JP2000150142A - El素子の密封方法及び紫外線照射装置 - Google Patents

El素子の密封方法及び紫外線照射装置

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JP2000150142A
JP2000150142A JP10326802A JP32680298A JP2000150142A JP 2000150142 A JP2000150142 A JP 2000150142A JP 10326802 A JP10326802 A JP 10326802A JP 32680298 A JP32680298 A JP 32680298A JP 2000150142 A JP2000150142 A JP 2000150142A
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heat
heat ray
ultraviolet
sealing
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Hiroshi Toyama
浩 遠山
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】EL素子を、その性能を低下させることなく短
時間で容易に密封する。 【解決手段】 基体1の表面上に形成されたEL素子2
が被包部材3で被包され、その被包部材3により形成さ
れる封止部4に、紫外線を受けると硬化する接着剤5を
隙間なく設け、紫外線及び熱線が含まれる光を、紫外線
は透過させるが熱線は吸収する熱線吸収体30に通して
から接着剤5に照射し、接着剤5を硬化させて封止部4
を封止する。この密封方法では、熱線を熱線吸収体30
に吸収させることができるため、接着剤5及びその周辺
の部材が熱線で加熱されることを十分に抑制して、接着
剤5に紫外線を照射することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機EL素子など
のEL素子を密封する方法と、EL素子などの密封に用
いることができる紫外線照射装置とに関する。
【0002】
【従来の技術】EL素子は、陽極と陰極との間に発光体
が介設されてなる素子であり、その一種に、有機質の発
光体を備えた有機EL素子がある。有機EL素子の多く
では、第1電極層(陽極)、正孔輸送層、発光層、電子
輸送層及び第2電極層(陰極)の順に積層されて構成さ
れている。このような構成の有機EL素子は、発光特性
に優れるため、様々な種類の光表示装置に用いることが
検討されている。
【0003】しかし、EL素子を大気に曝して使用する
と、その発光層などの構成層が大気中の水分などと反応
して劣化してしまい、EL素子の性能が低下してしまう
恐れがある。実際に、有機EL素子において、発光層が
大気中の水分と反応して劣化し、発光特性が低下してし
まうことが確認されている。そこで、被包部材を用いて
EL素子を密封することがなされている。例えば、表面
上にEL素子が形成された透明基板と、該EL素子を被
包する被包部材とを用意し、不活性ガス中で透明基板と
被包部材とを重ね合わせた後、それらの接着面を接着剤
で隙間なく接着してEL素子を密封する方法が広く知ら
れている。このように不活性ガスとともに被包部材で密
封されたEL素子は、水分などEL素子を劣化させてし
まう物質に触れることがないため、その性能を長期間に
わたって低下させないようにすることができる。
【0004】さらに、特開平10−233283号公報
で開示されているように、透明基板と被包部材とを重ね
合わせる際、それらの接着面の隙間(封止部)に紫外線
の照射により硬化する接着剤を隙間なく設け、該接着剤
に紫外線を照射することにより、該接着剤を硬化させて
該透明基板及び該被包部材を互いに接着し、該EL素子
を密封する方法が知られている。
【0005】このEL素子の密封方法によれば、EL素
子を短時間で容易に密封することができる。それゆえ、
使用中に性能が低下することのないEL素子を容易に量
産することができるようになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記EL素子の密封方
法では、従来より、アーク放電の長い管式ランプに水銀
蒸気を封入した紫外線ランプなど、紫外線が含まれる光
を発することのできる光源が用いられ、その光源から発
せられた光が封止部に設けられた接着剤に照射されてい
る。その結果、接着剤が光に含まれる紫外線により硬化
して、透明基板と被包部材とが強固に接合されるととも
に、それらの接着面が封止されてEL素子が密封され
