JP3450665B2 - 双眼鏡 - Google Patents

双眼鏡

Info

Publication number
JP3450665B2
JP3450665B2 JP23764197A JP23764197A JP3450665B2 JP 3450665 B2 JP3450665 B2 JP 3450665B2 JP 23764197 A JP23764197 A JP 23764197A JP 23764197 A JP23764197 A JP 23764197A JP 3450665 B2 JP3450665 B2 JP 3450665B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
binoculars
eyepiece
lens system
moving
movable frame
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP23764197A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH10115769A (ja
Inventor
剛治 舩津
Original Assignee
ペンタックス株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ペンタックス株式会社 filed Critical ペンタックス株式会社
Priority to JP23764197A priority Critical patent/JP3450665B2/ja
Publication of JPH10115769A publication Critical patent/JPH10115769A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3450665B2 publication Critical patent/JP3450665B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Telescopes (AREA)
  • Lens Barrels (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は双眼鏡に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来より、接眼レンズ系を移動して焦点
調整を行う双眼鏡が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな接眼レンズ系を移動させるタイプの双眼鏡では、正
立光学系であるプリズム群と接眼レンズ系との間に、接
眼レンズ系の移動を許容するだけの間隔を設ける必要が
あり、この空間が双眼鏡の小型化の妨げとなっていた。
【0004】上記の事情に鑑み、本発明は、少ないスペ
ースで接眼レンズを移動することができる双眼鏡を提供
することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の双眼鏡は、左右の各望遠光学系におい
て、接眼レンズ系と正立光学系とが、接眼レンズ系の光
軸方向に一体的に移動可能であるよう構成したものであ
る。このように構成することによって、正立光学系と接
眼レンズ系との間に、接眼レンズ系の移動を許容するだ
けの間隔を設ける必要が無くなるため、それだけ正立光
学系と接眼レンズ系とを近接させて配置することがで
き、双眼鏡の小型化が可能になる。
【0006】また、上記の接眼レンズ系及び正立光学系
とを、接眼レンズ系の光軸方向に移動可能に設けられた
左右一対の移動体に保持することができる。このように
構成することにより、簡単な構成で、接眼レンズ系及び
正立光学系とを一体的に移動可能に保持することが可能
となる。
【0007】さらに、上記の移動体が、望遠光学系が
観察不能状態になるまで、接眼レンズ系が対物レンズ系
の最前のレンズに接近するよう移動し得るよう構成する
ことが可能である。このように構成すれば、双眼鏡の未
使用時には、観察不能状態になるまで、接眼レンズ系を
対物レンズ系の最前のレンズに接近させて、双眼鏡の全
体寸法を小さくすることができる。
【0008】また、上記の移動体の移動によって、焦点
調整を行うよう構成することもできる。即ち、移動体の
移動領域のうち、第1の領域では接眼レンズが、望遠
光学系が観察不能状態になる位置と観察可能状態になる
位置との間で移動し、第2の領域では焦点調整を行うよ
う構成することが可能である。このように構成すれば、
未使用時の接眼レンズ部等の収納と、焦点調整とを一つ
の駆動系で行うことが可能となり、構成が簡単になる。
【0009】さらに、上記の移動体が、観察者の眼をカ
バーする目当て部材、あるいは望遠光学系の視野を規
定する視野枠部材をさらに保持するよう構成することも
