JP2000149858A - 光電管 - Google Patents

光電管

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JP2000149858A
JP2000149858A JP31922198A JP31922198A JP2000149858A JP 2000149858 A JP2000149858 A JP 2000149858A JP 31922198 A JP31922198 A JP 31922198A JP 31922198 A JP31922198 A JP 31922198A JP 2000149858 A JP2000149858 A JP 2000149858A
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light incident
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JP31922198A
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Hidehiro Kume
英浩 久米
Kazuyoshi Okano
和芳 岡野
Shinji Suzuki
伸治 鈴木
Yukihiro Isobe
幸弘 磯部
Hiroyuki Hanai
博之 花井
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Hamamatsu Photonics KK
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Hamamatsu Photonics KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 十分なリニアリティ特性、COSθに依存し
た十分な角度特性を得、低コスト化も図る。 【解決手段】 光入射面板2に対して光電面5を近接配
置し、光入射面板2に斜めに入射した光の光電面5への
到達率を、光入射面板2に光電面5を離間した従来より
向上するように構成すると共に、光入射面板2と光電面
5との間に設けた光電子収集電極10に加えて、光入射
面板2の光出射面に透光性導電膜9を設け当該透光性導
電膜9も陽極にして光電子収集電極10と同電位とし、
光電子収集電極10の光入射面板2側に、当該光電子収
集電極10と光電子収集条件を略同じとした透光性導電
膜9が存在するようにして、光電面5からの光電子を、
電極10及び導電膜9の両方に良好に収集し得るように
構成し、加えて電極10及び導電膜9を同電位とし、配
線等の構成を簡易とするように構成して成るもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光電管に関する。
【0002】
【従来の技術】光電面(光電陰極)に入射した光を光電
子に変換し、これを陽極から取り出す光電管としては、
透過型光電面を有するものや、反射型光電面を有するも
のが知られている。
【0003】この種の光電管では、微弱光から大光量ま
で検出するため、良好なリニアリティ特性を有すること
が要求される。一般的に、リニアリティ特性は、透過型
光電面を有する光電管に比して反射型光電面を有する光
電管の方が、特に大光量を検出する場合に優れているた
め、例えば紫外光等を照射する光源のパワーモニタ用
(パワーメータ)として用いる場合には、反射型光電面
を有する光電管が用いられる。
【0004】この反射型光電面を有する光電管の一種と
して、例えば特公昭60−30061号公報に記載のバ
イプレーナ型光電管が知られている。このバイプレーナ
型光電管では、内部が真空封止される筐体を備える。こ
の筐体の一端面は透光性の光入射面板(ガラス板)によ
り塞がれ、この筐体内部には、陰極電位が印加される光
電面が上記光入射面板に離間して対向配置されると共
に、陽極電位が印加される網状の光電子収集電極が光電
面と光入射面板との間に対向配置される。そして、光入
射面板を透過し、網状の光電子収集電極の隙間を通過し
た光が光電面に入射すると光電子が発生し、この光電子
が当該光電子収集電極に収集される構成になされてい
る。
【0005】このバイプレーナ型光電管を、前述した光
源のパワーモニタ用として用いる場合には、あらゆる方
向からの光を正確にモニタする必要がある。ここで、入