る。
【0007】先に挙げた紫外線ランプは、紫外線が含ま
れる光を容易に発することができる反面、熱線も同時に
発する。このように紫外線だけでなく熱線も含まれる光
を接着剤に照射すると、接着剤及びその周辺の部材が熱
線で加熱され、その加熱による熱は、基体を介して伝導
されるなどしてEL素子に伝えられる。このときEL素
子に伝えられる熱の量が多いと、EL素子が熱で劣化し
てしまい、その性能が低下してしまう。
【0008】本発明は上記実情に鑑みてなされたもので
あり、EL素子を、その性能を低下させることなく短時
間で容易に密封することができるEL素子の密封方法を
提供することを課題とする。また、紫外線が含まれ、か
つ熱線の含有量が少なくされた光を被照射体に照射する
ことのできる紫外線照射装置を提供することも課題とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決する本発
明の請求項1に記載のEL素子の密封方法は、基体の表
面上に形成されたEL素子が被包部材で被包され、該被
包部材により形成される封止部に、紫外線を受けると硬
化する接着剤が隙間なく設けられた状態として、該接着
剤に紫外線を照射して該接着剤を硬化させることによ
り、該封止部を封止して該EL素子を密封するEL素子
の密封方法であって、前記紫外線及び熱線が含まれる光
を、該紫外線は透過させるが該熱線は吸収する熱線吸収
体に通してから前記接着剤に照射することを特徴とす
る。
【0010】前記課題を解決する本発明の請求項2に記
載のEL素子の密封方法は、請求項1に記載のEL素子
の密封方法において、前記熱線吸収体は液体状にあって
槽の中に保持され、該槽と冷却手段との間で循環されて
いることを特徴とする。前記課題を解決する本発明の請
求項3に記載の紫外線照射装置法は、紫外線及び熱線が
含まれる光を発する光源と、該紫外線は透過させるが該
熱線は吸収する熱線吸収体とを備え、該光源から発せら
れた光を、該紫外線は透過させるが該熱線は吸収する熱
線吸収体に通してから被照射体に照射することを特徴と
する。
【0011】
【発明の実施の形態】本EL素子の密封方法では、先
ず、基体の表面上に形成されたEL素子が被包部材で被
包され、該被包部材により形成される封止部に、紫外線
の照射により硬化する接着剤が隙間なく設けられたもの
を用意する。被包部材でEL素子を被包する方法とし
て、例えば次の2つの方法を挙げることができる。
【0012】一つは、先述したように、表面上にEL素
子が形成された基体と、該EL素子を被包できる被包部
材とを用意し、それらを重ね合わせてEL素子を被包す
る方法である。この方法では、基体の接着面と被包部材
の接着面との間に形成される隙間が封止部となる。接着
剤は、基体及び被包部材を重ね合わせる前にあらかじめ
基体及び被包部材の少なくとも一方の接着面に塗布して
おいて設けてもよいし、それらを重ね合わせた後に封止
部に設けてもよい。
【0013】もう一つは、基体の表面上に形成されたE
L素子を、基体もろとも被包部材で被包する方法であ
る。この方法では、被包部材の繋ぎ目が封止部となる。
接着剤は、EL素子が被包される前にあらかじめ被包部
材の繋ぎ目に塗布しておいて設けてもよいし、EL素子
が被包された後に封止部に設けてもよい。次いで、適当
な光源を用いて紫外線及び熱線が含まれる光を発し、そ
の光を紫外線は透過させるが熱線は吸収する熱線吸収体
に通してから封止部の接着剤に照射する。紫外線及び熱
線が含まれる光を熱線吸収体に通したとき、その光に含
まれる紫外線は透過するが、熱線は熱線吸収体に吸収さ
れる。このように、熱線吸収体を透過した紫外線を含
み、かつ熱線の含有量が少なくされた光を封止部の接着
剤に照射することにより、接着剤及びその周辺の部材が
熱線で加熱されることを抑制して、接着剤をその紫外線
で硬化させることができる。こうして硬化した接着剤に
より封止部が封止され、EL素子が密封される。
【0014】基体の材質および形状は特に限定されるも
のではない。一般的に、基体には透明基板が用いられて
おり、EL素子で発光した光はその透明基板を透過させ
て放光されているが、不透明な基体を用いて、基体の反
対側の方向にEL素子で発光した光を放光させてもよ
い。EL素子についても、その構成で特に限定されるも
のではなく、公知の構成とすることができるが、次の構
成形態とすることができる。
【0015】第1電極層及び第2電極層については、発
光層で発光した光を透明な基体を透過させて放光させる
場合には、第1電極層を透明な電極層とする必要があ
る。一方、基体の反対側の方向にEL素子で発光した光
を放光させる場合には、第2電極層を透明な電極層とす
