JP2000147200A - モノクロメータ装置及びx線装置 - Google Patents

モノクロメータ装置及びx線装置

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JP2000147200A
JP2000147200A JP10315915A JP31591598A JP2000147200A JP 2000147200 A JP2000147200 A JP 2000147200A JP 10315915 A JP10315915 A JP 10315915A JP 31591598 A JP31591598 A JP 31591598A JP 2000147200 A JP2000147200 A JP 2000147200A
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rays
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 X線装置に関する光軸調整時の安全性を確保
すると共にその作業性を向上する。 【解決手段】 X線光路上に配置されX線を単色化する
モノクロメータ22を有するモノクロメータ装置2であ
る。モノクロメータ22の外側には、X線光路を横切る
ように回転移動できる円筒状のカバー34が配設され
る。このカバー34は、X線測定のために十分な量のX
線を通過させる縦長の測定用スリット38及び通過する
X線の量を低減する横長のX線強度低減スリット39を
有する。カバー34を中心軸線Xm を中心として回転移
動させることにより、測定用スリット38及びX線強度
低減スリット39のいずれか一方を選択してX線光路へ
持ち運ぶことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、X線を単色化する
ために用いられるモノクロメータ装置に関する。また本
発明は、そのモノクロメータ装置を用いて構成されるX
線装置に関する。
【0002】
【従来の技術】X線装置を用いて試料を解析する装置、
すなわちX線装置は、従来から広く知られている。ま
た、このX線装置として、試料に入射するX線又は試料
で回折したX線から特性X線を取り出すため、すなわち
X線を単色化するためにモノクロメータを用いる構造の
ものが知られている。従来、モノクロメータを用いたX
線装置として、図13に示す構造のものが知られてい
る。
【0003】このX線装置では、例えば、試料Sを試料
軸線Xs を中心として所定の角速度で連続的又は間欠的
に回転、いわゆるθ回転させ、同時にX線カウンタ51
を試料軸線Xsを中心としてθ回転の2倍の角速度でそ
れと同じ方向へ回転、いわゆる2θ回転させる。そし
て、それらのθ回転及び2θ回転を行う間、X線焦点F
から放射されるX線をモノクロメータ用スリット52、
モノクロメータ53、ソーラスリット54及び発散制限
スリット56を通して試料Sに入射する。
【0004】θ回転する試料に入射するX線とその試料
Sの結晶格子面との間でブラッグの回折条件が満足され
ると、その試料SでX線の回折が生じ、その回折X線は
それぞれが2θ回転する散乱線制限スリット57及び受
光スリット58を通してX線カウンタ51によって検出
される。これにより、試料Sで回折するX線の回折角度
2θ及びX線強度が測定される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】X線装置によってX線
回折測定を行う場合には、できるだけ強度の強いX線を
試料に入射させる必要がある。よって、この場合には、
モノクロメータへ十分量のX線を供給してそのモノクロ
メータの出力側に十分量のX線を取り出す必要がある。
【0006】他方、X線装置内の各構成要素に関して光
軸調整を行う場合には、本来であれば試料を置く所に試
料が置かれないので、X線カウンタにダイレクトビーム
が入ってそれを破損するおそれがある。また、ダイレク
トビームは作業者にとっての安全性を損なうおそれがあ
る。よって、光軸調整を行う場合には、モノクロメータ
から出るX線の量を低減する必要がある。
【0007】従来のX線装置では、作業者にとっての安
全性を高めたり、X線カウンタにダイレクトビームが入
ることを防止する等のために、X線光軸上の適所にAl
(アルミニウム)等といった金属板を置き、この金属板
によってX線の強度を低減していた。しかしながら、こ
のような従来装置においては、X線装置に対する金属板
