る。 【解決手段】 成形型b内の成形面b1に意匠形状e’
を形成し、該意匠形状e’に対応させて色分けした色彩
模様dを収縮させてインナー2にプリントし、該インナ
ー2を引き伸ばしつつ、ラストcに装着するインナー装
着工程と、インナー装着工程の後に、ラストcと成形型
bとを型合わせして、該成形型b内の意匠形状e’と、
インナー2の色彩模様dとを合致させ、該成形型b内の
透明樹脂成形用キャビティーb’に透明樹脂を射出する
透明樹脂射出工程と、インナー装着工程の後に、ラスト
cと成形型bとを型合わせして、該成形型b内の着色樹
脂成形用キャビティーc’’に有色不透明な樹脂を射出
する着色樹脂射出工程とからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、異色樹脂の多段
打ちにより製造した長靴や、エンブレムを貼着した長靴
と同様な外観を有する長靴を簡単に製造し得る製造方
法、及びその製造方法により製造した長靴に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の長靴の中には、例えば図21にて
示す長靴100のように、長靴本体101の靴底部分1
02と甲部分103、さらに甲部分103と胴部104
分とをそれぞれ異なる色の樹脂を用いて構成し、各部分
を成形する樹脂を2回若しくは3回以上に分けて射出成
形(所謂多段打ち)することにより、上記したように、
複数色に色分けした長靴本体101を構成したものがあ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記した長靴100の
ように、長靴本体101を複数色の樹脂を用いて射出成
形する際には、例えば、甲部分103を射出形成した
後、成形金型とダミーモ−ルドの構成を変えて、靴底部
分102を射出成形し、さらに、成形金型とダミーモ−
ルドの構成を変えてから胴部104を射出成形するとい
ったように、各部分102,103,104を射出成形
する度に成形金型とダミーモ−ルドを組み替えて射出成
形を行う必要がある。
【0004】したがって、上記したような多段打ちによ
り製造した長靴100にあっては、色彩の数が多くなる
に伴って、必要となる成形金型やダミーモ−ルドの数が
増加すると共に、製造時においては、上記成形金型やダ
ミーモ−ルドを交換して色の異なる樹脂を射出する作業
の工程が増えることなる。よって、上記した如き多段打
ちによって製造した長靴は、カラフルなデザインにより
長靴の意匠的な付加価値が高められるのと引き換えに、
成形金型及びダミーモ−ルドの増加と、作業工程の増加
とにより、製造コストが増大するは避けられなかった。
【0005】一方、上記した如き長靴の中には、図22
にて示す長靴100’長靴本体101の胴部分104等
にキャラクターや文字,模様等をデザインしたマーク部
105を付設する場合がある。しかし、上記したような
マーク部105を設ける場合には、長靴本体101とは
別に成形して着色を施したマークを、上記長靴本体10
1に接着するか、若しくは、長靴本体101の胴部分1
04に上記マーク部105を一体に成形し、該マーク部
105に塗装若しくは印刷を施すことにより着色してい
た。しかし、上記したようにマーク部105を設ける場
合も、接着作業や塗装,印刷作業が必要であり、これも
製造時の手間を増大する要因となっていた。
【0006】本発明の目的は、製造コストの増大を招く
射出成形の多段打ちの回数を極力低減しつつ、上記した
如き多段打ちにより構成した複数色の部分から成る長靴
と同様な外観のもの、さらには、従来の多段打ちによる
長靴では表現できなかった斬新な外観ものを、簡単且つ
合理的に製造できる製造方法と、その長靴を提供するこ
とにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
ために、本発明の長靴の製造方法は、インナーの表面に
成形する透明樹脂成形部と、有色不透明な樹脂から成る
着色樹脂成形部とにより長靴本体を構成する長靴の製造
方法であって、上記長靴本体の表面側を成形する成形型
内の成形面に所定の意匠形状を凹凸形成し、この成形面
の意匠形状に対応させて色分けした色彩模様を所定の比
率にて収縮させ、この収縮させた色彩模様を、略靴下状
に形成したインナーの表面にプリントし、該インナーを
引き伸ばしつつ、略足形に形成したラストに被覆して密
着状に装着せしめるインナー装着工程と、上記インナー
装着工程の後に、ラストと成形型とを型合わせして、該
成形型の成形面に凹凸形成した意匠形状と、上記インナ
ーと共に引き伸ばした色彩模様とを合致させた後、該成
形型内の成形面とインナーとの間に形成した透明樹脂成
形用キャビティーの内部に透明若しくは半透明の樹脂を
射出して、上記インナーの表面に射出樹脂を被着せしめ
る透明樹脂射出工程と、上記インナー装着工程の後に、
ラストと成形型とを型合わせして、該成形型内に形成し
た着色樹脂成形用キャビティーの内部に有色不透明な樹
脂を射出する着色樹脂射出工程とからなるものとした。
【0008】上記したように、本発明の長靴の製造方法
は、インナー装着工程と、透明樹脂射出工程と、着色樹
脂射出工程とから成り、これにより、上記インナー表面
の色彩模様が透けて見える透明樹脂成形部と、任意色彩
の着色樹脂成形部とからなる長靴本体を構成するもので
ある。上記した長靴の製造方法におけるインナー装着工
程によれば、長靴本体を成形する成形型内の成形面に
は、所定の意匠形状を凹凸形成してある。一方、上記成
形型と型合わせされるラストには、インナーを被覆して
装着する。上記インナーの表面には、上記成形型内の成
形面に凹凸形成した意匠形状に対応させて色分けした色
彩模様が、所定の比率にて収縮せめした状態でプリント
してある。即ち、上記色彩模様は、インナーを引き伸ば
しつつラストに装着することにより、同インナーと共に
ラストの表面に沿って引き伸ばされて、上記成形型内の
成形面に凹凸形成した意匠形状と合致した状態となる。
【0009】したがって、本発明の長靴の製造方法にお
ける透明樹脂射出工程において、上記インナー装着工程
の後に、上記ラストと成形型とを型合わせすると、上記
成形面に形成した意匠形状と、上記インナーの表面にプ
リントされた色彩模様とが位置合わせされて合致した状
態となる。また、上記したように型合わせした状態に
て、該成形型内に形成した透明樹脂成形用キャビティー
に透明若しくは半透明の樹脂を射出すると、上記インナ
ーの表面に長靴本体における透明樹脂成形部が密着して
一体化した状態で成形される。
【0010】また、本発明の長靴の製造方法における着
色樹脂射出工程において、上記インナー装着工程の後
に、ラストと成形型とを型合わせして、該成形型内に形
成した着色樹脂成形用キャビティーの内部に任意の色に
着色した有色不透明な樹脂を射出すると、同キャビティ
ー内において、長靴本体における着色樹脂成形部が成形
される。
【0011】尚、上記したように、インナー装着工程の
後に、ラストと成形型とを型合わせした状態で行う、透
明樹脂射出工程と着色樹脂射出工程との間に、前後関係
の決まりはなく、どちらの工程を先に行ってもよい。即
ち、透明樹脂射出工程と着色樹脂射出工程とが行われる
ことにより、透明樹脂成形部と、着色樹脂成形部とが接
合して一体化した状態で成形され、長靴本体を構成す
る。即ち、上記長靴本体は、インナーの表面に被着する
透明樹脂成形部と着色樹脂成形部とが組み合わされた状
態で構成されることになる。また、製造された長靴本体
の透明樹脂成形部は透明樹脂も若しくは半透明樹脂を介
してインナーの表面が透けて見える状態となり、また、
