JP2000146998A - 検出器 - Google Patents

検出器

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JP2000146998A
JP2000146998A JP10324719A JP32471998A JP2000146998A JP 2000146998 A JP2000146998 A JP 2000146998A JP 10324719 A JP10324719 A JP 10324719A JP 32471998 A JP32471998 A JP 32471998A JP 2000146998 A JP2000146998 A JP 2000146998A
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detector
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axis
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JP10324719A
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Yoshiteru Omura
義輝 大村
Yutaka Nonomura
裕 野々村
Motohiro Fujiyoshi
基弘 藤吉
Tokuo Fujitsuka
徳夫 藤塚
Kentarou Mizuno
健太朗 水野
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Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyota Central R&D Labs Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】角加速度の検出が可能な、小型で安価な検出器
を提供すること。 【解決手段】基板1にマス固定部22で支持された、回
動軸200回りに微小回動可能なマス部20と、マス部
20に連結点300で連結された、第1ビーム301、
折り返し部31、第2ビーム302からなる折り返しビ
ームが形成されている。折り返しビームは、マス部20
との連結点300と、折り返しビーム固定部32を支点
としてy軸方向に振動可能となっている。折り返し部3
1と、基板面1aに固定された励振電極33及び検出電
極34とに櫛歯電極を形成し、外部回路を接続して、折
り返しビームの共振周波数を検出する。マス部20に回
動軸200回りの角加速度が印加されると、トルクが発
生し、マス部20が回動軸200回りに微小回動する。
これにより、連結点300が移動し、第1ビーム301
と第2ビーム302との間隔l1が増減し、折り返しビー
ムの共振周波数が変動する。この折り返しビームの共振
周波数の変動から、マス部20に印加された回動軸20
0回りの角加速度を検出できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばビデオカメ
ラ等の電子機器の防震や車両及び航空機等の移動体の運
動制御に利用可能な角加速度検出器に関する。特に、シ
リコンマイクロマシニングにより製造可能な、高性能な
角加速度検出器に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、小型で安価な角速度検出器が半導
体マイクロマシニング技術により開発され、ビデオカメ
ラ等の防震システム、或いは車両の運動制御システム若
しくはナビゲーションシステムに利用されている。そし
て更に応答速度をあげるべく、角加速度検出器の開発が
望まれていた。加速度検出器を利用して角加速度を検出
することも可能であるが、この場合、着目する1つの回
転軸回りの角加速度を求めるためには、その回転軸回り
の角加速度に対し2個の加速度検出器が必要となる。一
方、1個の検出器で角加速度を検出するものとして特開
平5−180862号公報記載の角加速度検出器が知ら
れている。
【0003】図10の(a)、(b)は、特開平5−1
80862号公報記載の角加速度検出器900の構成を
示した断面図、及びその主要部品であるシリコン基板9
1を示した平面図である。角加速度検出器900は、エ
ッチング処理にて枠体部901、錘り部911、梁部9
21及び931から成るシリコン基板91を形成し、こ
のシリコン基板91と、全く同様の構成のシリコン基板
92とを接合し、更にその両側に、シリコン基板と向か
い合った面に固定電極71及び72をそれぞれ形成した
ガラス基板81及び82を陽極接合したものである。角
加速度検出器900の、接合により各々一体となった2
つの梁部921及び922、並びに931及び932を
結ぶ軸Q−Q’回りに角加速度dω/dtが印加されると、
接合により一体となった錘り部911及び912に対し
トルクが誘起され、錘り部911及び912の慣性質量
によって錘り部911及び912がz軸方向に変位す
る。この回転変位は印加された角加速度dω/dtに比例
し、この変位によってガラス基板81及び82にそれぞ
れ形成された固定電極71及び72間の静電容量が変化
する。この静電容量の変化を計測することで印加された
角加速度dω/dtを検出する構成である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、角加速
度検出器900は、いわゆるバルクマイクロマシニング
と呼ばれる技術を用いており、一辺数mmと、比較的大き
なサイズの検出器となってしまう。これは、小さな角加
速度dω/dtに対する固定電極71及び72間の静電容量
の変化を大きくするため、次のような構成にせざるを得
ないことに起因する。 (1) 錘り部911並びに912を大きなものとする。 (2) 錘り部911並びに912を厚いものとする。 (3) (1),(2)の構成とした上で、錘り部911と固定電
極71との間隙、及び錘り部912と固定電極72との
間隙を狭くする。 一方、製造面からは、上記(3)のためには高度な技術が
要求される。更に、シリコン基板91とシリコン基板9
2との接合は通常1000℃、その両側にガラス基板81及
