JP2000136343A - 粉体塗料用樹脂組成物 - Google Patents

粉体塗料用樹脂組成物

Info

Publication number
JP2000136343A
JP2000136343A JP31050698A JP31050698A JP2000136343A JP 2000136343 A JP2000136343 A JP 2000136343A JP 31050698 A JP31050698 A JP 31050698A JP 31050698 A JP31050698 A JP 31050698A JP 2000136343 A JP2000136343 A JP 2000136343A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
component
weight
resin composition
parts
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP31050698A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshiyuki Masuda
増田  敏幸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP31050698A priority Critical patent/JP2000136343A/ja
Publication of JP2000136343A publication Critical patent/JP2000136343A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 最近、塗料用樹脂に対し、屋外での使用にお
ける耐候性が要求されており、耐候性に優れるフッ素樹
脂があるものの高コストという問題があり、汎用的な使
用は困難である。さらに、地球環境に対する影響が重要
視され、溶剤型塗料は大量の揮発分の発生により敬遠さ
れつつある。このような背景のもと、優れた耐候性、耐
酸性、密着性(二次密着性)を有し、長期間の貯蔵に対
しても安定であり、かつ環境問題をクリアし、さらに低
コストで製造可能な、新たな架橋形式を有する粉体塗料
を提供するという課題が存在する。 【解決手段】シリル基を含有するビニル系共重合体
(A)成分100重量部に対して、エポキシ樹脂(B)
成分1〜30重量部を必須成分とし、前記(A)成分が
シリル基を主たる架橋性基とし、そのガラス転移温度が
40〜100℃、数平均分子量が2000〜20000
であり、かつ(A)成分のシリル基を有する共重合体が
架橋可能な共重合体全体の20重量%以上であることを
特徴とする組成物を粉体塗料として用いることで上記課
題を解決し得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、粉体塗料用樹脂組
成物に関する。詳しくは、例えば、自動車部品、産業機
械、スチール製家具、建築物内外装、家電用品などに好
適に用いられる粉体塗料用樹脂組成物に関し、さらに詳
しくは、優れた耐久性、外観性、熱硬化性、耐衝撃性、
密着性などを呈するとともに、極めて優れた耐候性を呈
する粉体塗料用樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車部品、産業機械、スチール
製家具、建築物内外装、家電用品などの塗装には、酸−
エポキシ架橋によるエステル樹脂やエポキシ樹脂を主と
して含有する塗料が用いられている。しかし、該塗料は
比較的安価ではあるものの、屋外での使用においては極
端に耐候性が低下するという問題があった。
【0003】屋外での耐候性に優れる塗料としては、フ
ッ素樹脂を用いるものがあるが、この場合、コストが大
きく跳ね上がり、実用的ではないという問題がある。
【0004】また、地球環境に対する影響が重要視さ
れ、溶剤型塗料は大量の揮発分の発生により敬遠されつ
つあり、溶剤型塗料から粉体塗料への置き換えが必要に
迫られている。
【0005】粉体塗料で多く使用されているポリエステ
ル系樹脂は塗膜物性のバランスがよいが、耐候性は十分
ではない。一方、耐候性向上のためにアクリル系樹脂が
使用されるが、ポリエステル系樹脂ほどの物性バランス
が得られない。アクリル樹脂はポリエステル樹脂に比べ
ると硬くて脆い傾向があり、機械的特性などはポリエス
テル樹脂にはおよばない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記問題点
を解決するためになされたものであり、その目的とする
ところは、上記の従来多用されてきた酸−エポキシ架橋
によるエステル樹脂やエポキシ樹脂の欠点を克服し、優
れた耐候性、耐酸性、密着性(二次密着性)を有するだ
けでなく、環境問題をクリアし、さらに低コストで製造
可能な、新たな架橋形式を有する粉体塗料を提供するこ
とである。本発明の方法を用いれば、従来のアクリル系
樹脂では実現できなかった機械的特性を有し、耐候性、
密着性(二次密着性)ともに優れた塗膜を得ることがで
きる。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は以下の構成から
なる新規な樹脂組成物を提供するものであり、これによ
り上記目的が達成される。 1)下記一般式(1)で表されるシリル基を含有するビ
ニル系共重合体(A)成分100重量部に対して、エポ
キシ樹脂(B)成分1〜30重量部を必須成分とし、前
記(A)成分が下記一般式(1)で表されるシリル基を
主たる架橋性基とし、そのガラス転移温度が40〜10
0℃、数平均分子量が2000〜20000であり、か
つ(A)成分が架橋可能な重合体全体の20重量%以上
であることを特徴とする粉体塗料用樹脂組成物。
【0008】
【化4】 (式中、R1は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6
〜10のアリール基、炭素数7〜10のアラルキル基よ
りなる群から選ばれる少なくとも1種の基であり、複数
個の場合はそれらは同一であっても異なっていてもよ
い。X1は水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、ア
ルコキシ基、フェノキシ基、チオアルコキシ基、アシロ
キシ基、アミノキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、
アミド基、またはアルケニルオキシ基よりなる群から選
ばれる少なくとも1種の基であり、複数個の場合はそれ
らは同一であっても異なっていてもよい。aは0〜2の
整数である。) 2)前記組成物に、前記(A)成分100重量部に対し
て、アミノ基を含有するシランカップリング剤(C)成
分を0.1〜10重量部を含有することを特徴とする
1)記載の粉体塗料用樹脂組成物。 3)前記組成物に、前記(A)成分100重量部に対し
て、前記エポキシ樹脂(B)成分と前記アミノ基を含む
シランカップリング剤(C)成分との反応物を0.1〜
30重量部含有してなり、前記(A)成分が一般式
(1)で表されるシリル基を主たる架橋性基とし、その
ガラス転移温度が40〜100℃、数平均分子量が20
00〜20000であり、かつ(A)成分が架橋可能な
