JP2000151517A - 光通信システム - Google Patents

光通信システム

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JP2000151517A
JP2000151517A JP10316157A JP31615798A JP2000151517A JP 2000151517 A JP2000151517 A JP 2000151517A JP 10316157 A JP10316157 A JP 10316157A JP 31615798 A JP31615798 A JP 31615798A JP 2000151517 A JP2000151517 A JP 2000151517A
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comb
optical
optical filter
wavelength
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JP10316157A
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Tazuko Tomioka
多寿子 富岡
Shigeru Oshima
茂 大島
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】複数の分散した子局からの光信号を合流して制
御局に送る通信システムでの波長多重時の波長制御の簡
素化と、屋外に子局がある場合の内部の半導体レーザの
安定性の問題の解消を図ること。 【解決手段】バス型の光ファイバネットワークで、光源
として櫛状波発生器4を用い、これをバスファイバ1の
端部に配置する。光源が一カ所で管理でき、櫛状波を用
いるため、ビート雑音が発生する心配がない。また、子
局5に半導体レーザ素子などの光源がないため、半導体
レーザ素子の動作不安定の問題がない。また、子局に使
用する変調器を帯域阻止型の可変光フィルタ6とする。
これにより、波長合分波器を用いたAdd/Drop等の複雑
な構成が必要なく、システムの簡素化が図れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光通信システムに
関わり、特にバス型に子局が接続された波長多重光通信
システムに関する。
【0002】
【従来の技術】局間を光ファイバで結ぶ形態として、P
ON(Passive 0ptical Network)の利用がある。P
ONは、制御局と複数の子局間を、中間にパッシブな光
分岐結合器を設けた光ファイバで結ぶと共に、制御局や
子局から光ファイバに送信した光信号をこの光ファイバ
の中間の前記光分岐結合器により分岐させて分配させ、
あるいは結合させ、多重する形態である。
【0003】光加入者系に導入されているP0Nのよう
なシステム形態では、分散した場所にある子局から制御
局に光信号を送るが、途中に一箇所以上の合流点があっ
て、複数の子局からの光信号が合流して制御局に届く。
従って、合流した複数の子局の信号を制御局が分離でき
るように、様々な工夫がなされることになる。
【0004】その一つに子局間で、異なる波長の光源を
用いる波長多重方式がある。しかし、子局が分散してい
る系で、各子局の送信光の波長関係をビート雑音が出な
いように安定化するためには複雑な機構、手順が必要で
ある。
【0005】一方、P0Nのようなシステム形態は、光
加入者システムや、光信号による無線基地局の収容な
ど、その光送受信器が屋外に設置される用途に用いられ
ることが多い。そのため、環境下での影響を受け易いデ
リケートな構成部品は、送受信器内に配置するのをでき
るだけ避けたいところである。
【0006】特に、送信用光源である半導体レーザ素子
は、広い温度範囲での安定な動作が難しいため、環境変
化の大きい屋外に設置されるような送受信器内に設置す
るには不向きである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述したP0Nのよう
に、複数の分散した子局からの光信号が合流して制御局
に届くような形態の分散系通信システムでは、波長多重
時の波長制御が煩雑であった。また、P0Nのようなシ
ステム形態は、光加入者システムや、光信号による無線
基地局の収容など、その光送受信器が屋外に設置される
用途に用いられることが多いため、温度変化の影響を受
け易いデリケートな構成部品は、屋外の送受信器内に配
置して使用するのを避けたい。特に、送信用光源である
半導体レーザ素子は、温度変化の影響を受け易く、安定
な動作が難しいため、屋外に設置されるような送受信器
内に設置するには適さない。
【0008】このように、環境変化の大きい屋外に子局
が設置されるような場合には、子局内部に半導体レーザ
素子を設けるにはその動作安定性の点で問題があった。
【0009】そこでこの発明の目的とするところは、波
長多重時の波長制御が容易であり、しかも、子局に光源
を置かないで済むようにした分散系の光通信システムを
提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は次のように構成する。
【0011】[1]本願第1の発明では、複数の子局を
光ファイバにバス状に接続すると共に、前記光ファイバ
に前記複数の子局から送信されるデータ信号が光多重さ
れ、前記光ファイバの一端部に接続された受信装置に伝
送されるようにした光通信システムにおいて、前記光フ
ァイバの他端部に接続され、複数のスペクトル線が櫛状
に配列する櫛状波光線を発生して当該光ファイバに送出
する櫛状波発生と、各子局に設けられ、前記光ファイバ
にて伝送されてきた櫛状波光の少なくとも1本のスペク
トル線に、阻止域をデータ信号で変調することによりデ
ータ変調を施して光ファイバの下流側に送出する可変帯
域阻止型光フィルタとを備えることを特徴とする光通信
システムを提供する。
【0012】ここで櫛状波光とは、図19のように、櫛
の歯状に多数のスペクトル線が立っているような光スぺ
クトルを有する光である。本発明では、一つ一つのスペ
クトル線を切り出したとき、光パワーの安定した直流光
となる櫛状波を使用する。
【0013】本発明では図1のように1本の光ファイバ
1にバス状に子局5が接続されている形態を想定してい
る。バス型のシステムでは、子局からの信号は光ファイ
バ1にて、制御局8に送られ、制御局8の受信器で受信
される。
【0014】本発明では、図1のように光ファイバ1の
端部に櫛状波発生器4を接続する。櫛状波発生器4で発
生した櫛状波は光ファイバ1に送り出される。各々の子
局5‐iでは図のように、光ファイバ1に可変帯域阻止
型光フィルタ6が挿入されている。可変帯域阻止型光フ
ィルタ6の波長透過特性は図3の如きであって、ある特
定の波長だけ阻止し、その他の波長は透過し、阻止され
る波長が可変である。可変帯域阻止型光フィルタ6は櫛
状波発生器4から送られてきた櫛状波の櫛を構成する光
スペクトル線のうちの1本、例えば、図2のスペクトル
線7に、自局が制御局8に送信するデータで変調をかけ
る。
【0015】スペクトル線7に対して、自局の送信デー
タによって変調をいかにしてかけるかを、図4を用いて
説明する。可変帯域阻止型光フィルタ6では、櫛状波の
うち、変調をかけるスペクトル線7に、阻止域がかかる
ようにする。図4の12‐1のように、阻止域の中央が
スペクトル線7と一致していると、スペクトル線7は透
過せず、可変帯域阻止型光フィルタ6で阻止される。
【0016】また、12‐3のように、阻止域がスペク
トル線7からほぼ外れているときは、スペクトル線7は
ほぼ透過する。子局5‐iが送信する信号が2値のベー
スバンドデジタル信号ならば、12‐1と12‐3の二
つの状態がそれぞれデータの“0”と“1”に対応する
ように可変帯域阻止型光フィルタ6の阻止波長に変調を
かける。このようにして、スペクトル線7に対して、子
局5‐iは自局の送信データによって変調をかけること
ができる。
【0017】また、子局5‐iが送信する信号がアナロ
グ状の任意波形信号であるならば、図4の12‐2のよ
