JP2000140643A - 金属系触媒の固定方法 - Google Patents
金属系触媒の固定方法Info
- Publication number
- JP2000140643A JP2000140643A JP10323442A JP32344298A JP2000140643A JP 2000140643 A JP2000140643 A JP 2000140643A JP 10323442 A JP10323442 A JP 10323442A JP 32344298 A JP32344298 A JP 32344298A JP 2000140643 A JP2000140643 A JP 2000140643A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- catalyst
- metal
- resin
- thermosetting resin
- carbon material
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Catalysts (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】流水等の流動体の中や触媒を固定した担体同士
がこすりあわされる状態で使用されても触媒が剥落しに
くい金属系触媒の固定方法を提供する。 【解決手段】熱硬化性樹脂と金属又は金属化合物とから
なる触媒又はその前駆物質との混合物を非酸化性雰囲気
で500℃以上に加熱して熱硬化性樹脂を炭化させるに
より該金属又は金属化合物を炭化物に担持せしめること
を特徴とする金属系触媒の固定方法に関する。
がこすりあわされる状態で使用されても触媒が剥落しに
くい金属系触媒の固定方法を提供する。 【解決手段】熱硬化性樹脂と金属又は金属化合物とから
なる触媒又はその前駆物質との混合物を非酸化性雰囲気
で500℃以上に加熱して熱硬化性樹脂を炭化させるに
より該金属又は金属化合物を炭化物に担持せしめること
を特徴とする金属系触媒の固定方法に関する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は金属または金属化合
物を触媒として固定する方法に関し、特に炭素材料に金
属系触媒を固定する方法に関するものであり、本発明に
よって得られた金属系触媒固定物は化学反応装置におけ
る固定相触媒や空気清浄機又は汚水処理のような環境浄
化材料として使用可能である。
物を触媒として固定する方法に関し、特に炭素材料に金
属系触媒を固定する方法に関するものであり、本発明に
よって得られた金属系触媒固定物は化学反応装置におけ
る固定相触媒や空気清浄機又は汚水処理のような環境浄
化材料として使用可能である。
【0002】
【従来の技術】従来、金属系触媒の固定方法としては、
活性炭、ゼオライト、アルミナ等、目的とする使用条件
下で不活性の多孔質固体に金属塩等の溶液を含浸し、次
いで必要に応じて加熱して、場合によっては金属塩等を
分解せしめて固定する方法がとられている。特に炭素材
料に金属系触媒を固定する方法は、粒状、ハニカム状、
繊維状等の活性炭を金属塩水溶液等で濡らし、次いで乾
燥して、また必要に応じて300℃以下程度で熱処理す
る方法が実施されている。しかし、この方法では固定化
される金属系触媒と担持させる固体との結合力は必ずし
も強いものではないため、特に流動体の中で使用される
場合や触媒を固定した担体同士がこすりあわされる場
合、触媒が剥落するという問題がある。
活性炭、ゼオライト、アルミナ等、目的とする使用条件
下で不活性の多孔質固体に金属塩等の溶液を含浸し、次
いで必要に応じて加熱して、場合によっては金属塩等を
分解せしめて固定する方法がとられている。特に炭素材
料に金属系触媒を固定する方法は、粒状、ハニカム状、
繊維状等の活性炭を金属塩水溶液等で濡らし、次いで乾
燥して、また必要に応じて300℃以下程度で熱処理す
る方法が実施されている。しかし、この方法では固定化
される金属系触媒と担持させる固体との結合力は必ずし
も強いものではないため、特に流動体の中で使用される
場合や触媒を固定した担体同士がこすりあわされる場
合、触媒が剥落するという問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、流水等の流
動体の中や触媒を固定した担体同士がこすりあわされる
状態で使用されても触媒が剥落しにくい金属系触媒の固