重合体全体の20重量%以上であることを特徴とする粉
体塗料用樹脂組成物。 4)前記組成物に、前記(A)成分100重量部に対し
て、エポキシ樹脂(B)成分を1〜30重量部含有する
ことを特徴とする3)に記載の粉体塗料用樹脂組成物。 5)前記(A)成分以外の架橋硬化可能な重合体を含
み、かつ前記(A)成分は(A)成分および前記重合体
全体の総和の20重量%以上100重量%未満であるこ
とを特徴とする1)〜4)のいずれか一項に記載の粉体
塗料用樹脂組成物。 6)前記(A)成分が前記一般式(1)で表されるシリ
ル基を有するビニル系単量体(a)成分を1〜30重量
部、その他の共重合可能なビニル系単量体(b)成分9
9〜70重量部を共重合してなることを特徴とする1)
〜5)のいずれか一項に記載の粉体塗料用樹脂組成物。 7)前記一般式(1)中のXがアルコキシ基であること
を特徴とする1)〜6)のいずれか一項に記載の粉体塗
料用樹脂組成物。 8)前記(a)成分のシリル基を有するビニル系単量体
が、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシ
ラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシ
シラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメ
トキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチ
ルジエトキシシランよりなる群から選ばれる少なくとも
1種、またはこれらの2種以上の混合物であることを特
徴とする1)〜7)のいずれか1項に記載の粉体塗料用
樹脂組成物。 9)前記(b)成分のその他の共重合可能なビニル系単
量体99〜70重量部のうち、グリシジル基を含有する
ビニル系単量体1〜30重量部を含むことを特徴とする
1)〜8)のいずれか1項に記載の粉体塗料用樹脂組成
物。 10)前記(b)成分のグリシジル基を有するビニル系
単量体が、グリシジル(メタ)アクリレート、2−メチ
ルグリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジル
エーテルよりなる群から選ばれる少なくとも1種、また
はこれらの2種以上の混合物であることを特徴とする
1)〜9)のいずれか1項に記載の粉体塗料用樹脂組成
物。 11)前記(B)成分のエポキシ樹脂が一般式(2)で
表される構造を有する化合物よりなる群から選ばれる少
なくとも1種、またはこれらの2種以上の混合物である
ことを特徴とする1)〜10)のいずれか1項に記載の
粉体塗料用樹脂組成物。
【0009】
【化5】 (式中、mは0〜20までの整数。) 12)前記(C)成分のアミノ基を含有するシランカッ
プリング剤が3−アミノプロピルトリメトキシシラン、
3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプ
ロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルメ
チルジエトキシシラン、2−アミノエチル−3−アミノ
プロピルトリメトキシシラン、2−アミノエチル−3−
アミノプロピルトリエトキシシラン、2−アミノエチル
−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、2−ア
ミノエチル−3−アミノプロピルメチルジエトキシシラ
ンよりなる群から選ばれる少なくとも1種、またはこれ
らの混合物であることを特徴とする1)〜11)のいず
れか1項に記載の粉体塗料用樹脂組成物。 13)硬化剤(D)成分0.1〜30重量部を含有して
なる1)〜12)のいずれか一項に記載の粉体塗料用樹
脂組成物。 14)前記(D)成分の硬化剤が、有機酸性化合物、該
有機酸性化合物と含窒素化合物との混合物または反応
物、有機金属化合物よりなる群から選ばれる少なくとも
1種、または2種以上の混合物であることを特徴とする
1)〜13)のいずれか1項に記載の粉体塗料用樹脂組
成物。 15)前記(D)成分の硬化剤が、有機スルホン酸およ
び有機スルホン酸と含窒素化合物との混合物よりなる群
から選ばれる少なくとも1種、または2種以上の混合物
であることを特徴とする)1〜14)のいずれか1項に
記載の粉体塗料用樹脂組成物。 16)前記(D)成分の硬化剤が、有機スズ化合物、有
機チタン化合物、有機アルミニウム化合物、有機ジルコ
ニウム化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種、
または2種以上の混合物であることを特徴とする1)〜
15)のいずれか1項に記載の粉体塗料用樹脂組成物。 17)前記(C)成分の硬化剤が、下記一般式(4)で
表される化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1
種、またはこれらの2種以上の混合物であることを特徴
とする)1〜16)のいずれか1項に記載の粉体塗料用
樹脂組成物。
【化6】 (式中、R3は炭素数1〜20の直鎖状または分岐状の
アルキレン基である。) (A)成分は、通常、一般式(1)で表されるシリル基
を含有するビニル系単量体である(a)成分を用いて製
造される。
【0010】一般式(1)で表されるシリル基を含有す
るビニル系単量体(a)は、一般式(1)で表されるシ
リル基を有すれば特に制限はないが、例えば、CH2
CHSi(OCH33、CH2=CHSi(CH3)(O
CH32、CH2=C(CH3)Si(OCH33、CH
2=C(CH3)Si(CH3)(OCH32、CH2
CHSi(OC253、CH2=CHSi(OC37
3、CH2=CHSi(OC493、CH2=CHSi
(OC6133、CH2=CHSi(OC8173、C
2=CHSi(OC10213、CH2=CHSi(O
12253、 CH2=CHCOO(CH23Si(O
CH33、CH2=CHCOO(CH23Si(CH3
(OCH32、CH2=C(CH3)COO(CH23
i(OCH33、CH2=C(CH3)COO(CH23
Si(CH3)(OCH32、CH2=CHCOO(CH
23Si(OC253、CH2=CHCOO(CH23
Si(CH3)(OC252、CH2=C(CH3)CO
O(CH23Si(OC253、CH2=C(CH3
COO(CH23Si(CH3)(OC252、CH2
=CHCOO(CH23Si(OCH2CH2OC
33、CH2=CHCOO(CH23Si(CH3
(OCH2CH2OCH32、CH2=C(CH3)COO
(CH23Si(OCH2CH2OCH33、CH2=C
(CH3)COO(CH23Si(CH3)(OCH2
2OCH32、CH2=C(CH3)COO(CH22
O(CH23Si(OCH33、CH2=C(CH3)C
OO(CH22O(CH23Si(CH3)(OCH3
2、CH2=C(CH3)COO(CH211Si(OCH
33、CH2=C(CH3)COO(CH211Si(C
3)(OCH32、CH2=CHCH2OCO(ort
−C64)COO(CH23Si(OCH33、(ここ
でort−C64はオルトフェニレン基である)、CH
2=CHCH2OCO(ort−C64)COO(C
23Si(CH3)(OCH32、CH2=CH(CH
24Si(OCH33、CH2=CH(CH28Si
