JP2000152265A - カラーフィルタとそれを用いた時分割カラー表示ディスプレイ - Google Patents

カラーフィルタとそれを用いた時分割カラー表示ディスプレイ

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JP2000152265A
JP2000152265A JP10320216A JP32021698A JP2000152265A JP 2000152265 A JP2000152265 A JP 2000152265A JP 10320216 A JP10320216 A JP 10320216A JP 32021698 A JP32021698 A JP 32021698A JP 2000152265 A JP2000152265 A JP 2000152265A
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color filter
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Abstract

(57)【要約】 【課題】複数の色領域に分割され、フィルタが存在する
部分(25,26,27)と、少なくとも1つの領域は無彩色を表
示する領域(28)を含むカラーフィルタを用いることによ
り、時分割でカラー表示を行うディスプレイの視線の移
動による誤った色フィールドの加算による色分離した異
常な画像の発生を防ぎ、動画像の画質を向上させる。 【解決手段】少なくとも1つの無彩色領域(28)を有する
カラーフィルタを3600r.p.m.以上で回転させることによ
り、1フィールド内に赤(25)、緑(26)、青(27)が時分割
で順次表示され、かつ各色画像を人の目に残像が残る時
間内で重ねて表示する。白黒画像が信号として入力され
た際には、前記カラーフィルターを無彩色透過する位置
(28)にて停止させて画像を表示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非常に高速で駆動
する空間光変調素子(SLM)を用いた表示素子で、時
分割でカラー表示を行うためのカラーフィルターとそれ
らを用いたカラー表示ディスプレイに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年ホームシアター、プレゼンテーショ
ンと大画面表示がにわかに注目を集めてきている。最近
では小型の液晶パネルの表示画像を投写レンズなどによ
り拡大投影し大画面の表示画像を得る液晶プロジェクタ
あるいはDMD(Digital Micromirror Device)を用い
たDMDプロジェクタが商品化されている。
【0003】DMDはSLMの1タイプであり、直接観
察用、または投写型ディスプレイ用として用いられう
る。DMDは、数百または数千の小さい傾斜式ミラーの
アレイを有し、それぞれのミラーは1画素を表す。ミラ
ーを傾斜させるようにするのには、それぞれのミラー
を、支持柱に取付けられた1つまたはそれ以上のヒンジ
に取付け、下にある制御回路上へエアギャップにより隔
離する。この制御回路は、それぞれのミラーを選択的に
傾斜させる静電気力を作用させる。ディスプレイへの応
用においては、画像データがDMDのメモリセルへロー
ドされ、ミラーはこのデータによって、光を画像平面へ
反射し、または画像平面からそらせるように、傾斜させ
られる。
【0004】プロジェクタのひとつの形式は、例えばD
MDのアレイまたは液晶パネルなどのSLMを3個使用
して、投影スクリーン上へまたは投影スクリーンから光
を反射させている3板式プロジェクタと呼ばれるものが
ある。これは3つのSLMが並列に、各々が赤用、緑用
そして青用に使用されている。これに比較して、単板式
プロジェクタはSLMを唯1つのみ必要とし、赤、緑そ
して青の光は順番に単一のSLMで反射される。3板式
プロジェクタに於いてこの様なSLMを3つも必要とす
ることは、SLMに関連するハードウェアに対する要求
を単板式プロジェクタに較べて3倍にしている。これは
プロジェクターに関わらず、SLMを用いたカラー表示
ディスプレイ全てに関して該当する。
【0005】単板式カラー表示ディスプレイによりカラ
ー画像を発生させる1つの方法は、画像フレームの全画
素を順次異なる色によりアドレス指定する。例えば、そ
