JP2000137342A - 感光体、電子写真装置及び感光体用容器 - Google Patents

感光体、電子写真装置及び感光体用容器

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JP2000137342A
JP2000137342A JP10310436A JP31043698A JP2000137342A JP 2000137342 A JP2000137342 A JP 2000137342A JP 10310436 A JP10310436 A JP 10310436A JP 31043698 A JP31043698 A JP 31043698A JP 2000137342 A JP2000137342 A JP 2000137342A
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Fuchio Takeda
布千雄 武田
Hiroyuki Takeda
裕之 武田
Masatoshi Sato
正寿 佐藤
Koichi Haga
浩一 羽賀
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Tohoku Ricoh Co Ltd
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Tohoku Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 無公害・堅牢で物理的・化学的にも安定し、
製造容易で安価な上に、青〜近紫外、ないしは紫外領域
といった短波長領域に発光波長を有する光源による光書
込みに適した高性能な感光体を提供する。 【解決手段】 導電性基体上にウルツ構造の柱状結晶を
有する酸化亜鉛を結晶のa軸を主体として導電性基体に
対してほぼ垂直に成長させた感光体層を備えた感光体と
することで、380nm程度のような短波長の紫外領域
に感度を持ち、可視光には感度を有しないため、高精細
な書込みを可能とし、取扱い・メンテナンス性も大幅に
向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感光体、電子写真
装置及び感光体用容器に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真用の感光体として、現在は、有
機光半導体(OPC)や、アモルファスシリコン(a−
Si)が最も一般的に用いられている。
【0003】OPCは、無公害であること、a−S
iと異なり製造が容易であること、a−Siほど環境
依存性を持たないこと、等の利点を有することから、広
く用いられている。しかし、その材料特性上、帯電・
露光の繰返しによる静電的特性の劣化、クリーニング
部や現像部などでのブレード等の摩耗による摩滅、外
来の化学物質又は帯電等により副次的に発生するオゾン
による膜の破壊、等の原因により、寿命が短いという致
命的な欠点がある。
【0004】一方、a−Siは、無公害で耐久性があ
り、有機溶剤を用いた液体現像にも耐え得る、等の長
所がある。しかし、温度によって特性が大きく変化す
る、製造プロセスの関係で、厚膜製造には大きなコス
トと時間がかかる、OPCと比べると、現像時の電位
コントラストが取れない、等の不具合がある。
【0005】また、以前盛んに用いられていたバインダ
タイプの酸化亜鉛感光体は、バインダや感度領域を長波
長側にシフトさせるための添加剤を用いているため、電
荷が結晶粒界にトラップされて蓄積が進み、電子写真画
像形成プロセスを繰返すうちに瞬く間に静電疲労が生
じ、出力される画像の品質が非常に不安定となる。ま
た、強度的にもそれほど強くなく、かつ、寿命も短いと
いう欠点があり、非常に使いにくいものであった。この
結果、毒性上の問題から管理を厳重にする必要があるも
のの、電子写真特性に優れたセレン−砒素系の感光体が
使われるようになってからは、一部で使われ続けている
以外は、電子写真用の感光体としての酸化亜鉛は殆ど関
心を持たれずに現在に至っている。
【0006】ところが、近年、記録用光源としてのレー
ザダイオードの短波長化が進み、より画素密度の高い画
像が得られる感光体として、元々、短波長側に感度を有
するピュアな酸化亜鉛が再び注目されるようになってき
ている。その一例として、例えば、特開昭62−170
967号公報によれば、導電性基体上にウルツ構造の柱
状結晶を有する酸化亜鉛を結晶のc軸を基体に対して垂
直に成長させた感光体層を有する電子写真感光体が提案
されている。ちなみに、短波長光を用いた場合、a−S
iにあっては、短波長光が表面で殆ど吸収されてしまい
感度を取れず、OPCにあっては材料の結合エネルギー
が弱く樹脂が急速に老化してしまい、耐久性が悪い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、同公報例の
ようにc軸を基体に垂直に成長させることは比較的容易
であるものの、c方向の電気導電度はa軸方向と比べて
大きく、高い暗抵抗が要求される電子写真感光体にとっ
ては、望ましいことではない。
【0008】また、従来のこの種の感光体を用いた電子
写真装置では、疲労、摩耗、危険性、画素書込み密度
が或る程度以上には大きくできない、電位コントラス
トが取れない、等の不具合を抱えながら、感光体を慎重
に扱い、高度なプロセス制御とサービスマンによるこま
めな点検・調整・修理によって性能を維持している現状
にある。このような不具合は、マシンの複雑化、不
十分な画像作成能力、資源とエネルギーの浪費等、有
形無形の損失を生ずる一因となる。
【0009】さらに、従来のこの種の感光体にあって
は、可視光に対して感度を持つため、感光体を室内の光
環境下に晒しておくと、いわゆる光疲労を起こしてしま
う、という宿命を有している。この結果、マシンのメン
テナンス時には、感光体部分をなるべく光に晒さないよ
うに、細心の注意をしながら、狭い空間に手や道具を差
し込んでの作業が強いられている。このため、極めて作
業性が悪く、ときとして、感光体に傷を付けたり、汚し
たりしてしまい、使用不可となって、大きな損失を生む
ことも多々生じている。また、感光体の保管・輸送等に
際しても、遮光性がよくて丈夫な容器を使わざるを得
ず、容器が大きな場所を取ったり、少しでも穴が開いた
りしたら使えなくなってしまう、等の不具合がある。
【0010】そこで、本発明は、無公害・堅牢で物理的
・化学的にも安定し、製造容易で安価な上に、青〜近紫
外ないしは紫外領域といった短波長領域に発光波長を有
するレーザダイオード等による光書込みに適した高性能
な感光体を提供することを目的とする。
【0011】また、本発明は、高解像度、高速画像形
成、耐久性、メンテナンス性、安全性、或いは、アナロ
グメモリ機能による複数枚の印刷能力等の点で優れた電
子写真装置を提供することを目的とする。
【0012】さらには、環境負荷が小さくて簡易に感光
体を保管したり輸送できる感光体用容器を提供すること
を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明の感
光体は、導電性基体上にウルツ構造の柱状結晶を有する
酸化亜鉛を結晶のa軸を主体として前記導電性基体に対
してほぼ垂直に成長させた感光体層を備える。
【0014】a軸一軸配向の酸化亜鉛による感光体層
は、分光感度特性が青から紫外領域にかけて広がってお
り、近紫外領域等の短波長領域のレーザダイオード等の
光源を用いる光書込みに適した感光体となる。この結
果、光書込み用光源に短波長のレーザダイオード等の短
波長光源を用い得ることとなり、書込みビーム径を近赤
外レーザの場合の数分の一に小さくすることができ、画
素密度の高い画像、或いは、階調性の豊かな画像の作成
