JP2000145673A - 流体機械およびブレードの製造方法 - Google Patents

流体機械およびブレードの製造方法

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JP2000145673A
JP2000145673A JP10317827A JP31782798A JP2000145673A JP 2000145673 A JP2000145673 A JP 2000145673A JP 10317827 A JP10317827 A JP 10317827A JP 31782798 A JP31782798 A JP 31782798A JP 2000145673 A JP2000145673 A JP 2000145673A
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spiral groove
cylinder
peripheral surface
cross
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JP10317827A
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Takeshi Fukuda
岳 福田
Satoshi Koyama
聡 小山
Makoto Hayano
誠 早野
Kanji Sakata
寛二 坂田
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04CROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04C18/00Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids
    • F04C18/08Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids of intermeshing-engagement type, i.e. with engagement of co-operating members similar to that of toothed gearing
    • F04C18/10Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids of intermeshing-engagement type, i.e. with engagement of co-operating members similar to that of toothed gearing of internal-axis type with the outer member having more teeth or tooth equivalents, e.g. rollers, than the inner member
    • F04C18/107Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids of intermeshing-engagement type, i.e. with engagement of co-operating members similar to that of toothed gearing of internal-axis type with the outer member having more teeth or tooth equivalents, e.g. rollers, than the inner member with helical teeth

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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、ブレードのシリンダに対する当たり
状態を改善して、高効率を得るとともに信頼性の向上を
図れ、かつ簡素な構成のブレードであって、この製造性
の向上を図れる流体機械およびブレードの製造方法を提