れぞれの画素は赤、緑、および青の値を有しうる。その
場合、それぞれのフレーム期間中において、そのフレー
ムの諸画素は、該諸画素の赤、青、次に緑のデータによ
り、順次アドレス指定される。これらと同じ色の3つの
部分を有する円盤状カラーフィルタが、このデータに同
期せしめられ、それによって、それぞれの色に対するデ
ータがSLMによりディスプレイされる時、SLMに入
射する光は円盤状カラーフィルタにより帯域制御され
る。以上のように時分割でカラー表示が可能で、60画
像毎秒の標準ディスプレイ速度においては、目は画像を
本来の色を有するものとして知覚する。
【0006】それぞれの画素が、それぞれの色に対して
1ビットより多くを有する値により表すためには、さま
ざまな変調方式が、それぞれの色の強度を変化させるた
めに用いられる。例えば、それぞれの画素は、それぞれ
の色に対して8ビットずつの、24ビット値を有する。
これは、それぞれの色に対し、28 =256レベルを可
能にさせる。
【0007】単板式カラー表示ディスプレイは順番に
赤、緑そして青の光を単一画像フレームに照射すること
により画像を生成し、この照射は典型的には1/60秒
継続する時分割でカラー表示を行う。3板式カラー表示
ディスプレイでは、赤、緑、そして青の光は同時に照射
される。従って3板式カラー表示ディスプレイは単板式
カラー表示ディスプレイに較べて3倍のハードウェアと
複雑さを必要とする。
【0008】このようなSLMを用いた画像化技術の分
野に於て、低コスト並びに小型軽量を維持しながら画像
品質を向上させたいという大きな要望が存在する。例え
ば単板式カラー表示ディスプレイのように時分割でカラ
ー表示を行う画像化システムは、他の画像化システムに
比較して低価格と簡単さを提供しているが、画像品質を
ある程度犠牲にしている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の円
盤状カラーフィルタを用いた時分割カラー表示方法で
は、特開平8−51633号公報に提案されているよう
に、動画像に対して独特のカラー化輪郭状のノイズが見
られ、画質が劣化するという問題があった。これは、動
画像に対しては目がそれを追ってしまうので、目の時間
的な積分領域が空間的に変化するためである。すなわ
ち、視線が1フィールド表示期間内に複数の画素を移動
する速度で動くと、サブフィールドの加算が1つの画素
内ではなく複数の画素にまたがって行われ、正常な画像
が得られなくなり、画質が劣化する。
【0010】上記のように、時分割カラー表示ディスプ
レイはある種の制約を有する。その様な制約のひとつは
色の分離である。色の分離は時分割カラー表示ディスプ
レイでは、画像化される対象物が投影スクリーンを横切
って移動し、そして人間の目がそれを追いかけるときに
生じる。
【0011】図8(a)は投写スクリーン61とスクリ
ーン61を横切って移動する画像化対象物62とを示し
ている。次に図8(b)において、対象物の種々の位置
が五つの異なる時刻で示されている。これらの時刻の各
々がひとつの画像フレームに対応する。色を青、緑そし
て次に赤の順番で重ね合わせる時分割カラー表示ディス
プレイでは、対象物62は最初に青、次に緑そして次に
赤を重ね合わせて生成されるはずである。従って、対象
物が移動すると、対象物62の先端(その移動に関して
の)は青く現れ、一方その後端は赤く現われる。この現
象が色分離として知られている。
【0012】図9は色分離が如何にして生じるかを図示
している。図9に示されるように、青が最初にスクリー
ン上に画像フレームの約1/3の間重ね合わされる。青
色光が消された後、次に緑色光がカラーフレームの約1
/3の間点灯され、次に緑が消されて赤がカラーフレー
ムの残りの約1/3の間点灯される。図9に示されるよ
うに、カラー光の知覚強度はそれが消去された後漸近的
に減衰する。この漸近的減衰は人の目が”記憶”を持つ
という事実を示しており、これは知覚光が光が消滅した
後でさえも短い時間(ある時定数)継続することを許し
ている。
【0013】色分離の問題はシーケンシャル・カラーシ
ステムに於て人の目が移動する対象物を追いかけるとき
にのみ生じる。人の目が移動する対象物を追いかけない
場合は、移動対象物からの光の各々の画像フレームが、
対象物が移動するにともなって網膜の異なる場所に投影
される。従って各々の画像フレームに関して、青が知覚
される前に、緑および赤の光がひとつの場所に重ね合わ
