JP2000143616A - 芳香族硫黄化合物の製造方法 - Google Patents

芳香族硫黄化合物の製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な操作で、置換基を有する芳香族チオー
ル類および芳香族ジスルフィド類を、収率よく、かつ純
度よく製造する方法を提供する。 【解決手段】 (A)複数の置換基を有する芳香族ハロ
ゲン化合物に、(B)特定範囲の炭化水素基を有する
(1)ヒドロカルビルメルカプチドアルカリ金属塩;お
よび/または(2)ヒドロカルビルメルカプタンとアル
カリ金属化合物を、(C)非プロトン極性溶媒の存在下
に反応させて、芳香族チオエーテル類とし、(D)プロ
トン酸の存在下に炭化水素基を脱離させて芳香族チオー
ル類を製造する。また、そのようにして得られた芳香族
チオール類を酸化して、芳香族ジスルフィド類を製造す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、芳香族ハロゲン化
合物から芳香族チオール類を製造する方法に関し、また
該芳香族チオール類を経て芳香族ジスルフィド類を製造
する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般式(Va):
【化7】 (式中、Yは、たがいに同一でも異なっていてもよい、
塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、ニトロ基、ニトリル
基およびスルホン基を表し;mは、1〜6の整数であ
り、nは、0または1〜5の整数であり、ただし、m+
nは6以下である)で示される芳香族チオール類、およ
び一般式(VIa):
【化8】 (式中、Yおよびnは、上記のとおりである)で示され
る芳香族ジスルフィド類は、医薬、農薬などの中間体と
して広く用いられる。また、芳香族ジチオール類は、電
子材料などの中間体として用いられている。
【0003】このような置換基を有する芳香族モノチオ
ール類、芳香族ジチオール類または芳香族ジスルフィド
類の製造方法として、いくつかの方法が提案されてい
る。
【0004】たとえば、工業化学雑誌70巻8号114
〜118頁(1967)には、多塩化ベンゼンを、液体
アンモニアに溶解した硫化水素ナトリウムと、オートク
レーブ中で反応させて、その1個の塩素原子をメルカプ
ト化するハロゲン化芳香族チオール類の製造方法が記載
されている。この方法によると、4〜6個の塩素原子を
有する多塩化ベンゼンからは高収率でハロゲン化芳香族
チオール類が得られるが、トリクロロベンゼンからジク
ロロチオフェノールを得る収率はわずか17〜20%し
かなく、かつ液体アンモニアを取扱う繁雑さや、オート
クレーブ中の高圧反応であるための工業的な制約があ
る。
【0005】特公昭44−26100号公報には、アミ
ノ基を有するハロゲン化芳香族化合物を亜硝酸ナトリウ
ムと濃塩酸でジアゾニウム化し、ついでO−エチルジチ
オ炭酸カリウムと反応させた後、水酸化ナトリウムを加
えて還流させる方法により、ハロゲン化芳香族チオール
類を得る方法が開示されている。この方法は繁雑である
ばかりか、ジアゾニウム塩を扱うので危険を伴い、好ま
しくない。
【0006】特開昭56−156257号公報には、
1,3,5−トリクロロベンゼンまたは1−ブロモ−
3,5−ジクロロベンゼンとアルカリ金属硫化物を、ジ
エチレングリコールのような溶媒の存在下に反応させ
る、3,5−ジクロロチオフェノールの製造方法が開示
されている。この方法は、比較的簡単な操作で目的物が
得られるが、収率が低く、副生成物が多いので、精製が
困難である。
【0007】Zhur. Org. Khim. 11巻1132頁(1
975)には、酸化トリウムの存在下に、ハロゲン化ア
リールに硫化水素を反応させて芳香族チオール類を得て
いるが、550℃以上の高温を必要とし、収率もよくな
い。
【0008】特開平2−48564号公報には、一方の
ベンゼン環にニトロ基を有するジアリールスルフィド
に、求電子置換反応によって他方のベンゼン環にハロゲ
ン原子、ニトロ基のような置換基を導入し、ついで水酸
化ナトリウムのような塩基性物質の存在下に、チオフェ
ノールとの間で交換反応を行うことにより、該置換基で
核置換されたチオフェノール類を得る方法を開示してい
る。しかしながら、この方法は繁雑であり、またチオフ
ェノール類のベンゼン環に多数の置換基を導入するには
適さない。
【0009】特開昭61−72749号公報には、o−
ハロフェノールにN,N−ジアルキルカルバモイルハラ
イドを反応させて、O−o−ハロフェニル−N,N−ジ
アルキルカルバメートを合成し、これを加熱により転位
反応させてS−o−ハロフェニル−N,N−ジアルキル
カルバメートとした後、加水分解してo−ハロチオフェ
ノールを製造する方法を開示している。しかしながら、
この方法は煩雑な多段反応であるうえ、不安定で取り扱
いにくいカルバモイルハライドを用いる必要がある。ま
た、転位反応を高温で行うために副反応を生じるので不
利であり、特にハロゲン以外の置換基を導入する場合に
著しく不利である。
【0010】特開平2−295968号公報には4−ハ
ロベンゼンスルフィン酸、特開平3−181455号公
報には4−ハロベンゼンスルホニルクロリド、特開平5
−186418号公報にはハロベンゼンスルフェニルハ
ライドを、それぞれ鉱酸の存在下に亜鉛末のような金属
粉末を用いて還元して、対応するハロゲン化チオフェノ
ールを製造する方法が開示されている。しかしながら、
これらの反応は、いずれも鉱酸の存在下に還元を行うた
めに、特殊な装置が必要である。特開平5−14008
6号公報には、モノハロベンゼンを塩化亜鉛のような触
媒の存在下に一塩化硫黄と反応させ、その反応生成物
を、亜鉛などの還元剤によって還元して、ハロチオフェ
ノール類を得る方法が開示されている。この方法も、上
記と同様に還元反応であるため、同様の問題がある。
【0011】特開平4−182463号公報には、多ハ
ロゲン化ベンゼンに、硫化水素ナトリウム、硫化ナトリ
ウム、硫化カリウムのような硫化物を反応させて、ハロ
ゲン化チオフェノール類を得る方法が開示されている。
【0012】これらの方法においては、反応が遅いため
に、ハロゲン化芳香族チオール類が、原料のハロゲン化
ベンゼンと反応して芳香族スルフィド類になりやすく、
ハロゲン化芳香族チオール類の収率を低下させている。
【0013】特開平4−198162号公報には、多ハ
ロゲン化ベンゼンにチオグリコール酸塩を反応させて、
