JP2000147387A - 双眼鏡 - Google Patents

双眼鏡

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JP2000147387A
JP2000147387A JP10316336A JP31633698A JP2000147387A JP 2000147387 A JP2000147387 A JP 2000147387A JP 10316336 A JP10316336 A JP 10316336A JP 31633698 A JP31633698 A JP 31633698A JP 2000147387 A JP2000147387 A JP 2000147387A
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Koji Funatsu
剛治 舩津
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Asahi Kogaku Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レンズに対して固定されたアームに形成され
たスリットの内縁を常時レバーの内面に接触させること
ができる双眼鏡を、提供する。 【解決手段】ネジ部材73は、操作部材である転輪71
に螺合する雄ネジ部731,及び、中央支持体45内に
おいて回転規制された状態で光軸方向にのみスライド移
動するスライダ部732とから、構成されている。スラ
イダ部732の正面には、左右の接眼レンズ15L,1
5Rに対して夫々固定されたアーム614,624のス
リット615,625を貫通するレバー75が固定され
ている。スライダ部732の下端には、レバー75が貫
通しているアーム614,615の外縁に当接してこの
アーム614,615をレバー75に押しつける弾性接
触部が、一体形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は双眼鏡に関し、特
に、対物光学系及び接眼光学系のうち少なくとも何れか
が焦点調整のために光軸方向へ移動可能に構成されてい
るとともに眼幅調整のために光軸に直交する方向へ互い
に接近及び離反可能に構成されている双眼鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】双眼鏡は、観察者の両目によって個々に
覗かれる左右の望遠光学系を、連結部にて互いに連結し
た構成を有している。このように構成される双眼鏡にお
いては、左右の望遠光学系を夫々構成する対物光学系と
接眼光学系との光軸方向相対位置を同時に調整すること
によって観察対象物体のピント(接眼光学系によって形
成される観察対象物体の虚像の位置)を調整する焦点調
節機構が、連結部に備えられていなければならない。ま
た、左右の望遠光学系の夫々の接眼光学系同士の間隔を
使用者の眼幅に合わせて調整可能とするために、左右両
望遠光学系をその光軸に直交する面内で相対的に移動さ
せる眼幅調整機構が、備えられていなければならない。
ところで、双眼鏡全体をコンパクトにするために、個々
の望遠光学系を構成する各レンズを矩形状にコバ取りす
るとともに観察像を反転する素子としてダハプリズムを
用いることによって双眼鏡全体を薄くした構成が、実現
化されている。この種の双眼鏡において採用される眼幅
調整機構は、双眼鏡全体を左右に伸縮させることによっ
て左右の各望遠光学系を他方に対して直線的に接近又は
離反させる構成であることが、双眼鏡の使用寸法を抑え
る上で望ましい。従って、上述した焦点調節機構は、こ
のような眼幅調整機構と両立するものである必要があ
る。
【0003】図20は、左右の各望遠光学系を他方に対
して直線的に接近又は離反させる眼幅調整機構に焦点調
節機構を組み込んだ双眼鏡の構成を示す内部機構図であ
る。この図20に示されるように、左右の各望遠光学系
110L,110Rの接眼レンズ115L,115R,
ダハプリズム113L,113R,及び補正プリズム1
12L,112Rは、一体に、移動枠120L,120
R内に固定されている。各移動枠120L,120R
は、夫々、スライドフレーム121L,121R上に固
定された案内軸119L,119Rに沿ってガイドされ
る。このスライドフレーム121L,121R自体は、
底板141上に構築された図示せぬガイド機構によっ
て、底板141の中心線lに対して線対称に、左右方向
(図23の左右方向)へスライド可能とされている。こ
のような構成により、左右両接眼レンズ115L,11
5R同士の間隔を、使用者の眼幅に合わせて調整するこ
とが可能となっている(眼幅調整機構)。
【0004】他方、両移動枠120L,120Rの外周
面には、夫々、底板141の中心軸lに直交する方向に
向けて長板状のアーム122L,122Rが固定されて
おり、中心軸l上において互いに重なっている。これら
両アーム122L,122Rには、夫々、長手方向に延
びたスリット123L,123Rが形成されている。そ
して、底板141上には、その中心軸lと重なって支軸
130が固定されており、この支軸130には、正面図
である図21,縦断面図である図22及び底面図である
図23に夫々示された形状を有するネジ部材124が、
回転不能且つ軸方向に進退可能に挿通されている。この
ネジ部材124は、パイプ状の雄ねじ部124aと正面
略矩形状のスライダ部124bとから構成されており、
このスライダ部124bが底板141上に構成された図
示せぬ回転防止機構に係合することによって、その回転
が規制されている。また、このネジ部材124の雄ねじ
部124aには、ナット状に構成された転輪126の雌
ネジが螺合している。この転輪126は、底板141上
に構成された図示せぬ移動防止機構によって中心軸l方
向への移動が規制されており、回転にのみ自由度が与え
られている。従って、この転輪126を回転させること
によって、ネジ部材124が中心軸lに沿って進退す
る。
【0005】なお、ネジ部材124のスライダ部124
bの端面には、図21乃至図23上において破線にてそ
の外縁を示した形状のレバー部材125が固定されてい
る。また、図21に示すように、このレバー部材125