び82を陽極接合するには400℃の高温下で行われる。
接合前のシリコン基板91及び92、ガラス基板81及
び82の形状誤差、熱或いは熱応力による変形から、例
えば上記(3)を実現するための錘り部911(又は91
2)と固定電極71(又は72)との間隙を一定に作製
することは困難且つ高コストであった。このように、構
造も製造プロセスも非常に複雑で、ビデオカメラ等の電
子機器や自動車等に搭載する検出器として求められる、
小型で安価であることの要求を十分に満足するものでは
なかった。
【0005】本発明の目的は、シリコンマイクロマシニ
ングによる角加速度検出器を創作することにより、小型
で安価な角加速度検出器を提供することにある。また、
他の目的は、印加された角加速度について、デジタル信
号として出力する回路を有する角加速度検出器を提供す
ることで、角加速度検出器を高性能化することである。
更に他の目的は、加速度検出器としての機能を併せ持つ
角加速度検出器を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1に記載の手段によれば、次の構造の検出器
を作製する。この検出器は、基板面に垂直な軸回りに微
小回動可能に支持された慣性質量を有するマス部を有
し、マス部から回動軸に垂直方向に延伸された第1のビ
ームと、第1のビームに接続しマス部とは反対側に設け
られた折り返し部と、折り返し部から第1のビームと所
定の間隔をもって第1のビームに平行にマス部に向かっ
て延伸され、マス部に到達する前に基板面に固定された
第2のビームと、第1のビームと、折り返し部と、第2
のビームとを一体の折り返しビームとして振動させて共
振周波数を検出する手段と、からなる折り返しビーム型
共振部を1以上有する。ここから出力される共振周波数
の変化から、マス部の基板面に垂直な軸回りの微小回動
を検出するので、応答性に優れた、高感度の検出器とす
ることができる。
【0007】また、請求項2に記載の手段によれば、請
求項1の検出器を角加速度検出器とするので、応答性に
優れた、高感度の角加速度検出器とすることができる。
【0008】また、請求項3に記載の手段によれば、次
の構造の検出器を作製する。この検出器は、基板面に垂
直な軸回りに微小回動可能に支持され、且つ基板面に平
行に微小変位可能に支持された慣性質量を有するマス部
を有し、そのマス部の基板面に垂直な回動軸回りの微小
回動及び基板面に平行な微小変位を検出することにより
2以上の物理量を測定する検出器において、マス部から
回動軸に垂直方向に延伸された第1のビームと、第1の
ビームに接続し、マス部とは反対側に設けられた折り返
し部と、折り返し部から、第1のビームと所定の間隔を
もって第1のビームに平行にマス部に向かって延伸さ
れ、マス部に到達する手前で基板面に固定された第2の
ビームと、第1のビームと、折り返し部と、第2のビー
ムとを一体の折り返しビームとして振動させて共振周波
数を検出する手段と、からなる折り返しビーム型共振部
を少なくとも4個有し、少なくとも4個の折り返しビー
ム型共振部から出力される共振周波数の変化を、マス部
の基板面に垂直な軸回りの微小回動に比例する出力並び
にマス部の基板面に平行な互いに垂直方向の2つの微小
変位にそれぞれ比例する出力に演算し、マス部に印加さ
れる、基板面に垂直な軸回りの角加速度、並びに、基板
面に平行な互いに垂直方向の2つの加速度を検出するこ
とを特徴とする。即ち、請求項3に記載の手段によれ
ば、2軸方向の加速度検出器としての機能と角加速度検
出器としての機能とを併せ持つ検出器とすることができ
る。
【0009】
【作用及び発明の効果】本発明の検出器は、物理量の印
加、具体的には角加速度等の印加によりマス部が微小回
動することにより、折り返しビームを形成する2本のビ
ームの間隔が変化する。折り返しビームの振動子として
の等価な断面2次モーメントは2本のビームの間隔に依
存するので、この折り返しビームを振動させて共振周波
数を検出する手段により共振周波数の変化を追うこと
で、マス部の微小回動を追跡することができる。この、
折り返しビームの共振周波数を検出する手段を外部回路
に接続すれば、マス部の回動軸回りに印加される物理
量、具体的には角加速度等を検出する検出器とすること
ができる。本発明の検出器は、例えば半導体基板の表面
の微細加工により容易に作製できるので、小型で安価な
検出器とすることができる。また、検出した共振周波数
を周波数カウンター等に入力することで、目的とする物
理量、具体的には角加速度等をデジタル量的に読み取る
ことが可能となり、検出器としての性能を格段に向上さ
せることができる。
【0010】また、本発明にかかる検出器は、加速度の
印加によってもマス部が微小変位する構成とすることに
より、折り返しビームを形成する2本のビームの間隔が
変化する。よって、上記同様、折り返しビームを振動さ
せて共振周波数を検出する手段により共振周波数の変化
を追うことで、マス部の微小変位を追跡することができ
る。この、折り返しビームの共振周波数を検出する手段
を外部回路に接続すれば、マス部の基板面に平行な加速
度を検出する検出器とすることができる。即ち、具体的
には角加速度と加速度の検出を行う検出器とすることが
できる。この際、折り返しビーム型共振部を2以上とす
ることで、1軸回りの角加速度と1軸方向の加速度の検
出を行う検出器とすることができ、折り返しビーム型共
振部を4以上とすることで、1軸回りの角加速度と2軸
方向の加速度の検出を行う検出器とすることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の具体的な実施例を
図を用いて説明する。なお、本発明はこれら実施例に限
定されるものではない。 ≪第1実施例≫図1に、本発明の具体的な実施例に係る
検出器100の構成と共振周波数検出のための回路を示
す。図1の(a)は構成図、(b)は(a)のA−A’
での断面図である。
【0012】検出器100は半導体の微細加工技術によ
り容易に作成することができるものであり、その構成は
以下の通りである。シリコン基板1上に、固定部22に
より微小回動可能に支持された円盤状のマス部20が形
成される。検出器100のマス部20は、微小回動が容