の出し入れ作業が非常に面倒であり、さらに、金属板を
常にX線装置のまわりに保管しておかなければならない
ので、その保管が面倒であった。
【0008】本発明は、上記の問題点に鑑みて成された
ものであって、X線装置に関する光軸調整時の安全性を
確保すると共にその作業性を向上することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】(1) 上記の目的を達
成するため、本発明に係るモノクロメータ装置は、X線
光路上に配置されX線を単色化するモノクロメータを有
するモノクロメータ装置において、前記モノクロメータ
の外側に配設されると共に前記X線光路を横切って移動
できるスリット切替え用可動部材を有し、そのスリット
切替え用可動部材は、測定のために十分な量のX線を通
過させる測定用スリット及び通過するX線の量を低減す
るX線強度低減スリットを有することを特徴とする。
【0010】このモノクロメータ装置によれば、スリッ
ト切替え用可動部材をX線光路に対して相対移動させる
ことにより、測定用スリット及びX線強度低減スリット
のいずれか一方を選択的にX線光路に持ち運ぶことがで
きる。X線装置によってX線回折測定を行う場合には、
できるだけ強度の強いX線を試料に入射させる必要があ
るので、この場合には、十分量のX線を通過させること
のできる測定用スリットをX線光路に持ち運ぶ。
【0011】一方、X線装置内の各構成要素に関して光
軸調整を行う場合には、本来であれば試料を置く所に試
料が置かれないので、X線カウンタにダイレクトビーム
が入ってそれを破損するおそれがあり、また、ダイレク
トビームが作業者の安全性を損なうおそれがある。よっ
て、この場合には、X線の量を低減するためにX線強度
低減スリットをX線光路に持ち運ぶ。
【0012】従来のX線装置では、ダイレクトビームを
遮蔽するためにX線光路の適所にAl等の金属板を置く
ようにしていたが、このような従来装置においては、常
に金属板をX線装置のまわりに保管しておかなければな
らず面倒であった。これに対し本発明のように、スリッ
ト切替え用可動部材を移動することによってX線の強度
を弱められるようにしておけば、金属板の保管が不要と
なり非常に便利である。
【0013】上記モノクロメータは、ゲルマニウムの単
結晶、シリコンの単結晶等を用いた単結晶モノクロメー
タや、多層膜モノクロメータ等を用いることができる。
ここにいう多層膜モノクロメータというのは、図11に
示すように、重元素層31と軽元素層32とを交互に複
数回積層することによって形成されるモノクロメータで
ある。重元素層31と軽元素層32をの積層構造を周期
的に複数層繰り返すことにより、特定X線、例えばCu
Kα線をその多層膜の周期構造に起因して効率良く回折
でき、その結果、出射側に強度の強い回折X線を得るこ
とができる。
【0014】また、図12に示すように、モノクロメー
タの表面Pを放物線状に形成することができ、こうすれ
ば、その表面Pの全面において入射X線が平行方向に回
折する。そしてこれにより、正確な平行X線ビームを得
ることができる。なお、各場所において平行X線ビーム
を得るようにするため、一対の重元素層31及び軽元素
層32の積層厚さ、すなわち1周期分の積層厚さに関し
ては、X線出射側の積層厚さT2がX線入射側の積層厚
さT1よりも大きくなっている。
【0015】なお、重元素としては、例えば、W(タン
グステン)等が考えられ、軽元素としては、例えば、S
i(シリコン)、C(炭素)、B4C等が考えられる。
また、積層構造としては、2種類の元素を用いた2層構
造や、3種類以上の元素を用いた複数層構造が考えられ
る。また、重元素層31と軽元素層32の積層数は、例
えば、合計で200層程度とすることができる。また、
1つの重元素層31及び1つの軽元素層32から成る1
周期の層厚は、例えば、40Å〜120Å程度に設定で
きる。
【0016】なお、本発明で用いられる多層膜モノクロ
メータに対するX線の入射角度は、1°以下の低角度に
設定されることが多いと考えられる。
【0017】(2) 上記構成のモノクロメータ装置に
おいて、スリット切替え用可動部材は次のように、すな
わち、円筒形状に形成され、その円筒形状の中心軸
線を中心として回転することによりX線光路を横切って
移動し、さらにその円筒形状の周面の適所に前記測定
用スリット及びX線強度低減スリットを有するように形
成されることが望ましい。この構成によれば、スリット
切替え用可動部材を小型に形成でき、その操作性も良好