供する。 【解決手段】シリンダ5と、このシリンダ内に偏心して
配置され偏心運動をなすローラ8と、このローラ外周面
に形成された螺旋状の溝13と、この螺旋状溝に出入り
自在に嵌め込まれ上記シリンダと上記ローラとの間に複
数の圧縮室15を形成するブレード14とを具備し、一
端側の圧縮室に吸込んだ作動流体を他端側の圧縮室に移
送しながら圧縮するヘリカルブレード式圧縮機におい
て、上記ブレードの断面形状は、上記螺旋状溝の断面形
状と比較して、高圧側圧縮室に近い部位ほど大きく削成
される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば空気調和
機の冷凍サイクルを構成するヘリカルブレード式圧縮機
や、膨張機、ポンプなどとして用いられる流体機械に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、たとえば空気調和機の冷凍サイク
ルを構成する圧縮機として、ヘリカルブレード式圧縮機
が提案されている。
【0003】この種の圧縮機によれば、従来のレシプロ
式やロータリ式圧縮機におけるシール性不良などを除去
でき、比較的簡単な構成によりシール性を向上させて効
率のよい圧縮がなされるとともに、部品の製造および組
立てが容易化される。
【0004】ヘリカルブレード式圧縮機として具体的な
構成作用は、たとえば、固定したシリンダ内に偏心回転
するローラを収容し、このローラの外周面に螺旋状溝を
形成してブレードを出入れ自在に嵌め込み、シリンダと
ローラおよびブレードの間に形成される作動室である圧
縮室に、作動流体である冷媒ガスを導入して順次移送し
ながら圧縮するようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
ヘリカルブレード式流体圧縮機では、図13(A)に示
すように、断面矩形状のブレードaおよび螺旋状溝b
は、回転軸の軸線cに対して直交する方向に沿うよう設
計され、かつ組立てられていた。
【0006】しかしながら、上記ブレードaを挟んで隣
り合う圧縮室d,eでは、その一方の圧縮室たとえばd
が吐出側であるから高圧側で、他方の圧縮室eが吸込み
側であるから低圧側であるため、ブレードaの一方の面
は高圧側の圧縮室dからの圧力によって押される圧力、
いわゆる側圧を受けて偶力が発生する。
【0007】図13(B)に示すように、上記ブレード
aは偶力の作用によって低圧側に傾き、この外周面がシ
リンダfに対して片当たりした状態のまま摺動する。ブ
レードaがシリンダfに押付けられる力が一定であるの
に対して、ブレードa外周面のうち実際に接触している
部分の幅が狭いので面圧が高くなる。
【0008】その結果、ブレードaの外周面において局
部的な摩耗が発生し、これらの隙間からのリークを招い
て体積効率が低下する。また、摺動の際の摩擦力が大き
くなるので摺動損失が増え、流体機械としての効率低下
をきたす。
【0009】そこで本出願人は、図14に示すように、
ブレードGおよび螺旋状溝Hの断面形状を、これらが吐
出側である高圧側圧縮室dへ向かって倒れるように形成
した技術を開発し、かつ提案した。(特開平1−178
786号公報)このような形状構造によれば、ブレード
Gは局部的な側圧を受けることがなくなり、したがって
局部的な摩耗を防止して流体のリークがなく、体積効率
の向上を図れるようになった。
【0010】しかしながら、この場合はブレードGおよ
び螺旋状溝Hの加工性と製造性に問題があった。すなわ
ち、ブレードGと螺旋状溝Hは不等ピッチの螺旋状をな
すところから、ブレードGの金型製造および螺旋状溝H
の加工作業が複雑となるうえに、これらの断面形状を所
定方向に所定角度だけ傾くよう製造加工しなければなら
ず、作業がさらに複雑化して工数が増大化し、高精度を
確保することが困難化している。
【0011】本発明は上記事情に着目してなされたもの
であり、その目的とするところは、ブレードのシリンダ
に対する当たり状態を改善して、高効率を得るとともに
信頼性の向上を図れ、かつ簡素な構成のブレードであっ
て、この製造性の向上を図れる流体機械およびブレード
の製造方法を提供しようとするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を満足するた
