JP2000149789A - 陰極線管の製造方法 - Google Patents

陰極線管の製造方法

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JP2000149789A
JP2000149789A JP10322339A JP32233998A JP2000149789A JP 2000149789 A JP2000149789 A JP 2000149789A JP 10322339 A JP10322339 A JP 10322339A JP 32233998 A JP32233998 A JP 32233998A JP 2000149789 A JP2000149789 A JP 2000149789A
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glass
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Nobuo Sasayama
伸夫 笹山
Shinobu Mihashi
忍 三橋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 陰極線管の製造方法に於いて、排気管加熱封
着処理時の陰極及びグリッド格子を含む電子銃の酸化を
防止する。 【解決手段】 陰極線管内にグリッド格子及び陰極(含
浸型陰極を含む)から成る電子銃を封着して陰極線管1
を製造する際の排気管加熱封着処理時に電子銃或いは陰
極を加熱処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は陰極線管の製造方法
に係わり、特に陰極線管の排気工程で行なわれる。排気
管封止処理時の陰極の劣化を防止する様にした陰極線管
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来からテレビジョン受像機等のカラー
陰極線管(以下CRTと記す)1は図10に示す様に、
先ずガラス製のパネル内面に塗布した蛍光面2の対向面
にアパーチャグリル2aを装着した組立パネル3と漏斗
状のガラス製のファンネル4をシールライン7で熱溶着
して、バルブ組立が終了する。その後、ファンネル4の
ネック4aに電子銃5を封着する電子銃封着工程P1
図15の様に行なわれる。
【0003】この電子銃封着工程P1 で用いられる電子
銃5は例えば図11及び図12に示す様に構成されてい
る。図11は電子銃5の側面図、図12は陰極部分の拡
大側面を示すものであり、電子銃5は管状のガラス排気
管8をガラス円盤の中心下方に延設し、このガラス排気
管8を中心に植立された金属導入出力線となる複数のピ
ン15から成るステム14と、このステム14上に2本
のガラス支持棒で保持された3個の陰極6と、複数のシ
リンダ状金属から成る格子(グリッド)電極10で構成
されている。
【0004】陰極6は通常酸化物陰極が用いられ、バリ
ウム(Ba)、ストロンチーム(Sr)、カルシウム
(Ca)等から成るアルカリ土類金属三元炭酸塩粉末
(Ba,Sr,Ca)CO3 をニッケル基体等のスリー
ブ9上に吹付法で塗布することで得ている。
【0005】又、近年、図13に示す様な酸化物陰極6
では得られない高電流密度、長寿命陰極が望まれ、進行
波管、マグネトロン、レーザ波管等の陰極として使用さ
れていた含浸型陰極がCRT1に使用されるようになっ
てきている。
【0006】この含浸型陰極6aは図13に示すよう
に、多孔質タングステンからなるタングステン基体金属
6b内部に、酸化バリウム(4BaO)、酸化カルシウ
ム(CaO)、アルミナ(Al2 3)等の電子放射物
質6cを適当な比率で溶融含浸させる。また含浸型陰極
6aには、仕事関数を下げる目的で、電子放射物質6c
の含浸後にその上にイリジウム、オスミウム、ルテニウ
ムなどを被覆した含浸型陰極6aもある。含浸型陰極6
aは動作時にスリーブ9内に設けられたヒーター16に
より加熱され、含浸部からバリウム6d等の電子放射物
