JP2000139483A - 組み換えコクシジウム症ワクチン - Google Patents

組み換えコクシジウム症ワクチン

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Abstract

(57)【要約】 【課題】コクシジウム症から家禽を保護するためのワク
チンの提供。 【解決手段】アイメリアメロゾイト表面抗原の免疫反応
決定基および/または抗原決定基を1以上有する蛋白ま
たは該蛋白をコードするDNAを発現する組換えウイル
ス、および生理学的に許容しうる担体またはアジュバン
トを含有する、コクシジウム症から家禽を保護するため
のワクチン。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は寄生性のアイメリア(Ei
meria )原虫の抗原をコードするDNAを発現する組換
えウイルス、該組換えウイルスの作成法、該抗原を含
む、コクシジウム症から家禽を保護するためのワクチン
に関する。
【0002】
【従来の技術】コクシジウム症はアイメリア属の寄生性
細胞内原虫によって引き起こされる家禽の疾病である。
この疾病は大規模な集約的家禽飼育施設に特有の病気で
ある。化学療法によってこの疾病を防ぐための概算費用
はアメリカ合衆国だけで毎年1億ドルを越える。既知の
抗コクシジウム薬に対する耐性の出現が絶えず新薬の開
発を必要としているが、新薬の開発にはますます費用が
かかるようになってきており、しかも食用動物中の残留
薬剤に対する消費者の許容範囲が次第に狭まりつつあ
る。
【0003】自然のコクシジウム症感染に対する防御免
疫は十分に文献中で実証されている。少数の生存性オー
シストを数週間にわたって毎日管理投与すると、通常の
毒性量のチャレンジ感染に対して完全な免疫が賦与され
ることが示されている〔Roseら, Parasitology73:25 (1
976); Roseら, Parasitology88:199 (1984) 〕。感染に
対する抵抗が獲得されたことの証明により、ひな鳥に免
疫を誘導するワクチン製造の可能性が示唆され、これは
コクシジウム化学抑制剤の必要性を回避するものであっ
た。実際に、この種の概念は Sterwin Laboratories (O
pelika, AL) のCoccivac (登録商標)配合物において
試験されている。
【0004】コクシジウム症のワクチンを製造する目的
で、Murrayらの欧州特許出願公開第167,443号
は、アイメリア・テネラ(Eimeria tenella )のスポロ
ゾイトまたは胞子形成オーシストから少なくとも15種
類のポリペプチド(これらの多くはスポロゾイトの表面
に関連する)を含有する抽出物を調製した。これらの抽
出物をニワトリに注射すると、毒性E. テネラの胞子形
成オーシストを経口接種させた後の盲腸病変が軽減され
た。
【0005】比較的最近になって、Schenkelらの米国特
許第4,650,676号は、E.テネラのメロゾイト
に対するモノクローナル抗体の生産を開示した。これら
の抗体を用いて、Schenkelらはこれら抗体に対する抗原
を数多く同定した。E. テネラのスポロゾイトをこれら
の抗体とプレインキュベートし、次に処理済のスポロゾ
イトをニワトリの盲腸に導入することにより、Schenkel
らは盲腸病変の程度を未処理スポロゾイト対照と比べて
若干低下させることができた。
【0006】組み換えDNA方法を用いて、Newmanら
(欧州特許出願公開第164,176号)はアイメリア
・テネラから25,000ダルトン抗原をコードするス
ポロゾイト期からの遺伝子をクローニングした。死滅し
たE. テネラスポロゾイトを用いる反復免疫感作により
免疫したニワトリからの血清は、ヨウ素化スポロシスト
およびスポロゾイト膜調製物からこの抗原を免疫沈降さ
せた。より最近、Jenkins Nucleic Acids Res. 16:986
3 (1988) はアイメリア・アセルブリナ(Eimeria acer
vulina)からの250,000ダルトンのメロゾイト表
面蛋白の一部をコードするcDNAについて記載してい
る。このcDNAの発現産物はこの生物に対する抗血清
により認識された。
【0007】組み換えDNA技術の進歩により別のアプ
ローチ、すなわちサブユニットワクチン、が利用可能と
なった。かかるサブユニットワクチンの例は、例えば欧
州特許出願公開第324648号、同第337589号
および同第344808号に記載されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、アイメリア
メロゾイト表面抗原の免疫反応決定基および/または抗
原決定基を1以上有する蛋白をコードするDNA配列を
含有し、かつ該DNA配列を発現できる組換えウイルス
並びにコクシジウム症から家禽を保護するためのワクチ
ンを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】本発明は、ドデシル硫酸
ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS
−PAGE)で測定して約23キロダルトンの見掛け分
子量を有し、かつSDS−PAGEで測定して約30キ
ロダルトンの見掛け分子量を有する前駆体蛋白から誘導
されるアイメリアメロゾイト表面抗原の免疫反応決定基
および/または抗原決定基の1つまたはそれ以上を有す
る精製蛋白を提供する。これらの蛋白は他のアイメリア
蛋白を実質的に含まない。
【0009】より詳細には、本発明は、SDS−PAG
Eで測定して約23キロダルトンの見掛け分子量を有す
るアイメリアメロゾイト表面抗原から成る単離蛋白およ
び該蛋白の断片を提供する。これらの蛋白および断片は
他のアイメリア蛋白を実質的に含まない。本発明はさら
に、SDS−PAGEで測定して約30キロダルトンの
見掛け分子量を有し、かつ図1に示されるアミノ酸配列
を有する、前記アイメリアメロゾイト表面抗原の前駆体
蛋白から成る蛋白またはその断片を提供する。該前駆体
蛋白は他のアイメリア蛋白を実質的に含まない。
【0010】本発明の好適な蛋白は、図1に示されるア
ミノ酸配列を有するがN末端のシグナルペプチド配列
(このシグナルペプチド配列は図1に示される配列中の
最初の20個のアミノ酸から実質的に成る)を欠く成熟
アイメリアメロゾイト表面抗原蛋白である。本発明はま
た、前記蛋白の免疫学的性質を実質的に変えることなく
欠失、挿入または置換により前記アミノ酸配列と関連す
るアミノ酸配列を有するその機能的同等蛋白にも関す
る。
【0011】本発明はさらに、約23キロダルトンの見
掛け分子量を有するアイメリアメロゾイト表面抗原また
は先に述べたその前駆体蛋白の全部または一部をコード
するDNA、前記DNAを含有しかつ適合性の宿主生物
内で前記DNAの発現を指示しうる組み換えベクター、
およびかかるベクターを含有する微生物をも提供する。
【0012】本発明はさらに、約23キロダルトンの見
掛け分子量を有するアイメリアメロゾイト表面抗原の免
疫反応決定基および/または抗原決定基の1つまたはそ
れ以上を有する蛋白を生産する方法であって、(a)前
記蛋白をコードするヌクレオチド配列を有するDNA
(例えば、図1に示されるヌクレオチド配列を有するD
NA)またはその断片を含んでなる組み換えベクターを
含有する微生物を、該DNA配列または断片が発現され
る条件下で培養し;そして(b)この培養物から前記蛋
白を単離する、ことを含んで成る方法をも提供する。
【0013】本発明はさらに、本発明蛋白の1種または
それ以上の有効量および生理学的に許容しうる担体を含
有する、コクシジウム症から家禽を保護するためのワク
チンを提供する。本発明はさらに、本発明蛋白をコード
するDNA配列を含有しかつ該DNA配列を発現させる
ことができる組み換えウイルスおよび生理学的に許容し
うる担体を含有する、コクシジウム症から家禽を保護す
るためのワクチンをも提供する。
【0014】本発明はさらに、コクシジウム症にかかり
やすい若い家禽に有効量の本発明ワクチンを投与するこ
とから成る、コクシジウム症から家禽を保護する方法を
も提供する。本発明のアイメリア蛋白は、コクシジウム
症の原因生物に対して免疫を獲得した動物の血清に含ま
れる抗体を用いて同定されたので、重要なワクチン抗原
である。このために、これらの蛋白はコクシジウム症か
らの家禽の保護において重要な役割を演ずる可能性が高
い。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明は図面を参照することによ
って一層理解しやすくなるであろう。図1は、ウサギ由
来の抗体選別した抗体と免疫ニワトリ血清により認識さ
れるアイメリア前駆体蛋白をコードする1.2kbのc
DNA分子のヌクレオチド配列を示す。図1から分かる
とおり、該前駆体蛋白をコードするヌクレオチド配列は
ヌクレオチド68のATGとヌクレオチド668の停止
コドンTAAの間に含まれる(200個のアミノ酸をコ
ードする)。図1はまた提示されたヌクレオチド配列か
ら予測されるアイメリア前駆体蛋白のアミノ酸配列も示
す。ヌクレオチドおよびアミノ酸を表すのに標準一文字
略号が用いられる。これらの略号の意味は、Lehninger,
Principles of Biochemistry, 1984, Worth Publisher
s,Inc.,New York, p.96, 798 のような標準的な生化学
の書物に記載されている。
【0016】図2は、種々のアイメリアメロゾイト蛋白
のSDS−PAGE分析の結果を示す。パネルAは対照
(a)または抗体選別した抗体(b)を用いて検索した
全メロゾイト蛋白のイムノブロットである。パネルA中
の矢印は約23キロダルトンの分子量を有する蛋白を含
有するバンドの位置を示す。パネルBは対照(a)また
は抗体選別した抗体(b)で免疫沈降した125 −I−表
面標識メロゾイト蛋白のオートラジオグラムである。パ
ネルCはメロゾイトmRNAのインビトロ翻訳により作
製された生産物の完全混合物(a)、およびラムダ5−
7クローンを用いて選別した抗体(b)、抗メロゾイト
血清と反応性の蛋白を生産する別のファージクローンを
用いて選別した抗体(c)および非組み換えファージを
用いてメロゾイト血清から選別した対照抗体(d)を用
いて免疫沈降させた翻訳産物を示す。バンドはフルオロ
グラフィーにより可視化した。キロダルトン(kDa)