ハロゲン化芳香族チオール類を得る方法が開示されてい
る。また、特開平5−178816号公報には、ハロゲ
ン化フェニルチオグリコール酸を、塩基の存在下に、硫
化水素ナトリウムや芳香族チオールのような硫化物と反
応させて、ハロゲン化芳香族チオール類を得る方法が開
示されている。しかしながら、これらの方法では、高純
度の芳香族チオール類を収率よく得ることはできない。
【0014】特開平8−143533号公報には、チオ
アニソール類の硫黄原子に結合したメチル基を、塩素ガ
スにより塩素化してハロゲン化チオアニソール類とし、
これを加水分解してハロゲン化芳香族チオール類を得る
方法が開示されている。さらに、上記の特開平8−14
3532号公報には、上記のハロゲン化チオアニソール
類の加水分解を鉱酸の存在下に行うこと、および該加水
分解反応によって得られたハロゲン化芳香族チオール類
を、過酸化水素のような酸化剤によって酸化二量化し
て、ハロゲン化芳香族ジスルフィド類が得られることが
開示されている。しかしながら、この方法では、チオア
ニソール類を得るために揮発性で臭気のあるメチルメル
カプタンを用いるうえに、メチル基を塩素化するために
塩素ガスを導入するという煩雑な工程が必要である。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、芳香
族ハロゲン化合物より、置換基を有する芳香族チオール
類および芳香族ジスルフィド類を、簡単な操作により、
優れた収率と純度で製造する方法を提供することであ
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために研究を重ねた結果、芳香族ハロゲン
化合物を、特定構造のヒドロカルビルメルカプチドアル
カリ金属塩と反応させ、得られた芳香族チオエーテル類
をプロトン酸によって分解することにより、その目的を
達成しうることを見出して、本発明を完成させるに至っ
た。
【0017】すなわち、本発明は、(A)一般式
(I): Yn−Ar−Xm (I) (式中、Arは、芳香族炭化水素残基を表し;Xは、A
r中の芳香環の炭素原子に結合しているハロゲン原子を
表し;Yは、Ar中の芳香環の炭素原子に結合している
ハロゲン原子、ニトロ基、ニトリル基、スルホン基、ス
ルファモイル基およびヒドロカルビルスルホニル基から
なる群より選ばれる1種または2種以上の置換基を表
し;mは、1以上の整数であり;nは、0または1以上
の整数である)で示される芳香族ハロゲン化合物に、
(B)(1)一般式(II):
【化9】 (式中、R1、R2およびR3は、それぞれアルキル基ま
たはアリール基を表し、ただし、R1、R2およびR3
いずれか2個がアリール基の場合、残余は水素原子でも
よく;Mは、アルカリ金属原子を表す)で示されるヒド
ロカルビルメルカプチドアルカリ金属塩;および/また
は(2)(a)一般式(III):
【化10】 (式中、R1、R2およびR3は、前述のとおりである)
で示されるヒドロカルビルメルカプタン、および(b)
アルカリ金属、その水酸化物、炭酸塩、水素化物もしく
はアルコキシドを、(C)非プロトン極性溶媒の存在下
に反応させて、一般式(IV):
【化11】 (式中、Y、Ar、R1、R2、R3、mおよびnは、前
述のとおりである)で示される芳香族チオエーテル類を
製造し;得られた該チオエーテル類を(D)プロトン酸
と反応させることを特徴とする、一般式(V): Yn−Ar−(SH)m (V) (式中、Y、Ar、mおよびnは、前述のとおりであ
る)で示される芳香族チオール類を製造する方法に関す
る。また、このような方法によって、一般式(V)で示
され、mが1である芳香族チオール類を製造し、ついで
これを酸化して、一般式(VI): Yn−Ar−S−S−Ar−Yn (VI) (式中、ArおよびYは、前述のとおりであり;nは、
0または1以上の整数である)で示される芳香族ジスル
フィド類を製造する方法に関する。
【0018】なお、本明細書において、「芳香族チオー
ル類」は、特に限定されない限り、芳香族モノチオール
類のほか、芳香族ジチオール類、芳香族トリチオール類
など、複数のメルカプト基を有する芳香族化合物を包含
する概念として用いる。
【0019】本発明の製造方法は、代表的には、上記の
反応により、(A)の芳香族ハロゲン化合物が、一般式
(Ia):
【化12】 (式中、XおよびYは、前述のとおりであり;mは、1
〜6の整数であり、nは、0または1〜5の整数であ
り、ただし、m+nは6以下である)で示され、一般式
(Va):
【化13】 (式中、Yは、前述のとおりであり;mおよびnは、上
記のとおりである)で示される芳香族チオール類を製造
する方法に関する。また、このような方法によって、一
般式(Va)で示され、mが1である芳香族チオール類
を製造し、ついでこれを酸化して、一般式(VIa):
【化14】 (式中、Yは、前述のとおりであり;nは、0または1
〜5の整数である)で示される芳香族ジスルフィド類を
製造する方法に関する。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の芳香族チオール類の製造
方法の第1工程は、(A)芳香族ハロゲン化合物を
(B)有機硫黄化合物と反応させて、芳香族チオエーテ
ル類を製造する工程である。
【0021】本発明に用いられる(A)芳香族ハロゲン
化合物は、芳香環の炭素原子に結合している少なくとも
1個のXを有する、炭素系芳香環化合物の誘導体であ
る。
【0022】Arは、芳香族炭化水素残基であり、Ar
としては、ベンゼン環、ビフェニル環、テルフェニル
環、ナフタレン環、アントラセン環、ピレン環などの芳
香環の残基;およびそれらにメチル、エチル、プロピ
ル、ブチルのような炭化水素基が置換しているものを包
含する。(B)との反応性から、上記の炭化水素基で置
換されていない芳香環残基が好ましく、ベンゼン環残基
が特に好ましい。
【0023】Xは、Ar中の芳香環の炭素原子に結合
し、(B)との反応に寄与するハロゲン原子であり、フ
ッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子が例示
される。(A)が容易に入手でき、かつ副生物の処理が
容易なことから、塩素原子または臭素原子が好ましい。
【0024】mは、1以上の整数であり、Arがベンゼ
ン環の場合は1〜6の整数である。反応生成物が比較的
単純であり、特に得られる芳香族チオール類を酸化し
て、ジスルフィド結合を有する生成物を得ようとすると
きは、mが1であることが好ましい。
【0025】Yは、Ar中の芳香環の炭素原子に結合