できる。このように構成することによって、目当て部材
や視野枠部材を接眼レンズ系等のより近傍に配置するこ
とが可能になる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。本実施形態の双眼鏡は、左右の望遠光学系を双
眼鏡の幅方向中心部に対して対称に移動させて眼幅調節
を行うよう構成されたものであり、両接眼部の間隔の大
小に係わらず、焦点調節用の操作部材が双眼鏡の幅方向
中心部に位置するよう構成されたものである。以下、図
面を参照して詳説する。
【0011】図1は、本実施形態の双眼鏡1を示す斜視
図である。双眼鏡1は、双眼鏡の幅方向中心部に対して
対称に移動可能な左右一対の鏡体(ケーシング)21,
22と、両鏡体を支持する支持フレーム25が設けられ
ている。
【0012】図2は、双眼鏡1の光学系を示す図であ
る。双眼鏡1は、接眼レンズと対物レンズが同一直線上
に配置された、所謂ダハプリズムタイプの双眼鏡であ
る。図2に示すように、双眼鏡1の左右の鏡体21,2
2には、左右一対の望遠光学系10L,10Rが収容
されている。各望遠光学系10L,10Rは、図中一
点鎖線で示す入射光軸OAL,OARに沿って、第1レン
ズ11L,11R、補助プリズム12L,12R、ダハ
プリズム13L,13R、及び第2レンズ14L,14
R、接眼レンズ15L,15Rからなっている。
【0013】第1レンズ11L,11R及び第2レンズ
14L,14Rは、夫々対物レンズ系を形成しており、
当該対物レンズ系により像が形成される位置に視野枠1
6L,16Rが設けられている。対物レンズ系により形
成された像は、接眼レンズ15L,15Rにより拡大さ
れ、観察される。
【0014】次に、図1に示す左右一対の鏡体21,2
2を、双眼鏡の幅方向中心部に対して対称に移動可能と
するための構成について説明する。なお、以下の説明で
は、双眼鏡の対物側を前方、接眼側を後方と呼ぶ。
【0015】図3は、双眼鏡1のフレーム構造を示す分
解斜視図である。左右一対の鏡体21,22を移動可能
に支持するための支持フレーム25(図1)は、平行な
2枚の板部材である底板41と天板42、及び底板41
と天板42の間に設けられ双眼鏡の高さ方向の支柱とな
る中央支持体45によって、横H字型のフレームとして
構成されている。
【0016】左右の望遠光学系10L,10R(図
2)の各レンズ及びプリズム(図3では夫々光軸OA
L,OARで示す)は、底板41と天板42の間で双眼鏡
幅方向に移動可能に設けられた左右一対の可動フレーム
31,32に支持される。また、当該可動フレーム3
1,32には、観察者に把持される部分である左右一対
の外装ケース51,52が固定される。この左右の可動
フレーム31,32及び外装ケース51,52が、鏡体
21,22(図1)を構成する。
【0017】図4は、左右の可動フレーム31,32、
及び両可動フレームを支持する底板41を示す斜視図で
ある。可動フレーム31,32には、前述の望遠光学
系10L,10R(図2)の各レンズ及び各プリズムを
保持する光学系保持部310,320が設けられてい
る。
【0018】保持部310,320の、夫々双眼鏡左端
及び右端に相当する端部は、鉛直上向きに屈曲され、側
壁部311,321を形成している。また、保持部31
0,320の中央域には、略長方形の開口312,32
2が形成されている。
【0019】可動フレーム31の保持部310の前端及
び後端には、側壁部311から所定距離の位置に、鉛直
方向上方に起立する一対の起立部313,314が形成
されている。側壁部311と起立部313,314との
間で、左側の望遠光学系10L(図2)が保持され
る。同様に、可動フレーム32の保持部320の前端及
び後端には起立部323,324が形成され、側壁部3
21と起立部323,324との間で、右側の望遠
学系10R(図2)が保持される。
【0020】可動フレーム31の保持部310の両起立
部313,314の間には、側壁部311と平行な案内
軸315が掛け渡され、可動フレーム32の保持部32
0の両起立部323,324の間には、側壁部321と
平行な案内軸325が掛け渡されている。両案内軸31
5,325は、接眼レンズ系及びプリズムを光軸方向に
移動させる際の案内を行うものである(詳細は後述す
る)。
【0021】可動フレーム31の保持部310の前端及
び後端近傍には、双眼鏡幅方向に延びる案内溝310
a,310bが夫々形成されている。同様に、可動フレ
ーム32の光学系保持部320の前端及び後端近傍に
は、双眼鏡幅方向に延びる案内溝320a,320bが
夫々形成されている。
【0022】底板41の4隅には、ピン413,41
4,415,416が植設され、夫々可動フレーム31
の案内溝310a,310bと可動フレーム32の案内
溝320a、320bに貫通する。案内溝310a,3
10b、320a、320bとピン413,414,4
15,416との係合により、可動フレーム31,32