定方法を提供するもので、さらに、触媒を固定した担体
が破砕されても、破断面にも触媒が存在することによっ
て触媒能力を低下させない方法を提供するものである。
動体の中や触媒を固定した担体同士がこすりあわされる
状態で使用されても触媒が剥落しにくい金属系触媒の固
定方法を提供するもので、さらに、触媒を固定した担体
が破砕されても、破断面にも触媒が存在することによっ
て触媒能力を低下させない方法を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、フェノー
ル樹脂等の熱硬化性樹脂の硬化物を炭化すると縮小はす
るもののその形状を保ったまま炭化し、一方金属や金属
化合物からなる触媒は熱硬化性樹脂が炭化する条件では
安定なものが多いことから、触媒等を熱硬化性樹脂に混
合させたのち、熱硬化性樹脂を硬化させ炭化すると触媒
物質を強固に固定化した炭素材料となることを見出し、
本発明を完成させるに至った。
ル樹脂等の熱硬化性樹脂の硬化物を炭化すると縮小はす
るもののその形状を保ったまま炭化し、一方金属や金属
化合物からなる触媒は熱硬化性樹脂が炭化する条件では
安定なものが多いことから、触媒等を熱硬化性樹脂に混
合させたのち、熱硬化性樹脂を硬化させ炭化すると触媒
物質を強固に固定化した炭素材料となることを見出し、
本発明を完成させるに至った。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明における熱硬化性樹脂とし
ては、炭化可能の樹脂であることが要件であり、例え
ば、フェノール樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、熱硬
化性ポリイミド等及びそれらの組み合わせが挙げられる
が、賦型や加工し易さと炭化収率が高く経済性にも優れ
るという点でフェノール樹脂が好ましい。フェノール樹
脂とはフェノール、クレゾール等のアルキルフェノー
ル、レゾルシノール、ビスフェノール、ナフトール等の
フェノール類とホルムアルデヒド等のアルデヒド類との
反応により生成する樹脂、前記フェノール類とポリブタ
ジエン等不飽和化合物との反応物、フェノール類の酵素
反応等による重合物およびそれらに尿素、メラミン、ゴ
ム、桐油、等第三物質をも反応させたり混合したりした
変性フェノール樹脂をいい、熱硬化するレゾールタイプ
と硬化剤により硬化するノボラックタイプの両者を含
む。またフェノール樹脂に他の物質を併用することがで
きる。ここでいう他の物質とは、特に限定されないが、
例えば、ユリア樹脂、メラミン樹脂、フラン樹脂等の熱
硬化性樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリアミ
ド、ポリエステル等の熱可塑性樹脂のほか、タール、ピ
ッチ等高沸点芳香族化合物、ポリビニルアルコール(ポ
バール)、でん粉等水溶性高分子等が触媒物質にあわせ
目的に応じて使用できる。本発明における金属系触媒と
は、金属又は金属化合物で触媒作用を有する物質をい
い、その前駆物質とは金属塩や有機金属化合物で、加熱
すると分解や結晶形の変化等何らかの変化により触媒作
用を有する物質となる物質を意味する。金属系触媒の例
としては、ニッケル、銅、鉄、亜鉛、クロム、コバル
ト、マンガン、マグネシウム、カルシウム、パラジウ
ム、ルテニウム、銀、白金、バナジウム、スズ等の金
属、酸化チタン、酸化鉄、酸化スズ、酸化亜鉛等の金属
酸化物及びその他の有機チタン等の金属化合物があげら
れる。これらの中、汎用的な還元触媒という点で、金属
としてはニッケルを、金属化合物では光触媒活性を付与
することができるという点で酸化チタン、およびその前
駆物質の有機チタンを特にあげることができる。
ては、炭化可能の樹脂であることが要件であり、例え
ば、フェノール樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、熱硬
化性ポリイミド等及びそれらの組み合わせが挙げられる
が、賦型や加工し易さと炭化収率が高く経済性にも優れ
るという点でフェノール樹脂が好ましい。フェノール樹
脂とはフェノール、クレゾール等のアルキルフェノー
ル、レゾルシノール、ビスフェノール、ナフトール等の
フェノール類とホルムアルデヒド等のアルデヒド類との
反応により生成する樹脂、前記フェノール類とポリブタ
ジエン等不飽和化合物との反応物、フェノール類の酵素
反応等による重合物およびそれらに尿素、メラミン、ゴ
ム、桐油、等第三物質をも反応させたり混合したりした