め、第1の発明の流体機械は、請求項1として、シリン
ダと、このシリンダ内に偏心して配置され偏心運動をな
すローラと、このローラ外周面に形成された螺旋状の溝
と、この螺旋状溝に出入り自在に嵌め込まれ上記シリン
ダと上記ローラとの間に複数の作動室を形成するブレー
ドとを具備し、一端側の作動室に吸込んだ作動流体を他
端側の作動室に移送する流体機械において、上記ブレー
ドの断面形状は、上記螺旋状溝の断面形状と比較して、
高圧側作動室に近い部位ほど大きく削成されることを特
徴とする。
【0013】上記目的を満足するため、第2の発明の流
体機械は、請求項4として、上記流体機械において、上
記ブレードの断面形状は、上記螺旋状溝の断面形状と比
較して、螺旋状溝底に接する内周面が低圧側作動室に近
い部位ほど大きく削成されることを特徴とする。
【0014】上記目的を満足するため、第3の発明の流
体機械は、請求項6として、上記流体機械において、上
記ブレードの内周面および上記螺旋状溝底の断面形状
は、低圧側作動室に近い部位ほどブレードの外周面に近
くなるよう傾いて形成されることを特徴とする。
【0015】上記目的を満足するため、第4の発明のブ
レードの製造方法は、請求項7として、断面形状が螺旋
状溝の断面形状と比較して高圧側作動室に近い部位ほど
大きく削成されるブレードを、射出成形により製造する
ことを特徴とする。
【0016】上記目的を満足するため、第5の発明のブ
レードの製造方法は、請求項8として、断面形状が螺旋
状溝の断面形状と比較して螺旋状溝底に接する内周面が
低圧側作動室に近い部位ほど大きく削成されるブレード
を、射出成形により製造することを特徴とする。
【0017】上記目的を満足するため、第6の発明のブ
レードの製造方法は、請求項9として、内周面の断面形
状が螺旋状溝底とともに低圧側作動室に近い部位ほど外
周面に近くなるよう傾いて形成されるブレードを、射出
成形により製造することを特徴とする。
【0018】このような課題を解決する手段を採用する
ことにより、ブレードのシリンダに対する当たり状態を
改善し、簡素な構成のブレードを備えた流体機械であ
り、ブレードの製造が容易になる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態について説明する。図1は、流体機械である、
いわゆるヘリカルブレード式圧縮機を示す。このヘリカ
ルブレード式圧縮機は、密閉容器1と、この密閉容器1
内に収容され、回転軸2を介して上下に一体に連結され
る下部側の圧縮機構部3および上部側の電動機部4から
なる。なお、ここでは電動機部4はその大半を省略す
る。
【0020】上記密閉容器1の上端部には図示しない吐
出冷媒管が接続され、側面部には吸込み冷媒管Pbが接
続される。上記吐出冷媒管から吸込み冷媒管Pbに亘っ
て順次、凝縮器と、膨張弁と、蒸発器が冷媒管を介して
接続され、これらでたとえば空気調和機の冷凍サイクル
が構成される。
【0021】つぎに、上記圧縮機構部3について詳述す
る。上記密閉容器1の内径部にはシリンダ5の上端鍔部
が嵌め込まれていて、適宜な手段によって密閉容器1に
取付け固定される。上記シリンダ5の上端開口部は回転
軸2の中途部を軸支する主軸受け具6によって閉塞さ
れ、下端開口部は回転軸2の下端部を軸支する副軸受け
具7によって閉塞される。
【0022】上記シリンダ5内にローラ8が偏心して配
置されている。このローラ8の下端面は上記副軸受け具
7に支持され、かつ回転軸2の中途部に偏心して設けら
れる偏心クランク部2a周面に回転自在に嵌め込まれ
る。
【0023】回転軸2の中心軸に対するローラ8の偏心
量は、偏心クランク部2aの偏心量と同一であり、しか
もローラ8外径が軸方向に沿ってシリンダ5内径に転接
するよう設計されている。
【0024】回転軸2の回転にともなって偏心クランク
部2aが偏心回転すると、ローラ8が偏心運動するとと
もに、ローラ8の外周面一部とシリンダ5内周面との転
接部が順次周方向に移動するようになっている。
【0025】上記副軸受け具7とローラ8下端部との間
には、たとえばオルダム機構などの自転規制部材12が
設けられていて、ローラ8の自転を規制して公転運動を
なすよう制御する。