(OCH33、CH2=CHO(CH23Si(OC
33、CH2=CHCH2O(CH23Si(OC
33、CH2=CHCH2OCO(CH210Si(O
CH33、CH2=CH(para−C64)Si(O
CH33(ここでpara−C64はパフェニレン基で
ある)、CH2=CH(para−C64)Si(C
3)(OCH32、CH2=C(CH3)(para−
64)Si(OCH33、CH2=C(CH3)(pa
ra−C64)Si(CH3)(OCH32などのアル
コキシシリル基含有単量体;CH2=CHCOO(C
23Si(CH3)Cl2、CH2=CHCOO(C
23SiCl3、CH2=C(CH3)COO(CH2
3Si(CH32Cl、CH2=C(CH3)COO(C
23Si(CH3)Cl2、CH2=C(CH3)COO
(CH23SiCl3などのハロシリル基含有単量体;
CH2=C(CH3)COO(CH23Si(OH)3
CH2=C(CH3)COO(CH23Si(CH3
(OH)2などのシラノール基含有単量体;CH2=C
(CH3)COO(CH23Si(OCOCH33など
のアセトキシシリル基含有単量体が挙げられる。
【0011】これらの中では、特にアルコキシシリル基
含有単量体がコスト、安定性などの点で好ましく、例え
ば、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシ
ラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシ
シラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメ
トキシシラン、および3−(メタ)アクリロキシプロピ
ルメチルジエトキシシランよりなる群から選ばれる少な
くとも1種、またはこれらの2種以上の混合物等があげ
られる。
【0012】これらのシリル基含有ビニル系単量体
(a)成分は、1種または2種以上を併用してもよく、
また、(A)成分100重量部中1〜30重量部共重合
される。好ましくは2〜25重量部、より好ましくは5
〜23重量部共重合されるのがよい。(a)成分を共重
合する量が、1重量部より少ない場合、本発明の樹脂組
成物の硬化特性、塗膜の機械的強度、耐久性に劣り、3
0重量部を超えると、樹脂の貯蔵安定性が低下する。前
記(b)成分のその他の共重合可能なビニル系単量体に
は、特に限定がなく、例えば、メチル(メタ)アクリレ
ート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)ア
クリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、シクロ
ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシルメチル
(メタ)アクリレート、2−シクロヘキシルエチル(メ
タ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2
−フェニルエチル(メタ)アクリレート、ベンジルオキ
シメチル(メタ)アクリレート、2−ベンジルオキシエ
チル(メタ)アクリレート、フェノキシメチル(メタ)
アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレ
ート等のビニル系単量体;スチレン、α−メチルスチレ
ン、クロロスチレン、4−ヒドロキシスチレン、ビニル
トルエン等の芳香族炭化水素系ビニル系単量体;アクリ
ル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イ
タコン酸、無水イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、シ
トラコン酸等のα,β−エチレン性不飽和カルボン酸、
スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸等の重合可能な
炭素−炭素二重結合を有する酸;あるいは、それらの塩
(アルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩等);無
水マレイン酸等の酸無水物またはそれらと炭素数1〜2
0の直鎖または分岐のアルコールとのハーフエステル;
ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチル
アミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノ
エチル(メタ)アクリレート等のアミノ基を有する(メ
タ)アクリレート;(メタ)アクリルアミド、α−エチ
ル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メ
タ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミ
ド、N−メチルアクリルアミド、アクリロイルモルホリ
ンあるいは、それらの塩酸、酢酸塩;酢酸ビニル、プロ
ピオン酸ビニル、ジアリルフタレート等のビニルエステ
ルやアリルエステル化合物;(メタ)アクリロニトリル
等のニトリル基含有ビニル系単量体;2−ヒドロキシエ
チル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルビニルエ
ーテル、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ヒド
ロキシスチレン、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロ
ピルアクリレート(東亜合成化学(株)製、商品名:ア
ロニックスM−5700)、水酸基含有ビニル系変性ヒ
ドロキシアルキルビニル系単量体等の水酸基含有ビニル
系単量体;グリシジル(メタ)アクリレート、2−メチ
ルグリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジル
エーテル等のグリシジル基含有ビニル系単量体;(メ
タ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステル類等の
α,β−エチレン性不飽和カルボン酸のヒドロキシアル
キルエステル類とリン酸エステル基含有ビニル系化合物
あるいはウレタン結合やシロキサン結合を含む(メタ)
アクリレート等のビニル系化合物;AS−6、AN−
6、AA−6、AB−6、AK−5などのメタクリロイ
ル基含有マクロモノマー(以上、東亜合成化学(株)
製);ビニルメチルエーテル、塩化ビニル、塩化ビニリ
デン、クロロプレン、プロピレン、ブタジエン、N−ビ
ニルイミダゾール等のその他のビニル系単量体等が挙げ
られる。
【0013】これらの前記(b)成分99〜70重量部
のうち、グリシジル基を含有するビニル系単量体1〜3
0重量部を含むことが好ましい。より好ましくは2〜2
6重量部、さらに好ましくは5〜25重量部共重合され
るのがよい。これらのグリシジル基含有ビニル系単量体
には、特に限定はないが、グリシジル(メタ)アクリレ
ート、2−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、ア
リルグリシジルエーテル等よりなる群から選ばれる少な
くとも1種、またはこれらの2種以上の混合物が挙げら