の下縁(底板141に近接した縁)の中心からは、底板
141に向けてレバー125aが延びている。スライダ
部124bの端面におけるレバー125aと対向する部
分は、直線状の段差124cを境に一段後退しており、
レバー125aとの間に隙間sを形成している。このレ
バー125aが、互いに重なった両アーム122L,1
22Rのスリット123L,123Rに挿入され、レバ
ー125aとスライダ部124bの端面との間に形成さ
れた隙間sによって各アーム122L,122Rの外縁
とスリット123L,123Rの内縁との間が挟み込ま
れる。これによって、両移動枠120L,120Rの光
軸方向位置が規制され、転輪126の回転に従って、レ
バー部材12と各アーム122L,122Rとの係合を
介してネジ部材124によって両移動枠120L,12
0Rが光軸方向に駆動される(焦点調節機構)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述した隙間sの幅
は、眼幅調整時におけるスライダ部124b及びレバー
125aのアーム122L,122Rに対する摩擦抵抗
を軽減するために、各アーム122L,122Rの外縁
とスリット123L,123Rの内縁との間の幅よりも
若干広く形成されている。このクリアランスのために、
レバー125aの内面は、図22に示すように、各アー
ム122L,122Rのスリット123L,123Rの
内縁に対して必ずしも常時接触してはいない。
【0007】従って、双眼鏡の使用中において移動枠1
20L,120Rに生じるガタに起因して接眼レンズ1
15L,115Rの位置(即ち、ピント状態)が安定し
ないという問題や、使用者による転輪125の回転操作
の初期に移動枠120L,120Rが無反応であって全
く移動しないという問題が生じる。さらに、各案内軸1
19L,119Rに対して各スライドフレーム121
L,121Rにガタがある場合には、図24に示すよう
に、レバー部材125の内面(スライダ部124bに対
向している面)に対して各アーム122L,122Rの
外縁が斜めになってしまうために、移動枠120L,1
20R内の光軸が傾いてしまうという問題が生じる。こ
のような問題点は、双眼鏡としての品質を大きく落とし
てしまい、使用者に操作に対する違和感を抱かせてしま
う。
【0008】本発明は、以上の問題点の認識に基づき、
アームに形成されたスリットの内縁を常時レバーの内面
に接触させることができ、これにより、各望遠光学系の
鏡筒にガタが生じないとともに使用者による転輪の操作
に応じて鏡筒がレスポンス良く反応して移動する双眼鏡
の提供を、課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を達成するた
め、本発明の双眼鏡は、以下の構成を採用した。
【0010】即ち、請求項1記載の発明は、対物光学系
及び接眼光学系を夫々組み込んだ2つの鏡筒部とこれら
2つの鏡筒部を連結する連結部とを有する双眼鏡であっ
て、第1の鏡筒部内において前記対物光学系及び接眼光
学系のうちの何れかをその光軸方向にのみ移動可能に保
持する第1移動枠と、この第1の移動枠による移動方向
に直交する方向に向けてこの第1保持枠に固定された第
1アームと、第2の鏡筒部内において前記対物光学系及
び接眼光学系のうちの何れかをその光軸方向にのみ移動
可能に保持する第2の移動枠と、この第2の移動枠によ
る移動方向に直交する方向に向けてこの第2移動枠に固
定された第2アームと、第1及び第2の鏡筒の間におい
て前記第1移動枠及び前記第2移動枠による移動方向に
のみ移動可能且つ回転不能に前記連結部に保持された移
動部材と、この移動部材を移動させる駆動手段と、その
平面において前記第1アーム及び前記第2アームに当接
するために前記移動部材に設けられたレバー部材と、こ
のレバー部材との間で前記第1アーム及び前記第2アー
ムを挟み込むとともに、その弾性によって前記第1アー
ム及び前記第2アームを前記レバー部材に押し付けるた
めに前記移動部材に設けられた弾性当接部とを、備えた
ことを特徴とする。
【0011】各鏡筒内において移動枠によって移動する
光学系は対物光学系であっても良いし接眼光学系であっ
ても良いが、第1移動枠と第2移動枠とで同じ種類の光
学系を移動させる必要がある。駆動手段は、移動部材を
ネジの螺合によって移動させても良いし、ギヤによって
移動させても良いし、カムによって移動させても良い。
第1レバー及び第2レバーは、板状物であっても良いし
棒状物であっても良い。前者の場合、その外縁にてレバ
ー部材の平面が当接しても良いが、レバー部材が挿入さ
れるスリットの内縁にレバー部材の平面と当接しても良
い。弾性当接部は、移動部材とは別部材から形成されて
も良いが、移動部材と一体成型されていても良い。この
弾性当接部における弾性は、板バネによる弾発力であっ
ても良いし、コイルバネによる弾発力であっても良い
し、ゴムによる弾発力であっても良い。
【0012】また、請求項2記載の発明は、請求項1の
移動部材にはその移動方向に沿ってネジが切られてお
り、駆動手段が前記移動部材に螺合するネジを有した操
作部材とこの操作部材を回転自在且つ移動不能に前記連
結部に保持する保持部とを有することで、特定したもの
である。
【0013】また、請求項3記載の発明は、請求項1の
移動部材の先端にはその移動方向に直交する平面を有す
るとともにその一部にスリットが形成された板状部が一
体に形成されており、前記弾性当接部が前記板状部にお
ける前記スリットによって可撓性が生じた部分に設けら
れた突起であり、前記レバー部材がその平面を前記板状
部の平面と平行に向けた状態で前記板状部に固定されて
いることで、特定したものである。
【0014】また、請求項4記載の発明は、請求項3に
おいて、自然状態における前記レバー部材の平面と前記
弾性当接部との間の距離が、前記第1アーム及び前記第
2アームにおける前記レバー部材と前記弾性当接部とに
よって挟まれた部分の幅よりも狭いことで、特定したも
のである。
【0015】また、請求項5記載の発明は、請求項4の
板状部における前記スリットによって可撓性が生じた部
分が前記板状部の平面における他の部分との間に前記第
1アーム及び前記第2アームにおける前記レバー部材と
前記弾性当接部とによって挟まれた部分の幅に相当する