易に可能なように、平板円環状に形成されており、回動
軸200を中心に持つ固定部22から十字に形成された
マス支持ビーム211、212、213、214にて支
持されている。図1の(a)、(b)のとおり、基板面
1aに平行にx軸、y軸をとり、基板面1aに垂直にz
軸をとる。
【0013】マス部の外周と、回動軸200からx軸の
正方向に延ばした直線との交点を連結点300とする。
連結点300から、x軸の正方向に第1ビーム301が
延伸され、その終点で折り返し部31がy軸の負方向に
延伸される。折り返し部31の終点から、第1ビーム3
01と所定間隔をもってx軸の負方向に第2ビーム30
2が延伸され、マス部20に到達する手前で固定部32
により基板面1aに固定されている。第1ビーム30
1、折り返し部31、第2ビーム302は、連結点30
0と固定部32を支点として、一体の折り返しビームと
してy軸方向に振動可能である。
【0014】折り返し部31には、折り返し部櫛歯電極
311及び312がそれぞれy軸の負方向、y軸の正方
向に向かって形成されている。これら折り返し部櫛歯電
極311及び312は、それぞれ折り返しビームを励振
振動させるための励振櫛歯電極330と、折り返しビー
ムの振動を検出する検出櫛歯電極340と組み合わされ
ており、励振櫛歯電極330、検出櫛歯電極340はそ
れぞれ基板面1aに固定された励振電極33、検出電極
34に形成されている。
【0015】励振電極33には、折り返しビームを励振
させるため、交流電圧発振回路35が接続されている。
また、検出電極34には、検出櫛歯電極340と折り返
し部櫛歯電極312との間の静電容量の変化を検出す
る、静電容量検出回路36が接続され、増幅回路37、
位相制御回路38を通して交流電圧発振回路35にフィ
ードバックされ、折り返しビームを自動共振させる構成
となっている。こうして共振した折り返しビームの共振
周波数が周波数カウンタ39によりデジタル量として高
精度に検出される。
【0016】さて、検出器100の、z軸回りの角加速
度が印加されないときの折り返しビームの共振について
図2に示す。図2の(a)は、励振電極33に交流電圧
が印加され、励振櫛歯電極330と折り返し部櫛歯電極
311が引き合い、折り返し部31がy軸の負方向に変
位した状態を示している。図2の(b)のように、第
1、第2ビーム301、302のB−B’で示したx軸
に垂直な平面での断面において、ビームの外側の間隔l1
と、ビームの内側の間隔l2について、l1−l2は第1、第
2ビーム301、302のy軸方向の幅の和であるので
一定である。
【0017】この時、図2のように曲げモード振動する
折り返しビームの共振周波数f0は、数1のとおりであ
る。
【数1】f0=K1(EI/Aρ)1/2
【0018】ただし、K1は定数、Eは第1、第2ビーム
301、302のヤング率、Aは第1、第2ビーム30
1、302のx軸に垂直な平面での断面積の和、ρは第
1、第2ビーム301、302の密度で、これらは一定
と考えて良い。一方、Iは、数2で表される等価な断面
2次モーメントである。
【数2】I=K2h(l1 3-l2 3)=K2h(l1-l2)(l1 2+l1l2+l2 2)
【0019】ただし、K2は定数、l1、l2はマス部20が
回動していない状態での第1、第2ビーム301、30
2の外側及び内側の間隔、hは第1、第2ビーム30
1、302の厚さ(シリコン層のz軸方向の厚さ)であ
る。l1−l2は第1、第2ビーム301、302のy軸方
向の幅の和で一定であるので、数1及び数2から、数3
が言える。
【数3】 f0=K0(l1 2+l1l2+l2 2)1/2 …(1)
【0020】ただしK0は定数。今、第1、第2ビーム3
01、302の間隔がΔlだけ増加したとする。l1、l2
はそれぞれl1+Δl、l2+Δlとなり、この時共振周波数は
f0+Δfとなったとすると、数4が言える。
【数4】 f0+Δf=K0{l1 2+l1l2+l2 2+3(l1+l2)Δl+3(Δl)21/2 …(2)
【0021】(2)÷(1)−1を作り、(Δl)2の項を
省略すると、数5となる。
【数5】Δf/f0=Δl(3l1+3l2)/2(l1 2+l1l2+l2 2)
【0022】l1−l2≪l1,l2と仮定すれば、l1≒l2で、
数5は数6に置き換えられる。
【数6】 Δf/f0=Δl/l1 …(3)
【0023】実際には、折り返しビームの全長にわたっ
てl1、l2がそれぞれl1+Δl、l2+Δlとなる訳ではない
が、例えばΔlは連結点300の変位であると考えれ
ば、Δf/f 0がΔl/l1に比例すると理解できる。この連結
点300の変位Δlはマス部20の回動角φに比例す
る。以上から、マス部20の回動角φは折り返しビーム
の共振周波数f0とその変動Δfの比に比例するので、C0
を定数として数7が言える。
【数7】 φ=C0Δf/f0 …(4)
【0024】次に、マス部20の回転運動について考え
る。折り返しビームの質量は十分小さく、回転運動はマ
ス部20自体の慣性モーメントIMのみ関与するとする。
図3のように、外部から角加速度dω/dtが印加されたと
き、マス部20にマス支持ビーム、折り返しビームから
及ぼされる力のモーメントの合計をN(φ)とおいて、外
部から印加された角加速度dω/dtによるトルクと、マス
部20に及ぼされるマス支持ビーム、折り返しビームか
らの力のモーメントの合計N(φ)を等しくおいて、数8
が言える。
【数8】 dω/dt=N(φ)/IM …(5)
【0025】連結点300を通してマス部20に及ぼさ
れる力は、折り返しビームの曲げモーメントによる力で
あるので、連結点300の変位Δlに比例する。よっ
て、折り返しビームから連結点300をとおしてマス部
20に及ぼされる力のモーメントは、明らかに連結点3
00の変位Δlに比例する。ところで、共振周波数とそ
の変動の議論で見た通り、連結点300の変位Δlはマ
ス部20の回動角φに比例するので、結局折り返しビー
ムから連結点300をとおしてマス部20に及ぼされる
モーメントは、マス部20の回動角φに比例する。マス
支持ビームについても全く同様であるので、C1を定数と
して数9が言える。
【数9】N(φ)/IM=C1φ