変性フェノール樹脂をいい、熱硬化するレゾールタイプ
と硬化剤により硬化するノボラックタイプの両者を含
む。またフェノール樹脂に他の物質を併用することがで
きる。ここでいう他の物質とは、特に限定されないが、
例えば、ユリア樹脂、メラミン樹脂、フラン樹脂等の熱
硬化性樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリアミ
ド、ポリエステル等の熱可塑性樹脂のほか、タール、ピ
ッチ等高沸点芳香族化合物、ポリビニルアルコール(ポ
バール)、でん粉等水溶性高分子等が触媒物質にあわせ
目的に応じて使用できる。本発明における金属系触媒と
は、金属又は金属化合物で触媒作用を有する物質をい
い、その前駆物質とは金属塩や有機金属化合物で、加熱
すると分解や結晶形の変化等何らかの変化により触媒作
用を有する物質となる物質を意味する。金属系触媒の例
としては、ニッケル、銅、鉄、亜鉛、クロム、コバル
ト、マンガン、マグネシウム、カルシウム、パラジウ
ム、ルテニウム、銀、白金、バナジウム、スズ等の金
属、酸化チタン、酸化鉄、酸化スズ、酸化亜鉛等の金属
酸化物及びその他の有機チタン等の金属化合物があげら
れる。これらの中、汎用的な還元触媒という点で、金属
としてはニッケルを、金属化合物では光触媒活性を付与
することができるという点で酸化チタン、およびその前
駆物質の有機チタンを特にあげることができる。
【0006】更に、ニッケル等の金属塩や金属酸化物を
金属触媒の前駆物質として用いると、それらを炭素材料
に付着させた場合よりも触媒作用が優れる場合がある。
この現象の詳しい理由は不明であるが炭化工程で前駆物
質が薬品賦活の作用をしている可能性が考えられる。本
発明における熱硬化性樹脂と触媒又はその前駆物質との
混合の方法は、熱硬化性樹脂と触媒又はその前駆物質と
を単に混合することで達成される。また混合状態は相互
に溶解した状態でもよいし、分散状態でもよい。混合は
熱硬化性樹脂と触媒又はその前駆物質とが、反応しなく
とも、反応する場合も含まれる。反応は多くの金属や金
属化合物はフェノール樹脂とフェノラートや錯体を形成
する場合が挙げられる。本発明の熱硬化性樹脂と触媒又
はその前駆物質との混合物の炭化の方法は、該混合物を
まず熱硬化性樹脂が硬化する条件で硬化させ、次いでア
ルゴン、窒素等不活性ガス雰囲気又は減圧による非酸化
性雰囲気で500℃以上で熱処理することで達成され
る。硬化と炭化とは非連続で行っても連続して行っても
どちらでもよい。また炭化に続いて賦活処理を行うと触
媒作用が著しく向上することがあるので、触媒の種類に
よっては賦活することが好ましい。
金属触媒の前駆物質として用いると、それらを炭素材料
に付着させた場合よりも触媒作用が優れる場合がある。
この現象の詳しい理由は不明であるが炭化工程で前駆物
質が薬品賦活の作用をしている可能性が考えられる。本
発明における熱硬化性樹脂と触媒又はその前駆物質との
混合の方法は、熱硬化性樹脂と触媒又はその前駆物質と
を単に混合することで達成される。また混合状態は相互
に溶解した状態でもよいし、分散状態でもよい。混合は
熱硬化性樹脂と触媒又はその前駆物質とが、反応しなく
とも、反応する場合も含まれる。反応は多くの金属や金
属化合物はフェノール樹脂とフェノラートや錯体を形成
する場合が挙げられる。本発明の熱硬化性樹脂と触媒又
はその前駆物質との混合物の炭化の方法は、該混合物を
まず熱硬化性樹脂が硬化する条件で硬化させ、次いでア
ルゴン、窒素等不活性ガス雰囲気又は減圧による非酸化
性雰囲気で500℃以上で熱処理することで達成され
る。硬化と炭化とは非連続で行っても連続して行っても
どちらでもよい。また炭化に続いて賦活処理を行うと触
媒作用が著しく向上することがあるので、触媒の種類に
よっては賦活することが好ましい。
【0007】炭化温度は熱硬化性樹脂の炭化物が触媒に
充分に不活性となるのに必要な温度として500℃以上
が必要であるが、触媒またはその前駆物質が触媒として
作用するために温度的に制約される場合がある。制約さ
れる場合としては、例えば、触媒が光活性の酸化チタン
では600〜700℃で処理されたときは触媒活性が維
持されるが、この温度域より高温側では酸化チタンの結
晶形が変化し触媒活性が低下する。一方、金属酸化物を
炭化処理する工程で還元して金属触媒として用いる際
は、より高温で炭化した方がよい場合も多いため、触媒
又はその前駆物質の内容により炭化温度は選択される。