うに、可変帯域阻止型光フィルタ6の阻止帯域のスロー
プの中央近辺をバイアス点として、スロープの比較的直
線に近い領域がスペクトル線7と重なる範囲で阻止帯域
の波長を変調する。
【0018】可変帯域阻止型光フィルタ6は、狭帯域な
阻止帯域以外の光は透過させる。そのため、櫛状波発生
器4から送られてきた櫛状波のうち、スペクトル線7以
外のスペクトル線11は可変帯域阻止型光フィルタ6に
よるデータ変調の影響を受けず、可変帯域阻止型光フィ
ルタ6を素通りする。従って、スペクトル線7以外のス
ペクトル線11が別の子局によって変調されていても、
無変調のままでも、状態は変化しない。
【0019】同様にして、異なる子局が、櫛状波の異な
るスペクトル線に変調をかける。初めから波長間隔が整
っている櫛状波に対して変調をかけるため、波長が重な
り合うことによるビート雑音の問題がない。また、通常
の波長多重で必要な波長間隔制御が不要となる。
【0020】さらに、各子局には、温度変化に敏感な半
導体レーザ素子が置かれないため屋外など環境変化の厳
しい場所への設置に対応できる。変調器として用いる可
変帯域阻止型光フィルタ6は、変調するスペクトル線を
選択する機能を有しているため、櫛状波発生器を使用す
る系でしばしば必要とされる波長合分波器を使用したA
dd/Drop多重装置が不要となり、構成が簡素化で
きる。 [2]さらに、本願第2の発明では、前記可変帯域阻止
型光フィルタは、阻止帯域の光を反射して、入力ポート
に戻す構造を有しており、前記可変帯域阻止型光フィル
タの反射光を、光サーキュレータで取り出し、モニタす
ることによって、前記可変帯域阻止型光フィルタの阻止
帯域波長の安定化を行うことを特徴とする光通信システ
ムを提供する。
【0021】本発明では、櫛状波発生器から送信されて
くる櫛状波の光スペクトル線の1つを適切に変調するよ
うに、可変帯域阻止型光フィルタの阻止帯域の波長を制
御する必要がある。単純には、可変帯域阻止型光フィル
タの透過光を分岐し、変調を受けた光スペクトル線を分
離し、モニタすればよいが、分岐に伴う損失が生じる。
また、透過光は櫛状波のすベてのスペクトル成分を持っ
ているため、特定のスペクトル線を分離するための新た
なコンポーネントが必要であり、構成がやや複雑とな
る。
【0022】そこで、本発明では、可変帯域阻止型光フ
ィルタとして、阻止帯域の光を反射し、入力ポートに戻
す型のものを使用する。可変帯域阻止型光フィルタの入
力ポート側に挿入した光サーキュレータによって、可変
帯域阻止型光フィルタで反射してきた光を分離する。
【0023】光サーキュレータは、一般に図15のよう
に3つ(場合によっては3つ以上)の入出力ポートを有
する。あるポート、例えばポート14‐1から入力され
た光は、隣のポート14‐2へ出力される。ポート14
‐2から入力された光は同方向に隣のポート14‐3に
出力され、ポート14‐3から入力された光はポート1
4‐1に出力される。このように、入力した光が隣のポ
ートに出力する。光サーキュレータは、(コンポーネン
トの不完全性による過剰損失はあるが、)反対方向に進
行する光を分離するに際し、分岐損失が発生しない。す
なわち、順方向に進む光にほぼ影響を与えず、逆方向に
進む光をほぼ全部分離することができる。
【0024】可変帯域阻止型光フィルタの反射光を光サ
ーキュレータで分離することにより、可変帯域阻止型光
フィルタの阻止帯域で阻止された光が得られる。本願第
1の発明のように、可変帯域阻止型光フィルタの阻止帯
域の波長をデータ信号で変調して、櫛状波の特定の光ス
ペクトル線にデータ変調を施す場合は、反射光には阻止
された光、すなわちデータの極性が、可変帯域阻止型光
フィルタで変調された光とは逆になっている光が出力さ
れる。可変帯域阻止型光フィルタでは、変調を施すスペ
クトル線以外は透過するので、反射光に含まれるのはそ
の可変帯域阻止型光フィルタで変調を受けたスペクトル
線のみである。
【0025】従って、サーキュレータで取り出された反
射光の波長、パワーや変調のかかり方(データ振幅の大
きさや変調波形、データの極性)などをモニタすること
によって、可変帯域阻止型光フィルタの阻止帯域が適切
な波長にあるかどうかが判断できる。反射光が適切な状
態になるように制御することにより、可変帯域阻止型光
フィルタの阻止帯域波長の平均値を適切な波長に固定し
ておくことができる。
【0026】このような形態にすることにより、可変帯
域阻止型光フィルタの阻止帯域波長安定化のために、波
長をモニタするための分岐損がなく、変調をかけている
スペクトル線のみを容易に取り出してモニタできる。従
って、櫛状波発生器4から送信されてくる櫛状波の光ス
ペクトル線の1つを適切に変調できる光通信システムが
提供できる。 [3]さらに、本願第3の発明では、[1]項に記載し
た構成の光通信システムにおいて、前記可変帯域阻止型
光フィルタは、入力ポートから入力した光のうち、透過
帯域の光を第1の出力ポートに出力し、阻止帯域の光を
第2の出力ポートに出力する形態の光フィルタであり、
前記第2の出力ポートの出力光をモニターすることによ
って、前記可変帯域阻止型光フィルタの阻止帯域波長の
安定化を行うことを特徴とする光通信システムを提供す
る。
【0027】可変帯域阻止型光フィルタには、図17の
ように、阻止帯域の光を入力ポート16、出力ポート1
7とは異なるポート18に出力する形態のものがある。
このような形態の可変帯域阻止型光フィルタを用いれ
ば、可変帯域阻止型光フィルタの阻止帯域波長安定化の
ために、波長をモニタするための分岐損がなく、変調を
かけているスペクトル線を容易に取り出してモニタでき
る。また、阻止された光を分離するための特別なコンポ
ーネントが必要なく、コンポーネントの数を減らすこと
ができる。
【0028】[4]本願第4の発明では、温度安定化さ
れたファブリ・ぺロー型半導体レーザ素子を直流電流で
駆動し、このレーザ素子の出力光を光アイソレータを通
過させて得られた光を櫛状波光源として使用し、前記櫛
状波の複数のスペクトル線のうちの1つ以上に、1つ以
上の系列のデータ変調をかけることを特徴とする光通信
システムを提供する。
【0029】櫛状波光源として、従来、レーザアレイな
ど様々な構成があったが、光スペクトル線をほぼ等間隔
に並べ、また、それらの光スペクトル線の状態を安定に
保つためには複雑な構成が必要であった。
【0030】ファブリ・ペロー型半導体レーザ(FP‐
LD)は縦モードが多モード発振しており、直流電流で
駆動した場合に、FP‐LDから発振される光について
計測器でその光スペクトルを観測すると、櫛状波状のス
ペクトルが観測される。しかし、各々のスペクトル線
(モード)に注目するとその光パワーは非常に速い速度
で変動しているため、そのままでは櫛状波光源として使
用することができない。
【0031】そこで、本発明では、FP‐LDの出力光
を光アイソレータを通過させるようにし、各モードの状
態を不安定にしている要因である反射戻り光を、この光
アイソレータで防ぐようにする。さらに、発振波長の安
定化のためFP‐LDを温度安定化する。このようにし
たFP‐LDは各モードの光パワー、波長が安定してお
り、櫛状波光源として使用することが可能となる。
【0032】FP‐LDは半導体レーザの中では最も低
コストなレーザ素子である。本発明では、この低コスト
なFP‐LDを1つだけ使用し、周辺部品が光アイソレ
ータ、温度制御装置等、比較的よく普及している部品か
らなる櫛状波発生器を光源として用いるため、櫛状波発
生器を用いた光通信システムが低コストで簡易に構成で
きる。
【0033】[5]さらに、本願第5の発明では、温度
安定化されたファブリ・ペロー型半導体レーザを直流電
流で駆動し、前記レーザ素子の出力光を光アイソレータ
を通過させて得られた光を櫛状波光源として使用したこ
とを特徴とする本願第1乃至第3の発明の光通信システ
ムを提供する。
【0034】また、本発明は、[1]項から[3]項に
記載した本願第1から第3の発明の光通信システムに、
[4]項で示した本願第4の発明で使用した櫛状波発生
器を用いる。
【0035】これによって、Add/Dr0P等の複雑