で示した分子量をもつ分子量マーカーの位置を図面の右
側に示す。
【0017】図3は、PvuII(レーン1)、Hin
cII(レーン2)、PstI(レーン3)、SphI
(レーン4)またはSacI(レーン5)を用いて消化
したアイメリア・テネラの胞子形成オーシストのゲノム
DNAのサザンブロット分析の結果を示す。kbで示し
た大きさをもつ標準DNAの位置を図面の右側に示す。
【0018】図4は、プラスミドpDS56/RBSI
Iの模式図を示す。この図および図6、8、10におい
て、略号および記号B、Bg、E、H、N、P、S、X
およびXbはそれぞれ制限酵素BamHI、BglI
I、EcoRI、HindIII、NcoI、Pst
I、SalI、XhoIおよびXbaIの切断位置を示
す。
【0019】
【化2】
【0020】図5は、プラスミドpDS56/RBSI
Iの全ヌクレオチド配列を示す。この配列には、図4で
示される制限酵素の認識配列が示してある。示したアミ
ノ酸配列はリボソーム結合部位RBSIIの支配下にあ
るオープン・リーディング・フレームを表す。図6は、
プラスミドpDS56/RBSII(−1)の模式図を
示す。
【0021】図7は、プラスミドpDS56/RBSI
I(−1)の全ヌクレオチド配列を示す。この配列に
は、図6に示される制限酵素の認識配列が示してある。
示したアミノ酸配列はリボソーム結合部位RBSII
(−1)の支配下にあるオープン・リーディング・フレ
ームを表す。図8は、プラスミドpDS56/RBSI
I(−2)の模式図を示す。
【0022】図9は、プラスミドpDS56/RBSI
I(−2)の全ヌクレオチド配列を示す。この配列に
は、図8に示される制限酵素の認識配列が示してある。
示したアミノ酸配列はリボソーム結合部位RBSII
(−2)の支配下にあるオープン・リーディング・フレ
ームを表す。図10は、プラスミドpDMI.1の模式
図を示す。
【0023】図11は、プラスミドpDMI.1の全ヌ
クレオチド配列を示す。この配列には、図10に示され
る制限酵素の認識配列が示してある。示したアミノ酸は
ネオマイシンホスホトランスフェラーゼ(MetからP
heまで)およびlac リプレッサー(MetからGln
まで;この遺伝子の逆方向に留意されたい)をコードす
るオープン・リーディング・フレームを包含する。
【0024】ここに引用したすべての文献は参照として
そのすべてがここにとり込まれるものとする。本明細書
中で用いられる以下の用語は次の意味をもつものとす
る:「アイメリア表面抗原」はアイメリア・テネラのメ
ロゾイト期に存在する、SDS−PAGEで測定して約
23キロダルトンの見掛け分子量を有する蛋白を意味す
る。この蛋白は図1に示されるヌクレオチド配列を有す
る遺伝子のインビボ発現産物の翻訳後プロセッシングに
より生成されると考えられる。
【0025】「前駆体蛋白」はSDS−PAGEで測定
して約30キロダルトンの見掛け分子量を有する蛋白を
意味する。この蛋白はインビボ蛋白分解によりアイメリ
ア表面抗原にプロセッシングされると考えられる。この
蛋白をコードするcDNA分子のヌクレオチド配列およ
びそれから予測されるアミノ酸配列を図1に示してあ
る。
【0026】「アイメリア表面抗原の免疫反応決定基お
よび/または抗原決定基の1つまたはそれ以上を有する
蛋白」という表現は、免疫学的にコンピテントな宿主生
物に免疫応答を惹起させることができおよび/または相
補的抗体に特異的に結合することができ、そして前記定
義したアイメリア表面抗原のエピトープに相当する領域
またはエピトープを1つまたはそれ以上有する蛋白を意
味する。前記蛋白は図1のヌクレオチド配列の機能的同
等物によりコードされうる。これらの機能的同等蛋白
は、免疫学的活性を実質的に変えない(すなわち、免疫
反応決定基および/または抗原決定基を実質的に破壊し
ない)アミノ酸置換により図1の配列と関連するアミノ
酸配列をもっている。
【0027】遺伝暗号の縮重ゆえに、図1に示されるア
ミノ酸配列をコードしうるヌクレオチド配列(機能的同
等物)は多数存在しうることが理解されよう。また、ベ
クターに挿入された本発明のDNA配列および断片のヌ
クレオチド配列は、かかる配列または断片を含有する組
み換えベクターが適当な宿主生物内でアイメリア表面抗
原の免疫反応決定基および/または抗原決定基の1つま
たはそれ以上を有する蛋白もしくは断片の生産を指示し
うる限り、実際の構造遺伝子の部分でないヌクレオチド
を包含しうることも理解されよう。
【0028】蛋白の生物学的および免疫学的活性を実質
的に変えないアミノ酸置換が起こることは知られてお
り、例えば Neurathら, “The Proteins", Academic Pr
ess, New York (1979) 、特に14頁の図6、に記載さ
れている。最もしばしば観察されるアミノ酸置換はAl
a/Ser、Val/Ile、Asp/Glu、Thr
/Ser、Ala/Gly、Ala/Thr、Ser/
Asn、Ala/Val、Ser/Gly、Tyr/P
he、Ala/Pro、Lys/Arg、Asp/As
n、Leu/Ile、Leu/Val、Ala/Gl
u、Asp/Gly、およびこれらの逆である。
【0029】本発明具体例のかかる機能的に同等なヌク
レオチド配列変更およびアミノ酸置換は、生成する蛋白
がここに定義されるアイメリア表面抗原の免疫反応決定
基および/または抗原決定基の1つまたはそれ以上を保
有する限り、本発明の範囲内にある。図1のアミノ酸配
列または置換により関係づけられたアミノ酸配列をコー
ドする他のDNA配列は、Morinagaら, Biotechnology
2:636 (1984) に記載されるように、本発明の例示cD
NA(図1)に対するプライマー指示部位特異的突然変
異誘発により、適当な合成オリゴヌクレオチドを用いて
簡単に作製することができる。
【0030】「断片」なる用語は本発明のcDNAまた
は蛋白の1つのサブ配列から成るオリゴヌクレオチドま
たはポリペプチドを意味する。かかる断片はDNAに対
しては制限エンドヌクレアーゼを、蛋白に対してはプロ
テアーゼを使って、より大きい分子を酵素的に切断する
ことにより生成できる。しかしながら、本発明の断片は
酵素切断産物に限定されず、末端が酵素切断点に一致し
ないサブ配列をも包含する。かかる断片は、例えば化学
合成により、ここに示した配列データを用いて作ること
ができる。また、DNA断片は単離したメッセンジャー
RNA(mRNA)から不完全な相補的DNA(cDN
A)合成により作ることもできる。蛋白断片はまたその
蛋白断片をコードするDNA断片を発現させることによ
っても作製できる。かかる蛋白断片は、それらが免疫反
応決定基および/または抗原決定基を構成するに足る数
のアミノ酸残基を含有する場合に、本発明において有用
でありうる。一般には、少なくとも約7個か8個の残基
が必要である。以下で説明するように、かかる断片を免
疫反応性となすためには、それらを免疫原性のあるキャ
リアー分子に結合させることが必要であるかもしれな
い。
【0031】本発明の蛋白は組み換えDNA技術、化学
合成またはアイメリア調製物からの単離のような当分野
で知られた方法により作ることができる。本発明蛋白を
作るために必要とされるDNAは、図1に示されるヌク
レオチド配列情報を用いて化学的に合成できよう。かか
る化学合成はMatteucci ら, J.Am.Chem.Soc. 103:3185
(1981) により開示されるホスホルアミダイト固形支持
体法のような任意の既知方法を用いて実施できる。
【0032】あるいはまた、cDNAはアイメリアmR
NAから作ることもできる。メッセンジャーRNAは標
準技法を使ってアイメリアメロゾイトから単離できる。
これらのmRNAサンプルを用いて、Maniatisら, Mole
cular Cloning: A Laboratory Manual, 1982, Cold Spr
ing Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, NY に記
載されるようにして二本鎖cDNAを作ることができ
る。このcDNAは次に、E.コリの形質転換に使用でき
る適当なクローニングベクターに挿入してcDNAライ
ブラリーを作製することができる。
【0033】cDNAライブラリーを次に本発明のクロ
ーン化遺伝子またはその断片をプローブとして用いてス
クリーニングすることができる。かかる遺伝子または断
片は、プローブとして使用するには、例えば4種類のデ
オキシリボヌクレオチド(これらのうちの1種はα位置
32Pを含有)の存在下にPol I DNAポリメラ
ーゼを用いてニック−トランスレーションすることによ
り放射性標識できる(Maniatisら, 前出 , p.109)。こ
れらプローブはまたアイメリア表面抗原のcDNAの既
知配列に基づくオリゴヌクレオチド合成によっても作製
できる。
【0034】以下の実施例ではmRNA源としてアイメ
リア・テネラを使用したが、この種からのクローン化遺
伝子は、様々な種間のDNA配列相同性ゆえに、他のア
イメリア種からの遺伝子を単離するためのプローブとし
て使用できる。本発明のアイメリアDNA配列は、ひと
たび同定されて単離されると、挿入した遺伝子配列の転
写および翻訳に必要な要素を含有する適当な発現ベヒク
ルに挿入される。有用なクローニングベヒクルは染色
体、非染色体および合成DNA配列のセグメントから成
ることができ、例えばいろいろな既知の細菌プラスミ
ド、ファージDNA、プラスミドとファージDNAの組
み合わせ(例.ファージDNAまたは他の発現制御配列
を用いるために修飾されたプラスミド)、もしくは酵母
プラスミドである。使用しうる詳細なクローニングベヒ
クルには、それらに制限されるわけではないが、pEV
−vrfプラスミド(pEV−vrf1、−2および−
3;Crowl ら, Gene 38:31 (1985) に記載されてい
る);SV40;アデノウイルス;酵母;ラムダgt−
WES−ラムダB;Charon 4A および 28 ;ラムダ−g
t−1−ラムダB;M13由来ベクター、例えばpUC
8、9、18および19、pBR313、322および
325;pAC105;pVA51;pACY177;
pKH47;pACYC184;pUB110;pMB
9;colE1;pSC101;pML21;RSF2
124;pCR1またはRP4;鶏痘ウイルス;ワクシ
ニアウイルス;ヘルペスウイルス群の一員、が包含され
る。