【0026】上記ローラ8の周面には、この下端部から
上端部に亘って、徐々にピッチが小となる螺旋状の溝1
3が設けられる。螺旋状溝13には後述する螺旋状のブ
レード14が突没自在に嵌め込まれ、ブレード14の外
周面はシリンダ5の内周面に密接状態となっている。
【0027】上記ローラ8とシリンダ5周面との間はブ
レード14によって連続した複数の空間部に仕切られ
る。これら空間部は作動室となるが、ここでは圧縮室1
5と呼ぶ。上記螺旋状溝13のピッチの設定から、各圧
縮室15の容積は下部側圧縮室15から上部側圧縮室1
5に亘って徐々に小となっている。
【0028】最下部の圧縮室15と対向するシリンダ5
周壁には吸込みポート16が開口され、密閉容器1を貫
通した上記吸込み冷媒管Pbが接続される。したがっ
て、最下部の圧縮室15は上記吸込み冷媒管Pbと連通
する。
【0029】最上部の圧縮室15と対向するシリンダ5
上端内周壁に段部からなる吐出ポート17が開口され
る。この吐出ポート17は、上記主軸受け具6の鍔部6
aに設けられる吐出案内部18と連通している。
【0030】また、密閉容器1の内底部には潤滑油を集
溜する油溜り部23が形成されていて、圧縮機構部3の
下端側一部が潤滑油中に浸漬される。具体的には、シリ
ンダ5とローラ8の下部側および副軸受け具7が潤滑油
中に浸漬される。
【0031】上記回転軸2の下端面は潤滑油中に露出し
ていて、回転軸2の回転にともなって潤滑油を吸上げる
油ポンプ24が設けられる。回転軸2には、油ポンプ2
4が吸上げた潤滑油を各摺動部に案内する油孔からなる
図示しない給油通路が設けられる。
【0032】このようにして構成されるヘリカルブレー
ド式圧縮機であり、電動機部4に通電して回転軸2を回
転駆動する。回転軸2の回転力は、偏心クランク部2a
を介してローラ8に伝達される。
【0033】上記自転規制部材12はローラ8の自転を
規制するので、ローラ8は公転運動をなす。上記ローラ
8の公転運動にともなって、シリンダ5に対する転接位
置が周方向に漸次移動する。上記ブレード14は、螺旋
状溝13に対して出入りしながらローラ8の半径方向に
突没移動する。
【0034】これらの一連の作動により、蒸発器から低
圧の冷媒ガスが吸込み冷媒管Pbと吸込みポート16を
介して最下部の圧縮室15に吸込まれる。そして、ロー
ラ8の公転運動にともなって上部側の圧縮室15へ順次
移送される。
【0035】上記各圧縮室15の容積が下部側から上部
側に亘って順次縮小しているので、冷媒ガスは各圧縮室
15を順次移送される間に圧縮され、最上端の圧縮室1
5において所定圧まで高圧化する。
【0036】この圧縮室15内の高圧ガスは吐出ポート
17から吐出され、吐出案内部18から密閉容器1内へ
放出される。そして、密閉容器1内に充満し、さらに吐
出冷媒管を介して凝縮器へ導かれ、周知の冷凍サイクル
作用が行われる。
【0037】つぎに、上記ブレード14について詳述す
る。図2に示すように、螺旋状溝13の断面形状は、シ
リンダ5の軸方向とは直交する方向に向けた矩形状をな
し、ここに出入れ自在に嵌め込まれるブレード14も、
その断面形状がシリンダ5の軸方向とは直交する方向に
設けられる。
【0038】上記シリンダ5と対向し、かつ摺接状態と
なるブレード14の外周面Saは、下端部から上端部に
亘って漸次深くなる傾斜面に形成される。先に説明した
ように、最下部圧縮室15が吸込み側で、かつ最上部圧
縮室15が吐出側であるところから、同図のブレード1
4上部側の圧縮室15Aが高圧側となり、下部側の圧縮
室15Bがこれよりも低圧側となる。
【0039】したがって、上記ブレード14の断面形状
は螺旋状溝13の断面形状と比較して、高圧側圧縮室1
5Aに近い部位ほど大きく削成されている。そして、ブ
レード14の外周面Saの上端側が最も削成されてい
て、この最大削成寸法mは0.5mmに設定されている。
【0040】図3に、実際の圧縮運転中におけるブレー
ド14の状態を示す。上記ブレード14の上部側圧縮室
15Aが高圧側になり、下部側圧縮室15Bが低圧側に
なるところから、ブレード14自体は特に螺旋状溝13
から突出する部分が側圧を受けて低圧側圧縮室15Bに
向かって湾曲変形する。
【0041】あらかじめ、ブレード14はシリンダ5に