質6cがしみ出し、このしみ出したバリウム6dから電
子が放出される。
【0007】上述の陰極6,6a及びグリッド電極10
を含む電子銃5を図15の電子銃封着工程P1 の工程で
封入されたCRT1は図14に示す様に組み上げられ
る。
【0008】この様に組み上げられたCRT1は図15
の排気工程P2 に入る。この排気工程P2 では加熱処理
を行ないながらガラス排気管8から高真空に排気が行な
われて封着して真空のCRT1が作成される。
【0009】次にCRT1に図15に示す様に防爆処理
を行なう防爆処理工程P3 を経て陰極6,6a等から電
子を放射できる様にする活性化工程P4 を行ない完成品
5を得る様に成されている。
【0010】上述の排気工程P1 は加熱処理を行ないな
がら高真空に排気されるが、この排気工程の最終部分で
は図16に示す様な処理が行なわれる。
【0011】即ち、図16でCRT投入PR1 の後に加
熱排気処理PR2 が行なわれるこの加熱排気処理PR2
の最終部分で電子銃5を高周波で加熱することで電子銃
ガス出し処理PR3 を行ない、次の工程では酸化物陰極
6等のガス出し処理或いは分解処理PR4 を行ない、ガ
スを排気していたガス排気管8を加熱封着処理PR5
することで、次の防爆処理工程P3 に進める為にCRT
取り出し処理PR6 が行なわれる様に成されている。
【0012】図17は従来の電子銃ガス出し処理P
3 、陰極ガス出し或いは分解処理PR4、並びにガス
排気管加熱封着処理PR5 での時間に対する温度変化状
態図を示すものである。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上記した様に従来のC
RTの製造方法では排気工程で陰極ガス出し等の処理P
4 が行なわれるが、電子放射物質より成る陰極6は、
多量のガスがCRT1内部に存在する場合には、これら
のガスに汚染されやすく電子放射能力が著しく劣化し、
極端な場合にはCRT故障となる。このため、電子銃製
造工程でのガス封着防止及びCRT製造工程で付着して
しまったもののガス出しが、非常に重要になる。
【0014】電子放射物質より成る陰極6のガス汚染を
防ぐためには製造工程でのCRT部品からのガス出しが
非常に重要であり、特に、陰極6近傍にグリッド格子1
0があるため、これら電子銃5の金属部品から十分にガ
ス出しを行なう必要がある。
【0015】排気工程P2 では上記した様に、電子銃5
を高周波により加熱処理して電子銃5の金属部品のガス
出しPR3 を行なって、更に、酸化物陰極6や含浸型陰
極6aでは陰極加熱処理により陰極分解を行なうが、こ
の陰極分解処理によりガスが放出され、再び陰極近傍の
金属のグリッド電極10等にガスが封着するために、分
解処理後再度、電子銃5のガス出しを行なってCRT外
にガスを排気する様にしている。
【0016】然し、上記した各処理のガス出しを充分に
行なって理想的な陰極6が作製されても、CRTの製造
工程の最終段階で行なわれる図16及び図17に示すガ
ラス排気管加熱封着処理PR5 でステム14近傍に高い
熱が与えられるために陰極6の電子放射物質が再度汚染
されてしまう。
【0017】この為、ガラス排気管加熱封着処理PR5
時に陰極6を加熱し、陰極にガスが付着することを防止
する様な処理を試みた、然し、この処理を行なっても、
CRTを稼働させた場合に不良を引き起こす場合があ
り、又、陰極6が比較的劣化に強い酸化物の陰極6であ
っても寿命が不安定なものがあり、これら問題を解決す
る必要があった。
【0018】本発明が解決しようとする第1の課題はC
RT製造工程に於いてCRTを安定な品質で製造可能な
CRTの製造方法を得るにある。
【0019】又、上述した陰極6,6aのうち、図13
で説明した含浸型陰極6aは酸化に非常に弱く、CRT
製造工程でいかに酸化させずに各処理を行なうかが大き
な問題となっていた。含浸型陰極6aに含浸された電子
放射物質6cは特に空気中に含まれる水と結びつき易
く、容易に水酸化物Ba(OH)2 となる。更に悪い場