れる。(A)成分は、主たる架橋性基として、一般式
(1)で表されるシリル基を有する。(A)成分の共重
合体において、全架橋性基の個数に対し、シリル基の個
数が50%以上であることが好ましく、70%以上であ
ることがさらに好ましく、80%以上であることが特に
好ましい。該シリル基は分子間を架橋する機能を有する
主たる架橋性基であるが、(A)成分は、所望によりた
とえばグリシジル基や水酸基などの他の架橋性基を有す
ることもできる。
【0014】(A)成分を製造する方法には、公知の重
合方法、例えば塊状重合、懸濁重合、溶液重合などが利
用できるが、特に合成の容易さから、過酸化物やアゾ化
合物などのラジカル開始剤を用いた溶液重合が好まし
い。
【0015】前記溶液重合に用いられる重合溶剤は、炭
化水素類(トルエン、キシレン、n−ヘキサン、シクロ
ヘキサンなど)、酢酸エステル類(酢酸エチル、酢酸ブ
チルなど)、アルコール類(メタノール、エタノール、
イソプロパノール、n−ブタノールなど)、エーテル類
(エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、セロソルブア
セテートなど)、ケトン類(メチルエチルケトン、アセ
ト酢酸エチル、アセチルアセトン、ジアセトンアルコー
ル、メチルイソブチルケトン、アセトンなど)などの非
反応性の溶剤であれば特に限定はない。
【0016】前記溶液重合に用いられる開始剤として
は、特に限定はないが、過酸化ベンゾイルや過酸化第三
ブチルなどの有機過酸化物、2,2’−アゾビスイソブ
チロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−
2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビ
ス(2−シクロプロピルプロピオニトリル)、2,2’
−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)などのアゾ化
合物などのラジカル開始剤が好ましい。
【0017】前記溶液重合においては、必要に応じてn
−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、
n−オクチルメルカプタン、n−オクタデシルメルカプ
タン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3
−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカ
プトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプト
プロピルメチルジエトキシシラン、(H3CO)3Si−
S−S−Si(OCH33、(H3CO)3Si−S6
Si(OCH33などの連鎖移動剤を用い、分子量を調
節することができる。特に、アルコキシシリル基を分子
中に有する連鎖移動剤、例えば、3−メルカプトプロピ
ルトリメトキシシランを用いれば、シリル基含有アクリ
ル共重合体の末端にアルコキシシリル基を導入すること
ができる。
【0018】前記溶液重合において、以上に挙げられた
単量体類、開始剤、連鎖移動剤などを重合溶剤に所定量
投入し、重合を実施し、溶媒を減圧にて除去することに
より、(A)成分が得られる。
【0019】(A)成分の数平均分子量は、2000〜
20000であり、好ましくは3000〜10000な
る範囲である。分子量が2000未満の場合は、塗膜が
充分な機械物性を発現することが困難になり、また20
000を超える場合は、塗膜の平滑性が劣るという問題
がある。さらに、(A)成分のガラス転移温度は、40
〜100℃であり、好ましくは50〜80℃である。4
0℃より低い場合は、粉体塗料の貯蔵安定性が劣り、一
方、100℃より高い場合は塗膜の平滑性が劣るという
問題がある。
【0020】また、(A)成分は、上記シリル基または
グリシジル基を有しないかあるいは既に有するビニル系
共重合体に、シリル基および/またはグリシジル基を導
入して製造することも可能である。
【0021】(A)成分は水分の作用によりシロキサン
結合を形成し、架橋硬化可能である。本発明において
は、架橋硬化可能な重合体として(A)成分のみを用い
てもよい。また、他の架橋硬化可能な重合体(単独重合
体および共重合体を含む。また、架橋性基として、シリ
ル基、エポキシ基、水酸基等を含む)、例えばエポキシ
樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹
脂等を併用してもよい。他の架橋硬化可能な重合体を併
用する場合、(A)成分は架橋硬化可能な重合体全体
((A)成分を含む)の20重量%以上用いるのがよ
く、30重量%が好ましく、50重量%がさらに好まし
く、80重量%以上が特に好ましい。前記(B)成分の
エポキシ樹脂としては、特に限定はないが、一般式
(2)で表される化合物が好ましく、例えば、
【0022】
【化7】
【0023】
【化8】
【0024】
【化9】
【0025】
【化10】
【0026】
【化11】 等や、エピコート1001、1002、1003、10
55、1004、1007、1009(以上、油化シェ
ルエポキシ(株)製)等が挙げられる。前記(B)成分
のエポキシ樹脂は、前記(A)成分100重量部に対し
て、1〜30重量部使用されるが、好ましくは1.5〜
20重量部、さらに好ましくは2〜10重量部使用され
る。前記(B)成分の使用量が1重量部より少ない場合
には、エポキシ樹脂の反応に伴う水素結合の形成が不十
分になるため、密着性(特に二次密着性)を向上させる
効果が小さくなり、30重量部より多い場合には、塗膜
の平滑性、貯蔵安定性、耐候性が低下する。前記(C)
成分のアミノ基を含有するシランカップリング剤には、
特に限定はなく、3−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミ
ノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピ
ルメチルジエトキシシラン、2−アミノエチル−3−ア
ミノプロピルトリメトキシシラン、2−アミノエチル−
3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−アミノエ
チル−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、2
−アミノエチル−3−アミノプロピルメチルジエトキシ
シラン、N−メチル−3−アミノプロピルトリメトキシ
シラン、N−メチル−3−アミノプロピルトリエトキシ
シラン、N−メチル−3−アミノプロピルメチルジエト
キシシラン、N,N’−ジメチル−3−アミノプロピル
メチルジメトキシシラン、N,N’−3−アミノプロピ
ルメチルジエトキシシラン、(N−メチル−2−アミノ
エチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、
(N−メチル−2−アミノエチル)−3−アミノプロピ
ルトリエトキシシラン、(N−メチル−2−アミノエチ
ル)−3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、
(N,N’−ジメチル−2−アミノエチル)−3−アミ