され、そして適切な色が知覚される。次の画像フレーム
からの光は、次に網膜の別の場所に投影され、そこで再
び適切な色が知覚される。
【0014】しかしながら、もしも目が対象物を追いか
ける場合は、対象物からの青色光は常に網膜上のひとつ
の場所に投影され、赤色光は常に網膜上の別の場所に投
影され、そして緑色光は常に網膜上の更に別の場所に投
影される。これらの場所の各々は、各々のカラーサブフ
レームの暫定的な分離の影響でオフセットを有する。従
って、移動対象物の先端は常に青く現れ、一方で後端は
常に赤く現われる。これは、例えば目が赤および緑が先
端に重ね合わされる前に移動するために生じる。対象物
が速く動くほどこの色分離は大きくなり、これは対象物
がひとつの画像フレームから次へ移動する距離が大きく
なるためである。
【0015】色分離は対象物がより速く動くほど複雑に
なる。先に述べたように、青、次に緑そして赤を重ね合
わせるシーケンシャル・カラーシステムでは先端に青が
現れ、後端に赤が現われる。しかしながら対象物の速度
が増えるにつれて、先端に青が現われるのみならず、先
端に続く対象物の領域に青と緑の組合せが現われる。同
様に後端に少し先行する領域に赤と緑の組合せが現われ
る。
【0016】色分離の問題は移動対象物と背景とのコン
トラストが強い場合に最も認識される。例えば、白い対
象物が黒い背景に対して移動する、または黒い対象物が
白い背景に対して移動する場合である。人の目がその様
な移動対象物を追いかける状況の1例にスポーツイベン
トが挙げられ、背景と強いコントラストのユニフォーム
の選手を目が追いかける場合に色分離が顕著に認識され
る状況が考えられる。また当然白黒画像に於いても顕著
に色分離が認識されることは言うまでもない。
【0017】本発明は、前記従来の問題を解決するた
め、単板カラー表示ディスプレイを用いた場合に動画像
の色分離による画質劣化を防ぐことを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
本発明のカラーフィルタは、複数の色領域に分割された
カラーフィルタであって、前記複数の色領域にはフィル
タが存在する部分と、少なくとも1つの領域は無彩色を
表示する領域を含むことを特徴とする。
【0019】前記カラーフィルタにおいては、無彩色を
表示する領域が、NDフィルター(Neutral Density Fil
ter)であることが好ましい。ここでNDフィルター(Neu
tralDensity Filter)とは、入射光の波長などを変えず
に光線透過率を落とす減光フィルターをいう。例えば入
射光が自然光の場合、自然光のまま光線透過率を落とす
減光フィルターである。
【0020】また前記カラーフィルタにおいては、ND
フィルターの透過率は他のカラーフィルタで時分割で表
示される白の透過率とほぼ等しいことが好ましい。また
前記カラーフィルタにおいては、無彩色を表示する領域
が、イエローまたはシアンが反射または吸収されること
が好ましい。
【0021】また前記カラーフィルタにおいては、イエ
ローまたはシアンが反射または吸収されるカラーフィル
ターの色度が、他のカラーフィルタで時分割で表示され
る白の色度とほぼ等しいことが好ましい。
【0022】次に本発明の時分割カラー表示ディスプレ
イは、少なくとも1つの無彩色領域を有するカラーフィ
ルタにより1フィールド内に複数色が時分割で順次表示
され、かつこれら複数色画像を時間的に重ねてカラー表
示する時分割カラー表示ディスプレイにおいて、色分離
を行うカラーフィルターに無彩色領域が含まれ、前記無
彩色領域で表示することを特徴とする。
【0023】前記ディスプレイにおいては、白黒画像が
信号として入力された際に、前記カラーフィルターは無
彩色透過する位置で停止させることが好ましい。また前
記ディスプレイにおいては、白黒画像が信号として入力
された際に、回路的に判別し、カラーフィルターを無彩
色透過する位置にて停止させるラッチ回路をさらに含む
ことが好ましい。
【0024】また前記ディスプレイにおいては、カラー
フィルタが円盤状に配置されて回転し、スクーリンに投
写された表示を1/60秒以下の時間で赤(R)、緑
(G)、青(B)の各色の映像を順次表示して、フルカ
ラーの映像を表示することが好ましい。
【0025】また前記ディスプレイにおいては、カラー
フィルタが円盤状に配置されて毎分3,600回転(r.