は、底板41上で双眼鏡幅方向にのみ移動可能に位置規
制される。
【0023】可動フレーム31の保持部310からは、
可動フレーム32の保持部320に向けて平行な一対の
延出部331,332が延びており、可動フレーム32
の保持部320からは、可動フレーム31の保持部31
0に向けて一対の延出部341,342が延びている。
【0024】延出部331,332には双眼鏡の幅方向
に延びる係合溝333,334が形成され、同様に、延
出部341,342には係合溝343,344が夫々形
成されている。
【0025】また、底板41の双眼鏡幅方向中央には、
可動フレーム31の係合溝333と可動フレーム32の
係合溝343に係合するピン411と、可動フレーム3
1の係合溝334と可動フレーム32の係合溝344に
係合するピン412が植設されている。
【0026】図5に、可動フレーム31,32を底板4
1に取り付けた状態を示す。可動フレーム31,32を
底板41に取り付けると、可動フレーム31の延出部3
31,332と可動フレーム32の延出部341,34
2とは、可動フレーム32側が上になるように夫々重な
るように配置される。
【0027】中央支持体45は、底板41の幅方向中央
部において、可動フレーム31,32の各延出部に跨る
ように配置される。可動フレーム31の対物側の延出部
331、及び可動フレーム32の接眼側の延出部342
には、夫々ラック335,345が互いに向き合って形
成されており、両ラック335、345は中央支持体4
5の下部に設けられたピニオン36に係合している。
【0028】また、図3に示すように、可動フレーム3
1の起立部313,314の上端面313a,314
a、及び可動フレーム32の起立部323,324の上
端面323a,324aは、天板42の下面に当接する
当接面となっている。このように、可動フレーム31,
32は底板41及び天板42により鉛直方向に位置規制
される。かくして、可動フレーム31,32は、底板4
1と天板42及び中央支持体45よりなる横H型の支持
フレーム25によって双眼鏡の幅方向にスライド可能に
支持される。
【0029】図6は、底板41上での可動フレーム3
1,32のスライド状態を示す平面図である。可動フレ
ーム31,32は、底板41に植設された各ピン41
3,414,415,416と、案内溝310a,31
0b,320a,320bとの係合によって、双眼鏡幅
方向にのみスライド可能となっている。さらに、ピニオ
ン36が可動フレーム31,32のラック335,34
5に係合しているため、図6(a)、(b)に示すよう
に、可動フレーム31,32は、互いに逆方向に同量だ
け移動可能となる。
【0030】前述の通り、左右の可動フレーム31,3
2に夫々外装ケース51,52(図3)を取り付けるこ
とにより左右の鏡体21,22(図1)が構成される。
図7は、右側の可動フレーム32と外装ケース52の取
り付け構造を示す斜視図である。なお、図7では、可動
フレーム32の上下に位置する底板41,天板42(図
3)は省略する。
【0031】外装ケース52は双眼鏡幅方向内側に面し
て開口した箱型に形成されている。外装ケース52の前
端には鉛直壁521が形成され、対物レンズ系の第1レ
ンズ11R(図2)に入射光を導くための開口522が
形成されている。一方、外装ケース52の後端は全体が
開口となっており、当該開口の双眼鏡幅方向内側の周縁
には、後端カバー529を取り付けるための外縁部52
3が形成されている。
【0032】可動フレーム32の一対の起立部323,
324のうち、前方の起立部323には、前方に向けて
水平に突出し、外装ケース52の壁521に当接する当
接部346が形成されている。また、接眼側の起立部3
24は接眼側に向けて屈曲され、屈曲部の上下端が外装
ケース52の接眼部側の外縁部523に当接する当接部
347となっている。
【0033】さらに、起立部323にはねじ孔348が
形成され、ねじ孔348に対応する外装ケース52の所
定箇所には貫通孔524が形成されている。また、起立
部324にはねじ孔324aが形成され、外装ケース5
2の外縁部523にはめ込まれる後端カバー529に
は、ねじ孔324aに対応する箇所に貫通孔526が形
成されている。そして、側壁部321の所定箇所にはね
じ孔349が形成され、ねじ孔347に対応する外装ケ
ース52の所定箇所には、貫通孔525が形成されてい
る。
【0034】このように、可動フレーム32と外装ケー
ス52とは、当接部346,347と壁521及び外縁
部523との当接、及びねじ孔348,324a,34
9へのねじの締め付けによって固定される。つまり、可
動フレーム32の上下には底板41と天板42が位置す
るため、可動フレーム32の上下以外の箇所、即ち、前
後端と側端において、可動フレーム32と外装ケース5
2とが固定される。なお、左側の鏡体21と可動フレー
ム31も、同様に固定される。