摺接する外周面Saが傾斜して形成され、かつこのブレ
ード14が低圧側圧縮室15Bに向かって湾曲形成され
るので、運転中においてはブレード14の外周面Saは
シリンダ5に対して片当たりすることなく、広い範囲で
摺接する。
【0042】その結果、ブレード14のシリンダ5に対
する接触面圧が、先に図13で説明した従来のものより
も低下し、よってブレード14とシリンダ5との間の摩
擦抵抗が小さくなる。
【0043】互いの摺動損失が低減し、圧縮性能の向上
を図れるとともに、面圧低下による摩耗の低減が得ら
れ、信頼性の向上に寄与する。そして、ブレード14の
シリンダ5に対する接触幅が従来のものよりも拡大する
ので、シール幅が拡大してリークの低減を図れ、性能向
上に繋がる。
【0044】図4に示すように、シリンダ5とローラ8
との転接部位で、ブレード14が螺旋状溝13内に最も
引っ込んだ状態のとき、ブレード14の外周面Saが傾
斜しているので、この長手方向に沿って漏れ通路20が
形成されてしまう。
【0045】上記漏れ通路20の幅寸法が0.5mm以下
であれば、ここに浸透してくる潤滑油の油膜でシールさ
れることが判明していて、上記油膜が長手方向の漏れを
規制する。
【0046】先に説明したように、上記ブレード14の
外周面Saにおける最大削成寸法mを0.5mmに設定し
たので、漏れ通路20は確実に潤滑油の油膜でシールさ
れ、長手方向の漏れを規制して性能向上に繋げられる。
【0047】図5に、第2の実施の形態のブレード14
Aを示す。上記ブレード14Aの外周面Saは、断面凸
状をなすよう湾曲形成され、かつ高圧側圧縮室15Aに
近い部位ほど大きく削成される。外周面Saにおける最
大削成寸法mは、0.5mmに設定してある。
【0048】図6(A)(B)(C)に、実際の圧縮運
転中におけるブレード14Aの変形過程を示す。
【0049】図6(A)は、ローラ8外径がシリンダ5
内径に転接する部位におけるブレード14Aが最も引っ
込んだ状態である。このときは、ブレード14の下部側
である内周面Sbがシリンダ5に接触している。
【0050】図6(B)は、ローラ8外径がシリンダ5
内径からある程度離間した部位におけるブレード14A
の形状を示す。このときは、ブレード14Aの螺旋状溝
13から突出する部分が側圧を受けて低圧側の圧縮室1
5B側へ、ある程度湾曲変形する。それとともに、ブレ
ード14Aの外周面Saにおけるシリンダ5との接触部
位が図の上下のほぼ中間部分に移行する。
【0051】図6(C)は、ローラ8外径がシリンダ5
内径から最も離間した部位におけるブレード14Aの形
状を示す。このときは、ブレード14Aの螺旋状溝13
から突出する部分が最大限長くなり、したがって最も大
きな側圧を受けて高圧側から湾曲変形する。それととも
に、ブレード14Aのシリンダ5に対する接触部位が図
の上部に移行する。
【0052】いずれの状態であっても、ブレード14A
のシリンダ5に対する接触面圧が先に図13で説明した
従来のものよりも低下し、よってブレード14Aとシリ
ンダ5との間の摩擦抵抗が小さくなる。
【0053】互いの摺動損失が低減して圧縮性能の向上
を図れるとともに、面圧低下による摩耗の低減が得られ
て信頼性の向上に寄与する。そして、ブレード14Aの
シリンダ5に対する接触幅が拡大するので、シール幅の
拡大につながりリークの低減化による性能向上を得る。
【0054】なお、ブレード14Aの外周面Saを凸状
面に削成することによって、特に図6(A)に示すよう
に、ブレード14Aが螺旋状溝13内に最も引っ込んだ
状態で、長手方向に沿って漏れ通路20aが形成されて
しまう。
【0055】ただし、ブレード外周面Saにおける最大
削成寸法mを0.5mmに設定してあるので、漏れ通路2
0aに浸透してくる潤滑油の油膜でシールされ、長手方
向の漏れを確実に規制する。
【0056】図7に、第3の実施の形態のブレード14
Bを示す。螺旋状溝13の断面形状は、上記シリンダ5
の軸方向とは直交する方向に向けた矩形状をなし、ここ
に出し入れ自在に嵌め込まれるブレード14Bも、その
断面形状がシリンダ5の軸方向とは直交する方向に設け
られる。
【0057】ただし、螺旋状溝底13aと対向するブレ