射光量は、入射光が光電面に垂直に入射する場合を
“1”とすると、当該垂直に対して角度θをもって斜め
に入射する場合には“COSθ”に準じて減衰する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この光入射面板に斜め
に入射した光が光電面に入射してCOSθに依存した出
力を得る、すなわち満足のいく角度特性を得るには、光
入射面板に対して光電面を離間せずに近接配置して、光
入射面板に斜めに入射した光を光電面に当てる必要があ
る。
【0007】このように光入射面板に対して光電面を近
接配置すると、光電面からの光電子が全部光電子収集電
極で収集されずに当該光電子収集電極の隙間を通過して
光入射面板を帯電させ、この帯電した光入射面板が作る
電界の影響により光電面からの光電子が光電子収集電極
で収集され難くなり、十分なリニアリティ特性を得るこ
とができないという問題を本発明者は見出した。
【0008】本発明は、このような課題を解決するため
になされたものであり、十分な角度特性及びリニアリテ
ィ特性を得ることができる光電管を提供することを目的
とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明による光電管は、
内部が真空封止された容器と、この容器の一端面に配置
された透光性の光入射面板と、この容器の内部に配置さ
れ、上記光入射面板を介して入射する光を光電変換して
光電子を発生する光電面及びこの光電面から放出された
光電子を収集する陽極と、を備えた光電管において、光
入射面板と光電面とを近接配置し、光入射面板の光出射
面に透光性導電膜を設けると共に、この透光性導電膜と
上記光電面との間に、光入射面板の透過光が通過する隙
間を備えた光電子収集電極を設け、この光電子収集電極
及び透光性導電膜を上記陽極として同電位としたことを
特徴としている。
【0010】このように構成された光電管によれば、光
入射面板に対して光電面が近接配置されるため、光入射
面板に斜めに入射した光の光電面への到達率が、光入射
面板に対して光電面が離間配置された従来技術に比して
向上される。この時、光入射面板と光電面との間に設け
られた光電子収集電極に加えて、光入射面板の光出射面
に透光性導電膜が設けられ当該透光性導電膜も陽極にさ
れて光電子収集電極と同電位にされているため、光電子
収集電極の光入射面板側に、当該光電子収集電極と光電
子収集条件が略同じにされた透光性導電膜が存在するこ
とになり、光電面からの光電子は、光電子収集電極及び
透光性導電膜の両方に良好に収集されるようになる。ま
た、光電子収集電極及び透光性導電膜は、同電位にされ
ているため、配線等の構成が簡易にされている。
【0011】ここで、上記容器を導電性容器とし、この
導電性容器を光電子収集電極及び透光性導電膜と共に陽
極として同電位とするのが好ましい。
【0012】このような構成を採用した場合、光電子収
集電極及び透光性導電膜に収集されない極く僅かの光電
子が導電性容器に収集される。また、導電性容器、光電
子収集電極及び透光性導電膜の全てが同電位にされてい
るため、配線等の構成が一層簡易にされる。
【0013】また、光電子収集電極としては、具体的に
は、例えば格子状のものが採用され得る。
【0014】また、透光性導電膜としては、具体的に
は、例えばCr薄膜層が採用され得る。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る光電管の好適
な実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
なお、各図において、同一の要素には同一の符号を付
し、重複する説明は省略する。
【0016】図1は、第1実施形態に係る光電管を示す
断面図であり、この光電管は、例えば紫外光を照射する
光源のパワーモニタ用(照度計)として用いられる。
【0017】この光電管は、両端が開口された円筒形状
を成す金属バルブ1を備える。この金属バルブ1は、金
属容器(導電性容器)の側管を構成しており、一方の開
口面(図示上側の開口面)には、当該金属バルブ1の軸
線に向かって内方に突出する環状のフランジ1aが形成
され、このフランジ1aに円板状の光入射面板2が例え
ば融着により接合されることで、金属バルブ1の一方の
開口面が塞がれている。この光入射面板2は、透光性の