着色樹脂成形部は、任意に着色した樹脂が露呈すること
になる。
【0012】上記した如く製造した長靴は、インナーの
表面にプリントした色彩模様と、透明樹脂射出工程にお
いて成形した、長靴本体の透明樹脂成形部の表面に凹凸
形成される意匠形状とが、合致した状態となる。尚、上
記した合致した状態とは、成形面に凹凸形成された意匠
形状と、インナーの表面にプリントした色彩模様の色彩
の形態とが相互に対応して合致した状態をいう。即ち、
長靴本体の透明樹脂成形部の表面を視ると、所定形状に
凹凸成形された意匠形状の直ぐ裏の部分にインナーにプ
リントした色彩模様が透けて見える状態となる。その結
果、上記長靴本体の表面に凹凸形成される意匠形状は、
該意匠形状に合わせて色分けされた色彩模様に着色され
たように見える。
【0013】尚、成形型の成形面に形成した意匠形状を
写す形で長靴本体の表面に凹凸成形する意匠形状とは、
長靴本体の胴部分,甲部分,カウンター部分,靴底部
分,トゥーキャップ部分,サイドガード部分,スタビラ
イザ−部分,履き口部分,上記各部分同士の境界部分,
さらには、文字やキャラクター等を形成したマーク部や
エンブレム等を言い、長靴本体の表面に意匠的若しくは
機能的に凹凸成形される要素であれば、外観上どのよう
な構成要素であってもよい。尚、上記した凹凸成形と
は、凸状に成形した形状、凹状に成形した形状、及び凹
と凸とを組み合わせて構成した形状とを含むものであ
る。
【0014】また、上記インナーの表面にプリントする
色彩模様も、上記した如き意匠形状に対応して色分けし
得るものであればどのような配色,デザインであっても
よい。さらに、上記色彩模様は、長靴本体の表面に凹凸
成形する意匠形状に対応させるものであって、インナー
表面の一部にプリントしても、若しくはインナー表面の
全面にプリントしても良い。
【0015】請求項2記載の長靴の製造方法は、インナ
ーの表面に成形する透明樹脂成形部と、有色不透明な樹
脂から成る着色樹脂成形部とにより長靴本体を構成する
長靴の製造方法であって、上記長靴本体の表面側を成形
する成形型内の成形面の所定部位に意匠形状を凹凸形成
し、且つ、上記成形型と型合わせする略足形のラスト
に、略靴下状に形成したインナーを被覆して密着状に装
着せしめ、該インナーの表面における上記意匠形状と対
応する箇所に、同意匠形状に対応させて色分けした色彩
模様片を貼着するインナー装着工程と、上記インナー装
着工程の後に、ラストと成形型とを型合わせして、成形
型の成形面に凹凸形成した意匠形状と、インナーに貼着
した色彩模様片とを合致させた後、該成形型内の成形面
とインナーとの間に形成した透明樹脂成形用キャビティ
ーの内部に透明若しくは半透明の樹脂を射出して、上記
インナーの表面に射出樹脂を被着せしめる透明樹脂射出
工程と、上記インナー装着工程の後に、ラストと成形型
とを型合わせして、該成形型内に形成した着色樹脂成形
用キャビティーの内部に有色不透明な樹脂を射出する着
色樹脂射出工程とからなるものである。
【0016】上記した如く、本発明の請求項2記載の長
靴の製造方法は、インナー装着工程と、透明樹脂射出工
程と、着色樹脂射出工程とから成る。上記した長靴の製
造方法におけるインナー装着工程によれば、長靴本体の
表面側を成形する成形型内の成形面には、意匠形状を凹
凸形成し、また、上記成形型と型合わせされるラストに
は、インナーを被覆して密着状に装着する。上記インナ
ーの所定箇所には、上記成形型内の成形面に凹凸形成し
た意匠形状と対応させて色分けした色彩模様片を貼着す
る。そして、上記ラストと成形型とを型合わせすると、
上記成形面に凹凸形成した意匠形状と、上記インナーの
表面に貼着した色彩模様片とが位置合わせされ、キャビ
ティーの空間を介して合致した状態となる。
【0017】したがって、本発明の長靴の製造方法にお
ける透明樹脂射出工程において、上記インナー装着工程
の後に、上記ラストと成形型とを型合わせした状態に
て、該成形型内に形成した透明樹脂成形用キャビティー
に透明若しくは半透明の樹脂を射出すると、上記インナ
ーの表面に長靴本体における透明樹脂成形部が密着して
一体化した状態で成形される。
【0018】また、本発明の長靴の製造方法における着
色樹脂射出工程において、上記インナー装着工程の後
に、ラストと成形型とを型合わせして、該成形型内に形
成した着色樹脂成形用キャビティーに有色不透明な樹脂
を射出すると、同キャビティー内において、長靴本体に
おける着色樹脂成形部が成形される。
【0019】尚、上記したように、インナー装着工程の
後に、ラストと成形型とを型合わせした状態で行う、透
明樹脂射出工程と着色樹脂射出工程との間に、前後関係
の決まりはなく、どちらの工程を先に行ってもよい。よ
って、透明樹脂射出工程と着色樹脂射出工程とが行われ
た後に、上記透明樹脂成形部と、着色樹脂成形部とが接
合して一体的に成形され、長靴本体を構成する。したが
って、上記長靴本体は、インナーの表面に被着する透明
樹脂成形部と着色樹脂成形部とが組み合わされた状態で
構成されることになる。また、製造された長靴本体の透
明樹脂成形部は透明樹脂も若しくは半透明樹脂を介して
インナーの表面及び色彩模様片が透けて見える状態とな
り、また、着色樹脂成形部は、任意の色に着色した有色
不透明な樹脂が露呈することになる。
【0020】また、上記した如く構成した長靴は、イン
ナー表面に貼着した色彩模様片と、成形型の成形面に凹
凸形成した意匠形状によって、長靴本体の透明樹脂成形
部の表面に凹凸成形された意匠形状とが合致した状態と
なる。即ち、長靴本体を表側から見ると、所定形状に凹
凸形成された意匠形状の直ぐ裏の部分にインナーの表面
に貼着した色彩模様片が透けて見えた状態となる。これ
により、上記長靴本体の表面に凹凸形成される意匠形状
は、該意匠形状に合わせて色分けされた色彩模様片によ
り着色されたように見える。その結果、長靴本体表面の
意匠形状は、その形態に合わせて樹脂の打ち分けや塗装
などにより塗り分けられたものと同様な外観となる。
【0021】尚、長靴本体表面に凹凸成形する意匠形状
とは、長靴本体の胴部分,甲部分,カウンター部分,靴
底部分,トゥーキャップ部分,サイドガード部分,スタ
ビライザ−部分,履き口部分,上記各部分同士の境界部
分,さらには、文字やキャラクター等を形成したエンブ
レム部分等を云い、長靴本体の表面に意匠的若しくは機
能的に凹凸成形される要素であれば、どのような構成要
素であってもよい。また、上記した凹凸成形とは、凸状
に成形した形状、凹状に成形した形状、及び凹と凸とを
組み合わせて構成した形状を含むものである。さらに、
上記インナーの表面に貼着する色彩模様片も、上記した
如き意匠形状に対応して色分けし得るもであれば、どの
ような配色,デザイン,材質であってもよい。
【0022】請求項は3記載の長靴の製造方法は、上記
した請求項1及び2記載の長靴の製造方法における着色
樹脂射出工程において、着色樹脂成形用キャビティーに
より、長靴本体の靴底部分を成形するものである。この
場合、上記着色樹脂成形用キャビティーにより、長靴本
体の靴底部分が任意の色に着色された有色不透明な樹脂
から構成されることになる。その結果、長靴本体の底面
部に露呈するインナーの縫着部分を綺麗に覆い隠すこと
ができる。また、透明樹脂成形部と着色樹脂成形部とを
組み合わせて長靴本体を構成する場合、重量感を有する
有色不透明な樹脂を靴底部分に配することにより、長靴
の外観に安定感が生じ、また、使用に伴って靴底部分が
摩耗しても外観が極端に低下するようなこともない。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図面に
