JP2000145898A - 車両用変速装置 - Google Patents

車両用変速装置

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JP2000145898A
JP2000145898A JP10326662A JP32666298A JP2000145898A JP 2000145898 A JP2000145898 A JP 2000145898A JP 10326662 A JP10326662 A JP 10326662A JP 32666298 A JP32666298 A JP 32666298A JP 2000145898 A JP2000145898 A JP 2000145898A
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motor
engine
clutch
mode
transmission
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JP10326662A
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English (en)
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Kaoru Sawase
薫 澤瀬
Koji Ando
孝司 安藤
Yuichi Nochida
祐一 後田
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Mitsubishi Motors Corp
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、小形化、低コスト化が図れる車両用
変速装置を提供する。 【解決手段】本発明の車両用変速装置は、サンギヤ17
に入力軸17aが連結され、キャリア19に出力軸3が
連結され、リングギヤ18にブレーキが設けられ、かつ
キャリア19とリングギヤ18との間を連結するLモー
ド/Hモードの切換用のクラッチ25をもつ3要素2自
由型遊星歯車機構15において、ブレーキを、回転規制
/回転許容の方向が外部からの操作で切換可能な2ウェ
イクラッチ28から構成して、2ウェイクラッチ28だ
けで、前進時の変速、後退の双方が行えるようにしたこ
とにある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、3要素2自由度型
遊星歯車機構を有して構成される車両用変速装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】エンジンを動力としたFF式の乗用車に
は、1速から5速までの自動変速を行う変速装置を搭載
したものがある。
【0003】この変速装置では、5速目の変速機構に、
サンギヤ、キャリア、リングギヤの3要素を用いた3要
素2自由度型遊星歯車機構を採用して、Lモードの大き
な減速比と、Hモードの入力側と出力側とが1:1とな
る減速比とに切換えることが行なわれている。具体的に
は、例えばサンギヤを入力側、キャリア側を出力側と
し、キャリアとリングギヤとを直結するクラッチ、リン
グギヤに制動を加えるブレーキを採用して、キャリアと
リングギヤとがフリーなときは、制動されているりング
ギヤで反力を受けて、遊星歯車機構をLモードとして機
能させることで4速目の変速をなし、キャリアとリング
ギヤとを直結させ、リングギヤの制動を解くことによ
り、遊星歯車機構をHモードとして機能させて5速目の
変速をなすようにしてある。
【0004】ところで、キャリアとリングギヤの直結、
リングギヤの制動/解除を同時に行うことが求められる
が、経年変化の影響を受けて、双方のタイミングにずれ
が生じることがある。
【0005】こうしたタイミングのずれが生じると、変
速の際、ショックが発生する。
【0006】そこで、変速ショックの無い良好な変速が
実現されるよう、通常、ワンウェイクラッチを採用し
て、キャリアとリングギアとを直結させると、自動的に
リングギヤの制動が解かれる(LモードとHモードでリ
ングギヤに作用する力の方向が異なるため)ようにして
いる。
【0007】しかも、同遊星歯車機構では、この他、ワ
ンウェイクラッチでフリーとなるリングギヤの回転を規
制する摩擦ブレーキ、例えばバンドブレーキをリングギ
ヤに装備して、車両の後退を行えるようにしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ワンウェイクラッチと