る必要がある。透明な電極層の材料としては、ITO、
AZO(Al添加ZnO)、SnO2などが挙げられ
る。これらの材料からなる電極層は、スパッタリング法
などによって形成することができる。一方、特に、透明
な電極層を用いない場合、その不透明な電極層について
は、Mg−Ag合金、Alなどの導電性金属から形成す
ることができる。なお、発光層が熱に弱い場合、スパッ
タリング法など高温が作用する成膜方法は第2電極層の
形成方法には適さない。従って、この場合の第2電極層
の形成方法には、蒸着法など、高温が発光層に作用する
ことのない成膜方法を用いることが好ましい。
【0016】発光層は無機材料から形成してもよいし、
有機材料から形成してもよい。発光層を有機材料から形
成する場合(有機EL素子)には、第1電極層と発光層
との間に正孔輸送層などを形成するとともに、発光層と
第2電極層との間に電子輸送層などを形成することが好
ましい。いずれの層も公知の材料から形成することがで
きる。
【0017】例えば、正孔輸送層は、トリフェニルジア
ミン誘導体などの第3級アミン誘導体や、MTDAT
A、ヒドラゾンなどより形成することができる。有機質
の発光層は、トリスキノリノアルミニム錯体(Al
3)や、キナクリドン、ルブレン等のドーパントを含
有したAlq3などより形成することができる。電子輸
送層は、Alq3、Bebq2、オキサジアゾール誘導体
などより形成することができる。これら各有機材料から
なる層は、真空蒸着法、ディップコーティング法、スピ
ンコーティング法、有機分子線エピタキシ法などの成膜
方法を用いて形成することができる。
【0018】被包部材としては、EL素子を被包するこ
とができれば形状などで特に限定されないが、例えば、
基体と被包部材とを重ね合わせてEL素子を被包する場
合には、一面に開口をもつ箱状のものを用いることがで
きる。このとき、被包部材の開口の周縁部に突出部を形
成すれば、接着面を広く設けることができる。被包部材
の材質についても特に限定されるものではないが、従来
と同様にステンレスなどを用いることができる。
【0019】ところで、EL素子と被包部材との間に空
間部(密閉空間)を設けてもよいし、EL素子と被包部
材とを完全に密着させてもよい。前者のように空間部を
設ける場合には、空間部に窒素ガスなどの不活性ガスを
充填することが好ましい。接着剤は、紫外線の照射によ
り硬化するものであれば特に限定されるものではない
が、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、変性アクリ
レート樹脂を挙げることができる。
【0020】紫外線及び熱線が含まれる光を発する光源
は特に限定されるものではなく、先に例示した紫外線ラ
ンプなど公知の光源を用いることができる。また、その
光源で発する光は、紫外線及び熱線の含有量でも特に限
定されるものではないが、紫外線を多く含むことが好ま
しい。先に例示した紫外線ランプは、このように紫外線
を多く含む光を容易に発することができる。
【0021】熱線吸収体の材質及び形態、並びにその使
用量(光が通される距離)は、特に限定されるものでは
ないが、光源から発せられた光に含まれる熱線を十分に
吸収できるようにそれぞれ適切に選択する。熱線吸収体
の材料としては、例えば、純水、フッ素系不活性液体、
シリコンオイル、ハイドロフルオロエーテル、フロンな
どを挙げることができる。特に、フッ素系不活性液体及
びシリコンオイルは、熱容量が大きい上に、不活性でか
つ耐熱性に優れるため好ましい材料である。なお、熱線
吸収体は、液体状にあるものに限定されるものではな
く、気体状にあるものや、固体状にあるものを用いても
よい。
【0022】以上のように、本EL素子の密封方法によ
れば、紫外線及び熱線が含まれる光を発する光源を用い
ても、その光に含まれる熱線を熱線吸収体で十分に吸収
させれば、接着剤及びその周辺の部材が熱線で加熱され
ることを十分に抑制して、接着剤に紫外線を照射するこ
とができる。それゆえ、熱線によるEL素子の劣化を十
分に防止して、EL素子を短時間で容易に密封すること
ができる。従って、優れた性能をもち、かつその性能が
使用中に低下することのないEL素子を容易に量産する
ことができるようになる。 (請求項2に記載のEL素子の密封方法)本EL素子の
密封方法では、液体状の熱線吸収体(以下、熱線吸収液
と呼ぶことにする)を槽の中で保持して、槽と冷却手段
との間で循環させるため、熱線を吸収して昇温した熱線
吸収液を冷却手段で冷却して槽の中に戻すことができ
る。従って、熱線吸収液の熱線の吸収効率を極めて高く
することができる。それゆえ、熱線による接着剤及びそ
の周辺の部材の加熱を極めて効果的に抑制することがで