基づいて説明する。図1及び図2にて示す長靴aは、軟
質塩化ビニル樹脂等、透明で且つ弾性を有する合成樹脂
を用いて成形した透明樹脂成形部1a(アッパー部)
と、有色不透明な合成樹脂を用いて成形した着色樹脂成
形部1b(本底とミッドソール)とを一体化して組み合
わせることにより、長靴本体1を一体的に成形してあ
る。 また、長靴本体1の内面には、色彩模様dを全面
的にプリントしたインナー2を接着し、該インナー2の
表面にプリントした色彩模様dが、上記長靴本体1の透
明樹脂成形部1a(アッパー部)を介して同長靴本体1
の表面に透けて見えるように構成してある。また、上記
インナー2の色彩模様dは、長靴本体1の表面に形成し
た意匠形状eの形状に対応し、該意匠形状eの各部位e
1〜e3を色分けする形で着色するように構成してあ
る。尚、上記長靴本体1は、軟質塩化ビニル樹脂以外に
も、以下に列記する如き樹脂等を用いて成形してもよ
い。 1.軟質塩化ビニル樹脂の他にも、オレフィン系熱可塑
エラストマ−(エチレンプロピレンラバ−、エチレンー
オクテン系エラストマ−、アタクティックポリプロピレ
ン等)。 2.軟質ポリオレフィン(直鎖状低密度ポリエチレン、
直鎖状超低密度ポリエチレン、シンジオタクティクポリ
プロピレン、低結晶性ポリプロピレン等。 3.オレフィン系軟質樹脂(エチレン−酢酸ビニル共重
合樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸(エステル)共
重合樹脂等)。 4.スチレン系熱可塑性エラストマ−(ポリスチレン−
ポリイソプレン−ポリスチレン系熱可塑性エラストマ
−、ポリスチレン−ポリ(エチレン−プロピレン)−ポ
リスチレン系熱可塑性エラストマ−等)尚、これらは、
2種以上混合して使用してもよい。 5.硬質ポリオレフィン(高圧法低密度ポリエチレン、
高密度ポリエチレン、アイソタクティック(ホモ、ラン
ダム、ブロック)ポリプロピレン、ポリ−4−メチルペ
ンテン−1等)を上記1.2.3.4で軟質化したも
の。 6.ウレタン系熱可塑性エラストマ−。 尚、これらにシリコーン等の離型(艶調節)剤、エルク
アミド等の滑剤、ベンゾトリアゾ−ル等の紫外線吸収
剤、酸化チタン等の顔料を添加してもよい。
【0024】上記した如く長靴本体1は、軟質塩化ビニ
ル樹脂等の透明樹脂を用いて射出成形して成る透明樹脂
成形部1a(アッパー部)と、軟質塩化ビニル樹脂等の
有色不透明な樹脂を用いて射出成形して成る着色樹脂成
形部1b(本底とミッドソール)とを組み合わせて構成
してある。また、上記長靴本体1の透明樹脂成形部1a
の表面は、機能的且つ意匠的な意匠形状eを凹凸形成し
てある。上記長靴本体1の透明樹脂成形部1aの意匠形
状eは、甲部分e1,胴部分e2,履き口部分e3から
なり、各部分e1〜e3の境界部分は、境界e5によっ
て仕切ってある。また、長靴本体1の本底f1と、ミッ
ドソールf2とは、上記透明樹脂成形部1aの底面部に
密着させる形で成形してあり、任意な色彩、例えばミッ
ドソールf2及び本底f1を共にグレーに着色する。
尚、本実施例の場合、上記した本底f1と、ミッドソー
ルf2とは、着色樹脂成形部1b(本底とミッドソー
ル)を成形した後、その着色樹脂成形部1b(本底とミ
ッドソール)の上に透明樹脂成形部(アッパー部)を密
着させる形で一体に成形している。
【0025】インナー2は、ポリエステル等の合成繊
維、若しくは綿等の天然繊維を用いて伸縮自在に編んだ
布材を略靴下状に縫製して構成してある。また、上記イ
ンナー2の表面には、上記した如く長靴本体1の表面に
形成した意匠形状eを構成する各部位e1〜e3の形態
を所定の方法に従って収縮せしめた色彩模様dをプリン
トしてある。上記色彩模様dは、長靴本体1表面の意匠
形状の各部位e1〜e3と対応する各色彩部位d1〜d
3に色分けして構成してある。上記各色彩部位d1〜d
3の色分けは各々に異なる色彩、例えば、本実施例の場
合、長靴本体1の甲部分d1が青色,胴部分d2がグレ
ー,履き口部分d3が黄色に着色してある。尚、上記し
た各色彩部位の色彩は任意に変更しても良い。また、上
記色彩は柄模様であっもよい。さらに、上記したインナ
ー2における靴底部分、即ち、各色彩部位d1〜d3以
外の部分は、有色不透明な本底f1とミッドソールf2
とにより覆われて外部からは見えなくなるので、無着色
のまま、若しくは甲部分に相当するd1と同じ色に着色
してもよい。
【0026】尚、上記した色彩模様dの収縮方法とは、
色彩模様dをプリントしたインナー2を後述するように
ラストに引き伸ばしながら被覆して装着した際に、上記
インナー2がラストの表面に沿って引き伸ばされるのに
伴って、その表面にプリントした色彩模様dが拡大し、
この拡大後の各色彩部位d1〜d3及び境界d5が、上
記長靴本体1の透明樹脂成形部1aの表面に形成した意
匠形状eの各部位e1〜e3及び境界e5と正確に合致
するように設定する。
【0027】また、これを逆に捉えるならば、ラストに
装着したインナー2の表面に、上記長靴本体1の透明樹
脂成形部1aの表面に形成した意匠形状eの各部位e1
〜e3と正確に合致するように色彩模様dの各部位d1
〜d3をプリントし、このインナー2をラストから取り
外して元通りに収縮した際に現れる色彩模様dが上記収
縮状態の色彩模様dと一致するように設定するものであ
る。上記した如く構成した長靴aは、透明な樹脂からな
る長靴本体1の透明樹脂成形部1aの表面に凹凸成形し
た意匠形状eの各部位e1〜e3の直ぐ裏の部分に、イ
ンナー2の表面に貼着した色彩模様dの各色彩部位d1
〜d3とが合致し、これらの色彩部位d1〜d3が長靴
本体1の透明樹脂成形部1aを構成する透明な樹脂を介
して透けて見える状態となる。
【0028】この状態は、長靴本体1の透明樹脂成形部
1aの範囲内において凹凸形成した意匠形状eの各部位
e1〜e3に合わせて、色彩模様dの色彩部位d1〜d
3の色が着色されたように見えることになる。よって、
上記長靴aの外観は、射出成形により多段打ちした従来
の長靴のように、長靴本体1のアッパー部の表面に凹凸
成形した意匠形状eの各部位e1〜e3に合わせて色分
けした外観となる。また、上記した各色彩部位d1〜d
3は、これら各色彩部位d1〜d3の境界d5部分が、
上記長靴本体1の表面に凹凸形成した意匠形状eの各部
位e1〜e3の境界e5と合致するように構成してある
(図2)。
【0029】尚、上記した長靴本体1の透明樹脂成形部
1aの表面に凹凸形成する意匠形状のデザインは任意に
変更してもよい、また、色彩模様も上記意匠形状に合致
する条件を満たすものであれば、色彩のデザインや色の
組み合わせは任意に変更してもよい。また、上記実施例
の長靴aにおいては、色彩模様dの各色彩部位d1〜d
3を3色に色分けしたが、上記各色彩部位の一部若しく
は全部に柄模様をプリントしてもよい。上記した長靴本
体1の透明樹脂成形部1aは、透明樹脂の他に、比較的
透明に近い半透明な樹脂を用いてもよい。また、半透明
の樹脂は例えば黄色や黄緑、青色、オレンジ色等任意の
色素を少量混入して半透明状としてもよい。この場合、
長靴本体の半透明層を介して意匠形状の裏側にインナー
表面の色彩模様が現れることになり、透明樹脂の場合と
幾分異なった印象となる。
【0030】有色不透明な樹脂から成る着色樹脂成形部
1bは、本底f1と、該本底f1の外周部に沿って帯状
に形成されるミッドソールf2とから構成してある。
尚、これらの部分f1,f2は、任意の色に着色した樹
脂にて一体成形してある(図1,図2)。長靴本体1の
靴底面を構成する本底f1は、例えばグレーに着色した