このような方法によれば、金属系触媒は触媒として活性
な状態を保持して熱硬化性樹脂の炭化物の組織の中に取
り込まれ、物理的な刺激に対し強固となり、本発明の目
的が達成される。また、本発明では、熱硬化性樹脂と触
媒又はその前駆物質との混合物を、紙、布、不織布、
網、繊維、粒子状物質等に含浸したり、面状体に塗工し
たり、成形するなど、あらかじめ賦型や加工してから、
炭化工程を実施することもできるので、本発明を触媒ユ
ニットの製造に適用するとき、極めて実用上の価値が高
い。
充分に不活性となるのに必要な温度として500℃以上
が必要であるが、触媒またはその前駆物質が触媒として
作用するために温度的に制約される場合がある。制約さ
れる場合としては、例えば、触媒が光活性の酸化チタン
では600〜700℃で処理されたときは触媒活性が維
持されるが、この温度域より高温側では酸化チタンの結
晶形が変化し触媒活性が低下する。一方、金属酸化物を
炭化処理する工程で還元して金属触媒として用いる際
は、より高温で炭化した方がよい場合も多いため、触媒
又はその前駆物質の内容により炭化温度は選択される。
このような方法によれば、金属系触媒は触媒として活性
な状態を保持して熱硬化性樹脂の炭化物の組織の中に取
り込まれ、物理的な刺激に対し強固となり、本発明の目
的が達成される。また、本発明では、熱硬化性樹脂と触
媒又はその前駆物質との混合物を、紙、布、不織布、
網、繊維、粒子状物質等に含浸したり、面状体に塗工し
たり、成形するなど、あらかじめ賦型や加工してから、
炭化工程を実施することもできるので、本発明を触媒ユ
ニットの製造に適用するとき、極めて実用上の価値が高
い。
【0008】そのような触媒ユニットは、化学反応装置
の他、脱臭装置、空気浄化装置、水質浄化装置、有害物
処理装置等において利用できる。
の他、脱臭装置、空気浄化装置、水質浄化装置、有害物
処理装置等において利用できる。
【0009】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。尚、「部」は「重量部」を、「%」は「重量%」を
示すものとする。 <フェノール樹脂の合成>フェノール(P)とホルムア
ルデヒド(F)とがF/P=1.3(モル比)となるよ
うにフェノールとホルマリンとを仕込み、トリエチルア
ミンを触媒に70℃で5.5時間反応させ、次いで減圧
蒸留して、136℃×1時間の不揮発分が80%である
液状フェノール樹脂を得た。この樹脂をフェノール樹脂
Aと呼ぶことにする。
るが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。尚、「部」は「重量部」を、「%」は「重量%」を
示すものとする。 <フェノール樹脂の合成>フェノール(P)とホルムア
ルデヒド(F)とがF/P=1.3(モル比)となるよ
うにフェノールとホルマリンとを仕込み、トリエチルア
ミンを触媒に70℃で5.5時間反応させ、次いで減圧
蒸留して、136℃×1時間の不揮発分が80%である
液状フェノール樹脂を得た。この樹脂をフェノール樹脂
Aと呼ぶことにする。
【0010】実施例1 エピクロン850[大日本インキ化学工業(株)製 エ
ポキシ樹脂]20部、フェノール樹脂A10部、タイノ
ックA100[多木化学(株)製 酸化チタン]6部を
混合し、150℃で2時間加熱して硬化させ、目開き
1.18mmの篩をパスし600μmの篩に残るように
粉砕し、更に2666Pa(約20トール)程度より高
真空の減圧下で毎分2.5℃で昇温し600℃で2時間
保持した後1晩かけて放冷し酸化チタンを固定した粗粒
状の炭素材料を得た。この炭素材料における酸化チタン
の含有率は39%であった。
ポキシ樹脂]20部、フェノール樹脂A10部、タイノ
ックA100[多木化学(株)製 酸化チタン]6部を
混合し、150℃で2時間加熱して硬化させ、目開き
1.18mmの篩をパスし600μmの篩に残るように
粉砕し、更に2666Pa(約20トール)程度より高
真空の減圧下で毎分2.5℃で昇温し600℃で2時間
保持した後1晩かけて放冷し酸化チタンを固定した粗粒
状の炭素材料を得た。この炭素材料における酸化チタン
の含有率は39%であった。
【0011】実施例2 フェノール樹脂A10部、酸化チタン分散液[石原産業
(株)製 STS−21]6部を混合し、150℃で2
時間加熱して硬化させ、目開き1.18mmの篩をパス
し600μmの篩に残るように粉砕し、更に2666P
a(約20トール)程度より高真空の減圧下で毎分2.
5℃で昇温し600℃で2時間保持した後1晩かけて放
冷し酸化チタンを固定した粗粒状の炭素材料を得た。こ
の炭素材料における酸化チタンの含有率は35%であっ
た。
(株)製 STS−21]6部を混合し、150℃で2
時間加熱して硬化させ、目開き1.18mmの篩をパス
し600μmの篩に残るように粉砕し、更に2666P
a(約20トール)程度より高真空の減圧下で毎分2.
5℃で昇温し600℃で2時間保持した後1晩かけて放
冷し酸化チタンを固定した粗粒状の炭素材料を得た。こ
の炭素材料における酸化チタンの含有率は35%であっ
た。
【0012】比較例1 酸化チタンを使用しないで、実施例1と同一の方法によ
り粗粒状の炭素材料を得た。
り粗粒状の炭素材料を得た。
【0013】比較例2 酸化チタン分散液を使用しないで、実施例2と同一の方
法により粗粒状の炭素材料を得た。
法により粗粒状の炭素材料を得た。
【0014】比較例3 比較例1の粗粒状の炭素材料6部とタイノックA100
1部と水10部とを混ぜ合わせ、135℃で1時間乾
燥し、更に250℃に1.5時間おいて、酸化チタンが
付着した炭素材料を得た。
1部と水10部とを混ぜ合わせ、135℃で1時間乾
燥し、更に250℃に1.5時間おいて、酸化チタンが
付着した炭素材料を得た。
【0015】比較例4 比較例2の粗粒状の炭素材料と同重量の酸化チタン分散
液[石原産業(株)製STS−21]とを混ぜ合わせ、
135℃で1時間乾燥し、更に250℃に1.5時間お
いて、酸化チタンが付着した炭素材料を得た。 <評価試験>各例の粗粒状の炭素材料約3gを200メ
ッシュのろ布を敷いた茶こしに入れ、口径約10mmの
水道蛇口から60〜70ml/秒で水を流しながら蛇口
下約10cmに茶こしをおいて水の当たり方が均一にな
るよう時々茶こしの位置を変えながら1時間炭素材料を
水で洗った。結晶皿(60φ×30)に50ppmホル
マリンを50(±0.5)gとり、前記水洗処理後乾燥
した炭素材料0.20gをいれて、ブラックライト(6
W、最大波長352nm)を皿底との距離が5cmにな
るようにセットして、48時間照射した。なお、この時
ブランクとして炭素材料を入れないで同様の操作を実施
した。上記処理後のホルマリンのホルムアルデヒド濃度
をJIS K 0102に準じてアセチルアセトン法によ
り測定した。この試験における結果を次の表1に示す。
液[石原産業(株)製STS−21]とを混ぜ合わせ、
135℃で1時間乾燥し、更に250℃に1.5時間お
いて、酸化チタンが付着した炭素材料を得た。 <評価試験>各例の粗粒状の炭素材料約3gを200メ
ッシュのろ布を敷いた茶こしに入れ、口径約10mmの
水道蛇口から60〜70ml/秒で水を流しながら蛇口
下約10cmに茶こしをおいて水の当たり方が均一にな
るよう時々茶こしの位置を変えながら1時間炭素材料を
水で洗った。結晶皿(60φ×30)に50ppmホル
マリンを50(±0.5)gとり、前記水洗処理後乾燥
した炭素材料0.20gをいれて、ブラックライト(6
W、最大波長352nm)を皿底との距離が5cmにな
るようにセットして、48時間照射した。なお、この時
ブランクとして炭素材料を入れないで同様の操作を実施
した。上記処理後のホルマリンのホルムアルデヒド濃度
をJIS K 0102に準じてアセチルアセトン法によ
り測定した。この試験における結果を次の表1に示す。
【0016】
【表1】 この試験では48時間の照射の間に水の蒸発とホルムア
ルデヒドの揮発がある。濃縮率とは、照射後のホルマリ
ンの残存%値で、ホルムアルデヒド消失とは、照射後に
結果的に消失したホルムアルデヒドの重量を示す。
ルデヒドの揮発がある。濃縮率とは、照射後のホルマリ
ンの残存%値で、ホルムアルデヒド消失とは、照射後に
結果的に消失したホルムアルデヒドの重量を示す。
【0017】ホルムアルデヒドの消失には、揮発、炭素
材料への吸着、酸化チタンを触媒とする酸化分解が考え
られる。ブランクは揮発によるホルムアルデヒドの消
失、比較例1、2は揮発及び吸着による消失、比較例
3、4及び実施例1、2は揮発、吸着、酸化分解による
消失が考えられ、比較例3、4では流水によって触媒の
酸化チタンの大部分が流されてしまうため、比較例1、
2と効果がかわらないのに対し、実施例1、2では触媒
の固定が充分なためその効果によって触媒が失われるこ
となくホルムアルデヒドの消失が最も大きい値になって
いる。
材料への吸着、酸化チタンを触媒とする酸化分解が考え
られる。ブランクは揮発によるホルムアルデヒドの消
失、比較例1、2は揮発及び吸着による消失、比較例
3、4及び実施例1、2は揮発、吸着、酸化分解による
消失が考えられ、比較例3、4では流水によって触媒の
酸化チタンの大部分が流されてしまうため、比較例1、
2と効果がかわらないのに対し、実施例1、2では触媒
の固定が充分なためその効果によって触媒が失われるこ
となくホルムアルデヒドの消失が最も大きい値になって
いる。
【0018】実施例3 酢酸ニッケル4水和物10部をフェノール樹脂A62部