にすることができる。
【0018】(3) 次に、本発明に係るX線装置は、
X線を発生するX線源と、そのX線源から発生したX線
を単色化するモノクロメータと、X線の進行方向に関し
てそのモノクロメータの上流側に配設されるモノクロメ
ータ用スリットと、X線の進行方向に関して前記モノク
ロメータの下流側に配設されていて試料及びX線検出器
の角度を測角するゴニオメータとを有するX線装置にお
いて、前記モノクロメータの外側に配設されると共にX
線光路を横切って移動できるスリット切替え用可動部材
を有し、そのスリット切替え用可動部材は、測定のため
に十分な量のX線を通過させる測定用スリット及び通過
するX線の量を低減するX線強度低減スリットを有する
ことを特徴とする。
【0019】このX線装置においては、モノクロメータ
装置を構成するスリット切替え用可動部材の動きにより
測定用スリットとX線強度低減スリットとを切替えて使
用できるので、簡単な操作だけでX線の強度を調節でき
るようになった。
【0020】(4) 上記構成のX線装置において、前
記モノクロメータはX線光軸と交わる回転中心軸線を中
心として回転可能であることが望ましい。こうすれば、
モノクロメータとX線源との相対位置が変化する場合で
も、そのモノクロメータをX線源からのX線を取り込め
る位置に容易に位置設定できる。
【0021】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係るモノクロメ
ータ装置を用いたX線装置の一実施形態を平面的に示し
ている。ここに示すX線装置は、X線発生装置1と、モ
ノクロメータ装置2と、発散制限スリット3と、そして
ゴニオメータ4とを含んで構成される。
【0022】X線発生装置1は、ケーシング6と、その
ケーシング6の中に格納された回転ターゲット7と、同
じくケーシング6の中に格納されたフィラメント8とを
有する。フィラメント8は通電によって発熱して熱電子
を発生し、その熱電子はフィラメント8とターゲット7
との間に印加される電圧によって加速された状態でター
ゲット7の外周表面に衝突し、その衝突領域すなわちX
線焦点FからX線が放射されて発散する。このX線は、
ケーシング6の適所に設けたX線取出し用窓9を通して
外部ヘ取り出される。本実施形態では、X線焦点Fとし
て、図1の紙面垂直方向に長い、いわゆるラインフォー
カスを考える。
【0023】モノクロメータ装置2は図2、図3及び図
4に示す構造を有する。図3は図2のX−X線に沿った
断面構造を示し、図4は図2のY−Y線に沿った断面構
造を示している。これらの図に示す通り、モノクロメー
タ装置2は、円筒形状のハウジング11と、そのハウジ
ング11の内部に格納されるモノクロメータ支持台12
とを有する。ハウジング11の底面には貫通穴13が形
成され、モノクロメータ支持台12の底面から延びる回
転軸12aがその貫通穴13に回転可能に嵌合する。ハ
ウジング11の周壁にはX線を通過させるためのX線通
過用窓37が適宜の大きさで形成される。
【0024】図3に示すように、回転軸12aのうちハ
ウジング11の外部へ突出する部分には回転駆動用バー
14が接続される。この回転駆動用バー14の先端には
図2に示すようにツマミ16の先端が当接し、このツマ
ミ16を回すことにより、モノクロメータ支持台12を
中心軸線Xm を中心として希望する角度だけ回転させる
ことができる。モノクロメータ支持台12の中心位置に
は段差Dが形成され、この段差Dを境としてモノクロメ
ータ支持台12の上側表面の一方の側にモノクロメータ
組立体17が配設され、そのモノクロメータ組立体17
に対向する他方の側にソーラスリット18が配設され
る。
【0025】モノクロメータ組立体17は、図5に示す
ように、断面L字形状の支持部材19の縦側片に固着さ
れた支持基体21と、その支持基体21の表面に膜状に
形成された多層膜モノクロメータ22とを有する。支持
基体21は、例えばSi(シリコン)単結晶基板、ステ
ンレス等によって形成され、多層膜モノクロメータ22
が形成される面が図6に示すように放物線Bとなるよう
に形成される。モノクロメータ組立体17は、多層膜モ
ノクロメータ22が段差Dに突き当てられることによっ
て所定位置に位置決めされる。
【0026】多層膜モノクロメータ22は、図11又は
図12に示すように、適宜の成膜法、例えばスパッタリ
ング法によって重元素層と軽元素層とを適宜の厚さで交
互に周期的に積層することによって形成される。支持基