ード14Bの内周面Sbは、下端部から上端部に亘って
漸次深くなる傾斜面に形成される。すなわち、上記ブレ
ード14Bは、その断面形状が螺旋状溝13の断面形状
と比較して、低圧側の圧縮室15Bに近い部位ほど大き
く削成されている。ブレード内周面Sbの最大削成寸法
mは0.5mmに設定されている。
【0058】実際には、上記ブレード14Bは螺旋状溝
13に対して出入り自在に嵌め込まれるところから、そ
の幅寸法である図の上下方向寸法が螺旋状溝13の同方
向寸法と所定の寸法差を存している。
【0059】図8に示すように、圧縮運転中はブレード
14Bは高圧側から低圧側へ側圧を受けるので、ブレー
ド14Bの低圧側面が螺旋状溝13面に密接状態となる
一方で、ブレード14Bの高圧側面が螺旋状溝13面と
離間し、所定の隙間が形成される。
【0060】したがって、高圧ガスがブレード14Bと
螺旋状溝13との隙間を介してこれら底部に入り込む。
このブレード14Bは高圧側から低圧側へ側圧を受けな
がら螺旋状溝底13aに入り込んだ高圧ガスによって内
周面Sb側から外周面Sa側へ押圧される。
【0061】先に述べたように、ブレード14Bの螺旋
状溝底13aに接する内周面Sbが低圧側圧縮室15B
に近い部位ほど大きく削成された傾斜面となっているか
ら、ブレード内周面Sbはこの傾斜面と直交する方向に
高圧ガスを受ける。
【0062】結局、ブレード14Bが全体的に斜め上方
である高圧側に傾き、よってブレード外周面Saがシリ
ンダ5面とほとんど同一になり、ブレード14Bのシリ
ンダ5に対する接触面圧が低下して摩擦抵抗が小さくな
る。
【0063】互いの摺動損失が低減して圧縮性能の向上
を図れるとともに、面圧低下による摩耗の低減が得られ
信頼性の向上に寄与する。そして、シール幅が拡大する
ことになり、リークの低減化を得られて性能向上を図れ
る。
【0064】なお、再び図7に二点鎖線で示すように、
上記ブレード14Bが螺旋状溝13内に最も引っ込んだ
状態で、ブレード14Bの内周面Sbを傾斜して設けた
ので、この長手方向に沿って漏れ通路20bが形成され
てしまう。
【0065】しかるに、上記ブレード内周面Sbにおけ
る最大削成寸法mを0.5mmに設定してあるので、漏れ
通路20bに浸透してくる潤滑油の油膜でシールされ、
長手方向の漏れを確実に規制する。
【0066】図9に、第4の形態のブレード14Cおよ
び螺旋状溝13Aを示す。上記ローラ8に設けられる螺
旋状溝13Aの断面形状は、シリンダ5の軸方向とは直
交する方向に向けた矩形状をなし、ここに出し入れ自在
に嵌め込まれるブレード14Cも、その断面形状がシリ
ンダ5の軸方向とは直交する方向に設けられる。
【0067】上記螺旋状溝底13aと、この螺旋状溝底
13aと対向するブレード内周面Sbは、下端部から上
端部に亘って漸次深くなる傾斜面に形成される。すなわ
ち、螺旋状溝底13aおよびブレード内周面Sbは、そ
の断面形状が、低圧側の圧縮室15Bに近い部位ほどブ
レード14Cの外周面Saに近くなるよう傾いて形成さ
れている。
【0068】実際には、上記ブレード14Cは螺旋状溝
13Aに対して出入り自在に嵌め込まれるので、その幅
寸法である図の上下方向寸法が螺旋状溝13Aの同方向
寸法と所定の寸法差を存している。
【0069】圧縮運転中はブレード14Cは高圧側から
低圧側へ側圧を受け、ブレード14Cの低圧側の側面が
螺旋状溝13Aの側面に密接状態となる一方で、ブレー
ド14Cの高圧側の側面が螺旋状溝13Aの側面と離間
し、ここに所定の隙間が形成される。
【0070】したがって、高圧ガスがブレード14Cと
螺旋状溝13Aとの隙間を介してこれら底部間に入り込
む。このブレード14Cは高圧側から低圧側へ側圧を受
けながら、螺旋状溝底13aに入り込んだ高圧ガスによ
り内周面Sb側から外周面Sa側へ押圧される。
【0071】先に述べたように、ブレード14Cの螺旋
状溝底13aに接する内周面Sbが低圧側圧縮室15B
に近い部位ほど大きく削成された傾斜面となっているか
ら、ブレード内周面Sbはこの傾斜面と直交する方向に
高圧ガスを受ける。
【0072】その結果、ブレード14Cは高圧側に傾く
ことなくシリンダ5軸とは直交する方向に突出し、よっ
てブレード外周面Saはシリンダ5面と同一になり、ブ