し、目的物である芳香族チオール類または芳香族ジスル
フィド類に置換基として導入され、またYの存在によっ
て、(A)と(B)との反応が促進される。Yは、ハロ
ゲン原子、ニトロ基、ニトリル基、スルホン基、スルフ
ァモイル基またはヒドロカルビルスルホニル基を表す。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原
子およびヨウ素原子が挙げられ、ヒドロカルビルスルホ
ニル基としては、メチルスルホニル、フェニルスルホニ
ル、p−トルイルスルホニルなどが例示される。Yが複
数個存在するとき、それらはたがいに同一であっても異
なっていてもよい。またYがハロゲン原子のとき、Xと
同一であっても異なっていてもよい。
【0026】nは、0または1以上の整数であり、Ar
がベンゼン環残基の場合、0または1〜5の整数であ
る。nが大きいほど(A)と(B)との反応が容易に進
行し、続いて行われる脱離反応により置換芳香族チオー
ル類の収率が高いが、他の芳香族チオール類の合成法と
比較して、相対的に高い収率および純度で置換芳香族チ
オール類が得られることとから、nが2または3である
ことが好ましい。
【0027】(B)は、(A)との反応によって芳香環
にメルカプト基を導入するものである。(B)として
は、下記の(1)および/または(2)が用いられる。
すなわち、(1)は、分子中に特定構造の1価の炭化水
素基を有するヒドロカルビルメルカプチドアルカリ金属
塩であり;(2)は、(a)同様の1価の炭化水素基を
有するヒドロカルビルメルカプタンと、(b)アルカリ
金属、その水酸化物、炭酸塩、水素化物もしくはアルコ
キシドの組合せである。(2)の組合せは、系中で
(1)を形成する前駆物質であり、生成した(1)が
(A)と反応して、芳香族チオエーテル類を得ることが
できる。容易に入手できることから、(B)として
(2)の組合せを用いることが好ましい。
【0028】(1)および(2)に含有される1価の炭
化水素基は、一般式(VII):
【化15】 (式中、R1、R2およびR3は、前述のとおりである)
で示される、脂肪族または芳香族の1価の第三級炭化水
素基、または1価のジアリール第二級炭化水素基であ
り、t−ブチル、t−ペンチル、t−ヘキシル、t−オ
クチル、t−デシル、t−ドデシル、1−メチル−1−
エチルプロピル、1,1−ジエチルプロピル、1,1,
4−トリメチルペンチルのような第三級アルキル基;1
−メチル−1−フェニルエチル、1,1−ジフェニルエ
チル、トリチルのような第三級芳香族炭化水素基;およ
びベンズヒドリルのような、硫黄原子に結合する炭素原
子に2個のアリール基が結合した第二級芳香族炭化水素
基が例示され、合成が容易で、反応および酸による脱離
が容易なことから、t−ブチルおよびベンズヒドリルが
好ましい。Mは、アルカリ金属原子であって、リチウ
ム、ナトリウム、カリウム、セシウムなどが挙げられ、
ナトリウムおよびカリウムが好ましい。
【0029】このような(1)としては、ナトリウムt
−ブチルメルカプチド、ナトリウムt−ペンチルメルカ
プチド、ナトリウムt−ヘキシルメルカプチド、ナトリ
ウムt−ドデシルメルカプチド、ナトリウム−1,1−
ジフェニルエチルメルカプチド、ナトリウムトリチルメ
ルカプチドのような第三級ヒドロカルビルメルカプチド
ナトリウム塩;ナトリウムベンズヒドリルメルカプチド
のような第二級ヒドロカルビルメルカプチドナトリウム
塩;ならびに対応するヒドロカルビルメルカプチドリチ
ウム塩およびカリウム塩が例示される。
【0030】(2)は、(a)上記のような1価の炭化
水素基を有するヒドロカルビルメルカプタンと、(b)
アルカリ金属、その水酸化物、炭酸塩、水素化物または
アルコキシドとの組合せである。(a)としては、前述
の(1)で例示された1価の炭化水素基を有するヒドロ
カルビルメルカプタンが例示され、t−ブチルメルカプ
タンおよびベンズヒドリルメルカプタンが好ましい。
【0031】(b)としては、上記のアルカリ金属のほ
か;水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ムのようなアルカリ金属水酸化物;炭酸リチウム、炭酸
ナトリウム、炭酸カリウムのようなアルカリ金属炭酸
塩;水素化ナトリウム、水素化リチウムのようなアルカ
リ金属水素化物;ならびにナトリウムメトキシド、ナト
リウムエトキシド、ナトリウムプロポキシド、ナトリウ
ムイソプロポキシド、ナトリウムブトキシドのようなナ
トリウムアルコキシド、および対応するリチウムアルコ
キシドおよびカリウムアルコキシドが挙げられる。
【0032】用いる(a)と(b)の量は、一方が過剰
でも反応は進行するが、(a)に対する(b)のモル比
として1.0〜1.5が好ましく、1.0〜1.1がよ
り好ましく、1.0が最も好ましいが、(a)の残存が
好ましくない場合は、(b)を若干過剰に用いてもよ
い。
【0033】(A)との反応に供する(B)の量は、
(B)を(2)の組合せで用いる場合は系中で生成する
(1)の理論量に換算して、(A)中のX1モルに対し
て通常1〜3モルの範囲であり、1.0〜1.1モルが
好ましく、反応後に(A)を除去する煩雑さを避けるこ
とから、1.0モルが最も好ましい。
【0034】本発明に用いられる(C)非プロトン極性
溶媒は、(A)と(B)との反応による芳香族チオール
類の反応を著しく促進する反応溶媒である。(C)とし
ては、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチル
ホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、スルホ
ラン、ジメチルスルホキシドなどが例示され、反応促進
効果が優れていることから、ジメチルスルホキシドが好
ましい。
【0035】(C)の量は、反応にあずかる化合物を溶
解ないし分散させ、系を撹拌するのに必要な量であり、
具体的には、(A)と(B)の合計量1モルに対して通
常200g以上であり、400〜1,200gの範囲が
好ましい。
【0036】(A)芳香族ハロゲン化物と(B)硫黄化
合物から芳香族チオエーテル類を合成する工程は、上記
の(C)非プロトン極性溶媒の存在下に行う。たとえ
ば、(B)として(1)ヒドロカルビルメルカプチドア
ルカリ金属塩を用いる場合、該(1)および(A)を上
記(C)に溶解させる。(B)として(2)、すなわち
(a)と(b)を用いる場合は、(a)および(b)を
(C)に溶解させておき、35〜60℃に加熱すると、