ガラス材料から成り、本実施形態では、紫外光で変色し
て光透過率が下がるのを防止すべく、特に石英ガラスよ
り成る。
【0018】この光入射面板2の光入射面(図示上面)
には、当該光入射面板2の光透過部を小さく制限し後述
の光電面5より小さく制限する例えばニッケルやステン
レス等より成る金属マスク8が設けられている。この金
属マスク8は、円板の中央に穴を開口して成り、光入射
面板2の光入射面に例えば貼着により設けられている。
【0019】光入射面板2の光出射面(図示下面)に
は、透光性導電膜としての例えばクロム薄膜層9が、例
えば蒸着等により設けられている。
【0020】このクロム薄膜層9に離間して、光電子収
集電極としての例えばメッシュ状(格子状)電極10が
対向配置される。このメッシュ状電極は、例えばニッケ
ル等より成る。これらのメッシュ状電極10、クロム薄
膜層9及び金属バルブ1のフランジ1aは電気的に接触
しており、同電位にされている。
【0021】また、金属バルブ1の他方の開口面には、
金属容器の底部を構成する円板状の金属ステム3が、例
えば抵抗溶接等により接合されている。この金属ステム
3及び金属バルブ1は、例えば鉄、コバルト、ニッケル
の合金(コバール)等から成り、ガラス材料と溶着しや
すい性質を備えている。この金属ステム3により、金属
バルブ1の他方の開口面が塞がれ、金属ステム3の中央
部に設けられた金属排気管4から金属容器内部が真空排
気されることにより、当該金属容器内部が真空状態に維
持されている。この金属排気管4は、真空排気後、図に
仮想線で示すように、一定長を残して封止切られる。ま
た、これらの金属バルブ1及び金属ステム3は電気的に
接触しており、同電位にされている。
【0022】金属容器内部の光入射面板2に対向する位
置には、その表面に光電子放出層が形成された円板状の
光電面5が近接配置されている。ここで、当該光電面5
は、十分な角度特性を得るべく、出来るだけ光入射面板
2に接近配置されるのが望ましい。しかしながら、光入
射面板2との間にはメッシュ状電極10が配置されこの
メッシュ状電極10の取付誤差等も考慮しなければなら
ず、従って、光電面5は、メッシュ状電極10に接触し
ない程度の間隙を有すると共に、金属マスク8により小
さく制限された光入射面板2の光透過部を透過した斜め
入射光を殆ど受光し得るような近接具合で配置される。
【0023】この光電面5の裏面には、その周端部に複
数本のリードピン6が等配配置されて例えば溶接等によ
り固定されている。このリードピン6は、例えば銅線等
の導電性材料より成り、電気的に絶縁性を有する例えば
ハーメチックガラス7等を介して金属ステム3に固定さ
れ、その端部は金属ステム3より外方すなわち金属容器
外部に導出されている。また、上記リードピン6とは別
のリードピンであってハーメチックガラス7を介して金
属ステム3に固定されたリードピン6aは、金属容器内
部側の端部が光電面5に接続されずに金属ステム3の内
面に接触するように折り曲げられている。
【0024】リードピン6には陰極電位、通常は接地電
位が印加され、リードピン6aには陰極電位より高い電
位の陽極電位が印加される。これにより、光電面5はカ
ソード電極(陰極)として機能し、金属容器及びクロム
薄膜層9、メッシュ状電極10はアノード電極(陽極)
として機能する。このようにクロム薄膜層9、メッシュ
状電極10は同電位の陽極電位にされているため、配線
等の構成が簡易にされており、加えて、これらが金属容
器の電位と同電位にされているため、配線等の構成が一
層簡易にされており、低コスト化が図られている。
【0025】次に、このように構成された光電管の作用
について説明する。上記各電極間に電圧を印加した状態
で、光入射面板2、クロム薄膜層9、メッシュ状電極1
0の隙間(格子により形成される隙間)10aを介して
光電面5に光が入射すると、光電面5から光電子が放出
される。
【0026】ここで、光入射面板2に対して光電面5が
近接配置され、加えて、この光入射面板2の光透過部
が、この光入射面板2の光入射面に設けられた金属マス
ク8により光電面5より小さく制限されているため、垂
直光に対して角度θをもって光入射面板2に斜めに入射
した光の光電面5への到達率が、光入射面板2に対して
光電面5が離間配置されると共に光入射面板2の光透過
部を光電面5より小さく制限しない従来技術に比して飛
躍的に向上される。このため、COSθに依存した十分