p.m)以上で回転させることが好ましい。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明の時分割カラー表示ディス
プレイは、1フィールド内に複数色が時分割で順次表示
され、かつこれら複数色画像を時間的に重ねてカラー表
示する時分割カラー表示ディスプレイにおいて、色分離
を行うカラーフィルターに無彩色領域が含まれ、無彩色
領域で表示する。
【0027】さらに色分離を行うカラーフィルターに少
なくとも1つの無彩色領域を有するカラーフィルタによ
り1フィールド内に赤、青、緑が時分割で順次表示さ
れ、かつ各色画像を時間的に重ねて表示する時分割でカ
ラー表示を行う時分割カラー表示ディスプレイにおい
て、白黒画像が信号として入力された際に回路的に判別
し、前記カラーフィルターを無彩色画像が透過する位置
にて停止させるためのラッチ回路を有する。
【0028】これらのカラーフィルタにおいて、白黒で
表示されるモノクロ画像の際に無彩色の領域で停止し
て、表示を行う。この構成により視線の移動によるカラ
ーフィールドの加算による色分離した異常な画像の発生
を防ぎ、動画像の画質を向上させることが可能となる。
【0029】本発明の実施の形態を図面を用いて説明す
る。本発明の第1の実施の形態の時分割カラー表示ディ
スプレイの概略図を図1に示す。図1において1は液晶
パネル、2は円盤状のカラーフィルター、3はランプ、
4は投写レンズである。液晶パネル1はマトリクス状の
画素を有し、映像信号によって高速で表示の切り替えが
可能である。ビデオレートの動画を表示するためには1
フィールド内に60フレームの映像を表示できることが
必要で、そのためには液晶の応答速度としては少なくと
も1/60=16.7m秒以下が要求される。好ましく
はさらにこの間にRGB3色の表示が可能であるために
は、応答速度として5.6m秒が要求される。このよう
な高速応答の液晶は例えば強誘電液晶、反強誘電液晶、
OCB(Optically Compensated Bend)液晶などが挙げら
れる。前記において、OCB液晶とはベンド配向セルを
用い、液晶の複屈折の視野角方向の変化を自己補償する
方式であり、負の光学補償フィルムと組み合わせること
で、広視野角にできることに加え、高速応答が可能とな
る液晶である。
【0030】本発明の時分割カラー表示ディスプレイの
動作について説明する。ランプ3はキセノン、メタルハ
ライドランプ、超高圧水銀灯などの高出力ランプであ
り、凹面鏡のほぼ焦点位置に配置し、ランプより出射す
る白色光が楕円形状の凹面鏡により円盤状カラーフィル
ター2上に集光するように配置する。円盤状カラーフィ
ルタ2は、赤、青、緑の各色の色フィルタより構成さ
れ、それぞれのフィルタが光線を遮るのに同期して液晶
パネル1は光線の色の画像フレームを表示する。単一画
像フレーム、通常は1/60秒に対して円盤状カラーフ
ィルタ2を画像フレーム毎に一度、または毎分3,60
0回転(r.p.m)で回転させている。この様なシステム
では、三つのカラーサブフレームが存在し、その各々は
赤、緑そして青であって、それぞれの色に対して液晶パ
ネル1は非常に高速に表示画像を切り替え、変調された
各色光線は投写レンズ4を用いてスクリーン(図示せ
ず)に拡大投影される。スクーリンに投写された表示は
1/60秒の間にR、G、Bの各色の映像が順次表示さ
れるため、目ではこれらは残像として見え、フルカラー
の映像が認識される。
【0031】円盤状カラーフィルター2は、図2にその
平面図を示すように、3つの色区域である赤、緑、青フ
ィルタ5、6、7と何もフィルターのない区域が用意さ
れている。何もフィルターのない区域は白を表示する。
これは例えば米国特許第5,233,385号明細書では、同じ
ようにフィルタのないガラスが白表示を行うが、本発明