反応が速やかに進行して(1)が形成されるので、つい
でこれを上記と同様に(A)と反応させる。
【0037】(A)と(B)の反応は、室温〜200℃
で進行させることができる。(A)のnとmの合計が2
〜4のように比較的小さい場合は、好ましくは50〜1
20℃に昇温して、反応を促進することが効果的であ
る。mが2以上のときは、100〜200℃で反応させ
ることが好ましい。なお、Yがニトロ基の場合、および
Arがベンゼン環でnとmの合計が5または6のとき
は、室温でも反応が充分に進行するので、室温が好まし
い。
【0038】芳香族チオール類の製造方法の第2工程
は、第1工程で得られた、前述のような特定範囲の構造
の1価の炭化水素基が硫黄原子に結合した芳香族チオエ
ーテル類をプロトン酸と反応させることにより、該芳香
族化合物より炭化水素基を脱離させて、芳香族チオール
類を得る工程である。
【0039】プロトン酸としては、フッ化水素酸、塩化
水素酸、臭化水素酸のようなハロゲン化水素酸;硫酸;
酢酸、トリフルオロ酢酸のようなカルボン酸;ベンゼン
スルホン酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン
酸のようなスルホン酸類などが例示され、触媒能が高
く、不揮発性で加熱反応に適し、効果的に炭化水素基の
脱離を行いうることから、p−トルエンスルホン酸およ
びメタンスルホン酸が好ましい。これらのプロトン酸
は、水和物の形で反応に供してもよいが、この場合、反
応が極端に遅いので、脱水して用いることが好ましい。
【0040】(D)プロトン酸の使用量は、各種の炭化
水素基に対して適度の脱離反応速度が得られ、かつ好ま
しくない副反応を生じないことから、反応に供される芳
香族チオエーテル類1モルに対して通常0.1〜5モル
の範囲であり、0.2〜3モルが好ましく、1.0モル
が特に好ましい。
【0041】反応を促進し、かつ副反応を抑制するため
に、反応は通常100〜200℃で行われ、100〜1
50℃が好ましい。反応温度の制御を容易にし、かつ脱
離反応によって生じたイソブチレンのような炭化水素を
吸収するために、トルエン、キシレン、メシチレンのよ
うな炭化水素類;アニソールのようなエーテル類など、
反応温度領域に沸点を有する溶媒類の還流下に反応を行
うことが好ましい。また、特にトルエン、アニソールの
ように水と共沸しうる溶媒を用い、プロトン酸を水和物
または水が存在する状態で反応系に加えて、脱水しなが
ら反応を進めることもできる。
【0042】このようにして、芳香族チオエーテル類の
合成と、該チオエーテル類の炭化水素基の脱離反応とを
組み合わせることにより、収率よく、また純度よく、芳
香族チオール類を合成できる。
【0043】このようにして得られた芳香族チオール類
は、各種化合物の合成のための中間体として用いてもよ
く、またm=1である芳香族チオール類を酸化により二
量体化して、芳香族ジスルフィド類を製造してもよい。
【0044】該酸化反応は、酸化剤を加えて撹拌するこ
とによって行うことができる。酸化剤としては、塩素、
臭素、ヨウ素、過酸化水素、硫酸、過酢酸、塩化第二
鉄、次亜塩素酸ナトリウムなどを用いることができる。
簡便に実施できて良好な収率が得られることから、ヨウ
素が好ましい。また、空気または酸素を導入して酸化反
応を行ってもよい。反応は常温でも進行するが、必要に
応じて加熱または冷却して行ってもよい。さらに、反応
を円滑に進行させるために、芳香族チオール類をトルエ
ン、キシレンのような有機溶媒に溶解させた後に、上記
の反応を行ってもよい。
【0045】硫酸のようなプロトン酸は、芳香族チオエ
ーテル類から芳香族チオール類を合成する際の反応剤と
しても用いられる。したがって、硫酸のような、酸化剤
としても機能するプロトン酸を用い、適切な反応条件を
選ぶことにより、芳香族チオエーテル類から、mが1で
ある芳香族チオール類の合成と、芳香族ジスルフィド類
の合成を、1段階で行うことができる。たとえば、95
%濃硫酸を用いて、芳香族チオエーテル類から炭化水素
基の脱離反応を行うとき、単にトルエンの還流下に反応
を行わせると、芳香族チオール類と、それが酸化して二
量化した芳香族ジスルフィド類の両方が得られる。それ
に対して、トルエンとの共沸によって脱水しながら反応
を進めると、芳香族チオエーテル類から芳香族チオール
類を単離することなく、理論量に対して70%以上の高
収率で、芳香族ジスルフィド類を製造できる。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、芳香族ハロゲン化合物
から、置換基を有する芳香族チオール類および芳香族ジ
スルフィド類を、収率よく、かつ純度よく製造できる。
本発明の方法は、特に他の方法では収率よく得られない
二置換芳香族チオール類および二置換ジスルフィド類の
製造に、特に有用性が高い。
【0047】本発明によって得られる芳香族チオール類
および芳香族ジスルフィド類は、医薬、農薬、電子材料
などの中間体として有用である。
【0048】
【実施例】以下、実施例によって、本発明をさらに詳細
に説明する。実施例中、部は重量部を表し、組成の%は
重量%を表す。以下の反応式および表において、t−B
uはt−ブチル基を、Phはフェニル基を、またDMS
Oはジメチルスルホキシドを表す。本発明は、これらの
実施例によって限定されるものではない。
【0049】実施例1
【0050】
【化16】
【0051】第1工程 撹拌機、ジムロート冷却器、温度計および滴下ロートを
備えた反応器に、窒素雰囲気下で、t−ブチルメルカプ
タン18.0部、ジメチルスルホキシド200部および
85%水酸化カリウム15.4部を仕込み、50℃で3
0分間撹拌することにより、系中でカリウムt−ブチル
メルカプチドを合成した。続いて、1,3−ジクロロベ
ンゼン29.4部を加えて撹拌しつつゆっくり昇温し、
120℃で7時間加熱した。ついで室温まで冷却し、水
200部およびトルエン200部を加えて撹拌した後、
静置して分液した。有機相を飽和食塩水で洗浄した後、
無水硫酸ナトリウムで脱水し、ついでトルエンを減圧で
留去した。液状の残留物の減圧蒸留により、沸点140
℃/32Torrの留分として、無色透明の液体33.0部
を得た。1 H-NMR(CDCl3): δ 7.54 (dd, J=1.7, 2.0Hz, 1H), 7.4
1 (ddd, J=1.3, 2.0, 7.6Hz, 1H), 7.34 (ddd, J=1.3,
1.7, 7.6Hz, 1H), 7.25 (t, J=7.6Hz, 1H), 1.29(s, 9
H).