バンドブレーキとを併用した構造は、図3に示されるよ
うに遊星歯車機構のリングギヤaの外周部に、ワンウェ
イクラッチbとバンドブレーキcとを並行に取付ける構
造が用いられる。
【0009】ところが、バンドブレーキcは、幅広なの
で、そのままでは、リングギヤaの長さに収まらない。
【0010】このため、通常、ワンウェイクラッチbと
バンドブレーキcとを併用する構造では、リングギヤa
の一部を軸方向に延長して、リングギヤaの外周面に、
バンドブレーキcが巻き付くドラム部分を形成すること
が余儀なくされ、これが遊星歯車機構を大きくする要因
となっている。しかも、2種類のクラッチを用いるの
で、コスト的な負担も大きい。
【0011】特に、同遊星歯車機構を用い、電気モー
タ、発電機と組み合せてパワープラントを構成して、限
られたエンジンルームに同パワープラントを変速機と一
緒に収められるハイブリッド車では、エンジンを動力し
た車以上に変速装置の小形化、コストの低減化が求めら
れるので、それに対応できる技術が要望されている。
【0012】本発明は、上記事情に着目してなされたも
ので、その目的とするところは、小形化、低コスト化が
図れる車両用変速装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1に記載した車両用変速装置は、第1要素に入
力軸が連結され、第2要素に出力軸が連結され、第3要
素にブレーキ手段が設けられ、かつ第1要素、第2要
素、第3要素のうち2つの要素間にブレーキ手段と共同
して低速モード、高速モードの変速切換えを行うクラッ
チ手段をもつ3要素2自由型遊星歯車機構において、前
記ブレーキ手段又は前記クラッチ手段の一方を、一方向
への回転を規制するが他方への回転を許容するとともに
その回転規制/回転許容の方向が外部からの操作で切換
可能な機械式クラッチ機構で構成して、機械式クラッチ
機構だけで、前進時の変速、後退の双方が行えるように
した。
【0014】これにより、1種類のクラッチだけで前
進、後退に求められる制御が行えるので、摩擦ブレーキ
は不要となり、摩擦ブレーキが占めていた分、遊星歯車
機構のコンパクトになる上、コストが低減される。
【0015】請求項2に記載した車両用変速装置は、上
記目的に加え、機械式クラッチ機構を利用してハイブリ
ッド車特有のコスト効果が発揮されるよう、遊星歯車機
構の入力軸に電気モータが連結され、出力軸に変速機が
連結されるとともにエンジンが連結されるハイブリッド
車を前提とした上で、機械式クラッチ機構を車両の前進
時と後退時とで回転規制/回転許容の方向が切換えられ
るようにして、モータを逆回転させるだけで、特別な機
構を要せずに、後退が行えるようにした。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図1および図2に
示す一実施形態にもとづいて説明する。
【0017】図1は本発明を適用した車両、例えばハイ
ブリット車におけるパワープラントPの全体の概略図を
示し、図中1はエンジン、2は、同エンジン1から出力
軸1a側へ離れた地点に設置された変速機、例えばベル
ト式無段変速機である。
【0018】ベルト式無段変速機2は、エンジン1の出
力軸1aと直列に並ぶベルト入力軸3、このベルト入力
軸3と並行な出力軸4を備えていて、ベルト入力軸3に
はV溝5aをもつドライブプーリ5が組み付けられ、出
力軸4にはV溝6aをもつドリブンプーリ6が組み付け
られている。これらV溝5a、6a間には、無端状の金
属ベルト7が掛け渡されていて、互いのプーリ幅を変化
させることにより、変速比が変えられる構造となってい
る。
【0019】このベルト式無段変速機2の出力軸4が、
出力用のクラッチ8、ワイヤー操作式のパーキング機構
9、中継ギヤ10、ファイナルギヤ11、デファレンシ
ャルギヤ12を介して、左右の走行輪(図示しない)に
接続してある。
【0020】このベルト式無段変速機2の入力軸3とエ
ンジン1の出力軸1aとの間には、例えば低速モード
(以下、Lモードという)と高速モード(以下、Hモー
ドという)との2段変速可能な遊星ギヤ式減速機15
(車両用変速装置)を介して、1基の小出力(小型)の
モータ/ジェネレータ16(M/G;電気モータと発電
機との双方の機能をもつ製品:電気モータに相当)が設
置してある。
【0021】遊星ギヤ式減速機15には、3要素2自由
度型遊星歯車機構が用いられている。具体的には、同遊
星歯車機構は、入力軸3および出力軸1aと同じ軸心の
延長線上にサンギヤ17を配置し、サンギヤ17の周り