ではカラーフィルターは停止し、ランプから出射され集
光された光線がこの部分に集中するので、非常に高温に
なる。ガラスでは熱による破損が起こりかねない。
【0032】何もフィルタのない区域は中心角度で30
°、残りに3色の各々は中心角度は均等で110°であ
る。図2に示されるような円盤状カラーフィルタを右回
り(時計の回転方向)に1フレームで1回転させた場
合、まず青(B)透過フィルタ7により青色光のみ透過
し、他は反射または吸収される。次に同様に緑(G)透
過フィルタ6により緑色光のみ透過し、他は反射または
吸収され、次に赤(R)透過フィルタ5により赤色光の
み透過し、他は反射または吸収される。最後にフィルタ
のない領域ではそのまま光は通過していく。1フレーム
で1回転させた状態で動画表示すれば、青、次に緑そし
て赤を重ね合わせるシーケンシャル・カラーシステムで
は先端に青が現れ、後端に赤が現われる。しかしながら
対象物の速度が増えるにつれて、先端に青が現われるの
みならず、先端に続く対象物の領域に青と緑の組合せが
現われる。同様に後端に少し先行する領域に赤と緑の組
合せが現われる。しかしながら、白黒のモノクロの映像
ではカラーフィルタ2を光線がフィルタのない領域を通
過するように止めて配置する。これなら光線は常に白色
であり、上記のような色分離の現象も起こり得ない。こ
れにより、特に白黒画像の動画での色分離状の画質劣化
は大きく改善される。
【0033】本発明の第2の実施の形態の時分割カラー
表示方法の概略図を図3に示す。図3において21は反
射型液晶パネル、22は円盤状のカラーフィルター、2
3はランプ、24は投写レンズである。液晶パネル21
は液晶パネル1と同様にマトリクス状の画素を有し、映
像信号によって非常に高速に表示の切り替えが可能であ
る。ビデオレートの動画を表示するためには1フィール
ド内に60フレームの映像を表示できることが必要で、
そのためには液晶の応答速度としては少なくとも1/6
0=16.7m秒以下が要求される。このような高速応
答の液晶は例えば強誘電液晶、反強誘電液晶、OCB液
晶などが挙げられる。また液晶パネル以外にもDMDな
どの反射型素子を用いてもよい。
【0034】次に本発明の時分割カラー表示ディスプレ
イの動作について説明する。ランプ23はキセノン、メ
タルハライドランプ、超高圧水銀灯などの高出力ランプ
が凹面鏡のほぼ焦点位置に配置された構成で、ランプよ
り出射する白色光が楕円形状の凹面鏡により円盤状カラ
ーフィルター22上に集光するように配置する。円盤状
カラーフィルタ22は、赤、青、緑の各色の色フィルタ
より構成され、それぞれのフィルタが光線を遮るのに同
期して液晶パネル21は光線の色の画像フレームを表示
する。単一画像フレーム、通常は1/60秒、に対して
円盤状カラーフィルタ22を画像フレーム毎に一度、ま
たは3,600回転毎分(r.p.m)で回転させている。
この様なシステムでは、三つのカラーサブフレームが存
在し、その各々は赤、緑そして青であって、それぞれの
色に対して液晶パネル21は高速に表示画像を切り替
え、変調された各色光線は投写レンズ24を用いてスク
リーン(図示せず)に拡大投影される。スクーリンに投
写された表示は1/60秒の間にR、G、Bの各色の映
像が順次表示されるため、目ではこれらが残像として見
え、フルカラーの映像が認識される。
【0035】図4の平面図に示すように、円盤状カラー
フィルター22は3つの色区域である赤、緑、青透過フ
ィルター25、26、27とNDフィルター28が用意
されている。NDフィルター28の区域は白を表示す
る。NDフィルタ28の区域は中心角度で30°、残り
に3色の各々は中心角度は均等で110°である。、図
4に示されるような円盤状カラーフィルタを右回り(時