きる。
【0023】熱線吸収液には、その材質で特に限定され
るものではないが、請求項1に記載のEL素子の密封方
法の説明で挙げた熱線吸収体のうち、常温で液体状にあ
るものを用いることが好ましい。特に、フッ素系不活性
液体及びシリコンオイルは、熱容量が大きい上に、不活
性でかつ耐熱性に優れるため、好ましい熱線吸収液であ
る。
【0024】槽の材料には、紫外線の透過性が高く、か
つ耐熱性があり、膨張率の低い材料を用いることが好ま
しい。こうした材料として、石英ガラスや、硬質ガラ
ス、低膨張ガラス、ほう珪酸ガラスなどを挙げることが
できる。これらの材料の中でも、石英ガラスは、特に紫
外線の透過性及び耐熱性に優れ、膨張率の極めて低い材
料である。こうした石英ガラスに対し、他に挙げたガラ
ス材料は比較的安価である点で優れる。また、槽の容積
(光が通される距離)は、光源から発せられる光に含ま
れる熱線の量や、熱線吸収体の種類などを考慮して適切
に選択する。
【0025】冷却手段としては、冷却槽の冷媒中に通さ
れた冷却管を用いることができる。この冷却手段では、
循環ポンプが取り付けられた冷却管を槽に接続し、その
循環ポンプで熱線吸収液を槽と冷却手段との間で循環さ
せることができる。以上のように、本EL素子の密封方
法によれば、熱線による接着剤及びその周辺の部材の加
熱を極めて効果的に抑制して、接着剤に紫外線を照射す
ることができる。それゆえ、熱線によるEL素子の劣化
をさらに確実に防止して、EL素子を容易に密封するこ
とができる。従って、使用中に性能が低下することのな
いEL素子をさらに歩留りよく量産することができるよ
うになる。 (請求項3に記載の紫外線照射装置)本紫外線照射装置
では、光源で発せられた紫外線及び熱線が含まれる光
が、熱線吸収体に通されて被照射体に照射される。紫外
線及び熱線が含まれる光が熱線吸収体に通されたとき、
その光に含まれる紫外線は熱線吸収体を透過するが、熱
線は熱線吸収体に吸収される。それゆえ、本紫外線照射
装置は、紫外線が含まれ、かつ熱線の含有量が少なくさ
れた光を被照射体に照射することができる。
【0026】光源は、紫外線及び熱線が含まれる光を発
することの他は特に限定されるものではなく、可視光な
どが含まれる光を発するものであってもよい。また、そ
の発せられた光は、含まれる紫外線及び熱線の含有量で
も特に限定されるものではないが、紫外線を多く含むこ
とが好ましい。先に例示した紫外線ランプは、このよう
な光を容易に発することができる上、安価に作製するこ
とができる。
【0027】一方、熱線吸収体には、その材質で特に限
定されるものではないが、請求項1に記載のEL素子の
密封方法の説明で挙げた熱線吸収体を用いることができ
る。特に、請求項2に記載のEL素子の密封方法で説明
したように、熱線吸収液を用い、槽の中で保持して、槽
と冷却手段との間で循環させれば、熱線吸収液の熱線の
吸収効率を極めて高くすることができる。
【0028】以上のように、本紫外線照射装置によれ
ば、光源で発せられた光に含まれる熱線を熱線吸収体に
十分に吸収させ、かつその光に含まれる紫外線を熱線吸
収体を十分に透過させることにより、被照射体に照射さ
れる熱線の量を十分に少なくして、その被照射体に十分
な量の紫外線を照射することができる。こうして熱線の
量を十分に少なくした光を被照射体に照射すれば、熱線
で被照射体が加熱されることを十分に抑制することがで
きる。
【0029】本紫外線照射装置の用途は特に限定される
ものではないが、例えば、請求項1及び請求項2のいず
れかに記載のEL素子の密封方法において、紫外線及び
熱線が含まれる光を、紫外線は透過させるが熱線は吸収
する熱線吸収体に通してから接着剤に照射する手段とし
て用いることができる。
【0030】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。 (実施例1)先ず、基体として透明なガラス基板を用意
し、そのガラス基板上に、ITOよりなる透明な第1電
極層(陽極)、MTDATAよりなる正孔輸送層、TP
Dよりなる有機質の発光層、Bebq2よりなる電子輸
送層、及びMg−Ag合金よりなる第2電極層(陰極)
が順に積層されてなる有機EL素子を形成した。なお、
それらの有機EL素子の各層は、真空蒸着法によりそれ
ぞれ所定の厚さで形成した。
【0031】また、被包部材としては、一面に開口をも
つ箱状のステンレス(SUS)よりなる被包部材を用意
した。この被包部材は、有機EL素子が形成された基体
に重ね合わせられたときに、その有機EL素子との間に
空間部を形成するものであり、その開口の周縁に透明基
板との接着面をもつ突出部が形成されているものであ
る。
