JP2000136857A - 液圧テンショナ - Google Patents

液圧テンショナ

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JP2000136857A
JP2000136857A JP11265067A JP26506799A JP2000136857A JP 2000136857 A JP2000136857 A JP 2000136857A JP 11265067 A JP11265067 A JP 11265067A JP 26506799 A JP26506799 A JP 26506799A JP 2000136857 A JP2000136857 A JP 2000136857A
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Preston K Todd
トッド・ケー・プレストン
Roger T Simpson
ロジャー・ティー・シンプソン
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液圧テンショナにおいて、ピストンの後退移
動を防止し、またピストンの最大移動距離を制限し、さ
らにバックラッシュを制限する。 【解決手段】 複数の溝11を外側に有し、ハウジング
20の穴15内にスライド可能に受け入れられたピスト
ン2と、これを穴15から外方に付勢するピストンスプ
リング4と、流体チャンバ22および加圧流体源25の
間に設けられたチェックバルブ21と、ピストン2の半
径方向外方においてハウジング20の溝内に配置された
外部ラック部材3とを設ける。さらに、外部ラック部材
3の上端に半径方向延長部12を設け、該半径方向延長
部12をピストン外側の溝11と接触させてピストン2
の軸方向移動を制限するとともに、外部ラック部材3の
下端80をハウジング20の溝86内にスライド可能に
配置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、外部ラックを備え
た液圧テンショナに関する。さらに詳細には、本発明に
よる液圧テンショナは、ピストンの最大移動距離を制限
して、バックラッシュを制限するための外部ラックを有
している。
【0002】
【従来の技術およびその課題】1997年5月8日に出
願された「外部ラック付液圧テンショナ」という名称の
米国特許出願第 08/852,925 号と、1998年9月21
日に出願された米国仮出願第 60/101,260 号とが参照さ
れるべきである。これらの米国出願は、その主題が本願
発明に関係しており、引用することによって本件出願の
中に含まれる。
【0003】発明の背景 自動車用エンジンタイミングシステムにおけるチェーン
駆動装置のための制御装置として、一般に、液圧テンシ
ョナが用いられている。チェーンの緊張力は、温度の幅
広い変化により、またエンジンの種々の部品間の線膨張
係数の違いにより大きく変化する。さらに、長期間の使
用中におけるチェーン構成部品の摩耗がチェーン緊張力
を減少させる。エンジンタイミングシステムにおいて、
カムシャフトをクランクシャフトに連結するチェーンや
ベルトの弛みをとるのに、液圧テンショナが用いられて
いる。
【0004】テンショナピストンは、エンジンの高速回
転によりチェーンが伸びるときは外方に突出できなけれ
ばならず、逆に、エンジンの低速回転とともにチェーン
荷重が減少するときには内方に後退できなければならな
い。大抵のオーバヘッドカムエンジンの場合、エンジン
のアイドル回転から最大回転までのピストン移動量は1
〜4mmの範囲内にある。
【0005】典型的な液圧テンショナは、穴を有するハ
ウジングと、スプリングによって穴から突出する方向に
付勢された中空ピストンと、中空ピストンおよび穴によ
って限定される流体チャンバとを有している。液圧テン
ショナ内にはチェックバルブも設けられており、該チェ
ックバルブは、加圧流体源からリザーバまたはオイル供
給路を経て流体チャンバ内への流体の流れを許容する一
方、逆方向への流体の流れを阻止している。チェーンの
ピストンに対する内方への力は、外方へのスプリング力
および流体の抗力と釣り合っている。
【0006】典型的な液圧テンショナは、ピストンが一
方向には容易に動くが逆方向には容易に動かないという
逆止機能を通常有している。エンジンの始動時には、テ
ンショナへのオイル供給圧が数秒遅れる。このとき、テ
ンショナは、流体チャンバを満たすほどの十分なオイル
を有していない。このため、ピストンは、チェーンの動
きによって、テンショナ穴の底部まで押し込まれること