段差を有しており、前記レバー部材がその平面を前記板
状部の平面に密着させた状態で固定されていることで、
特定したものである。
【0016】また、請求項6記載の発明は、請求項3の
板状部に形成されたスリットが前記板状部の両側縁近傍
を残して形成されており、前記突起が1箇所のみに形成
されていることで、特定したものである。
【0017】また、請求項7記載の発明は、請求項2の
板状部に形成されたスリットが前記板状部の中央を残し
て両側縁から形成されており、前記突起が2箇所に形成
されていることで、特定したものである。
【0018】また、請求項8記載の発明は、請求項1の
第1アーム及び前記第2アームが互いに重なっているこ
とで、特定したものである。
【0019】また、請求項9記載の発明は、請求項8の
第1アーム及び第2アームには、その長手方向に沿って
前記レバー部材が挿入されるスリットが形成されている
ことで、特定したものである。
【0020】また、請求項10記載の発明は、請求項1
の第1の鏡筒及び第2の鏡筒が前記連結部に対して前記
第1アーム及び前記第2アームの長手方向にスライド自
在であることで、特定したものである。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施の形態を説明する。
【実施形態1】図1は、本発明の第1実施形態による双
眼鏡1を示す斜視図である。この図1に示されるよう
に、本実施形態による双眼鏡1は、双眼鏡をなす一対の
望遠光学系を夫々収容した一対の鏡筒部(左鏡筒部[第
1鏡筒部]21,右鏡筒部[第2鏡筒部]22)とこれら
一対の鏡筒部21,22を連結する連結部としての支持
フレーム25とから、大略構成されている。これら一対
の鏡筒部21,22は、後述する眼幅調整機構によっ
て、支持フレーム25の中心軸を中心として、支持フレ
ーム25の平面と平行な面内で直線状且つ線対称に移動
(互いに接近又は離反)可能に構成されている。これら
両鏡筒部21,22同士を最も接近させた状態において
は、両鏡筒部21,22の端縁同士が互いに接触し、転
輪71を残して支持フレーム25が両鏡筒部21,22
によって完全に覆われる。
【0022】図2は、双眼鏡1に組み込まれている光学
系を示す光学構成図である。双眼鏡1は、接眼レンズと
対物レンズが同一直線上に配置された、所謂ダハプリズ
ムタイプの双眼鏡である。図2に示すように、双眼鏡1
の各鏡筒部(左鏡筒部21,右鏡筒部22)には、左右
一対の望遠光学系10L,10Rが収容されている。各
望遠光学系10L,10Rは、図中一点鎖線で示す入射
光軸OAL,OARに沿って順番に配置された第1レンズ
11L,11R、補助プリズム12L,12R、ダハプ
リズム13L,13R、及び第2レンズ14L,14
R、接眼レンズ15L,15Rから、構成されている。
【0023】第1レンズ11L,11R及び第2レンズ
14L,14Rは対物光学系を形成しており、対物光学
系により形成された像は、接眼レンズ15L,15Rに
より拡大され、観察される。なお、接眼レンズ15L,
15Rによって使用者の眼から−1ディオプター
(m-1)に対応する位置にその虚像が形成される物体位
置には、対物光学系によって結ばれた物体の実像の範囲
を区切る視野枠16L,16Rが設けられている。
【0024】次に、図1に示す左右一対の鏡筒部21,
22を、支持フレーム25の中心軸を中心として線対称
且つこの中心軸に直交する方向へ移動可能とするための
構成について、説明する。なお、以下の説明では、双眼
鏡の対物側を前方、接眼側を後方と呼ぶ。また、図2に
おける光軸OAL,OARに平行な方向は、単に「光軸方
向」又は「前後方向」と呼び、光軸方向(前後方向)に
直交する方向は、「双眼鏡幅方向」と呼ぶ。
【0025】図3は、双眼鏡1のフレーム構造を示す分
解斜視図である。上述した支持フレーム25は、平行な
2枚の板部材である底板41及び天板42,並びに、底
板41と天板42との間に設けられ双眼鏡の高さ方向の
支柱となる中央支持体45によって、横断面略H字型の
フレームとして構成されている。
【0026】左右の望遠光学系10L,10Rを夫々構
成する各レンズ及びプリズム(図3ではこれら各レンズ
及びプリズムの外縁の図示を省略してその光軸OAL,
OARの位置のみを示す)は、底板41と天板42の間
で双眼鏡の幅方向にのみ移動可能に設けられた左右一対
のスライドフレーム31,32に、保持される。また、
当該スライドフレーム31,32には、夫々、望遠光学
系10L,10Rごとスライドフレーム31,32を覆
う左右一対の外装ケース51,52が固定される。この
左右のスライドフレーム31,32及び外装ケース5
1,52が、図1の鏡筒部21,22を構成する。
【0027】図4は、左右のスライドフレーム31,3
2、及び両スライドフレームを支持する底板41を示す
斜視図である。スライドフレーム31,32は、夫々、
中央部に開口312,322が打ち抜かれた一対の板状
部材である。各スライドフレーム31,32における外
端縁(中央支持体45とは逆側に位置する端縁)近傍
は、天板42に向けて直角に屈曲されており、この屈曲
された部分が側壁部311,321とされている。
【0028】スライドフレーム31の前端縁及び後端縁
における側壁部311から所定距離だけ離れた位置に
は、天板42に向けて直角に起立する一対の起立部31
3,314が、形成されている。同様に、スライドフレ
ーム32の前端縁及び後端縁における側壁部321から
所定距離だけ離れた位置には、起立部323,324が
形成されている。スライドフレーム31の両起立部31
3,314の間には、前後方向に延びる案内軸315が
掛け渡され、スライドフレーム32の両起立部323,
324の間には、前後方向に延びる案内軸325が掛け
渡されている。また、スライドフレーム31の起立部3
13,314の上端縁313a,314a、及びスライ
ドフレーム32の起立部323,324の上端縁323
a,324aは、夫々、天板42の下面に当接すること
によって位置規制される。かくして、各スライドフレー
ム31,32は、底板41と天板42と中央支持体45
とからなる横H型の支持フレーム25によって、底板4
1及び天板42と平行な方向にのみスライド可能に支持