【0026】これを(5)に代入して、数10が言え
る。
【数10】 dω/dt=C1φ …(6)
【0027】(4)から、共振周波数の変動の割合(Δ
f/f0)を追うことで、マス部20の回動角φが求められ
る。(6)から、回動角φの変動を追えば、マス部20
に印加される角加速度dω/dtが求められる。
【0028】(4)のC0は無次元、(6)のC1は(時
間)-2の次元なので、検出器100のモデルを作製して
共振周波数の変動の割合(Δf/f0)から角加速度を求め
る回路を設定すれば、検出器100と相似な検出器にす
べて適用できる。
【0029】図4は、検出器100に、3組の外部マス
支持ビーム及び外部マス固定部401と411、402
と412、403と413を追加した検出器101の可
動部分を示したものである。3本の外部マス支持ビーム
401、402、403は、マス部20の外周と、マス
部の回動中心からy軸の正方向、x軸の負方向、y軸の
負方向にそれぞれ延ばした直線との交点を始点とし、y
軸の正方向、x軸の負方向、y軸の負方向にそれぞれ延
設されたものであり、それぞれの終点が基板面1aに固
定された外部マス固定部411、412、413であ
る。3組の外部マス支持ビーム及び外部マス固定部40
1と411、402と412、403と413の追加に
より、マス部20を安定して支持可能となっている。検
出器101は、検出器100と全く同様にマス部20に
印加される角加速度dω/dtを検出できる。
【0030】≪第2実施例≫図5は、検出器100の、
折り返しビーム、電極、共振周波数検出回路からなる折
り返しビーム型共振部を4組、マス部20に対しx軸の
正方向、y軸の正方向、x軸の負方向、y軸の負方向に
有する検出器102の可動部分を示したものである。検
出器102も、検出器100同様、半導体の微細加工技
術により容易に作成できる。マス部20に対しx軸の正
方向、y軸の正方向、x軸の負方向、y軸の負方向に設
けられた折り返しビーム型共振部3a、3b、3c、3
dは、各々次のような構成になっている。
【0031】検出器102の折り返しビーム型共振部3
aは検出器100の折り返しビーム型共振部と全く同様
の構成である。即ち、マス部の外周と、回動軸200か
らx軸の正方向に延ばした直線との交点である連結点か
ら、x軸の正方向に第1ビームが延伸され、その終点で
折り返し部がy軸の負方向に延伸される。折り返し部の
終点から、第1ビームと所定間隔をもってx軸の負方向
に第2ビームが延伸され、マス部20に到達する手前で
固定部により基板面1aに固定されている。第1ビー
ム、折り返し部、第2ビームは、連結点と固定部を支点
として、一体の折り返しビームとしてy軸方向に振動可
能である。折り返し部には、2つの折り返し部櫛歯電極
がそれぞれy軸の負方向、y軸の正方向に向かって形成
されており、それぞれ折り返しビームを励振振動させる
ための図示しない励振櫛歯電極と、折り返しビームの振
動を検出する図示しない検出櫛歯電極と組み合わされて
おり、励振櫛歯電極、検出櫛歯電極はそれぞれ基板面1
aに固定された図示しない励振電極、検出電極に形成さ
れている。
【0032】励振電極には、折り返しビームを励振させ
るため、交流電圧発振回路が接続されており、検出電極
には、検出櫛歯電極と折り返し部櫛歯電極との間の静電
容量の変化を検出する静電容量検出回路が接続され、増
幅回路、位相制御回路を通して交流電圧発振回路にフィ
ードバックされ、折り返しビームを自動共振させる構成
となっている。こうして共振した折り返しビームの共振
周波数faが周波数カウンタ39aによりデジタル量とし
て高精度に検出される。
【0033】検出器102の折り返しビーム型共振部3
cは、折り返しビーム型共振部3aと同様の折り返しビ
ームと、独立した図示しない共振周波数検出回路を持
ち、共振周波数fcが周波数カウンタ39cによりデジタ
ル量として高精度に検出される。検出器102の折り返
しビーム型共振部3cの折り返しビームは、マス部の外
周と、回動軸200からx軸の負方向に延ばした直線と
の交点である連結点から、x軸の負方向に第1ビームが
延伸され、その終点で折り返し部がy軸の正方向に延伸
される。折り返し部の終点から、第1ビームと所定間隔
をもってx軸の正方向に第2ビームが延伸され、マス部
20に到達する手前で固定部により基板面1aに固定さ
れている。第1ビーム、折り返し部、第2ビームは、連
結点と固定部を支点として、一体の折り返しビームとし
てy軸方向に振動可能である。折り返し部には、2つの
折り返し部櫛歯電極がそれぞれy軸の正方向、y軸の負
方向に向かって形成されており、それぞれ図示しない励
振電極、検出電極と対をなしている。
【0034】検出器102の折り返しビーム型共振部3
bは、折り返しビーム型共振部3aと同様の折り返しビ
ームと、独立した図示しない共振周波数検出回路を持
ち、共振周波数fbが周波数カウンタ39bによりデジタ
ル量として高精度に検出される。検出器102の折り返
しビーム型共振部3bの折り返しビームは、マス部の外
周と、回動軸200からy軸の正方向に延ばした直線と
の交点である連結点から、y軸の正方向に第1ビームが
延伸され、その終点で折り返し部がx軸の負方向に延伸
される。折り返し部の終点から、第1ビームと所定間隔
をもってy軸の負方向に第2ビームが延伸され、マス部
20に到達する手前で固定部により基板面1aに固定さ
れている。第1ビーム、折り返し部、第2ビームは、連
結点と固定部を支点として、一体の折り返しビームとし
てx軸方向に振動可能である。折り返し部には、2つの
折り返し部櫛歯電極がそれぞれx軸の正方向、x軸の負
方向に向かって形成されており、それぞれ図示しない励
振電極、検出電極と対をなしている。
【0035】検出器102の折り返しビーム型共振部3
dは、折り返しビーム型共振部3aと同様の折り返しビ
ームと、独立した図示しない共振周波数検出回路を持
ち、共振周波数fdが周波数カウンタ39dによりデジタ
ル量として高精度に検出される。検出器102の折り返
しビーム型共振部3dの折り返しビームは、マス部の外
周と、回動軸200からy軸の負方向に延ばした直線と
の交点である連結点から、y軸の負方向に第1ビームが
延伸され、その終点で折り返し部がx軸の正方向に延伸