になる。その結果、チェーンには適切な荷重が維持され
ず、ノイズが発生する。その上、ピストンが下方に配置
されることにより、クランクスプロケットまたはカムス
プロケットのいずれかでチェーンが歯飛びを起こすこと
にもなる。
【0007】逆止機能を有するテンショナの一つの例
は、ウインクルホファーらの米国特許第 3,802,286号に
示されている。ウインクルホファーらによるテンショナ
のピストンは、ピストンの縮退を防止するために、穴の
内壁面に螺旋ラックを有している。逆止機能を有するテ
ンショナの他の例は、ヨシダの米国特許第 3,812,733号
に開示されており、これは、ピストンの伸長および縮退
を防止するために、ピストンの外側に形成された溝とス
プリング付き爪とを備えたラチェットシステムを有して
いる。同様に、ビーダマンによる米国特許第 4,713,043
号は、スプリングにより付勢された爪を有するピストン
の外側に溝を備えている。
【0008】ラックまたは逆止システムは、いくらかの
バックラッシュまたは限定された後退移動をピストンに
対して許容しなければならない。ゴッペルトによる米国
特許第 4,792,322号は、内部リングおよび溝のシステム
を含むことによって、不十分なバックラッシュの問題に
取り組んでいる。また、輸送中にピストンを所定位置に
保持するために、付加的なリングおよび溝も用いられて
いる。このシステムは、ピストンの外側のみならずテン
ショナ穴の内側に溝を形成しなければならず、高価であ
る。
【0009】スズキによる米国特許第 4,822,320号もま
た、ピストンの外側にブローチ加工された溝を有する、
バックラッシュのないラックを提供している。バックラ
ッシュを許容するために、ラチェットがハウジングに枢
支可能に連結されている。スズキは、このラチェットシ
ステムを米国特許第 4,874,352号および米国特許第 5,0
06,095号においても提供しており、前者の特許では、ラ
チェットがスプリングによって支持されており、後者の
特許では、ラチェットの歯の数がラックの歯の数のn倍
になっている。また、シマヤによる米国特許第 5,073,1
50号は、スズキのラチェット機構を異なるテンショナに
採用している。
【0010】ラチェット機構の他の例は、デッペらによ
る米国特許第 5,304,099号に開示されている。デッペら
のラチェット機構は、ピストンの外側に形成された溝
と、スプリングによって付勢されたラチェットプランジ
ャとを有している。通常の運転下ではラチェットが外れ
ており、運転停止時にはラチェットが係合して、テンシ
ョナを運転位置に維持している。
【0011】シャフト装置の移動を制限する機構の一つ
の例が、オジマによる米国特許第 5,004,448号に開示さ
れている。ここでは、コイル部分がテンションロッドに
接触している。コイルは、そのコイル径を拡径してロッ
ドの前進を防止することによって、またコイル径を縮径
してロッドをテンショナから解放することによって、フ
リクションブレーキとして作用する。
【0012】モットによる米国特許第 5,259,820号は、
内部ラチェットシステムを提供しており、このシステム
は、据付穴内に配置されるとともに、らせん状の二つの
開孔を有するシリンダから構成されている。ピストン
は、内方に押圧される十分大きな力を受けると、らせん
状の開孔と係合する。その結果、テンショナは、該テン
ショナへの流体圧が低いときチェーンに緊張力を作用さ
せる。
【0013】同様に本発明においては、ピストンの後退
移動を防止することを第1の目的とし、またピストンの
最大移動距離を制限することを第2の目的とし、さらに
バックラッシュを制限することを第3の目的としてお
り、低圧状態下で緊張力を提供するために、外部ラック
が設けられている。ピストンにバックラッシュがないと
いう本発明の特徴部分は、エンジン運転中に、標準的な
ピストンよりも数ミリメータだけピストンが後退するこ
とを許容している。ガータスプリング部材が外部ラック
をピストン側に付勢しているとき、外部ラックにおいて
半径方向に延びる部分は、ピストンの外面に沿って形成
された一連のスロットまたは溝の中を前後にスライドす
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る液
圧テンショナは、穴を有するハウジングと、前記穴内に
スライド可能に受け入れられ、前記穴との間で流体チャ
ンバを形成するとともに、その外側に形成された複数の
溝を有するピストンと、前記ピストンを前記穴から外方
に付勢するピストンスプリングと、前記流体チャンバお