されている。
【0029】また、スライドフレーム31の前端縁及び
後端縁の近傍には、双眼鏡幅方向に沿った案内スリット
310a,310bが夫々形成されている。同様に、ス
ライドフレーム32の前端縁及び後端縁の近傍には、双
眼鏡幅方向に沿った案内スリット320a,320bが
夫々形成されている。これら各スライドフレーム31,
32の各案内スリット310a,310b,320a,
320bは、夫々、底板41の四隅に植設されたピン4
13,414,415,416に係合している。この係
合により、各スライドフレーム31,32の底板41上
での移動方向は、双眼鏡幅方向のみに規制される。
【0030】また、スライドフレーム31の内端縁(中
央支持体45に近接する端縁)における両端近傍から
は、夫々、双眼鏡幅方向に沿ってスライドフレーム32
へ向けて、一対の平行な延出部331,332が突出し
ている。同様に、スライドフレーム32の内端縁におけ
る両端近傍からは、夫々、双眼鏡幅方向に沿ってスライ
ドフレーム31へ向けて、一対の平行な延出部341,
342が突出している。これらの各延出部331,33
2,341,342には、夫々、双眼鏡幅方向に延びる
係合スリット333,334、343,344が形成さ
れている。図5に示すように、底板41上にスライドフ
レーム31,32を取り付けた状態では、スライドフレ
ーム31の延出部331とスライドフレーム32の延出
部341,並びに、スライドフレーム31の延出部33
2とスライドフレーム32の延出部342とが、夫々、
スライドフレーム32を上にして互いに重なる。このよ
うにして互いに重なった延出部331及び341の係合
スリット333,343には、底板41上に植設された
ピン411が係合しており、延出部332及び342の
係合スリット334,344には、底板41上に植設さ
れたピン412が係合している。これらの係合によって
も、各スライドフレーム31,32の底板41上での移
動方向は、双眼鏡幅方向のみに規制されている。
【0031】なお、底板41の中心に関して点対称の位
置にある延出部331及び342における他方の延出部
に望む外縁には、夫々、ラック335,345が形成さ
れている。これら両ラック335,345は、ともに一
個のピニオン36に噛合している。このピニオン36
は、底板41の幅方向中央部においてスライドフレーム
31,32の各延出部に跨るように配置された中央支持
体45の下面に、回転自在に取り付けられている。この
噛合により、両スライドフレーム31,32は、底板4
1の中心線(底板41の前後方向に延びる中心線)に対
して線対称に移動する。例えば、一方のスライドフレー
ム31を中央支持体45から離反する方向へスライドさ
せると、他方のスライドフレーム32も、中央支持体4
5から離反する方向へ同量だけスライドする。
【0032】次に、スライドフレームと外装ケースの取
付構造について説明する。図6は、右側のスライドフレ
ーム32と外装ケース52の取り付け構造を示す斜視図
である。この図6に示されるように、外装ケース52
は、双眼鏡幅方向内側に開口した箱型に形成されてい
る。外装ケース52の前端には前端側壁521が形成さ
れ、この鉛直壁521には、対物光学系の第1レンズ1
1R(図2)に入射光を導くための開口522が形成さ
れている。一方、外装ケース52の後端は全体が開口と
なっており、当該開口の双眼鏡幅方向内側近傍の内周縁
には、後端カバー529を取り付けるための外縁部52
3が形成されている。スライドフレーム32の一対の起
立部323,324のうち、前方の起立部323には、
前方に向けて突出して外装ケース52の前端側壁521
に当接する当接部346が、形成されている。また、接
眼側の起立部324は後方に向けて屈曲され、屈曲部の
上下端が外装ケース52の外縁部523に当接する当接
部347として形成されている。さらに、起立部323
にはねじ孔348が形成され、ねじ孔348に対応する
外装ケース52の所定箇所には貫通孔524が形成され
ている。また、起立部324にはねじ孔324aが形成
され、外装ケース52の外縁部523にはめ込まれる後
端カバー529には、ねじ孔324aに対応する箇所に
貫通孔526が形成されている。そして、側壁部321
の所定箇所にはねじ孔349が形成され、ねじ孔349
に対応する外装ケース52の所定箇所には、貫通孔52
5が形成されている。このように、スライドフレーム3
2と外装ケース52とは、当接部346と前端側壁52
1との当接,当接部347と外縁部523との当接、及
び、各ねじ孔348,324a,349へのねじの締め
付けによって、固定される。なお、左側の鏡筒部21の
スライドフレーム31と外装ケース51も、同様に固定
される。
【0033】次に、左右の鏡筒部21,22において望
遠光学系10L,10Rを保持するための構成について
説明する。本実施形態の双眼鏡1は、図2に示す各望遠
光学系10L,10Rのうち、補助プリズム12L,1
2Rから接眼レンズ15L,15Rまでの部分が夫々移
動可能な移動ユニットとして構成され、当該移動ユニッ
トが光軸OAL,OARに沿って移動されることによって
接眼部の収納/突出及び焦点調整が行われるよう構成さ
れている。そのため、上述したスライドフレーム31,
32には、後述するように構成された左右一対の移動ユ
ニット6a,6bが、組み付けられている。また、本実
施形態の双眼鏡1は、図2に示す右側の望遠光学系10
Rの第1レンズ11Rが上記移動ユニット6bとは独立
して光軸OARに沿って移動可能に構成され、これによ
って使用者の左右両目に合わせた視度調整が可能とされ
ている。そのため、上述した右側のスライドフレーム3
2には、第1レンズ11Rを移動可能に保持する第1レ
ンズ枠19が組み付けられている。なお、左側の望遠光
学系10Lにおける第1レンズ11Lは、左側のスライ
ドフレーム31に対して固定されている。
【0034】図7は、右側のスライドフレーム32,移
動ユニット6b及び第1レンズ枠19の分解斜視図であ
り、図8は、これらを組み付けた場外を示す斜視図であ
り、図9は、左右の移動ユニット6a、6b等を組み込
んだ双眼鏡1の横断面図(図10のIX−IX線に沿っ
た横断面図)である。
【0035】図7に示すように、第2移動枠としての右