にリングギヤ18を配置し、これらサンギヤ17とリン
グギヤ18との間に、キャリア19で支持されたプラネ
タリギヤ20を噛み合わせた構造が用いてある。この遊
星歯車機構と隣接するエンジン1側に、同心状の配置で
モータ/ジェネレータ16を構成するステータ16a、
ロータ16bが配設してある。このモータ/ジェネレー
タ16が、インバータ21を介して、バッテリ22に接
続され、バッテリ22からの電気エネルギーでモータ/
ジェネレータ16をモータとして作動させて、車両をモ
ータ走行させたりエンジン1の始動に必要な動力を発生
させたり、反対にモータ/ジェネレータ16をジェネレ
ータとして作動させて、ジェネレータに加わる運動エネ
ルギーを電気エネルギーに変えてバッテリ22へ充電で
きるようにしてある。
【0022】そして、遊星歯車機構の3要素(サンギ
ヤ、キャリア、リングギヤ)のうち、キャリア19は、
同キャリア19とリングギヤ18との間を断続するH/
Lモード切換用のクラッチ25(3要素のうち2要素間
を連結するクラッチ手段に相当)を介して、ベルト式無
段変速機2のベルト入力軸3(遊星歯車機構の出力軸を
兼用)に連結してある。さらにキャリア19は、エンジ
ン切換用のクラッチ26を介して、エンジン1の出力軸
1aにも連結してある。なお、エンジン1の出力軸1a
には、エンジン1の振動等を吸収するよう、ダンパ27
aが付いたフライホール27が取付けてある。
【0023】サンギヤ17から延びる入力軸17aに
は、モータ/ジェネレータ16のロータ16bに連結し
てある。
【0024】残るリングギヤ18は、前進と後退(正逆
方向の両方)でロック方向が切換え可能な2ウェイクラ
ッチ28(ブレーキ手段、機械式クラッチ機構に相当)
を介して、パワープラントPの周囲を覆う外郭ケース2
9に支持させてある。
【0025】この2ウェイクラッチ28には、例えば図
2に示されるようにリングギヤ18の外周面と外郭ケー
ス29の内面との間に、同間で互いに重なるよう、リン
グ状のインナリテーナ30およびリング状のアウタリテ
ーナ31を回動可能に介装し、これら各インナリテーナ
30、アウタリテーナ31の周壁に周方向に所定の間隔
で穿設した複数のスプラグ孔30a,31aにそれぞれ
左右対称形の断面をもつスプラグ32を周方向に傾動可
能に収めた構造が用いてあり、例えばアクチュエータ
(図示しない)によりインナリテーナ30を右方向ある
いは左方向へ回動操作して、各スプラグ32を図2
(a)に示されるように左あるいは図2(b)に示され
るように右に傾けることにより、ロック、すなわち回転
規制(一方への回転を規制)と、フリー、すなわち回転
許容(他方への回転を許容)との方向が切り換わるよう
になっている。つまり、2ウェイクラッチ28は、左右
両回転方向でクラッチ機能が発揮される構造となってい
る。
【0026】そして、遊星ギヤ式減速機15の各クラッ
チ8,25,26,28のアクチュエータ(いずれも図
示しない)は、動作源、例えば油圧回路40に接続さ
れ、油圧回路40から供給される油圧により、Hモード
/Lモードを切換えたり、エンジン1を断続させたり、
ベルト式無段変速機2の出力を接続したり、2ウェイク
ラッチ28のロック方向を切換え、具体的には後退(P
ポジション)のとき後退方向がロック、後退以外(P、
N、D)のとき前進方向がロックされるようにしてあ
る。
【0027】一方、45はシフト操作装置である。シフ
ト操作装置45は、セレクトレバー46を備え、同レバ
ー操作により、P(パーキング)、R(リバース)、N
(ニュートラル)、D(ドライブ)のポジションが選択
されると、選択したポジションの信号が出力されるよう
にしてある。
【0028】このシフト操作装置45が、ECU47に
接続される。さらにECU47は,油圧回路40に接続
され、選択されたポジション、さらにはアクセル開度、
ブレーキ操作などから、ECU47に設定されたプログ
ラムにしたがい、各クラッチ8,25,26、モータ/
ジェネレータ16を制御したり、2ウェイクラッチ28
のロック方向を前進と後進とで切換えたり、モータ電流
の向きを前進と後進とで切換えたりすることにより、エ
ンジン特性、モータ特性を有効活用した車両の走行(発
進はモータで、定常走行はエンジンで、加速時はモータ
でエンジンをアシストし、減速時は回生を行う、後進は
モータで行う等の走行)が行えるようにしてある。
【0029】こうした代表的なハイブリット車のモード
が表1に示されている。
【0030】
【表1】
【0031】この表1にもとづきパワープラントの作用
を説明する。なお、()内英字は表1中のNO.を示