体21の表面が放物線Bであるので、多層膜モノクロメ
ータ22も放物線Bの形状に形成される。
【0027】多層膜モノクロメータ22の格子面間隔
は、異なる入射角で入射するX線が多層膜で反射すると
きに全ての反射X線が互いに平行に出射するよう、場所
によって異ならせてある。具体的には、入射角の大きく
なるX線入射側の格子面間隔が小さく、入射角が小さく
なるX線出射側の格子面間隔が大きくなり、それらの中
間位置で格子面間隔が連続的に変化する。
【0028】支持基体21のX線入射側端面にはスリッ
ト部材23が直接に固着され、そのスリット部材23に
形成した穴、すなわちモノクロメータ用スリット24が
モノクロメータ22のX線入射側端面そのものの位置に
配設される。本実施形態では、X線焦点Fを放物線Bの
中心線上に配置し、X線焦点Fからスリット24までの
距離L1を80mmに設定し、X線取込み角度θ1を
0.5°に設定し、そしてモノクロメータ22の長さL
2を40mmに設定する。
【0029】モノクロメータ22に関連する以上の構成
により、X線焦点Fから発散するX線は、モノクロメー
タ用スリット24によって規制されてモノクロメータ2
2に入射し、そのモノクロメータ22で反射すなわち回
折した後、平行X線ビームとなって出射する。本実施形
態で用いる放物線形状の多層膜モノクロメータ22によ
れば、入射X線の多くの部分を回折X線として取り出す
ことができるので、単結晶モノクロメータ等に比べて格
段に強度の強い回折X線を得ることができる。
【0030】図2において、モノクロメータ組立体17
に対向して配設されるソーラスリット18は、図7に示
すように、ベース26の上に複数の金属箔27と複数の
スペーサ28とを交互に積層することによって形成され
る。より具体的には、図9に示すように、複数の金属箔
27をスペーサ28を挟んで積み重ねた上で、それらの
金属箔27及びスペーサ28にネジ29を通し、さらに
それらのネジ29をベース26に設けたネジ穴33にね
じ込むことによって組立てられる。
【0031】金属箔27は、例えばステンレスによって
形成される。また、スペーサ28は、例えばステンレ
ス、真鍮によって形成される。スペーサ28の厚さ、す
なわち隣り合う一対の金属箔27の間隔T及び金属箔2
7の長さL3は、図8に示す開き角度θ2が0.5°〜
5°程度になるように設定される。また、図7におい
て、ソーラスリット18の高さHは10mm〜20mm
に設定し、金属箔27の厚さは0.05mm程度に設定
する。
【0032】金属箔27はその片側においてスペーサ2
8によって支持され、それと反対側は自由端として開放
されている。そして、その自由端が図4に示すようにモ
ノクロメータ22に接触する。本実施形態ではモノクロ
メータ22の表面が放物線形状に形成されているので、
金属箔27の自由端もそれに対応した放物線形状に形成
される。
【0033】図2において、モノクロメータ組立体17
及びソーラスリット18から成るユニットとハウジング
11との間には、スリット切替え用可動部材としての円
筒形状のカバー34が設けられる。このカバー34はハ
ウジング11の内周面に緩く嵌め込まれており、ツマミ
36を回すことにより、モノクロメータ軸線Xm を中心
として回転することができる。
【0034】カバー34の周壁には、図10に示すよう
に、縦方向に長く幅の狭い一対の測定用スリット38が
実質的に対称の位置に互いに対向して形成される。ま
た、それらの測定用スリット38にほぼ直交する位置関
係で、縦方向に狭く横方向に長い一対のX線強度低減ス
リット39が実質的に対称の位置に互いに対向して形成
される。なお、ここで実質的というのは、正確に対称の
位置関係にある場合及び厳密には対称の位置関係にはな
いがX線を通過させることに関して実質的には支障がな
い程度に対称の位置関係からずれる場合の両方を含む意
味である。
【0035】図2に示す状態は、カバー34の測定用ス
リット38がハウジング11のX線通過用窓37に位置
的に一致する状態である。ツマミ36(図3参照)を回
してカバー34をモノクロメータ軸線Xm を中心として
回転させれば、図2示す状態に代えて、X線強度低減ス
リット39がX線通過用窓37に位置的に一致する状態
を実現できる。
【0036】縦方向に長い測定用スリット38は、ライ
ンフォーカス形状のX線焦点Fから放射されるX線を十
分な量だけ通過させることができる。X線測定を行う際
には、この測定用スリット38をX線光軸上に置くこと