【0035】クローニングベクターへのアイメリア遺伝
子の挿入は、この遺伝子と所望のクローニングベヒクル
がともに同一の制限酵素で切断された場合、相補性DN
A末端が形成されるので、容易に達成される。これによ
り達成できない場合は、一本鎖DNAを消化して平滑末
端とするか、あるいは一本鎖末端を適当なDNAポリメ
ラーゼを用いて充填して同一の結果を得ることにより、
切断した末端を修飾することが必要であろう。この方法
では、T4 DNAリガーゼのような酵素による平滑末
端の連結を実施できる。あるいはまた、DNA末端にヌ
クレオチド配列(リンカー)を連結することにより所望
の任意の部位を生成させることもできる。かかるリンカ
ーは制限部位認識配列をコードする特定のオリゴヌクレ
オチド配列を含有しうる。また、切断したベクターおよ
びアイメリア遺伝子または断片は、Morrow Methods in
Enzymology 68:3 (1979) 〕に記載されるようにホモポ
リマーテイリングにより修飾することもできる。
【0036】本発明で使用できるクローニングベヒクル
の多くは、所望の形質転換体の選択に使用しうるマーカ
ー活性、例えばpBR322中のアンピシリンおよびテ
トラサイクリン耐性、pUC8中のアンピシリン耐性お
よびβ−ガラクトシダーゼ活性、並びにpEV−vrf
プラスミド中のアンピシリン耐性、の1種またはそれ以
上を含有する。かかるベクターが挿入された宿主細胞の
選択は、宿主細胞がそれ以外はベクターにより与えられ
る活性を欠く場合に非常に単純化される。
【0037】クローニングベヒクル中の選択された部位
に挿入されるアイメリア遺伝子のヌクレオチド配列は実
際の構造遺伝子の部分でないヌクレオチドを包含しうる
ことは理解されるべきである。また、その遺伝子は完全
な野生型遺伝子の部分のみを含んでいてもよい。必要と
されていることの全ては、クローニングベヒクルへ挿入
後の遺伝子断片がアイメリア表面抗原の免疫反応決定基
および/または抗原決定基を少なくとも1つ有するポリ
ペプチドまたは蛋白の適当な宿主生物内における生産を
指示できるということである。従って、本発明蛋白をコ
ードするヌクレオチド配列を有するDNAを含有する組
み換えベクターは、(a)前記蛋白をコードするヌクレ
オチド配列を有するDNAをベクターに挿入し;(b)
該ベクターを微生物内で複製させ;そして(c)その微
生物から組み換えベクターを単離することにより作製で
きる。
【0038】適切な宿主生物の選択は当分野で知られた
多くの要因に影響される。これらの要因には、例えば選
ばれたベクターとの適合性、ハイブリッドプラスミドに
よりコードされる蛋白の毒性、所望の蛋白の回収容易
性、発現特性、生物学的安全性、費用などが含まれる。
これらの要因のバランスが考慮されねばならず、また全
ての宿主が特定の組み換えDNA分子の発現に等しく効
果的というわけではないことも理解されねばならない。
【0039】本発明で使用しうる好適な宿主微生物に
は、それらに限定されるわけではないが、植物、哺乳類
または酵母細胞、および細菌例えばエシエリヒア・コリ
(Escherichia coli)、バチルス・スブチリス(Bacill
ussubtilis)、バチルス・ステアロサーモフィルス(Ba
cillus stearothermophilus )、アクチノミセス属(Ac
tinomyces )が包含される。エシエリヒア・コリMC1
061株〔Casadaban ら, J.Mol.Biol. 138:179 (1980)
に記載されている〕、またはプラスミドpRK248c
Itsを含有する他のE.コリK−12株が使用でき
る。他のE.コリK−12株に使用されるプラスミドp
RK248cItsは Bernhard ら Meth.of Enzymol.
68:482 (1979) 〕により記載されており、そしてアメ
リカン・タイプ・カルチャー・コレクションから寄託番
号ATCC33766の下に入手できる。E.コリMC
1061株は例えば CLONTECH Laboratories, Inc. (Pa
lo Alto, CA )から市販されており、またアメリカン・
タイプ・カルチャー・コレクションから寄託番号ATC
C53338の下に入手できる。E.コリM15株に用
いるプラスミドpDM1.1、pDS56/RBSI
I、−1または−2は以下で述べることにする。
【0040】宿主細胞への組み換えクローニングベクタ
ーの移入はいろいろな方法で実施できる。選択されたベ
クター/宿主細胞系に応じて、かかる移入は形質転換、
形質導入またはトランスフェクションにより行われう
る。ひとたびかかる修飾宿主細胞が作製されると、その
細胞を培養して、培養物から蛋白発現産物を単離でき
る。
【0041】アイメリア表面抗原の前駆体蛋白を生産す
る形質転換体クローンは、E.テネラのグルタルアルデ
ヒド固定スポロゾイトまたはメロゾイトに対して免疫し
た動物からの血清を用いてスクリーニングすることによ
り同定される。以下の実施例では、遺伝子産物のスクリ
ーニングおよび特性決定にウサギ抗メロゾイト血清が使
用された。免疫ニワトリ血清を用いる免疫学的スクリー
ニングを並行して行うと、メロゾイト表面抗原をコード
するcDNAが独立して単離された。
【0042】免疫学的スクリーニングまたは免疫沈降に
使用する抗血清の特異性は、HallらNature311:379 (198
4)〕の抗体選別法の変法を用いて高めることができる。
この方法では、以下で詳しく説明するが、クローンによ
り生産されたアイメリア蛋白に特異的な抗体がフィルタ
ーに吸着される。アイメリア抗原産生性クローンの検出
は、文献に記載されている免疫沈降、酵素結合イムノア
ッセイおよびラジオイムノアッセイ技法を含めた既知の
標準アッセイ法を用いて達成できる〔例えば、Kennetら
(編), Monoclonal Antibodiesand Hybridomas: A New
Dimension in Biological Analyses, 1980, Plenum Pre
ss, New York, p.376-384 を参照〕。
【0043】大量の組み換えアイメリア蛋白は、このよ
うにして得られた形質転換微生物を、必要な栄養素を含
有する醗酵ブロス中で組み換えDNAの発現に適した条
件下に増殖させることにより生産できる。E.コリによ
り生産される場合、組み換えアイメリア蛋白は細胞質の
中または封入体の中に存在する。従って、この蛋白を遊
離させるためには、細菌の外層膜を破壊する必要があ
る。これは超音波処理によるか、あるいは他の機械的破
壊手段、例えばフレンチ加圧型セルまたはガウリンホモ
ジナイザーを用いて達成できる〔Charm ら, Meth.Enzym
ol. 22, 476-556(1971)〕。
【0044】細胞破壊は化学的もしくは酵素的手段によ
っても達成できる。2価カチオンはしばしば細胞膜の保
全に必要とされるので、EDTAまたはEGTAのよう
な適当なキレート化剤での処理は細胞からの蛋白の漏出
を促進させるに充分に破壊的であることが判明しよう。
同様に、リゾチームのような酵素も同じ結果を得るため
に使用されている。この酵素は細胞壁のペプチドグリカ
ン主鎖を加水分解する。
【0045】さらに、浸透ショック法の適用も採用でき
る。簡単に説明すると、これは初めに細胞を高張溶液
(細胞から水を失わせ、収縮させる)の中に入れ、その
後低張“ショック”溶液の中に入れて、細胞への急激な
水の流入を起こさせ、所望の蛋白を放出させることによ
り達成される。ひとたび細胞から遊離されると、アイメ
リア蛋白は硫酸ナトリウムまたはアンモニウムのような
塩による沈殿、限外濾過または当分野でよく知られた他
の方法により濃縮できる。更なる精製は、ゲル濾過、イ
オン交換クロマトグラフィー、分離用ディスク−ゲル、
カーテン電気泳動、等電点電気泳動、低温有機溶剤分画
化、または向流分配を含めた慣用の蛋白精製技法により
達成できようがそれらに限定されるわけではない。精製
はイムノアフィニティークロマトグラフィーによっても
行うことができる。
【0046】生物からアイメリア蛋白を精製するための
詳細な方法は当分野で知られている。例えば、Newmanら
の欧州特許出願公開第164176号を参照されたい。
本発明の蛋白またはその断片は独占的固相合成、部分的
固相法、断片縮合または古典的溶液合成のような適当な
方法により化学的に合成することもできる。Merrifield
J.Am.Chem.Soc. 85:2149 (1963) 〕記載の固相合成が
好適である。
【0047】かかる合成はα−アミノ末端で保護された
アミノ酸を用いて実施される。不安定な側鎖をもつ三官
能性アミノ酸も、ペプチド製造中にその部位で化学反応
が起こるのを阻止する適当な基で保護される。α−アミ
ノ保護基はアミノ末端で後続の反応を行わせるために選
択的に除去される。α−アミノ保護基の除去条件は側鎖
保護基の除去を引き起こさないものである。
【0048】α−アミノ保護基は段階的ペプチド合成の
分野において有用であることが知られているものであ
る。アシル型保護基(例.ホルミル、トリフルオロアセ
チル、アセチル)、芳香族ウレタン型保護基(例.ベン
ジルオキシカルボニル(Cbz)、置換ベンジルオキシ
カルボニル)、脂肪族ウレタン保護基(例.t−ブチル
オキシカルボニル(Boc)、イソプロピルオキシカル
ボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル)およびアル
キル型保護基(例.ベンジル、トリフェニルメチル)が
包含される。好適な保護基はBocである。Tyrのた
めの側鎖保護基にはテトラヒドロピラニル、t−ブチ
ル、トリチル、ベンジル、Cbz、4−Br−Cbzお
よび2,6−ジクロロベンジルが包含される。Tyrの
好適な側鎖保護基は2,6−ジクロロベンジルである。
Aspのための側鎖保護基にはベンジル、2,6−ジク
ロロベンジル、メチル、エチルおよびシクロヘキシルが
包含される。Aspの好適な側鎖保護基はシクロヘキシ
ルである。ThrおよびSerのための側鎖保護基には
アセチル、ベンゾイル、トリチル、テトラヒドロピラニ
ル、ベンジル、2,6−ジクロロベンジルおよびCbz
が包含される。ThrおよびSerの好適な側鎖保護基
はベンジルである。Argのための側鎖保護基にはニト
ロ、Tos、Cbz、アダマンチルオキシカルボニルま
たはBocが包含される。Argの好適な保護基はTo
sである。Lysの側鎖アミノ基はCbz、2−Cl−