す。
【0032】今、停車しているハイブリット車を走行さ
せるとする。
【0033】このとき、セレクトレバー46はPポジシ
ョンにあり、2ウェイクラッチ28は前進方向でロック
する向きに切り換わる。
【0034】始動操作は同ポジションのまま、イグニシ
ョンスイッチをオンする。
【0035】すると、ECU47は、冷却水の温度から
エンジン1が冷態であるか温態であるかを検出し、エン
ジン1が冷態であれば、暖気モードに入る(A)。
【0036】暖気モードは、ECU47の指令により、
クラッチ26をオンさせ、続いてモータ/ジェネレータ
16から駆動力を出力することで行なわれる。
【0037】すなわち、モータ出力は、サンギヤ17、
プラネタリギヤ20、キャリア19へ伝わり、リングギ
ヤ18を前進方向に回転させようとする。
【0038】このとき、リングギヤ18は、2ウェイク
ラッチ28により前進方向には回転しないようロック
(制動)されてキャリア19の反力を受けるから、キャ
リア19からの出力となる。つまり、遊星歯車機構はL
モードとなり、サンギヤ17から入力される回転を減速
して、キャリア19から出力させる。
【0039】この増幅されたモータの出力トルクが、ク
ラッチ26を通じて、エンジン1の出力軸1aへ伝達さ
れ、エンジン1を始動させる。
【0040】ついで、ハイブリッド車を発進させるべ
く、ブレーキペダルを踏んだ状態で、セレクタレバー4
6をDポジションにシフトする。その後、暖気が不十分
な場合は、ECU47の指令により、エンジン1は、ア
イドル運転に入り、エンジン1を暖気させる(B)。こ
の際、バッテリ22の電力低下があると、ECU47
は、モータ/ジェネレータ16を発電として機能させ、
バッテリ22へ発電した電力を充電させる(L)。
【0041】暖気が終了すると、エンジン1を停止さ
せ、クラッチ8をオンさせ、さらにベルト式無段変速機
2をLモードにし、モータのみで発進可能なモードに入
り、そのモードで待機する(C)。
【0042】ブレーキペダルからアクセルぺダルに踏み
代えて、同アクセルペダル(図示しない)を踏込む。
【0043】すると、ECU47は、モータ/ジェネレ
ータ16をモータとして機能させ、駆動力をサンギヤ1
7へ出力させる。
【0044】このとき、遊星歯車機構は、2ウェイクラ
ッチ28の前進ロックが継続されていて、Lモードであ
るから、モータの出力トルクは同遊星歯車機構によって
増幅され、この増幅した出力トルクが、キャリア19か
らベルト入力軸3へ出力され、Lモードに変速されてい
るドライブプーリ5、金属ベルト7、ドリブンプーリ6
を経て、ファイナルギヤ11、デファレンシャルギヤ1
2を通じ、左右の走行輪へ伝達され、ハイブリッド車を
モータのみで発進させ加速させる(D)。
【0045】この発進加速によりモータの回転が上昇
し、キャリア19の回転数がエンジン始動を行える回転
まで上昇すると、ECU47はクラッチ26をオンし、
モータの出力トルクをエンジン1の出力軸1aへ伝達さ
せる。
【0046】エンジン1は、この増幅された出力トルク
により、加速走行中、滑らかに始動される(E)。
【0047】エンジン1が始動すると、ハイブリット車
は、エンジン1とモータとの両者の出力により加速す
る。
【0048】そして、モータ回転が許容限域に近づくま
で上昇すると、ECU47はクラッチ25をオンさせ、
キャリア19とリングギヤ18とを連結する。
【0049】すると、リングギヤ18へ加わる力は逆向
きとなる。この力が加わる方向だと、2ウェイクラッチ
28はフリーな状態なので、リングギヤ18はキャリア
19と同方向に回転を始める。つまり、遊星歯車機構
は、大きな減速比のLモードから、入力と出力との比が
1:1のHモードに切り換わる。
【0050】これにより、ハイブリット車は、回転上昇
にしたがい高い出力トルクを発生するエンジン1とモー
タの出力とにより、Lモードでの加速を保ちながら加速
を継続していく(F)。
【0051】ついで、加速が緩やかになり、高い熱効率
のエンジン1の運転領域が走行抵抗と見合う高い車速の
定常走行に入ったとする。
【0052】すると、ECU47の指令により、モータ
を空転させ、エンジン1だけを動力とし、ベルト式無段
変速機2をHモードに切換えて、ハイブリッド車の走行
を続ける(G)。この状態からアクセルペダルを踏込め
ば、再びモータが作動して、ハイブリッド車は加速す
る。
【0053】この定常走行中、走行抵抗が小さくなる
と、ECU47は、空転するモータ/ジェネレータ16
を発電機として機能させ、エンジン1の余裕分となった
出力トルクでモータから発電させ、バッテリ22の充電
を行う(H)。
【0054】なお、定常走行中、バッテリ22の充電容
量が低下したときは、エンジン1の回転数を発電負荷
分、上昇させて出力トルクを高めて発電を行う。
【0055】一方、例えば20〜30km/h程度の低
車速で一定の走行が行なわれたとする。
【0056】この低車速では、エンジン1は低エンジン
回転数となるために熱効率が悪い。
【0057】このときには、ECU47は、モータ/ジ
ェネレータ16をモータとして機能させる。またクラッ
チ26をオフしてエンジン1を切り離し、同エンジン1
の運転を停止させる。つまり、熱効率の悪い低負荷運転
のときは、エンジン1を用いず、モータだけで走行を行
う(I)。
【0058】このモータ走行を続け、バッテリ22の蓄
電量が低下し、充電が必要となるとする。
【0059】このときには、ECU47は、クラッチ2
6をオンして、再びエンジン1を始動させる。ついで、
モータ/ジェネレータ16をジェネレータとして機能さ
せ、このジェネレータの発電負荷分、高回転数の領域で
エンジン1を運転させ、高い熱効率の領域で、エンジン
1だけによる走行が継続される。そして、バッテリ1が
回復したら、再びモータ走行に戻る。
【0060】低車速走行は、こうしたモータ、エンジン
の運転を繰り返す。
【0061】ついで、ブレーキペダルを踏んで、減速し
たとする。すると、ECU47は、クラッチ26をオフ
してエンジン1を遊星歯車機構から切り離し、モータ/
ジェネレータ16を発電機として機能させ、運動エネル
ギーを電気エネルギーに変換させる。これにより、減速
回生が行なわれ、ハイブリッド車は、運動エネルギーを
回収しながら減速していく(J)。
【0062】停車すれば、パワープラントは、クリープ
トルクが発生可能な状態(ブレーキペダルを離せばクリ
ープ走行が行なわれる状態)で停止し、アイドルストッ
プに入る。
【0063】この後、後退するため、セレクタレバー4
6をRポジションに操作して、ブレーキペダルを離した
り、アクセルペダルに踏み代えてアクセルペダルを踏込
んだりする。
【0064】すると、ECU47は、2ウェイクラッチ
28のロック方向を後退方向でロックする向きに切換え
る。と共にモータ/ジェネレータ16から、逆回転の駆
動力を出力する(モータ電流の向きの切換えによる)。
【0065】すると、モータの逆回転出力は、サンギヤ
17、プラネタリギヤ20、キャリア19へ伝わり、リ
ングギヤ18を後退方向に回転させようとする。
【0066】このとき、リングギヤ18は、2ウェイク
ラッチ28により後退方向には回転しないようロック
(制動)されてキャリア19の反力を受けるから、キャ
リア19からの出力となる。つまり、遊星歯車機構はL
モードとなり、サンギヤ17から入力される回転を減速
して、キャリア19から出力させる。
【0067】この逆回転の出力が、ベルト式無段変速機
2を通じて走行輪へ伝わり、ハイブリッド車は、増幅さ
れたモータ出力トルクにより、後退される(K)。そし
て、車速が上昇すると、クラッチ25がオンし、キャリ
ア19とリングギヤ18とを連結させる。
【0068】すると、リングギヤ18へ加わる力は逆向
きとなる。この力が加わる方向だと、2ウェイクラッチ
28はフリーな状態なので、リングギヤ18はキャリア
19と同方向に回転を始める。つまり、遊星歯車機構
は、Lモードから、入力と出力との比が1:1のHモー
ドに滑らかに切り換わり、後退を続ける。
【0069】このように、ロック方向が切換可能な2ウ
ェイクラッチ28だけで、走行モードの全モード、すな
わち前進時の変速の他、後退の切換え、後退変速のいず
れも実現できる。つまり、1種類のクラッチだけで、前
進、後退に求められる制御ができるので、クラッチと併
設されていた摩擦ブレーキは不要となる。
【0070】したがって、遊星歯車機構は、摩擦ブレー
キが占めていた分、コンパクトできる上、コストの低減
を図ることができる。しかも、2ウェイクラッチ28
は、摩擦ブレーキのような引き摺り抵抗が発生しないの
で、燃費の向上の点に優れる。
【0071】また遊星歯車機構の入力軸17aにモータ
/ジェネレータ16を連結し、出力軸に変速機、例えば
ベルト式無段変速機2、エンジン1に連結して、ハイブ
リッド車のパワープラントを構成したので、特別な機構
を要せずに、モータを逆回転させるだけで後退が達成で
き、ハイブリッド車のパワープラントに適用すると、ハ
イブリッド車特有の小形化、低コスト化を図ることがで
きる。
【0072】なお、一実施形態では、リングギヤを拘束
するブレーキに2ウェイクラッチを適用したが、キャリ
アとリングを連結するクラッチに2ウェイクラッチを適
用しても同様の効果を奏する。
【0073】また一実施形態では、入力側と出力側とが
直結となる状態をHモードとした遊星歯車機構を用いた
が、これに限らず、入力側と出力側とが直結されるとL
モードとなり、ブレーキが加わると、Hモードに切り換
わるようにした遊星歯車機構、具体的にはキャリアにモ
ータが連結、リングギヤに変速機が連結され、サンギヤ
が制動されるようにした遊星歯車機構を用いてもよい。
【0074】また一実施形態では、本発明をハイブリッ
ド車に適用したが、先の「従来の技術」で述べたような
エンジン駆動式車両の自動変速装置を構成する遊星歯車
機構に適用してもよい。むろん、適用は、5速目の変速
をなす遊星歯車機構でなく、他の変速段の変速を行う遊
星歯車機構でもよい。
【0075】
【発明の効果】以上説明したように請求項1に記載の発
明によれば、ロック方向が切換可能な機械式クラッチ機
構だけで、前進時の変速、後退の切換え、さらには後退
変速を実現できる。
【0076】したがって、1種類のクラッチだけで、前
進、後退に求められる制御ができ、クラッチと併設され
ていた摩擦ブレーキを不要できる。
【0077】この結果、遊星歯車機構は、摩擦ブレーキ
が占めていた分、コンパクト化およびコストの低減を図
ることができる。しかも、ロック方向が切換え可能な機
械式クラッチ機構は、引き摺りトルクの損失がないの
で、車両の燃費向上にも優れるという利点がある。
【0078】請求項2に記載の発明によれば、さらに上
記目的に加え、ハイブリット車のパワープラントに適用
することにより、特別な機構を要せずに、モータを逆回
転させるだけで後退が達成でき、ハイブリッド車特有の
小形化、低コスト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る車両用パワープラン
トの構成を説明するための図。
【図2】2ウェイクラッチの構造を説明するための図。
【図3】従来、自動変速装置の遊星歯車機構の切換えに
用いられているワンウェイクラッチとバンドブレーキと
を併用した構造を説明するための図。
【符号の説明】
1…エンジン 2…ベルト式無段変速機(変速機) 3…ベルト入力軸(遊星歯車機構の出力軸) 15…3要素2自由度型遊星歯車機構 16…モータ/ジェネレータ(電気モータ) 17…サンギヤ 17a…入力軸 18…リングギヤ 19…キャリア 25…H/Lモード切換用のクラッチ(クラッチ手段) 28…2ウェイクラッチ(ブレーキ手段:機械式クラッ
チ機構) 40…油圧回路 47…ECU(制御部)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 後田 祐一 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動車 工業株式会社内 Fターム(参考) 3J028 EA07 EA25 EB10 EB12 EB33 EB35 EB44 EB62 EB63 EB66 FA06 FB04 FB13 FC13 FC23 FC64 FD11 GA03 HA11 3J050 AA02 AB03 BA03 BB13 CB08 CD03 DA02

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 3要素2自由型遊星歯車機構からなる車
    両用変速装置において、 前記遊星歯車機構の3要素のうち、 第1要素には入力軸が連結され、 第2要素には出力軸が連結され、 第3要素には同要素を制動するブレーキ手段が設けら
    れ、 前記第1要素、第2要素、第3要素のうち2つの要素間
    には前記ブレーキ手段と共同して低速モード、高速モー
    ドの変速切換えを行うクラッチ手段が設けられ、 かつ前記ブレーキ手段又は前記クラッチ手段の一方が、
    一方向への回転を規制するが他方への回転を許容すると
    ともにその回転規制/回転許容の方向が外部からの操作
    で切換可能な機械式クラッチ機構で構成されることを特
    徴とする車両用変速装置。
  2. 【請求項2】 前記入力軸には電気モータが連結され、
    前記出力軸には変速機が連結されるとともにエンジンが
    連結され、前記機械式クラッチ機構が車両の前進時と後
    退時とで回転規制/回転許容の方向が切換可能に構成さ
    れることを特徴とする請求項1に記載の車両用変速装
    置。
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