ノプロピルトリメトキシシラン、(N,N’−ジメチル
−2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキ
シシラン、(N,N’−ジメチル−2−アミノエチル)
−3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−ア
ミノエチルトリメトキシシラン、3−アミノエチルトリ
エトキシシラン、3−アミノブチルトリエトキシシラ
ン、3−アミノヘキシルトリエトキシシラン、3−アミ
ノオクチルトリエトキシシランなどが挙げられる。これ
らの中では、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、
3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプ
ロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルメ
チルジエトキシシラン、2−アミノエチル−3−アミノ
プロピルトリメトキシシラン、2−アミノエチル−3−
アミノプロピルトリエトキシシラン、2−アミノエチル
−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、2−ア
ミノエチル−3−アミノプロピルメチルジエトキシシラ
ンよりなる群から選ばれる少なくとも1種、またはこれ
らの混合物であることが好ましいこれらのアミノ基を含
有するシランカップリング剤は、前記(A)成分100
重量部に対して、0.1〜10重量部使用されるが、好
ましくは0.5〜7重量部、さらに好ましくは1〜5重
量部使用される。前記(C)成分の使用量が0.1重量
部より少ない場合には、アミノ基、シランカップリング
剤による基材への結合の形成が不十分になるため、密着
性(特に二次密着性)を向上させる効果が小さくなり、
10重量部より多い場合には、塗膜の平滑性、貯蔵安定
性、耐候性が低下する。前記(B)成分および(C)成
分は、前記(A)成分100重量部に対し、前記(B)
成分が1〜30重量部、前記(C)成分が0.1〜10
重量部使用されるが、混合物として用いても、(B)成
分と(C)成分を反応させた後に用いてもかまわない。
また、(B)成分と(C)成分との反応物にさらに
(B)成分を併用することもできる。前記(D)成分の
硬化剤としては、有機スルホン酸、有機スルホン酸と含
チッ素化合物との混合物または反応物、リン酸またはリ
ン酸エステル類、有機金属化合物、一般式(3)で表さ
れる脂肪族二塩基酸等が挙げられる。また、これらは二
種以上を併用することもできる。硬化触媒の具体例とし
ては、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸、p−トル
エンスルホン酸、1−ナフタレンスルホン酸、2−ナフ
タレンスルホン酸などの有機スルホン酸化合物;前記有
機スルホン酸化合物と含チッ素化合物(例えば、1−ア
ミノ−2−プロパノール、モノエタノールアミン、ジエ
タノールアミン、2−(メチルアミノ)エタノール、2
−ジメチルエタノールアミン、2−アミノ−2−メチル
−1−プロパノール、ジイソプロパノールアミン、3−
アミノプロパノール、2−メチルアミノ−2−メチルプ
ロパノール、モルホリン、オキサゾリジン、4,4−ジ
メチルオキサゾリジン、3,4,4−トリメチルオキサ
ゾリジンなど)との混合物または反応物;リン酸、モノ
メチルホスフェート、モノエチルホスフェート、モノブ
チルホスフェート、モノオクチルホスフェート、モノド
デシルホスフェート、ジメチルホスフェート、ジエチル
ホスフェート、ジブチルホスフェート、ジオクチルホス
フェート、ジドデシルホスフェートなどのリン酸または
リン酸エステル;プロピレンオキサイド、ブチレンオキ
サイド、シクロヘキセンオキサイド、グリシジルメタク
リレート、グリシドール、アクリルグリシジルエーテ
ル、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3
−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリ
シドキシプロピルトリメチルジメトキシシラン、ヘキシ
ルアミン、ジ−2−エチルヘキシルアミン、N,N−ジ
メチルドデシルアミン、DABCO、DBU、モルホリ
ン、ジイソプロパノールアミンなどのアミン類;これら
のアミン類と酸性リン酸エステルとの反応物;水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ性化合物;ベ
ンジルトリエチルアンモニウムクロリドあるいはブロミ
ド、テトラブチルアンモニウムクロリドあるいはブロミ
ドなどの4級アンモニウム塩、またホスホニウム塩;オ
クチル酸スズ、ステアリン酸スズなどの2価スズ化合
物、ジブチルスズジオクトエート、ジブチルスズジラウ
レート、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジア
セチルアセトナート、ジブチルスズビストリエトキシシ
リケート、ジブチルスズジステアレート、ジブチルスズ
マレートなどのジブチルスズ化合物、ジオクチルスズジ
バーサテート、ジオクチルスズジラウレート、ジオクチ
ルスズジステアレート、ジオクチルスズマレートなどの
ジオクチルスズ化合物などの4価有機スズ化合物;テト
ラステアリルオキシチタン、テトラメトキシチタン等の
有機チタネート化合物;イソプロポキシアルミニウム、
アルミニウムアセチルアセトナート等の有機アルミニウ
ム化合物;ステアリル酸ジルコニア、ジルコニウムテト
ラアセチルアセトナート等の有機ジルコニウム化合物な
どが挙げられる。
【0027】これらのうち有機チタネート化合物、有機
ジルコニウム化合物が、焼き付け時の硬化性の点から好
ましい。
【0028】これらの硬化触媒はそれぞれ単独で使用し
てもよく、また併用してもよい。これらの硬化触媒の使
用量は(A)成分100重量部に対し、0.1〜10重
量部、さらには0.2〜8重量部が好ましい。10重量
部より多ければ、貯蔵安定性に欠けたり、塗膜の外観が
低下するという問題が生じる。
【0029】また、一般式(3)で表される脂肪族二塩
基酸としては、特に制限はないが、R3の炭素数の異な
る種々のものを併用することもできる。R3は、炭素数
1〜20の直鎖状または分岐状のアルキレン基である
が、好ましくは炭素数4〜18の範囲であり、直鎖状が
好ましく、例えば、アジピン酸、セバシン酸、アゼライ
ン酸、ドデカン二酸などが挙げられるが、貯蔵安定性や
機械的強度などの諸物性のバランスの点からセバシン
酸、ドデカン二酸が好ましい。
【0030】前記(D)成分の脂肪族二塩基酸は、前記
(A)成分100重量部に対して1〜30重量部使用さ
れるが、好ましく2〜25重量部、さらに好ましくは3
〜20重量部使用される。前記(D)成分の脂肪族二塩
基酸の使用量が1重量部より少ない場合には、酸−エポ
キシの架橋量が少なくなるため機械的特性が劣り、30
重量部より多い場合には、平滑性、貯蔵安定性が低下す
る。
【0031】前記(D)成分の硬化剤として、脂肪族二
塩基酸を使用する場合には、前記(A)成分中のグリシ
ジル基および(B)成分中のエポキシ基の個数と前記
(C)成分の脂肪族二塩基酸中のカルボキシル基の個数