な部品が不要な波長多重光通信システムをより、低コス
トに簡易に構成することが可能となる。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態につい
て、図面を参照して説明する。
【0037】(第1の実施形態)本発明の基本は、複数
の子局を1本の光ファイバにバス状に接続し、前記光フ
ァイバに前記複数の子局から送信されるデータ信号を多
重し、前記光ファイバの片端に接続される受信装置にて
光受信する光通信システムにおいて、光信号の元となる
光源を、櫛の歯状に多数の光スペクトル線が連なるが如
きの光スペクトル特性を有する光を発生する櫛状波発生
器を用い、これを光伝送路である前記光ファイバの一端
側に設けて、当該一端側から他端の受信装置に向けて光
ファイバ中に伝送すると共に、各子局ではこの櫛の歯状
のスペクトル線うちのそれぞれ異なる一つを用いてデー
タ変調を加え、受信装置へと送り出す構成とするもの
で、これにより屋外に設置されることになる各子局に、
光伝送の元となる光源を持たせないで済むようにするも
のである。
【0038】また、本システムでは、各子局では、前記
光ファイバに可変帯域阻止型光フィルタを挿入し、前記
櫛状波発生器で発生されて前記光ファイバを伝送されて
きた櫛状波内の1本以上のスぺクトル線に、前記可変帯
域阻止型光フィルタの阻止域をデータ信号で変調するこ
とによって、データ変調を施すことにより、波長多重時
の制御を簡易化する。
【0039】図1はこのような本願第1の発明の実施形
態を示すブロック構成図である。図において、1は光伝
送路としての1本の光ファイバであり、4は櫛状波発生
器、5‐1,5‐2,…,5‐i+1,5‐i,…,5
‐nは子局であって、光ファイバ1にバス状に接続され
ている。6は可変帯域阻止型光フィルタ、8はデータ信
号を送るべき対象としての受信装置のある制御局(親
局)である。
【0040】櫛状波発生器4は光源としてレーザ素子を
用いているが、1本の光ファイバ1の一端部側に設置す
ればよいので、安定した環境が維持できるような施設を
設けてここに設けることができる。この櫛状波発生器4
は、図2,図19に示す如き多数の光スペクトル線が櫛
の歯状のように多数配列される形態の光スペクトル特性
を有する光(櫛状波光)11を発生するものであり、こ
のような櫛状波光11は前記光ファイバ1にその他端部
に向けて送り出される構成としてある。
【0041】可変帯域阻止型光フィルタ6は、ある特定
の波長だけ阻止するフィルタ特性を有するものであっ
て、阻止波長は可変である。この可変帯域阻止型光フィ
ルタ6の波長透過特性は例えば、図3の如きであって、
ある特定の波長だけ阻止し、その他の波長は透過させる
が、阻止される波長が可変である。また、この可変帯域
阻止型光フィルタ6は櫛状波発生器4から送られてきた
櫛状波光11における櫛歯を構成する光スペクトル線の
うちの1本、例えば、図2のスペクトル線7に、自局が
制御局8に送信するデータで変調をかけることができる
ようになっている。
【0042】この可変帯域阻止型光フィルタ6は、各子
局5‐1,5‐2,…,5‐i+1,5‐i,…,5‐
nそれぞれに設けられており、各子局5‐1,5‐2,
…,5‐i+1,5‐i,…,5‐nでは自局の可変帯
域阻止型光フィルタ6を用いて、櫛状波の光スペクトル
線のうちの1本(他局で使用していない光スペクトル線
1本)を用いて、自局が制御局8に送信するデータで変
調をかけ、光ファイバ1の光信号に多重して送り出すよ
うにすると云った機能を有する。
【0043】このような構成の本システムにおいては、
上述したように、1本の光ファイバ1に複数の子局5‐
1,5‐2,…,5‐i+1,5‐i,…,5‐nがバ
ス状に接続されている。そして、光ファイバ1の一方の
端部には受信装置を有する制御局(親局)8が接続され
ており、各子局5‐1,5‐2,…,5‐i+1,5‐
i,…,5‐nから送信された送信信号(光信号)を受
信する。
【0044】また、光ファイバ1の他方の端部には、櫛
状波光、すなわち、櫛の歯状に連なる複数のスペクトル
線を発生するスペクトル線発生光源としての櫛状波発生
器4が接続されており、この櫛状波発生器4から櫛状波
光線11が光ファイバ1に出力される。
【0045】各々の子局5‐1,5‐2,…,5‐i+
1,5‐i,…,5‐n、例えば、子局5‐iにおいて
は、可変帯域阻止型光フィルタ6が光ファイバ1に挿入
されている。子局5‐iは可変帯域阻止型光フィルタ6
の阻止帯域波長を、送られてきた櫛状波光線のうちの1
つのスペクトル線に合わせる。
【0046】そして、可変帯域阻止型光フィルタ6の阻
止帯域10の特性曲線スロープの上り/下りのうちの一
方が、スペクトル線上を行き来するように、変調データ
の振幅、バイアスを調整して、阻止帯域波長を送信すべ
きデータ信号で変調する。例えば、子局5‐1であれ
ば、当該子局5‐1における可変帯域阻止型光フィルタ
6の阻止帯域10の特性曲線スロープの上り/下りのう
ちの一方が、スペクトル線7上を行き来するように、変
調データの振幅、バイアスを調整して、阻止帯域波長を
送信すべきデータ信号で変調する。
【0047】<スペクトル線の送信データ変調法>スペ
クトル線に対して、自局の送信データによって変調をい
かにしてかけるかを、図4を用いて説明する。可変帯域
阻止型光フィルタ6では、櫛状波光11のうち、変調を
かけるスペクトル線例えば、これがスペクトル線7であ
るとすると、当該スペクトル線7に、図3の阻止領域1
0がかかるようにする。例えば、図4の12‐1のよう
に、阻止領域の中央がスペクトル線7と一致している
と、スペクトル線7は可変帯域阻止型光フィルタ6を透
過せず、阻止される。
【0048】また、図4の12‐3の特性曲線のよう
に、阻止領域がスペクトル線7からほぼ外れているとき
は、スペクトル線7は可変帯域阻止型光フィルタ6をほ
ぼ透過する。子局5‐iが送信する信号が2値のベース
バンドデジタル信号ならば、図4の特性曲線12‐1と
12‐3の二つの状態がそれぞれデータの“0”と
“1”に対応するように可変帯域阻止型光フィルタ6の
阻止波長に変調をかける。可変帯域阻止型光フィルタ6
により、このようにして、スペクトル線7に対し、子局
5‐iは自局の送信データによって変調をかけることが
できる。
【0049】同様のことは、他の各子局5‐1,5‐
2,…においてもそれぞれ行われる。各子局5‐1,5
‐2,…,5‐n毎に櫛状波光11の異なる別の1本の
スペクトル線を用い、そのスペクトル線に対して自局内
蔵の可変帯域阻止型光フィルタ6により変調をかける。
【0050】光ファイバ1を伝送されてくる櫛状波光1
1のうちの、自局で用いるスペクトル線の選定法は後述
するが、この自局用のスペクトル線に対して、自局内蔵
の可変帯域阻止型光フィルタ6により変調をかける方式
としたことで、各子局5‐1,5‐2,…,5‐nでは
光源を内蔵しないで済むようになる。
【0051】各子局5‐1,5‐2,…,5‐nにおい
て変調された光は、光ファイバ1を受信装置を有する制
御局8に向かって伝搬する。
【0052】本システムでは、各子局に可変帯域阻止型
光フィルタ6を設けて櫛状波光線のうちの所望のスペク
トル線の抽出とそのスペクトル線に対してのデータ変調
に用いており、上述したように、可変帯域阻止型光フィ
ルタ6の波長透過特性は図3の如きである。従って、可
変帯域阻止型光フィルタ6は、ある特定の波長だけ阻止
し、その他の波長は透過し、阻止される波長が可変であ
る。
【0053】そのため、ある子局で変調を受けたスペク
トル線は、他の子局における可変帯域阻止型光フィルタ
6を素通りするため、すべての子局5‐1,5‐2,
…,5‐nそれぞれで変調されたそれぞれの信号が、光
ファイバ1を介して制御局8に到達して入力され、受信
されることになる。そのため、波長多重における波長制
御が簡単となる。
【0054】このように、各子局共通に使用する光源と
して櫛状波発生器4を用意し、これを光ファイバ1の一
端に接続すると共に、各子局にはそれぞれ可変帯域阻止
型光フィルタ6を設けて櫛状波の所望のスペクトル線の
抽出とそのスペクトル線に対してのデータ変調に用いる