【0052】この結果、得られた生成物は、3−クロロ
フェニルt−ブチルスルフィドであることを確認した。
収率は、理論量に対して82%であった。
【0053】
【化17】
【0054】第2工程 撹拌機、ジムロート冷却器、温度計、ディーンスタルク
捕集器を備えた反応器に、窒素雰囲気下で、3−クロロ
フェニルt−ブチルスルフィド20.1部、p−トルエ
ンスルホン酸一水和物19.0部およびトルエン100
部を仕込み、水を除去しながら、5時間加熱還流した。
室温まで冷却し、水150部を加えて撹拌した後、静置
して分液した。有機相に10%水酸化ナトリウム水溶液
200部を加え、撹拌した後、静置して分液した。水相
に12N塩酸水溶液を加えて、pHを2に調整したとこ
ろ、底部に油状物が析出した。トルエン100部を加え
て、析出した油状物を抽出した。得られた有機相を飽和
食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。つい
でトルエンを減圧で留去し、減圧蒸留により、沸点11
0℃/30Torrの留分として、無色透明の液体9.5部
を得た。1 H-NMR(CDCl3): δ 7.25 (m, 1H), 7.12 (m, 3H), 3.48
(s, 1H).
【0055】この結果、得られた生成物は、3−クロロ
チオフェノールであることを確認した。収率は、理論量
に対して65%であった。
【0056】実施例2
【0057】
【化18】
【0058】第1工程 1,3−ジクロロベンゼンの代わりに、1,3,5−ト
リクロロベンゼン36.3部を加え、その後の加熱条件
を80℃、5時間とした以外は、実施例1の第1工程と
同様にして、沸点75℃/0.4Torrの無色液体37.
8部を得た。1 H-NMR(CDCl3): δ 7.42 (d, J=2.0Hz, 2H), 7.36 (t,
J=2.0Hz, 1H), 1.31 (s,9H).
【0059】この結果、得られた生成物は、3,5−ジ
クロロフェニルt−ブチルスルフィドであることを確認
した。収率は、理論量に対して80%であった。
【0060】
【化19】
【0061】第2工程 3−クロロフェニルt−ブチルスルフィドの代わりに、
第1工程で得られた3,5−ジクロロフェニルt−ブチ
ルスルフィド23.5部を加え、還流時間を3時間とし
た以外は、実施例1の第2工程と同様にして、pHを2に
調整したところ、結晶が析出した。これをろ別して、無
色針状結晶13.3部を得た。 融点:62℃;1 H-NMR(CDCl3): δ7.15 (s, 3H), 3.55 (s, 1H).
【0062】この結果、得られた生成物は、3,5−ジ
クロロチオフェノールであることを確認した。収率は、
理論量に対して74%であった。
【0063】実施例3
【0064】
【化20】
【0065】実施例2の第1工程と同様の方法によっ
て、3,5−ジクロロフェニルt−ブチルスルフィドを
得た。実施例1の第2工程で用いた反応器に、窒素ガス
雰囲気下で、該3,5−ジクロロフェニルt−ブチルス
ルフィド23.5部、キシレン100部およびメタンス
ルホン酸1.9部を加え、窒素ガスを流して、生成する
イソブチレンを除去しながら、加熱還流を10時間行っ
た。以下、実施例2の第2工程と同様にして生成物の精
製を行い、pHを2に調整したところ、結晶が析出した。
これをろ別し、無色針状結晶12.4部を得た。 融点:62℃;1 H-NMR(CDCl3): δ7.15 (s, 3H), 3.55 (s, 1H).
【0066】この結果、得られた生成物は、3,5−ジ
クロロチオフェノールであることを確認した。収率は、
理論量に対して69%であった。
【0067】実施例4
【0068】
【化21】
【0069】第1工程 t−ブチルメルカプタンの添加量を36.1部、85%
水酸化カリウムの添加量を29部とし、1,3−ジクロ
ロベンゼンの代わりに、ヘキサクロロベンゼン57.0
部を加え、加熱せずに室温で一夜撹拌した以外は、実施
例1の第1工程と同様にしてトルエンの留去まで行った
ところ、淡黄色結晶状の残留物を得た。これをイソプロ
パノールから再結晶して、無色針状結晶64.5部を得
た。 融点:142℃; 元素分析値 C1 41 8Cl42として、計算値 C:4
2.87%,H:4.63%、実測値 C:42.64
%,H:4.27%;1 H-NMR(CDCl3): δ 1.42 (s, 9H).