の比は、1:3〜3:1が好ましいく、さらに1:2〜
2:1の範囲が好ましい。
【0032】本粉体塗料用樹脂組成物には必要に応じ
て、ポリエステル、エポキシ、アクリルなどの樹脂、二
酸化チタン、カーボンブラック、酸化鉄、酸化クロムな
どの無機顔料およびフタロシアニン系、キナクドリン系
などの有機顔料、着色助剤、流展剤や消泡剤、紫外線吸
収剤、帯電防止剤、ブロッキング防止剤などの添加剤を
加えることができる。これらの添加剤の配合割合は必要
特性に応じて適宜選定可能であり、また混合して使用す
ることも可能である。
【0033】粉体塗料の製造は、例えば、加熱ロール、
ニーダーなどの溶融混練機を用い、必要により上記添加
物を含む本発明の粉体塗料用樹脂組成物を溶融、混練
し、そして冷却した後に、粉砕して調製される。また
は、(A)成分の重合後の溶液に、硬化触媒や顔料、添
加剤などを加えて混合し、本発明の粉体塗料用樹脂組成
物とし、これをスプレードライする方法も使用できる。
【0034】このようにして得られた粉体塗料は、静電
塗装や流動浸漬塗装などの公知の方法により被塗物に塗
布される。塗膜の厚みは必要に応じて適宜選定可能であ
り、通常は20〜200μm、好ましくは40〜150
μmがよい。20μmより薄い場合は、塗膜にムラが生
じやすく、200μmより厚い場合は、塗膜に凹凸がで
きやすくなるという問題がある。
【0035】得られた塗布物は、通常150〜220℃
程度の温度で、5分〜1時間焼き付けることにより、充
分に硬化させることができ、耐候性、耐酸性などの物性
に優れた硬化物(塗膜)を形成することができる。15
0℃より低温の場合や5分より短い場合は、塗膜の硬化
が充分ではなく、220℃より高温の場合や1時間より
長い場合は、作業性が悪くなったり光熱費などのコスト
が上昇するという問題が生じる。
【0036】本発明の組成物は、例えば、アルミサイデ
ィングやフェンスなどの建築内外装用、ガードレールな
どの道路資材、エアコンや冷蔵庫などの家電品などに用
いられる。
【0037】次に、本発明を実施例を用いてより詳細に
説明するが、本発明は以下の実施例に束縛されるもので
はない。なお、以下に示す部は特に断りのない限り重量
部を示すものとする。また、実施例における分析値、特
性値および塗膜の性能は次の方法により測定又は評価し
たものである。 分析値 (1)ポリマーの数平均分子量 ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法
により測定した。Waters社製600型GPCシス
テムを用いて、クロロホルムを移動相とし、流速を1m
L/minとした。カラム温度は40℃で測定した。ポ
リスチレンを標準試料として数平均分子量を算出した。 (2)ガラス転位温度 示差走査熱量計(DSC、(株)島津製作所製DSC−
50型)を用いて、窒素雰囲気下、昇温速度5℃/mi
nで測定し、決定した。 特性値および塗膜の性能 (1)外観性 目視により、外観性、平滑性を評価した。 ◎:きわめて良好、○:良好、△:つや引け、×:不良 (2)耐候性 サンシャインウェザーメーター3000時間照射後の塗
膜外観を目視により評価した。 ◎:きわめて良好、○:ややつや引け、△:つや引け、
×:割れ、はがれ (3)耐酸性 塗膜を5%の硫酸水溶液に室温下24時間浸せきした後
の塗膜外観を目視により評価した。 ◎:きわめて良好、○:ややつや引け、△:つや引け、
×:割れ、はがれ (4)硬化性 焼き付けを行った組成物1gを200メッシュステンレ
ス金網に包み込み、アセトンに24時間浸漬して、組成
物の重量変化を調べ、重量変化がない場合をゲル分率1
00%とした。 ◎:90%以上、○:90〜80%、△:80〜70
%、×:70%以下 (5)密着性 JISK5400に準じ、碁盤目テープ法により評価し
た。 ◎:欠損部なし、○:欠損部5%以内、△:欠損部5%
〜15%、×:欠損部15%以上 (6)二次密着性 沸騰水に2時間浸漬し、2時間乾燥させたものを、碁盤
目テープ法により評価した。 ◎:欠損部なし、○:欠損部5%以内、△:欠損部5%
〜15%、×:欠損部15%以上 (7)貯蔵安定性 40℃で1ヶ月貯蔵した粉体塗料について、ゲル化の進
行の目安として貯蔵前後でのゲル分率の変化を調べた。 ◎:変化なし、○:5%以内のゲル分率変化、△:5%
〜15%のゲル分率変化、×:15%以上のゲル分率変
化 樹脂製造例1〜5 撹拌機、還流冷却器、窒素ガス導入管および滴下ロート
を備えた反応容器に、トルエン50部を仕込み、窒素ガ
スを導入しながら110℃に昇温した後、表1に示した
共重合成分を含むモノマー混合液(部で表示)を滴下ロ
ートにより5時間で等速滴下した。混合物の滴下終了
後、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.5部、
トルエン10部の混合物を1時間で等速滴下した。滴下
終了後、110℃でさらに1時間加熱後、冷却した。樹
脂溶液を減圧下溶媒留去することで、固体状態の樹脂
(α−1)〜(α−5)を得た。
【0038】
【表1】 (表中、TSMAは3−メタクリロキシプロピルトリメ
トキシシランを、TESMAは3−メタクリロキシプロ
ピルトリエトキシシランを、MMAはメチルメタクリレ
ートを、BAはブチルアクリレートを、GMAはグリシ
ジルメタクリレートを、STはスチレンを、AIBNは
2,2’ーアゾビスイソブチロニトリルを示す。) 比較樹脂製造例1〜3 表2に示した共重合成分を樹脂製造例と同様の方法によ
り、固体状態の樹脂(β−1)、(β−2)を得た。
【0039】
【表2】 (表中、MMAはメチルメタクリレートを、BAはブチ
ルアクリレートを、STはスチレンを、GMAはグリシ
ジルメタクリレートを、HEMAは2−ヒドロキシエチ
ルメタクリレートを、AIBNは2,2’ーアゾビスイ
ソブチロニトリルを示す。) エポキシ樹脂とアミノシランの反応物の合成例1 撹拌機、還流冷却器、窒素ガス導入管および滴下ロート
を備えた反応容器にトルエン50部とエピコート828
(油化シェルエポキシ(株)製)45部を仕込み、窒素
ガスを導入しながら80℃に昇温した後、トルエン50
部に溶解させた 3−アミノプロピルトリエトキシシラ
ン55部を滴下ロートにより30分で等速 滴下した。
混合物の滴下終了後、攪拌を1時間で続け、冷却した。
樹脂溶液を減 圧下溶媒留去することで、固体状態の化
合物Aを得た。 実施例1〜12 樹脂(α−1)〜(α−5)を用いて、表3および表4
の配合(部で表示)に従い、それぞれの全成分をドライ
ブレンダー(三井化工機(株)製、商品名ヘンシェルミ
キサー)により1分間均一に混合した後、100〜11
0℃の温度条件で押出混練機(BUSS社製、商品名B
USSコニーダーPCS−30)を用いて溶融混練し、
冷却した後、ジェット粉砕機(セイシン企業(株)製、
商品名シングルトラックジェットミルSTJ200)を
用いて微粉砕して、平均粒度30μmの粉体塗料(γ−
1)〜(γ−12)を製造した。得られた粉体塗料を厚
さ0.8mmのリン酸亜鉛処理鋼板上に膜厚が50〜6
0μmになるように静電塗装機(日本ワーグナー・スプ
レーテック(株)製、商品名エアマティックスプレーガ
ンPEM−C1)を用いて塗装し、180℃で20分間
焼き付けして塗膜を形成した。得られた塗膜の性能を評
価した結果を表3および表4に示した。
【0040】