ようにしたことによって、各子局間での送信波長間隔の
安定化が不要になり、また、環境変動の大きい屋外に設
置することになる各子局には、環境変化に伴う特性変化
の影響の大きい光源である半導体レーザ素子を内蔵させ
ずに済む構成が構築できることになり、また、波長多重
における波長制御が簡単となる光通信システムが提供で
きる。
【0055】なお、各子局から送信するデータは、ベー
スバンド信号、サブキャリア信号等、様々な形態が可能
である。例えば、ベースバンドデジタル信号やベースバ
ンドアナログ信号を送信するのであれば、制御局8内に
ある受信装置では、送信されてきた光を波長毎に分離し
て、それぞれの波長を別々の光電変換器で受信する。
【0056】サブキャリアに乗ったデジタル信号やアナ
ログ信号を送信する場合も、ベースバンド信号の場合と
同様に、波長を分離して別々の光電変換器で受信しても
良い。
【0057】しかし、各子局が送信するときのサブキャ
リア信号の周波数を、子局毎に変えて、信号周波数が重
ならないようにすることにより、受信装置(制御局8)
側で波長を分離せずに丸ごと光電変換し、電気段で分離
することができるようになる。
【0058】従来、波長多重で、波長を分離せず丸ごと
受信するシステムは、波長が近寄り過ぎてビート雑音が
発生しないように、各光源の波長制御が必要不可欠であ
った。また、各子局が光源を持ち、かつ、子局が分散し
ているシステムでは波長間隔制御のために複雑な機構が
必要となる。
【0059】しかし、本発明では、櫛状波発生器4によ
って集中的に波長管理を行っているため、ビート雑音の
心配がない。
【0060】<櫛状波発生器4の構成例>櫛状波発生器
4には種々の構成が考えられる。例えば、LEDや光フ
ァイバアンプの自然放出光などの広帯域に一様な光源の
出力を、ファブリ・ペロー共振器などの周期透過性光フ
ィルタを透過させる。あるいは、単一縦モード光源に、
数10[GHz]から100[GHz]といった非常に
高い周波数の繰り返し信号で外部変調をかけたものでも
良い。
【0061】あるいは、10[GHz]〜20[GH
z]程度の比較的変調しやすい周波数の繰り返し信号で
外部変調をかけ、外部変調器出力を100[GHz]程
度の透過周期を持つ周期透過性光フィルタに通すように
しても良い。
【0062】あるいは、櫛の歯の数だけの単一縦モード
光源を用意し、それらの出力光を波長が櫛の歯状に揃う
ように並べてもよい。
【0063】この時、各々の光源を独立の光モジュール
とし、それらの光ファイバ出力を結合するか、図5の構
成のように、レーザアレイをフォトニックIC(光集積
回路)状に構成したものを使用するようにしても良い。
【0064】図5の構成においては、基板47上に複数
のレーザダイオード(LD)43‐1,43‐2,…4
3‐i,…43‐(n−1),43‐nを並設してなる
レーザアレイを形成し、それぞれのLD43‐1,43
‐2,…43‐i,…43‐(n−1),43‐nから
これらに対応して設けられた光導波路44‐1,44‐
2,…44‐i,…44‐(n−1),44‐nに光が
出力されるようにする。それぞれのLD43‐1,43
‐2,…43‐i,…43‐(n−1),43‐nから
光導波路44‐1,44‐2,…44‐i,…44‐
(n−1),44‐nを伝搬してきた光は、光導波路合
流部45で一つの光導波路46に合流する。光導波路4
6から出射した光は、レンズ、アイソレータなど適切な
光学系を適宜介して光ファイバ1に出力される。
【0065】なお、レーザアレイのLD43‐1,43
‐2,…43‐i,…43‐(n−1),43‐nはそ
れぞれ波長が異なり、スペクトル線が櫛状波状に並ぶよ
うに、あらかじめパラメータが設計されている。
【0066】<FP‐LDを用いた櫛状波発生器の構成
例>櫛状波光源として、従来、レーザアレイなど様々な
構成があったが、光スペクトル線をほぼ等間隔に並べ、
また、それらの光スペクトル線の状態を安定に保つため
には複雑な構成が必要であった。
【0067】ファブリ・ペロー型半導体レーザ(FP‐
LD)は縦モードが多モード発振しており、従って、F
P‐LDを直流電流駆動してそのときの当該FP‐LD
の発振光の光スペクトルを計測器で観測すると、櫛状波
状のスペクトルが観測される。すなわち、FP‐LDは
直流電流駆動すると櫛状波状のスペクトルを持つ光を発
振するわけであり、櫛状波光源としての利用の可能性を
秘めている。
【0068】しかし、各々のスペクトル線(モード)に
注目するとその光パワーは非常に速い速度で変動してい
るため、そのままでは櫛状波光源として使用することが
できない。
【0069】そこで、本発明では、櫛状波状のスペクト
ルを得るために、FP‐LDを直流電流で駆動すると共
に、速い速度で変動する光パワーを安定化するために、
このFP‐LDの出力光を光アイソレータを通過させ、
各モードの状態を不安定にしている要因である反射戻り
光を防ぐようにする。さらに、発振波長の安定化のた
め、温度制御を実施してFP‐LDの温度安定化を図る
ようにする。
【0070】このように処理し、あるいは制御したFP
‐LDは、各モードの光パワー、波長が安定しており、
櫛状波光源として使用することが可能となる。
【0071】図7にFP‐LDを用い、このように処
理、制御するようにした櫛状波発生器4の要部構成例を
示す。図において、49は温度制御装置、53は光ファ
イバ、54は光モジュール、55はペルチェ素子、56
はFP‐LDチップ、58‐1,58‐2はレンズ、5
9はサーミスタであり、光モジュール54内に、温度制
御のための温度変化を与えるぺルチェ素子55を置き、
このぺルチェ素子55上にFP‐LDのチップ56を固
定する。
【0072】また、ぺルチェ素子55上に光アイソレー
タ57を固定する。コリメート用のレンズ58‐1によ
ってコリメート(平行光線化)されたFP‐LDチップ
出力光は光アイソレータ57を通り、レンズ58‐2に
よって再び集光され光ファイバ53に出力される。
【0073】FP‐LDチップ56の近傍には、温度セ
ンサであるサーミスタ59が配置され、このサーミスタ
59から得られた温度信号は温度制御装置49に入力さ
れる。そして、このサーミスタ59から得られた温度信
号を用いて温度制御装置49は温度が所望の値となるよ
うに、ペルチェ素子55を駆動制御する。
【0074】このように温度制御装置49により温度が
所望の値となるようにペルチェ素子55を駆動制御する
ことによって、ぺルチェ素子55は温度が一定に保たれ
るようになり、従ってぺルチェ素子55上のFP‐LD
のチップ56は温度が安定に保たれるので、安定性の良
い櫛状波光が安価に得られるようになる。
【0075】FP‐LDは半導体レーザ素子の中では最
も低コストなレーザ素子である。本発明では、この低コ
ストなFP‐LDを1つだけ使用し、かつ、FP‐LD
の安定度を確保するための周辺部品が光アイソレータ、
温度制御装置等、比較的よく普及している部品を利用し
て構成することにより、光源としての櫛状波発生器を安
価に構成でき、従って、櫛状波発生器を用いた光通信シ
ステムが低コストで簡易に構成できる。
【0076】このようなFP‐LDを用いた高安定な櫛
状波発生器4を本発明に適用することによって、より低
コストで、信頼性の高い光通信システムが構築できる。
また、このような櫛状波発生器4は本願第1から第3の
発明に適用できるのみでなく、Add/Dropを使用
した従来のシステムにも適用可能であって、汎用性が高
く、いずれのシステムに適用しても低コストなシステム
構築が可能となる。
【0077】<可変帯域阻止型光フィルタの構成例>可
変帯域阻止型光フィルタ6も種々の構成がある。例え
ば、図8に示すように、ブラッグ・グレーティング63
を使ったものがある。半導体や無機結晶上に光導波路6
0を作成し、光導波路60内にブラッググレーティング
63を作り込む。ブラッグ・グレーティング63のブラ
ッグ波長が、阻止帯域の波長に当たる。そして、ブラッ
ググレーテイング63に電極61をつける。
【0078】このようにすると、端子62からデータ信
号に対応した電界を電極61にかけるようにしたり、材
料によっては電極61に電流を流すなどの方法でブラッ