な角度特性が得られる。
【0027】加えて、前述した金属マスク8は、光入射
面板2の光入射面との界面に反射性を有するため、光入
射面板2に斜めに入射し当該光入射面板2の光出射面の
界面で反射した光も、図示のように、当該金属マスク2
でさらに反射されて光電面5へ到達し、光入射面板2に
斜めに入射した光の光電面5への到達率が一層向上され
る。特に、本実施形態では、光入射面板2の光出射面の
界面にクロム薄膜層9が設けられ、このクロム薄膜層9
で光が反射することが当該クロム薄膜層9が無い場合に
比して高いため、光入射面板2の光入射面との界面に反
射性を有する構成は特に有効である。すなわち、当該構
成により、角度特性が一層改善される。
【0028】このように光電面5に垂直光及び斜め光が
受光されると、光電面5から光電子が放出され、当該光
電子はメッシュ状電極10に収集されると共に、このメ
ッシュ状電極10の隙間10aを通過した光電子はクロ
ム薄膜層9に収集され、これら以外の極く僅かの光電子
は、フランジ1a及び側管1に到達する曲線軌道を描い
て当該フランジ1a及び側管1に収集され、これにより
入射光が電気信号として取り出される。すなわち、光入
射面板2に対して光電面5を近接配置することでフラン
ジ1a及び側管1に収集されない大半の光電子は、当該
光電面5に対向配置され陽極電位にされたメッシュ状電
極10及びクロム薄膜層9の両方に良好に収集される。
このため、十分なリニアリティ特性が得られる。
【0029】ここで、本発明者は、上記構成の光電管を
用い、金属マスク8の厚さを0.13mm、金属マスク
8により小さく制限された光透過部の直径を3mm、光
電面5の直径を8mm、光入射面板2と光電面5との間
の距離を1mm、光電面5とメッシュ状電極10との間
の距離を0.7mmとした条件の下で、角度特性及びリ
ニアリティ特性を得る実験を各々行った。その角度特性
を図2に、そのリニアリティ特性を図3に各々示す。
【0030】図2において、符号Cで示されるデータは
上記構成の光電管を用いての結果であり、符号Aは理論
値である。また、符号Bで示されるデータは、光入射面
板2に対して光電面5が離間配置されると共に光入射面
板2の光透過部を光電面5より小さく制限しない従来技
術の光電管を用いての結果であり、このデータBに関す
る光電管では、光透過部の直径が光電面5の直径と同じ
8mmにされ、光入射面板2と光電面5との間の距離が
4.5mmにされている。
【0031】図2より明らかなように、データCに関す
る本実施形態の光電管は、データBに関する光電管に比
して、COSθに依存した十分な角度特性が得られてい
るのが分かる。
【0032】また、図3において、符号Dで示されるデ
ータは上記構成の光電管を用いての結果であり、符号E
で示されるデータは、上記クロム薄膜層9が設けられて
いない光電管を用いての結果である。
【0033】図3より明らかなように、データDに関す
る本実施形態の光電管は、リニアリティ特性が約500
μAまで得られ、約60μAまでしか得られないデータ
Eに関する光電管に比して、十分なリニアリティ特性が
得られているのが分かる。
【0034】なお、図1に示した光電管でクロム薄膜層
9を設けない場合には、図4に示すように、光電面5か
らの光電子11が全部メッシュ状電極10で収集されず
に当該メッシュ状電極10の隙間10aを通過して光入
射面板2を帯電させ、この帯電した光入射面板2が作る
電界(図に示される波線参照)の影響により光電面5か
らの光電子11がメッシュ状電極10で収集され難くな
る。すなわち、十分なリニアリティ特性を得るには、メ
ッシュ状電極10及びクロム薄膜層9の両方を備えるこ
とが必要となる。
【0035】図5は、第2実施形態に係る光電管を示す
断面図である。この第2実施形態の光電管にあっては、
第1実施形態と同様に、光入射面板2に対して光電面5
が近接配置されている。この光電面5は、十分な角度特
性を得るべく、メッシュ状電極10に接触しない程度の
間隙を有する近接具合で配置されている。
【0036】また、光電面5の光電子放出層の上にはさ
らに、より十分な角度特性を得るべく、当該光電面5を
光入射面板2の光透過部より小さく制限する(光電面5
より小さい有効光電面を得る)例えばニッケルやステン
レス等より成る金属マスク12が設けられている。この
金属マスク12は、円板の中央に穴を開口して成り、光
