JP2000151013A - 光送受信集積素子 - Google Patents

光送受信集積素子

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JP2000151013A
JP2000151013A JP10323922A JP32392298A JP2000151013A JP 2000151013 A JP2000151013 A JP 2000151013A JP 10323922 A JP10323922 A JP 10323922A JP 32392298 A JP32392298 A JP 32392298A JP 2000151013 A JP2000151013 A JP 2000151013A
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face
film
laser
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JP10323922A
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English (en)
Inventor
Tomokazu Mukohara
智一 向原
Akihiko Kasukawa
秋彦 粕川
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Furukawa Electric Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンパクトで低コスト、かつ検出感度に優
れ、低消費電力の光送受信集積素子を提供する。 【解決手段】 半導体から成る共通基板2上に、半導体
レーザ構造4と、所定の波長の光を検出する受光構造6
が離間して配置され、半導体レーザ構造4はレーザの出
射端面4aとこれに平行な後端面4bを備え、受光構造
6の受光端面6aは後端面4bと対向し、出射端面4
a、後端面4b、及び受光端面6aには、上記した所定
の波長の光の反射率が最小である反射膜10、11が形
成され、反射膜10、11は、それぞれ異なる屈折率を
有する少なくとも2種類の誘電体膜を積層して成ってい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光集積回路に関し、
さらに詳しくは、半導体基板上に半導体レーザ構造と受
光構造が集積された光送受信集積素子に関する。
【0002】
【従来の技術】マルチメディア社会に向けて、光ファイ
バ通信網のさらなる大容量化、高機能化や低コスト化が
要求されている。特に、各家庭へ接続される末端の光フ
ァイバ網には、低コストで双方向伝送を可能とするため
の送受信用光デバイスが必要となっている。
【0003】このような要望に答えるため、共通基板上
に受信素子と光送信素子をモノリシックに集積した光集
積回路(PIC)が提案されている。この技術は、各素
子間をボンディングワイヤ等で接続する必要がなく、ま
た半導体製造技術を用いて基板上に直接素子を膜成長さ
せることができるため、デバイスのコンパクト化と低コ
スト化を達成できる。さらに、素子の小型化によって、
デバイスの消費電力の低減や信頼性向上を図ることもで
き、上記の用途に最適なものとして期待されている。
【0004】ところで、光ファイバを用いて双方向伝送
を行う際、伝送損失の少ない波長として、1.3μmと
1.55μmの光を使用することが考えられており、こ
の場合に用いる送受信デバイスとして、従来図7に示す
ものが提案されている(H. Nakajima et al., Electron
ics Lett., Vol.32, No.5, p.473, 1996)。このデバイ
スは、基板上にDFBレーザ100とフォトダイオード
102を形成して構成され、外部の光ファイバ110の
端面にDFBレーザ100が対向し、フォトダイオード
102と光ファイバ110の間にDFBレーザ100が
位置している。そして、DFBレーザ100は光ファイ
バ110に1.3μmの光を送信し、フォトダイオード
102は光ファイバ110から伝送される1.55μm
の光を検出している。
【0005】ここで、DFBレーザ100から発振され