レード14Cの接触面圧が低下して摩擦抵抗が小さくな
る。
【0073】互いの摺動損失が低減して圧縮性能の向上
を図れるとともに、面圧低下による摩耗の低減が得ら
れ、信頼性の向上に寄与する。シール幅が拡大してリー
クの低減を図かれ、性能向上に繋がる。
【0074】図9に二点鎖線で示すように、螺旋状溝底
13aとブレード内周面Sbを同一の傾斜面に形成した
ことによって、ブレード14Cが最も引っ込んだ状態で
ブレード内周面Sbが螺旋状溝底13aに密接するよう
になり、漏れ通路の発生がなく、したがってこれら部分
からの漏れの防止を図れる。
【0075】なお、このような形状構造のブレード14
〜14Cを製造するにあたって、同一断面形状の金型を
作成し、ここに樹脂を射出して成形することにより、1
工程での製造が可能である。
【0076】別の製造方法としては、従来と同様の断面
矩形状のブレードを一旦製造し、これをブレードの断面
形状に合致する孔部が設けられる加工用刃物に通して切
削することもできる。
【0077】さらに、上記ブレード14を製造する別の
方法として、図11(A)に示すように、軸芯に対して
傾いた断面矩形状のキャビティを有する治具G1,G2
を製作し、樹脂を射出充填する。
【0078】しかるのち、治具G2を取外すと、射出成
形されたブレード14の一部は治具G1表面から斜め状
態で突出するので、図11(B)に示すように、治具G
1を回転駆動しながら切削工具Kを治具G1表面に沿っ
て移動し、治具G1から突出するブレード部分を削り落
とす。結局、2工程でもって、先に説明したように外周
面Saが削成されたブレード14が得られる。
【0079】上記ブレード14B,14Cを製造する別
の方法として、図12(A)に示すように、軸芯に対し
て傾いた断面矩形状のキャビティを有する治具G3,G
4を製作し、樹脂を射出充填する。
【0080】しかるのち、治具G4を取外すと、射出成
形されたブレード14B,14Cの一部は治具G3表面
から斜め状態で突出するので、図12(B)に示すよう
に、治具G3を回転駆動しながら切削工具Kを治具G3
内周面に沿って移動し、治具G3から突出するブレード
部分を削り落とす。結局、2工程でもって、先に説明し
たように内周面Sbが削成されたブレード14B,14
Cが得られる。
【0081】また、第4の形態の螺旋状溝13Aを加工
するには、はじめエンドミルなどの加工工具で断面矩形
状の螺旋状溝を削成したあと、断面が斜め三角状に形成
されるスペーサを螺旋状溝底に嵌め込むことにより、比
較的容易に得られる。
【0082】なお、上述の実施の形態では流体機械とし
てヘリカルブレード式流体圧縮機を適用して説明した
が、これに限定されるものではなく、たとえば膨張機や
ポンプなどにも適用可能である。
【0083】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ブ
レードのシリンダ接触面における接触面圧が低下して摺
動損失および摩耗の低減を図れるとともに接触幅が広が
って漏れが低減化し、よって性能向上と信頼性の向上を
得るなどの効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係わる、流体機械である
ヘリカルブレード式圧縮機の断面図。
【図2】第1の実施の形態の、ブレードの断面図。
【図3】同実施の形態の、圧縮動作中のブレードの状態
を説明する図。
【図4】同実施の形態の、圧縮動作中におけるブレード
が最も挿入された状態の図。
【図5】第2の実施の形態の、ブレードの断面図。
【図6】同実施の形態の、圧縮動作中のブレードの状態
変化を順に説明する図。
【図7】第3の実施の形態の、ブレードの断面図。
【図8】同実施の形態の、圧縮動作中のブレードの状態
を説明する図。
【図9】第4の実施の形態の、ブレードの断面図。
【図10】同実施の形態の、圧縮動作中のブレードの状
態を説明する図。
【図11】第1の実施の形態のブレードを製造する説明
図。
【図12】第3および第4の実施の形態のブレードを製
造する説明図。
【図13】従来の、ブレードの断面図と、圧縮動作中の
ブレードの状態を説明する図。
【図14】さらに異なる従来の、ブレードの断面図。
【符号の説明】