Cbz、TosまたはBocで保護することができる。
2−Cl−Cbz基がLysの好適な保護基である。側
鎖保護基の選択は下記のことに基づいている:すなわ
ち、側鎖保護基はカップリングの期間中無傷で残存しそ
してアミノ末端保護基の脱保護期間中またはカップリン
グ条件期間中には切断されない。側鎖保護基は最終ペプ
チドの合成が完了すると、その標的ペプチドを変更しな
い反応条件を用いて除去できねばならない。
【0049】固相合成は通常α−アミノ保護(側鎖保
護)アミノ酸を適当な固形支持体にカップリングさせる
ことによりカルボキシ末端から実施される。クロロメチ
ル化またはヒドロキシメチル樹脂に結合させる場合はエ
ステル結合が形成され、生成する標的ペプチドはC末端
に遊離のカルボキシル基を有しよう。あるいはまた、ベ
ンズヒドリルアミンまたはp−メチルベンズヒドリルア
ミン樹脂が用いられる場合は、アミド結合が形成され、
生成する標的ペプチドはC末端にカルボキサミド基を有
しよう。これらの樹脂は市販されており、それらの製法
は Stewartら, “Solid Phase Peptide Synthesis"
(第2版、Pierce Chemical Co., Rockford,IL., 198
4)に記載されている。
【0050】側鎖をTosで、そしてα−アミノ官能基
をBocで保護したC末端アミノ酸Argは、ジシクロ
ヘキシルカルボジイミド(DCC)、N,N’−ジイソ
プロピルカルボジイミドおよびカルボニルジイミダゾー
ルを含めた種々の活性化剤を用いて、ベンズヒドリルア
ミン樹脂にカップリングさせる。樹脂支持体に結合後、
α−アミノ保護基を0−25°Cの温度でジオキサン中
のトリフルオロ酢酸(TFA)またはHClを用いて除
去する。起こりうるS−アルキル化を抑制するためにメ
チオニン(Met)の導入後にジメチルスルフィドをT
FAに加える。α−アミノ保護基の除去後、残りの保護
アミノ酸を必要な順序で逐次カップリングさせて所望の
ペプチド配列を得る。
【0051】カップリング反応には、DDC、N,N’
−ジイソプロピルカルボジイミド、ベンゾトリアゾール
−1−イル−オキシ−トリス−(ジメチルアミノ)−ホ
スホニウムヘキサフルオロホスフェート(BOP)およ
びDCC−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)
を含む種々の活性化剤を使用できる。それぞれの保護ア
ミノ酸は過剰量(>2.5当量)で使用され、カップリ
ングは通常DMF、CH2 Cl2 またはそれらの混合
物中で実施される。カップリング反応の完結の程度は、
Kaiserら Anal.Biochem. 34:595 (1970)〕により記載
されたニンヒドリン反応により各段階で監視される。不
完全なカップリングが判明した場合は、そのカップリン
グ反応を繰り返す。カップリング反応は Vega 250 ,Ap
plied Biosystems シンセサイザーまたは他の市販の装
置を用いて自動的に行うことができる。標的ペプチドの
全合成後、ペプチド−樹脂をTFA/ジチオエタンを用
いて脱保護し、次にペプチドを樹脂から切断しかつ全て
の側鎖保護基を除去する液体HFのような試薬を用いて
0°Cで1−2時間処理する。
【0052】固形支持体上での側鎖−側鎖環化は、酸性
アミノ酸(例.Asp)および塩基性アミノ酸(例.L
ys)の側鎖官能基の選択的開裂を可能にするオルソゴ
ナル・プロテクション・スキーム(orthogonal protect
ion scheme)の使用を必要とする。Aspの側鎖のため
の9−フルオレニルメチル(OFm)保護基およびLy
sの側鎖のための9−フルオレニルメトキシカルボニル
(Fmoc)保護基がこの目的に使用できる。これらの
場合、Boc−保護ペプチド−樹脂の側鎖保護基はDM
F中のピペリジンを用いて選択的に除去できる。環化は
DCC、DCC/HOBtまたはBOPを含む種々の活
性化剤を用いて固形支持体上で達成される。HF反応が
先に述べたようにして環化ペプチド−樹脂に対して実施
される。
【0053】合成蛋白の精製は組み換え法により生産さ
れた蛋白について前記したようにして実施できる。アイ
メリア蛋白はさらに、生物から、膜蛋白の抽出物から回
収することもできる。かかる方法により完全な野生型蛋
白が生産がてきる。この目的に用いられるモノクローナ
ル抗体は、合成または天然のアイメリア蛋白を抗原とし
て用いて、Kohler および Milstein Nature 256:49
5 (1975)〕に記載されるようにして作製することができ
る。これらの方法は本発明の23kdアイメリア表面抗
原を精製するのに使用できる。
【0054】本発明のアイメリア蛋白の1種またはそれ
以上を、この蛋白と生理学的に許容しうる担体とを含有
するワクチンに製剤化できる。好適な担体には例えば中
性pHの0.01−0.1Mリン酸塩緩衝液または生理
食塩液が含有される。コクシジウム症に対する免疫は2
通りの方法の1つを用いて増強しうる。第一の方法で
は、ワクチンにアジュバントまたは免疫強化剤を添加で
きる。第二の方法 では、本発明の蛋白をより大きい形
態で、架橋複合体としてまたはキャリアー分子に結合さ
せた形態のいずれかで、免疫しようとする動物に投与で
きる。
【0055】動物のワクチン接種に適するアジュバント
には、それらに限定されるわけではないが、アジュバン
ト65(ピーナッツ油、マンニドモノオレエートおよび
アルミニウムモノステアレートを含有);無機物ゲル
(例.水酸化アルミニウム、リン酸アルミニウム、ミョ
ウバン);界面活性剤(例.ヘキサデシルアミン、オク
タデシルアミン、リソレシチン、ジメチルジオクタデシ
ルアンモニウムブロミド、N,N−ジオクタデシル−
N’,N’−ビス(2−ヒドロキシメチル)プロパンジ
アミン、メトキシヘキサデシルグリセロール、プルロニ
ックポリオール);ポリアニオン類(例.ピラン、デキ
ストラン硫酸、ポリIC、ポリアクリル酸、カルボポー
ル);ペプチド(例.ムラミルジペプチド、ジメチルグ
リシン、タフトシン);および油エマルジョンが包含さ
れる。本発明蛋白はまた、リポソームまたは他のマイク
ロキャリアー内に封入させた後で投与することもでき
る。
【0056】リポソームまたは他のマイクロキャリアー
への封入は、ワクチンの放出を長時間にわたり持続でき
る手段を提供する。Alza浸透ポンプのようなポンプがこ
の目的に使用できよう。本発明の蛋白(特に、比較的小
さい断片)の免疫原性は、架橋することにより、あるい
は免疫原性キャリアー分子(すなわち、宿主動物に免疫
応答を独立して惹起させる性質を有する巨大分子;この
分子に本発明の蛋白および蛋白断片が共有結合できる)
に結合させることにより増強できる。架橋またはキャリ
アー分子への接合は、小さな蛋白断片が時々ハプテン
(抗体と特異的に結合できるが、抗体生産を惹起できな
い分子;すなわち、それらは免疫原性がない)として作
用するので必要でありうる。免疫原性キャリアー分子へ
のかかる断片の接合によりその断片に免疫原性が付与さ
れ、このことは一般に「キャリアー効果」として知られ
ている。
【0057】適当なキャリアー分子には例えばポリペプ
チド、多糖類、リポ多糖類等のような蛋白および天然ま
たは合成高分子化合物が包含される。有用なキャリアー
はQuil Aと呼ばれるグリコシドであり、これは Morein
ら Nature 308:457 (1984)に記載されている。キーホ
ールリンペット(keyhole limpet)ヘモシアニン、ヒト
またはウシγ−グロブリン、ヒト、ウシまたはウサギ血
清アルブミン、もしくはかかる蛋白のメチル化または他
の誘導体のような哺乳類血清蛋白を含めた蛋白キャリア
ー分子が特に好適であるが、それらに限定されない。他
の蛋白キャリアーは当分野で習熟した者にとって明白で
あろう。必ずそうというわけではないが蛋白キャリアー
はアイメリア蛋白に対する抗体を惹起させる予定の宿主
動物に異種のものであるのが好ましい。
【0058】キャリアー分子への共有結合は当分野でよ
く知られた方法を用いて実施でき、その厳密な選択は用
いるキャリアー分子の性質に左右されよう。免疫原性キ
ャリアー分子が蛋白である場合、本発明の蛋白または断
片は、例えばジシクロヘキシルカルボジイミドのような
水溶性カルボジイミド類またはグルタルアルデヒドを用
いて結合させることができる。
【0059】このようなカップリング剤はまた、別のキ
ャリアー分子を使用せずに、蛋白および断片をそれら自
体に架橋するためにも使用できる。蛋白または蛋白断片
の集合体をもたらすこのような架橋も免疫原性を高める
ことができる。有効量の本発明ワクチンの投与により
E.テネラによる感染から家禽を保護することができ
る。E.テネラ抗原に対するモノクローナル抗体は イ
ンビトロでE.アセルブリナ(E.acervulina)および
E.マキシマ(E.maxima)と交差反応し、このことはこ
れらの種に対しても防御が賦与されうることを示してい
る。本発明蛋白または蛋白断片の有効量は約5−50μ
g/kg(ワクチン接種動物の体重)の範囲である。約
25−50μg/kgの量が好適である。最初のワクチ
ン接種に続いて、1週間ないし数週間後に追加免疫接種
が行われるのが好ましい。追加免疫は複数回投与でき
る。かかる追加免疫量は一般に約5−50μg/kg、
好ましくは約20−50μg/kgである。投与経路は
皮下、皮内、筋肉内、経口、肛門または卵内投与のよう
な標準経路が使用できる。
【0060】また、家禽の免疫系への本発明コクシジウ
ム抗原の投与は、その抗原をコードする遺伝子を細菌
(例.E.コリ、サルモネラ)またはウイルス(例.ポ
ックスウイルス、ヘルペスウイルス)にクローニング
し、その生きたベクター系を、または適宜にその不活化
形態を家禽に経口的に、注射により、あるいは他の常用
される経路により投与することによっても達成できる。
Carbitら Vaccines, 1987, Cold Spring Harbor Labor
atory, p.68-71 はE.コリの使用を記載し、一方Clem
ents Pathol.Immunopathol.Res. 6:137 (1987)〕はサ
ルモネラの使用を記載している。Mossら Ann.Rev.Immu
nol.5:305 (1987)〕は組み換えポックスウイルスを使用
するウイルスベクター系の使用を概説している。
【0061】ポックスウイルスの1種であるワクシニア
ウイルスは細胞培養物および動物へのコクシジウム抗原