軟質合成樹脂から成り、上記透明樹脂成形部1aの靴底
面に密着させた形で成形してある。上記ミッドソールf
2は、本底f1の外周部と透明樹脂成形部1aの甲部e
1底面側の外周部との間を覆い隠すように成形される略
帯状の部分であり、上記本底f1と一体に成形してあ
る。
【0031】次ぎに、上記した長靴aの製造方法を説明
する。図4にて示すように、略靴下状に縫製してラスト
cよりも小さめに構成したインナー2を、引き伸ばしな
がらラストcに被せて履き口部分まで被覆し、同インナ
ー2の伸縮性を利用してラストcの表面に全面的に密着
させる。尚、上記ラストcは、長靴本体1の内部空間を
埋めるように足形に成形する。
【0032】また、上記したようにラストcに被覆して
装着するインナー2は、前記したよように、ポリエステ
ル等の合成繊維、若しくは綿等の天然繊維を用いて伸縮
自在に編んだ布材を略靴下状に縫製して構成してある。
インナー2は、上記した如くラストcよりも幾分小さく
縫製すると共に、その表面に前記した如く長靴本体1の
透明樹脂成形部1aの表面に形成した意匠形状eを構成
する各部位e1〜e3の形態を収縮せしめた色彩模様d
を、上記意匠形状eの各部位e1〜e3と対応する位置
にプリントしてある。
【0033】上記した如く構成したインナー2をラスト
cの表面に引き伸ばしながら装着すると、上記インナー
2と共に色彩模様dがラストcの表面に沿って引き伸ば
されて、長靴本体1の透明樹脂成形部1aの表面に形成
した意匠形状eと合致する形状、即ち、後述する成形型
b内の成形面b1に凹凸形成した意匠形状e’と合致し
た状態となる。尚、上記した如くインナー2をラストc
の表面に被覆して装着した後には、上記インナー2各部
の引き伸ばし状態を補正し、同インナー2の表面にプリ
ントした色彩模様dの各色彩部位d1〜d3がラストc
表面の所定の位置に合うように設定する。
【0034】尚、上記した如くラストに被覆して装着す
るインナーは、図8にて示すインナー2’のように、ポ
リエステル等の合成繊維を用いて筒状に編んだものを使
用してもよい。このインナー2’は、合成繊維を編んで
構成したインナー素材の先端口を円弧状に熱溶着するこ
とにより、靴下と略同様な形状に構成し、その表面に、
上記したものと同様に色彩模様dをプリントしたもので
ある。
【0035】次いで、上記した如くインナー2を装着し
たラストcと、成形部分毎に分割される成形型bと型合
わせする(図5)。これにより、上記成形型bの成形面
b1に形成した意匠形状e’と、上記インナー2の表面
にプリントした色彩模様dとが正確に位置合わせされて
合致した状態となる。尚、上記成形型bは、アッパー部
分の左右両側部を成形するサイドモールドb2と、履き
口の口縁部を塞ぐ上部モールドb3と、透明樹脂成形部
1aの底面部を成形するダミーモールドb4とから構成
してある。また、上記ダミーモールドb4は、本底f1
及びミッドソールf2を成形する際には取り外し、それ
専用のモールドb4’と交換する。
【0036】そして、成形型b内に形成されたキャビテ
ィーb’(即ち透明樹脂成形用キャビティー)に溶融状
態の透明塩化ビニル樹脂を射出し、所定時間、所定温
度、所定圧力にて加熱することにより、上記キャビティ
ーb’内にて長靴本体1の透明樹脂成形部1aを成形す
る(図5)。上記した如く成形した長靴本体1の透明樹
脂成形部1aを成形する樹脂は、成形中においてインナ
ー2表面の繊維の目に入り込むように接着して綺麗に一
体化する。なお、上記透明樹脂成形部1aは靴底部分を
除いた長靴形に成形される。
【0037】所定時間経過後、上記成形型bのダミーモ
ールドb4を取り外し、本底f1及びミッドソールf2
を成形するモールドb4’と交換する。これにより、上
記した如く成形した靴本体1の透明樹脂成形部1aの靴
底部分にモールドb4’が装着され、同透明樹脂成形部
1aに密着する形で本底f1とミッドソールf2とを成
形するキャビティーb4’’(即ち着色樹脂成形用キャ
ビティー)が形成される(図6)。
【0038】そして、上記モールドb4’内に形成され
たキャビティーb4’’に溶融するグレーの塩化ビニル
樹脂を射出し、所定時間、所定温度、所定圧力にて加熱
することにより、上記キャビティーb4’’内にて長靴
本体1の着色樹脂成形部1b、即ち、本底f1とミッド
ソールf2を一体成形する。上記した如く成形した長靴
本体1の着色樹脂成形部1bを成形する樹脂は、成形中
において同長靴本体1の透明樹脂成形部1aの靴底面に
密着して接着し、強固に一体化する。そして、所定時間
経過後、上記成形型bとラストcを分離し、ラストcに
嵌合した状態で成形される長靴本体の透明樹脂成形部1
aを引き抜いて取り外す。また、略長靴形状に成形され
た透明樹脂成形部1aは、履き口から延出するインナー
2の余分な生地を切り取っておく。これにより前記した
長靴aが完成する。
【0039】ところで、上記した実施例の長靴aにおい
ては、成形型bを使用して、アッパー部と成る透明樹脂
成形部1aを成形した後、その底面部に本底f1及びミ
ッドソールf2となる着色樹脂成形部1bを密着する形
で一体的に成形したが、上記した透明樹脂成形部1a
(アッパー部)と、着色樹脂成形部1b(靴底及びミッ
ドソール)とは、どちらを先に成形してもよい。
【0040】次ぎに、図9及び図10に基づいて、着色
樹脂成形部1b(靴底及びミッドソール)を先に成形し
た後、透明樹脂成形部1a(アッパー部)を成形する製
造方法について説明する。前記した実施例と同様に、イ
ンナー2を装着したラストcを、長靴本体1の各成形部
分毎に分割される成形型gと型合わせする。上記成形型
gは、本底f1及びミッドソールf2となる着色樹脂成
形部1bを成形する靴底成形モールドg1と、アッパー
部分となる透明樹脂成形部1aを成形するサイドモール
ドg2と、履き口の口縁部を塞ぐ上部モールドg3と、
上記靴底成形モールドg1と型合わせするダミーモール
ドg4とから構成する。
【0041】まず、図9にて示すように、靴底成形モー
ルドg1とダミーモールドg4とを型合わせし、これら
両モールドg1,g4の間に本底f1とミッドソールf
2を成形するキャビティーg1’を形成する。次いで、
上記キャビティーb1’内に溶融する着色樹脂、例え
ば、グレーの塩化ビニル樹脂を射出し、所定時間、所定
温度、所定圧力にて加熱することにより、上記キャビテ
ィーg1’内にて長靴本体1の着色樹脂成形部1b、即
ち、本底f1とミッドソールf2を一体成形する。尚、
上記靴底成形モールドg1の底面(図9において上面)
には、詮体21を嵌入し、これにより、上記した如くキ
ャビティーg1’内にて成形した本底f1とミッドソー
ルf2の中央に溶融透明樹脂を通過せしめる孔22を成
形しておく。
【0042】インナー2を被覆したラストcに、アッパ
ー部分を成形するサイドモールドg2、及び上部モール
ドg3を型合わせする(図10)。これにより、前記し
たと同様に、上記成形型gの成形面g11に形成した意
匠形状e’と、上記インナー2の表面にプリントした色
彩模様dとを位置合わせて合致せしめる。これと同時
に、上記サイドモールドg2の靴底面には、上記した如
く本底f1とミッドソールf2を一体成形した靴底成形
モールドg1を型合わせする。上記靴底成形モールドg
1は、ダミーモールドg4を取り外すと共に、キャビテ
ィ−g1’内に成形品をそのまま残した形で上記サイド
モールドg2の靴底面に型合わせする。
【0043】この状態において、サイドモールドg2の
成形面g11と、ラストcに被覆したインナー2と、靴
底成形モールドg1内の製品と、上部モールドg3との