に混合し、150℃で3時間加熱して硬化させ、粉砕
し、更に2666Pa(約20トール)程度より高真空
の減圧下で毎分2.5℃で昇温し600℃で3時間保持
した後1晩かけて放冷し、更に篩分けして、目開き1.
18mmの篩をパスし600μmの篩に残る部分を取り
出し、ニッケルを固定した粗粒状の炭素材料を得た。こ
の炭素材料中のニッケル量は5.9%であった。
に混合し、150℃で3時間加熱して硬化させ、粉砕
し、更に2666Pa(約20トール)程度より高真空
の減圧下で毎分2.5℃で昇温し600℃で3時間保持
した後1晩かけて放冷し、更に篩分けして、目開き1.
18mmの篩をパスし600μmの篩に残る部分を取り
出し、ニッケルを固定した粗粒状の炭素材料を得た。こ
の炭素材料中のニッケル量は5.9%であった。
【0019】比較例5 酢酸ニッケルを混合することなくフェノール樹脂Aのみ
を実施例3と同様の処理を施し粗粒状の炭素材料を得、
この炭素材料に対し10%のニッケルを含む酢酸ニッケ
ル水溶液中に該炭素材料を浸し、135℃で2時間乾燥
してニッケル塩を炭素材料に付着させ、更に再度266
6Pa(約20トール)程度より高真空の減圧下で毎分
2.5℃で昇温し600℃で3時間保持した後1晩かけ
て放冷し、ニッケルを固定した粗粒状の炭素材料を得
た。
を実施例3と同様の処理を施し粗粒状の炭素材料を得、
この炭素材料に対し10%のニッケルを含む酢酸ニッケ
ル水溶液中に該炭素材料を浸し、135℃で2時間乾燥
してニッケル塩を炭素材料に付着させ、更に再度266
6Pa(約20トール)程度より高真空の減圧下で毎分
2.5℃で昇温し600℃で3時間保持した後1晩かけ
て放冷し、ニッケルを固定した粗粒状の炭素材料を得
た。
【0020】比較例6 ニッケル量を炭素材料の5%とした他は実施例5と同一
の処理を行い、ニッケルを固定した粗粒状の炭素材料を
得た。
の処理を行い、ニッケルを固定した粗粒状の炭素材料を
得た。
【0021】比較例7 市販の活性炭[三菱化学(株)製 DC−5493]を
酢酸ニッケル水溶液中に浸し、赤外線ランプを照射して
水分を蒸発させ、ニッケル量が活性炭の5%となるよう
にし、ニッケル塩を固定した炭素材料を得た、 <評価試験>実施例3および比較例5、6の炭素材料を
それぞれ500℃で2時間水素還元処理を行った後、常
圧固定床流通式反応装置を用い、炭素材料0.30gを
充填した容器を200℃に保持し、水素ガス48.4m
l/分を水素化剤およびキャリヤーとしベンゼン1.2
7m/時間を該容器にベーパー供給し、容器入口と出口
のガス組成をガスクロマトグラフィーで分析して、該炭
素材料を触媒とするベンゼンの水素化反応の進行をベン
ゼンのシクロヘキサンへの転化率で比較し、触媒活性の
評価とした。
酢酸ニッケル水溶液中に浸し、赤外線ランプを照射して
水分を蒸発させ、ニッケル量が活性炭の5%となるよう
にし、ニッケル塩を固定した炭素材料を得た、 <評価試験>実施例3および比較例5、6の炭素材料を
それぞれ500℃で2時間水素還元処理を行った後、常
圧固定床流通式反応装置を用い、炭素材料0.30gを
充填した容器を200℃に保持し、水素ガス48.4m
l/分を水素化剤およびキャリヤーとしベンゼン1.2
7m/時間を該容器にベーパー供給し、容器入口と出口
のガス組成をガスクロマトグラフィーで分析して、該炭
素材料を触媒とするベンゼンの水素化反応の進行をベン
ゼンのシクロヘキサンへの転化率で比較し、触媒活性の
評価とした。
【0022】
【表2】 本発明による実施例3のニッケル固定炭素材料は同原材
料でニッケルの付着方法を変えた比較例5、6及び市販
活性炭を用いた比較例7より明らかに高活性である。こ
こでは、ニッケルの剥落を論じる前に本発明の方法が優
れた結果を与えている。
料でニッケルの付着方法を変えた比較例5、6及び市販
活性炭を用いた比較例7より明らかに高活性である。こ
こでは、ニッケルの剥落を論じる前に本発明の方法が優
れた結果を与えている。
【0023】
【発明の効果】本発明の効果は上記の通り、金属系触媒
が触媒として活性な状態を保持して熱硬化性樹脂の炭化
物の組織の中に取り込まれ、組織内部にまで分布するの
で、物理的な刺激に対し剥落しにくく、さらに表面が破
砕されても破断面に触媒が露出するだけであり、触媒を
強く担持できるという効果を有する。熱硬化性樹脂の硬
化前に加工を施すことで容易に触媒ユニットに加工する
ことができる。
が触媒として活性な状態を保持して熱硬化性樹脂の炭化
物の組織の中に取り込まれ、組織内部にまで分布するの
で、物理的な刺激に対し剥落しにくく、さらに表面が破
砕されても破断面に触媒が露出するだけであり、触媒を
強く担持できるという効果を有する。熱硬化性樹脂の硬
化前に加工を施すことで容易に触媒ユニットに加工する