【表3】
【0041】
【表4】 (表中、エピコート1004は油化シェルエポキシ
(株)製のエポキシ樹脂を、TSTはテトラステアリル
オキシチタンを、TiO2は石原産業(株)製の酸化チ
タンCR−90を、アクロナール4FはBASF社製レ
ベリング剤を示す。) 比較例1〜3 表5の配合(部で表示)に従い、製造例と同様の方法に
より実施して、粉体塗料(γ−13)〜(γ−15)を
製造した。また、製造例と同様に塗装し、得られた塗膜
の性能を評価した結果を表5に示した。
【0042】
【表5】 (表中、ブロックイソシアネートはダイセル・ヒュルス
(株)製ブロックイソシアネートVESTAGON B
1065を、TiO2は石原産業(株)製酸化チタン
CR−90を、アクロナール4FはBASF社製レベリ
ング剤を示す。)
【0043】
【発明の効果】本発明により、優れた耐候性、耐酸性、
外観性、密着性(二次密着性)を有し、環境問題をクリア
し、さらに低コストで製造可能な、新たな架橋形式を有
する粉体塗料を提供することが可能である。前記(A)
成分が下記一般式(1)で表されるシリル基を主たる架
橋性基とし、そのガラス転移温度が40〜100℃、数
平均分子量が2000〜20000であり、かつ(A)
成分のシリル基を有する共重合体が架橋可能な共重合体
全体の20重量%以上であることを特徴とする粉体塗料
用樹脂組成物。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 63:00) Fターム(参考) 4J002 BC031 BC091 BC101 BC111 BC121 BD041 BD101 BE041 BG011 BG041 BG051 BG061 BG071 BG091 BG101 BG121 BG131 BH001 BL001 BQ001 CD052 DH027 EC077 EE047 EG047 EV237 EW047 EX076 EZ017 EZ047 FD147 GH01 4J038 CE051 CG141 CH171 CJ181 CL001 DB002 DB062 DB392 GA07 GA15 HA416 JA39 JB09 JB38 JB39 JC13 JC24 JC30 JC38 JC39 KA03 MA02 MA13 MA14 NA03 NA04 NA12 PA02

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(1)で表されるシリル基を含
    有するビニル系共重合体(A)成分100重量部に対し
    て、エポキシ樹脂(B)成分1〜30重量部を必須成分
    とし、前記(A)成分が下記一般式(1)で表されるシ
    リル基を主たる架橋性基とし、そのガラス転移温度が4
    0〜100℃、数平均分子量が2000〜20000で
    あり、かつ(A)成分が架橋可能な重合体全体の20重
    量%以上であることを特徴とする粉体塗料用樹脂組成
    物。 【化1】 (式中、R1は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6
    〜10のアリール基、炭素数7〜10のアラルキル基よ
    りなる群から選ばれる少なくとも1種の基であり、複数
    個の場合はそれらは同一であっても異なっていてもよ
    い。X1は水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、ア
    ルコキシ基、フェノキシ基、チオアルコキシ基、アシロ
    キシ基、アミノキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、
    アミド基、またはアルケニルオキシ基よりなる群から選
    ばれる少なくとも1種の基であり、複数個の場合はそれ
    らは同一であっても異なっていてもよい。aは0〜2の
    整数である。)
  2. 【請求項2】前記組成物に、前記(A)成分100重量
    部に対して、アミノ基を含有するシランカップリング剤
    (C)成分を0.1〜10重量部を含有することを特徴
    とする請求項1記載の粉体塗料用樹脂組成物。
  3. 【請求項3】前記組成物に、前記(A)成分100重量
    部に対して、前記エポキシ樹脂(B)成分と前記アミノ
    基を含むシランカップリング剤(C)成分との反応物を
    0.1〜30重量部含有してなり、前記(A)成分が一
    般式(1)で表されるシリル基を主たる架橋性基とし、
    そのガラス転移温度が40〜100℃、数平均分子量が
    2000〜20000であり、かつ(A)成分が架橋可
    能な重合体全体の20重量%以上であることを特徴とす
    る粉体塗料用樹脂組成物。
  4. 【請求項4】前記組成物に、前記(A)成分100重量
    部に対して、エポキシ樹脂(B)成分を1〜30重量部
    含有することを特徴とする請求項3に記載の粉体塗料用
    樹脂組成物。
  5. 【請求項5】前記(A)成分以外の架橋硬化可能な重合
    体を含み、かつ前記(A)成分は(A)成分および前記
    重合体全体の総和の20重量%以上100重量%未満で
    あることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記
    載の粉体塗料用樹脂組成物。
  6. 【請求項6】前記(A)成分が前記一般式(1)で表さ
    れるシリル基を有するビニル系単量体(a)成分を1〜
    30重量部、その他の共重合可能なビニル系単量体
    (b)成分99〜70重量部を共重合してなることを特
    徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の粉体塗料
    用樹脂組成物。
  7. 【請求項7】前記一般式(1)中のXがアルコキシ基で
    あることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記
    載の粉体塗料用樹脂組成物。
  8. 【請求項8】前記(a)成分のシリル基を有するビニル
    系単量体が、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメ
    トキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリ
    エトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメ
    チルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロ
    ピルメチルジエトキシシランよりなる群から選ばれる少
    なくとも1種、またはこれらの2種以上の混合物である
    ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の
    粉体塗料用樹脂組成物。
  9. 【請求項9】前記(b)成分のその他の共重合可能なビ
    ニル系単量体99〜70重量部のうち、グリシジル基を
    含有するビニル系単量体1〜30重量部を含むことを特
    徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の粉体塗料