間にアッパーを成形するキャビティ−g2’が成形され
た状態となる。そして、詮体21を外すことにより形成
される注入口23から溶融状態の透明塩化ビニル樹脂を
射出し、これにより、上記成形型g内のキャビティーg
2’内にて長靴本体1の透明樹脂成形部1a(アッパー
部)を成形する。
【0044】上記した如く成形した長靴本体1の透明樹
脂成形部1aを成形する透明樹脂は、成形中においてイ
ンナー2表面の繊維の目に入り込むように接着して綺麗
に一体化すると共に、長靴成形モールドg1内に収まる
本底f1及びミッドソールf2の接着面と強固に密着し
て一体化する。
【0045】上記したように、図4〜図7若しくは図
9,図10にて示した製造方法にて製造した長靴aは、
長靴本体1の透明樹脂成形部1aの表面に凹凸成形した
意匠形状e1〜e3の直ぐ裏の部分に、インナー2の表
面にプリントした色彩模様dの各色彩部位d1〜d3が
透けて見える状態となる。即ち、上記長靴本体1におけ
る透明樹脂成形部1aにおいては、凹凸状に形成した意
匠形状e1〜e3に合わせて上記色彩部位d1〜d3の
色彩部位の色彩が着色された如く見えるようになる。ま
た、上記長靴本体1の靴底部に相当する着色樹脂成形部
1bは、グレーに着色された本底f1とミッドソールf
2が成形される。そして、この着色樹脂成形部1bと、
上記した如く透明感のある樹脂層を介して色彩模様dが
見える透明樹脂成形部1aとを組み合わせて長靴本体1
を構成することにより、今までにない新しいデザインの
長靴aとなる。
【0046】また、上記した長靴aのように、透明樹脂
成形部1aと着色樹脂成形部1bバランス良く組み合わ
せて長靴本体1を構成した場合、即ち、重量感を有する
有色不透明な樹脂を靴底部分に配することにより、長靴
aの外観に安定感が生じるようになる。尚、上記実施例
の長靴aの場合、長靴本体1の履き口部分e3に沿って
カバー5を縫着してあるが、このカバー5は必ずしも設
けなくともよい。また、上記長靴は、長靴本体の透明樹
脂成形部の表面に形成する意匠形状、及びこれに対応す
る色彩模様のデザインは任意に変更してもよい。さら
に、上記長靴の長靴本体を構成する透明樹脂成形部と着
色樹脂成形部との面積比率は、任意に変更してもよく、
例えば、上記した実施例とは反対に、着色樹脂成形部を
大きく、且つ透明樹脂成形部を小さく構成してもよい。
【0047】尚、本発明の長靴は、図11にて示す長靴
a’のように長靴本体1の着色樹脂成形部1bの本底f
1とミッドソールf2とを異なる色の樹脂にて成形して
もよい。よって、上記長靴a’の着色樹脂成形部1b
は、2回に分けて射出成形することになる。上記長靴
a’の場合、例えば本底f1を茶色の樹脂にて成形する
と共に、ミッドソールf2をグレーの樹脂にて成形す
る。また、上記長靴a’の着色樹脂成形部1bを成形す
る際には、まず前記した長靴aと同様に透明樹脂成形部
1aを成形した後、ダミーモールドを本底成形用のもの
と交換して本底f1を成形し、さらに、ダミーモールド
をミッドソール成形用のものと交換してミッドソールf
2を成形しても良いし、若しくは、本底f1と、アッパ
ーとなる透明樹脂成形部1aを別々に成形した後、上記
本底f1とアッパーの靴底外周部との間にミッドソール
f2を成形してアッパーと成る透明樹脂成形部1aと本
底f1とミッドソールf2との3部材を一体化してもよ
い。以下、後者の場合の製造方法を図12,図13に基
づいて説明する。
【0048】この製造方法は、前記した実施例と同様、
インナー2を装着したラストcを、長靴本体1の各成形
部分毎に分割される成形型jと型合わせする(図12,
図13)。上記成形型jは、着色樹脂成形部1b(靴底
及びミッドソール)を成形する靴底成形モールドj1
と、透明樹脂成形部1a(アッパー部)を成形するサイ
ドモールドj2と、履き口の口縁部を塞ぐ上部モールド
j3と、上記靴底成形モールドj1と型合わせするダミ
ーモールドj4と、サイドモールドj2の靴底面に型合
わせするダミーモールドj5とから構成する。
【0049】まず、図12にて示すように、靴底成形モ
ールドj1とダミーモールドj4とを型合わせし、これ
ら両モールドj1,j4の間に本底f1を成形するキャ
ビティーj1’を形成する。次いで、上記キャビティー
j1’内に溶融する着色樹脂、例えば、茶色の塩化ビニ
ル樹脂を射出し、所定時間、所定温度、所定圧力にて加
熱することにより、上記キャビティーj1’内にて本底
f1を成形する。尚、上記靴底成形モールドj1には、
詮体(図示せず)を嵌入することにより、上記した如く
キャビティーj1’内にて成形した本底f1の中央に溶
融透明樹脂を通過せしめる孔23を成形する。
【0050】上記したように靴底成形モールドj1によ
り本底f1を成形するのと同時に、インナー2を被覆し
たラストcに、アッパー部分を成形するサイドモールド
j2、及び上部モールドj3を型合わせする(図1
2)。そして、上記した如く型合わせしたラストcとサ
イドモールドj2の靴底面にダミーモールドj5を型合
わせし、上記ラストcに被覆したインナー2と各モール
ドj2,j3,j5の間に形成されたキャビティ−j
2’内において長靴本体1の透明樹脂成形部1a(アッ
パー部)を成形する。尚、この際、上記した如く成形し
た本底f1とアッパー部とは、成形品の冷却が同時に進
行する(図12)。
【0051】本底f1とアッパー部とが所定温度以下に
冷却したならば、靴底成形モールドj1からダミーモー
ルドj4を取り外し、また、サイドモールドj2の靴底
面に型合わせしてあったダミーモールドj5に換えて、
同サイドモールドj2の靴底面に靴底成形モールドj1
を型合わせする。上記靴底成形モールドj1は、ダミー
モールドj4を取り外し、キャビティ−j1’内に成形
品をそのまま残した形で上記サイドモールドj2の靴底
面に型合わせする。この状態において、上記靴底成形モ
ールドj1内にて成形された本底f1とアッパーの靴底
面との間にミッドソールf2を成形するためのキャビテ
ィ−j1’’が形成される。
【0052】そして、詮体(図示せず)を外した注入口
25から溶融するグレーの透明塩化ビニル樹脂を射出
し、これにより、上記キャビティ−j1’’内において
ミッドソールf2を成形すると共に、該ミッドソールf
2を成形する樹脂によって上記アッパーの靴底面と本底
f1との間を強固に密着して一体化する(図13,図1
4)。尚、図14は、上記方法にて製造した長靴a’の
爪先部付近の縦断面図であり、本底f1と靴本体1のア
ッパー部分の靴底面との間がミッドソールf2を形成す
る樹脂によって接合されている構造示す。
【0053】次ぎに図15乃至図17にて示す長靴a2
について説明する。図15乃至図17にて示す長靴a2
は、上記した長靴aと同様に構成したものであり、軟質
塩化ビニル樹脂等、透明で且つ弾性を有する合成樹脂を
用いて長靴本体11の透明樹脂成形部1aを成形してあ
る。また、上記透明樹脂成形部1aの靴底面部には、前
記した長靴aと同様に、任意の色に着色した有色不透明
な合成樹脂、例えば軟質塩化ビニル樹脂等の合成樹脂を
射出成形することにより、同長靴本体11の着色樹脂成
形部1bを構成し、上記透明樹脂成形部1aと着色樹脂
成形部1bとを一体的に組み合わせることにより、長靴
本体11を一体に構成してある。
【0054】また、上記長靴本体11の内面には、色彩
模様dを全面的にプリントしたインナー12を接着し、
該インナー12の表面にプリントした色彩模様dが、上
記長靴本体11の透明樹脂層1aを介して同長靴本体1
1の表面に現れるように構成してある。尚、上記インナ
ー12の色彩模様dは、長靴本体11の表面に形成した