【0070】この結果、得られた生成物は、ビス(t−
ブチルチオ)テトラクロロベンゼンであることを確認し
た。収率は、理論量に対して83%であった。
【0071】
【化22】
【0072】第2工程3−クロロフェニルt−ブチルス
ルフィドの代わりに、第1工程で得られたビス(t−ブ
チルチオ)テトラクロロベンゼン39.2部を加え、還
流時間を1時間とし、また分液後に加える10%水酸化
ナトリウム水溶液の量を400部とした以外は、実施例
1の第2工程と同様にして、pHを2に調整したところ、
結晶が析出した。これをろ別して、白色結晶26.0部
を得た。 融点:260℃;1 H-NMR(CDCl3); δ 4.86 (s, 1H).
【0073】この結果、得られた生成物は、テトラクロ
ロベンゼンジチオールであることを確認した。収率は、
理論量に対して93%であった。
【0074】実施例5
【0075】
【化23】
【0076】第1工程 1,3−ジクロロベンゼンの代わりに、氷冷下でp−ニ
トロクロロベンゼン31.6部を加え、室温で30分撹
拌した以外は、実施例1の第1工程と同様にして、沸点
99℃/0.5Torrの無色液体36.8部を得た。1 H-NMR(CDCl3): δ 8.17 (d, J=8.9Hz, 2H), 7.68 (d,
J=8.9Hz, 2H), 1.35 (s,9H).
【0077】この結果、得られた生成物は、4−ニトロ
フェニルt−ブチルスルフィドであることを確認した。
収率は、理論量に対して87%であった。
【0078】
【化24】
【0079】第2工程 3−クロロフェニルt−ブチルスルフィドの代わりに、
第1工程で得られた4−ニトロフェニルt−ブチルスル
フィド21.1部を加え、還流時間を4時間とした以外
は、実施例1の第2工程と同様にして、pHを2に調整し
たところ、結晶が析出した。これをろ別して、淡黄色結
晶11.2部を得た。 融点:77℃;1 H-NMR(CDCl3): δ 8.09 (d, J=8.9Hz, 2H), 7.36 (d,
J=8.9Hz, 2H), 3.80 (s,1H).
【0080】この結果、得られた生成物は、4−ニトロ
チオフェノールであることを確認した。収率は、理論量
に対して72%であった。
【0081】実施例6
【0082】
【化25】
【0083】第1工程 t−ブチルメルカプタンの添加量を36.0部、85%
水酸化カリウムの添加量を29部とし、添加後の加熱条
件を130℃で3時間とした以外は、実施例2の第1工
程と同様にしてトルエンの留去まで行ったところ、淡黄
色結晶状の残留物を得た。これをメタノールから再結晶
して、無色板状結晶45.8部を得た。 融点:89℃;1 H-NMR(CDCl3): δ 7.61 (t, J=1.6Hz, 1H), 7.53 (d,
J=1.6Hz, 2H), 1.30 (s,18H).
【0084】この結果、得られた生成物は、3,5−ビ
ス(t−ブチルチオ)クロロベンゼンであることを確認
した。収率は、理論量に対して79%であった。
【0085】
【化26】
【0086】第2工程 3,5−ジクロロフェニルt−ブチルスルフィドの代わ
りに、第1工程で得られた3,5−ビス(t−ブチルチ
オ)クロロベンゼン28.9部を加え、還流時間を12
時間とし、分液後に加える10%水酸化ナトリウム水溶
液の量を400部とした以外は、実施例2の第2工程と
同様にして、無色針状結晶16.5部を得た。 融点:55℃;1 H-NMR(CDCl3): δ 7.03 (s, 3H), 3.47 (s, 2H).
【0087】この結果、得られた生成物は、5−クロロ
−1,3−ベンゼンジチオールであることを確認した。
収率は、理論量に対して93%であった。
【0088】実施例7
【0089】
【化27】
【0090】第1工程 実施例1の第1工程に用いたのと同様の付帯装置を備え
た反応器に、窒素雰囲気下で、ジメチルスルホキシド3
00部と、鉱油中に分散させた濃度63.2%の水素化
ナトリウム34.2部を仕込み、室温で30分間撹拌し
た。次に、t−ブチルメルカプタン81.2部をゆっく
り滴下し、40℃で30分間撹拌した後、1,3,5−
トリクロロベンゼン36.2部を加えてゆっくり昇温
し、150℃で2時間加熱した。ついで、室温まで冷却
し、水400部とトルエン200部を加えて撹拌した。
静置し、分液して有機相をとり、これを10%水酸化ナ
トリウム水溶液で、ついで飽和食塩水で洗浄し、無水硫
酸ナトリウムで脱水した後、トルエンを減圧で除去し
た。残留物をイソプロピルアルコールで再結晶して、無
色板状結晶41.0部を得た。 融点:132〜133℃;1 H-NMR(CDCl3): δ 7.24 (s, 3H), 1.30 (s, 27H).
【0091】この結果、得られた生成物は、1,3,5
−トリス(t−ブチルチオ)ベンゼンであることを確認
した。収率は、理論量に対して60%であった。
【0092】
【化28】
【0093】第2工程 実施例1の第2工程に用いた反応器に、窒素ガス雰囲気
下で、上記のようにして得られた1,3,5−トリス
(t−ブチルチオ)ベンゼン34.3部、キシレン10
0部およびメタンスルホン酸9.6部を加え、窒素ガス
を流して、生成するイソブチレンを除去しながら、加熱
還流を7時間行った。続いて、トルエン500部を滴下
しつつ、加熱して該トルエンを5時間還流させるととも
に一部を留去することにより、イソブチレンを完全に除
去した。ついで室温まで冷却し、水100部を加えて撹
拌し、分液して有機相をとった。これに10%水酸化ナ
トリウム水溶液600部を加えて撹拌し、分液によって
水相をとり、以下、実施例2の第2工程と同様にして生
成物の精製を行い、pHを2に調整したところ、結晶が析
出した。これをろ別して、無色針状結晶13.0部を得
た。 融点:56〜59℃;1 H-NMR(CDCl3): δ 6.94 (s, 3H), 3.41 (s, 3H).