が可能となる。この際、画像輪郭も滑らかとなり、カラ
ー画像の色再現性も向上する。さらには、酸化亜鉛は安
定した酸化物であるため、OPCの場合と異なり、石油
系溶剤を用いた液体現像剤と直接接触させて現像を行な
わせることが可能となり、微細な画像形成上、極めて有
効な上に、高精細な画像作成も可能となる。
【0015】また、OPCやa−Siを用いた従来の湿
式フルカラー電子印刷装置においては、感光体や現像剤
の温度管理のための機械内部の定温維持装置に加えて、
設置室の温度管理も厳重に行なう必要があったが、本発
明によれば、酸化亜鉛が大きな移動度を持つため、感光
体としてのトランジットタイムが露光後現像に至るまで
の時間に比べて非常に短く、温度環境変化によって現像
時の露光後電位が大きく変化する心配がないため、温度
管理が殆ど不要で、温度管理を行なうとしても機内の温
度制御のみで十分である。
【0016】また、酸化亜鉛は亜鉛華として古来より白
色顔料、触媒として用いられてきた材料であり、その安
全性が確立している。また、酸化物であるため、環境汚
染の心配も殆どない。常圧で加熱すると、1720度で
昇華する。この温度はアルミニウムや鉄などの融点(各
々660.2度、1535度)より遥かに高い。従っ
て、感光体ベースとなる金属材料のリサイクルを進める
上でも非常に都合がよいものとなる。また、感光体をそ
のまま融解させると、OPCの場合には有機物の燃焼に
際しての有害ガスの発生の危険性があり、セレン−砒素
系や硫化カドミウムなどの感光体の場合には有害重金属
元素の拡散の危険性があるが、本発明の酸化亜鉛に関し
てはこれらの問題が全くなく、環境負荷の少ないものと
なる。
【0017】また、本発明の感光体によれば、従来のバ
インダタイプの酸化亜鉛感光体と異なり、粒界における
異物が実質上、皆無であるため、使用に際しての露光後
電位の上昇が非常に少ない。このため、使用中に感光体
を休めたり、複数の感光体を交互に使うなど、回復のた
めの操作が不要となる。また、移動度が大きいため、高
速作像も可能となる。さらに、相対的に導電度が大きい
c軸が感光体面方向に配向するため、露光によって生ず
る画像端部の強力な電界によって、潜像がぼやける心配
もあるが、現実には、結晶粒径が100nm以下であ
り、何ら支障のないレベルとなる。
【0018】更に、酸化亜鉛層は機械的にも極めて堅牢
であり、大量複写用の感光体として優れている。ちなみ
に、a−Siは結合手が4本あり、ダイヤモンド構造を
とるため硬いが脆い性質を有し、このため、実使用に当
たっては、クリーニングブレード先端に引っかかった砂
埃などが原因となってすじ状の傷が付くことある。実験
によっても、10000枚の印刷試験における比較で
は、酸化亜鉛層の方が傷付きにくいという結果が得られ
たものである。これは、酸化亜鉛はダイヤモンド構造で
はなく、酸化物で硬いものの或る程度の靭性を有するた
めと考えられる。OPCの場合には、クリーニングや現
像による機械力によって摩耗が進行し、帯電電位が維持
できなくなって寿命となるが、酸化亜鉛の場合には、適
度な硬度と靭性のために膜の摩耗は殆ど進行せず、かえ
って、繰返し使用によって帯電時に表面に付着したオゾ
ンや窒素酸化物がリフレッシュされる結果、特性の安定
性が維持ないしは向上される。
【0019】請求項2記載の電子写真装置は、請求項1
記載の感光体を用いる。
【0020】従って、請求項1記載のa軸配向酸化亜鉛
感光体を用いることで、各種の利点が得られる。例え
ば、近紫外から紫外にかけての感度を利用して、近紫外
から紫外にかけての短波長のレーザダイオード等を光書
込み用光源に用いて静電潜像を形成させることができ
る。これにより、書込みドットサイズを現状の近赤外な
る長波長のレーザダイオードによる場合の半分以下にす
ることができ、木目の細かい画像形成が可能となる。ま
た、酸化亜鉛結晶の移動度は約200cm2/Vsと非
常に大きく、この感光体がバインダタイプではないた
め、元々、酸化亜鉛が有している特性を最大限活用でき
る。この結果、露光後の電荷消失が極めて早く、高速画
像形成が可能となる。また、a軸一軸配向であるため、
暗抵抗が高く、c軸一軸配向のものと比べて、高い帯電
電位が得られる。この性質も電子写真感光体としては非
常に有利に作用する。
【0021】また、酸化亜鉛は両性酸化物であり、極端
な酸性又はアルカリ性の環境に晒されない限り、極めて
安定である。また、硬度もモース硬度で4と中程度であ
り、a−Siより硬度は劣るものの、その分、多少の軟
らかさがある。このため、全体としては硬くてかつ靭性
があり、ブレードクリーニングや現像でのストレスに十
分に耐え、しかも、摩耗しにくく耐久性のある感光体と
なる。よって、このような感光体を用いた電子写真装置
も耐久性に優れたものとなる。
【0022】また、上述のように、書込みドット径を小
さくできめるため、面積階調を行なう場合などには、階
調数を多くとることができる。例えば、従来のように近
赤外レーザ光により書込んでいた1ドットを紫外レーザ
光により約4ドット書込んだとすれば、近赤外光で2値
のドットであったものを面積階調で4値のドットとな
る。特に、カラープリンタ等のフルカラー電子写真装置
に応用すれば、解像度を高め、色再現性を増やすことが
できる。また、現状では、600〜1200dpiのプ
リンタが主流であるが、書込み密度が高くなり、240
0dpiレベルの画素密度の印刷が可能になれば、殆ど
オフセット印刷と区別が付かないレベルまで印刷品質を
向上させることも可能となる。特に、酸化亜鉛は安定し
た化合物であるため、湿式電子写真装置に応用すること
も可能であり、この結果、湿式トナーの持つ超微粒性を
活かして、フルカラーの電子写真画像もオフセット印刷
並の品質とすることが可能となる。
【0023】さらに、発展して考えれば、現在市場に出
ている電子写真方式のフルカラー印刷機は、およそ1ジ
ョブ当たりの印刷枚数が最大でも2000〜5000程
度をターゲットとしたいわゆるSRP(ショートランプ
リント)市場をねらったものであるが、既存の印刷業者
からは印刷品質が不十分だとして、広く受け入れられて
いるわけではないが、本発明によれば、実際にオフセッ
ト印刷並の品質を実現し得るので、印刷物と同等の品質
で必要な部数だけ必要な場所で印刷するというDAP
(デリバリーアンドプリント)理念が現実のものとな
る。この結果、このような電子写真装置が広く普及する
ことで、製本した物を大量に輸送することによる資源と
エネルギーの浪費を抑えることができ、環境全体の保護
に大きく貢献するものとなる。
【0024】また、請求項1記載のa軸配向酸化亜鉛感
光体は酸化物であり、自然界に安定して産する鉱物と同
じ結晶系をとっている。このため、外部環境に対して極
めて安定であり、かつ、可視光に対して感度を有しない
ため、可視光下でのハンドリングが可能である。この結
果、電子写真装置において感光体周りのユニット等のメ
ンテナンス時には感光体を一時室内光環境下に取出して
十分な空間を作った上での作業が可能となり、メンテナ
ンス作業性が向上する。
【0025】請求項3記載の発明の感光体用容器は、可
視光に対して透明で紫外光を通さない材料による確認窓
部を有して請求項1記載の感光体を収納する。
【0026】請求項1記載のa軸配向酸化亜鉛感光体は
酸化物であり、自然界に安定して産する鉱物と同じ結晶
系をとっている。このため、外部環境に対して極めて安
定であり、かつ、可視光に対して感度を有しないため、
可視光下でのハンドリングが可能である。この結果、感
光体を保管或いは輸送する上でも、その感光体用容器に
遮光性が不要となるため、内容物(感光体)が確認可能
なパッケージング、多少の破損等があっても少なくとも
部分リサイクル可能な容器を用い得ることとなる。この
ように少々の破損で少し遮光性が失われても殆ど問題と