グ波長を変調する構造にできる。
【0079】また、阻止帯域の波長チューニング時な
ど、データ変調時よりも大幅に阻止帯域波長を変えると
きには、光導波路60を作り込んでいる基板全体の温度
を変えるなどの方法をとる。光導波路型のブラッグ・グ
レーティングは、阻止帯域の波長の光を反射し、入力ポ
ートに返す。 (第2の実施形態)次に、第2の実施形態について説明
する。この実施形態では、可変帯域阻止型光フィルタ6
の阻止帯域波長の安定化を図ることができるようにする
例を説明する。ここで使用する可変帯域阻止型光フィル
タ6は、阻止帯域の光を反射して、入力ポートに戻す構
造を有しており、また、可変帯域阻止型光フィルタ6の
反射光を、光サーキュレータで取り出してモニタするこ
とによって、可変帯域阻止型光フィルタ6の阻止帯域波
長の安定化を図ることを特徴としている。
【0080】本システムでは、櫛状波発生器4から送信
されてくる櫛状波光線における光スペクトル線の1つを
適切に変調するように、可変帯域阻止型光フィルタ6の
阻止帯域の波長を制御する必要がある。
【0081】単純には、可変帯域阻止型光フィルタ6の
透過光を分岐し、変調を受けた光スペクトル線を分離
し、モニタすればよいわけであるが、それでは分岐に伴
う損失が生じる。また、透過光は櫛状波のすベてのスペ
クトル成分を持っているため、特定のスペクトル線を分
離するための新たなコンポーネントが必要であり、構成
が複雑となる。
【0082】そこで、本発明では、可変帯域阻止型光フ
ィルタ6として、阻止帯域の光を反射し、入力ポート側
に戻す形式のものを使用する。可変帯域阻止型光フィル
タ6の入力ポート側に挿入した光サーキュレータによっ
て、可変帯域阻止型光フィルタで反射してきた光を分離
する。
【0083】光サーキュレータ13は、一般に図15に
示す如く、3つ(場合によっては3つ以上)の入出力ポ
ート14‐1,14‐2,14‐3を有する。あるポー
ト、例えばポート14‐1から入力された光は、隣のポ
ート14‐2へ出力される。ポート14‐2から入力さ
れた光は同方向に隣のポート14‐3に出力され、ポー
ト14‐3から入力された光はポート14‐1に出力さ
れる。このように、入力した光が隣のポートに出力す
る。光サーキュレータ13は、(コンポーネントの不完
全性による過剰損失はあるが、)反対方向に進行する光
を分離するに際し、分岐損失が発生しない。
【0084】すなわち、順方向に進む光にほぼ影響を与
えず、逆方向に進む光をほぼ全部分離することができ
る。
【0085】従って、可変帯域阻止型光フィルタ6の反
射光を光サーキュレータ13で分離することにより、可
変帯域阻止型光フィルタ6の阻止帯域で阻止された光が
得られるようになる。第1の実施形態のように、可変帯
域阻止型光フィルタ6の阻止帯域の波長をデータ信号で
変調して、櫛状波光線のうちの所望の光スペクトル線に
データ変調を施す場合は、反射光には阻止された光、す
なわちデータの極性が、可変帯域阻止型光フィルタ6で
変調された光とは逆になっている光が出力される。可変
帯域阻止型光フィルタ6では、変調を施すスペクトル線
以外は透過するので、反射光に含まれるのはその可変帯
域阻止型光フィルタ6で変調を受けたスペクトル線のみ
である。
【0086】従って、光サーキュレータ13で取り出さ
れた反射光の波長、パワーや変調のかかり方(データ振
幅の大きさや変調波形、データの極性)などをモニタす
ることによって、可変帯域阻止型光フィルタの阻止帯域
が適切な波長にあるかどうかが判断できる。
【0087】第2の実施形態で示す本願第2の発明で
は、可変帯域阻止型光フィルタ6として、阻止帯域の光
を反射するような特性を有するものを用いる。このよう
な特性を有する可変帯域阻止型光フィルタ6としては、
ブラッグ・グレーティングを用いる光フィルタがある。
【0088】ここでは、このような阻止帯域光反射特性
を有する可変帯域阻止型光フィルタ6を用い、その前段
に光サーキュレータ13を挿入し、可変帯域阻止型光フ
ィルタ6の阻止帯域光を反射させてモニタ系に導き、反
射光をモニタできるようにしている。
【0089】モニタ系では、反射光に含まれるデータの
振幅、極性、反射光の光パワー、波長等を検出して、可
変帯域阻止型光フィルタ6の阻止帯域の波長を安定化す
るために用いる。
【0090】反射光をモニタして可変帯域阻止型光フィ
ルタ6の阻止帯域波長の安定化を図るようにした構成例
を図9を用いて説明する。図9(a)において、5‐i
(i=1,2,3,…)は子局であり、この子局5‐i
には光サーキュレータ13、可変帯域阻止型光フィルタ
6、光電変換器21、制御装置22が設けてある。
【0091】光サーキュレータ13は、反射光を分岐さ
せるためのものであり、この光サーキュレータ13は可
変帯域阻止型光フィルタ6の前段側光路中に挿入する。
そして、櫛状波発生器4から可変帯域阻止型光フィルタ
6に入射される櫛状波光のうち、当該可変帯域阻止型光
フィルタ6で反射された光をこの光サーキュレータ13
によって分離して光電変換器21に導き、この光電変換
器21で電気信号に変換する。制御装置22は光電変換
器21の出力を取り込み、その値や変動の仕方、可変帯
域阻止型光フィルタ6の駆動信号との関連を調べて、可
変帯域阻止型光フィルタ6を制御する。
【0092】[可変帯域阻止型光フィルタ6の制御]以
下に、可変帯域阻止型光フィルタ6の制御法の例をいく
つか挙げる。制御には次の2つの段階がある。1つ目の
段階は、『システム全体が立ち上がる時に、どのように
して自局の変調するスペクトル線を探すか?』であり、
2つ目の段階は、『自局が変調するスペクトル線の近辺
に可変帯域阻止型光フィルタ19の阻止帯域波長がある
時に、どのようにして最適なバイアス点に固定しておく
か?』である。 −−−制御法(1)−−− [制御法(1)での1つ目の段階]1つ目の段階では、
例えば次のような方法で制御する。図10を用いて説明
する。櫛状波発生器4において櫛状波光11のスペクト
ル線の一つに、子局に用いられる可変帯域阻止型光フィ
ルタ19と同様の変調器25を用いて、例えば、特定の
周波数の正弦波による変調をかけて目印とする。
【0093】これを例えば、図10(b)のスペクトル
線26とする。各々の子局は、自局が変調するスペクト
ル線を、スペクトル線26からプラス側の波長の何番
目、マイナス側の波長の何番目のスペクトル線というよ
うにあらかじめ定めておく。各子局5‐1,5‐2,
…,5‐iは、まず、自局の可変帯域阻止型光フィルタ
19の阻止帯域の波長を振って、阻止帯域がスペクトル
線26に重なり、光電変換器21がスペクトル線26の
目印の変調信号を検出するようにする。
【0094】次に、阻止帯域の波長を自局に割り振られ
たスペクトル線の方向に動かしていく。スペクトル線を
一本通過する度に、光電変換器21には光が入射される
ので、この光電変換器21からは光電変換出力を出すの
で、その出力の回数を数えることによって自局に割り振
られたスペクトル線を識別できる。
【0095】自局に割り振られたスペクトル線に届いた
ならば、取り敢えず、何らかの信号でスペクトル線に変
調をかける。それは、他の子局が同様な制御を行ってい
るため、全く阻止されているスペクトル線が1本でもあ
ると、誤ったスペクトル線にロックする可能性があるか
らである。このようにして、自局に割り振られたスペク
トル線に到達したならば、2つ目の段階に移る。 −−−制御法(2)−−− [制御法(2)での1つ目の段階]1つ目の段階の他の
方法を図11を用いて説明する。この方法は、各子局の
可変帯域阻止型光フィルタ6の阻止帯域の無制御時の波
長が目標値に近く、また、可変範囲が狭い場合に適して
いる。まず、上述の方法と同様に櫛状波発生器4は櫛状
波光線11のスペクトルの一つ例えば、スペクトル線2
6に目印をつける。櫛状波発生器4に最も近い子局5‐
1はスペクトル線26を検出し、そこから定められた数
だけ離れた(例えば隣りの)スペクトル線27‐1にロ
ックする。
【0096】子局5‐1はスペクトル線27‐1に対し
て、送信データとともに目印となる特定周波数の正弦波
等による変調をかける。子局5‐1の隣の子局5‐2は