計の回転方向)に1フレームで1回転させた場合、まず
青(B)透過フィルタ27により青色光のみ透過し、他
は反射または吸収される。次に同様に緑(G)透過フィ
ルタ26により緑色光のみ透過し、他は反射または吸収
され、次に赤(R)透過フィルタ25により赤色光のみ
透過し、他は反射または吸収される。最後にNDフィル
タ28では光量のみ減少して、波長帯はそのまま光は通
過していく。
【0036】このときに動画表示すれば、青、次に緑そ
して赤を重ね合わせるシーケンシャル・カラーシステム
では先端に青が現れ、後端に赤が現われる。しかしなが
ら対象物の速度が増えるにつれて、先端に青が現われる
のみならず、先端に続く対象物の領域に青と緑の組合せ
が現われる。同様に後端に少し先行する領域に赤と緑の
組合せが現われる。しかしながら白黒のモノクロの映像
ではカラーフィルタ22を光線がNDフィルタ28の領
域を通過するように停止させて配置する。これなら光線
は常に白色であり、上記のような色分離の現象も起こり
得ない。これにより、特に白黒画像の動画での色分離状
の画質劣化は大きく改善される。
【0037】しかもNDフィルタ28の透過率が約30
%と、カラーフィルター22を回転させた際に得られる
白表示とほぼ同じ明るさになるように設定されている。
従ってカラーフィルター22をNDフィルタ28の位置
で止めて画像を表示しても同じ明るさで表示できるの
で、違和感無く表示を鑑賞できる。
【0038】本発明の第3実施の形態のカラーフィルタ
の平面図を図5に示す。図5に示すように3つの色区域
である赤、緑、青透過フィルター35、36、37とイ
エローとシアン光をカットするフィルター38が用意さ
れている。このフィルタ38の分光透過率を図6のグラ
フに示す。基本的にはイエロー&シアンカットフィルタ
ー38の区域は白を表示する。イエロー&シアンカット
フィルタ38の区域は中心角度で30°、残りに3色の
各々は中心角度は均等で110°である。
【0039】図3に示されるような円盤状カラーフィル
タを右回り(時計の回転方向)に1フレームで1回転さ
せた場合、まず青(B)透過フィルタ37により青色光
のみ透過し、他は反射または吸収される。次に同様に緑
(G)透過フィルタ36により緑色光のみ透過し、他は
反射または吸収され、次に赤(R)透過フィルタ35に
より赤色光のみ透過し、他は反射または吸収される。最
後にイエロー&シアンカットフィルタ38ではイエロー
とシアンの波長帯の光はカットされて光は通過してい
く。
【0040】このときに動画表示すれば、青、次に緑そ
して赤を重ね合わせるシーケンシャル・カラーシステム
では先端に青が現れ、後端に赤が現われる。しかしなが
ら対象物の速度が増えるにつれて、先端に青が現われる
のみならず、先端に続く対象物の領域に青と緑の組合せ
が現われる。同様に後端に少し先行する領域に赤と緑の
組合せが現われる。しかしながら白黒のモノクロの映像
ではカラーフィルタを光線がイエロー&シアンカットフ
ィルタ38の領域を通過するように停止させて配置す
る。これなら光線は常に白色であり、上記のような色分
離の現象も起こり得ない。これにより、特に白黒画像の
動画での色分離状の画質劣化は大きく改善される。
【0041】しかもイエロー&シアンカットフィルタ3
8の色度座標がカラーフィルターを回転させた際に得ら
れる白表示の色度座標とほぼ同じになるように設定され
ている。従ってカラーフィルターをイエロー&シアンカ
ットフィルタ38の位置で止めて画像を表示しても同じ
白色度で表示できるので、違和感無く表示を鑑賞でき
る。
【0042】本発明の第4実施の形態の時分割カラー表
示ディスプレイを図7により説明する。光源より出射し
た光線はカラーフィルタにより時分割で順次透過する光
線を制御する。カラーフィルタは、赤、青、緑の各色の