る1.3μmの光はフォトダイオード102の方向へも
伝送され、その受光部で雑音として検出されてクロスト
ークを発生させる。そのため、DFBレーザ100とフ
ォトダイオード102の間には、レーザ光(1.3μ
m)の吸収領域104が介装されている。この吸収領域
104は半導体積層構造から成り、所定の逆バイアス電
圧が印加されて1.3μmの光を減衰させている。
【0006】このデバイスを用い、144Mb/sでレー
ザ発振光を変調して光ファイバに送信し、同時に光ファ
イバから伝送される155Mb/sの光信号をフォトダイ
オードで検出した場合、上記吸収領域の作用によってク
ロストークが低減され、受信感度は−21.5dBmに
向上することが示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たデバイスには次のような問題がある。まず、第1の問
題は、吸収領域を基板上に設置する分、デバイスのコン
パクト化が妨げられるとともに、この吸収領域にバイア
ス電圧を印加する必要があるため、デバイス全体の消費
電力が上昇するという問題である。
【0008】第2の問題は、このデバイスに用いるDF
Bレーザは高速変調が可能であるものの、素子の構造
上、端面での反射率を大きくすることができず、しきい
値電流が高くなってしまうという欠点があり(この従来
例ではしきい値電流値:約9mA、効率:0.19W/
A)、この点でもデバイスの消費電力の上昇を引き起こ
すことである。
【0009】本発明は、上記の先行技術における問題を
解決し、レーザ光の吸収領域を不要として素子のコンパ
クト化、低コスト化を図り、さらに、受光時のクロスト
ーク低減と検出感度の向上、及び消費電力の低減が可能
な光送受信集積素子の提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、請求項1に記載の本発明においては、半導体か
ら成る共通基板上に、半導体レーザ構造と、所定の波長
の光を検出する受光構造が離間して配置され、前記半導
体レーザ構造はレーザの出射端面とこれに平行な後端面
を備え、前記受光構造の受光端面は前記後端面と対向
し、前記出射端面、前記後端面、及び前記受光端面に
は、前記波長の光の反射率が最小である反射膜が形成さ
れ、前記反射膜は、それぞれ異なる屈折率を有する少な
くとも2種類の誘電体膜を積層して成ることを特徴とす
る光送受信集積素子が提供される。
【0011】好ましくは、請求項2に記載の発明のよう
に、反射膜は、屈折率n1の第1の誘電体膜と屈折率n2
の第2の誘電体膜を交互に積層して成り(但し、n1
2)、受光構造が検出する光の波長をλとしたとき、
前記第1の誘電体膜の膜厚はλ/(4n1)またはλ/
(2n1)であり、前記第2の誘電体膜の膜厚はλ/
(4n2)であることを特徴とする光送受信集積素子が
提供される。
【0012】
【作用】半導体レーザ構造の出射端面、後端面、及び受
光構造の受光端面に、受光構造が検出する光の波長の反
射率が最小となる反射膜が形成されているので、レーザ
発振光は各端面で反射されて受光構造に到達しなくなる
とともに、受光構造が検出する波長の光は各端面で反射
されずに受光部に入射し、クロストーク低減及び感度向
上が図られる。
【0013】また、レーザ素子内で発生した光は、レー
ザ構造の両端でこの反射膜によって多重反射されるの
で、レーザのしきい値電流の低減が図られる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
1及び図2に基づいて詳細に説明する。図1において、
本発明の光送受信集積素子1は、n型InP半導体から
成る共通基板2上に、間隔Gを有して半導体レーザ構造
4と受光構造6とを備え、さらに詳細は後述する反射膜
10、11を備えている。
【0015】半導体レーザ構造4はレーザの出射端面4
aとこれに平行な後端面4bを備え、受光構造6の受光
端面6aは後端面4bと対向している。基板2の端面と
出射端面4a、及び基板2の端面と受光端面6aに平行
な後端面6bはそれぞれ面一になっている。半導体レー
ザ構造4の活性層42、受光構造6の光吸収層62は、
素子1の外部に配置された光ファイバ20の光軸Aの延
長線上に配置され、半導体レーザ構造4から発振された