側の移動ユニット6bは、プリズム(後述)を保持する
プリズムホルダ64,レンズ(後述)を保持するレンズ
ホルダ66,これらを支持する移動体62,レンズホル
ダ66にその先端側から被せられた化粧環(接眼部の外
装部材)68,レンズホルダ66の先端に取り付けられ
た目当てゴム68aから、構成されている。移動体62
は、プリズムホルダ64を載置するベース板62aと、
ベース板62aの後端縁及び内側端縁に設けられた2つ
の鉛直壁62b,62cよりなっている。2つの鉛直壁
62b,62cは平面視でL字状のフレームを形成し、
鉛直壁62bにはレンズホルダ66が後方から取り付け
られる。また、鉛直壁62cには、スライドフレーム3
2に取り付けられた案内軸325を挿通させるための挿
通孔621,622が形成され、鉛直壁62bの右端に
はスライドフレーム32の側壁部321に上方から接す
る当接部623が設けられている。かくして、図8に示
すように、移動体62は、スライドフレーム32に対
し、前後方向に移動可能に支持される。なお、第1移動
枠としての左側の移動ユニット6aは、底板41の中心
線に関して右側の移動ユニット6bと対称に構成されて
いるので、その説明を省略する。
【0036】右側の第1レンズ11Rを保持する第1レ
ンズ枠19は、案内軸325を挿通させるための挿通孔
191,及びスライドフレーム32の側壁部321に上
方から接する突起192を有しており、移動ユニット6
bの前方において、スライドフレーム32に対して前後
方向に移動可能に支持されている。また、この第1レン
ズ枠19の上面には、光軸に直交する方向に二つの突起
193が並んで突出形成されている。これらの突起19
3には、図示せぬ視度調整つまみに連動する羽根部材8
1におけるスリット81aが係合しているので、図示せ
ぬ視度調整つまみを操作することによって、羽根部材8
1を介して第1レンズ枠19が光軸方向に移動調整され
る。
【0037】次に、左右の移動ユニット6a,6bを光
軸方向に移動させてピント調整を行うための構成を、説
明する。図7乃至図9に示されるように、左右の移動体
61,62における内側下側縁のほぼ中央には、スライ
ドフレーム32の延出部341,342と平行に、長板
状のアーム(第1アーム614,第2アーム624)が
固定されている。これら両アーム614,624の中心
には、その長手方向に延びた中心軸に沿って、スリット
615,625が形成されている。また、これら両アー
ム614,624は、図10(図9のX−X線に沿った
縦断面図)に示される様に、アーム624を上にして底
板41の中心線上で重なっており、夫々に形成されたス
リット615,625が一部重複している。上述した中
央支持体45には、これら両スリット615,625に
係合して両移動ユニット6a,6bを光軸方向に駆動す
るための焦点調整用駆動機構70が内蔵されている。図
11は、これら中央支持体45及び焦点調整用駆動機構
70の構造を示す分解斜視図であり、図12は、焦点調
整用駆動機構70の縦断面図(図9及び図10のXII-XI
I線に沿った要部縦断面図)である。
【0038】この図11に示されるように、中央支持体
45は、略直方体の箱状の本体451とこの本体451
の上端開口を閉じるための蓋452とから構成されてい
る。この本体451の下面(底板41に対向する面)に
おけるほぼ中央には、上述したスライドフレーム31,
32の延出部331,332,341,342を跨ぐと
ともにピニオン36を収容するための凹部451aが形
成されている。また、この本体451の上面(蓋452
に接する面)には、後方から順番に、転輪71を収容す
るための球凹部451b,後述するレバー部材75を収
容するための矩形凹部451c,及び、図示せぬ視度調
整機構を収容するための視度調整機構収容部451d
が、穿たれている。なお、これら球凹部451b,矩形
凹部451c,及び視度調整機構収容部451dを夫々
区切る隔壁,並びに、本体部451の先端内壁(視度調
整機構収要部451dの内壁)及び後端内壁(球凹部4
51bの内壁)は、夫々、本体部451の中心軸に沿っ
て後述する支軸72を支持するために、切り欠かれてい
る。また、矩形凹部451cの左右両側壁における底面
近傍には、上述したアーム614,624を矩形凹部4
51c内に貫通させるとともにその光軸方向への移動を
許容するスリット45b,45bが、形成されている。
また、矩形凹部451cの左右両側内壁における上端開
口近傍には、開口側において矩形凹部451cの幅が広
がる段差状の案内レール45a,45aが、形成されて
いる。
【0039】上述した転輪71は、球を樽型に切除した
形状を有しているので、保持部としての球凹部451b
内において、操作部材として、回転可能且つ軸方向に移
動不能に保持されている。この転輪71の中心軸(樽型
回転軸)には、図12に示すように、筒状の駆動環71
0が貫通した状態で固定されている。この駆動環710
の内周面には、その中心軸に関して120度づつ角度間
隔を開けて、ヘリコイド突起(図示略)が突出形成され
ている。このように構成される駆動環710には、図1
3乃至図15にその詳細形状が示されるネジ部材73の
雄ネジ部731がねじ込まれている。即ち、駆動環71
0及びネジ部材73の雄ネジ部731が駆動手段に相当
する。
【0040】移動部材としてのネジ部材73は、正面図
である図13,縦断面図である図14,底面図である図
15に夫々示されるように、雄ネジ部731及び板状の
スライダ部732を一体成形することによって構成され
ている。このネジ部材73の中心軸には、雄ネジ部73
1からスライダ部732にわたって、テーパー状の貫通
孔73bが形成されている。この貫通孔73b後部及び
後述のレバー部材75の貫通孔75bには、支軸72が
貫通している。この支軸72は、本体451の前後端内
壁間で固定されているので、ネジ部材73がその軸方向
へスムースにガイドされる。ネジ部材73の雄ネジ部7
31の外周面には、駆動環710の内周面に形成された
ヘリコイド突起(図示略)に螺合するネジ溝が切られて
いる。この雄ネジ部731は、球凹部451bと矩形凹
部451cとに亘って配置されるので、球凹部451b
と矩形凹部451cとの間の隔壁に形成される切り欠き