意匠形状eの甲部e1と胴部e2とからなる部位に対応
する色彩部位d1,d2(同色)と、履き口部e3に対
応する色彩部位d3の2色に色分けしてある。例えば、
本実施例の長靴a2の場合、上記色彩部位d1,d2を
オレンジ色に着色し、また、履き口部e3の色彩部位d
3を黄色に着色してある。尚、上記色彩部位d1,d2
及びd3の色彩は任意に変更してよい。また、上記イン
ナー12における靴底部分、即ち、各色彩部位d1〜d
3以外の部分は、有色不透明な本底f1とミッドソール
f2とにより覆われて外部からは見えなくなるので、無
着色のまま、若しくは上記色彩部位d1と同じ色に着色
してもよい。
【0055】上記した如く構成した長靴a2の胴部外側
の部分には、マーク部6の外形を構成する意匠形状hを
立体的に突出形成すると共に、この意匠形状hの直ぐ裏
側に相当するインナー12の表面に、上記マーク部6の
色彩を表す色彩模様片6aを貼着し、該色彩模様片6a
の模様が透明な長靴本体11を介して上記マーク部6の
表面に現れるように構成してある(図16)。尚、上記
した長靴のマーク部に相当するデザインは、メーカーの
ロゴや商標,エンブレムやキャラクター,文字,絵柄等
どのようなものを用いてもよい。
【0056】次ぎに、上記した如く構成した長靴a2の
製造方法を説明する。まず、図18にて示すように、ラ
ストcに色彩模様dを施したインナー12を被覆して装
着した後、同インナー12表面のマーク部6に相当する
部位に色彩模様片6aを貼着する。上記した色彩模様片
6aは、前記したように、メーカーのロゴや商標,エン
ブレムやキャラクター,絵柄や文字等の模様を表面にプ
リントした布や不織布等を用いて構成し、該色彩模様片
6aを速効性の接着材を塗布してインナー12の表面に
接着する。
【0057】尚、上記色彩模様片6aに用いる貼着手段
は、インナー12表面に対して手早く接着し得るもので
あればどのようなものを用いてもよい。例えば、色彩模
様片6aの裏面に粘着層を設けたもの、若しくは、加熱
により接着するタイプの接着剤を色彩模様片6aの裏面
に予め塗布しておき、この色彩模様片6aの表側からア
イロンを当てて加熱することにより、インナー12表面
に接着してもよい。
【0058】成形型kは、成形面k1におけるマーク6
に相当する部分には、前記意匠形状hを成形する意匠形
状h’を上記色彩模様片6aの外形と略同形に凹設形成
してある(図19,図20)。よって、上記した如くイ
ンナー12を装着したラストcと、成形部分毎に分割さ
れる成形型kとを型合わせすると、上記成形型kの成形
面k1のマーク部6に凹設形成した意匠形状h’と、上
記インナー12の表面に貼着した色彩模様片6aとが正
確に位置合わせされて合致した状態となる。尚、上記成
形型kは、前記したものと同様に、アッパー部分の左右
両側部を成形するサイドモールドk2と、履き口の口縁
部を塞ぐ上部モールドk3と、透明樹脂成形部1aの底
面部を成形するダミーモールドk4とから構成してあ
る。
【0059】そして、成形型k内に形成されたキャビテ
ィーk’に溶融状態の透明塩化ビニル樹脂を射出し、所
定時間、所定温度、所定圧力にて加熱することにより、
上記キャビティーk’内にて長靴本体11の透明樹脂成
形部1aを成形する(図19)。上記した如く成形した
長靴本体11の透明樹脂成形部1aを成形する樹脂は、
成形中においてインナー12の表面に接着して綺麗に一
体化する。尚、上記成形型k内のキャビティーk’内に
おいて、透明樹脂成形部1aは、本底f1とミッドソー
ルf2とを除いた長靴形に成形される。
【0060】所定時間経過後、上記成形型kのダミーモ
ールドk4を取り外し、本底f1及びミッドソールf2
を成形するモールドk4’と交換する。これにより、上
記した如く成形した靴本体11の透明樹脂成形部1aの
靴底部分にモールドk4’が装着され、同透明樹脂成形
部1aに密着する形で本底f1とミッドソールf2とを
成形するキャビティーk’’(即ち着色樹脂成形用キャ
ビティー)が形成される。そして、上記モールドk4’
内に形成されたキャビティーk’’に溶融する有色不透
明な塩化ビニル樹脂を射出し、所定時間、所定温度、所
定圧力にて加熱することにより、上記キャビティー
k’’内にて長靴本体11の着色樹脂成形部1b、即
ち、本底f1とミッドソールf2を一体成形する(図2
0)。
【0061】そして、所定時間経過後、上記成形型kと
ラストcを分離し、該ラストcに嵌合した状態で成形さ
れる長靴本体11を引き抜いて取り外す。また、脱型し
た長靴本体11は、履き口から延出するインナー12の
余分生地を切り取っておく。これにより前記した長靴a
2が完成する。
【0062】上記した如く製造した長靴a2は、長靴本
体11の透明樹脂成形部1aの胴部e2における上記色
彩模様片6aに対応する位置に、インナー12の表面に
貼着した色彩模様片6aの外形と合致する略四角形の意
匠形状hを適宜肉厚にて突出形成することによりマーク
部6が構成される(図17)。即ち、上記したマーク部
6は、長靴本体11の透明樹脂成形部1aの表面に突出
形成した意匠形状hの直ぐ裏の部分に、インナー12の
表面に貼着した色彩模様片6aの色彩が透けて見える状
態となる(図15)。よって、上記色彩模様片6aの外
形は、長靴本体11の透明樹脂成形部1aの表面に突出
成形した意匠形状hの外形と略合致した状態となる。そ
の結果、上記マーク部6は、長靴本体11の表面に適度
な肉厚を有し、表面に任意の色彩模様を着色したマーク
片を貼り付けたものと同様な外観となる。
【0063】また、上記長靴本体11の底面部に相当す
る着色樹脂成形部1bは、グレーに着色された本底f1
とミッドソールf2が成形される。そして、この着色樹
脂成形部1bと、上記した如く透明感のある樹脂層を介
してインナー12表面の色彩模様d,色彩模様片6aが
透けて見える透明樹脂成形部1aとを組み合わせて長靴
本体11を構成することにより、透明感とカラフルな感
覚が調和する新しいデザインの長靴aとなる。尚、上記
実施例の長靴aの場合、長靴本体11の履き口部分e3
に沿ってカバー5を縫着してある。
【0064】ところで、上記した如き長靴a2は、布材
等から成る色彩模様片6aを、ラストcに装着したイン
ナー12の表面に貼着して色彩模様と成すものであるか
ら、同色彩模様片6aをインナー12の表面の所定の箇
所に、変形のないまま正確に貼着し得る。その結果、成
形型k内の成形面k1に形成した意匠形状h’に対応し
て、上記色彩模様片6aの模様や外形を簡単且つ正確に
合わせることが可能となり、長靴本体11の透明樹脂成
形部1aの表面に成形する意匠形状hと上記色彩模様片
6aの色彩模様とを正確に合致させることができる。
尚、長靴本体11の透明樹脂成形部1aの表面に成形す
る意匠形状hは、色彩模様片6aの外形に合わせて突出
形成するだけではなく、その表面を色彩模様片6aの模
様や文字に合わせて凹凸形成してもよい(図示せず)。
これにより、上記したマーク部6の模様はより立体的な
ものとなる。
【0065】上記した如く構成した長靴a2は、長靴本
体11の透明樹脂成形部1aの表面に突出形成した意匠
形状hの透明層を介して視ることでレンズ効果を生じ、
これにより、色彩模様片6aにより着色されたマーク部
6がより立体的に表現される。また、本発明に用いる色
彩模様片は、その肉厚を幾分厚めに形成し、その表面を
立体的な絵柄を彫刻してもよい。また、上記色彩模様片
の肉厚は、長靴本体の透明樹脂成形部の意匠形状部分の
肉厚以下であれば、任意に変更することができる。
【0066】上記した長靴a2の透明樹脂成形部1aに