1.3μmの光は光ファイバ20に送信され、光ファイ
バ20から出射された1.55μmの光はフォトダイオ
ードである受光構造6によって検出される。
【0016】半導体レーザ構造4の素子構造は断面図2
に示すようになっていて、基板2上にn型InPから成
るクラッド層40が積層され、その上に歪み量子井戸構
造を有するInGaAsP活性層42とp型InPから
成るクラッド層44がこの順に積層されたストライプメ
サが形成されている。この活性層42は、それぞれIn
GaAsPから成る井戸層と障壁層が積層されて構成さ
れ、井戸層は不整合に成長しているため歪みを含んでい
る。また、ストライプの長手方向は光軸Aの方向と一致
している。前記ストライプメサ以外の基板2の上には、
p型InPから成るブロック層45がメサの高さより低
い高さに積層されている。さらにその上には、n型In
Pから成るブロック層46がメサと面一になるように積
層され、ストライプメサ及び上記ブロック層46の上に
は、p型InPから成るクラッド層47が積層されてい
る。さらに、その上にp型InGaAsから成るコンタ
クト層48が形成され、その上に図示しない電極が形成
されている。
【0017】受光構造6の素子構造は図1に示すように
なっていて、基板2上にn型InPから成るクラッド層
60が積層され、その上にはInGaAsから成る光吸
収層62が形成されている。この光吸収層62は、その
禁制帯幅に応じて所定の波長光を入射すると、光エネル
ギを電気信号に変換するという特性を有している。さら
にその上にはp型InPから成るクラッド層64が形成
され、該クラッド層64の上にはp型InGaAsから
成るコンタクト層68が形成され、その上に図示しない
電極が形成されている。
【0018】上記のレーザ構造4、受光構造6は、例え
ばMOCVD法やMOMBE法によって形成することが
でき、また、これらの間の間隔Gは、化学エッチングや
反応性イオンビームエッチング(RIBE)によって、
レーザ構造4と受光構造6の間に端面を形成して作製す
ることができる。次に、本発明の反射膜について詳細に
説明する。図1に示すように、レーザの出射端面4aに
は反射膜10が形成され、この反射膜は端面4aと面一
な基板2の端面まで延びている。一方、後端面4b及び
受光端面6aにはそれぞれ反射膜11が形成されてい
る。そして、後述するように、反射膜10及び11は受
光構造が検出する波長(=1.55μm)の光の反射率
が最小となるよう、それぞれ異なる屈折率を有する少な
くとも2種類の誘電体膜を適宜積層して成っている。
【0019】一般に、入射光の波長λ、膜の屈折率nに
対してλ/(4n)の膜厚を有する単層膜を用いると、
所定波長の光の反射率を低くすることが知られている。
この場合、波長λの光において、膜の表面で反射された
光と、膜と基板の界面で反射された光の位相が反対とな
るので、これらの光は打ち消され波長λの光の反射率が
低くなる。つまり、この光の透過率は高くなっている。
【0020】本発明では、所定波長の光の反射率を実質
的に0とする一方、他の波長の光の反射率をさらに高く
するため、このような単層膜ではなく、それぞれ異なる
屈折率を有する少なくとも2種類の誘電体膜を積層した
反射膜を用いている。但し、屈折率が同一な膜同士が隣
接すると、これらの膜は1つの膜として機能してしま
い、膜厚が変化することになるので、屈折率が同一な膜
が隣接しないように各誘電体膜を積層させる必要があ
る。
【0021】誘電体膜としては、例えば、屈折率n1
1.45を示すSiO2、n2=1.9を示すSiN、n
3=3.1を示すSiをそれぞれ用いることができる。
また、誘電体膜の形成は、例えば、プラズマCVD(以
下、「P−CVD」という)を用いて行うことができ
る。ここで、誘電体膜を積層する態様(組み合わせ)
は、必要とする膜の透過特性に応じて所定の計算を行う
ことによって求めることができるが、例えば、2種類の
誘電体膜を交互に積層すればよい。図3は、このような
構成を有する反射膜10、11を示している。
【0022】図3において、反射膜10は、屈折率n1
の第1の誘電体膜20と屈折率n2の第2の誘電体膜3
0が1層ずつ交互に積層されて成り(但し、n1
2)、反射膜11は、第1の誘電体膜20と第2の誘