ことができる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4G069 AA03 AA08 AA09 BA04A BA04B BA08A BA08B BA22C BB01A BB01B BB02A BB02B BC68A BC68B BD02A BD02B BD04A BD04B BE05C BE37C CA07 CA10 CA17 CB03 DA06 EA02Y EB18Y ED03 FA01 FB05 FB06 FB34 FB36 FC02 FC07
Claims (4)
- 【請求項1】熱硬化性樹脂と金属又は金属化合物とから
なる触媒又はその前駆物質との混合物を非酸化性雰囲気
で500℃以上に加熱して熱硬化性樹脂を炭化させるに
より該金属又は金属化合物を炭化物に担持せしめること
を特徴とする金属系触媒の固定方法。 - 【請求項2】熱硬化性樹脂が、フェノール樹脂である請
求項1記載の金属系触媒の固定方法。 - 【請求項3】金属化合物が、酸化チタンまたは有機チタ
ン化合物である請求項1記載の金属系触媒の固定方法。 - 【請求項4】金属が、ニッケルである請求項1記載の金
属系触の固定方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10323442A JP2000140643A (ja) | 1998-11-13 | 1998-11-13 | 金属系触媒の固定方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10323442A JP2000140643A (ja) | 1998-11-13 | 1998-11-13 | 金属系触媒の固定方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000140643A true JP2000140643A (ja) | 2000-05-23 |
Family
ID=18154721
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10323442A Pending JP2000140643A (ja) | 1998-11-13 | 1998-11-13 | 金属系触媒の固定方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000140643A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2013035270A1 (ja) | 2011-09-06 | 2013-03-14 | 住友ベークライト株式会社 | 樹脂担持触媒および樹脂担持触媒の製造方法 |
WO2013140705A1 (ja) | 2012-03-21 | 2013-09-26 | 住友ベークライト株式会社 | 基材担持触媒および基材担持触媒の製造方法 |
CN106029225A (zh) * | 2014-03-07 | 2016-10-12 | 中国石油化工股份有限公司 | 一种复合型催化剂及其制备方法 |
CN106423155A (zh) * | 2016-11-03 | 2017-02-22 | 中国检验检疫科学研究院 | 一种制备棒状Au@TiO2 复合纳米光催化材料的方法 |
CN112158853A (zh) * | 2020-09-14 | 2021-01-01 | 宜兴国际环保城科技发展有限公司 | 一种管式自由基氧化剂及其制备方法 |
CN114653373A (zh) * | 2022-05-10 | 2022-06-24 | 中国矿业大学 | 一种高选择性镍树脂碳催化剂及其制备方法与应用 |
-
1998
- 1998-11-13 JP JP10323442A patent/JP2000140643A/ja active Pending
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2013035270A1 (ja) | 2011-09-06 | 2013-03-14 | 住友ベークライト株式会社 | 樹脂担持触媒および樹脂担持触媒の製造方法 |
US9314783B2 (en) | 2011-09-06 | 2016-04-19 | Sumitomo Bakelite Co., Ltd. | Resin-supported catalyst and method for preparing resin-supported catalyst |
WO2013140705A1 (ja) | 2012-03-21 | 2013-09-26 | 住友ベークライト株式会社 | 基材担持触媒および基材担持触媒の製造方法 |
CN106029225A (zh) * | 2014-03-07 | 2016-10-12 | 中国石油化工股份有限公司 | 一种复合型催化剂及其制备方法 |
US10661254B2 (en) | 2014-03-07 | 2020-05-26 | China Petroleum & Chemical Corporation | Composite catalyst and preparation method therefor |