色フィルタより構成され、それぞれのフィルタが光線を
遮るのに同期してSLMは光線の色の画像フレームを表
示する。単一画像フレーム、通常は1/60秒、に対し
てカラーフィルタを画像フレーム毎に一度、または3,
600回転毎分(r.p.m)で回転させている。この様な
システムでは、三つのカラーサブフレームが存在し、そ
の各々は赤、緑そして青であって、それぞれの色に対し
てSLMは非常に高速に表示画像を切り替えて、各色光
線を変調する。スクーリンに投写された表示は1/60
秒の間にR、G、Bの各色の映像が順次表示されるた
め、目ではこれらが残像として見え、フルカラーの映像
が認識される。
【0043】以下、本発明の一実施形態のラッチ回路の
動作を説明する。前記のようにカラーフィルターはカラ
ーホイルモータで回転駆動され、このモータはモーター
コントローラによって位相と回転数が制御されている。
一方、画像を表示するSLMは信号インターフェースで
入力信号を受け、画像データプロセッサでSLMの時分
割駆動に応じた信号形式に変換する。さらにこのデータ
をディスプレイメモリに蓄えて、所定のタイミングでS
LMにデータを出力する。
【0044】この際に入力信号インターフェースで入力
信号が白黒信号のみで構成されている場合はモータコン
トローラーにモーターを所定の位置、つまりカラーフィ
ルタの無彩色表示領域に光が透過する位置で停止するよ
うに命令を送る。これなら光線は常に白色であり、上記
のような色分離の現象も起こり得ない。これにより、特
に白黒画像の動画での色分離状の画質劣化は大きく改善
される。
【0045】もちろん手動のスイッチで以上の操作を代
用して白黒表示とカラー表示を切り替えてカラーフィル
タの回転/停止を制御しても良い。本発明では投写レン
ズを用いた投写型ディスプレイを例に挙げたが、投写レ
ンズの代わりに接眼レンズを用いた直視型の時分割カラ
ー表示ディスプレイであっても構わない。
【0046】
【発明の効果】以上の説明のとおり、本発明の時分割カ
ラー表示ディスプレイによれば、視線の移動による誤っ
た色フィールドの加算による色分離した異常な画像の発
生を防ぎ、白黒動画像の画質を向上させることができ
る。
【0047】さらに本発明のカラーフィルターを用いれ
ば、カラーフィルターを停止させた際の熱によるカラー
フィルタの破損を防ぐことができる。さらに本発明の別
の実施例のカラーフィルターを用いれば、カラーフィル
ターを停止させた際の表示画像の明るさおよび色度を、
カラーフィルターを動作させた際と同じにすることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の時分割カラー表示ディスプレイの第1
の実施の形態における概略図である。
【図2】本発明のカラーフィルタの第1の実施の形態に
おける平面図である。
【図3】本発明の時分割カラー表示ディスプレイの第2
の実施の形態における概略図である。
【図4】本発明のカラーフィルタの第2の実施の形態に
おける平面図である。
【図5】本発明のカラーフィルタの第3の実施の形態に
おける平面図である。
【図6】本発明のカラーフィルタの第3の実施の形態に
おける分光分布測定図である。
【図7】本発明の時分割カラー表示ディスプレイの第4
の実施の形態における概略図である。
【図8】(a)従来の投写スクリーン上を移動中の対象
物を図示する模式図である。(b)同、投写スクリーン
上を対象物が種々の場所にある状態を図示する模式図で
ある。
【図9】従来の時分割カラー表示ディスプレイに於て知
覚される強度を示すグラフである。
【符号の説明】