【0032】以上のように用意されたガラス基板及び被
包部材の少なくとも一方の接着面に、紫外線を受けると
硬化する接着剤を塗布し、それらの接着面の間(封止
部)に隙間なく接着剤が介在するようにして、窒素ガス
の雰囲気中でガラス基板及び被包部材の接着面を重ね合
わせた。こうして、図1に示すように、ガラス基板1の
表面上に形成された有機EL素子2が被包部材3で被包
され、その被包部材3により形成される封止部4に、紫
外線を受けると硬化する接着剤5が隙間なく設けられた
もの(被照射体10)を形成した。
【0033】次いで、図2に示すように、紫外線及び熱
線が含まれる光を発する紫外線ランプ20と、紫外線は
透過させるが熱線は吸収する熱線吸収液30が保持され
た槽32と、被照射体を支持する固定治具40とを備
え、その紫外線ランプ20から発せられた光を熱線吸収
液30が保持された槽32に通してから、固定治具40
に支持された被照射体10に照射する紫外線照射装置を
用意した。
【0034】なお、熱線吸収液30には、オレフィンの
水素をフッ素に置換した化合物よりなるフッ素系不活性
液体(3M社製;フロリナート)を用いた。また、熱線
吸収液30が保持された槽32には、石英ガラスからな
るものを用いた。この紫外線照射装置では、冷却槽50
の冷媒52中に通された冷却管54が槽32に取り付け
られており、槽32の中の熱線吸収液30を、循環ポン
プ56で冷却管54を循環させて冷却することができ
る。
【0035】先に形成された被照射体10を固定治具4
0で固定した後、槽32の中の熱線吸収液30を循環ポ
ンプ56で冷却管54を循環させながら、紫外線ランプ
20で紫外線及び熱線が含まれる光を発し、その光を熱
線吸収液30が保持された槽32に通して、被照射体1
0の封止部4に設けられた接着剤5に照射した。なお、
ここでは有機EL素子2をマスク58で遮蔽して、槽3
2を通された光を接着剤5に照射した。その結果、封止
部4の接着剤5及びその周辺部が熱線で加熱されること
なく、接着剤5が硬化し、封止4部がその接着剤5で封
止され、有機EL素子2が密封された。
【0036】こうして密封された有機EL素子2の性能
を調べたところ、その性能は低下していないことがわか
った。その大きな理由として、紫外線ランプ20から発
せられた光に含まれる熱線による有機EL素子2の劣化
が効果的に防止されたことが考えられる。以上のよう
に、本実施例のEL素子の密封方法によって、有機EL
素子2を、その性能を低下させることなく短時間で容易
に密封することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施例で形成した被照射体を概略的に示す
縦断面図である。
【図2】 本実施例で使用した紫外線照射装置を概略的
に示す縦断面図である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体の表面上に形成されたEL素子が被
    包部材で被包され、該被包部材により形成される封止部
    に、紫外線を受けると硬化する接着剤が隙間なく設けら
    れた状態として、該接着剤に紫外線を照射して該接着剤
    を硬化させることにより、該封止部を封止して該EL素
    子を密封するEL素子の密封方法であって、 前記紫外線及び熱線が含まれる光を、該紫外線は透過さ
    せるが該熱線は吸収する熱線吸収体に通してから前記接
    着剤に照射することを特徴とするEL素子の密封方法。
  2. 【請求項2】 前記熱線吸収体は液体状にあって槽の中
    に保持され、該槽と冷却手段との間で循環されている請
    求項1に記載のEL素子の密封方法。
  3. 【請求項3】 紫外線及び熱線が含まれる光を発する光
    源と、該紫外線は透過させるが該熱線は吸収する熱線吸
    収体とを備え、該光源から発せられた光を、該紫外線は
    透過させるが該熱線は吸収する熱線吸収体に通してから
    被照射体に照射することを特徴とする紫外線照射装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011210831A (ja) * 2010-03-29 2011-10-20 Kyocera Kinseki Corp 封止装置
JP2014525647A (ja) * 2011-08-10 2014-09-29 ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ エネルギー遮断層を有する有機発光ダイオードパッケージ

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