CN106423155A (zh) * | 2016-11-03 | 2017-02-22 | 中国检验检疫科学研究院 | 一种制备棒状Au@TiO2 复合纳米光催化材料的方法 |
CN112158853A (zh) * | 2020-09-14 | 2021-01-01 | 宜兴国际环保城科技发展有限公司 | 一种管式自由基氧化剂及其制备方法 |
CN112158853B (zh) * | 2020-09-14 | 2023-05-23 | 宜兴国际环保城科技发展有限公司 | 一种管式自由基氧化剂及其制备方法 |
CN114653373A (zh) * | 2022-05-10 | 2022-06-24 | 中国矿业大学 | 一种高选择性镍树脂碳催化剂及其制备方法与应用 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Chirica et al. | Applications of MAX phases and MXenes as catalysts | |
CN102513104B (zh) | 一种苯甲醛类化合物的制备方法及其用新型介孔碳担载的双金属催化剂 | |
JP5167418B2 (ja) | 炭素触媒及びその用途 | |
CN111013590B (zh) | 生物炭负载四氧化三钴催化材料的制备方法 | |
EP0361385B1 (en) | Deodorizing method and deodorizing catalyst | |
AU764178B2 (en) | Supported metal catalyst, preparation and applications for directly making hydrogen peroxide | |
Vincent et al. | Chitosan-supported palladium catalyst. II. Chlorophenol dehalogenation | |
Sá et al. | Water denitration over a Pd–Sn/Al 2 O 3 catalyst | |
SK283777B6 (sk) | Hydrogenačné katalyzátory, spôsob ich výroby a ich použitie | |
WO2019220114A1 (en) | Catalytic materials for wastewater treatment | |
JP2000140643A (ja) | 金属系触媒の固定方法 | |
WO2010055341A2 (en) | Improvements in catalytic processes | |
CN1212184C (zh) | 一种钯/碳负载型贵金属催化剂制备方法 | |
CA2848167A1 (en) | Resin-supported catalyst and method for preparing resin-supported catalyst | |
González et al. | Enhancement of activity and selectivity to nitrogen in catalytic nitrate reduction by use of conductive carbon catalytic supports and control of hydrogen mass transfer regime | |
KR20110126300A (ko) | 가시광 활성 구형 탄소계 기공소재 및 그의 제조방법 | |
KR100587248B1 (ko) | 벤젠디올의 수소화탈산소화에 의한 페놀의 제조 방법 | |
Li et al. | Glucose hydrogenation on Co–B amorphous alloy catalysts and the promoting effect of metal additives | |
CN108906108B (zh) | 一种N-SrTiO3/活性炭处理材料的微波法合成工艺及其应用 | |
Xue et al. | Pathway and mechanism study on improvement of N2 selectivity of catalytic denitrification | |
CA2362731C (en) | Silver or mercury exchanged macroporous organofunctional polysiloxane resins | |
RU2668809C1 (ru) | Катализатор жидкофазного гидрирования глюкозы и способ его получения | |
JPH0780299A (ja) | 金属酸化物添着活性炭触媒 | |
CN113372191A (zh) | 叔丁基环己醇的制备方法 | |
JPH0780056A (ja) | 脱臭方法 |