自局の可変帯域阻止型光フィルタ6の阻止帯域を振っ
て、子局6‐1のスペクトル線27‐1の目印を探す。
【0097】このとき、子局5‐2の阻止帯域の端の方
がスペクトル線27‐1にかかり、目印が確認できたな
らば、隣のスペクトル線27‐2に移動し、ロックす
る。他の子局も同様にして、順番に隣のスペクトルにロ
ックしていく。 −−−制御法(3)−−− [制御法(1),(2)のハイブリッド法]上述の2つ
の方法を混合した方法もある。これを述べる。まず、同
様に櫛状波発生器4は櫛状波のスペクトルの一つ、例え
ば図10(b)のスペクトル線26に目印をつける。各
子局が自局に割り振られたスぺクトル線を見つける方法
は条件によって2通りある。1つ目は、スペクトル線2
6を探して、そこから何番目という風に、自局に割り振
られたスペクトル線を探すと云う方法である。
【0098】また、2つ目としては、スペクトル線26
を見つける前に、他の子局が自局に割り振られたスペク
トル線にロックしており、目印となる特定周波数の変調
を行っているのを見つけたなら、そこから何番目という
風にして、自局に割り振られたスペクトル線を探すとい
う方法である。
【0099】さらに別の方法としては、各子局は使用さ
れていないスペクトル線に適当にロックする。それより
後に使用するスペクトル線を探す子局は、どこかのスペ
クトル線を見つけたら、他の子局による変調がかかって
いないことを確認してから、自局をロックする。
【0100】もし、他の子局による変調がかかっていた
ら、別のスペクトル線に移動して、同様に調ベる。空い
ているスペクトル線が見つかるまで同様の操作を繰り返
す。各子局はロックしたら、使用中であることを示すた
めに何らかの変調をかける。
【0101】別の方法としては、櫛状波発生器におい
て、システム内で使用されるすべてのスペクトル線にス
ペクトル線ごとに異なる目印、例えばそれぞれ異なる周
波数による変調などを予め実施しておき、各子局はその
目印を検出して自局が変調すべきスペクトル線を探すよ
うにしても良い。
【0102】さらに、別の手法として、各子局は安定な
光フィルタなどの光波長基準を有しており、光波長基準
と、可変帯域阻止型光フィルタの反射光の波長が一致す
るように制御すると云った方法でもよい。
【0103】1つ目の段階としての以上の方法は、全く
システムが動いていない状態から、各子局が一斉に動き
始めるシステム立ち上げ時の方法である。システムが稼
働状態にあるときに新たに子局を立ち上げる時、また、
そのような状況が起こりうるシステムでは、新たに加わ
る子局が、他の子局の信号を妨害しないようにする必要
がある。例えば可変帯域阻止型光フィルタの阻止帯域の
中心、すなわち、最も透過率の小さい部分の透過率を
“0”にしない、すなわち、完全に阻止せずに、例え
ば、“0.1”〜“0.2”程度になっているものを使
用する。
【0104】その結果、新しく加わる子局の可変帯域阻
止型光フィルタ6が自局が変調すベきスペクトル線にロ
ックするまでに、他の子局が変調しているスペクトル線
を横切ったとしても、他の子局の信号は完全には消えな
い。
【0105】あるいは、子局を図12の如き構成にして
もよい。すなわち、図12において、6は可変帯域阻止
型光フィルタ、13は光サーキュレータ、21は光電変
換器、22は制御装置、28‐1,〜28‐4は光スイ
ッチ、29,30は光分岐結合器、31はバイパスファ
イバであり、可変帯域阻止型光フィルタ6の前段には光
サーキュレータ13が設けてある。光サーキュレータ1
3からの光は光電変換器21に入力され、電気信号に変
換されて制御装置22に入力される構成である。
【0106】制御装置22はこの電気信号の値や変動の
仕方、可変帯域阻止型光フィルタ6の駆動信号との関連
を調べて、データ信号対応に可変帯域阻止型光フィルタ
6を制御する。
【0107】可変帯域阻止型光フィルタ6は、櫛状波発
生器4からの櫛状波光線のうちの所要のスペクトル光に
対してデータ信号対応の変調を加えて制御局側へと出力
するものである。
【0108】光スイッチ28‐2は櫛状波発生器4から
の櫛状波光線をサーキュレータ13に入力するための経
路切り替え用のスイッチであり、光スイッチ28‐1は
櫛状波発生器4からの櫛状波光線をバイパス経路である
バイパスファイバ31に入力するための経路切り替え用
のスイッチであり、光スイッチ28‐4は可変帯域阻止
型光フィルタ6からの光を制御局8側へ出力するための
経路切り替え用のスイッチであり、光スイッチ28‐3
はバイパスファイバ31からの光を制御局8側へ出力す
るための経路切り替え用のスイッチである。光分岐結合
器29,30は、光路から光信号を光を適切な比率で2
分岐、あるいは、合流させるものである。
【0109】このような構成の子局5‐i(i=1,
2,3〜)は、櫛状波発生器4よりの櫛状波光は可変帯
域阻止型光フィルタ6を通る経路か、この経路を迂回し
て通り抜ける経路のいずれかを選択できる。
【0110】すなわち、バイパスファイバ31と光分岐
結合器29,30、さらに、光スイッチ28‐1、28
‐2、28‐3、28‐4を備えて、これらにより、櫛
状波発生器4よりの櫛状波光線は可変帯域阻止型光フィ
ルタ6を通る経路か、この経路を迂回して通り抜ける経
路のいずれかを選択できる構成となっている。
【0111】そして、子局5‐iが未使用の状態では、
光スイッチ28‐1、28‐3をオンに、光スイッチ2
8‐2、28‐4をオフにしておく。
【0112】子局5‐iを立ち上げる時には、光スイッ
チ28‐1、28‐3に加えて、まず、28‐2をオン
にし、可変帯域阻止型光フィルタ6に光を入力し、制御
装置22によって可変帯域阻止型光フィルタ6の阻止帯
域の波長を安定化する。阻止帯域の波長が定まったなら
ば、光スイッチ28‐4をオンにし、同時に光スイッチ
28‐3をオフにする。
【0113】このように制御することによって、他の子
局に影響を与えず、新たな子局の立ち上げができる。
【0114】あるいは、システム立ち上げ時に、稼働、
非稼働にかかわらずすべての子局の可変帯域阻止型光フ
ィルタの阻止帯域を安定化し、使用されていない子局で
も阻止帯域の波長制御は常に行うようにしても良い。 [第2段階]次に、2つ目の段階である、可変帯域阻止
型光フィルタの阻止帯域を特定の光スペクトル線の適切
な点に固定しておく方法を述べる。
【0115】送信信号がベースバンドデジタル信号の場
合は、データの“1”と“0”の光パワーの比、すなわ
ち消光比が大きいほど良好な伝送が可能となる。阻止帯
域で反射され、光サーキュレータ13で取り出された反
射光を光電変換器21により光電変換する。光電変換さ
れた反射光に乗っているデータは、送信する光信号に乗
っているデータの極性が反転したものである。
【0116】従って、反射光のデータの極性を検出し
て、変調が正しい極性でかけられているかどうか判断で
きる。極性は、可変帯域阻止型光フィルタ6の阻止帯域
の立ち下がりを使用するか、立ち上がりを使用するかで
反転する。間違った極性であることが検出されたなら
ば、可変帯域阻止型光フィルタ6の阻止帯域の立ち上が
り、立ち下がりのどちらを使用するかが間違っているの
で、正しい極性となるようにバイアス点を移動する。
【0117】次に、反射光に乗っているデータの“0”
と“1”の差を検出し、それが最大になるように可変帯
域阻止型光フィルタ6の阻止帯域の波長を制御する。最
大となるバイアス点が検出できたならば、その時の
“0”と“1”の差を記憶しておく。そこから、反射光
の平均値パワーが大きくなるように、すなわち、可変帯
域阻止型光フィルタ6で変調を受けた透過した光の
“0”レベルが小さくなる方向にバイアスを動かしてい
く。
【0118】バイアスを動かしていくと、反射光の
“0”と“1”のレベル差が徐々に小さくなって行く
が、ある点からはデータの一部が阻止領域の谷を越える
ため、反射光の“0”と“1”のレベル差が著しく小さ
くなる。“0”と“1”のレベル差が著しく小さくなる
点が検出されたら、著しく小さくなる前の点まで引き返
し、そこを最適点とする。
【0119】この時の反射光の平均パワーと、“0”と
“1”のレベル差および、反射光の平均パワーと“0”