は、インナー12の表面に貼着する色彩模様片6aと、
長靴本体11の表面に成形した意匠形状hとから成るマ
ーク部6を構成した。しかし、上記色彩模様片と意匠形
状とにより構成する意匠要素は、上記した長靴a2のよ
うにマーク部やエンブレム等に限定するものではなく、
色彩模様片の色彩模様と意匠形状とが合致するものであ
ればようなデザインであってもよい。また、上記色彩模
様片の貼着箇所としては、長靴本体の所定部位、例え
ば、長靴本体の胴部分,甲部分,カウンター部分,トゥ
ーキャップ部分,スタビライザ−部分,履き口部分,上
記各部分同士の境界部分のライン等に用いてもよい。
【0067】上記した長靴に使用する色彩模様片は、イ
ンナーの表面に貼着可能であり、且つ色彩模様を付する
ことができるものであれば、布や不織布以外の材質を用
いてもよい。例えば、上記色彩模様片は、合成樹脂シー
トやゴムシート,反射機能を有する金属シート,紙,皮
材等から構成してもよい。尚、上記長靴a2のインナー
12は、甲部e1と胴部e2に対応する色彩部位d1,
d2と、履き口部e3に対応する色彩部位d3との二色
に色分けしたが、上記長靴のインナーは、単色にて色付
けし、その所定部位に上記したような色彩模様片を貼着
してもよい。
【0068】本発明の主旨によれば、上記した透明樹脂
成形部及び着色樹脂成形部を成形する順番、即ち、イン
ナー装着工程の後に行う透明樹脂射出工程と、着色樹脂
射出工程とは、どちらを先に行ってもよく、成形工程の
合理性を考慮して設定する。また、上記した実施例の長
靴a,a’,a2は、各々長靴本体の着色樹脂成形部を
靴底部分を構成する本底とミッドソールとに配置した
が、本発明の主旨によれば、上記着色樹脂部分は長靴本
体の表面を構成するどの部位に配置してもよい。例え
ば、上記着色樹脂成形部を長靴本体の本底とミッドソー
ルと共に胴部に配置してもよい。さらに、上記した如く
着色樹脂成形部を長靴本体の表面を構成する複数の部分
に分けて配置した場合、この複数の着色樹脂成形部にそ
れぞれ異なる色彩を用いることも無論任意である。
【0069】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の長靴の製
造方法は、長靴本体の成形型内の成形面に意匠形状を凹
凸形成し、この意匠形状に対応して色分けした色彩模様
を収縮させた状態で略靴下状に形成したインナーの表面
にプリントし、該インナーを引き伸ばしつつ、略足形に
形成したラストに装着せしめるインナー装着工程と、上
記インナー装着工程の後に、ラストと成形型とを型合わ
せして、成形型の成形面に凹凸形成した意匠形状と、上
記インナーの色彩模様とを合致させた後、該成形型内の
透明樹脂成形用キャビティーに透明若しくは半透明の樹
脂を射出して同インナーの表面に被着せしめる透明樹脂
射出工程と、上記インナー装着工程の後に、ラストと成
形型とを型合わせして、該成形型内に形成した着色樹脂
成形用キャビティーに有色不透明な樹脂を射出する着色
樹脂射出工程とからなるものである。
【0070】したがって、上記製造方法により製造した
長靴は、透明若しくは半透明の樹脂からなる透明樹脂成
形部と、有色不透明な樹脂からなる着色樹脂成形部とが
一体的に組み合わされた状態で長靴本体が構成される。
そして、上記長靴本体における透明樹脂成形部の表面に
凹凸成形された意匠形状の直ぐ裏の部分に、インナーの
表面にプリントした色彩模様が透けて見える状態とな
る。即ち、上記長靴本体における透明樹脂成形部におい
ては、凹凸形成した意匠形状に合わせて色彩模様の色彩
が着色された如く見えるようになり、上記長靴の外観
は、あたかも長靴本体の表面に凹凸成形した意匠形状に
合わせて色分けした多段打ちによる長靴と同様な外観を
呈する。
【0071】よって、上記製造方法によれば、長靴本体
の透明樹脂成形部において、従来のように多段打ちによ
る射出成形により複数色に色分けして構成した長靴と同
様な外観を有する長靴を製造することが可能となる。ま
た、上記透明樹脂成形部は、透明な樹脂層を介してイン
ナー表面の色彩模様が透けて見える構造であるから、視
る角度や光の具合によっては、今までにない透明感のあ
る外観を呈する。その結果、長靴本体表面の意匠形状に
合わせて色分けしたカラフルなデザインを、上記透明樹
脂成形部により豊かに表現することかできるようにな
り、これにより、射出成形の多段打ちの回数を極力低減
しつつ、デザイン的に付加価値のある長靴を、簡単且つ
低コストにて製造し得る。また、本発明の長靴の製造方
法によれば、インナーにプリントした色彩模様が透けて
見える透明樹脂成形部と、有色不透明な樹脂からなる着
色樹脂成形部の配置や形状等を自由に組み合わせて構成
することができるので、透明でカラフルな質感と、不透
明で鮮やかな色彩とを混在させ、長靴のデザインの自由
度を効果的に高めることができる。
【0072】請求項2記載の長靴の製造方法は、長靴本
体の成形型内の成形面に意匠形状を凹凸形成し、この意
匠形状と対応する色彩模様片を略靴下状に形成したイン
ナーの表面に貼着し、該インナーを略足形に形成したラ
ストに装着せしめるインナー装着工程と、上記インナー
装着工程の後に、ラストと成形型とを型合わせして、成
形型の成形面に凹凸形成した意匠形状と、上記インナー
の色彩模様片とを合致させた後、該成形型内の透明樹脂
成形用キャビティーに透明若しくは半透明の樹脂を射出
して同インナーの表面に被着せしめる透明樹脂射出工程
と、上記インナー装着工程の後に、ラストと成形型とを
型合わせして、該成形型内に形成した着色樹脂成形用キ
ャビティーに有色不透明な樹脂を射出する着色樹脂射出
工程とからなるものである。
【0073】したがって、上記製造方法により製造した
長靴は、透明若しくは半透明の樹脂からなる透明樹脂成
形部と、有色不透明な樹脂からなる着色樹脂成形部とが
一体的に組み合わされた状態で長靴本体が構成される。
そして、上記長靴本体における透明樹脂成形部の表面に
凹凸成形された意匠形状の直ぐ裏の部分に、インナーの
表面に貼着した色彩模様片が透けて見える状態となる。
この状態は、凹凸形成した意匠形状に合わせて、色彩模
様片の色彩が着色された如く見えることとなり、上記長
靴の外観は、あたかも長靴本体の透明樹脂成形部の表面
に凹凸成形した意匠形状に合わせて色分けした長靴と同
様なものとなる。
【0074】即ち、上記製造方法によれば、長靴本体の
透明樹脂成形部において、従来のように多段打ちによる
射出成形により複数色に色分けして構成した長靴と同様
な外観を有する長靴を製造することが可能となる。ま
た、上記透明樹脂成形部は、透明樹脂成形部の透明な樹
脂層を介してインナー表面の色彩模様片が透けて見える
構造であるから、視る角度や光の具合によっては、今ま
でにない透明感のある外観を呈する。その結果、長靴本
体表面の意匠形状に合わせて色分けしたカラフルなデザ
インを、上記透明樹脂成形部により豊かに表現すること
かでき、これにより、射出成形の多段打ちの回数を極力
低減しつつ、デザイン的に付加価値のある長靴を、簡単
且つ低コストにて製造することができる。
【0075】また、本発明の長靴の製造方法によれば、
インナーの表面に貼着した色彩模様片が透けて見える透
明樹脂成形部と、有色不透明な樹脂からなる着色樹脂成
形部とを自由に組み合わせて構成することができるの
で、透明でカラフルな質感と、不透明で鮮やかな色彩と
を混在させた今までにないデザインの長靴を提供するこ
とができる。また、上記製造方法は色彩模様片の色彩模
様を細かく且つ精密に着色できるので、特に長靴本体の
表面から突出するマーク部やエンブレム等を構成する際