    用樹脂組成物。
  10. 【請求項10】前記(b)成分のグリシジル基を有する
    ビニル系単量体が、グリシジル(メタ)アクリレート、
    2−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、アリルグ
    リシジルエーテルよりなる群から選ばれる少なくとも1
    種、またはこれらの2種以上の混合物であることを特徴
    とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の粉体塗料用
    樹脂組成物。
  11. 【請求項11】前記(B)成分のエポキシ樹脂が一般式
    (2)で表される構造を有する化合物よりなる群から選
    ばれる少なくとも1種、またはこれらの2種以上の混合
    物であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1
    項に記載の粉体塗料用樹脂組成物。 【化2】 (式中、mは0〜20までの整数。)
  12. 【請求項12】前記(C)成分のアミノ基を含有するシ
    ランカップリング剤が3−アミノプロピルトリメトキシ
    シラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−
    アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプ
    ロピルメチルジエトキシシラン、2−アミノエチル−3
    −アミノプロピルトリメトキシシラン、2−アミノエチ
    ル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−アミ
    ノエチル−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラ
    ン、2−アミノエチル−3−アミノプロピルメチルジエ
    トキシシランよりなる群から選ばれる少なくとも1種、
    またはこれらの混合物であることを特徴とする請求項1
    〜11のいずれか1項に記載の粉体塗料用樹脂組成物。
  13. 【請求項13】硬化剤(D)成分0.1〜30重量部を
    含有してなる請求項1〜12のいずれか一項に記載の粉
    体塗料用樹脂組成物。
  14. 【請求項14】前記(D)成分の硬化剤が、有機酸性化
    合物、該有機酸性化合物と含窒素化合物との混合物また
    は反応物、有機金属化合物よりなる群から選ばれる少な
    くとも1種、または2種以上の混合物であることを特徴
    とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の粉体塗料
    用樹脂組成物。
  15. 【請求項15】前記(D)成分の硬化剤が、有機スルホ
    ン酸および有機スルホン酸と含窒素化合物との混合物よ
    りなる群から選ばれる少なくとも1種、または2種以上
    の混合物であることを特徴とする請求項1〜14のいず
    れか1項に記載の粉体塗料用樹脂組成物。
  16. 【請求項16】前記(D)成分の硬化剤が、有機スズ化
    合物、有機チタン化合物、有機アルミニウム化合物、有
    機ジルコニウム化合物よりなる群から選ばれる少なくと
    も1種、または2種以上の混合物であることを特徴とす
    る請求項1〜15のいずれか1項に記載の粉体塗料用樹
    脂組成物。
  17. 【請求項17】前記(C)成分の硬化剤が、下記一般式
    (3)で表される化合物よりなる群から選ばれる少なく
    とも1種、またはこれらの2種以上の混合物であることを
    特徴とする請求項1〜16のいずれか1項に記載の粉体
    塗料用樹脂組成物。 【化3】 (式中、R3は炭素数1〜20の直鎖状または分岐状の
    アルキレン基である。)
JP31050698A 1998-10-30 1998-10-30 粉体塗料用樹脂組成物 Pending JP2000136343A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31050698A JP2000136343A (ja) 1998-10-30 1998-10-30 粉体塗料用樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31050698A JP2000136343A (ja) 1998-10-30 1998-10-30 粉体塗料用樹脂組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000136343A true JP2000136343A (ja) 2000-05-16

Family

ID=18006054

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31050698A Pending JP2000136343A (ja) 1998-10-30 1998-10-30 粉体塗料用樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000136343A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4053713B2 (ja) 親水性硬化性組成物を用いた塗膜
JP2851350B2 (ja) 熱硬化性組成物
JP2000026791A (ja) 粉体塗料用樹脂組成物
JP2000204292A (ja) アクリル/ポリエステルハイブリッド系粉体塗料用樹脂組成物
JP2000136343A (ja) 粉体塗料用樹脂組成物
JPH111637A (ja) 粉体塗料用樹脂組成物
JP2000136324A (ja) 粉体塗料用樹脂組成物
JPH11246794A (ja) 粉体塗料用樹脂組成物
JPH11286627A (ja) 粉体塗料用樹脂組成物
JPH11323198A (ja) 新規な粉体塗料用樹脂組成物
JP2000204290A (ja) 新規な粉体塗料用樹脂組成物
JP3069979B2 (ja) 硬化性組成物
JP3130542B2 (ja) 硬化性組成物
JPH05271607A (ja) 熱硬化性上塗塗料組成物
JP2000026792A (ja) 粉体塗料用樹脂組成物
JP3435599B2 (ja) 建築外装用親水性硬化性組成物、及び建築外装表面に対する親水性付与方法
JPH11323199A (ja) 新規な粉体塗料用樹脂組成物
JP2000178473A (ja) 新規なポリエステル/アクリルハイブリッド粉体塗料用樹脂組成物
JP2000204291A (ja) アクリル/ポリエステルハイブリッド系粉体塗料用樹脂組成物
JPH11209552A (ja) 新規な粉体塗料用樹脂組成物
JPH11335592A (ja) 新規な粉体塗料用樹脂組成物
JP2000026766A (ja) 耐候性、耐汚染性に優れた粉体塗料用樹脂組成物
JPH11335591A (ja) 新規な粉体塗料用樹脂組成物
JP2000072987A (ja) 粉体塗料用樹脂組成物
JPH11166134A (ja) 粉体塗料用樹脂組成物