【0035】このように構成されているため、左右の鏡
体21,22は、横H型の支持フレーム25に支持さ
れ、図8(a)、(b)に概略断面図として示す如く、
支持フレーム25に対して対称にスライドする。
【0036】本実施形態の双眼鏡では、可動フレーム3
1,32及び外装ケース51,52よりなる左右の鏡体
(ケーシング)21,22が、夫々箱体(殻)を構成す
るため、剛性の高い構造が得られる。なお、左右の鏡体
21,22の剛性をより高くするため、可動フレーム3
1,32及び外装ケース51,52は金属で構成されて
いる。
【0037】また、この左右の鏡体21,22が、底板
41と天板42及び中央支持体45よりなる横H型の支
持フレーム25に支持されるため、図8(b)に示すよ
うに、左右の鏡体21,22の間隔を広げた状態でも、
双眼鏡1全体の剛性が保たれる。なお、双眼鏡1全体の
剛性をより高くするため、底板41と天板42は金属で
構成されている。
【0038】次に、接眼部を収納するための構成につい
て説明する。本実施形態の双眼鏡は、図2に示す左右の
望遠光学系のうち、補助プリズム12L,12Rから
接眼レンズ15L,15Rまでの部分を左右夫々ワンユ
ニットとし、光軸OAL,OARに沿って移動させること
によって接眼部の収納及び焦点調節を行うよう構成され
ている。
【0039】そのため、可動フレーム31,32(図
3)には、各プリズム及びレンズを保持し、光軸に沿っ
て移動する左右一対の移動体が設けられる。図9は、左
側の可動フレーム31に取り付けられた左の移動体61
を示す平面図である。なお、右側の移動体62は、左側
の移動体61と双眼鏡幅方向の中心に対し対称に構成さ
れている。
【0040】図9に示すように、移動体61には補助プ
リズム12Lとダハプリズム13Lを保持するプリズム
ホルダ63、及び対物レンズ系の第2レンズ14L及び
接眼レンズ15Lを保持するレンズホルダ65が取り付
けられる。また、接眼レンズ15の先端には化粧環67
が取り付けられている。又、レンズホルダ65の観察者
側の先端には、目当てゴム65aが設けられている。
【0041】移動体61の右端には、可動フレーム31
に設けられた光軸方向に延びる案内軸315を挿通させ
るための挿通孔611,612が形成されている。ま
た、移動体61の左端には、可動フレーム31の側壁部
311に上方から接する突起613が設けられている。
かくして、移動体61は、可動フレーム31に対し、光
軸方向に移動可能に支持される。
【0042】さらに、移動体61の右端には、右方に延
びるアーム614が形成され、当該アーム614には、
双眼鏡幅方向方向に延びる係合溝615が形成されてい
る。
【0043】図10は、移動体61,62を駆動するた
めの操作部70を示す斜視図である。図10に示すよう
に、中央支持体45の内部には、操作用の転輪71が支
軸72の回りに回動可能に設けられている。転輪71に
はねじ73が係合しており、ねじ73の先端にはねじ7
3が回転しないよう前後方向にのみ案内するスライダ7
4が固定されている。
【0044】スライダ74は、中央支持体45の内部に
設けられた案内レール45aに案内されるコーナー部7
4aが形成され、コーナー部74aと案内レール45a
との摺動によって、スライダ74は前後方向に直進移動
可能になる。また、スライダ74には、下方に向けて延
びるレバー75が取り付けられる。
【0045】中央支持体45の両側面には、左右の移動
体61,62のアーム614,624を左右両側から挿
入するための貫通溝45b,45bが形成されている。
貫通溝45b,45bから中央支持体45の内部に挿入
されたアーム614と624の溝615,625には、
レバー75が上方から係合する。
【0046】図11は、双眼鏡の内部構造を示す断面図
である。図11に示すように、転輪71の内部には駆動
環71aが固定され、駆動環71aの内面には2つの突
起76,77が設けられている。ねじ73は2条ねじで
あり、夫々の条に突起76,77が係合している。転輪
71を回転すると、ねじ73が直進移動する。そして、
スライダ74とレバー75(図10)を介してアーム6
14,624が前後に移動し、移動体61,62が移動
する。図12に、接眼部が最も突出した状態を示す。
【0047】ここで、実施形態の双眼鏡は、図11に示
すように、使用時以外には接眼部を双眼鏡本体内に収納
することによって小型化を図っている。そして、移動体
61,62のストローク(図11から図12までの移動
距離)は、焦点調節のためのストロークと、接眼部の収
納/突出のためのストロークを含んでいる。即ち、図1
1に示す状態から転輪を操作すると、移動体61,62
の全ストローク11ミリのうち、最初の7ミリで接眼部
を観察不能状態から観察可能状態まで移動し、次の4ミ
リで焦点調節を行う。
【0048】図13及び図14は、ねじ73の側面図及
び転輪71の断面図である。ねじ73は、接眼部の収納