5…シリンダ、 8…ローラ、 13…螺旋状溝、 15…作動室(圧縮室)、 14,14A,14B,14C…ブレード。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 早野 誠 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝住空間システム技術研究所内 (72)発明者 坂田 寛二 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝住空間システム技術研究所内 Fターム(参考) 3H040 AA09 BB00 BB05 BB11 CC05 DD08 DD11

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリンダと、このシリンダ内に偏心して配
    置され偏心運動をなすローラと、このローラ外周面に形
    成された螺旋状の溝と、この螺旋状溝に出入り自在に嵌
    め込まれ上記シリンダと上記ローラとの間に複数の作動
    室を形成するブレードとを具備し、一端側の作動室に吸
    込んだ作動流体を他端側の作動室に移送する流体機械に
    おいて、 上記ブレードの断面形状は、上記螺旋状溝の断面形状と
    比較して、高圧側作動室に近い部位ほど大きく削成され
    ることを特徴とする流体機械。
  2. 【請求項2】上記ブレード断面の削成部位は、最大限
    0.5mmに設定されることを特徴とする請求項1記載の
    流体機械。
  3. 【請求項3】上記ブレード断面形状は、凸状面をなすこ
    とを特徴とする請求項1記載の流体機械。
  4. 【請求項4】シリンダと、このシリンダ内に偏心して配
    置され偏心運動をなすローラと、このローラ外周面に形
    成された螺旋状の溝と、この螺旋状溝に出入り自在に嵌
    め込まれ上記シリンダと上記ローラとの間に複数の作動
    室を形成するブレードとを具備し、一端側の作動室に吸
    込んだ作動流体を他端側の作動室に移送する流体機械に
    おいて、 上記ブレードの断面形状は、上記螺旋状溝の断面形状と
    比較して、螺旋状溝底に接する内周面が低圧側作動室に
    近い部位ほど大きく削成されることを特徴とする流体機
    械。
  5. 【請求項5】上記ブレード削成部位は、最大限0.5mm
    に設定されることを特徴とする請求項4記載の流体機
    械。
  6. 【請求項6】シリンダと、このシリンダ内に偏心して配
    置され偏心運動をなすローラと、このローラ外周面に形
    成された螺旋状の溝と、この螺旋状溝に出入り自在に嵌
    め込まれ上記シリンダと上記ローラとの間に複数の作動
    室を形成するブレードとを具備し、一端側の作動室に吸
    込んだ作動流体を他端側の作動室に移送する流体機械に
    おいて、 上記ブレードの内周面および上記螺旋状溝底の断面形状
    は、低圧側作動室に近い部位ほどブレードの外周面に近
    くなるよう傾いて形成されることを特徴とする流体機
    械。
  7. 【請求項7】断面形状が螺旋状溝の断面形状と比較して
    高圧側作動室に近い部位ほど大きく削成されるブレード
    を、射出成形により製造することを特徴とするブレード
    の製造方法。
  8. 【請求項8】断面形状が螺旋状溝の断面形状と比較して
    螺旋状溝底に接する内周面が低圧側作動室に近い部位ほ
    ど大きく削成されるブレードを、射出成形により製造す
    ることを特徴とするブレードの製造方法。
  9. 【請求項9】内周面の断面形状が螺旋状溝底とともに低
    圧側作動室に近い部位ほど外周面に近くなるよう傾いて
    形成されるブレードを、射出成形により製造することを
    特徴とするブレードの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014055573A (ja) * 2012-09-13 2014-03-27 Denso Corp 圧縮機

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