の付与を試験するために使用できる。分析試験には、ワ
クシニアウイルスは鶏痘ウイルス(使用できるもう一つ
のポックスウイルスキャリアー)よりも効果的であるこ
とが判明している。これはワクシニアウイルスがトリウ
イルスより速やかに増殖し、そしてニワトリ細胞に制限
されない宿主領域を有するためである。大量の異種DN
Aを、ウイルスの成熟および感染力を妨げずにワクシニ
アウイルスゲノムに挿入することが可能である〔Smith
ら, Gene 25:21(1983) 〕。ウイルスを用いた、多重異
種遺伝子の挿入および発現は、感染動物に発現抗原に対
する抗体の産生を誘起させる〔Perkusら, Science 22
9:981 (1985) 〕。
【0062】組み換えワクシニアウイルスの作製に使用
される技術は、ルーチン法によって鶏痘ウイルスやヘル
ペスウイルス系に容易に適合させることができる。本発
明蛋白をコードするヌクレオチド配列を有するDNAを
含有するむ組み換えウイルスは、(a)前記蛋白をコー
ドするヌクレオチド配列を有するDNAを、ウイルスの
成熟および感染力を阻害することなくウイルスゲノムに
挿入し;(b)該組み換えウイルスを細胞培養物内で増
幅させ;そして(c)培地から組み換えウイルスを精製
することにより作製できる。
【0063】コクシジウム症に対するワクチンにおいて
組み換えウイルスをキャリアーとして使用することは、
ワクチン接種した家禽がコクシジウム抗原とウイルスキ
ャリアーの両方に対して免疫を獲得する(すなわち、こ
のようなワクチンは二価である)という点で特に有利で
ある。かかるワクチンの有用性はキャリアーウイルスに
別の遺伝子を挿入することによってさらに増強できる。
例えば、ニューカッスル病ウイルスゲノムの一部をコク
シジウム抗原遺伝子と共に鶏痘ウイルスに挿入すること
ができ、これにより単一のワクチンを用いてニューカッ
スル病、コクシジウム症および鶏痘の全てに対する免疫
を賦与することができる。
【0064】本発明のベクター生ワクチンの投与は当分
野でよく知られた多数の方法によって行いうる。例え
ば、鶏痘ウイルスに対して家禽を予防接種するのに普通
に用いられる“スティック(stick )”法を使用するこ
とができる。この方法はワクチンに浸した鋭利な針で翼
の飛膜(wing web)の皮膚を突いたり刺したりすること
から成っている。この針は通常ミシン針のように先端付
近に1滴のワクチンを保持する穴がついている。あるい
はまた、生ワクチンは翼の飛膜または任意の他の部位に
皮下もしくは皮内注射することもできる。
【0065】さらに、組み換えベクター生ワクチンは飲
み水に加えてもよく、それどころかワクチン接種しよう
とするニワトリにスプレーしてもよい。それらはまた、
好ましくは保護カプセル封入後に〔Balancouら, Nature
322:373 (1986)〕餌の中に、あるいは卵の中に投与する
こともできる。後者の方法では、ウイルスワクチンがニ
ワトリの胚に直接注入される〔Sharma, Avian Dis. 25:
1155 (1985) 〕。
【0066】
【実施例】ここに引用した文献はすべて参照としてその
全てがここにとり込まれるものとする。特に指定しない
限り、固体混合物中の固体、液体中の液体、および液体
中の固体について以下に示す百分率はそれぞれ wt/wt、
vol/vol および wt/vol 基準である。メロゾイトの精製 E.テネラのメロゾイトは、鳥一羽あたり50,000
個の上記胞子形成オーシストを感染させた5日後に、5
0羽の感染ニワトリ(生後3週間、Hubbard Cross;Avia
n Services, Frenchtown, NJ)の盲腸から収穫した。他
の起源の同様のニワトリを使用してもよい。盲腸を取り
出し、リン酸緩衝食塩水(PBS)を用いて磁気攪拌機
上で15分間洗浄した。低速遠心(50 x g)により上
皮細胞破片を部分的に除き、そして粗製メロゾイトを
2,000 x g,4°Cで10分間遠心して回収した。
ペレットを Lysing 緩衝液(8.29g/l NH4
Cl、0.372g/l Na2 EDTA、1.0g
/l KHCO3 、pH7.6)に懸濁し、氷上で3
0分間インキュベートした。メロゾイトを遠心により集
め、PBSで1回洗浄し、そして分液漏斗中にスパンナ
イロン繊維(Scrub Nylon Fiber, Fenwall Laboratorie
s, Deerfield, IL)1.0gを含有するカラムに通し
た。メロゾイトを前のように遠心により集め、そしてR
NA単離のためにドライアイス上で凍結するか、あるい
はウェスタンブロット分析のためにジエチルアミノエチ
ルセルロース(DEAE,Whatman DE52, Whatman Bio
Systems, Inc., Clifton, NJ)でさらに精製した。
【0067】DEAEセルロースでの精製には、約1x
109 個のメロゾイトをPBS中で10mlベッドボリュ
ームのカラムにかけ、PBSで溶離した。メロゾイトは
最初の100mlの通り抜け画分中に回収され、実質的に
赤血球および他の細胞破片を含んでいなかった。 125 I−標識表面蛋白の免疫沈降 精製したメロゾイトの表面蛋白をIODOGEN法(Pi
erce Chemical Co. )によるか、またはIODOBEA
DS(Pierce Chemical Co. )の使用により12 5 Iで標
識した。後者の方法では、4つのIODOBEADSを
0.2Mリン酸ナトリウム,pH7.5で3回洗浄し、
1−3mCiの125 I−Naを加え、そして室温で5分
間インキュベートした。この反応バイアルに200μl
のPBS,pH7.0中の精製メロゾイト(3x10
8 )を加え、インキュベーションを15分間続けた。イ
ンキュベーションの終わりに、フェニルメタンスルホニ
ルフルオライド(PMSF)を最終濃度5mMとなるま
で加えた。
【0068】標識したメロゾイトを12,000xgで
30秒遠心することによりインキュベーション混合物か
ら回収し、そしてPBS,pH7.0中の2%ドデシル
硫酸ナトリウム(SDS)または1%トリトンX−10
0のいずれかの1ml中に可溶化した。不溶物質は12,
000xgで3分間遠心して除いた。可溶蛋白を3,5
00分子量カットオフメンブランを用いて4°Cで3リ
ットルのPBS,pH7.0で透析して、残留する遊離
125 Iを除去した。125 I−標識蛋白(一般に約1.
5x108 cpmが蛋白に組み込まれる)を使用時まで
4°Cで貯蔵した。TCA沈殿可能な放射能は一般に全
放射能の95%を越えていた。
【0069】グルタルアルデヒド固定メロゾイトに対す
るウサギ抗血清は次のようにして調製した:約1x10
9 個の精製メロゾイトをPBS中の1%グルタルアルデ
ヒドに懸濁し、そして室温で5分間インキュベートし
た。固定された寄生虫は2000xgで5分間遠心する
ことにより回収し、PBSで3回洗浄し、そして1mlの
PBS中に再懸濁した。ニュージーランド白ウサギの背
中の皮膚に0.5mlの完全フロインドアジュバントで乳
化した固定寄生虫溶液を数回皮内注射して合計0.5ml
を投与した。これらのウサギに2週間の間隔をおいて不
完全フロインドアジュバント中に同一の寄生虫蛋白を含
有する追加免疫注射を2回与えた。最後の追加免疫の2
週間後に耳の静脈から採血し、凝固した血液サンプルを
2500xgで15分間遠心することにより抗体含有血
清を得た。
【0070】免疫沈降用の標識蛋白のサンプル(5μ
l、5x105 cpm含有)を100μlのIP緩衝液
(0.25%NP−40、20mMトリス−HCl,p
H7.5、0.15M NaCl)中に希釈し、5μg
の Staph-A蛋白(Pansorbin (登録商標), Calbiochem
Corp., San Diego, CA )と共に氷上で20分間インキ
ュベートすることにより予め清澄化し、そして5−10
μlのウサギ抗メロゾイト血清と4°Cで数時間インキ
ュベートした。抗体複合体を5μgの Staph-A蛋白と氷
上で20分間2回目のインキュベーションを行って集
め、Eppendorf 遠心機で15秒間遠心した。このペレッ
トをIP緩衝液で4回洗い、そして抗体試薬により免疫
沈降し標識蛋白をSDSゲルサンプル緩衝液(65mM
トリス,pH6.8、0.5%SDS、5%β−メルカ
プトエタノール、10%グリセロール、0.1%ブロモ
フェノールブルー)中100°Cで5分間加熱すること
により複合体から溶離した。SDS−PAGEは Laemm
li Nature 227:680 (1970) 〕に記載のようにして実施
した。
【0071】ウサギ抗血清で得られた結果は以下のよう
に調製した免疫ニワトリ血清を用いて確認された:ニワ
トリをE.テネラの生存胞子形成オーシストを繰り返し
感染させることにより免疫した(100,000オーシ
スト、2週間の間隔で3回与えた)。血液を心臓穿刺に
より採取し、抗体含有血清を2500xgで5分遠心し
たのち凝固細胞破片から分離した。
【0072】抗メロゾイトウサギ血清および免疫ニワト
リ血清を用いて(1)125 I−表面−標識アイメリアメ
ロゾイト蛋白および、(2)ポリ(A)含有メロゾイト
RNAのインビトロ翻訳産物を免疫沈降させる比較実験
を行った。次に、沈殿した蛋白をSDS−PAGEにか
け、標準フルオログラフィー技法および試薬を用いるフ
ルオログラフィーにより可視化した。
【0073】これらの実験により、両方の起源からの多
数の蛋白が両方の血清によって沈降されることが判明し
た。従って、どちらの血清もアイメリア蛋白を発現する
遺伝子組み換え体をスクリーニングするのに使用できよ
う。便宜上、以下で説明するスクリーニング法では最初
にウサギ抗メロゾイト血清が使用された。しかしなが
ら、以下に記載するcDNAライブラリーの平行スクリ
ーニングでは免疫ニワトリ血清が使用された。これは、
ニワトリ血清のみが生存生物でのチャレンジに応答して
生産されたので、伝染性生物に対する免疫応答に重要な
役割を果たすと思われる蛋白の同定に必要不可欠であっ
た。免疫したニワトリだけが明らかにこのような生物に
抵抗を示した。
【0074】アイメリア蛋白に対するウサギ抗メロゾイ
ト血清の特異性を増強するために、Hallら, 前出、によ
り実質的に記載された抗体選別(antibody select )を
この血清に対して実施した。簡単に説明すると、組み換
えファージクローン(以下参照)により発現された前駆
体蛋白に特異な抗体が次のようにしてウサギ抗メロゾイ