/突出に相当する部分Aではリードが大きく(本実施形
態では7ミリ)、焦点調節に相当する部分Bではリード
が小さく(本実施形態では4ミリ)なるよう形成されて
いる。また、ねじ73の溝73aはV字断面を有し、こ
れに係合する転輪71のピン76,77は円錐形状であ
るため、溝においてリードが変化する部分でも、スムー
スに摺動することができる。このように構成することに
よって、接眼部の収納/突出はすばやく行うことがで
き、且つ焦点調節は細かく正確に行うことができる。
【0049】なお、移動体61,62(図11)を、望
光学系10L,10Rが観察不能状態から観察可能
状態になるまで移動させた時、望遠光学系10L,1
0Rの焦点は無限遠に合っている。そして、観察可能状
態になってからさらに転輪71を操作して移動体61,
62を移動することにより、無限遠から近距離へと焦点
調整が行われる。
【0050】このように、本実施形態の双眼鏡による
と、両鏡体21,22が双眼鏡1の幅方向中心部に対し
て対称にスライドするため、双眼鏡1の幅方向中央部に
配置された焦点調節用の転輪71が、両鏡体21,22
の間隔の変化に係わらず常に双眼鏡1の幅方向中央部に
位置する。従って、右利き、左利きのいずれの観察者に
とっても転輪が操作し易い。
【0051】また、双眼鏡の未使用時には、接眼レンズ
15L,15Rを、観察不能状態になるまで第1レンズ
11L,111Rに接近させることができる。即ち、未
使用時の双眼鏡の光軸方向の寸法をそれだけ小さくする
ことができ、携帯性が向上する。また、接眼部の収納/
突出と焦点調節とを同一の機構(即ち、移動体61、6
2の光軸方向への移動)で行うよう構成したため、接眼
部の収納/突出と焦点調節を別々の駆動機構で行う場合
に比べて、構成が簡単になる。
【0052】次に、視度差調整機構について説明する。
図11,12に示すように、右側の対物レンズ系の第1
レンズ11Rは、可動フレーム32の案内軸325によ
り光軸方向に移動可能に支持されている。一方の左側の
第1レンズ11Lは、可動フレーム31に固定されてい
る。実施形態の双眼鏡は、一方(右側)の対物レンズ系
の第1レンズ11Rを光軸方向に移動することによっ
て、視度差調整を行うよう構成されている。
【0053】図15は、左右の第1レンズ11L,11
Rの取付部分を切り欠いて示す双眼鏡の平面図である。
右側の第1レンズ11Rを移動するため、中央支持体4
5には右方向に延びる羽根部材80が設けられている。
羽根部材80には、長手方向に延びる係合溝81が形成
されている。右側の第1レンズ11Rを保持する第1レ
ンズ枠18の上面には、2つのピン18a,18aが設
けられ、両ピン18a,18aが係合溝81に係合して
いる。即ち、羽根部材80の移動によって右側の第1レ
ンズ11Rを移動する。
【0054】図16に視度差調整つまみを示す。本実施
形態では、視度差調整つまみ90は、双眼鏡1の下面の
幅方向中央部に設けられる。また、視度差調整つまみ9
0は円板形状で、光軸と直交する軸の回りで回転操作さ
れるよう構成されている。
【0055】図17は、視度差調整つまみ90と羽根部
材80との連動状態を下方から見た斜視図である。視度
差調整つまみ90の回転を羽根部材80の直進運動に変
換するため、回転ダイヤル90の上部には、回転ダイヤ
ル90の回転中心に対し所定量偏心して駆動ピン91が
立設されている。そして、この駆動ピン91に係合する
凹部を有する駆動部材83が、羽根部材80と一体的に
軸72に沿って移動可能に設けられている。
【0056】図18は、視度差調整つまみ90の回転操
作による駆動部材83の動作を示す図である。なお、図
18では、分かり易くするため、駆動部材83と視度差
調整つまみ90を真下から見た状態で別々に示す。図1
8(a)に示すように、視度差調整つまみ90が0(基
準位置)にセットされている状態では、駆動ピン91は
視度差調整つまみ90の回転中心に対し横方向(双眼鏡
幅方向)に並んだ状態にある。
【0057】図18(a)の状態から、図18(b)に
示すように視度差調整つまみ90を時計回りに回転させ
ると、駆動ピン91は視度差調整つまみ90の回転中心
よりも前方に移動し、駆動部材83を前進させる。即
ち、羽根部材80を前方に移動させる。また、図18
(c)に示すように、視度差調整つまみ90を反時計回
りに回転させると、駆動ピン91は視度差調整つまみ9
0の回転中心よりも後方に移動し、駆動部材83を後退
させる。即ち、羽根部材80を後方に移動させる。
【0058】このように、視度差調整つまみ90を光軸
と直交する軸の回りに回転可能に設けることができるた
め、図16に示すように視度差調整つまみ90を双眼鏡
1の下面に設けることが可能になる。これにより、簡単
に操作することができる上、スペースを取らないという
効果を奏するものである。
【0059】さらに、図19に双眼鏡1の部分断面図と
して示すように、視度差調整つまみ90の表面は、外装