に有効である。
【0076】請求項は3記載の長靴の製造方法は、上記
した請求項1及び2記載の長靴の製造方法における着色
樹脂射出工程において、有色不透明な樹脂を射出する着
色樹脂成形用キャビティーを、長靴本体の靴底部分とし
たものである。よって、上記した製造方法にて製造した
長靴は、長靴本体の靴底部分が有色不透明な樹脂から構
成されることになり、例えば透明樹脂だけでは長靴本体
の底面部に露呈してしまうインナーの縫着部分を綺麗に
覆い隠して外観の向上を図ることができる。また、透明
樹脂成形部と着色樹脂成形部とを組み合わせて長靴本体
を構成する場合、重量感を有する有色不透明な樹脂を靴
底部分に配することにより、長靴の外観に安定感が生じ
るようになり、例えば靴底部分も透明樹脂から成るもの
と比較すると、視る者に対してデザイン的に落ち着いた
感覚を与える。
【0077】請求項4記載の長靴は、上記請求項1の製
造方法により製造したものであるから、上述した請求項
1の効果と同様な効果を奏する。
【0078】請求項5記載の長靴は、上記請求項2の製
造方法により製造したものであるから、上述した請求項
2の効果と同様な効果を奏する。
【0079】請求項6記載の長靴は、上記請求項3の製
造方法により製造したものであるから、上述した請求項
3の効果と同様な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を実施した長靴を一部切欠して示す
斜視図。
【図2】 図1におけるII-II 線断面図。
【図3】 図2におけるIII-III 線断面図。
【図4】 ラストにインナーを被覆する状態を示す斜
視図。
【図5】 成形型とラストを型合わせした状態を示す
縦断面図。
【図6】 本底とミッドソールとを成形した状態を示
す成形型の縦断面図。
【図7】 成形後に履き口から延出する余分なインナ
ーを切断する状態を示す斜視図。
【図8】 ラストに筒状のインナーを被覆する状態を
示す斜視図。
【図9】 本底とミッドソールとを成形した状態を示
す靴底成形モールドの縦断面図。
【図10】 成形型とラストと上記靴底成形モールド
とを型合わせして靴本体のアッパー部を成形した状態を
示す縦断面図。
【図11】 本底とミッドソールとを異なる色彩の有
色合成樹脂にて成形した長靴を一部切欠して示す斜視
図。
【図12】 本底を成形した靴底成形モールドと、成
形型とラストと上記靴底成形モールドとを型合わせして
靴本体のアッパー部を成形した状態を示す縦断面図。
【図13】 靴底成形モールドと成形型とを型合わせ
し、アッパーの靴底面と本底との間にミッドソールを成
形する樹脂を射出した状態を示す縦断面図。
【図14】 同長靴の爪先部分を示す縦断正面図。
【図15】 長靴本体の胴部にマーク部を設けた長靴
を示す斜視図。
【図16】 同長靴を一部切欠して示す側面図。
【図17】 同長靴のマーク部を示す縦断面図。
【図18】 ラストに被覆したインナーの表面に色彩
模様片を貼着する状態を示す斜視図。
【図19】 成形型とラストを型合わせして靴本体の
アッパー部を成形した状態を示す縦断面図。
【図20】 靴底本体のアッパー部を成形した成形型
と、靴底成形モールドとを型合わせして上記アッパー部
の靴底面に本底とミッドソールを成形した状態を示す縦
断面図。
【図21】 多段打ちにより製造した従来の長靴を示
【図22】 長靴本体の胴部にマーク部を付設した従
来の長靴を示す斜視図
【符号の説明】
a,a’,a2・・・長靴 b・・・成形型 b’・・・キャビティー(透明樹脂成形用キャビティ
ー) b’’・・・キャビティー(着色樹脂成形用キャビティ
ー) b1・・・成形面 c・・・ラスト d・・・色彩模様 d1〜d3・・・色彩部位 e’・・・意匠形状(成形型の成形面) e・・・意匠形状(長靴本体表面) f1・・・本底 f2・・・ミッドソール e1〜e3・・・部位(意匠形状) h・・・意匠形状(マーク部) h’・・・意匠形状(成形型の成形面) g,j,k・・・成形型 1,11・・・長靴本体 1a・・・透明樹脂成形部 1b・・・着色樹脂成形部 2,2’,12・・・インナー 6・・・マーク部 6a・・・色彩模様片

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インナーの表面に成形する透明樹脂成
    形部と、有色不透明な樹脂から成る着色樹脂成形部とに
    より長靴本体を構成する長靴の製造方法であって、上記
    長靴本体の表面側を成形する成形型内の成形面に所定の
    意匠形状を凹凸形成し、この成形面の意匠形状に対応さ
    せて色分けした色彩模様を所定の比率にて収縮させ、こ
    の収縮させた色彩模様を、略靴下状に形成したインナー
    の表面にプリントし、該インナーを引き伸ばしつつ、略
    足形に形成したラストに被覆して密着状に装着せしめる
    インナー装着工程と、上記インナー装着工程の後に、ラ
    ストと成形型とを型合わせして、該成形型の成形面に凹
    凸形成した意匠形状と、上記インナーと共に引き伸ばし
    た色彩模様とを合致させた後、該成形型内の成形面とイ
    ンナーとの間に形成した透明樹脂成形用キャビティーの
    内部に透明若しくは半透明の樹脂を射出して、上記イン
    ナーの表面に射出樹脂を被着せしめる透明樹脂射出工程
    と、上記インナー装着工程の後に、ラストと成形型とを
    型合わせして、該成形型内に形成した着色樹脂成形用キ
    ャビティーの内部に有色不透明な樹脂を射出する着色樹
    脂射出工程とからなる長靴の製造方法。
  2. 【請求項2】 インナーの表面に成形する透明樹脂成
    形部と、有色不透明な樹脂から成る着色樹脂成形部とに
    より長靴本体を構成する長靴の製造方法であって、上記
    長靴本体の表面側を成形する成形型内の成形面の所定部
    位に意匠形状を凹凸形成し、且つ、上記成形型と型合わ
    せする略足形のラストに、略靴下状に形成したインナー
    を被覆して密着状に装着せしめ、該インナーの表面にお
    ける上記意匠形状と対応する箇所に、同意匠形状に対応
    させて色分けした色彩模様片を貼着するインナー装着工
    程と、上記インナー装着工程の後に、ラストと成形型と
    を型合わせして、該成形型の成形面に凹凸形成した意匠
    形状と、インナーに貼着した色彩模様片とを合致させた
    後、該成形型内の成形面とインナーとの間に形成した透
    明樹脂成形用キャビティーの内部に透明若しくは半透明
    の樹脂を射出して、上記インナーの表面に射出樹脂を被
    着せしめる透明樹脂射出工程と、上記インナー装着工程
    の後に、ラストと成形型とを型合わせして、該成形型内
    に形成した着色樹脂成形用キャビティーの内部に有色不
    透明な樹脂を射出する着色樹脂射出工程とからなる長靴
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 着色樹脂射出工程において、着色樹脂
    成形用キャビティーにより、長靴本体の靴底部分を成形
    する請求項1又は2記載の長靴の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の製造方法にて製造した
    長靴。
  5. 【請求項5】 請求項2記載の製造方法にて製造した
    長靴。
  6. 【請求項6】 請求項3記載の製造方法にて製造した
    長靴。
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