電体膜30が3層ずつ交互に積層されて成っている。こ
のように、屈折率がn1及びn2の2種類の誘電体膜を用
いるのは、これらの膜を適宜組み合せることにより、波
長λの光のみ反射率を実質的に0とし、その他の波長光
を高反射率で反射させるためである。
【0023】ここで反射膜10において、第1の誘電体
膜20の膜厚はλ/(2n1)であり、第2の誘電体膜
30の膜厚はλ/(4n2)となっている。また、反射
膜11において、第1の誘電体膜20のうち中央に位置
する膜20aの膜厚はλ/(2n1)であり、外側に位
置する膜20b、20bの膜厚はそれぞれλ/(4
1)となっている。そして、第2の誘電体膜30の膜
厚はλ/(4n2)となっている。膜厚λ/(4n)の
膜を用いるのは、上述のように、波長λの光の反射率を
低下させるためであり、膜厚λ/(2n)の膜を用いる
のは、膜厚λ/(4n)の膜と適宜組み合せることによ
って、反射膜に所定の反射特性を付与するためである。
【0024】なお、反射膜10においては、出射端面4
a側に屈折率n1の誘電体膜20が成膜され、外側に屈
折率n2の誘電体膜30が成膜されている。また、同様
に、反射膜11においても、後端面4b(受光端面6
a)側に屈折率n1の誘電体膜20(20b)が成膜さ
れ、外側に屈折率n2の誘電体膜30が成膜されてい
る。このように、半導体の端面側に低屈折率(n1)の
膜を成膜し、外側に高屈折率(n2)の膜を成膜する
と、半導体の端面における受信光の反射率が低くなる一
方、レーザ発振光の反射率を高くすることが可能とな
る。
【0025】次に、これらの反射膜10、11の特性を
計算で求めた結果を図4に示す。屈折率n1=1.4
5、n2=1.9とした場合、1.55μmの光の反射
率は反射膜10、11ともに0%であるが、1.3μm
の光の反射率は、反射膜10では約34%に、反射膜1
1では約70%になっている、つまり、誘電体膜を適宜
組み合せて積層することにより、1.55μmの光の反
射率を0にするとともに、レーザ発振光(1.3μm)
の反射率を変えることができる。
【0026】
【実施例】実施例1 図1で示した素子構造を有する光送受信集積素子を、M
OCVDを用いて図5、図6に示す製造方法に従って製
造した。図5(a)で示したように、まず、n型InP
半導体から成る共通基板2を所定のMOCVD成長装置
のサセプタ上に設置し、基板温度を600℃程度に保持
する。
【0027】Inのソースとしてトリメチルインジウム
(TMI)を飽和蒸気として含んだキャリアガス
(H2)を、PのソースとしてPH3を用い、n型ドーパ
ントのソースとしてセレン化水素(H2Se)を用い、
n型InPから成るクラッド層60(40)を2μmの
膜厚で成長させる。そして、この上に、上述したInの
ソースに加えて、Gaのソースとしてトリメチルガリウ
ム(TMG)を飽和蒸気として含んだキャリアガス(H
2)を、AsのソースとしてAsH3を用い、InGaA
sから成る光吸収層62を3μmの膜厚で成長させる。
【0028】さらに、上述したInのソース、Pのソー
スに加えて、p型ドーパントのソースとしてジメチルジ
ンク(DMZ)を用い、p型InPから成るクラッド層
64を0.5μmの膜厚で成長させる。そして、クラッ
ド層64表面の所定領域にSiNから成るマスキングパ
ターンMを形成する。次に、クラッド層64から下層に
向かって反応性イオンビームエッチングを行い、パター
ンMを形成していない領域について、クラッド層60
(40)の表層に至るまでの深さの部分を除去する(図
5(b))。
【0029】そして、この部分に、上述したIn、G
a、As、及びPのソースを用い、InGaAsPから
成る(量子井戸型)活性層42を0.3μmの膜厚で成
長させる。その上に、クラッド層64と同様にしてp型
InPから成るクラッド層44を0.5μmの膜厚で成
長させる。さらにその上には、ストライプメサを形成さ
せる領域にSiNから成るマスキングパターンMを形成
する(図5(c))。
【0030】次に、クラッド層44から下層に向かって
反応性イオンビームエッチングを行い、パターンMを形
成していない領域について、基板2の表層に至るまでの
深さの部分を除去して、ストライプメサを形成する(図
5(d))。なお、このメサの高さは、クラッド層64