【0094】この結果、得られた生成物は、1,3,5
−トリメルカプトベンゼンであることを確認した。収率
は、理論量に対して75%であった。
【0095】実施例8
【0096】
【化29】
【0097】第1工程 実施例2の第1工程で用いたのと同じ反応器に、窒素雰
囲気下で、ジフェニルメタンチオール44.0部、ジメ
チルスルホキシド200部および純度96%のナトリウ
ムメトキシド12.4部を仕込み、50℃で30分撹拌
した。続いて、1,3,5−トリクロロベンゼン36.
3部を加え、以下、加熱条件を80℃、3時間とした以
外は、実施例2の第1工程と同様にしてトルエンの留去
まで行ったところ、無色油状の残留物を得た。残留物を
メタノールから再結晶して、無色板状結晶64.8部を
得た。 融点:54℃;1 H-NMR(CDCl3): δ 7.40 (d, J=7.4Hz, 4H), 7.31 (t,
J=7.4Hz, 4H), 7.24 (t,J=7.4Hz, 2H), 7.09 (t, J=1.7
Hz, 1H), 7.06 (d, J=1.7Hz, 2H), 5.56 (s, 1H).
【0098】この結果、得られた生成物は、3,5−ジ
クロロフェニル(ベンズヒドリル)スルフィドであるこ
とを確認した。収率は、理論量に対して94%であっ
た。
【0099】
【化30】
【0100】第2工程 3,5−ジクロロフェニルt−ブチルスルフィドの代わ
りに、第1工程で得られた3,5−ジクロロフェニル
(ベンズヒドリル)スルフィド34.5部を加え、還流
時間を8時間とした以外は、実施例2の第2工程と同様
にして、pHを2に調整したところ、結晶が析出した。こ
れをろ別して、白色結晶11.6部を得た。 融点:62℃;1 H-NMR(CDCl3): δ 7.15 (s, 3H), 3.55 (s, 1H).
【0101】この結果、得られた生成物は、3,5−ジ
クロロチオフェノールであることを確認した。収率は、
理論量に対して65%であった。
【0102】実施例9
【0103】
【化31】
【0104】第1工程 実施例2の第1工程で用いたのと同じ反応器に、窒素雰
囲気下で、ナトリウムt−ブチルメルカプチド22.4
部、ジメチルスルホキシド200部および1,3,5−
トリクロロベンゼン36.3部を加え、80℃で5時間
加熱し、以下、実施例2の第1工程と同様にして、沸点
75℃/0.4Torrの無色液体37.8部を得た。この
ものの1H-NMR(CDCl3)のチャートは、実施例2の第1工
程の生成物と同じチャートが得られた。
【0105】この結果、得られた生成物は、3,5−ジ
クロロフェニルt−ブチルスルフィドであることを確認
した。収率は、理論量に対して80%であった。
【0106】
【化32】
【0107】第2工程 ガラス製オートクレーブに、窒素雰囲気下で、第1工程
で得られた3,5−ジクロロフェニルt−ブチルスルフ
ィド23.5部、および臭化水素25%を含む酢酸溶液
161.8部を仕込み、加圧下に還流状態で3時間加熱
した。ついで室温まで冷却して、反応生成物を別の容器
に移し、水150部およびトルエン100部を加えて撹
拌した後、静置して分液した。以下、実施例2と同様の
処理を行ったところ、結晶が析出した。これをろ別し
て、白色結晶15.1部を得た。 融点:62℃;1 H-NMR(CDCl3): δ 7.15 (s, 3H), 3.55 (s, 1H).
【0108】この結果、得られた生成物は、3,5−ジ
クロロチオフェノールであることを確認した。収率は、
理論量に対して84%であった。
【0109】実施例10
【0110】
【化33】
【0111】実施例1の第2工程に用いたのと同様の反
応器に、窒素雰囲気下で、実施例2の第1工程で得られ
た3,5−ジクロロフェニルt−ブチルスルフィド2
3.5部、95%濃硫酸10.3部およびトルエン50
部を仕込み、撹拌しつつ加熱して3時間還流した。室温
まで冷却し、水150部およびトルエン50部を加えて
撹拌した後、静置して分液した。有機相に10%水酸化
ナトリウム水溶液200部を加え、撹拌して再び分液し
て有機相をとり、これを飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸
ナトリウムで脱水した後、トルエンを減圧留去して、淡
黄色液体を得た。これをメタノールで処理し、無色針状
結晶8.8部を得た。 融点:65℃;1 H-NMR(CDCl3): δ 7.33 (d, J=1.7Hz, 4H), 7.23 (t,
J=1.7Hz, 2H).
【0112】この結果、有機相より得られた生成物は、
ビス(3,5−ジクロロフェニル)ジスルフィドである
ことを確認した。収率は、理論量に対して49%であっ
た。
【0113】合わせた水相に12N塩酸水溶液を加え
て、pHを2に調整し、析出した結晶をろ別して、無色針
状結晶4.3部を得た。 融点:62℃;1 H-NMR(CDCl3): δ 7.15 (s, 3H), 3.55 (s, 1H).
【0114】この結果、水相より得られた生成物は、
3,5−ジクロロチオフェノールであることを確認し
た。収率は、理論量に対して24%であった。
【0115】実施例11
【0116】
【化34】
【0117】反応溶液として用いるトルエンの量を10
0部とし、水分を除去しながら還流を3時間行った以外
は、実施例8と同様の反応を行い、同様の手順で反応生
成物の精製を行った。有機相から、融点65℃の無色針
状結晶12.9部を得た。その1H-NMRチャートは、実施
例8の有機相から得た結晶の1H-NMRチャートとよく一致
していた。このことから、有機相から得られた生成物
は、ビス(3,5−ジクロロフェニル)ジスルフィドで
あることを確認した。収率は、理論量に対して72%で
あった。
【0118】合わせた水相から、融点62℃の無色針状
結晶0.4部を得た。同様にその1H-NMRチャートから、
生成物は3,5−ジクロロチオフェノールであることを
確認した。収率は、理論量に対して2%であった。
【0119】実施例12
【0120】
【化35】
【0121】実施例1の第2工程に用いたのと同様の反
応器に、窒素雰囲気下で、実施例6の第2工程で得られ
た3,5−ジクロロチオフェノール17.9部、95%
濃硫酸20.7部およびトルエン100部を仕込み、水
を除去しながら還流を6時間行った。室温まで冷却し、
水150部を加えて撹拌した後、静置して分液した。有
機相に10%水酸化ナトリウム水溶液200部を加えて
撹拌した後、静置して、分液により有機相をとり、飽和
食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した後、ト
ルエンを減圧で留去して、無色針状結晶17.5部を得
た。 融点:65℃;1 H-NMR(CDCl3): δ 7.33 (d, J=1.7Hz, 4H), 7.23 (t,
J=1.7Hz, 2H).