される。折り返し部の終点から、第1ビームと所定間隔
をもってy軸の正方向に第2ビームが延伸され、マス部
20に到達する手前で固定部により基板面1aに固定さ
れている。第1ビーム、折り返し部、第2ビームは、連
結点と固定部を支点として、一体の折り返しビームとし
てx軸方向に振動可能である。折り返し部には、2つの
折り返し部櫛歯電極がそれぞれx軸の負方向、x軸の正
方向に向かって形成されており、それぞれ図示しない励
振電極、検出電極と対をなしている。
【0036】検出器102の4つの折り返しビーム型共
振部は以上のような構成であるので、図5の通り、紙面
上反時計回りの角加速度dω/dtが回動軸200の回りに
印加されると、次のようになる。
【0037】折り返しビーム型共振部3a、3cのそれ
ぞれの連結点は、回動軸200の回りに反時計回りに微
小回動する。これは折り返しビーム型共振部3a、3c
の折り返しビームの間隔を広げる方向であるので、角加
速度dω/dtが印加される前の共振周波数fa及びfcと、角
加速度dω/dtが印加された後の共振周波数fa'及びfc'と
の関係は、次の通りとなる。
【数11】fa'>fa且つ fc'>fc
【0038】折り返しビーム型共振部3b、3dのそれ
ぞれの連結点は、回動軸200の回りに反時計回りに微
小回動する。これは折り返しビーム型共振部3b、3d
の折り返しビームの間隔を狭める方向であるので、角加
速度dω/dtが印加される前の共振周波数fb及びfdと、角
加速度dω/dtが印加された後の共振周波数fb'及びfd'と
の関係は、次の通りとなる。
【数12】fb'<fb且つ fd'<fd
【0039】数11、数12から、折り返しビーム型共
振部3a、3cから検出される共振周波数の変動の割合
と、折り返しビーム型共振部3b、3dから検出される
共振周波数の変動の割合とは、それぞれ和分したのちそ
れらを差分することで、より信頼度の高い角加速度dω/
dtを検出することが可能となる。
【0040】このことを回路構成と周波数カウンタ39
a、39b、39c、39dの出力する周波数とを図示
しながら詳しく説明する。図6の(a)に、本発明の具
体的な実施例に係る検出器102の第1の回路構成を示
したブロック図を示す。図6の(a)の周波数カウンタ
39a、39b、39c、39dは、図5に示した検出
器102の周波数カウンタ39a、39b、39c、3
9dである。周波数カウンタ39aは、角加速度dω/dt
が印加される前の共振周波数faと、角加速度dω/dtが印
加された後の共振周波数fa'との差Δfa=fa'−faを加算
器51に出力する。同様に、周波数カウンタ39cは角
加速度dω/dtが印加される前の共振周波数fcと、角加速
度dω/dtが印加された後の共振周波数fc'との差Δfc=f
c'−fcを加算器51に出力する。一方、周波数カウンタ
39bは、角加速度dω/dtが印加される前の共振周波数
fbと、角加速度dω/dtが印加された後の共振周波数fb'
との差Δfb=fb'−fbを加算器52に出力する。同様
に、周波数カウンタ39dは角加速度dω/dtが印加され
る前の共振周波数fdと、角加速度dω/dtが印加された後
の共振周波数fd'との差Δfd=fd'−fdを加算器52に出
力する。
【0041】次に、加算器51は、周波数カウンタ39
aの出力Δfaと、周波数カウンタ39cの出力Δfcの和
Δfa+Δfcを加算器53に出力する。同様に、加算器5
2は、周波数カウンタ39bの出力Δfbと、周波数カウ
ンタ39dの出力Δfdの和Δfb+Δfdを加算器53に出
力する。加算器53は、加算器51の出力Δfa+Δfc
加算器51の出力Δfb+Δfdの差Δfa−Δfb+Δfc−Δ
fdを出力する。加算器53の出力Δfa−Δfb+Δfc−Δ
fdは、図5の検出器102において、回動軸200の回
りに印加された角加速度dω/dtに比例する。また、紙面
上反時計回りの角加速度dω/dtに対し、加算器53の出
力Δfa−Δfb+Δfc−Δfdは正である。
【0042】図6の(b)の表図は、図5の検出器10
2の、図6の(a)に示す第1の回路構成における、マ
ス部にかかるz軸回りの角加速度の符号と出力される周
波数差の符号の関係を示している。ここから、z軸回り
の角加速度の符号が正負どちらでも、加算器53の出力
Δfa−Δfb+Δfc−Δfdの絶対値は|Δfa|+|Δfb
+|Δfc|+|Δfd|に等しくなっていることが分か
る。また、z軸回りの角加速度の符号を図5の紙面上反
時計回りを正とすれば、z軸回りの角加速度の符号は加
算器53の出力Δfa−Δfb+Δfc−Δfdの符号と一致し
ていることが分かる。即ち、図6の(a)に示す第1の
回路構成により、図5の検出器102の、角加速度に比
例する大きな信号を得ることができる。
【0043】以上の通り、図5に示す検出器102は、
図6の(a)に示す構成の回路を接続することにより、
4つの折り返しビーム型共振部からの出力を合計して出
力することができる。各折り返しビーム型共振部からの
出力は各々がマス部20に印加される回動軸200の回
りの角加速度dω/dtに比例するので、図5に示す検出器
102は、図1に示す折り返しビーム型共振部を1つ有
する検出器101よりも検出精度の高い検出器となる。
【0044】なお、検出器102の4つの折り返しビー
ム型共振部3a、3b、3c、3dからの信号の和分、
差分を別の回路で行うことにより、基板面に平行な加速
度を検出することも可能である。即ち、折り返しビーム
型共振部3a、3cからの信号を差分することでy軸方
向の加速度が、折り返しビーム型共振部3b、3dから
の信号を差分することでx軸方向の加速度が検出可能で
ある。なお、検出器102のマス部20はxy平面上で
微小変位可能であるものとする。
【0045】実際、図5の検出器102のマス部20に
y軸方向の加速度が印加され、マス部20がy軸の正方
向に微小変位したとすれば、折り返しビーム型共振部3
a及び3cの折り返しビームの間隔はそれぞれ増大、減
少するので、折り返しビーム型共振部3a及び3cから
の信号を差分すれば、角加速度成分の消去された、マス
部20のy軸の正方向の変位を検出することができる。
よって、折り返しビーム型共振部3a及び3cからの信