は、この雄ネジ部73の外径よりも広く形成される必要
がある。
【0041】スライダ部732は、図13に示すよう
に、矩形凹部451cの縦断面形状に合わせた形の外縁
を有する板状部として、形成されている。即ち、このス
ライダ部732の上端縁の幅は、矩形凹部451cの上
端開口の幅とほぼ同じであり、スライダ部732の下端
縁の幅は、矩形凹部451cの両案内レール45a同士
の間隔とほぼ同じである。そして、スライダ部732の
幅が変化する箇所が、矩形凹部451cの両案内レール
45aと同形状のコーナー部73aとして形成されてい
るのである。従って、このスライダ部732と矩形凹部
451cとの係合により、ネジ部材73は、回転規制さ
れて支軸72の軸方向にのみ進退可能となっている。つ
まり、転輪71を回転させると、ネジ部材73は、回転
せずに支軸72の軸方向へ進退するのである。
【0042】また、スライダ部732の正面(ネジ部材
73の移動方向に直交する平面)における貫通孔73b
の両脇には、ネジ穴73c、73cが形成され、貫通孔
73bの上側(スライダ部732の上端縁側)には、回
転防止突起73dが突出形成されている。
【0043】さらに、スライダ部732の下端縁は、図
14に示すように、雄ネジ部731の外周面よりも、両
アーム614,624の厚さを合わせた寸法を超えて突
出している。この突出部732の正面は、スライダ部7
32の正面における他の部分よりも雄ネジ部731側に
引っ込んでいることにより、段差73eを形成してい
る。この段差73eのズレ量β(図15参照)は、各ア
ーム614,624の外縁とスリット615,625の
内縁との間の距離α(図14参照)よりも、僅かに大き
い。スライダ部732における段差73eよりも貫通孔
73b側の領域には、左右両端縁近傍を残して、段差7
3eに沿ったスリット73fが形成されている。このス
ライダ部732は合成樹脂によって形成されているの
で、スリット73fによってスライダ部732から分離
した突出部733は、若干前後方向に撓むことができ
る。そして、この突出部732の端面における中央に
は、円柱面状の押圧突起73gが弾性当接部として突出
形成されている。この弾性突起73gの突出量γは、段
差73eのズレ量βから各アーム614,624の外縁
とスリット615,625の内縁との間の距離αを減算
して得られた値よりも大きい。
【0044】このような形状を有するネジ部材73のス
ライダ部732の正面には、図16に示す平面形状を有
する金属製のレバー部材75が、図13乃至図15に夫
々破線で示すように、ネジ止め固定される。このレバー
部材75の中央には、スライダ部732の貫通孔73b
を貫通した支軸72が貫通する貫通孔75bが穿たれて
いる。また、レバー部材75における貫通孔75bの左
右両脇には、スライダ部732のネジ穴73c,73c
にねじ込まれる固定ネジが貫通する貫通孔73c,73
cが穿たれている。これら各貫通孔73c,73cは、
貫通孔73b,75b同士の中心軸を一致させた状態で
レバー部材75をスライダ部732の正面に密着させた
ときに、スライダ部732のネジ穴73c,73cに重
なる。従って、これら各貫通孔73,73cを貫通させ
て図示せぬ固定ネジをスライダ部732のネジ穴73
c,73cにねじ込むことによって、レバー部材75は
スライダ部732の正面に固定される。また、レバー部
材75における貫通孔75bの上側(図16における上
側)にある縁には、U字状の切り欠き75cが形成され
ている。この切り欠き75cは、レバー部材75をスラ
イダ部732の正面に固定したときに、スライダ部73
2の回転防止突起73dに係合する。また、レバー部材
75における貫通孔75bの下側(図16における下
側)にある縁には、舌片状のレバー75aが延出してい
る。このレバー75aは、レバー部材75をスライダ部
732の端面に固定したときに、突出部733の押圧突
起73gと対向する。このとき、押圧突起73gの先端
は、突出部733の下端縁と同じ高さ位置まで達する。
なお、レバー部材75の左右の幅は、スライダ部732
におけるコーナー部73c,73cの部分の幅よりも、
若干狭い。従って、このレバー部材75がネジ部材73
の移動を阻害することはない。また、このレバー部材7
5の厚さは、各アーム614,624のスリット61
5,625の幅よりも、僅かに薄い。このレバー部材7
5のレバー75aは、図10及び図12に示すように、
中央支持体45の矩形凹部451c内に進入して互いに
重なっている両アーム614,624のスリット61
5,625を貫通している。このとき、各アーム61
4,624の外縁とスリット615,625の内縁との
間は、レバー75aと突出部733との間に挟まれる。
但し、レバー75aの後面(突出部733に対向する
面)と押圧突起73gの先端との間の間隔は、各アーム
614,624の外縁とスリット615,625の内縁
との間の幅よりも狭い。従って、突出部733は、雄ネ
ジ部731側へ弧状に撓み、この突出部733自体の弾
発力によって、押圧突起73gが両アーム614,62
4をレバー75aの後面に押し付ける。従って、両アー
ム614,625のスリット615,625の内縁は、
常にレバー75aの後面と接触した状態にあるので、移
動部6a,6bがガタつくことがない。但し、押圧突起
73g以外の箇所において、突出部733の端面は両ア
ーム614,624から離間しているので、眼幅調整時
における両アーム614,624の軸方向(スリット6
15,625の長手方向)への移動は、スムースになさ
れる。
【0045】以上に説明した構成を有する双眼鏡1を使
用する場合、使用者は、最初に、両外装ケース51,5
2を夫々握って引っ張ることにより、両鏡筒部21,2
2の間隔を広げ、両接眼レンズ15L,15Rの間隔を
自分の眼幅に合わせて調整する。このとき、支持フレー
ム25の内部では、底板41の中心線に関して、両スラ
イドフレーム31,32が線対称にスライドする。ま
た、両移動ユニット6a,6bのアーム614,624
は、レバー75aに対する接触状態を保ったままそのス
リット615,625の長手方向に移動するだけである
ので、レバー75aの位置が移動することはない。
【0046】次に、使用者は、両接眼レンズ15L,1