と“1”のレベル差の比を記憶しておく。その後の制御
は、反射光の消光比が記憶した値と等しくなるよう制御
する。
【0120】このようにすると、櫛状波発生器4から送
られてくる櫛状波光線のパワーが少々変動しても対応で
きる。ただし、何かの不具合により、バイアス点が著し
くずれて、阻止帯域と変調スペクトルが重ならない状態
でも、最適点と同じ比が検出されてしまう可能性がある
ため、平均パワーおよび“0”と“1”のレベル差の絶
対値も記憶しておき、検出された絶対値が記憶された値
と著しく違わないことを随時確認すると良い。
【0121】以上の形態では、可変帯域阻止型光フィル
タ6の反射光を取り出すために、光サーキュレータ13
を使用した。しかし、パワーバジェットに余裕のある系
では光サーキュレータ13の代わりに、図9(b)のよ
うに方向性結合器(カップラ)23を使用するようにし
ても良い。逆方向の信号を取り出すためのコンポーネン
トとしては光サーキュレータ13の方が性能が良いが、
カップラ23の方が低価格で済む。
【0122】理想的な光サーキュレータでは、順方向に
進行する光に損失を与えず、逆方向に進行する光信号を
ほぼ全部メインの光ファイバから分離することができ
る。しかし、カップラは原理的に、順方向に進行する光
にも分岐損を与えてしまう。また、逆方向に進行する光
をほぼ全部分離することができず、大部分は、カップラ
を過ぎて、隣の子局、ひいては、櫛状波発生器4まで戻
ってしまう。隣の子局でも同様に可変帯域阻止型光フィ
ルタ6の反射光を用いて阻止帯域の波長制御を行ってい
るため、別の子局から逆流してきた信号が混入している
と、適切な制御ができない。
【0123】これを防ぐために、図13(a)に示す構
成のように、カップラ23の前に、逆流してきた光信号
を阻止するためのアイソレータ33を入れておくと良
い。また、前述のサーキュレータ13を用いた形態で
も、サーキュレータ13のアイソレーション能力が十分
でない場合は、図13(b)のように、サーキュレータ
13の前にアイソレータ33を入れると良い。
【0124】また、リング共振器型光フィルタ、ファブ
リ・ぺロー型光フィルタといった、周期性の阻止、透過
型光フィルタも特性次第では利用可能である。例えば、
阻止帯域、透過帯域の周期が十分大きく、隣の阻止帯域
あるいは透過帯域が、使用する櫛状波の波長の外にあ
り、さらに、使用する阻止帯域、透過帯域がデータの速
度で変調できるならば使用できる。
【0125】リング共振器型光フィルタは、周期阻止型
であるので、ブラッグ・グレーテイング型の場合と同様
に用いることができる。
【0126】一方、ファブリ・ペロー型光フィルタは周
期透過型であるが、実装の工夫で阻止帯域の光を入力ポ
ートに戻す構成とすることができ、反射光を出力光とす
れば、周期阻止型の光フィルタとして作用させることが
可能である。
【0127】従って、この場合、図14に示す構成のよ
うに、バスファイバ(光ファイバ)1に光サーキュレー
タ36を挿入し、光サーキュレータのポート37‐1に
可変ファブリ・ペロー型光フィルタ34を接続して用い
れば良い。
【0128】この構成の場合、櫛状波発生器4から伝搬
してきた櫛状波光線は光サーキュレータ36によって、
ポート37‐1から可変ファブリ・ぺロー型光フィルタ
34に入力する。特定のスペクトル線は可変ファブリ・
ぺロー型光フィルタ34により変調を受けて反射され、
他のスペクトル線はほぼ全反射されて、ポート37‐1
に戻ってくる。
【0129】戻ってきた信号は光サーキュレータ36に
よってポート37‐3に出力され、次の子局に送られ
る。ファブリ・ペロー型光フィルタの場合は、透過光に
のっているデータが、変調光の極性の反転したものとな
っている。
【0130】これを利用して、ブラッグ・グレーテイン
グ型光フィルタの場合と同様に、光フィルタの波長制御
を行うことができる。
【0131】本発明では、櫛状波発生器から送信されて
くる櫛状波の光スペクトル線の1つを適切に変調するよ
うに、可変帯域阻止型光フィルタの阻止帯域の波長を制
御する必要があり、そのために本実施形態では、可変帯
域阻止型光フィルタとして、阻止帯域の光を反射し、入
力ポートに戻す型のものを使用すると共に、可変帯域阻
止型光フィルタの入力ポート側に挿入した光サーキュレ
ータによって、可変帯域阻止型光フィルタで反射してき
た光を分離し、モニタ系に渡してモニタして、可変帯域
阻止型光フィルタを制御するようにした。
【0132】光サーキユレータは、反対方向に進行する
光を分離するに際し、分岐損失が発生しない。すなわ
ち、順方向に進む光にほぼ影響を与えず、逆方向に進む
光をほぼ全部分離することができる。
【0133】そして、可変帯域阻止型光フィルタの反射
光を光サーキュレータで分離することにより、可変帯域
阻止型光フィルタの阻止帯域で阻止された光を得ること
ができる。第1の実施形態のように、可変帯域阻止型光
フィルタの阻止帯域の波長をデータ信号で変調して、櫛
状波の特定の光スペクトル線にデータ変調を施す場合
は、反射光には阻止された光、すなわちデータの極性
が、可変帯域阻止型光フィルタで変調された光とは逆に
なっている光が出力される。可変帯域阻止型光フィルタ
では、変調を施すスペクトル線以外は透過するので、反
射光に含まれるのはその可変帯域阻止型光フィルタで変
調を受けたスペクトル線のみである。
【0134】従って、光サーキュレータで取り出された
反射光の波長、パワーや変調のかかり方(データ振幅の
大きさや変調波形、データの極性)などをモニタするこ
とによって、可変帯域阻止型光フィルタの阻止帯域が適
切な波長にあるかどうかが判断できるので、モニタしな
がら反射光が適切な状態になるように制御することによ
り、可変帯域阻止型光フィルタの阻止帯域波長の平均値
を適切な波長に固定できるようなる。
【0135】この結果、可変帯域阻止型光フィルタの阻
止帯域波長安定化のために、波長をモニタするための分
岐損がなく、変調をかけているスペクトル線のみを容易
に取り出してモニタでき、反射光が適切な状態になるよ
うに制御することで、可変帯域阻止型光フィルタの阻止
帯域波長の平均値を適切な波長に固定できるようなる。
従って、櫛状波発生器4から送信されてくる櫛状波の光
スペクトル線の1つを適切に変調できるようなる光通信
システムが提供できる。 (第3の実施形態)次に、可変帯域阻止型光フィルタの
阻止帯域波長安定化のために、波長をモニタするための
分岐損がなく、変調をかけているスペクトル線を容易に
取り出してモニタできるようにする別の例を第3の実施
形態として説明する。
【0136】図16に示す如きの方向性結合器40の途
中にグレーティング39を刻んだ構造のものは、図17
のように、阻止帯域の光を別ポートに出力する可変帯域
阻止型光フィルタ15として利用できる。
【0137】このような構造では、サーキュレータやカ
ップラ無しで、阻止帯域の光を取り出すことができる。
取り出した阻止帯域の光を利用して、図18のように、
可変帯域阻止型光フィルタ15の波長安定化を行うこと
ができる。手順は阻止帯域の光を反射するタイプのもの
と同様である。
【0138】このようなデバイスを用いることによっ
て、コンポーネントの数を減らすことができて、低コス
ト化につながり、さらに、過剰損失が減ってより良好な
伝送が可能となる。
【0139】以上、本発明の種々の実施形態を説明した
が、本発明は上述の実施形態に限定されるものではな
く、種々変形して実施可能である。
【0140】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、バ
ス型の光ファイバネットワークで、光源としてバスファ
イバの端部に設けた櫛状波発生器を用いる。光源が一カ
所で管理でき、櫛状波を用いるため、ビート雑音が発生
する心配がない。また、子局に半導体レーザなどの光源
がないため、半導体レーザの動作不安定の問題がない。
さらに、子局に使用する変調器が帯域阻止型の可変光フ
ィルタであるため、波長合分波器を用いたAdd/Dr
op等の複雑な構成が必要なく、システムが簡素化でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を説明するための図であって、本発明の