ト血清から精製された。
【0075】陽性ファージを高密度にまき、42°Cで
3.5時間増殖させた。融合蛋白の発現はこのプレート
に10mMイソプロピルチオガラクトシド(IPTG)
を飽和させたニトロセルロースフィルターを重層するこ
とにより誘導し、インキュベーションを37°Cで6−
8時間続けた。抗原負荷フィルターをTBS(20mM
トリスHCl,pH8.0、150mM NaCl)で
洗浄し、過剰の抗メロゾイト血清(E・コリ宿主細菌を
用いて予め吸収させたもの)と4°Cで8−10時間イ
ンキュベートした。このフィルターをTBSで3回洗浄
して非特異的抗体を除去した。
【0076】フィルター上で融合蛋白に特異的に結合し
た抗体を0.1Mグリシン,pH2.6、0.15M
NaClの2.0mlので溶離した(20°Cで15
分)。溶離された抗体を直ちに同量の0.1MトリスH
Cl,pH8.0で中和した。選別した抗体(以後“抗
体選別した抗体”と呼ぶ)を次に表面標識メロゾイトま
たは インビトロ 翻訳産物の免疫沈降に、あるいは全
メロゾイト蛋白のウェスタンブロットにおけるプローブ
として使用した。対照血清は抗体選別法において非組み
換えファージを用いて調製した。
【0077】抗体選別した抗体を用いたウェスタンブロ
ットおよび免疫沈降分析の結果は図2に示してある。標
識蛋白の免疫沈降産物は Bonner ら Eur.J.Biochem, 4
6:83(1974) 〕に記載されるフルオログラフィーにより
可視化した。図面の右側の数字はキロダルトンで示した
大きさの分子量マーカー蛋白の位置を示す。図2のパネ
ルAは対照(a)または抗体選別した抗体(b)を用い
て検索した全メロゾイト蛋白のイムノブロットである。
パネルBは対照(a)または抗体選別した抗体(b)で
免疫沈降し125 −I−表面標識メロゾイト蛋白を示す。メロゾイトmRNAの単離および インビトロ 翻訳 1x109 −1x1010の生物を含有する凍結メロゾイ
トペレットを1mMジチオトレイトール(DTT)およ
び300単位のRNasin(Promega Biotec, Madiso
n, WI )を含有する10mlのTEL/SDS緩衝液
(0.2MトリスHCl、0.1M LiCl、25m
M EDTA、1%(w/v)ドデシル硫酸ナトリウム
(SDS)、pH8.8)中で解凍し、そしてテフロン
被覆組織ホモジナイザーを使って10−12ストローク
でホモジナイズした。不溶性破片を3,000xgで低
温で遠心して分離した。上清をTEL緩衝液で平衡化し
たフェノール:クロロホルム:イソアミルアルコール
(24:24:1,v/v)を用いて2回抽出した。
【0078】水相を100mg/mlのプロテイナーゼK
を用いて37°Cで30分消化し、等容量のフェノー
ル:クロロホルム(1:1)で再抽出しそして核酸を2
倍容量のエタノールを用いてドライアイス上で1時間、
または−20°Cで一晩沈殿させた。10,000xg
で1時間遠心後、ペレットをTE(10mMトリス,p
H7.5、2mM EDTA)に再懸濁し、4mlのCs
Cl層(5.7M CsCl、0.1M EDTA)を
通して150,000xg,15°Cで20時間遠心し
た。RNAペレットを2.5倍容量のエタノールを用い
て0.2M酢酸カリウムから再沈殿させた。この全RN
Aを、Maniatis, 前出、 p.197に記載されるようにし
て、オリゴ−dTセルロースに一回通してポリ(A)+
RNAを濃縮した。5x109 メロゾイトからの全RN
A1.9mgの一般的収量は約20μgのポリ(A)+
RNAを含んでいた。
【0079】0.1−0.5μgのmRNAを用い、反
応混合物20μlあたり10−20μCiの35S−メチ
オニンを補添したヌクレアーゼ処理ウサギ網状赤血球溶
解物(Amersham Corp., Arlington Heigths, IL または
Promega Biotec )中で インビトロ 蛋白合成を計画
した。インビトロ翻訳産物は先に述べたように免疫沈降
に続くSDS−PAGEにより分析し、フルオログラフ
ィーにより可視化した。これらの結果は図2、パネルC
に示してある。
【0080】パネルCのレーンaは、ポリ(A)含有メ
ロゾイトRNAにより計画された産物の完全な混合物を
示す。レーンb、cおよびdは、それぞれラムダ5−7
と命名された組み換えファージクローン(以下参照;こ
のクローンはアイメリア前駆体蛋白をコードする遺伝子
を発現する)、抗メロゾイト血清と反応する別のファー
ジクローン、および非組み換えラムダgt11クローン
により選択された抗体により免疫沈降された翻訳産物を
示す。
【0081】図2、パネルCのレーンaおよびcには、
約30キロダルトンの見掛け分子量をもつ主要蛋白が見
られることに注意すべきである。この蛋白は抗体選別し
た抗体により検索された全メロゾイト蛋白を含有するレ
ーン(パネルA、レーンb)には存在しないが、このゲ
ルには23キロダルトンバンドが見られる(パネルA、
レーンb、矢印)。この23キロダルトン蛋白はまた図
2、パネルB、レーンbに示されるように125 I−標識
メロゾイト蛋白から抗体選別した抗体によっても免疫沈
降された。これらの観察を合わせると、30キロダルト
ン前駆体蛋白が成熟メロゾイト中で蛋白分解的切断によ
り23キロダルトン表面抗原にプロセッシングされうる
ことを示唆している。メロゾイトcDNA発現ライブラリーの作製 二本鎖cDNAは6μgのメロゾイトポリ(A)+ RN
Aから、Gublerら, Gene25:263 (1983) に記載されるよ
うにして、オリゴ(dT)プライマーから伸長させるた
めの逆転写酵素(BRL,Gaithersburg, MD) 並びに相
補鎖を合成するためのRNase H(BRL)および
E.コリDNAポリメラーゼI(New England Biolabs,
Beverly, MA)を用いて合成した。次に、二本鎖cDN
AはT4DNAポリメラーゼ(BRL)を用いて平滑末
端となし、製造者のプロトコールに従ってEcoRIメ
チラーゼ(New England Biolabs )で処理した後Eco
RIリンカー(GGAATTCC,Collaborative Rese
arch Inc., Bedford, MA)を付加した。
【0082】EcoRIで消化後、下記の Huynhらによ
り記載されるようにして、cDNAをバイオゲルA−5
0Mで分画化して過剰のリンカー分子と約300bpよ
り小さいcDNAを除去した。次にこのcDNAをエタ
ノール沈殿によって濃縮した。ライブラリーは D.Glove
r (編), DNA Cloning Vol.I: A Practical Approach,
1985, IRL Press, Washington,D.C., p.49-78 中で Huy
nhらにより記載されるようにしてλgt11(Stratage
ne Cloning Systems, San Diego, CA )中に作製した。
EcoRI cDNA断片を、EcoRI消化した脱リ
ン酸化λgt11アーム(Stratagene Cloning System
s)に連結し、そして生成するDNAを製造者のプロト
コールに従って Gigapack (登録商標)キット(Strata
gene Cloning Systems)を使ってファージにパッケージ
ングした。
【0083】生成したライブラリーをY1088宿主細
胞にまいて増幅させた。組み換え体の百分率は、イソプ
ロピルチオガラクトシド(IPTG,Sigma Chemical C
o.)の存在下にX−galプレート(Maniatis, 前出,
p.24 )上で青色プラーク対無色プラークの比から、約
90%であると概算された。cDNAライブラリーの免疫学的スクリーニング λgt11メロゾイトcDNA発現ライブラリーを、約
10000プラーク/150mmプレートの密度でY1
090細胞にまいた。かかるプレート6個を42°Cで
3.5時間インキュベートし、10mM IPTGに予
め浸したニトロセルロースフィルターを重層してβ−ガ
ラクトシダーゼ融合蛋白の発現を誘導し、そして37°
Cでさらに4−5時間ないし一晩インキュベートした。
フィルターをプレートからとり出し、TBS(20mM
トリスHCl,pH8.0、0.15M NaCl)で
数回バッチ洗浄した。非特異的蛋白結合部位は20%ウ
シ胎児血清(FCS)を含有するTBS中で室温にて1
時間インキュベートすることにより遮断した。
【0084】次にフィルターを、Y1090細胞を用い
て予め吸着させたウサギ抗メロゾイト血清と共に、20
%ウシ血清を含有するTBS中1:100の希釈度で1
時間インキュベートした。非特異的抗体はTBSでの連
続洗浄(このうちの1回は0.1%NP−40を含有)
で除去した。この、フィルターをヤギ抗ウサギペルオキ
シダーゼ接合体(BioRad, Richmond, CA)と共にウシ血
清含有TBS中1:1000の希釈度で室温にて1時間
インキュベートした。4−クロロ−1−ナフトール(Bi
oRad)を用いて製造者の説明書に従い発色反応を起こさ
せた。
【0085】免疫ニワトリからの血清もスクリーニング
に使用した。この血清はY1090細胞を用いて予め吸
着させ、そしてウサギ血清と同じ希釈度で使用した。ウ
サギ抗ニワトリ抗体を第二抗体として使用し、ヤギ抗ウ
サギ西洋ワサビペルオキシダーゼ接合体を検出抗体とし
て使用した。単一プラークが同一試薬を使って2回目の
スクリーニングにより単離された。
【0086】ラムダ5−7と命名された1つのクローン
は、ウサギ血清からの抗体と強く反応する蛋白を生産し
た。第二単離物であるI−5は免疫ニワトリ血清を用い
たスクリーニングにより同定され、5−7クローンと同
じ大きさのcDNA挿入物を含有することが証明され
た。DNA配列解析により、これらのファージクローン
が同じメロゾイト抗原をコードすることが示された。E.コリ内でのラムダ5−7cDNAの発現 ラムダ5−7からの1.2kb挿入物をEcoRI消化
およびアガロースゲル電気泳動により単離した〔Maniat
isら, 前出, p.157-170〕。EcoRI末端をdATP
およびdTTPの存在下にクレノウポリメラーゼで修復
し、そして両末端にBamHIリンカー(GGGATC
CC)を連結させた。この修飾断片を3種類の発現ベク
ターpDS56/RBSII、pDS56/RBSI
I,−1およびpDS56/RBSII,−2のそれぞ
れのBamHI部位に挿入した。これら3種類のベクタ