の表面より低くなっている。さらに、基板2の表出部分
に、クラッド層44と同様にしてp型InPから成るブ
ロック層45をクラッド層44の表面より低い高さに形
成し、その上に、クラッド層40と同様にしてn型In
Pから成るブロック層46をクラッド層44と面一に成
長させる。さらにその上に、クラッド層44と同様にし
てp型InPから成るクラッド層47をクラッド層64
と面一に2μmの膜厚で成長させる(図5(e))。
【0031】最後に、上述のIn、Ga、Asのソー
ス、及びp型ドーパントを用い、クラッド層47、64
の上に、p型InGaAsから成るコンタクト層48
(68)を0.3μmの膜厚で成長させる。このレーザ
構造と受光構造は、界面Sを介して接している。次に、
図6に示すように、レーザ構造と受光構造の間に間隔G
を形成し、各端面に反射膜10、11を成長させる。
【0032】まず、間隔Gを形成させる部分を除去す
る。すなわちレーザ構造と受光構造となる領域の最表面
にSiNから成るマスキングパターンMを形成し、CH
4/H2/Arから成るガスを用いて、最表面から下層に
向かって反応性イオンビームエッチングEを行い、基板
2の表層に至るまでの深さの部分を除去し、間隔Gを形
成する(図6(a))。そして、レーザ構造4をへき開
して出射端面4aを形成する。
【0033】次に、この素子をP−CVD装置に設置す
る。この際、レーザの出射端面4aと受光端面6aにS
i(記号F)が直接触れるよう、素子の上面はP−CV
D装置の電極と所定の角度をなしていて、これらの端面
に膜が成長できるようになっている。まず、N2Oとモ
ノシランの希釈体を用いてSiO2膜を端面に成膜し、
SiO2膜の上にN2とモノシランを用いてSiN膜を成
膜して、出射端面4aに反射膜10を形成する。次に、
2Oとモノシランの希釈体を用いてSiO2膜を成膜
し、SiO2膜の上にモノシランを用いてSi膜を成膜
する工程を3回繰り返し、受光端面6aに反射膜11を
形成する(図6(b))。
【0034】次いで、レーザの後端面4bにSi(記号
F)が直接触れるように素子の向きを変え、同様にして
後端面4bに反射膜11を成長させる。最後に図示しな
い電極をレーザ構造4及び受光構造6の最表面に形成す
る。このようにして得られた光送受信素子は、出射端面
4aには、図3(a)に示すように、SiO2から成る
第1の誘電体膜20とSiNから成る第2の誘電体膜3
0が1層ずつ交互に積層された反射膜10が形成されて
いる。一方、後端面4b及び受光端面6aには、図3
(b)に示すように、SiO2から成る第1の誘電体膜
20(20a、20b)とSiから成る第2の誘電体膜
30が3層ずつ交互に積層された反射膜11が形成され
ている。反射膜10における第1の誘電体膜20の膜厚
はλ/(2n1)、第2の誘電体膜30の膜厚はλ/
(4n2)である。また、反射膜11における第1の誘
電体膜20のうち、中央に位置する膜20aの膜厚はλ
/(2n1)、外側に位置する膜20b、20bの膜厚
はそれぞれλ/(4n1)であり、第2の誘電体膜30
の膜厚はλ/(4n2)である。
【0035】この場合、反射膜10において、1.55
μmの光の反射率は0%、1.3μmの光の反射率は約
34%であり、反射膜11においては、1.55μmの
光の反射率は0%、1.3μmの光の反射率は約97%
となっている。この素子は、レーザのしきい値電流が5
mAであり、検出感度は0.8W/Aとなっており、い
ずれの値も従来の素子に比べて優れたものとなった。
【0036】実施例2 実施例1と同様にして、誘電体膜30をSiNからSi
に代えて反射膜10を形成した。この反射膜10におい
ては、1.55μmの光の反射率は0%、1.3μmの
光の反射率は約90%となっている。この素子は、レー
ザのしきい値電流が2mAであり、検出感度は0.8W
/Aとなっており、いずれの値も従来の素子に比べて優
れたものとなった。
【0037】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よればレーザ光の吸収領域が不要となるので、従来の光
送受信素子に比べて素子のコンパクト化、低コスト化を
達成することができる。さらに、レーザの出射端面、後
端面、及び受光端面には、レーザ発振光を高い反射率で