第1の実施形態を示すブロック図である。
【図2】本発明を説明するための図であって、本発明シ
ステムに用いられる櫛状波発生器の発生する櫛状波光線
について説明するためのスペクトル図である。
【図3】本発明を説明するための図であって、本発明シ
ステムに用いられる可変帯域阻止型光フィルタ6の波長
透過特性例を説明するための図である。
【図4】本発明を説明するための図であって、本発明シ
ステムに用いられる可変帯域阻止型光フィルタにおい
て、櫛状波光線の所望スペクトル線に対する送信データ
による変調の原理を説明するための図である。
【図5】本発明を説明するための図であって、本発明シ
ステムに用いられる櫛状波発生器としてレーザアレイを
フォトニックIC(光集積回路)状に構成したものを使
用した実施形態例を示す図である。
【図6】本発明を説明するための図であって、本発明シ
ステムに用いられる櫛状波発生器として温度安定化した
ファブリ・ペロー型半導体レーザ(FP‐LD)を使用
した実施形態例を示す図である。
【図7】本発明を説明するための図であって、FP‐L
Dを用いた櫛状波発生器4の要部構成例を示す図であ
る。
【図8】本発明を説明するための図であって、本発明シ
ステムで用いる可変帯域阻止型光フィルタの構成例を示
す図である。
【図9】本発明を説明するための図であって、反射光を
モニタして可変帯域阻止型光フィルタの阻止帯域波長の
安定化を図るようにした子局構成例を示す図である。
【図10】本発明を説明するための図であって、本発明
システムで用いる動可変帯域阻止型光フィルタの制御法
を説明するための図である。
【図11】本発明を説明するための図であって、本発明
システムで用いる動可変帯域阻止型光フィルタの制御法
を説明するための図である。
【図12】本発明を説明するための図であって、本発明
システムで用いる動可変帯域阻止型光フィルタの制御法
を説明するための図である。
【図13】本発明を説明するための図であって、本発明
システムで用いる別の子局構成例を示す図である。
【図14】本発明を説明するための図であって、ファブ
リ・ペロー型光フィルタを周期阻止型の光フィルタとし
て作用させる場合の例を示す図である。
【図15】本発明を説明するための図であって、光サー
キュレータ13の例を説明するための図である。
【図16】本発明を説明するための図であって、可変帯
域阻止型光フィルタの阻止帯域波長安定化のために、波
長をモニタする子局構成例を説明するための図である。
【図17】本発明を説明するための図であって、可変帯
域阻止型光フィルタの別の例を説明するための図であ
る。
【図18】本発明を説明するための図であって、本発明
の第3の実施形態における子局構成例を説明するための
図である。
【図19】本発明を説明するための図であって、本発明
システムに用いられる櫛状波発生器の発生する櫛状波光
線について説明するためのスペクトル図である。
【符号の説明】
1…光ファイバ 2,5,20,32,35,42…子局 3…制御局 4…櫛状波発生器 6,15…可変帯域阻止型光フィルタ 7…光スペクトル線 8…制御局 9…透過帯域 10…阻止帯域 11,26,27…光スペクトル線 12…可変帯域阻止型光フィルタの透過特性 13,36…光サーキュレータ 14,18…ポート 16…入力ポート 17…出力ポート 21…光電変換器 22…制御装置 23…カップラ 24…櫛状波発生部 25…変調器 28…光スイッチ 29,30…光分岐結合器 31…バイパスファイバ 33…アイソレータ 34…ファブリ・ぺロー型可変帯域阻止型光フィルタ 37…ポー卜 38,44,46…光導波路 39…グレーティング 40…方向性結合器 41…電極 43…レーザダイオード 45…光導波路合流部 47…基板 48…ファブリ・ペロー型半導体レーザ 49…温度制御装置 50,57…光アイソレータ 51…櫛状波発生器 52…光ネットワーク 53…光ファイバ 54…光モジュール 55…ぺルチェ素子 56…ファブリ・ペロー型半導体レーザチップ 58…レンズ 59…サーミスタ 60…光導波路 61…電極 62…端子 63…ブラッグ・グレーティング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04B 10/02 10/20 // H04L 12/40 Fターム(参考) 5F073 AB06 AB25 AB28 AB30 BA01 EA12 EA15 FA25 GA23 GA24 5K002 BA05 BA13 BA32 CA14 DA02 DA09 FA01 5K032 CA19 DA18 DB07

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の子局を光ファイバにバス状に接続す
    ると共に、前記光ファイバに前記複数の子局から送信さ
    れるデータ信号が光多重され、前記光ファイバの一端部
    に接続された受信装置に伝送されるようにした光通信シ
    ステムにおいて、 前記光ファイバの他端部に接続され、複数のスペクトル
    線が櫛状に配列する櫛状波光線を発生して当該光ファイ
    バに送出する櫛状波発生と、 各子局に設けられ、前記光ファイバにて伝送されてきた
    櫛状波光の少なくとも1本のスペクトル線に、阻止域を
    データ信号で変調することによりデータ変調を施して光
    ファイバの下流側に送出する可変帯域阻止型光フィルタ
    と、を備えることを特徴とする光通信システム。
  2. 【請求項2】前記可変帯域阻止型光フィルタは、阻止帯
    域の光を反射して、入力側に戻す構造を備えると共に、
    当該可変帯域阻止型光フィルタの反射光を導く手段と、
    この導かれた反射光をモニタして前記可変帯域阻止型光
    フィルタの阻止帯域波長の安定化制御を実施するモニタ
    手段とを備えることを特徴とする請求項1記載の光通信
    システム。
  3. 【請求項3】前記可変帯域阻止型光フィルタは、光を入
    力する入力ポートと、光を出力する第1及び第2の出力
    ポートとを備えるものであって、入力ポートから入力さ
    れた光のうち、透過帯域の光を第1の出力ポートに出力
    し、阻止帯域の光を第2の出力ポートに出力する形態の
    光フィルタであり、且つ、前記子局には前記第2の出力
    ポートの出力光をモニタして前記可変帯域阻止型光フィ
    ルタの阻止帯域波長の安定化を制御を行うモニタ手段を
    備えることを特徴とする請求項1記載の光通信システ
    ム。
  4. 【請求項4】温度安定化されたファブリ・ペロー型半導
    体レーザ素子を直流電流で駆動し、前記レーザの出力光
    を光アイソレータを通過させて得られた光を櫛状波光源
    として使用し、前記櫛状波光線の複数のスペクトル線の
    うち、少なくとも1つに、1つ以上の系列のデータ変調
    をかけることを特徴とする光通信システム。
  5. 【請求項5】櫛状波光源は、温度安定化されたファブリ
    ・ペロー型半導体レーザ素子を直流電流で駆動する構成
    とする共に、前記レーザ素子の出力光を光アイソレータ
    を透過させて得られた光を櫛状波光源とすることを特徴
    とする請求項1乃至3いずれか1項記載の光通信システ
    ム。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7593638B2 (en) 2003-10-02 2009-09-22 Olli-Pekka Pohjola Secure upstream transmission in passive optical networks
JP2012252099A (ja) * 2011-06-01 2012-12-20 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 光通信線路切替装置及びこの切替装置を用いた光通信線路切替方法

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