により、できるだけ強度の強いX線を利用できるように
する。一方、光軸調整時のように本来であれば試料を置
くべき所に試料が置かれないときには、縦方向の長さが
短いX線強度低減スリット39をX線光軸上に置くこと
により、X線の強度を低減する。これにより、X線カウ
ンタにダイレクトビームが入ってそのカウンタが破損す
ることを防止できる。なお、X線強度低減スリット39
の縦方向幅は、例えば、0.3mm〜0.5mm程度と
する。
【0037】図1に戻って、ゴニオメータ4は、試料軸
線Xs を中心として回転できるθ回転台41と、試料軸
線Xs を中心としてθ回転台41から独立して回転でき
る2θ回転台42とを有する。測定対象である試料Sは
θ回転台41に装着される。θ回転台41にはθ回転駆
動装置43が連結され、2θ回転台42には2θ回転駆
動装置44が連結される。これらの回転駆動装置は、例
えば、電動モータ等といった動力源と、ウオームとウオ
ームホイール等といった動力伝達機構とを含んで構成さ
れる。
【0038】2θ回転台42の適所にはカウンタアーム
46が取り付けられ、そのカウンタアーム46の上に散
乱線制限スリット47、受光スリット48及びX線カウ
ンタ49がそれぞれ所定位置に固定される。散乱線制限
スリット47は、X線経路の近傍に配置される各種の部
材から発生する散乱線がX線カウンタ49に取込まれる
のを防止するためのスリットである。受光スリット48
は、X線カウンタ49に入るX線の幅を決めるスリット
である。
【0039】以下、上記構成より成るモノクロメータ装
置及び液晶装置の動作を説明する。まず、図1に示すX
線装置を用いてX線測定を行うに際しては、その測定に
先立ってそのX線装置を構成する各種の構成要素をX線
光軸に対して一定の位置に位置決め、すなわち光軸調整
しなければならない。
【0040】今、特に、モノクロメータ装置2に関する
光軸調整を考えれば、まず、θ回転台41の試料装着位
置に試料Sを装着することなく該部分を開放状態にして
おき、X線発生装置1と発散制限スリット3との間の所
定位置にモノクロメータ装置2を配設する。そして、図
3のツマミ36を回してカバー34を回転させることに
より、図2において、ハウジング11のX線通過用穴3
7の所にカバー34のX線強度低減スリット39を持ち
運ぶ。これにより、モノクロメータ装置2を通過するX
線の強度をX線カウンタ49に取込むことができる程度
の強度まで低下させる。
【0041】その後、モノクロメータ22に対するX線
焦点Fの角度2θc 及びモノクロメータ軸線Xm のまわ
りのモノクロメータ22の角度θc を計算による角度位
置にそれぞれ設定し、さらに、図2のツマミ16を回す
ことによりモノクロメータ22のθc 角度を微調整し、
X線焦点Fに関する2θc 角度を微調整し、さらに、モ
ノクロメータ22をX線光軸に対して直交する方向Yc
に関して微調整する。そしてそれらの各微調整の際にX
線カウンタ49でカウントされるX線の強度を測定し、
その強度値が最大強度になる位置を探し出す。X線強度
が最大強度になるモノクロメータ22の角度位置がX線
光軸に対するモノクロメータ22の最良の位置である。
【0042】なお、モノクロメータ装置2以外の各種構
成要素、例えば発散制限スリット3、散乱線制限スリッ
ト47、受光スリット48等に関してもX線光軸に対す
る位置調整を行わなければならないが、それらについて
の位置調整作業に関しては便宜上、説明を省略する。
【0043】従来のX線装置においては、図13に示す
ように、モノクロメータ53とモノクロメータ用スリッ
ト52とが別体、すなわち、それぞれが別々に設けられ
ていたので、両者を相互に関連させながらそれぞれ独自
に位置調整しなければならなかった。この作業は、非常
に面倒で時間のかかる作業であった。
【0044】これに対し、本実施形態のX線装置、特に
本実施形態のモノクロメータ装置2によれば、モノクロ
メータ用スリット24がモノクロメータ22のX線入射
側端面の所定位置に直接に取り付けられるので、モノク
ロメータ用スリット24のモノクロメータ22に対する
相対位置は常に一定位置に固定される。そのため、モノ
クロメータ装置2をX線光軸に対する所定位置に位置調
整する際には、モノクロメータ22だけに関してその調
整作業をすれば足り、モノクロメータ用スリット24に
関しては特別な位置調整作業を実行することがない。こ
の結果、モノクロメータ装置2に関する光軸調整の作業
が極めて簡単になり、その作業を迅速且つ確実に行うこ
とができる。