号を差分したのち適当な回路で演算することにより、マ
ス部20に印加されたy軸方向の加速度を検出すること
ができる。全く同様にして、折り返しビーム型共振部3
b及び3dからの信号を差分したのち適当な回路で演算
することにより、角加速度成分の消去された、マス部2
0に印加されたx軸方向の加速度を検出することができ
る。
【0046】このことを回路構成と周波数カウンタ39
a、39b、39c、39dの出力する周波数とを図示
しながら詳しく説明する。図7の(a)に、本発明の具
体的な実施例に係る検出器102の第2の回路構成を示
したブロック図を示す。図7の(a)の周波数カウンタ
39a、39b、39c、39dは、図5に示した検出
器102の周波数カウンタ39a、39b、39c、3
9dである。周波数カウンタ39aは、角加速度dω/dt
が印加される前の共振周波数faと、角加速度dω/dtが印
加された後の共振周波数fa'との差Δfa=fa'−faを加算
器51及び55に出力する。同様に、周波数カウンタ3
9cは角加速度dω/dtが印加される前の共振周波数f
cと、角加速度dω/dtが印加された後の共振周波数fc'と
の差Δfc=fc'−fcを加算器51及び55に出力する。
一方、周波数カウンタ39bは、角加速度dω/dtが印加
される前の共振周波数fbと、角加速度dω/dtが印加され
た後の共振周波数fb'との差Δfb=fb'−fbを加算器52
及び54に出力する。同様に、周波数カウンタ39dは
角加速度dω/dtが印加される前の共振周波数fdと、角加
速度dω/dtが印加された後の共振周波数fd'との差Δfd
=fd'−fdを加算器52及び54に出力する。
【0047】加算器51、加算器52及びそれらの出力
を演算する加算器53の働きは図6に示す第1の回路構
成と同様である。即ち、加算器51は、周波数カウンタ
39aの出力Δfaと、周波数カウンタ39cの出力Δfc
の和Δfa+Δfcを加算器53に出力する。同様に、加算
器52は、周波数カウンタ39bの出力Δfbと、周波数
カウンタ39dの出力Δfdの和Δfb+Δfdを加算器53
に出力する。加算器53は、加算器51の出力Δfa+Δ
fcと加算器51の出力Δfb+Δfdの差Δfa−Δfb+Δfc
−Δfdを出力する。加算器53の出力Δfa−Δfb+Δfc
−Δfdは、図5の検出器102において、回動軸200
の回りに印加された角加速度dω/dtに比例する。また、
紙面上反時計回りの角加速度dω/dtに対し、加算器53
の出力Δfa−Δfb+Δfc−Δfdは正である。
【0048】さて、加算器54は、周波数カウンタ39
bの出力Δfbと、周波数カウンタ39dの出力Δfdの差
Δfb−Δfdを出力する。また、加算器55は、周波数カ
ウンタ39aの出力Δfaと、周波数カウンタ39cの出
力Δfcの差Δfa−Δfcを出力する。
【0049】こうして、図5の検出器102の、図7の
(a)に示す第2の回路構成における、マス部にかかる
x軸方向、y軸方向の加速度の符号と出力される周波数
差の符号の関係を図7の(b)に示す。実際、マス部2
0に対し、x軸方向(図5に示すx軸の正方向)に加速
度が印加されると、マス部20はx軸の正方向に微小変
位する。この結果、各折り返しビーム部には次のような
影響が生じる。
【0050】折り返しビーム型共振部3aの第1ビーム
301a及び第2ビーム302aには一様な圧縮力が作
用し、第1ビーム301a及び第2ビーム302aはわ
ずかに座屈するように変形するが、第1ビーム301a
と第2ビーム302aとの間隔は殆ど変化せず、この結
果共振周波数に変化は無い。よって周波数カウンタ39
aの出力Δfaは0である。一方、折り返しビーム型共振
部3cの第1ビーム301c及び第2ビーム302cに
は一様な引っ張り力が作用するが、やはり第1ビーム3
01と第2ビーム302との間隔は殆ど変化しない。よ
って、共振周波数に変化は無く、周波数カウンタ39c
の出力Δfcは0である。よって、周波数カウンタ39a
の出力Δfaと、周波数カウンタ39cの出力Δfcの差Δ
fa−Δfcを出力する加算器55の出力は0である。
【0051】さて、折り返しビーム型共振部3bの第1
ビーム301bのマス部との連結点300bはマス部2
0とともにx軸方向(x軸の正方向)に変位する。結
果、第1ビーム301bと第2ビーム302bとの間隔
は広がり、結果共振周波数も増加する。よって周波数カ
ウンタ39bの出力Δfbは正である。一方、折り返しビ
ーム型共振部3dのマス部との連結点300dはマス部
20とともにx軸方向(x軸の正方向)に変位する。結
果、第1ビーム301dと第2ビーム302dとの間隔
は狭まり、結果共振周波数も減少する。よって周波数カ
ウンタ39dの出力Δfdは負である。よって、周波数カ
ウンタ39bの出力Δfbと、周波数カウンタ39dの出
力Δfdの差Δfb−Δfdを出力する加算器54の出力は正
でその絶対値は|Δfb|+|Δfd|に等しい。
【0052】全く同様に、図7の(b)の、x軸方向、
y軸方向の加速度の符号と出力される周波数差の符号の
関係が説明される。また、例えばマス部20に対し、x
軸方向(図5に示すx軸の正方向)に加速度が印加され
た場合、その加速度の大きさが加算器54の出力(その
絶対値は|Δfb|+|Δfd|)に比例することは、角加
速度と加算器51、52、53の出力との議論と同様、
明らかである。
【0053】以上の通り、図5に示す検出器102は、
図7の(a)に示す構成の回路を接続することにより、
互いに向かい合った折り返しビーム型共振部からの出力
を合計して出力することができる。各折り返しビーム型
共振部からの出力は各々がマス部20に印加される加速
度に比例するので、図5に示す検出器102は、x軸方
向及びy軸方向に印加される加速度検出器としても使用
することができる。尚、図7の(a)に示す構成の回路
は図6の(a)に示すz軸回りの角加速度検出器の回路
構成も内包しているので、図7の(a)に示す構成の回
路を接続した図5に示す検出器102は、z軸回りの角
加速度、x軸方向及びy軸方向に印加される加速度を検
出する検出器となる。
【0054】また、検出器102は4方から安定性良く
支持され、他軸回り(x軸回り及びy軸回り)の角加速