ケース51(52)の外表面と一致しており、当該外表
面よりも突出するのは「・」「+」「−」(図18)な
どの記号とローレットである。このように構成されてい
るため、双眼鏡1全体がコンパクトになる。また、
「・」「+」「−」等の記号及びローレットと指とのグ
リップにより、視度差調整つまみ90を指で容易に回転
操作することができる。
【0060】なお、図17及び図18において、駆動部
材83を羽根部材80に固着することも可能だが、本実
施形態では双眼鏡の工場出荷前あるいは部品交換後の視
度差の微調整を可能にするために、駆動部材83と羽根
部材80との位置関係が調節可能となっている。
【0061】即ち、図18に示すように、羽根部材80
には、駆動部材83の前方に面する板状部位95が設け
られ、ねじ93が板状部位95を通して駆動部材83に
ねじ込まれ、さらにねじ93の周囲にばね96が配置さ
れている。即ち、ねじ93を締めるあるいは緩めると、
駆動部材83に対する羽根部材80の光軸方向の相対位
置を微調節することができる。
【0062】ねじ93を操作するための工具を挿通する
ため、中央支持体45には工具用挿通孔97が形成さ
れ、該挿通孔97は中央支持体45の前面の化粧シール
98に隠れている。そのため、両鏡体21,22の間隔
を広げ(図16)、化粧シール98を剥がして、工具奏
通孔97から工具を挿通することにより、ねじ93を回
転させ、視度差の微調整を行うことができる。
【0063】このように、本実施形態の双眼鏡は、左右
の望遠光学系の接眼レンズ15L,15Rとプリズム
群(補助プリズム12L,12Rとダハプリズム13
L,13R)とが移動体61,62によって保持され、
接眼レンズ15L,15Rの光軸方向に一体的に移動可
能となっている。このような構成により、接眼レンズ1
5L,15Rとプリズム群との間に、接眼レンズ15
L,15Rの移動を許容するだけの間隔を設ける必要が
無くなり、接眼レンズ15L,15Rとプリズム群とを
それだけ近接させて配置することができる。
【0064】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明の双眼鏡
は、接眼レンズ系と正立光学系とを、接眼レンズ系の光
軸方向に一体的に移動可能とすることによって、正立光
学系と接眼レンズ系との間に、接眼レンズ系の移動を許
容するだけの間隔を設ける必要が無くなる。そのため、
正立光学系と接眼レンズ系とをそれだけ近接させて配置
することができ、双眼鏡の小型化が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の双眼鏡の斜視図である。
【図2】図1の双眼鏡の光学系を示す図である。
【図3】図1の双眼鏡の分解斜視図である。
【図4】可動フレームを示す斜視図である。
【図5】可動フレームを底板に取り付けた状態を示す斜
視図である。
【図6】可動フレームのスライド動作を示す斜視図であ
る。
【図7】可動フレームに対する外装ケースの取付構造を
示す斜視図である。
【図8】左右の鏡体のスライド動作を示す斜視図であ
る。
【図9】移動体の構造を示す平面図である。
【図10】操作部材を示す斜視図である。
【図11】双眼鏡の内部構造を示す平面図である。
【図12】双眼鏡の内部構造を示す平面図である。
【図13】ねじを示す平面図である。
【図14】転輪を示す断面図である。
【図15】双眼鏡の内部構造を示す平面図である。
【図16】視度差調整つまみを示す斜視図である。
【図17】視度差調整機構を示す斜視図である。
【図18】羽根部材の動作を示す概略図である。
【図19】双眼鏡の部分断面図である。
【符号の説明】
1 双眼鏡 11L,11R 第1レンズ 12L,12R 補助プリズム 13L,13R ダハプリズム 14L,14R 第2レンズ 15L,15R 接眼レンズ 21,22 鏡体(ケーシング) 25 支持フレーム 31,32 可動フレーム 310a,310b,320a,320b 案内溝 36 ピニオン 41 底板 413,414,415,416 ピン 42 天板 45 中央支持体 51,52 外装ケース 61,62 移動体 614,624 アーム 70 操作部 71 転輪 73 ねじ 80 羽根部材 90 視度差調整つまみ 91 駆動ピン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−287174(JP,A) 特開 平8−194169(JP,A) 特開 平8−160494(JP,A) 特開 昭54−133355(JP,A) 実開 昭59−181415(JP,U) 実開 平7−8820(JP,U) 実開 昭63−41112(JP,U) 実公 昭35−26372(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 7/02 - 7/24 G02B 23/00 - 23/22 G02B 9/00 - 17/08