合には酸化塩BaCO3 まで進むこともある。また多孔
質のタングステン基体金属6bも同様に水と結び付きや
すく更に、熱により容易に酸化し、例えばWO3なる酸
化物となり劣化が起きる。このように変化した含浸型陰
極6aは、電子放出能力が極端に低くなり検査不良とな
る。検査で不良とならなかった製品でも、市場でCRT
動作中に徐々に電子放射能力が劣化し寿命が短くなる可
能性がある。
【0020】このため陰極製造後は極力大気にさらさな
いようにする必要があり、組み立てられた電子銃の保
存、輸送には真空若しくは窒素梱包をおこなっている。
更にCRT製造工程でも、電子銃付着工程から排気まで
の製造ラインの温湿度調整、電子銃封着工程で発生する
水の付着及び酸化防止が図られている。また排気工程で
も、陰極劣化を防止するために、電子銃の高周波による
加熱処理によるガス出しや、陰極加熱処理による製造中
に付着した水等を含めたガス出しを行ない、これらの水
やガスをCRTの外に排気している。
【0021】これらの処理でガス出しを十分おこない理
想的な含浸型陰極6aが作製されても、排気処理の最終
段階で行なわれるガラス排気管加熱封着処理PR5 でガ
スが発生するために陰極物質のタングステン基体金属6
bが再汚染されてしまう。更にその後CRT製造最終段
階で行なわれる陰極加熱による活性化工程P4 の熱によ
り、タングステン基体金属6bに付着した水、及び酸化
性ガスにより酸化してしまう。このためこれらの酸化を
どのように回避するかが問題と成る。
【0022】本発明が解決しようとする第2の課題はC
RT製造工程において含浸型陰極の酸化を防止可能なC
RT製造方法を提供するにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明のCRT製造方法
は陰極及び格子電極を含む電子銃をバルブ内に封着した
後の排気工程での排気管加熱封着処理に於いて、この排
気管加熱封着処理時に電子銃を高周波加熱して成るもの
である。
【0024】本発明のCRTの製造方法によれば電子銃
へのガス付着が防止できると共に含浸型陰極6aのタン
グステン基体金属への酸化性ガス、特に水の付着を防止
可能なものが得られる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明のCRTの製造方法
を図1乃至図9を用いて詳記する。図1は本発明のCR
Tの製造方法に於ける排気工程での流れ図を示すもので
ある。
【0026】図1のCRTの製造方法を説明するに先だ
ち、図2乃至図4によってネック部内に装着した電子銃
加熱方法を示すCRTの一部側断面図とガラス排気管封
着装置の略線的側断面図の構成を説明する。
【0027】図2に於いて、4aはCRT1のガラスフ
ァンネル4の下方に延設されたネックを示し、ガラス排
気管8及びピン15を有するステム14と一体化された
複数の陰極6とグリッド電極10から成る電子銃5がネ
ック4a内に挿入され、ステム14とネック4aの端部
はガラス溶着されている。11はガラス排気管封着装置
を示すもので後述する略線的側断面図は図3及び図4に
示されている。17はネック4aの外周を囲繞する様に
配設された高周波加熱コイルを示している。
【0028】図3及び図4でガラス排気管封着装置11
は熱的及び電気的に強い基台11aで形成され、この基
台11aの中心部にはガラス排気管8及びガラス排気管
8の周辺を囲繞する様に配設した加熱抵抗型のヒータ1
2が挿通可能な中心孔11bが穿たれ、更に、複数のピ
ン15を挿通可能なコンタクト11cを有し、コンタク
ト11cは陰極加熱用電極13を介して外部電源に接続
可能と成されている。
【0029】上述のガラス排気管封着装置11及び高周
波加熱コイル17を参照して以下、図15に於けるCR
Tの製造方法の排気工程P2 での各処理を詳記する。
尚、図16との対応部分には同一符号を付して説明す
る。
【0030】図15に示す排気工程P2 内でのCRT1
の各処理は図1に示す様にCRT1の投入処理PR1
後に加熱排気処理PR2 が行なわれる。この加熱排気処
理PR2 は図14に示した電子銃5を封着したガラス排
気管8を有するCRT1を図2及び図3に示す様にガラ
ス排気管封着装置11に装着する。
【0031】次に、高周波加熱コイル17に高周波を供
給して、ネック4aのガラスを通して電子銃5のグリッ
ド電極10や陰極6のスリーブ9等の金属部品に渦電流
を誘起させて加熱させることで電子銃ガス出し処理PR
3 が行なわれる。
【0032】次に、図3に示すガラス排気管封着装置1
1に設けられた陰極加熱用電極13→コンタクト11C
→ステム14のピン15→陰極6,6aのヒータ16
(図12及び図13参照)を経由して所定の電流を流
し、スリーブ9を加熱し、陰極6,6aからガス出し及
び放射物質の分解処理PR4 が行なわれる。
【0033】次の排気管加熱封着処理PR5 では、一般
に図3及び図4で示したガラス排気管封着装置11が用
いられる。ガラス排気管8は基台11aの中心に穿った
中心孔11bの中心に図3の様に挿通され、このガラス
排気管8の円周上に配置された加熱抵抗型のヒータ12
でガラス排気管8の封着を行なうが、ガラス排気管8は
急熱急冷を行なうと容易に割れてしまうため、図5のガ
ラス排気管加熱封着処理PR5 の様に段階的に予熱を行
ない暖まったところで図4の様にガラス排気管8の溶着
が行なわれる。その後、割れ防止のために徐冷を行ない
終了する。このようにガラス排気管8は封着するために
熱せられるため、封着部では最高800℃まで温度が上
昇する。また図5のガラス排気管加熱封着処理PR5
示すように温度が上がれば上がるほど使用している鉛ガ
ラスからはガスが発生し、封着直前までCRTからはガ
スが排気されているが、ガラス溶融封着直後からは発生
したガスは全量CRT内部に拡散してしまうことにな
る。
【0034】そこで発明者らはまず電子銃5の高周波加
熱が不十分である可能性を考え、高周波加熱後再度電子
銃5を加熱してみたが、一度加熱ガス出しをおこなって
いるため、ガスの発生は全くなかった。このため、ガラ
ス排気管8の封着処理後に再度電子銃加熱処理をしたと
ころ、図6の様に多量のガスが放出され、ガラス排気管
加熱処理時のガスが、陰極6,6aのみならず電子銃5
にも付着していることを見い出した。更には電子銃5の
作製後時間をおけばおくほど、ガラス排気管8からの放
出ガスが増加することも解った。
【0035】又、排気管加熱処理PR2 の予熱段階で真
空に引いている間に十分に予熱をおこないガス出しをす
ることを試みたが、上記に述べたようにガラス排気管8
の溶融封着温度で発生するガスが多量なため目的を達成
することができなかった。又、活性化処理P4 を非常に
ゆっくりおこない水を飛ばしてしまう方法も試みたが、
CRT1外へのガス排気がなされていない状態では出た
ガスが多量なため電子銃5へのガス付着を防止すること
はできなかった。
【0036】そこで排気管加熱封着処理PR5 のうちの
排気管加熱処理時に電子銃5を加熱をしてみた。この結
果、ガスは電子銃金属部品のグリッド電極10やスリー
ブ9等に付着しないことに基づいて、排気管加熱処理時
に再電子銃加熱処理をおこなうことで安定な品質のCR
Tを製造可能とすることを見い出した。
【0037】即ち、本発明では排気管加熱封着処理PR
5 のうち図4の様にガラス排気管8が封着される前の段
階、即ち、図3に示す様にガラス排気管8が開放され、
排気可能状態で再度、電子銃5のグリッド電極10或い
は陰極6,6aのスリーブ9等の金属部品を高周波コイ
ル17に高周波を通電することで加熱する様にしながら
図5の様にガス付着防止電子銃加熱処理PR5 ′並びに
ガラス排気管封着装置11のヒータ12に通電して、ガ
ラス排気管8を図5の排気管加熱封着処理PR5 の様に
段階的に徐々に温度を上昇させる。更に、暖まったとこ
ろでガラス排気管8を溶融封着し、その後割れ防止のた
めに徐冷を行ない終了する。この後に図5に示すガス付
着防止電子銃加熱処理PR5 ′の通電処理も終了させ
る。
【0038】更に、ガラス排気管加熱封止処理時に陰極
6,6aの加熱を同時に行なうため、陰極6,6aのヒ
ータ16に陰極加熱電極13を介して通電すると共に、
上述の高周波コイル17による電子銃5の加熱を行なう
ことにより、CRTの品質の安定化はより顕著になる。
【0039】上述の発明では、電子銃加熱とガラス排気
管封着が同時に行なわれるが、この時に発生したガスを
電子銃金属部品に付着させないためには、電子銃金属部
品の温度は高ければ高いほど良いが、金属部品は、所定
温度よりも高くすると、この金属が昇華しガスとなって
CRTガラス部分に蒸着するため、蒸着がおこらない7
80℃以下に抑えるを可とする。
【0040】更に、本発明等は図13で詳記した含浸型
陰極6aが有するタングステン基体金属6bが各種の熱
処理で水及び酸化性ガスで汚染されるのを防止するため
各種の検討を行なった。例えば、排気中に陰極加熱ガス
出し、及び陰極活性化をおこなってみた。するとこの場
合には陰極酸化が全く見られなかった。然し、排気工程
終了後には再度、陰極活性化P4 をする必要があり、排
気後の再陰極活性化でタングステン基体金属6bに酸化
が発生してしまった。又、試しに、ガラス排気管封着後
に陰極ガス出し若しくは陰極活性化処理を行なって見た
がこの場合にはどのようにしても酸化が起きることを発
見した。また排気管加熱処理の予熱段階で真空に引いて
いる間に十分に予熱をおこないガス出しをすることを試
みたが、上記に図6に示す様に溶融封着温度で発生する
ガスが多量なため目的を達成することができなかった。
又、活性化処理P4 を非常にゆっくりおこない水を飛ば
してしまう方法も試みたが、CRT外へのガス排気がな
されていない状態では出たガスが多量なため、このガス
による酸化を防ぐことができなかった。
【0041】そこで上記問題を解決するにあたり発生し
たガスが陰極6aに付着しないようにすればよいことに
気付き、ガラス排気管加熱封着処理時に陰極6aを加熱
すれば良いことを見い出し、前記した様に陰極加熱ガス
出し後引き続き陰極加熱を行なう様にすることで陰極物
質及び、タングステン基体金属への水及びガスの付着を
防止し、更にこれによる酸化が防止できる様になった。
【0042】図7乃至図9は上記した本例のCRTの製
造方法の他の形態例を示す流れ図及びその説明線図であ
る。図7で図1との対応部分には同一符号を付して重複
説明は省略するも、図7の場合の処理PR1 乃至PR4
並びにPR6 は図1と全く同じである。
【0043】本例の場合は排気管加熱封着処理PR5
同時に図8の排気管加熱の熱の変化図にも示す様にガス
付着防止陰極加熱処理PR5 ″を行なう様にしたもので
ある。
【0044】本発明では図7の陰極6aのガス出し或い
は分解処理PR4 ではガラス排気管封着装置11に配設
された陰極加熱電極13に電圧を加えて陰極6aのヒー
タ16に電流を流し、陰極6aを熱して加熱された陰極
6aからガス出しがなされる。その後本発明では、前述
したようにそのまま所定の電流を陰極6aのヒータ16
に流し、電子銃5の陰極6aの加熱水(ガス)付着防止
陰極加熱処理PR5 ″を行ないながら、ガラス排気管封
着装置11のヒータ12に通電しガラス排気管8を段階
的に加熱(図8参照)する。更に、暖まったところでガ
ラス排気管8を溶融封着(図4参照)し、その後割れ防
止のために徐冷(図8参照)を行ない終了する。この後
に電子銃5の陰極6aへの通電も終了させる。
【0045】本発明では、陰極6aへの加熱とガラス排
気管加熱封着処理PR5 が同時に行なわれるので、この
時に発生した水は、陰極6aの温度が低すぎると陰極6
aに付着し、逆に温度が高すぎると水との化学反応が起
こってしまうため、最適な温度を選ぶ必要がある。この
温度は400℃程度から900℃程度にあるが、700
℃に選ぶのが最適温度であることを見い出した。
【0046】図9はガラス排気管加熱封着処理PR5
の温度に対する水(H2 O)付着量及びタングステン基
体金属6bの酸化量を示しているもので、この曲線図か
ら400℃〜900℃範囲で水付着及び酸化量が少なく
なることが解る。
【0047】尚、本発明ではCRTを製造する場合につ
いて説明したが、CRT以外の例えば、衛星搭載用マイ
クロ波管をはじめとして、進行波管、マグネトロン、レ
ーザー管などに利用できる。特に、発生するガスに対し
て内容積が小さいCRTは、内容積が大きいものに比べ
ガス汚染が甚だしいため、効果は絶大である。
【0048】
【発明の効果】本発明の陰極線管の製造方法によれば電
子銃、特に複数のグリッド電極へのガス付着及び含浸型
陰極物質とタングステン基体金属への酸化性ガス特に水
の付着を防止出来る。又、付着したガスにより活性化処
理時に電子銃の酸化が防止可能で寿命の安定化を図るこ
とが出来る。これにより品質不良を防止し、不良の低減
をはかることができる。また、不良CRTの不良原因の
究明に余分な時間を費やすことのない安定なCRTを提
供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の陰極線管の製造方法に於ける排気工程
の流れ図である。
【図2】本発明の陰極線管の製造方法に於ける電子銃加
熱方法を示す陰極線管の一部側断面図である。
【図3】本発明に用いるガラス排気管封着装置の側断面
図である。
【図4】本発明に用いるガラス排気管の封着状態を示す
側断面図である。
【図5】本発明の陰極加熱、排気管加熱時の熱の変化状
態図である。
【図6】本発明の陰極線管の温度−放出ガス体積の変化
を示す曲線図である。
【図7】本発明の陰極線管の製造方法の他の排気工程の
流れ図である。
【図8】本発明の他の陰極加熱、排気管加熱時の変化状
態図である。
【図9】本発明の陰極線管の温度−水付着量及びタング
ステン基体金属酸化量を示す曲線図である。
【図10】従来の陰極線管の側断面図である。
【図11】従来例の陰極線管の電子銃の側断面図であ
る。
【図12】従来の陰極部の拡大側断面図である。
【図13】従来の含浸型陰極の一部側断面図である。
【図14】従来の排気工程時の陰極線管を示す斜視図で
ある。
【図15】従来の陰極線管製造工程を示す流れ図であ
る。
【図16】従来の陰極線管の製造方法の排気工程の流れ
図である。
【図17】従来の陰極加熱、排気管加熱の熱の変化状態
図である。
【符号の説明】
1‥‥CRT(陰極線管)、5‥‥電子銃、6(6a)
‥‥陰極(含浸型陰極)、8‥‥ガラス排気管、10‥
‥グリッド電極、11‥‥ガラス排気管封着装置、17
‥‥高周波加熱コイル

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陰極及び格子電極を含む電子銃をバルブ
    内に封着した後の排気工程での排気管加熱封着処理に於
    いて、 上記排気管加熱封着処理時に上記電子銃を高周波加熱し
    て成ることを特徴とする陰極線管の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記排気管加熱封着処理時に前記電子銃
    の陰極又は/及び格子電極を加熱させて成ることを特徴
    とする請求項1記載の陰極線管の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記電子銃の陰極が含浸型陰極であっ
    て、前記排気管加熱封着処理時の陰極の温度を400℃
    乃至900℃に選択して成ることを特徴とする請求項1
    又は請求項2記載の陰極線管の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113643948A (zh) * 2021-07-26 2021-11-12 无锡日联科技股份有限公司 一种微焦点x射线管高频真空除气装置

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CN113643948A (zh) * 2021-07-26 2021-11-12 无锡日联科技股份有限公司 一种微焦点x射线管高频真空除气装置

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