反射する膜が形成され、レーザ光を次々に反射させるの
で、レーザ光は受光構造に入射せず、クロストークを防
止することができる。
【0038】また、この反射膜は受信光の反射率が低い
特性を有するため、受信光は各端面で反射されることな
く受光構造に入射し、検出感度を向上させることができ
る。さらに、この反射膜は、レーザ素子内で発生した光
をレーザの出射端面と後端面で多重反射させるので、レ
ーザのしきい値電流が低下し、素子の消費電力を低減さ
せることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光送受信素子の構造の一例を示す断面
図である。
【図2】図1のII−II線に沿う断面図である。
【図3】反射膜の構造の一例を示す部分拡大断面図であ
る。
【図4】反射膜の特性を示すグラフである。
【図5】本発明の光送受信素子の製造方法の一例を示す
工程図である。
【図6】本発明の光送受信素子に間隔Gと反射膜を形成
する方法の一例を示す工程図である。
【図7】従来の光送受信素子の構造を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1 光送受信素子 2 基板 4 レーザ構造 4a レーザの出射端面 4b 後端面 6 受光構造 6a 受光端面 10、11 反射膜 20 光ファイバ 40、44、60、64 クラッド層 42 活性層 62 光吸収層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H047 KA04 MA05 MA07 NA04 QA02 RA08 TA01 TA23 TA43 TA44 5F049 MA03 MB07 NA19 NB01 NB10 SZ01 SZ03 SZ04 SZ07 SZ08 WA01 5F073 AA22 AA83 AB21 BA01 CA12 CB02 CB20 DA05 DA25 EA29

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体から成る共通基板上に、半導体レ
    ーザ構造と、所定の波長の光を検出する受光構造が離間
    して配置され、 前記半導体レーザ構造はレーザの出射端面とこれに平行
    な後端面を備え、前記受光構造の受光端面は前記後端面
    と対向し、 前記出射端面、前記後端面、及び前記受光端面には、前
    記波長の光の反射率が最小である反射膜が形成され、 前記反射膜は、それぞれ異なる屈折率を有する少なくと
    も2種類の誘電体膜を積層して成ることを特徴とする光
    送受信集積素子。
  2. 【請求項2】 前記反射膜は、屈折率n1の第1の誘電
    体膜と屈折率n2の第2の誘電体膜を交互に積層して成
    り(但し、n1<n2)、受光構造が検出する光の波長を
    λとしたとき、 前記第1の誘電体膜の膜厚はλ/(4n1)またはλ/
    (2n1)であり、 前記第2の誘電体膜の膜厚はλ/(4n2)であること
    を特徴とする請求項1に記載の光送受信集積素子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002232069A (ja) * 2001-02-02 2002-08-16 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 光半導体装置の製造方法
JP2010068007A (ja) * 2004-12-20 2010-03-25 Sharp Corp 窒化物半導体レーザ素子
US7807954B2 (en) 2007-03-29 2010-10-05 Eudyna Devices Inc. Light receiving element with upper and side light receiving faces and an optical semiconductor module with the light receiving element and a light emitting element mounted on the same mounting unit

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