度の印加に対する強度が向上できる上、クロストーク影
響に鈍感な構造である。また、折り返しビーム型共振部
3a、3b、3c、3dの各ビームの長さやビームの幅
(ビームの延伸方向に垂直で基板面に平行な方向)をそ
れぞれ異なる設計とすることで、各折り返しビームの共
振周波数が予期しない低い振動に引き込まれるロックイ
ン現象を回避することも可能である。
【0055】なお、図5に示す検出器102の折り返し
ビーム型共振部3a及び3cは第1ビームから見て第2
ビームはマス部の回動軸に対し反時計回りの位置、折り
返しビーム型共振部3b及び3dは第1ビームから見て
第2ビームはマス部の回動軸に対し時計回りの位置の構
成としたが、折り返しビーム型共振部の第1、第2ビー
ムの位置関係(時計回りか反時計回りか)はこれに限定
されない。上記説明で明らかな通り、接続する各々の回
路との関係において設計すれば良く、どの折り返しビー
ム型共振部の第1、第2ビームの位置関係(時計回りか
反時計回りか)も、個々に任意である。
【0056】尚、上記の検出器102の作用の説明か
ら、検出器102から折り返しビーム型共振部3a及び
3cを除いた検出器は、適当な外部回路を接続すること
により、マス部20に印加される、回動軸200(z
軸)回りの角加速度及びx軸方向の加速度を検出する検
出器とすることができることは明らかである。また、検
出器102から折り返しビーム型共振部3b及び3dを
除いた検出器は、適当な外部回路を接続することによ
り、マス部20に印加される、回動軸200回りの角加
速度及びy軸方向の加速度を検出する検出器とすること
ができることは明らかである。即ち、上記実施例では、
4つの折り返しビーム型共振部3a、3b、3c、3d
を有する、マス部20に印加される、回動軸200(z
軸)回りの角加速度並びにx軸方向及びy軸方向の2軸
の加速度を検出する検出器を示したが、回動軸200を
挟んで互いに向かい合った2つの折り返しビーム型共振
部を有することで、マス部に印加される、基板面に垂直
な1軸(回動軸)回りの角加速度並びに基板面に平行な
1軸方向の加速度を検出する検出器とすることができ
る。
【0057】≪変形例≫本発明にかかる検出器の変形例
として、図8、図9に検出器103、104の可動部分
を示す。図8に示す検出器103は、検出器100、1
01、102においてマス部20の回動軸近傍に設けら
れていたマス固定部22と、マス支持ビーム211、2
12、213、214を省略したものである。即ち検出
器103のマス部201は、4つの折り返しビーム型共
振部の折り返しビーム固定部によってのみに支持されて
おり、微小回動及び微小変位可能である。検出器103
は、検出器102同様、図示しないz軸に平行な回動軸
回りの角加速度、x軸及びy軸方向の加速度の検出が可
能である。
【0058】図9に示す検出器104は、検出器103
において円盤状であったマス部201の形状を方形板状
にした、マス部202を有するものである。検出器10
4のマス部202は、4つの折り返しビーム型共振部の
折り返しビーム固定部のみによって支持されており、微
小回動及び微小変位可能である。検出器104は、検出
器102、103同様、図示しないz軸に平行な回動軸
回りの角加速度、x軸及びy軸方向の加速度の検出が可
能である。
【0059】図8の検出器103、図9の検出器104
は、図5に示す検出器102の4つの折り返しビーム型
共振部と同様の位置関係に各々の第1、第2ビームを設
けたが、上述のとおり、この位置関係に限定されない。
図5に示す検出器102での指摘同様、接続する各々の
回路との関係において設計すれば良く、どの折り返しビ
ーム型共振部の第1、第2ビームの位置関係(時計回り
か反時計回りか)も、個々に任意である。
【0060】上記の実施例で明らかなように、本発明は
基板面に垂直な軸回りに微小回動可能に支持された慣性
質量を有するマス部の形状に何ら限定されない。また、
上記の実施例ではマス部は円盤状としたが、孔、突起、
凹凸その他の構造を持ち合わせても良い。例えばマス部
は格子状に孔を多数有しても良い。
【0061】上記の実施例では、折り返しビームはその
延長線上に回動軸が存在する位置に設けたが、第1のビ
ームは回動軸に垂直方向に延伸されていればよく、たと
えば第1のビームと回動軸は垂直な任意のねじれの位置
にあっても良い。上記の実施例では、対称性の高いマス
部を設け、複数の折り返しビーム型共振部も対称性の高
い位置に設けたが、例えばマス部は任意の形状で良く、
例えば折り返しビーム型共振部はx軸の正方向の位置、
y軸の正方向の位置の2組であってもよい。また、必要
に応じ、それ以上の複数とすることも可能である。
【0062】上記の実施例では、小型化を念頭に、シリ
コンマイクロマシニングにより回動軸近傍で基板に固定
されたマス部を設けるとしたが、任意の樹脂或いは金属
或いはその他の材料で、任意の大きさのマス部としても
良い。また、その際、基板に固定された軸と、その軸と
なめらかに接触しながら回動可能に支持されたマス部に
よる構成としても良い。材料に限定されないのは、折り
返しビーム型共振部、あるいはマス支持ビーム等も同様
である。
【0063】上記の実施例における検出回路は、ハード
ウエアによるアナログ又はデジタル回路で構成しても、
ソフトウエアを用いたコンピュータシステムにより構成
しても良い。また、上記の実施例では、各マス部の励振
に静電力によるものを用いたが、ローレンツ力による励
振方法を用いても良い。また、振動の検出には、静電容
量を用いているが、電磁誘導による起電力を用いても良
い。要は、電気量として変位が検出されれば、任意の物
理量で良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明の具体的な実施例に係る検出
器100の構成と共振周波数検出のための回路を示す構
成図、(b)は(a)のA−A’での断面図。
【図2】(a)は、本発明の具体的な実施例に係る検出
器100の折り返しビーム型共振部の動作を示した平面
図、(b)は第1ビーム、第2ビームの断面図。
【図3】本発明の具体的な実施例に係る検出器100
の、マス部20が微小回動したときの折り返しビーム型
共振部を示した平面図。