ーについては以下で説明する。起こりうる両方の方向で
挿入物を含有するプラスミドを、Mandelら J.Mol.Bio
l. 53:159 (1970)〕に記載されるようにして、適合性
プラスミドpDMI.1を担持するE.コリM15株に
形質転換した。プラスミドpDS56/RBSIIおよ
びpDMI.1を保有するE.コリM15株は欧州特許
出願公開第316695号に開示されている。プラスミドの構築 一般に、プラスミドpDS56/RBSII、−1およ
び−2は調節可能なプロモーター/オペレーター要素N
25OPSN25OP29およびリボソーム結合部位R
BSII、RBSII(−1)およびRBSII(−
2)をそれぞれ含有する。これらのリボソーム結合部位
はE.コリファージT5のプロモーターPG25 のリ
ボソーム結合部位に由来し〔欧州特許出願公開第207
459号〕、DNA合成により得られた。
【0087】高い発現効率ゆえ、前記プラスミドは、プ
ロモーター/オペレーター要素がオペレーターへのla
cリプレッサーの結合により抑制される場合にのみ、
E.コリ細胞内に維持されうる。N25OPSN25O
P29は、十分な数のリプレッサー分子が細胞内に存在
する場合にのみ、効果的に抑制されうる。それ故に、リ
プレッサー遺伝子の発現増加をもたらすプロモーター変
異型を含有するlacI q 対立遺伝子が使用された。こ
のlacIq 対立遺伝子は以下で説明するプラスミドp
DMI.1上に存在する。
【0088】pDMI.1プラスミドは、lacI遺伝
子のほかに、細菌にカナマイシン耐性を付与し、選択マ
ーカーとして使用されるネオマイシンホスホトランスフ
ェラーゼ遺伝子を担持する。pDMI.1はpDS56
/RBSII、−1および−2プラスミドと適合しう
る。発現ベクターpDS56/RBSII、−1および
−2で形質転換されるE.コリ細胞は、この発現ベクタ
ーが細胞内に安定して保持されるよう確保するために、
pDMI.1を含有する必要がある。この系の誘導は培
地にIPTGを加えることにより達成される。プラスミドpDS56/RBSII XbaIとXhoIの制限切断部位間にありかつ複製領
域およびβ−ラクタマーゼ遺伝子(細胞にアンピシリン
耐性を与える)(図4および5参照)を含有するpDS
56/RBSIIの部分は、もともとプラスミドpBR
322から誘導された〔Bolivar ら, Gene 2:95-113 (1
977); Sutcliffe, Cold Spring HarborSymp.Quant.Bio
l. 43:77-90 (1979)〕。しかしながら、β−ラクタマー
ゼ遺伝子は制限酵素HincIIおよびPstIの切断
部位を除くことにより修飾される。DNA配列における
これらの変更はβ−ラクタマーゼのアミノ酸配列に何ら
影響を与えない。このプラスミドの残りの部分は調節可
能なプロモーター/オペレーター要素N25OPSN2
5OP29、リボソーム結合部位RBSII(EcoR
I/BamHI断片の部分である)、制限酵素Sal
I、PstIおよびHindIIIの切断部位、E.コ
リファージラムダのターミネーターto 〔Schwarz
ら, Nature 272:410-414 (1978) 〕、クロラムフェニコ
ールアセチルトランスフェラーゼのプロモーター不含遺
伝子〔Marcoli ら, FEBS Letters, 110:11-14 (1980)〕
およびE.コリrrnBオペロンのターミネーターT1
〔Brosiusら, J.Mol.Biol. 148:107-127 (1981)〕を担
持する。プラスミドpDS56/RBSII(−1) プラスミドpDS56/RBSII(−1)(図6およ
び7)はプラスミドpDS56/RBSIIと同様であ
るが、リボソーム結合部位RBSII(−1)を含有す
る。プラスミドpDS56/RBSII(−2) プラスミドpDS56/RBSII(−2)(図8およ
び9)はプラスミドpDS56/RBSIIと同様であ
るが、リボソーム結合部位RBSII(−2)を含有す
るでいる。
【0089】これら3種類のプラスミドの差異は、それ
らが全3種の可能なリーディングフレームからの蛋白発
現をもたらすATG開始コドンに続く1つのヌクレオチ
ドが相違する点である。プラスミドpDMI.1 プラスミドpDMI.1(図10および11)は、E.
コリ細胞にカナマイシン耐性を付与するものであるトラ
ンスポゾンTn5〔Beckら, Gene19:327-336 (1982) 〕
からのネオマイシンホスホトランスフェラーゼ遺伝子、
およびlacリプレッサーをコードするものであるプロ
モーター変異Iq 〔Calos, Nature 274:762-765 (197
8)〕を伴うlacI遺伝子〔Farabough, Nature 274:76
5-769 (1978)〕を担持する。さらに、プラスミドpDM
I.1は複製および娘細胞への安定した伝達に必要な全
ての情報を含有するプラスミドpACYC184〔Chan
g および Cohen, J.Bacteriol.134:1141-1156 (1978)〕
の領域を含有する。
【0090】上記のプラスミドに加え、E.コリ発現系
はどれもこの実験に有用であることが期待されることを
理解すべきである。細菌形質転換体をLB培地中で37
°Cにて増殖させ〔Maniatisら, 前出, p.68 〕、この
培地に1mM IPTGを加えることにより蛋白の発現
を誘導した。1時間のインキュベーション後、1mlのサ
ンプルを採取し、サンプル中の細胞を遠心により集め
た。細胞ペレットを Crowlら, 前出,に記載されるよう
にして処理しそして溶解物をSDS−PAGEにかけ
た。電気泳動後、ゲル中の蛋白はクーマシーブリリアン
トブルーで染色するか、あるいは前記のようにしてウサ
ギ抗メロゾイト血清を用いるウェスタンブロット分析
〔Towbinら, Proc.Natl.Acad.Sci.USA76:4350 (1979);
Burnetti, Anal.Biochem. 112:195 (1981)〕のためにニ
トロセルロース膜に移行させた。
【0091】この分析では、3つの全てのリーディング
フレームにおいて1つの方向にある1.2kbのcDN
A分子が約30キロダルトンの見掛け分子量でもって移
動しかつウサギ抗メロゾイト血清からの抗体と反応する
蛋白を生産したことが示された。これは図1に示される
ようにcDNA配列中のヌクレオチド68のATG開始
コドンに先行する3つの全てのリーディングフレーム内
の停止コドンの存在と一致する。DNA配列解析 一般に、1mlの飽和一晩培養物からのプラスミドDNA
の小規模分離は、 Birnboim ら Nucleic Acids Resear
ch 7:1513 (1979)〕の方法を用いて実施した。この方法
は分析目的のために細菌コロニーから少量のDNAを単
離できる。比較的大量のプラスミドDNAは塩化セシウ
ム遠心を用いる標準プロトコール〔Maniatisら, 前出,
p.93 〕に従って1リットル培養物から調製した。
【0092】ラムダ5−7からの1.2kb EcoR
I cDNA挿入物のDNA配列は次のようにして決定
した。この挿入物をEcoRIで消化し、ゲル分離にか
け、Crowl ら Gene 38:31 (1985) 〕に記載されるEc
oRI消化pEV−vrfプラスミドに連結した。この
プラスミドをpEV/5−7と命名し、ハイブリダイゼ
ーション分析(以下で説明する)用の1.2kb cD
NA挿入物を増やすために、および Zagursky ら Gene
Anal.Tech 2:89 (1983)〕の方法による予備DNA配列
分析において使用した。
【0093】完全なDNA配列を決定するには、1.2
kbのcDNA挿入物をM13、Mp18およびMp1
9一本鎖ファージベクターに Bio-Rad M13クローニング
・アンド・シークエンシングキットを用いてサブクロー
ニングした。DNA配列は Sanger ら Proc.Natl.Aca
d.Sci.USA 74:5463 (1977) 〕のジデオキシ・チェイン
・ターミネーション法を用いて、 Bio-Radキットにより
提供される試薬およびプロトコールを使って決定した。
【0094】5’および3’非翻訳領域を含むラムダ5
−7からの1.2kb cDNAの完全なヌクレオチド
配列は図1に示してある。I−5と命名された、免疫ニ
ワトリ血清を用いて上記のようにして調製した第二単離
物のDNA配列を分析すると、この単離物が5’末端で
下記ヌクレオチドを付加的に含有しそして、5−7挿入
物のEcoRI部位を欠くことが示された:
【0095】
【化3】
【0096】この第二単離物の配列の残りは塩基番号8
からポリA鎖の始めまでのラムダ5−7の配列と同一で
あるが、ただしヌクレオチド番号300ではチミジン残
基の代わりにシチジン残基が存在する。このcDNA配
列は図1に示される200個のアミノ酸残基をコードす
る68位のATGから668位のTAA停止コドンまで
延びるオープン・リーディング・フレームを予測させ
る。
【0097】200個のアミノ酸から成る蛋白について
の24キロダルトンの理論的大きさは、抗体選別した試
薬による免疫沈降(図3、パネルc、レーンb)におい
て観察されたメロゾイトmRNAの一次翻訳産物、およ
び前記E.コリ発現ベクター中のcDNAから発現され
た蛋白、の概算分子量よりもわずかに小さい。しかしな
がら、この理論的分子量は理論的分子量とSDS−PA
GEでの分子量標準物に対する内挿により測定された分
子量との間に予期される変動の範囲内である。
【0098】ラムダ5−7cDNA挿入物によりコード
される蛋白の推定アミノ酸配列(図1)の分析により、
最初の20個のアミノ末端アミノ酸残基はシグナル配列
の存在を示唆する全体的疎水性をもつことが判明した。ハイブリダイゼーション分析 DNAを以下のようにしてトリプシンおよび胆汁で処理
し、PBSで洗浄した後の脱のうした胞子形成オーシス
トから単離した。
【0099】寄生虫物質(約1x109 オーシスト)を
20mlの0.5M EDTA,pH8.0、0.5%サ
ルコシル(Sigma, St.Louis, MO )に懸濁し、0.1μ
g/mlのプロテイナーゼK(Boehringer-Mannheim, BR
D)を用いて50°Cで2時間、10μg/mlのRNア
ーゼを用いて37°Cで1時間、そして再度プロテイナ
ーゼKを用いて50°Cで1時間消化した。蛋白は20
mMトリスHCl,pH7.5、1mM EDTA(T
E)を飽和させたフェノールで2回抽出しそしてフェノ
ール/クロロホルム(1:1)で1回抽出することによ
り除いた。水相をTEに対して十分に透析し、エタノー
ル沈殿により濃縮した。1x106 オーシストあたりD
NA0.4mgの一般的収量が得られた。
【0100】寄生虫DNAを製造者のプロトコールに従
って種々の制限エンドヌクレアーゼで消化し、そして生
成するDNA断片を Loening緩衝液(4.7g NaH
2PO4 、4.36gトリス塩基、0.372g N
a2 EDTA/リットル,pH7.6)中の0.8%
アガロース中40V、2.5時間電気泳動することによ
り分離した。このゲルを0.25M HClで30分間
処理し、そして0.4MNaOH中でZeta-Probeメンブ
ラン(Bio-Rad )に一晩移行させた。フィルターを2x
SSC(pH6.8)で中和し、真空下に80°Cで1
時間焼いた。
【0101】このフィルターを7%SDS、1%BSA
(Boehringer, フラクションV)、0.5M NaHP
O4 緩衝液,pH7.2中65°Cで、3時間プレハ
イブリダイゼーションを行った。5−7遺伝子EcoR
I挿入物は前記のpEV/5−7プラスミドをEcoR
Iで消化した後にゲル分離し、そして32P−標識デオキ
シヌクレオチドの存在下にクレノウ断片でランダム−プ
ライミングすることにより標識した。標識した挿入物を
スピンカラム(Bio-Rad )中で組み込まれなかったヌク
レオチドから分離し、変性させそしてハイブリダイゼー
ション溶液に加えた。65°Cで12時間インキュベー
ション後、フィルターを2xSSC/0.1%SDSで
3回、そして0.1xSSC/0.1%SDSで2回、
65°Cにて洗浄した。プローブとハイブリダイズする
ゲノムDNA断片をオートラジオグラフィーにより検出
した。ここではpEV/5−7プラスミドが使用された
が、メロゾイト5−7遺伝子の1.2kbのcDNA挿
入物を含有する任意の同等のベクターも許容できるやり
方でその機能を果たすことが理解される。
【0102】この分析の結果は図3に示してあり、そこ
ではPvuII(1)、HincII(2)、PstI
(3)、SphI(4)またはSacI(5)による消
化の結果が示される。6.5および3.6kbのゲノム
DNA断片は、それぞれレーン1と5に、PvuIIお
よびSacIでの消化後に検出された。cDNAクロー
ンにはこれらの酵素の部位は存在しないので、アイメリ
ア遺伝子の大きさは最大3.6kbであると見積もるこ
とができる。ゲノムDNAをEcoRIでの消化すると
大きさの点でcDNA断片に一致する1.2kbゲノム
断片が生成した。HincIIとEcoRIによる二重
消化により、EcoRI部位により近接してはさまれた
cDNA配列から予測される0.9kb断片が生成し
た。
【0103】PstI消化では3つの断片が検出された
(レーン3)。cDNA配列から2つのPstI部位が
予測され、これは305bpの内部断片および2つの接
合断片をもたらすであろう。第三の大きいPstI断片
の出現は恐らく内部PstI部位での不完全消化の結果
である。cDNAを2回切断するSphIにより生成さ
れる断片のパターン(レーン4)からは何ら明確な情報
を生いない。cDNA配列から予測される小さい内部S
phI断片はこのゲルにおいては検出できなかった。
【0104】メロゾイトから単離されたポリ(A)含有
mRNAのノーザンブロット分析〔Alwineら, Proc.Nat
l.Acad.Sci.USA74:5350 (1977)〕においては、ラムダ5
−7遺伝子の1.2kbcDNA断片は長さ約1.3k
bの単一のmRNA種にハイブリダイズした。大きさの
相互関係から、5−7クローンは、前記I−5単離物か
ら判明した5’伸長部と一緒になって、5’末端ヌクレ
オチドを場合により除く、全長cDNA配列を表すこと
が明らかである。
【0105】諸般を考え合わせると、前記の観察はcD
NAおよびゲノム配列の共直線性と一致する。当分野で
習熟した者には明らかであるように、本発明の精神およ
び範囲を逸脱することなく本発明の多くの修飾および変
更が可能である。ここに記載した特定の実施態様は単な
る例示であって、本発明は添付の特許請求の範囲によっ
てのみ制限されるものとする。
【発明の効果】本発明のアイメリア蛋白は、コクシジウ
ム症の原因生物に対して免疫を獲得した動物の血清に含
まれる抗体を用いて同定されたので、重要なワクチン抗
原であり、コクシジウム症にかかりやすい若い家禽を保
護するためのワクチンとして有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】ウサギ由来の抗体選別した抗体と免疫ニワトリ
血清により認識されるアイメリア前駆体蛋白をコードす
る1.2kbのcDNA分子のヌクレオチド配列および
該ヌクレオチド配列から推定されるアイメリア前駆体蛋
白のアミノ酸配列を示す。
【図2】種々のアイメリアメロゾイト蛋白のSDS−P
AGE分析の結果を示す。
【図3】PvuII(レーン1)、HincII(レー
ン2)、PstI(レーン3)、SphI(レーン4)
またはSacI(レーン5)を用いて消化したアイメリ
ア・テネラの胞子形成オーシストのゲノムDNAのサザ
ンブロット分析の結果を示す。
【図4】プラスミドpDS56/RBSIIの模式図を
示す。
【図5】プラスミドpDS56/RBSIIの全ヌクレ
オチド配列を示す。
【図6】プラスミドpDS56/RBSII(−1)の
模式図を示す。
【図7】プラスミドpDS56/RBSII(−1)の
全ヌクレオチド配列を示す。
【図8】プラスミドpDS56/RBSII(−2)の
模式図を示す。
【図9】プラスミドpDS56/RBSII(−2)の
全ヌクレオチド配列を示す。
【図10】プラスミドpDMI.1の模式図を示す。
【図11】プラスミドpDMI.1の全ヌクレオチド配
列を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C12N 1/21 C12N 1/21 C12P 21/02 C12P 21/02 C

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アイメリア(Eimeria)メロゾイト表面
    抗原の免疫反応決定基および/または抗原決定基の1つ
    またはそれ以上を有する蛋白であって、前記表面抗原が
    SDS−PAGEで測定して約23キロダルトンの見掛
    け分子量を有しかつSDS−PAGEで測定して約30
    キロダルトンの見掛け分子量を有する前駆体蛋白から誘
    導されるものである、他のアイメリア蛋白を実質的に含
    まない蛋白であって、下記アミノ酸配列: 【化1】 もしくは、上記アミノ酸配列中の最初の20個のアミノ
    酸残基を実質的に欠いている部分配列を有する蛋白、ま
    たは前記アイメリアメロゾイト表面抗原に対する抗体と
    の免疫学的特性を実質的に変えることなく、前記アミノ
    酸配列中のアミノ酸の欠失、挿入または置換により得ら
    れる、その機能的均等蛋白コードするヌクレオチド配列
    を有するDNAを含んでなり、適合性の宿主生物内で該
    DNAの発現を指示しうる組み換えウイルス。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のアミノ酸配列を有する
    蛋白もしくは、該アミノ酸配列中の最初の20個のアミ
    ノ酸残基を実質的に欠いている部分配列を有する蛋白、
    または該アイメリアメロゾイト表面抗原に対する抗体と
    の免疫学的特性を実質的に変えることなく、該アミノ酸
    配列中のアミノ酸の欠失、挿入または置換により得られ
    る、その機能的均等蛋白をコードするヌクレオチド配列
    を有するDNAを包含する組み換えウイルスを作製する
    方法であって: (a)前記蛋白をコードするヌクレオチド配列を有する
    DNAを、ウイルスの成熟および感染力を阻害すること
    なくウイルスゲノムに挿入し; (b)前記組み換えウイルスを細胞培養物内で増幅さ
    せ;そして (c)培地から組み換えウイルスを精製する、ことを含
    んで成る方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のアミノ酸配列を有する
    蛋白もしくは、該アミノ酸配列中の最初の20個のアミ
    ノ酸残基を実質的に欠いている部分配列を有する蛋白、
    または該アイメリアメロゾイト表面抗原に対する抗体と
    の免疫学的特性を実質的に変えることなく、該アミノ酸
    配列中のアミノ酸の欠失、挿入または置換により得られ
    る、その機能的均等蛋白および生理学的に許容しうる担
    体またはアジュバントを含んでなる、コクシジウム症か
    ら家禽を保護するためのワクチン。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載のアミノ酸配列を有する
    蛋白もしくは、該アミノ酸配列中の最初の20個のアミ
    ノ酸残基を実質的に欠いている部分配列を有する蛋白、
    または該アイメリアメロゾイト表面抗原に対する抗体と
    の免疫学的特性を実質的に変えることなく、該アミノ酸
    配列中のアミノ酸の欠失、挿入または置換により得られ
    る、その機能的均等蛋白をコードするヌクレオチド配列
    を有するDNAを包含しかつ適合性の宿主生物内で該D
    NAの発現を指示しうる組み換えウイルス、および生理
    学的に許容しうる担体またはアジュバントを含有する、
    コクシジウム症から家禽を保護するためのワクチン。
  5. 【請求項5】 請求項2に記載の方法により作製され
    た、請求項1に記載のアミノ酸配列を有する蛋白もしく
    は、該アミノ酸配列中の最初の20個のアミノ酸残基を
    実質的に欠いている部分配列を有する蛋白、または該ア
    イメリアメロゾイト表面抗原に対する抗体との免疫学的
    特性を実質的に変えることなく、該アミノ酸配列中のア
    ミノ酸の欠失、挿入または置換により得られる、その機
    能的均等蛋白をコードするヌクレオチド配列を有するD
    NAを含んでなる組み換えウイルス。
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