1 液晶パネル 2 カラーフィルタ 3 ランプ 4 投写レンズ 5 R透過フィルタ 6 G透過フィルタ 7 B透過フィルタ 21 液晶パネル 22 カラーフィルタ 23 ランプ 24 投射レンズ 25 R透過フィルタ 26 G透過フィルタ 27 B透過フィルタ 28 NDフィルタ 35 R透過フィルタ 36 G透過フィルタ 37 B透過フィルタ 38 イエロー&シアンカットフィルタ 61 スクリーン 62 対象物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G09F 9/00 330 G09F 9/00 330D 5G435 330A Fターム(参考) 2H042 AA06 AA08 AA26 2H048 AA01 AA12 AA24 AA25 AA26 2H088 EA15 EA18 EA44 HA12 HA24 MA20 2H091 FA02Z FA14Z FA41Z FD01 GA11 HA12 LA15 MA07 5C060 AA10 BA04 BA09 BC05 BE05 DA05 DB13 HC01 HC15 HC17 JA09 JA20 JB06 5G435 AA00 BB12 BB17 CC12 DD04 DD13 GG01 GG12 GG13 GG28

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の色領域に分割されたカラーフィル
    タであって、前記複数の色領域にはフィルタが存在する
    部分と、少なくとも1つの領域は無彩色を表示する領域
    を含むことを特徴とするカラーフィルタ。
  2. 【請求項2】 無彩色を表示する領域が、NDフィルタ
    ー(Neutral Density Filter)である請求項1に記載のカ
    ラーフィルタ。
  3. 【請求項3】 NDフィルターの透過率は他のカラーフ
    ィルタで時分割で表示される白の透過率とほぼ等しい請
    求項2に記載のカラーフィルタ。
  4. 【請求項4】 無彩色を表示する領域が、イエローまた
    はシアンが反射または吸収される請求項1に記載のカラ
    ーフィルタ。
  5. 【請求項5】 イエローまたはシアンが反射または吸収
    されるカラーフィルターの色度が、他のカラーフィルタ
    で時分割で表示される白の色度とほぼ等しい請求項4に
    記載のカラーフィルタ。
  6. 【請求項6】 少なくとも1つの無彩色領域を有するカ
    ラーフィルタにより1フィールド内に複数色が時分割で
    順次表示され、かつこれら複数色画像を時間的に重ねて
    カラー表示する時分割カラー表示ディスプレイにおい
    て、色分離を行うカラーフィルターに無彩色領域が含ま
    れ、前記無彩色領域で表示することを特徴とする時分割
    カラー表示ディスプレイ。
  7. 【請求項7】 白黒画像が信号として入力された際に、
    前記カラーフィルターは無彩色画像が透過する位置で停
    止させる請求項6に記載の時分割カラー表示ディスプレ
    イ。
  8. 【請求項8】 白黒画像が信号として入力された際に、
    回路的に判別し、カラーフィルターを無彩色透過する位
    置にて停止させるラッチ回路をさらに含む請求項6に記
    載の時分割カラー表示ディスプレイ。
  9. 【請求項9】 カラーフィルタが円盤状に配置されて回
    転し、スクーリンに投写された表示を1/60秒以下の
    時間で赤(R)、緑(G)、青(B)の各色の映像を順
    次表示して、フルカラーの映像を表示する請求項6に記
    載の時分割カラー表示ディスプレイ。
  10. 【請求項10】 カラーフィルタが円盤状に配置されて
    毎分3,600回転(r.p.m)以上で回転させる請求項
    6に記載の時分割カラー表示ディスプレイ。
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