【0122】この結果、得られた生成物は、ビス(3,
5−ジクロロフェニル)ジスルフィドであることを確認
した。収率は、理論量に対して98%であった。
【0123】実施例13
【0124】
【化36】
【0125】実施例10に用いたのと同様の反応器に、
同様の3,5−ジクロロチオフェノール17.9部、ト
ルエン50部および水50部を仕込み、撹拌して均一に
分散させた後、ヨウ素12.7部をトルエン30部に溶
解させた溶液を滴下した。室温で30分間撹拌した後、
静置して、分液により有機相をとり、5%チオ硫酸ナト
リウム水溶液および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナト
リウムで脱水した後、トルエンを減圧で留去して、無色
針状結晶17.3部を得た。 融点:65℃;1 H-NMR(CDCl3): δ 7.33 (d, J=1.7H
z, 4H), 7.23 (t, J=1.7Hz,
2H).
【0126】この結果、得られた生成物は、ビス(3,
5−ジクロロフェニル)ジスルフィドであることを確認
した。収率は、理論量に対して98%であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 321/30 C07C 321/30 323/09 323/09 (72)発明者 肥田 陽子 埼玉県戸田市笹目北町12番8号 日本ファ インケミカル株式会社戸田研究所内 Fターム(参考) 4H006 AA02 AC63 BB41 BB42 BD20 BE03 BE32 BE36 BE53 BE62 TA04 TB14

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)一般式(I): Yn−Ar−Xm (I) (式中、Arは、芳香族炭化水素残基を表し;Xは、A
    r中の芳香環の炭素原子に結合しているハロゲン原子を
    表し;Yは、Ar中の芳香環の炭素原子に結合している
    ハロゲン原子、ニトロ基、ニトリル基、スルホン基、ス
    ルファモイル基およびヒドロカルビルスルホニル基から
    なる群より選ばれる1種または2種以上の置換基を表
    し;mは、1以上の整数であり;nは、0または1以上
    の整数である)で示される芳香族ハロゲン化合物に、
    (B)(1)一般式(II): 【化1】 (式中、R1、R2およびR3は、それぞれアルキル基ま
    たはアリール基を表し、ただし、R1、R2およびR3
    いずれか2個がアリール基の場合、残余は水素原子でも
    よく;Mは、アルカリ金属原子を表す)で示されるヒド
    ロカルビルメルカプチドアルカリ金属塩;および/また
    は(2)(a)一般式(III): 【化2】 (式中、R1、R2およびR3は、前述のとおりである)
    で示されるヒドロカルビルメルカプタン、および(b)
    アルカリ金属、その水酸化物、炭酸塩、水素化物もしく
    はアルコキシドを、(C)非プロトン極性溶媒の存在下
    に反応させて、一般式(IV): 【化3】 (式中、Y、Ar、R1、R2、R3、mおよびnは、前
    述のとおりである)で示される芳香族チオエーテル類を
    製造し;得られた該チオエーテル類を(D)プロトン酸
    と反応させることを特徴とする、一般式(V): Yn−Ar−(SH)m (V) (式中、Y、Ar、nおよびmは、前述のとおりであ
    る)で示される芳香族チオール類を製造する方法。
  2. 【請求項2】 (A)の芳香族ハロゲン化合物が、一般
    式(Ia): 【化4】 (式中、XおよびYは、前述のとおりであり;mは、1
    〜6の整数であり、nは、0または1〜5の整数であ
    り、ただし、m+nは6以下である)で示され、一般式
    (Va): 【化5】 (式中、Yは前述のとおりであり;mおよびnは、上記
    のとおりである)で示される芳香族チオール類を製造す
    る、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 Xが、塩素原子である、請求項1または
    2記載の方法。
  4. 【請求項4】 Yが、塩素原子である、請求項1〜3の
    いずれか1項記載の方法。
  5. 【請求項5】 nが、2である、請求項1〜4のいずれ
    か1項記載の方法。
  6. 【請求項6】 mが、1である、請求項1〜5のいずれ
    か1項記載の方法。
  7. 【請求項7】 (B)として(2)、すなわち(a)一
    般式(III)で示されるヒドロカルビルメルカプタン
    と、(b)アルカリ金属、その水酸化物、炭酸塩、水素
    化物またはアルコキシドとの組合せを用いる、請求項1
    〜6のいずれか1項記載の方法。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか1項記載の方法
    によって、一般式(V)で示され、mが1である芳香族
    チオール類を製造し、ついでこれを酸化して、一般式
    (VI): Yn−Ar−S−S−Ar−Yn (VI) (式中、ArおよびYは、前述のとおりであり;nは、
    0または1以上の整数である)で示される芳香族ジスル
    フィド類を製造する方法。
  9. 【請求項9】 請求項2記載の方法によって一般式(V
    a)で示され、mが1である芳香族チオール類を製造
    し、ついでこれを酸化することにより、一般式(VI
    a): 【化6】 (式中、Yは前述のとおりであり;nは0または1〜5
    の整数である)で示される芳香族ジスルフィド類を製造
    する、請求項8記載の方法。
  10. 【請求項10】 請求項1〜7のいずれか1項記載の方
    法において、(D)のプロトン酸として濃硫酸を用い、
    水を除去しながら一般式(V)で示される芳香族チオー
    ル類を製造するとともに酸化して、一般式(VI)で示さ
    れる芳香族ジスルフィド類を製造する、請求項8または
    9記載の方法。
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