【0045】以上のようにしてX線装置の各種構成要素
に関して光軸調整が完了した後、X線を用いた測定が以
下のようにして行われる。まず、図3のツマミ36を回
してカバー34を回転させることにより、図2におい
て、ハウジング11のX線通過用穴37の所にカバー3
4の測定用スリット38を持ち運ぶ。これにより、モノ
クロメータ装置2を通過するX線の強度をX線測定のた
めに十分な強度となるようにする。
【0046】さらに、図1において、θ回転台41の所
定位置に試料Sを装着し、X線焦点FからX線を発生す
る。発生したX線はモノクロメータ装置2に導入され、
さらに図2において、モノクロメータ22に入射すると
共にそのモノクロメータ22で回折することにより所定
波長に単色化される。本実施形態では、モノクロメータ
22の格子面間隔がその長さ方向、すなわちX線の進行
方向に関して異なるように調節されているので、モノク
ロメータ22に入射したX線はそのモノクロメータ22
の全面で回折して特性X線として出射する。こうして、
モノクロメータ22の全面から出射するX線を使用でき
るので、そのモノクロメータ22からは強度の強いX線
ビームが得られる。
【0047】さらに、本実施形態のモノクロメータ22
の表面は放物線形状になっているので、モノクロメータ
22から出射するX線は、平行ビーム、特に水平方向に
平行な平行ビームとして取り出される。つまり、本実施
形態のモノクロメータ22によれば、単色化された強度
の強い水平方向に関して平行なX線ビームが得られる。
【0048】本実施形態では、図2に示すように、モノ
クロメータ22に対向してソーラスリット18を配設
し、そのソーラスリット18の金属箔27の先端をモノ
クロメータ22の表面に接触させてあるので、モノクロ
メータ22によって水平方向に平行となるX線ビーム
は、それと同時に、ソーラスリット18の働きによって
縦方向に関しても平行ビームに成形される。
【0049】図13に示す従来のX線装置においては、
ソーラスリット54がモノクロメータ53から離れて配
設されるので、その分だけ余分な空間を必要としたが、
本実施形態のX線装置ではソーラスリット18がモノク
ロメータ装置2の中に組み込まれるので、そのような余
分な空間が不要となってX線装置の全体形状を小型にで
きるか、あるいは、ゴニオメータ4のまわりに空間的余
裕を形成できるようになった。
【0050】以上のようにしてモノクロメータ装置2に
よって形成された強度の強い単色化された平行X線は、
図1において、試料Sに入射する。平行ビーム法による
X線測定が行われる場合には、その平行X線ビームが試
料Sに低角側、すなわち非常に小さな入射角度で入射
し、そのような入射X線のうち試料Sで回折したものが
X線カウンタ49によって検出され、さらに強度が演算
される。
【0051】また、必要があれば、試料SにX線が入射
する間、θ回転台41を所定の角速度で連続的又は間欠
的に回転、いわゆるθ回転させ、同時に2θ回転台42
をそのθ回転の2倍の角速度で同じ方向へ回転、いわゆ
る2θ回転させることにより、試料Sで回折する回折X
線の回折角度2θ及び強度を測定できる。
【0052】以上のように、本実施形態のX線装置及び
モノクロメータ装置によれば、モノクロメータ用スリッ
ト24がモノクロメータ22のX線入射側端面の所定位
置に直接に取り付けられるので、モノクロメータ用スリ
ット24のモノクロメータ22に対する相対位置は常に
一定位置に固定される。そのため、モノクロメータ装置
2をX線光軸に対する所定位置に位置調整する際には、
モノクロメータ22だけに関してその調整作業をすれば
足り、モノクロメータ用スリット24に関しては特別な
位置調整作業を実行することがない。この結果、モノク
ロメータ装置2に関する光軸調整の作業性を格段に向上
することができる。
【0053】以上、好ましい実施形態を挙げて本発明を
説明したが、本発明はその実施形態に限定されるもので
なく、請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々に改変
できる。例えば、図2に示したモノクロメータ装置の実
施形態では、モノクロメータとして図6に示すような放
物線形状のX線回折面を有するものを用いたが、単なる
平面形状のX線回折面を有するモノクロメータに対して
本発明を適用できることはもちろんである。また、多層
膜モノクロメータに代えて単結晶モノクロメータその他
のモノクロメータを用いることもできる。
【0054】
【発明の効果】本発明に係るモノクロメータ装置及びX
線装置によれば、モノクロメータ用スリットがモノクロ
メータのX線入射側端面の所定位置に直接に取り付けら
れるので、モノクロメータ用スリットのモノクロメータ
に対する相対位置は常に一定位置に固定される。そのた
め、モノクロメータ装置をX線光軸に対する所定位置に
位置調整する際には、モノクロメータだけに関してその
調整作業をすれば足り、モノクロメータ用スリットに関
しては特別な位置調整作業を実行することがない。この
結果、モノクロメータ装置に関する光軸調整の作業性を
格段に向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るモノクロメータ装置及びX線装置
の一実施形態を示す平面図である。
【図2】図1の要部であるモノクロメータ装置を示す平
面断面図である。
【図3】図2のX−X線に従った側面断面図である。
【図4】図2のY−Y線に従った側面断面図である。
【図5】モノクロメータ組立体の一実施形態を示す斜視
図である。
【図6】モノクロメータの一実施形態を模式的に示す図
である。
【図7】ソーラスリットの一実施形態を示す斜視図であ
る。
【図8】図7の要部を模式的に示す図である。
【図9】図7のソーラスリットの分解斜視図である。
【図10】本発明に係るモノクロメータ装置の要部を示
す斜視図である。
【図11】多層膜モノクロメータの一実施例を模式的に
示す側面断面図である。
【図12】多層膜モノクロメータの他の実施例を模式的
に示す側面断面図である。
【図13】従来のX線装置の一例を示す平面図である。
【符号の説明】
1 X線発生装置 2 モノクロメータ装置 3 発散制限スリット 4 ゴニオメータ 11 ハウジング 12 モノクロメータ支持台 12a 回転軸 14 回転駆動用バー 17 モノクロメータ組立体 18 ソーラスリット 22 放物線多層膜モノクロメータ 24 モノクロメータ用スリット 27 金属箔 28 スペーサ 31 重元素層 32 軽元素層 34 カバー(スリット切替え用可動部材) 37 X線通過用窓 38 測定用スリット 39 X線強度低減スリット B 放物線 D 段差 F X線焦点 S 試料 T 金属箔間隔 θ1 X線取込み角度 θ2 開き角度 Xm モノクロメータ軸線 Xs 試料軸線

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 X線光路上に配置されX線を単色化する
    モノクロメータを有するモノクロメータ装置において、 前記モノクロメータの外側に配設されると共に前記X線
    光路を横切って移動できるスリット切替え用可動部材を
    有し、 そのスリット切替え用可動部材は、測定のために十分な
    量のX線を通過させる測定用スリット及び通過するX線
    の量を低減するX線強度低減スリットを有することを特
    徴とするモノクロメータ装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記スリット切替え
    用可動部材は、円筒形状に形成され、その円筒形状の中
    心軸線を中心として回転することによりX線光路を横切
    って移動し、さらにその円筒形状の周面の適所に前記測
    定用スリット及びX線強度低減スリットを有することを
    特徴とするモノクロメータ装置。
  3. 【請求項3】 X線を発生するX線源と、そのX線源か
    ら発生したX線を単色化するモノクロメータと、X線の
    進行方向に関してそのモノクロメータの上流側に配設さ
    れるモノクロメータ用スリットと、X線の進行方向に関
    して前記モノクロメータの下流側に配設されていて試料
    及びX線検出器の角度を測角するゴニオメータとを有す
    るX線装置において、 前記モノクロメータの外側に配設されると共にX線光路
    を横切って移動できるスリット切替え用可動部材を有
    し、 そのスリット切替え用可動部材は、測定のために十分な
    量のX線を通過させる測定用スリット及び通過するX線
    の量を低減するX線強度低減スリットを有することを特
    徴とするX線装置。
  4. 【請求項4】 請求項3において、前記モノクロメータ
    はX線光軸と交わる回転中心軸線を中心として回転可能
    であることを特徴とするX線装置。
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