5Rを覗きながら、転輪71を回転させる。すると、駆
動環710とネジ部材73の雄ネジ部731との螺合に
よって、ネジ部材73は、最も先端寄りの位置から後方
へと移動する。このネジ部材73の移動に伴って、レバ
ー部材75のレバー75aは、両アーム614,624
のスリット615,625を介して、両移動体6a,6
bを同方向に同距離だけ駆動する。このとき、上述した
ように、両アーム614,625のスリット615,6
25の内縁は常にレバー75aの後面と接触した状態に
あるので、移動部6a,6bは、転輪71の回転にレス
ポンス良く反応して移動する。また、アーム614,6
24がレバー部材75に対して傾斜することもないの
で、接眼レンズ15L,15Rの光軸が第1レンズ11
L,11Rの光軸に対して傾くこともない。なお、両ア
ーム614,624の幅やスリット615,625の幅
に多少の誤差があったとしても、押圧突起73gは両ア
ーム614,624の外縁の位置に応じて多少傾くの
で、両アーム614,625のスリット615,625
の内縁に対するレバー75aの接触状態はやはり維持さ
れる。
【0047】このようにして転輪71を回転させること
によって両移動部6a,6bを後方へ移動させると、接
眼レンズ15L,15Rによって虚像が形成される範囲
に、観察対象物体の対物光学系(11L,14L,11
R,14R)による実像が結ばれるようになる。但し、
この虚像の位置が使用者の視力による観察可能範囲にな
い場合には、この虚像は使用者にはぼんやりとしか見え
ない。そのため、使用者は、更に転輪71を回転させる
ことによって、観察対象物体の実像が明確に見えるよう
に両移動部6a,6bの位置を調整するのである。
【実施形態2】本発明の第2実施形態は、上述した第1
実施形態と比較して、ネジ部材73のスライダ部732
の形状(更に具体的には、突出部733及びスリット7
3fの形状)のみが異なり、他の構成を全く共通にして
いる。
【0048】図17は、本第2実施形態におけるネジ部
材73の正面図であり、図18は、その縦断面図であ
り、図19は、その下面図である。これら各図から明ら
かなように、スライダ部732における段差73e’よ
りも貫通孔73b側の領域には、段差73eに沿ったス
リット73f’,73f’が、中央部分を残して両側縁
から切り込まれて、形成されている。このスライダ部7
32は合成樹脂によって形成されているので、スリット
73f’,73f’によってスライダ部732から分離
した突出部733’の両端は、若干前後方向に撓むこと
ができる。そして、この突出部733’の端面における
両端には、夫々、円柱面状の押圧突起73g’73g’
が突出形成されている。これら押圧突起73g’73
g’の突出量γは、段差73eのズレ量βから各アーム
614,624の外縁とスリット615,625の内縁
との間の距離αを減算して得られた値よりも大きい。
【0049】このような形状を有するスライダ部722
の正面に上述した通りの形状を有するレバー部材75を
固定すると、レバー75aの後面(突出部733に対向
する面)と各押圧突起73g’,73g’の先端との間
の間隔は、両アーム614,624の外縁とスリット6
15,625の内縁との間の幅よりも狭くなる。従っ
て、レバー75aを両アーム614,624のスリット
615,625に貫通させると、突出部733が雄ネジ
部731側へ弧状に撓んだ状態で、両アーム614,6
24のスリット615,625と外縁との間がレバー7
5aと押圧突起73g’,73g’との間に挟まれる。
その結果、両アーム614,625のスリット615,
625の内縁は、常にレバー75aの後面と接触した状
態となるので、移動部6a,6bがガタつくことがな
い。しかも、両アーム614,615は、3点(レバー
75a,両押圧突起73g’、73g’)にて支持され
るので、第1実施形態のものよりも確実に傾きが防止さ
れている。本第2実施形態におけるその他の構成及び作
用は、上述した第1実施形態のものと全く同じであるの
で、その説明を省略する。
【0050】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の双眼鏡
によると、アームに形成されたスリットの内縁を常時レ
バーの内面に接触させることができ、これにより、各望
遠光学系の鏡筒にガタが生じないとともに、使用者によ
る転輪の操作に応じて鏡筒がレスポンス良く反応して移
動する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態による双眼鏡の斜視図
【図2】 図1の双眼鏡の光学系を示す光学構成図
【図3】 図1の双眼鏡の分解斜視図
【図4】 スライドフレームと底板の斜視図
【図5】 スライドフレームを底板に取り付けた状態を
示す斜視図
【図6】 スライドフレームへの外装ケースの取付構造
を示す斜視図
【図7】 移動ユニットの構造を示す分解図
【図8】 移動ユニットの組み付け構造を示す斜視図
【図9】 双眼鏡の内部構造を示す横断面図
【図10】 図9のX−X線に沿った縦断面図
【図11】 中央支持体の構造を示す分解斜視図
【図12】 図9のXII-XII線に沿った一部省略縦断面
【図13】 ネジ部材の正面図
【図14】 ネジ部材の縦断面図
【図15】 ネジ部材の下面図
【図16】 レバー部材の平面図
【図17】 本発明の第2実施形態によるネジ部材の正
面図
【図18】 図17のネジ部材の縦断面図
【図19】 図17ネジ部材の下面図
【図20】 従来の双眼鏡の構造を示す平面図
【図21】 従来の双眼鏡に用いられているネジ部材の
正面図
【図22】 図21のネジ部材の縦断面図
【図23】 図21ネジ部材の下面図
【図24】 光軸が傾いた状態を示す図
【符号の説明】
6a, 6b 移動部 11L, 11R 第1レンズ 15L, 15R 接眼レンズ 45 中央支持体 70 焦点調整用駆動機構 71 転輪 73 ネジ部材 73e 段差 73f スリット 73g 押圧突起 75 レバー部材 75a レバー 451 本体 451b 球凹部 451c 矩形凹部 710 駆動環 731 雄ネジ部 732 スライダ部 733 突出部
【手続補正書】
【提出日】平成10年11月9日(1998.11.
9)
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図12
【補正方法】変更
【補正内容】
【図12】

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対物光学系及び接眼光学系を夫々組み込
    んだ第1及び第2の鏡筒部とこれらの鏡筒部を連結する
    連結部とを有する双眼鏡であって、 第1の鏡筒部内において前記対物光学系及び接眼光学系
    のうちの何れかをその光軸方向にのみ移動可能に保持す
    る第1移動枠と、 この第1の移動枠による移動方向に直交する方向に向け
    てこの第1保持枠に固定された第1アームと、 第2の鏡筒部内において前記対物光学系及び接眼光学系
    のうちの何れかをその光軸方向にのみ移動可能に保持す
    る第2の移動枠と、 この第2の移動枠による移動方向に直交する方向に向け
    てこの第2移動枠に固定された第2アームと、 第1及び第2の鏡筒の間において前記第1移動枠及び前
    記第2移動枠による移動方向にのみ移動可能且つ回転不
    能に前記連結部に保持された移動部材と、 この移動部材を移動させる駆動手段と、 その平面において前記第1アーム及び前記第2アームに
    当接するために前記移動部材に設けられたレバー部材
    と、 このレバー部材との間で前記第1アーム及び前記第2ア
    ームを挟み込むとともに、その弾性によって前記第1ア
    ーム及び前記第2アームを前記レバー部材に押し付ける
    ために前記移動部材に設けられた弾性当接部とを備えた
    ことを特徴とする双眼鏡。
  2. 【請求項2】前記移動部材には、その移動方向に沿って
    ネジが切られており、 前記駆動手段は、前記移動部材に螺合するネジを有した
    操作部材と、この操作部材を回転自在且つ移動不能に前
    記連結部に保持する保持部とを有することを特徴とする
    請求項1記載の双眼鏡。
  3. 【請求項3】前記移動部材の先端には、その移動方向に
    直交する平面を有するとともにその一部にスリットが形
    成された板状部が、一体に形成されており、 前記弾性当接部は、前記板状部における前記スリットに
    よって可撓性が生じた部分に設けられた突起であり、 前記レバー部材は、その平面を前記板状部の平面と平行
    に向けた状態で前記板状部に固定されていることを特徴
    とする請求項1記載の双眼鏡。
  4. 【請求項4】自然状態における前記レバー部材の平面と
    前記弾性当接部との間の距離が、前記第1アーム及び前
    記第2アームにおける前記レバー部材と前記弾性当接部
    とによって挟まれた部分の幅よりも狭いことを特徴とす
    る請求項3記載の双眼鏡。
  5. 【請求項5】前記板状部における前記スリットによって
    可撓性が生じた部分は、前記板状部の平面における他の
    部分との間に、前記第1アーム及び前記第2アームにお
    ける前記レバー部材と前記弾性当接部とによって挟まれ
    た部分の幅に相当する段差を有しており、 前記レバー部材は、その平面を前記板状部の平面に密着
    させた状態で固定されていることを特徴とする請求項4
    記載の双眼鏡。
  6. 【請求項6】前記板状部に形成されたスリットは、前記
    板状部の両側縁近傍を残して形成されており、前記突起
    は1箇所のみに形成されていることを特徴とする請求項
    3記載の双眼鏡。
  7. 【請求項7】前記板状部に形成されたスリットは、前記
    板状部の中央を残して両側縁から形成されており、前記
    突起は2箇所に形成されていることを特徴とする請求項
    3記載の双眼鏡。
  8. 【請求項8】前記第1アーム及び前記第2アームは互い
    に重なっていることを特徴とする請求項1記載の双眼
    鏡。
  9. 【請求項9】前記第1アーム及び前記第2アームには、
    その長手方向に沿って前記レバー部材が挿入されるスリ
    ットが形成されていることを特徴とする請求項8記載の
    双眼鏡。
  10. 【請求項10】前記第1の鏡筒及び前記第2の鏡筒は、
    前記連結部に対して、前記第1アーム及び前記第2アー
    ムの長手方向にスライド自在であることを特徴とする請
    求項1記載の双眼鏡。
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