ならないため、容器強度は現在の感光体用の容器に比べ
てあまり必要としないため、空になったら折り畳んだ
り、分解すればよく、省スペース効果の高い容器で済
む。
【0027】
【発明の実施の形態】<感光体について>本発明の感光
体の一実施の形態を図1ないし図7を参照して説明す
る。本実施の形態の感光体は、ここでは特に図示しない
が、導電性基体上にウルツ構造の柱状結晶を有する酸化
亜鉛を結晶のa軸を主体として導電性基体に対してほぼ
垂直に成長させた感光体層を備えた構造、即ち、a軸配
向酸化亜鉛感光体として構成されている。
【0028】このような感光体の作製方法について説明
する。金属又は導電性酸化物の基体上にバイアス偏奇R
Fスパッタリングによりa軸を基体に垂直に一軸配向さ
せた種結晶面を作成する。さらに、この上に亜鉛アセチ
ルアセトナート(Zn(C5722:Zn(aca
c)2)を用いたMO−CVD法によってa軸一軸配向
の酸化亜鉛結晶を積層・成長させることもある。MO−
CVDに用いるこの物質は、白色で粉末状の固体有機金
属材料である。常温大気中で吸湿性を示すが、ジメチル
亜鉛(Zn(CH32)等のZn原料と比較すると、非
常に安定しており使いやすい材料である。ZnOの構成
元素である酸素の供給源には、99.99%の高純度O
2 ガスを用いた。酸素の他には、オゾン、二酸化炭素等
の酸素を構成元素として含むガスを用いても、酸素ガス
の場合とコントロール条件を多少変えることで製膜可能
なことが確認された。
【0029】種結晶成長の終わった基体は、RFスパッ
タチャンバから外気に触れることなく、窒素パージされ
た経路を経て反応チャンバへ移送される。また、この後
の工程の品質を高めるため、この経路を高真空に保ち、
基体への不純物付着を極力抑えることも効果的である。
MO−CVD装置の原料シリンダ部はシート状ヒータに
よって一定温度に加熱され、基体セッティングが終わっ
た反応チャンバ内へ、気化した原料が99.99%の高
純度窒素キャリアガスによって輸送される。反応チャン
バまでの配管は、原料シリンダに比べて高温に加熱して
あり、原料の凝縮が防止されている。また、O2 ガス
は、気相中でZn原料と反応しないように基体近傍まで
分離輸送され、基体表面に直接供給される。
【0030】作成された結晶の配向をX線回折により確
認した結果を図1(a)に示す。図面からも判るよう
に、通常配向しやすいc軸((002)面)に対応する
ピークが非常に小さく、a軸((100)面)に対応す
るピークが際立って鋭く立っている。比較のため、図1
(b)にバイアスを与えなかった場合の回折パターンを
示す。図1(a)(b)の対比から、上述したような本
実施の形態の条件により、a軸配向を主とする酸化亜鉛
膜を製膜できることが判る。
【0031】さらに、バイアス条件を微細に調整するこ
とにより、図2の回折パターンに示すように、同じa軸
配向でも、(110)面を厚さ成長方向に揃わせること
ができる。
【0032】ここで、製膜条件についてさらに詳細に説
明する。まず、RFスパッタリングの条件としては、基
体温度が常温〜200℃程度、RF電力が50〜200
W(好ましくは、150W)程度である。周波数は工業
用高周波電源に割当てられている13.56MHzであ
る。電源からスパッタリング装置へは、インピーダンス
マッチング回路を介してエネルギーロスが最小となるよ
うに電力供給が行なわれる。
【0033】本実施の形態による製膜法の特徴は、バイ
アスによって結晶配向軸を選択できる点である。基体側
をターゲット(フレーム)に対して相対的に正にバイア
スするとc軸((002)面)が優先的に配向する。こ
のときのバイアス電圧は+0〜+150V程度が良好な
るc軸配向には適している。逆に、基体側をフレームに
対して相対的に負にバイアスすると、a軸が優先的に配
向成長し、−0〜−50V程度では(110)面が主と
なり、−50〜−250V程度では(100)面が主と
なる。さらに負のバイアスを深くしていくと、−500
V付近ではa軸配向の特徴が失われ、c軸((002)
面)配向の特徴が現れてくる。
【0034】実験時の真空度は、10〜0.01Torr
、好ましくは0.1Torr 程度である。酸素ガスの流
量は0〜10cc/min 、好ましくは2cc/min である。
酸素以外のガス成分としては、アルゴンガスが含まれ
る。用いる基体は、導電性を有していなければならな
い。図3は導電性基体として、ガラス基板上に透明導電
膜(ITO)をコーティングした場合の各種バイアスに
対応する回折パターンを示す(RF電力=150W)。
これに対して、絶縁材料をセットしそのバイアスを変え
ても図4に示すようにバイアス効果が得られない。図4
はガラス基板を用いた場合を示す(RF電力=150
W)。導電性基体としては、アルミニウム等の金属材
料、若しくは、ガラス基板上にアルミニウム、金等の金
属薄膜を形成したもの、或いは、ガラス基板上にIT
O,SnO2 ,In23等の透明導電膜を形成して基体
全体を透明にしたもの等が使用可能である。膜堆積速度
は0.1〜5μm/h、好ましくは、0.5μm/h程
度とすればよい。
【0035】次にMO−CVDの条件について説明す
る。基体温度は300〜500℃、好ましくは400℃
に設定する。Zn(acac)2 のシリンダ温度は10
0〜150℃、好ましくは130℃に設定する。キャリ
アガスにはN2 を用い、その流量は200〜500cc/
min 、好ましく400cc/min に設定する。一方、酸素
供給源となる酸素ガスの流量は100〜500cc/min
、好ましく300cc/min に設定する。酸素供給源と
してオゾンガスを使用する場合には、流量が10〜50
cc/min 、好ましく30cc/min に設定する。膜堆積速
度は0.1〜10μm/h、好ましくは、1μm/h程
度とすればよい。
【0036】このような製膜法をベースとする感光体の
作製方法について説明する。酸化亜鉛ZnOは、元々、
n型の金属酸化物半導体であるため、p型のドーパント
を加えて、ほぼイントリンジックな状態にする必要があ
る。このようにすることにより、電気的導電度が低減
し、感光体として必要な暗抵抗を高めることができる。
【0037】まず、スパッタリング法のみで感光体を作
製する場合、例えば、ZnOターゲットとともにp型ド
ーパント材料としてLiOターゲットを用いるときに
は、リチウムLiの添加条件を図5に示すような状態、
即ち、導電度σが最小となる条件の近くで、かつ、ドー
パントの量が多少変動しても急激には導電度σが増大し
ないように、若干p型となる状態に設定する。このよう
な製膜条件で約20μmの単層を形成した結果、帯電能
として5〜15V/μm程度が得られたものである。
【0038】つづいて、導電層上に界面層を設け、さら
に上述したように若干p型の層を構成する二層構造の感
光体とする場合を説明する。界面層はドーピングなしの
ZnO層若しくはリチウムイオンを多量に添加してp+
としたごく薄い層で、この界面層上に単層感光体を形成
する条件でZnO感光体を積層する。この条件により作
製した結果によれば、帯電能として15〜20V/μm
程度が得られたものである。
【0039】さらに、表面への水分、不純物分子等の付
着を防止するために、SiO2 ,DLC(ダイヤモンド
ライクカーボン)、有機物等の薄層を設ける場合につい
て明する。保護層が有機物である場合、紫外光に対して
不透明であるため、導電性基体を紫外線透過性のガラス
基板等の上に透明導電層を形成し、さらに、界面層、感
光体層、保護層の積層構造とし、ガラス基板側から露光
することとなる。このような処理によって、漏洩が少な
くなるため、さらに帯電能が向上し、20〜30V/μ
m程度となる。
【0040】また、前述したような層形成例であるスパ
ッタリング法で基礎となる配向層を形成した後、MO−