電子放出層に例えば貼着により設けられている。この金
属マスク12は、光電面5の周端部を厚くし当該部位を
補強するようにも機能するため、裏面に複数本のリード
ピン6が溶接により固定されても、溶接による曲がり等
の発生が防止され、信頼性の向上が図られている。他の
構成に関しては第1実施形態と同様であるので、ここで
の説明は省略する。
【0037】次に、このように構成された光電管の作用
について説明する。上記各電極間に電圧を印加した状態
で、光入射面板2、クロム薄膜層9、メッシュ状電極1
0の隙間10aを介して光電面5に光が入射すると、光
電面5から光電子が放出される。
【0038】ここで、光入射面板2に対して光電面5が
近接配置され、加えて、この光電面5が、当該光電面5
に設けられた金属マスク12により光入射面板2の光透
過部より小さく制限されているため、入射光が光入射面
板2に垂直に入射する場合でも垂直に対して角度θをも
って斜めに入射する場合でも、光電面の略全体に光が受
光される。このため、COSθに依存した十分な角度特
性が得られる。
【0039】また、光電面5から放出された光電子が、
当該光電面5に対向配置され陽極電位にされたメッシュ
状電極10及びクロム薄膜層9の両方に良好に収集さ
れ、十分なリニアリティ特性が得られるのは第1実施形
態と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0040】ここで、本発明者は、図5に示した構成の
光電管を用い、金属マスク12の厚さを0.13mm、
金属マスク12により小さく制限された光電面5の直径
を3mm、光入射面板2の光透過部の直径を8mm、光
入射面板2と光電面5との間の距離を1mm、光電面5
とメッシュ状電極10との間の距離を0.7mmとした
条件の下で、角度特性及びリニアリティ特性を得る実験
を各々行った。その角度特性を図6に示す。
【0041】図6において、符号Fで示されるデータは
図5に示した構成の光電管を用いての結果であり、符号
A、符号Bで示されるデータは図2と同じである。
【0042】図6より明らかなように、データFに関す
る本実施形態の光電管は、データBに関する光電管に比
して、COSθに依存した十分な角度特性が得られてい
るのが分かる。また、第1実施形態より若干ではあるが
角度特性が改善されている。
【0043】また、リニアリティ特性に関しては、図3
に示したのと略同様な結果となり、約500μAまでの
十分なリニアリティ特性が得られた。
【0044】なお、光電面5を金属マスク12により小
さく制限するのではなく、予め光電面を有効光電面の大
きさとする、すなわち光電面5の形状を小さくすること
も考えられるが、本実施形態の光電管では、光入射面板
2と側管1の大きさ(径)を略同じとし、金属ステム3
の大きさ(径)もこれらと略同じとしているため、小さ
い光電面を金属ステム3の上方で支えるには、金属ステ
ム3の中央には金属排気管4が位置していることもあっ
て、金属ステム3の周端部のリードピン6を内側に(金
属ステム3の軸心に向かって)曲げる必要があり、組立
が非常にし難くなると共に金属バルブ1の中央に正確に
光電面を配置できなくなる虞がある。このため、本実施
形態のように、比較的大きな光電面5を形成し、この光
電面5の周縁部を金属マスク12により小さく制限する
のが現実的であり好ましい。
【0045】以上、本発明をその実施形態に基づき具体
的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるも
のではなく、例えば、上記実施形態においては、より十
分な角度特性を得るべく、光入射面板2にマスク8また
は光電面5にマスク12を設けているが、光入射面板2
に対して光電面5を近接配置するのみの構成でも、マス
ク8,12を設けた時ほどではないがCOSθに依存し
た出力が得られるというのはいうまでもない。
【0046】また、上記第1実施形態においては、光入
射面板2の光透過部を光電面5より小さく制限するマス
ク8を金属より構成するようにしているが、例えばセラ
ミックス等の非金属マスクとし、光入射面板2の光入射
面との界面に光反射性を有する膜を有するものであって
も良い。このように構成しても、光入射面板2に斜めに
入射し当該光入射面板2の光出射面の界面で反射した光
は、当該光反射性を有する膜でさらに反射して光電面5
へ到達することができるため、金属マスク8の場合と同
様な効果を得ることができる。
【0047】また、上記第2実施形態においては、光電
面5を小さく制限するマスク12を金属より構成するよ
うにしているが、例えばセラミックス等の非金属マスク
であっても良く、要は遮光性のあるマスクであれば良
い。
【0048】また、上記実施形態においては、透光性導
電膜をクロム薄膜層9としているが、これに限定される
ものではなく、透光性を有する導電膜であれば良い。
【0049】また、上記実施形態においては、光電子収
集電極をメッシュ状電極10としているが、これに限定
されるものではなく、例えばストライプ状電極とするこ
ともできる。
【0050】また、上記実施形態においては、光電管
を、紫外光を照射する光源のパワーモニタ用として用い
ているが、紫外光以外の可視光等を照射する光源のパワ
ーモニタ用として用いることも可能である。
【0051】
【発明の効果】本発明による光電管は、光入射面板に対
して光電面を近接配置し、光入射面板に斜めに入射した
光の光電面への到達率を、光入射面板に対して光電面を
離間配置した従来技術に比して向上するように構成した
ものであるから、COSθに依存した十分な角度特性を
得るのが可能になると共に、光入射面板と光電面との間
に設けた光電子収集電極に加えて、光入射面板の光出射
面に透光性導電膜を設け当該透光性導電膜も陽極として
光電子収集電極と同電位とし、光電子収集電極の光入射
面板側に、当該光電子収集電極と光電子収集条件を略同
じとした透光性導電膜が存在するようにして、光電面か
らの光電子を、光電子収集電極及び透光性導電膜の両方
に良好に収集し得るように構成したものであるから、十
分なリニアリティ特性を得るのが可能となり、加えて、
光電子収集電極及び透光性導電膜を同電位とし、配線等
の構成を簡易とするように構成したものであるから、低
コスト化を図ることも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る光電管を示す断面図であ
る。
【図2】図1の光電管の角度特性図である。
【図3】図1の光電管のリニアリティ特性図である。
【図4】図1の光電管にクロム薄膜層を設けない場合の
電界及び光電子の様子を示す模式図である。
【図5】第2実施形態に係る光電管を示す断面図であ
る。
【図6】図5の光電管の角度特性図である。
【符号の説明】
1…金属バルブ、2…光入射面板、3…金属ステム、5
…光電面、6,6a…リードピン、9…クロム薄膜層
(透光性導電膜)、10…メッシュ状電極(光電子収集
電極)、10a…隙間、11…光電子。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 伸治 静岡県浜松市市野町1126番地の1 浜松ホ トニクス株式会社内 (72)発明者 磯部 幸弘 静岡県浜松市市野町1126番地の1 浜松ホ トニクス株式会社内 (72)発明者 花井 博之 静岡県浜松市市野町1126番地の1 浜松ホ トニクス株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部が真空封止された容器と、この容器
    の一端面に配置された透光性の光入射面板と、この容器
    の内部に配置され、前記光入射面板を介して入射する光
    を光電変換して光電子を発生する光電面及びこの光電面
    から放出された光電子を収集する陽極と、を備えた光電
    管において、 前記光入射面板と前記光電面とを近接配置し、 前記光入射面板の光出射面に透光性導電膜を設けると共
    に、この透光性導電膜と前記光電面との間に、前記光入
    射面板の透過光が通過する隙間を備えた光電子収集電極
    を設け、 この光電子収集電極及び前記透光性導電膜を前記陽極と
    して同電位としたことを特徴とする光電管。
  2. 【請求項2】 前記容器を導電性容器とし、この導電性
    容器を前記光電子収集電極及び前記透光性導電膜と共に
    前記陽極として同電位としたことを特徴とする請求項1
    記載の光電管。
  3. 【請求項3】 前記光電子収集電極は、格子状を成して
    いることを特徴とする請求項1記載の光電管。
  4. 【請求項4】 前記透光性導電膜は、Cr薄膜層である
    ことを特徴とする請求項1記載の光電管。
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