【図4】本発明の具体的な実施例に係る検出器101を
示した平面図。
【図5】本発明の具体的な実施例に係る検出器102を
示した平面図。
【図6】本発明の具体的な実施例に係る検出器102
の、(a)は第1の回路構成を示したブロック図、
(b)は第1の回路構成における、マス部にかかるz軸
回りの角加速度の符号と出力される周波数差の符号の関
係を示した表図。
【図7】本発明の具体的な実施例に係る検出器102
の、(a)は第2の回路構成を示したブロック図、
(b)は第2の回路構成における、マス部にかかるx軸
方向或いはy軸方向の加速度の符号と出力される周波数
差の符号の関係を示した表図。
【図8】本発明の具体的な実施例に係る検出器103を
示した平面図。
【図9】本発明の具体的な実施例に係る検出器104を
示した平面図。
【図10】(a)は、従来の角加速度検出器900の構
成を示した断面図、(b)は従来の角加速度検出器90
0の部品91を示した平面図。
【符号の説明】
100、101、102、103、104…検出器 1…基板 20、201、202…マス部 200…回動軸 211、212、213、214…マス支持ビーム 22…マス固定部 300…連結点 301…第1ビーム 302…第2ビーム 31…折り返し部 311、312…折り返し部櫛歯電極 32…折り返しビーム固定部 33…励振電極 330…励振櫛歯電極 34…検出電極 340…検出櫛歯電極 35、36、37、38…共振周波数検出のための各回
路 39、39a、39b、39c、39d…周波数カウン
タ 3a、3b、3c、3d…折り返しビーム型共振部 401、402、403…外部マス支持ビーム 411、412、413…外部マス固定部 71、72…固定電極 81、82…ガラス基板 900…角加速度検出器 91、92…角加速度検出器の部品であるシリコン基板 901、902…枠部 911、912…錘り部 921、922、931、932…梁部
フロントページの続き (72)発明者 藤吉 基弘 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 藤塚 徳夫 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 水野 健太朗 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 Fターム(参考) 2F105 AA02 AA03 BB02 BB13 CC04 CD03 CD05 4M112 AA02 BA07 BA08 CA24 CA26 CA32 EA02 GA03

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板面に垂直な軸回りに微小回動可能に
    支持された慣性質量を有するマス部を有し、そのマス部
    の前記基板面に垂直な回動軸回りの微小回動を検出する
    ことにより物理量を測定する検出器において、 前記マス部から前記回動軸に垂直方向に延伸された第1
    のビームと、 前記第1のビームに接続し、前記マス部とは反対側に設
    けられた折り返し部と、 前記折り返し部から、前記第1のビームと所定の間隔を
    もって前記第1のビームに平行に前記マス部に向かって
    延伸され、前記マス部に到達する手前で前記基板面に固
    定された第2のビームと、 前記第1のビームと、前記折り返し部と、前記第2のビ
    ームとを一体の折り返しビームとして振動させて共振周
    波数を検出する手段と、 からなる折り返しビーム型共振部を1以上有し、そこか
    ら出力される前記共振周波数の変化から、前記マス部の
    前記基板面に垂直な軸回りの微小回動を検出することを
    特徴とする検出器。
  2. 【請求項2】 前記マス部に印加される、前記マス部の
    前記基板面に垂直な軸回りの角加速度を測定する請求項
    1に記載の検出器。
  3. 【請求項3】 基板面に垂直な軸回りに微小回動可能に
    支持され、且つ基板面に平行に微小変位可能に支持され
    た慣性質量を有するマス部を有し、そのマス部の前記基
    板面に垂直な回動軸回りの微小回動及び基板面に平行な
    微小変位を検出することにより2以上の物理量を測定す
    る検出器において、 前記マス部から前記回動軸に垂直方向に延伸された第1
    のビームと、 前記第1のビームに接続し、前記マス部とは反対側に設
    けられた折り返し部と、 前記折り返し部から、前記第1のビームと所定の間隔を
    もって前記第1のビームに平行に前記マス部に向かって
    延伸され、前記マス部に到達する手前で前記基板面に固
    定された第2のビームと、 前記第1のビームと、前記折り返し部と、前記第2のビ
    ームとを一体の折り返しビームとして振動させて共振周
    波数を検出する手段と、 からなる折り返しビーム型共振部を少なくとも4個有
    し、 前記少なくとも4個の折り返しビーム型共振部から出力
    される前記共振周波数の変化を、前記マス部の前記基板
    面に垂直な軸回りの微小回動に比例する出力並びに前記
    マス部の前記基板面に平行な互いに垂直方向の2つの微
    小変位にそれぞれ比例する出力に演算し、前記マス部に
    印加される、前記基板面に垂直な軸回りの角加速度、並
    びに、前記基板面に平行な互いに垂直方向の2つの加速
    度を検出することを特徴とする検出器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010534848A (ja) * 2007-07-31 2010-11-11 センサーダイナミックス、アクチェンゲゼルシャフト マイクロメカニクスのコリオリ−回転速度センサー

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010534848A (ja) * 2007-07-31 2010-11-11 センサーダイナミックス、アクチェンゲゼルシャフト マイクロメカニクスのコリオリ−回転速度センサー

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