CVD法により効率よく感光体層を成長させる方法につ
いて説明する。まず、バイアス印加RFスパッタリング
法によりZnOを形成する。このまま、直接的にMO−
CVD法による層形成に移行してもよいが、好ましく
は、層堆積後、N2 或いはO2 中で温度350〜450
℃で30分〜2時間ほど保ち、アニーリング処理を施す
のがよい。これにより、結晶性が向上し、引き続き行わ
れるMO−CVD法によって形成される層の品質が向上
する。MO−CVD法によってp型ドーピングを行なう
ためには亜鉛Znよりも価数が1つ小さいリチウムLi
などのI族元素又は酸素Oよりも価数が1つ小さい窒素
N等のV族元素を用いる。リチウムLiをドープする場
合には、Li(acac)2 (リチウムアセチルアセテ
ート)、Li(DPM)2 を用いる。窒素Nをドープす
る場合には、減圧MO−CVD法で窒素ガスN2 の放電
やNH3 等の窒素化合物の分解を利用する。
【0041】もっとも、MO−CVD法のみを用いて製
膜することも可能である。まず、通常の常圧MO−CV
D法では、Zn(acac)2 を350℃以下では分解
できないため、高温で分解して製膜を行なうと、一般的
には(002)面配向、即ち、c軸配向の結晶膜ができ
てしまう。そこで、本実施の形態の場合には、減圧
(0.1〜10Torr )状態でのプラズマ放電によって
Zn(acac)2 を低温熱分解してスパッタリング法
と同じようにa軸配向膜を形成する。概略条件について
説明すると、基体温度が常温〜200℃、好ましくは5
0℃程度、材料を熱分解するシリンダ温度は50〜15
0℃、好ましくは100℃程度に設定する。キャリアガ
ス流量は50〜400cc/min 、好ましくは100cc/
min 、酸素ガス流量は50〜200cc/min 、好ましく
は100cc/minに設定する。供給する高周波電力は1
0〜200Wとする。このような条件で50nm程度の膜
厚でa軸膜を堆積させた後、前述したドーパントを併用
したMO−CVD法によって感光体層を堆積させる。
【0042】これらの製膜法によって得られた層の電子
写真特性は、市販のペーパアナライザに紫外光源を組合
せることによって、暗中帯電の電位、所定の露光量に対
する表面電位の明減衰特性として図6に示すように測定
される。図6の測定結果が示すようにa軸((100)
面)配向の酸化亜鉛の光感度はc軸((002)面)配
向のものよりも2桁は高くなっていることが判る。さら
に、a軸((110)面)配向のものの感度を測定した
ところ、(100)面配向のものよりも高感度を示した
ものである。これは、結晶形状による効果と考えられ
る。また、波長に対する電位減衰率の特性を測定する
と、図7に示すようなスペクトルを示すものとなる(電
子写真学会編「電子写真技術の基礎と応用」中から抜
粋)。即ち、この層が波長約380nmを中心とし、青
から紫外領域にかけて好適な感度特性を有することが判
る。この結果、この層は、青から紫外領域にかけての短
波長レーザダイオード等を用いた高記録密度書込み用の
電子写真感光体として用いるのに最適といえる。 <電子写真装置について>本発明の電子写真装置の第一
の実施の形態を図8に基づいて説明する。本実施の形態
の電子写真装置は、前述した如く形成されたa軸配向酸
化亜鉛感光体を通常の感光体に代えて用いたものであ
る。まず、本実施の形態のドラム状の感光体1は、直径
80mmのアルミニウムシリンダによる導電性基体2の
外周面にa軸配向の酸化亜鉛層3を感光体層として25
μmの膜厚で積層させたものである。この感光体1は線
速160mm/sで回転駆動される。また、導電性基体
2は接地されている。このような感光体1の周囲には、
電子写真プロセスに従い、帯電ローラ4、光書込み用の
半導体レーザ或いはLEDアレイ(図示せず)からの紫
外光5による露光位置Ex、現像ローラ6等を含む現像
装置7、転写・分離ローラ8、プリクリーニング光9の
照射位置、クリーニングブレード10、除電用コロトロ
ン11が順に配設・位置設定されている。また、転写・
分離ローラ8による転写位置に対しては用紙(図示せ
ず)の搬送経路12が形成されており、転写位置よりも
上流側には給紙ローラ13、レジストローラ14が配設
され、転写位置よりも下流側には熱定着装置15が配設
されている。また、現像位置と転写位置との間で感光体
1の表面に対向させて可視光発光素子16aと可視光受
光素子16bとによる通常の可視光を用いた反射型のト
ナーセンサ16が設けられている。ここに、半導体レー
ザ、LEDアレイ等の光源としては紫外域で発振して紫
外域短波長の光を照射するものが用いられている。
【0043】このような構成において、回転駆動されて
いる感光体1の表面を帯電ローラ4により帯電電位−6
00Vに一様帯電する。帯電済みの感光体1の表面に半
導体レーザ等によって紫外光5を照射することにより露
光して静電潜像を形成する。露光後の電位は暗部で−6
00V(=帯電電位)、露光部で−20Vとなる。この
暗部と露光部との電位差は通常の電子写真現像装置で十
分にコントラストの取れるものである。このような静電
潜像を現像装置7において現像バイアス電源(図示せ
ず)に接続された現像ローラ6によって現像し、トナー
可視像を形成する。このトナー可視像を転写・分離ロー
ラ8による作用の下に感光体1から用紙上に転写する。
転写後の感光体1側では、プリクリーニング光9の照射
により剥離しやすくなったトナーがクリーニングブレー
ド10により除去され、かつ、感光体1の電位は除電用
コロトロン11により除電され、次の作像サイクルに備
える。転写後の用紙は熱定着装置15を経て定着された
後、排紙される。
【0044】ここに、現像剤の劣化やトナー濃度の変動
によって引き起こされた画像濃度の変動を補正するため
に感光体1の表面に現像されたトナー量を測定する必要
があり、このために、トナーセンサ16が設けられてい
る。ここに、本実施の形態の場合、感光体1が可視から
赤外領域の光に対しては透明で光感度を有しないため、
このトナーセンサ16による疲労を気にせずに連続的に
トナー付着量のモニタが可能となる。よって、従来であ
れば、感光体を疲労させないように間欠的にモニタして
いたのと異なり、トナー濃度変動に対してすぐにフィー
ドバックをかけることができ、画質変動の少ないハード
コピーが可能となる。
【0045】また、本実施の形態の感光体1は、上述の
ような可視光領域に対して感度を持たないため、マシン
使用時に発生したトラブル、例えば、ペーパジャム等の
エラー処理作業を行なう上でも極めて有利である。即
ち、マシン内部の用紙の所在を確認するためには、可視
光で感光体周りを照明しなければならないものの、従来
の感光体の場合には光疲労を避けるために感光体付近を
あまり大きく開放することができないが、本実施の形態
のように可視光に対して感度のない感光体1の場合には
マシン内部を大きく開放させて(感光体1を可視光に晒
して、或いは、感光体1を取り外して)、作業しやすい
メンテナンスが可能となる。これにより、メンテナンス
作業時間の短縮、つまり、保守コストの低減が可能とな
る。
【0046】なお、本実施の形態では、除電用コロトロ
ン11により感光体1の除電を行なうようにしたことに
より、電気的な除電効果に加えて、若干ではあるが、コ
ロナ放電に際して発生する紫外線による除電効果も確認
されたものである。もっとも、感光体1に感度のある波
長領域の光のみによる除電としてもよい。
【0047】なお、本実施の形態においては、酸化亜鉛
層3が可視光に対して透明であるため、例えば、図9に
示すように、アルミニウムによる導電性基体2上に色の
異なる導電性材料をめっき等で形成し、この感光体1の
出所、作成材料、ロット、製造場所等の感光体情報をバ
ーコード17等のシンボル形式で形成しておき、このバ
ーコード17部分も含めて導電性基体2上に酸化亜鉛層
3を形成するものとし、バーコード17の情報をコード
情報読取りデバイス18で読取るように構成することが
できる。即ち、従来であれば、このような感光体情報は
感光体の導電性基体に印刷、刻印等により付されてお
り、汚染、取扱い上での傷、或いは、意図的な改ざん等
によって、これらの情報を読取れなくなってしまうこと
があるが、本実施の形態によれば、酸化亜鉛層3の下層
にて見える状態でバーコード17が付されているので、
寿命が尽きたり、何らかのトラブルを起こした感光体を
ユーザに売り渡してユーザに損害を与える、といったよ
うな事態を未然に防止するのに役立つ。
【0048】即ち、バーコード17等の形態で感光体1
の特性等、プロセス制御に必要な情報自体又はその感光
体1の情報を保管しているファイル名等を記しておき、
マシン起動時にその情報をコード情報読取りデバイス1
8で読取るように設計しておけば、感光体の改良・交換
等でプロセス制御条件を変えなくてはならない場合であ
っても、殆ど人為的ミスを起こさずに対処できる。ま
た、これらの感光体情報を遠隔地からの通信手段によっ
ても読取ることを可能にすれば、テスト印刷等で得られ
る実際の感光体特性データとこの記録内容とを対比させ
ることで、マシンの状態が本来あるべき状態からどの程
度ずれているかを調べるようなことも可能となる。この
ような機能を利用すれば、メンテナンス状態を適切に把
握してマシンの性能を正常に保つことかできる。何れに
しても、このためには、本実施の形態の酸化亜鉛層3の
ような透明かつ堅牢な層によって情報(バーコード1
7)が維持されていることが重要といえる。
【0049】本発明の電子写真装置の第二の実施の形態
を図10に基づいて説明する。本実施の形態の電子写真
装置は、石英ガラスによる可視〜紫外光に対して透明な
シリンダ21a表面にITOによる透明導電膜21bを
形成してなる導電性基体21を備え、この導電性基体2
1の外周面に前述した如きa軸配向の酸化亜鉛層22を
感光体層として積層させてなる感光体23を用いるよう
にしたものである。即ち、感光体23全体が可視〜紫外
光に対して透明体として形成されている。
【0050】この結果、酸化亜鉛層22に対してシリン
ダ21の内部から紫外線書込み露光が可能であり、本実
施の形態では、シリンダ21の内部に紫外線24による
光書込みを行なう光書込み用紫外発光のLEDアレイ2
5が設けられている。感光体23の周囲に対しては、帯
電ローラ26、現像ローラ27、現像剤攪拌部材28、
ドクタブレード29等を備えた乾式2成分方式の現像装
置30、転写・分離ローラ31、クリーニングブレード
32、除電用コロトロン33等が順に配設・位置定され
ている。また、転写・分離ローラ31による転写位置に
対しては用紙(図示せず)の搬送経路34が形成されて
おり、転写位置よりも上流側には給紙ローラ35、レジ
ストローラ36が配設され、転写位置よりも下流側には
熱定着装置37が配設されている。また、感光体23に
おける透明導電膜21bに対しては感光体バイアス電位
発生用の定電圧デバイス、例えば、ツェナダイオード3
8が接続されている。また、クリーニングブレード32
と対向する位置でシリンダ21aの内周面側には除電用
紫外線ランプ39が迷光防止用遮蔽部材40に覆われて
設けられている。
【0051】さらに、現像位置と転写位置との間で感光
体23の内外に対向配置させた可視光発光素子41aと
可視光受光素子41bとによる透過型のトナーセンサ4
1が設けられている。また、現像位置(現像ローラ2
7)に対向する位置でシリンダ21aの内周面側には可
視光発光素子42aと可視光受光素子42bとによる反
射型のトナー濃度センサ42が設けられている。
【0052】このような構成によれば、感光体23の内
部からLEDアレイ25による紫外線照射により潜像形
成が可能であり、小型で高精細な画像形成が可能とな
る。
【0053】また、感光体23全体が可視光に対して透
明になることにより、トナーセンサ41において透過光
によるトナー付着量の測定が可能となる。即ち、人間の
視覚特性が明るいハーフトーン部での濃度変動に非常に
敏感なため、トナー付着量が少ない状態でのトナー付着
量の計測を正しく行なうことが重要になる。ここに、従
来の反射型センサによる測定では感光体表面からの正反
射光を避けてトナーからの拡散光を利用して誤検知を防
いでいるが、これでは、トナー付着量が少なくなるにつ
れて光がセンサに届かなくなり、センサ暗電流のために
検出精度が低下し、確実な付着量の把握を困難にしてい
る。この点、本実施の形態では、可視光に対して透明な
感光体23を用いているので、トナーセンサ41におい
て透過光により感光体23上のトナー量を検知できるた
め、精度よく検出しなければならない少ない付着量領域
で大きなセンサ入力光量を確保でき、検出のS/N比が
向上し、トナー付着量の制御全体の精度を上げることが
できる。
【0054】さらに、可視光領域を用いる反射型のトナ
ー濃度センサ42により感光体23の内部から現像領域
の状態を調べることができるので、今までは不可能であ
った現像領域での直接的なトナー濃度の計測が可能とな
り、現像装置30内で行なっていたトナー濃度検知を廃
止することもできる。44は現像剤(トナー)である。
ちなみに、この現像装置30内にトナー濃度センサ43
をも備えた構成とすれば、現像剤貯溜領域でのトナー濃
度と現像領域でのトナー濃度とをセンサ42,43で別
々に測定することによって、現像剤にトナーを補給すべ
きか、或いは、現像領域への現像剤補給速度を上げるべ
きか、等の高度な判定を行なうことができる。これよ
り、例えば、カラー画像を出力する場合に要求される現
像剤特性の安定化が一層確実となる。即ち、本実施の形
態は単色の電子写真装置の例を示しているが、複数色の
トナーを備えたカラー電子写真装置の場合には、各色の
現像装置毎にこのようなトナー濃度センサを設ければよ
い。
【0055】また、カラー画像作成プロセスの場合、画
像の位置精度が非常に重要になってくるが、本実施の形
態のように、可視光に対して透明な感光体23を用いた
電子写真装置によれば、導電性基体21上にエッチング
等によって特定のパターンを形成しておき、酸化亜鉛層
22の外部からの入射光による回折・散乱光を利用した
角度座標を読取るエンコーダ機能を感光体23に持たせ
ることも可能となる。この情報によって、回転ムラ抑制
制御、絶対位置検出等、位置の安定性に関する制御を適
正に行なうことができる。
【0056】本発明の電子写真装置の第三の実施の形態
を図11に基づいて説明する。本実施の形態の電子写真
装置は、前述した如く形成された全体が可視〜紫外光に
対して透明なa軸配向酸化亜鉛感光体を第1の感光体と
し、可視〜赤外光に対して感度を有する第2の感光体に
対する通常の電子写真プロセスにおける光書込み部分に
用いることで、一種のアナログメモリとして活用できる
ようにしたものである。
【0057】まず、反時計方向に回転駆動される通常の
第2の感光体51(51aはその導電性基体である)の
周りには帯電ローラ52、現像ローラ53、ドクタブレ
ード54等を備えた現像装置55、転写ローラ56、ク
リーニングブレード57、除電ランプ58等が順に設け
られている。転写ローラ56による転写位置に対しては
用紙(図示せず)の搬送経路59が形成されており、転
写位置よりも上流側にあっては給紙ローラ60、レジス
トローラ61が設けられ、転写位置よりも下流側にあっ
ては熱定着装置62が設けられている。
【0058】一方、帯電ローラ52・現像装置55間の
露光位置Ex2に対しては、第1の感光体63を利用し
た光書込み装置64が感光体51に対向させて設けられ
ている。感光体63は例えばA4サイズの出力原稿1ペ
ージ分を記録し得る大きさのもので、石英ガラスによる
可視光に対して透明なシリンダ65a表面にITOによ
る透明導電膜65bを形成してなる導電性基体65を備
え、この導電性基体65の外周面に前述した如きa軸配
向の酸化亜鉛層66を感光体層として積層させたもので
ある。即ち、感光体63全体が可視〜紫外光に対して透
明体として形成されている。時計方向に回転駆動される
この感光体63に対しては表面に対して接離自在な帯電
ローラ67、光書込み用の半導体レーザ或いはLEDア
レイ(図示せず)からの紫外光68による露光位置Ex
1、現像ローラ69、現像剤ドクタ70、クリーニング
ブレード71等を含む現像装置72、除電チャージャ7
3等が設けられている。なお、紫外光68の照射は図1
0の場合と同様に感光体63の内周面側から行なうよう
にしてもよい。
【0059】ここに、感光体51に対する露光位置Ex
2部分では感光体63内に可視〜赤外光を発する棒状ラ
ンプ等の光源74が設けられ、かつ、光源74に対応す
る感光体63,51間には屈折率分布型ファイバレンズ
アレイ等のセルフォックレンズアレイ75が設けられて
いる。
【0060】このような構成において、画像情報は紫外
光68に対する半導体レーザ等の書込み光源に与えら
れ、帯電ローラ67により帯電済みの感光体63の表面
に静電潜像が形成される。この潜像は現像装置72で現
像されることによりトナー像となり、光源74による露
光位置に進む。感光体51に対向する位置で光源74に
より感光体63を露光すると、可視光に対して透明なた
め、この感光体63上のトナー像がマスクとなって、可
視光に対して感度を有する感光体51上にトナー像が投
影される。ここに、感光体51は帯電ローラ52により
帯電済みであるので、投影されたトナー像対応の静電潜
像が形成される。そして、現像装置55で現像されてト
ナー像となり、転写ローラ56による転写作用を受け
て、所定タイミングで給紙搬送された用紙上にトナー像
が転写される。転写後の用紙は熱定着装置62で定着さ
れ、排紙される。定着後の感光体51の表面はクリーニ
ングブレード57によりクリーニングされ、除電ランプ
58により除電され、次の印刷に備える。
【0061】このとき、感光体63側にあっては、1回
転した時点で除電チャージャ73を作用させず、帯電ロ
ーラ67を感光体63の表面から離間させた状態とすれ
ば、感光体63は一旦作成されたトナー像を維持したま
ま回転させることが可能となり、感光体63を一種のア
ナログメモリなる版として利用できる。そこで、このト
ナー像を有する感光体63に対して光源73による感光
体51への露光(トナー像の投影)を必要枚数分繰返す
ことにより、1回の書込みのみによってページメモリを
用いることなく、多数枚印刷が可能となる。所定枚数の
印刷が終了すると、感光体63は除電チャージャ73に
より除電され、表面のトナー像はクリーニングブレード
71により掻き取られて現像装置72内に回収される。
【0062】ここに、感光体63側は1ページ分のトナ
ー像を担持し得る大きさを必要とするが、感光体51側
にあってはトナー像を順次用紙上に転写できればよく、
特に大きさに制限はなく、小径のものでよい。また、感
光体63上にトナー像を形成するためのトナーも用紙上
に転写するわけではないので黒色トナーに限らず、か
つ、用紙に転写されず繰返し使用に耐え得るものがよ
く、通常のトナー材料である必要はない。さらに、感光
体51側に対する作像プロセスと感光体63側に対する
作像プロセスとが同じである必要はない。
【0063】もっとも、本実施の形態の電子写真装置を
構成する場合、感光体51上の画像をポジ像として形成
する必要がある。この最低限の条件を考慮して、第1,
2の感光体63,51に関するプロセス条件を分類する
と、表1に示すような組合せが得られる。ただし、感光
体63上のトナー像をメモリとして使用するため、感光
体51への書込みはアナログ書込みとする。
【0064】
【表1】
【0065】この表1に示す内容は、感光体63を負帯
電させて使用することを前提としている。感光体63,
51間でのトナーの飛散を防止するためには、背景部を
少し暗くした部分に対応する組合せが電気的には最適で
あり、表中、対で枠で囲った部分となる。この枠で囲っ
た部分の右隣の条件も使用可能であるが、極性上、あま
り好ましくない。また、網掛けで示す部分の左隣の条件
は非常に不安定であり、使うとトナー飛散によるトラブ
ルを起こしやすい条件であり、避けるべきである。
【0066】本実施の形態のような電子写真装置を設計
するに当たっては、この他に、感光体の入手可能性、ト
ナーとして使用する粉体の帯電分布等を考慮して、安定
かつ低コストのものを選定すればよい。また、感光体6
3上にネガ像を形成して感光体51上にそのトナー像を
投影する方式とする場合には、ネガの黒色部に少しでも
光を透過させる部分があると、最終画面上には、地膚汚
れとして再現されてしまうので、現像量や現像後のトナ
ー帯電量等を十分配慮する必要がある。
【0067】本発明の電子写真装置の第四の実施の形態
を図12に基づいて説明する。本実施の形態の電子写真
装置は、前述した如く形成された全体が可視〜紫外光に
対して透明なa軸配向酸化亜鉛感光体を、可視〜赤外光
に対して感度を有する感光体に対する潜像形成部分に用
いるようにしたものである。
【0068】まず、時計方向に回転駆動される可視光に
対して感度を有する通常の感光体81(導電性基体81
a上に感光体層81bが形成されている)の周りには全
体が可視〜紫外光に対して透明な感光体82、現像ロー
ラ83、ドクタブレード84、現像剤攪拌・補給用アジ
テータ85等を備えた現像装置86、導電層87a上に
弾性層87bを形成してなる転写ローラ87、プリクリ
ーニングランプ88、クリーニングブレード89等を有
するクリーニングユニット90、除電チャージャ91等
が順に設けられている。転写ローラ87による転写位置
に対しては用紙(図示せず)の搬送経路が形成されてい
る。
【0069】ここに、感光体81に接触させた感光体8
2は、石英ガラスによる可視〜紫外光に対して透明なシ
リンダ92a表面にITOによる透明導電膜92bを形
成してなる導電性基体92を備え、この導電性基体92
の外周面に前述した如きa軸配向の酸化亜鉛層93を感
光体層として積層させたものである。即ち、感光体63
全体が可視〜紫外光に対して透明体として形成されてい
る。また、感光体82の内部には可視〜赤外光を発する
LEDアレイ等の書込み用光源94が感光体81に対向
させて配置されている。また、この書込み用光源94と
直交する位置には、紫外光を発するスリット露光用光源
95が設けれている。これらの光源94,95による光
の交差する位置には、紫外反射、可視〜赤外透過の合成
ミラー96が配設されている。この合成ミラー96とし
てはハーフミラーでもよいが、誘電体多層膜構造で波長
選択性のあるミラーが望ましい。
【0070】このような構成において、特定電位に維持
された導電性基体81a上の感光体層81bに対して、
透明導電膜92bにバイアスをかけながら感光体82を
接触させ、シリンダ92a内部からスリット露光用光源
95によりスリット状に紫外線露光を行ないながらその
露光部分に画像情報に対応する可視〜赤外光による光書
込みを書込み用光源94から行なう。これにより、導電
度を増した酸化亜鉛層93を通じて感光体層81bに充
電が行われ、可視〜赤外光の照射された部分の電位が非
照射部分よりも小さくなることにより感光体層81bに
静電潜像が形成される。つまり、本実施の形態の感光体
82部分は帯電と露光との機能を複合させたデバイスと
なるので、電子写真装置の小型化を図る上で有利とな
る。この帯電・露光以降のプロセスとしては、従来一般
の電子写真プロセスをそのまま利用すればよい。
【0071】ちなみに、本実施の形態の電子写真装置に
おいて、可視〜赤外光に感度を有する感光体81に紫外
光が当たると、結合エネルギーが小さいOPC等の場合
には感光体層81bが急速に老化する可能性があるが、
酸化亜鉛層93により殆ど吸収されてしまうので、特に
支障はない。
【0072】本発明の電子写真装置の第五の実施の形態
を図13に基づいて説明する。本実施の形態の電子写真
装置は、前述した如く形成された全体が可視〜紫外光に
対して透明なa軸配向酸化亜鉛感光体を、可視〜赤外光
に対して感度を有してベルト状に形成され可撓性を有す
る感光体に対する潜像形成部分に用いるようにしたもの
である。
【0073】まず、時計方向に回転駆動される可視光に
対して感度を有する通常のベルト状の感光体101の周
りには、全体が可視〜紫外光に対して透明な感光体10
2、現像ローラ103、ドクタブレード104、現像剤
攪拌・補給用アジテータ105等を備えた現像装置10
6、転写チャージャ107、クリーニングブレード10
8等を有するクリーニングユニット109、除電チャー
ジャ110等が順に設けられている。転写チャージャ1
10による転写位置に対しては用紙(図示せず)の搬送
経路111が形成されている。112はレジストローラ
である。ここに、ベルト状の感光体101は、駆動ロー
ラ113と従動ローラ114との間にほぼ水平状態で掛
け渡されているとともに、中間位置ではバックアップロ
ーラ115によりテンションが付与されている。
【0074】ここに、感光体102はベルト状の感光体
101に対して、駆動ローラ113とバックアップロー
ラ115との間で或る程度の巻き付き幅を有するように
変形させる状態で圧接されている。この感光体102
は、石英ガラスによる可視〜紫外光に対して透明なシリ
ンダ116a表面にITOによる透明導電膜116bを
形成してなる導電性基体116を備え、この導電性基体
116の外周面に前述した如きa軸配向の酸化亜鉛層1
17を感光体層として積層させたものである。即ち、感
光体102全体が可視〜紫外光に対して透明体として形
成されている。また、感光体102の内部には可視〜赤
外光を発するLEDアレイ等の書込み用光源118と、
紫外光を発するスリット露光用光源119とが感光体1
01に対向させて並列的に配置されている。スリット露
光用光源119による紫外光露光は、ベルト状の感光体
101が感光体102から離れる直前の位置となるよう
に設定されている。感光体102の透明導電膜116b
には帯電電源120が接続されている。
【0075】このような構成において、基本的には、第
四の実施の形態の場合と同様に画像形成が行なわれる。
特に、本実施の形態のように感光体102に対して巻き
付け幅を持たせてベルト状の感光体101を接触させ、
十分に充電させた後、ベルト状の感光体101が感光体
102から離れる直前の領域でスリット露光用光源11
9により露光が行われるようにすることで静電潜像の電
位コントラストを大きくとることができ、好都合であ
る。このため、本実施の形態では、この分離部分にはバ
ックアップローラ115を設けることで、大きな曲率で
感光体102からベルト状の感光体101を分離させる
ように構成されている。より詳細には、感光体102側
が直径80mmでベルト状の感光体101が約30mm
の巻き付け幅で接触し、直径16mmのバックアップロ
ーラ115の曲率で急激に感光体101,102が離れ
るように設定されている。これは、パッシェンの放電則
による気中放電を避け、静電潜像が乱れるのを防止する
ためである。バックアップローラ115はカーボン分散
シリコンゴム等の導電性材料と導電性芯金とにより形成
され、可視感度を有する感光体101の導電性基体に電
気的に接続されており、かつ、0Vを含む定電圧発生機
構(図示せず)を介して機械のアースに接続されてい
る。具体的には、約150Vの電圧を発生させる定電圧
ダイオードを用いればよい。このような機構は、反転現
像を接触現像プロセスで行なう場合に、無帯電部分又は
休止時間中に放電してしまった部分に有害な現像を起こ
さないようにするために必須のものである。
【0076】本発明の電子写真装置の第六の実施の形態
を図14に基づいて説明する。本実施の形態の電子写真
装置は、石英ガラスによる可視〜紫外光に対して透明な
シリンダ121a表面にITOによる透明導電膜121
bを形成してなる導電性基体121を備え、この導電性
基体121の外周面に前述した如きa軸配向でn型の酸
化亜鉛層122を感光体層として積層し、さらにその表
面に高分子化合物からなる絶縁層123を積層させてな
る感光体124を用いるようにしたものである。ただ
し、絶縁層123は可視〜紫外光に対して透明であって
もなくてもよい。
【0077】この結果、前述したように酸化亜鉛層12
2に対してシリンダ121aの内部から紫外線書込み露
光が可能であり、本実施の形態では、シリンダ121a
の内部に紫外線による光書込みを行なう光書込み用紫外
発光のLEDアレイ125が設けられている。感光体1
24の周囲に対しては、正帯電スコロトロンチャージャ
126、LEDアレイ125対向位置の表面除電チャー
ジャ127、現像ローラ128、現像剤攪拌部材12
9、ドクタブレード130等を備えた乾式2成分方式の
現像装置131、転写ローラ132、クリーニングブレ
ード133、表面除電用チャージャ134等が順に配設
・位置定されている。また、表面除電チャージャ127
・現像装置131間にて感光体124の内部には紫外光
を発する潜像活性化用光源135が設けられ、また、表
面除電用チャージャ134に対向する位置には紫外光を
発する残留負電荷除電用光源136が設けられている。
なお、転写ローラ132による転写位置に対しては用紙
(図示せず)の搬送経路が形成されている。
【0078】このような構成において、感光体124の
表面の絶縁層123を正帯電スコロトロンチャージャ1
26により正電荷を帯電させ、透明導電膜121bから
キャリアの注入を行ない、酸化亜鉛層122と絶縁層1
23との境界部分に電子を蓄積する。次に、絶縁層12
3の表面の電荷を表面除電チャージャ127によるコロ
ナ放電で除電しながらシリンダ121a側からLEDア
レイ125により紫外光を用いて画像情報に応じて像露
光を行なう。さらに、内部から潜像活性化用光源135
により紫外光で全面露光を行なうと、暗部の電子が中和
され、静電潜像が現れる。このようにして得られた静電
潜像は、絶縁層123をPET(ポリエチレンテレフタ
レート)のような安定かつ丈夫な樹脂上に形成されるた
め、極めて安定したものとなる。潜像を消去するには、
絶縁層123側から交流放電させつつ、内部から紫外光
露光を行なうのが確実であるが、本実施の形態では、絶
縁層123側からはこの露光を行なわないので、絶縁層
123には可視〜紫外光に対する透明性が要求されな
い。絶縁層123に関して透明性の制約がない点で、そ
の材料選択の範囲が広いものとなる。特に、樹脂の殆ど
が紫外光に対して不透明であるため、シリンダ121a
の内部に外部から紫外線が入らないように留意すれば、
電子写真プロセスを全く遮光せずに行なわせることがで
きる。この結果、ジャム処理等のメンテナンス、トラブ
ル時の故障解析に非常に有利となる。 <感光体用容器について>本発明の感光体用容器の第一
の実施の形態を図15及び図16に基づいて説明する。
本実施の形態は、前述した如く形成されたa軸配向酸化
亜鉛感光体141を保管ないしは輸送するために用いる
感光体用容器に関する。中空円筒状に形成された感光体
141を保管する感光体用容器142は、例えば、六角
柱形状に形成された樹脂製容器143と確認窓部として
作用する透明樹脂製蓋144とにより形成されている。
ここに、透明樹脂製蓋144は可視光(可視〜赤外光)
に対して透明であって紫外光に対しては不透明な材料が
用いられている。また、樹脂製容器143と透明樹脂製
蓋144とには、例えば、図16に示すように、感光体
141の端部を受けて保持するための円筒状凸部145
が形成されている(図16では透明樹脂製蓋144側の
みを図示する)。
【0079】本実施の形態によれば、感光体141が可
視光に対して感度を持たないため、透明かつ紫外光を通
さない材料による透明樹脂製蓋144を用いる感光体用
容器142で何ら支障ないものとなる。このような保管
ないし輸送状態は、従来の感光体では考えられなかった
ことであり、内容物の目視確認がそのままできるため、
取扱い・作業効率が格段に向上する。また、感光体14
1を可視光に晒したままでの作業が可能なため、マシン
メンテナンス担当者にとって精神的負担が大幅に軽減さ
れる。つまり、従来であれば、極力光を当てないように
注意するあまり、かえって、緊張し取扱いミスを誘発し
て感光体に損傷を与えてしまう、といった不具合を生じ
ていたが、本実施の形態によれば、紫外線がカットされ
た環境であれば、光に晒しても特に支障がないため、作
業時の緊張からくる上記のような事故を回避することが
できる。
【0080】さらに、多少の迷光は許容されるので、隙
間が全くない従来の包装と異なり、リサイクル材料を使
った必要最小限のパッケージで梱包・輸送することが可
能となる。つまり、従来のOPC等にあっては、梱包材
料や近くに配設された部材から発散されるごく微量の化
学物質によっても、表面に障害を引き起こすことがあっ
たが、本実施の形態で扱う感光体141では、酸化物で
あって安定しているため、よほどの強酸か強アルカリに
晒されない限り、上記のような障害を起こすことはな
い。このため、出所が不明なリサイクル材料で形成され
た樹脂製容器143や透明樹脂製蓋144であっても、
安心して使用することができる。
【0081】本発明の感光体用容器の第二の実施の形態
を図17及び図18に基づいて説明する。本実施の形態
も、前述した如く形成されたa軸配向酸化亜鉛感光体1
51を保管ないしは輸送するために用いる感光体用容器
に関する。本実施の形態の感光体用容器152は、中空
円筒状に形成された感光体151の両端を嵌め込み保持
する段付き凸部153及び径大部154を有する一対の
紙製ガード体155と、これらの紙製ガード体155間
に感光体151を保持させた後、径大部154周りに巻
回される熱収縮性のポリエチレン等の樹脂フィルムによ
る透明な被覆フィルム156とにより形成されている。
この被覆フィルム156が確認窓部として作用するもの
で、その材料としては、紫外光に対して不透明なものが
用いられている。
【0082】本実施の形態による場合も、上記の実施の
形態の場合と同様であるが、特に、本実施の形態によれ
ば、感光体151を使用する際には(取り外した状態で
は)、2個の紙製ガード体155と被覆フィルム156
とに簡単に分解でき、紙製ガード体155はリサイクル
可能で、被覆フィルム156は焼却処分することができ
る。
【0083】何れにしても、これらの実施の形態によれ
ば、非常に環境を考慮した形で感光体141,151の
取扱いを行なえる。つまり、従来であれば、紙筒製の頑
丈な容器を用いるため、嵩張って、かつ、一部でも破損
すれば全体を廃棄しなければならないという不合理な点
があったが、包装・保管・輸送に際して合理的で最小の
環境負荷を実現できる。
【0084】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、導電性基
体上にウルツ構造の柱状結晶を有する酸化亜鉛を結晶の
a軸を主体として導電性基体に対してほぼ垂直に成長さ
せた感光体層を備えるので、無公害・堅牢で物理的・化
学的にも安定し、製造容易で安価な上に、青〜近紫外な
いしは紫外領域といった短波長領域に発光波長を有する
レーザダイオード等による光書込みに適した高性能な感
光体を提供することができる。
【0085】請求項2記載の発明によれば、請求項1記
載のa軸配向酸化亜鉛感光体を用いるので、高解像度、
高速画像形成、耐久性、メンテナンス性、安全性、或い
は、アナログメモリ機能による複数枚の印刷能力等の点
で優れた電子写真装置を提供することができる。
【0086】請求項3記載の発明によれば、可視光に晒
しても支障のない請求項1記載のa軸配向酸化亜鉛感光
体を対象とするので、環境負荷が小さくて簡易に感光体
を保管したり輸送できる感光体用容器を提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の感光体の一実施の形態による
場合の回折パターンを示す特性図、(b)は対比のため
にバイアスを付与しない場合の回折パターンを示す特性
図である。
【図2】バイアス条件を変えた場合の回折パターンを示
す特性図である。
【図3】導電性基体上にITOをコーティングした場合
における各種バイアス条件に対する回折パターンを示す
特性図である。
【図4】導電性基体上にITOをコーティングしない場
合における各種バイアス条件に対する回折パターンを示
す特性図である。
【図5】Li添加量を示す特性図である。
【図6】本実施の形態の酸化亜鉛サンプルの帯電・露光
特性を示す特性図である。
【図7】波長に対する電位減衰率を示す特性図である。
【図8】本発明の電子写真装置の第一の実施の形態を示
す概略構成図である。
【図9】その一部の変形例を示す斜視図である。
【図10】本発明の電子写真装置の第二の実施の形態を
示す概略構成図である。
【図11】本発明の電子写真装置の第三の実施の形態を
示す概略構成図である。
【図12】本発明の電子写真装置の第四の実施の形態を
示す概略構成図である。
【図13】本発明の電子写真装置の第五の実施の形態を
示す概略構成図である。
【図14】本発明の電子写真装置の第六の実施の形態を
示す概略構成図である。
【図15】本発明の感光体用容器の第一の実施の形態を
示す斜視図である。
【図16】透明樹脂製蓋を示し、(a)は平面図、
(b)は正面図である。
【図17】本発明の感光体用容器の第二の実施の形態を
示す斜視図である。
【図18】その紙製ガード体を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 感光体 2 導電性基体 3 感光体層 21 導電性基体 22 感光体層 23 感光体 63 感光体 65 導電性基体 66 感光体層 82 感光体 92 導電性基体 93 感光体層 102 感光体 116 導電性基体 117 感光体層 121 導電性基体 122 感光体層 124 感光体 141 感光体 142 感光体用容器 144 確認窓部 151 感光体 152 感光体用容器 156 確認窓部
フロントページの続き (72)発明者 佐藤 正寿 宮城県柴田郡柴田町大字中名生字神明堂3 番地の1 東北リコー株式会社内 (72)発明者 羽賀 浩一 宮城県柴田郡柴田町松ヶ越1丁目5−3 Fターム(参考) 2H068 AA18 AA25 CA22 EA23 EA24 FB05 3E067 AA16 AB39 BA02A BB01A BB14A BB15A BB26A BC03A BC07A CA11 CA13 CA21 EE20

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性基体上にウルツ構造の柱状結晶を
    有する酸化亜鉛を結晶のa軸を主体として前記導電性基
    体に対してほぼ垂直に成長させた感光体層を備える感光
    体。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の感光体を用いる電子写真
    装置。
  3. 【請求項3】 可視光に対して透明で紫外光を通さない
    材料による確認窓部を有して請求項1記載の感光体を収
    納する感光体用容器。
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