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 左右の望遠鏡光学系の各々が対物レンズ
    系、正立光学系、及び接眼レンズ系を備え、 前記接眼レンズ系及び前記正立光学系は、前記望遠鏡光
    学系が観察可能状態となる第1の位置と、前記第1の位
    置より前記対物レンズ系の最前のレンズ側にあり、前記
    望遠鏡光学系が観察不能状態となり、前記接眼レンズ系
    が当該双眼鏡の本体内に収納される第2の位置との間
    で、前記接眼レンズ系の光軸方向に一体的に移動可能で
    あることを特徴とする双眼鏡。
  2. 【請求項2】 前記接眼レンズ系及び前記正立光学系と
    が、前記接眼レンズ系の光軸方向に移動可能に設けられ
    た左右一対の移動体に保持されていること、を特徴とす
    る請求項1に記載の双眼鏡。
  3. 【請求項3】 前記移動体の移動によって、焦点調整を
    行うよう構成された請求項2に記載の双眼鏡。
  4. 【請求項4】 前記移動体は観察者の眼をカバーするた
    めの目当て部材をさらに保持すること、を特徴とする請
    求項2から3のいずれかに記載の双眼鏡。
  5. 【請求項5】 前記移動体は前記望遠鏡光学系の視野を
    規定する視野枠部材をさらに保持すること、を特徴とす
    る請求項2から4のいずれかに記載の双眼鏡。
  6. 【請求項6】 左右の前記移動体を連動して移動させる
    ための、移動機構を備えること、を特徴とする請求項2
    から5のいずれかに記載の双眼鏡。
  7. 【請求項7】 前記左右の移動体からは、双眼鏡幅方向
    内側に向けて夫々アーム部材が突出形成されており、前
    記左右の移動体は前記アーム部材を介して前記移動機構
    により前記光軸方向に駆動されること、を特徴とする請
    求項6に記載の双眼鏡。
JP23764197A 1996-08-20 1997-08-19 双眼鏡 Expired - Fee Related JP3450665B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23764197A JP3450665B2 (ja) 1996-08-20 1997-08-19 双眼鏡