よび加圧流体源の間に設けられ、前記チャンバ内への流
体の流れを許容しかつ逆方向の流体の流れを阻止するチ
ェックバルブとを備えている。また、前記ピストンの半
径方向外方において前記ハウジングの溝内に配置された
外部ラック部材を備えており、前記外部ラック部材が上
端、下端およびこれらの間に配置される側部を有し、前
記上端が半径方向延長部を有しており、前記外部ラック
部材が、前記ピストンの外側に形成された前記溝と接触
して軸方向のピストン移動を制限するように構成される
とともに、前記下端が前記ハウジングの前記溝内をスラ
イド可能になっている。さらに、前記外部ラック部材の
前記側部を包囲するスプリング部材を備えており、前記
半径方向延長部が、前記スプリング部材の付勢力により
前記ピストンの側に付勢されて前記ピストンの前記溝と
接触するようになっていることを特徴としている。
【0015】請求項2の発明は、請求項1において、前
記ピストンが、前記外部ラック部材の前記半径方向延長
部との接触によりピストン最大外方移動位置を提供する
階段状溝を有していることを特徴としている。
【0016】請求項3の発明は、請求項1において、前
記外部ラック部材の軸方向外方への移動が、前記ハウジ
ングに形成された溝によって制限されていることを特徴
としている。
【0017】請求項4の発明は、請求項1において、前
記外部ラック部材がそれぞれ前記ピストンの周囲に配置
された複数の分割部材から構成されるとともに、前記各
分割部材が半径方向延長部および下端を有していること
を特徴としている。
【0018】請求項5の発明は、請求項4において、前
記各分割部材が互いに接触して配置されるように、前記
スプリング部材が前記各分割部材を付勢していることを
特徴としている。
【0019】請求項6の発明は、請求項5において、前
記スプリング部材が、前記外部ラック部材の前記側部の
凹部内に配置された環状のガータスプリングであること
を特徴としている。
【0020】請求項1の発明では、ピストンの半径方向
外方においてハウジング溝内部に外部ラック部材が設け
られており、外部ラック部材上端の半径方向延長部がピ
ストン外側の溝と接触している。これにより、ピストン
の後退移動を防止できる。また、この場合には、外部ラ
ック部材の下端がハウジングの溝内をスライド可能にな
っており、これにより、ピストンのバックラッシュをわ
ずかながら許容できる。
【0021】請求項2の発明では、ピストンに形成され
た階段状溝に外部ラック部材の半径方向延長部が接触す
ることによって、ピストンの最大外方移動距離が制限で
きる。
【0022】請求項3の発明では、外部ラック部材の軸
方向外方への移動がハウジングの溝によって制限されて
おり、これにより、ピストンのバックラッシュを制限で
きる。
【0023】外部ラック部材は、請求項4の発明に記載
されているように、それぞれピストンの周囲に配置され
た複数の分割部材から構成されるとともに、各分割部材
が半径方向延長部および下端を有していてもよい。
【0024】請求項5の発明では、各分割部材が互いに
接触して配置されるように、スプリング部材が各分割部
材を付勢している。
【0025】スプリング部材は、請求項6の発明に記載
されているように、外部ラック部材の側部の凹部内に配
置された環状のガータスプリングでもよい。
【0026】
【発明の実施の形態】発明の要約 本発明は、外部ラックを備えた液圧テンショナに関す
る。テンショナは、中央に穴が形成されたハウジングを
有している。中空ピストンが穴内にスライド可能に受け
入れられており、穴との間で流体チャンバを形成してい
る。中空ピストンまたはプランジャは、スプリングによ
ってハウジングから突出する方向に付勢されている。
【0027】ハウジング内には、流体チャンバを加圧流
体源に接続するための流路が設けられている。チャンバ
および加圧流体源間には、チャンバ内への流体の流れを
許容しかつ逆方向への流体の流れを阻止するチェックバ
ルブが設けられている。チェックバルブは、テンショナ
の分野で知られているところのボール・スプリングチェ
ックバルブであり、あるいはスプリングバルブまたは可
変オリフィスチェックバルブである。
【0028】また、このテンショナは、バックラッシュ
のないまたはバックラッシュが制限された外部ラックを
有している。外部ラックは、ピストン外側に形成された
一連のくさび状溝の内部に係合する半径方向延長部を有
している。半径方向延長部は、ピストン上の対応する溝
内において前後にスライドする。ガータスプリングまた
は同様の弾性部材が、外部ラックの外側に巻き付けられ
ており、半径方向延長部をピストン外面の溝の側に付勢
している。
【0029】ラックおよびラチェットシステムのピスト
ン保持機能は、ピストンの外方への最大移動距離を制限
する。外部ラックの半径方向延長部は、ピストン外面の
最後の溝を通過すると、階段状溝内に着座する。これに
より、ピストンのそれ以上の外方への移動が阻止され
る。
【0030】本発明のこれらおよびその他の特徴・目的
をよく理解するためには、添付図面に関連して以下の詳
細な記述が参照されるべきである。
【0031】好ましい実施態様の詳細な説明 以下、本発明の実施態様を添付図面に基づいて説明す
る。図1は、本発明による液圧テンショナを示してお
り、同図において、液圧テンショナ10は、ハウジング
20と、リテーニングピンまたはクリップ5と、ハウジ
ング20の外側に沿って配置された外部ラック部材3と
を有している。図2および図5に示すように、ハウジン
グ20内に形成された穴15は、中空ピストン2の内壁
面との間で流体チャンバ22を形成している。流体チャ
ンバ22は、加圧流体源25から流路23,24を通っ
て流入した流体で満たされる。加圧流体源25は、オイ
ルポンプまたはリザーバである。
【0032】好ましくは円柱形状を有しているチャンバ
22は、好ましくは円筒形状の中空ピストン2を受け入
れている。ピストン2の外側は、該ピストン2の上に一
体的に形成された複数の溝11を有している。これらの
溝11は、ピストン2がハウジング20から外方に移動
するとき、外部ラック部材3の半径方向延長部12と接
触するピストンラックを形成している。また、ピストン
2の内壁面の上部には、ベントディスク8が配置されて
いる。ベントディスク8には、ピストン2を突出方向ま
たは外方に付勢するためにピストンスプリング4が接触
している。
【0033】液圧テンショナ10の輸送時には、中空ピ
ストン2が、該ピストン2の開孔28およびこれに対応
するハウジング20の開孔29に挿入されるクリップ5
によって、最内側の据付位置に確実に保持される。クリ
ップ5は、テンショナ10のエンジン内への据付時には
取り除かれる。
【0034】液圧テンショナ10がエンジン内に据え付
けられ、クリップ5が取り除かれた後、テンショナ10
の始動時には、ピストン2が、ピストンスプリング4の
付勢力によって外方に押し出される。これにより、チェ
ックバルブ21の前後に圧力差が形成され、その結果、
流体が流路23,24を通って、チェックバルブ21か
ら流体チャンバ22内に流入するとともに、チャンバ2
2の上端にエアを押しやる。図示しないチェーンからピ
ストン2に作用する内方への力が、チャンバ22内の流
体の抗力およびピストンスプリング4の反発力と釣り合
うまで、チャンバ22内には流体が流入し続ける。
【0035】流体チャンバ22と加圧流体源の間には、
チャンバ22内への流体の流れを許容する一方、逆方向
への流体の流れを阻止するチェックバルブ21が設けら
れている。チェックバルブ21は、ボール7、ボールリ
テーナ6およびスプリング9を有している。スプリング
9は、流路24に形成されたシートにボール7を付勢し
ている。
【0036】図3は液圧テンショナ10の上面を示して
おり、図4は図3の4−4線に沿ったテンショナ断面を
示している。図5はテンショナ10の構成部品を分解状
態で示している。
【0037】本発明による外部ラック部材3は、図6に
詳細に示されている。外部ラック部材3は、半径方向に
延びる半径方向延長部60を有しており、該半径方向延
長部60は上面62および下面64を有している。半径
方向延長部60はその側方に配置された側部66と一体
に設けられており、該側部66は、ガータスプリング6
8によってハウジング20に保持されている。半径方向
延長部60は、上面62および下面64間の距離Dだけ
ピストンラックの溝70内において軸方向に延在してい
る。
【0038】図6には、半径方向延長部60が、くさび
状部72,74によって限定される溝70内に配置され
た状態が示されている。また、ピストン2の外面には、
階段状溝78が形成されている。半径方向延長部60が
この階段状溝78に係合することによって、ピストン2
が軸方向外方にそれ以上移動するのが防止されている。
【0039】外部ラック部材3の側部66は、上面82
および下面84を有する下端80を有している。下端8
0は、ハウジング20に形成された溝86内を軸方向に
移動する。下端80の軸方向移動の下死端は溝86内の
面88であり、同様に、上死端は溝86内の面90であ
る。
【0040】この液圧テンショナ10の運転時には、外
部ラック部材3の半径方向延長部60がピストン外面の
溝70内に常時配置されていることにより、チェーン側
から中空ピストン2に対して内方に向かう力が作用した
とき、ピストン外面のくさび状部72が外部ラック部材
3の半径方向延長部60と干渉する。このとき、外部ラ
ック部材3の下端80が、限定された距離の分だけハウ
ジング20の溝86内に軸方向に移動可能な状態で配置
されていることにより、チェーンからの外力の作用時に
は、外部ラック部材3の後退移動にともない、ピストン
2はハウジング20内にわずかながら後退する。
【0041】このようなピストン2の限定された後退移
動すなわちバックラッシュにより、チェーンの緊張力が
低下するのを防止しつつ、チェーンからの外力の作用時
にピストン2に衝撃荷重が作用するのを防止できる。ま
た、ピストン2のハウジング外方への突出量が増え、外
部ラック部材3の半径方向延長部60がピストン外面の
階段状溝78内に着座した場合には、半径方向延長部6
0と階段状溝78との干渉により、ピストン2がそれ以
上外方に突出するのが阻止される。このようにして、ピ
ストン2の外方への最大移動距離が制限される。
【0042】類似した多くの特徴部分を有するととも
に、本発明の前記実施態様をわずかに変形した変形実施
態様が図7ないし図10に示されている。この場合に
は、外部ラック部材100が多数の部材から構成されて
いる。図8ないし図10に示すように、これらの部材は
中心角120°の円弧に沿って延びている。図7に示す
実施態様では、3個の部材がスプリング102によって
互いに保持されて組み立てられており、全体が円筒状部
材を形成している。スプリング102および外部ラック
部材100は、スプリングピン(coiled pin)106によ
ってハウジング104内に保持されている。
【0043】図7に示す実施態様では、ピストン110
が穴またはスリーブ112内部をスライドする。外部ラ
ック部材100の半径方向延長部114は、上面118
および下面120を有し、ピストン110の側面に形成
された溝116内をスライドする。下面120は、傾斜
部124を介して側部122と接触している。スプリン
グ102は、側部122の外側に形成された凹部126
を押圧している。
【0044】運転中には、ピストン110のバックラッ
シュまたは後退移動は、該ピストン110の外側に形成
されたくさび状部間の溝116内の空隙によって制限さ
れる。ピストン110がハウジング104からさらに外
方に押し出されると、半径方向延長部114が、連続す
るくさび状部であるピストンラック部を越えてスライド
し、次の溝内に嵌まり込む。
【0045】ピストン110には、ピストンラック部に
隣接して階段状溝130が形成されている。この階段状
溝130は、半径方向延長部114が該階段状溝130
内に係止することにより、ピストン110がハウジング
104から抜け出るのを阻止している。これにより、ピ
ストン移動量の上限が規制されている。
【0046】本発明が関連する技術分野の当業者は、と
くに上述の教示内容を考慮するとき、本発明の精神ある
いは本質的な特徴から外れることなく、本発明の原理を
採用する種々の変形例やその他の実施態様を構築し得
る。上述の実施態様はあらゆる点で単なる例示としての
みみなされるべきものであり、限定的なものではない。
【0047】それゆえ、本発明の範囲は、上記記述内容
よりもむしろ添付の請求の範囲に示されている。したが
って、本発明が個々の実施態様に関連して説明されてき
たものの、構造、順序、材料その他の変更は、本発明の
範囲内においてではあるが、当該分野の当業者にとって
明らかであろう。
【0048】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1の発明に
係る液圧テンショナによれば、ピストンの半径方向外方
においてハウジング溝内部に外部ラック部材を設け、外
部ラック部材上端の半径方向延長部をピストン外側の溝
と接触させるようにしたので、ピストンの後退移動を防
止できる効果がある。また、この場合には、外部ラック
部材の下端をハウジングの溝内でスライド可能にしたの
で、ピストンのバックラッシュをわずかながら許容でき
る効果もある。
【0049】請求項2の発明では、ピストンに形成され
た階段状溝に外部ラック部材の半径方向延長部を接触さ
せることにより、ピストンの最大外方移動距離を制限で
きる効果がある。
【0050】請求項3の発明では、外部ラック部材の軸
方向外方への移動をハウジングの溝によって制限するよ
うにしたので、ピストンのバックラッシュを制限できる
効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による液圧テンショナの正面図である。
【図2】図1の2−2線に沿った断面図であって、外部
ラック部材を示している。
【図3】図1のテンショナの平面図である。
【図4】図3の4−4線に沿った断面図である。
【図5】図1のテンショナの分解組立図である。
【図6】図2の一部拡大図であって、外部ラック部材お
よびその周辺の詳細を示している。
【図7】本発明による外部ラック部材を備えた液圧テン
ショナの他の実施態様の断面図である。
【図8】図7のテンショナにおける外部ラック部材の斜
視図である。
【図9】図10の9−9線に沿った断面図である。
【図10】図8に示す外部ラック部材の平面図である。
【符号の説明】
2 中空ピストン 3 外部ラック部材 4 ピストンスプリング 10 液圧テンショナ 11 溝 12 半径方向延長部 15 穴 20 ハウジング 21 チェックバルブ 22 流体チャンバ 60 半径方向延長部 66 側部 68 ガータスプリング 70 溝 72 くさび状部 78 階段状溝 80 下端 86 溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 591001709 3001 west Big Beaver Road Suite 200 P.O.B ox 5060 Troy, Michiga n 48007−5060 U.S.A (72)発明者 トッド・ケー・プレストン アメリカ合衆国 ニューヨーク州 14616 ロッチェスター メドーブライア・ロー ド 436 (72)発明者 ロジャー・ティー・シンプソン アメリカ合衆国 ニューヨーク州 14850 イサカウッドレイン・ロード 29

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液圧テンショナであって、 穴を有するハウジングと、 前記穴内にスライド可能に受け入れられ、前記穴との間
    で流体チャンバを形成するとともに、その外側に形成さ
    れた複数の溝を有するピストンと、 前記ピストンを前記穴から外方に付勢するピストンスプ
    リングと、 前記流体チャンバおよび加圧流体源の間に設けられ、前
    記チャンバ内への流体の流れを許容しかつ逆方向の流体
    の流れを阻止するチェックバルブとを備えるとともに、 前記ピストンの半径方向外方において前記ハウジングの
    溝内に配置された外部ラック部材を備え、前記外部ラッ
    ク部材が上端、下端およびこれらの間に配置される側部
    を有し、前記上端が半径方向延長部を有しており、前記
    外部ラック部材が、前記ピストンの外側に形成された前
    記溝と接触して軸方向のピストン移動を制限するように
    構成されるとともに、前記下端が前記ハウジングの前記
    溝内をスライド可能になっており、 さらに、前記外部ラック部材の前記側部を包囲するスプ
    リング部材を備えており、前記半径方向延長部が、前記
    スプリング部材の付勢力により前記ピストンの側に付勢
    されて前記ピストンの前記溝と接触するようになってい
    る、ことを特徴とする液圧テンショナ。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記外部ラック部材の前記半径方向延長部との接触によ
    りピストン最大外方移動位置を提供する階段状溝を前記
    ピストンが有している、ことを特徴とする液圧テンショ
    ナ。
  3. 【請求項3】 請求項1において、 前記外部ラック部材の軸方向外方への移動が、前記ハウ
    ジングに形成された溝によって制限されている、ことを
    特徴とする液圧テンショナ。
  4. 【請求項4】 請求項1において、 前記外部ラック部材がそれぞれ前記ピストンの周囲に配
    置された複数の分割部材から構成されるとともに、前記
    各分割部材が半径方向延長部および下端を有している、
    ことを特徴とする液圧テンショナ。
  5. 【請求項5】 請求項4において、 前記各分割部材が互いに接触して配置されるように、前
    記スプリング部材が前記各分割部材を付勢している、こ
    とを特徴とする液圧テンショナ。
  6. 【請求項6】 請求項5において、 前記スプリング部材が、前記外部ラック部材の前記側部
    の凹部内に配置された環状のガータスプリングである、
    ことを特徴とする液圧テンショナ。
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