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8-237249 1996-08-20
JP23724996 1996-08-20
JP23764197A JP3450665B2 (ja) 1996-08-20 1997-08-19 双眼鏡

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10115769A JPH10115769A (ja) 1998-05-06
JP3450665B2 true JP3450665B2 (ja) 2003-09-29

Family

ID=26533125

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP23764197A Expired - Fee Related JP3450665B2 (ja) 1996-08-20 1997-08-19 双眼鏡

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3450665B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH10115769A (ja) 1998-05-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6014253A (en) Binocular including focus and diopter adjustment of different lens groups
US6108128A (en) Binocular
JP3450665B2 (ja) 双眼鏡
US5896209A (en) Binocular with two slide frames
JP3365933B2 (ja) 双眼鏡
JPH10142520A (ja) 送りねじ機構
US6680805B2 (en) Binocular and optical axis adjusting method for binocular
JP3569423B2 (ja) 双眼鏡
JP3515683B2 (ja) 双眼鏡
JP3515684B2 (ja) 双眼鏡
JPH10115773A (ja) 双眼鏡
JP3641640B2 (ja) 双眼鏡
JPH10115772A (ja) 双眼鏡
JPH10115768A (ja) 双眼鏡
JPH10115765A (ja) 双眼鏡
JPH10115766A (ja) 双眼鏡
JPH10115767A (ja) 双眼鏡
JP3515682B2 (ja) 双眼鏡
JP3255590B2 (ja) 双眼鏡
JPH10115764A (ja) 双眼鏡
JPH10115763A (ja) 双眼鏡
JPH10115762A (ja) 双眼鏡
JPH10115761A (ja) 双眼鏡
JP3782528B2 (ja) 双眼鏡
JP3517324B2 (ja) 双眼鏡

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090711

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100711

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110711

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110711

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120711

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120711

Year of fee payment: 9

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120711

Year of fee payment: 9

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120711

Year of fee payment: 9

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees