JP2000136331A - カチオン電着塗料用アクリル樹脂 - Google Patents

カチオン電着塗料用アクリル樹脂

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JP2000136331A
JP2000136331A JP10311783A JP31178398A JP2000136331A JP 2000136331 A JP2000136331 A JP 2000136331A JP 10311783 A JP10311783 A JP 10311783A JP 31178398 A JP31178398 A JP 31178398A JP 2000136331 A JP2000136331 A JP 2000136331A
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Japan
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carbon atoms
acrylic resin
cationic electrodeposition
ethylenically unsaturated
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JP10311783A
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English (en)
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Shinsuke Shirakawa
信介 白川
Tatsuo Yoshida
龍生 吉田
Hidekazu Nishimura
英一 西村
Shinji Nakano
伸司 仲野
Mitsuo Yamada
光夫 山田
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Nippon Paint Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カチオン電着塗料に含有させても、形成され
る塗料が分散安定性に優れ、形成される塗膜が耐光性、
ED作業性、及び外観に優れるカチオン電着塗料用アク
リル樹脂を提供すること。 【解決手段】 アルキル基を有するエチレン性不飽和モ
ノマー、及び水酸基を有するエチレン性不飽和モノマー
を含むモノマー混合物をラジカル共重合させて得られる
アクリルポリマーでなるカチオン電着塗料用アクリル樹
脂において、該カチオン電着塗料用アクリル樹脂が、水
酸基、4級アンモニウム塩部分、及び該アクリル樹脂1
分子当り1個以上の、イソシアネート基を炭素数6〜2
0の脂肪族アルキルモノアルコールもしくは炭素数6〜
20のポリエーテルモノオールでブロックした構造を有
するブロック化イソシアネート基を有するカチオン電着
塗料用アクリル樹脂。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カチオン電着塗料
組成物に含有させて用いられる樹脂に関し、特に、カチ
オン電着塗料組成物において顔料分散剤として、又は添
加剤として用いられるアクリル樹脂に関する。
【0002】
【従来の技術】金属基材は、錆止め、及び色彩や光沢を
付与するために一般に塗装される。つまり、通常金属基
材は塗装することで、塗装面に耐候性や美感が付与され
る。自動車ボディのような屋外で使用する金属基材につ
いては、塗装面には特に耐光性に優れることが必要であ
る。
【0003】ところで、金属基材の下塗塗装には電着塗
装方法が広く使用されている。電着塗装方法に用いる塗
料としては、中和剤を含む水性媒体中に分散されたバイ
ンダー成分と顔料成分等を含む電着塗料が良く知られて
いる。バインダー成分は、一般に、カチオン性樹脂と硬
化剤とを含む樹脂成分である。電着塗装方法では、金属
基材の表面に塗料成分を電着した後、加熱してバインダ
ー成分を硬化させ、顔料成分を樹脂で固めた塗膜を形成
する。
【0004】カチオン電着塗料には、一般に、その目的
に応じて種々の樹脂を含有させる。例えば、塗膜中に不
純物が存在する場合に塗膜焼付け時に生じる塗膜欠陥で
あるハジキを防止する目的で、又は被塗物の端面におい
ても塗膜を厚く均一に乗せて端面の防食性が低下するの
を防止する目的で樹脂を塗料に添加して含有させたり、
塗料中に顔料を均一に分散させる目的で樹脂を含有させ
たりする。
【0005】カチオン電着塗料のハジキを防止する目的
で、すなわち、ハジキ防止剤として、又は被塗物の端面
の防食性が低下するのを防止する目的で、すなわち、端
面防食能付与剤として樹脂を用いる場合、これらの樹脂
は、少量、一般には固形分基準で0.1〜10.0重量
%の量で塗料に添加される。このような樹脂でなる添加
剤は塗装工程で蒸発しないので、硬化後は、塗膜のバイ
ンダー成分の一部を構成する。それゆえ、添加剤の特性
は硬化塗膜の性能に重大な影響を与える。
【0006】電着塗料のような、水性媒体中に分散され
た顔料成分を含む水性塗料を製造する場合、粉体である
顔料と水性媒体とを直接混合すると、顔料は一般に疎水
性であるため水性媒体中に均一に分散しない。従つて、
通常は、顔料及び顔料分散樹脂を水性媒体中に分散させ
て顔料分散ペーストを調製し、この顔料分散ペースト
を、バインダー成分等を含む水性媒体で希釈することに
より水性塗料組成物とする。
【0007】電着塗料に用いる顔料分散ペーストは、通
常水性媒体と顔料と顔料分散樹脂とを含有する。上述の
ように、顔料分散樹脂は顔料分散ペーストに従って水性
塗料組成物中に組み込まれ、硬化後は塗膜のバインダー
成分の一部を構成する。それゆえ、顔料分散樹脂の特性
は硬化塗膜の性能に重大な影響を与える。
【0008】顔料分散樹脂は、一般に、カチオン性又は
ノニオン性の低分子量界面活性剤又は水溶性樹脂等であ
る。
【0009】例えば、特開昭54−4978号公報等に
は顔料分散樹脂として、エポキシ樹脂とハーフブロック
化イソシアネートとを反応させ、ついで、得られる疎水
性エポキシ樹脂とアミン、ホスフィン、またはジスルフ
ィドとを反応させることより水溶化したカチオン性樹脂
が記載されている。
【0010】このような顔料分散樹脂はビスフェノール
A型エポキシ樹脂を主骨格として含む。ビスフェノール
A部分のようなアリール部分を含む構造はラジカルを安
定化させ易く、光照射によりラジカルが発生した場合そ
の寿命を延長させる。従って、樹脂骨格にアリール部分
を含む塗膜は光照射により劣化し易く、耐光性に劣るこ
ととなる。
【0011】また、特公平4−168165号公報等に
は顔料分散樹脂としてC8以上の脂肪酸残基を有するエ
チレン性不飽和単量体と第4級アンモニウム塩もしくは
アミノ基含有エチレン性不飽和単量体とα,β−エチレ
ン性不飽和含窒素単量体との共重合体が記載されてい
る。
【0012】このような顔料分散樹脂は比較的親油性の
長い側鎖を有しているが主としてアルキレン鎖で構成さ
れており、顔料吸着能が低く、顔料分散性に劣る。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来の問
題を解決するものであり、その目的とするところは、カ
チオン電着塗料に含有させても、形成される塗料が分散
安定性に優れ、形成される塗膜が耐光性、ED作業性
(コンタミ性、水ヌレ性、乾きムラ性)、及び外観に優
れるカチオン電着塗料用アクリル樹脂を提供することに
ある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、炭素数6〜1
2のアルキル基を有するエチレン性不飽和モノマー、及
び水酸基を有するエチレン性不飽和モノマーを含むモノ
マー混合物をラジカル共重合させて得られる数平均分子
量3000〜2万のアクリルポリマーでなるカチオン電
着塗料用アクリル樹脂において、該カチオン電着塗料用
アクリル樹脂が水酸基価として50〜200mgKOH
/gの水酸基、該アクリル樹脂100g当り40〜80
meqの4級アンモニウム塩部分、及び該アクリル樹脂
1分子当り1個以上の、イソシアネート基を炭素数6〜
20の脂肪族アルキルモノアルコールもしくは炭素数6
〜20のポリエーテルモノオールでブロックした構造を
有するブロック化イソシアネート基を有するカチオン電
着塗料用アクリル樹脂を提供するものであり、そのこと
により上記目的が達成される。
【0015】本発明のカチオン電着塗料用アクリル樹脂
は以下の第1の製造方法又は第2の製造方法により製造
することが好ましい。
【0016】第1の製造方法は、炭素数6〜12のアル
キル基を有するエチレン性不飽和モノマー、水酸基を有
するエチレン性不飽和モノマー、およびグリシジル基を
有するエチレン性不飽和モノマーを含むモノマー混合物
をラジカル共重合させて、水酸基価50〜200mgK
OH/g、エポキシ当量0.45〜2.0meq、およ
び数平均分子量3000〜2万のアクリルポリマーを得
る工程;及び上記グリシジル基と3級アミンの中和酸塩
とを反応させる工程;を包含する。
【0017】また、第2の製造方法は、炭素数6〜12
のアルキル基を有するエチレン性不飽和モノマー、水酸
基を有するエチレン性不飽和モノマー、およびN,N−
ジアルキルアミノ基を有するエチレン性不飽和モノマー
を含むモノマー混合物をラジカル共重合させて、水酸基
価50〜200mgKOH/g、N,N−ジアルキルア
ミノ基当量45〜100meq、および数平均分子量3
000〜2万のアクリルポリマーを得る工程;及び上記
N,N−ジアルキルアミノ基の中和酸塩とモノエポキシ
ドとを反応させる工程;を包含する。
【0018】
【発明の実施の形態】カチオン電着塗料用アクリル樹脂
の第1の製造方法 この方法では、まず、アルキル基を有するエチレン性不
飽和モノマー、水酸基を有するエチレン性不飽和モノマ
ー、及びグリシジル基を有するエチレン性不飽和モノマ
ーを含有するモノマー混合物をラジカル共重合して、主
鎖から垂れ下がったアルキル基、水酸基、及びグリシジ
ル基を有するアクリルポリマー(以下、「第1のアクリ
ルポリマー」という。)を形成する。
【0019】アルキル基を有するエチレン性不飽和モノ
マーとしては比較的長鎖のアルキル基を有するアルキル
(メタ)アクリレート、例えば、炭素数6〜12のアル
キル(メタ)アクリレートが好ましい。具体的には、2
−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メ
タ)アクリレート等を用いる。
【0020】水酸基を有するエチレン性不飽和モノマー
としては、炭素数2〜6のものが好ましい。具体的に
は、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒド
ロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシ
ブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル
(メタ)アクリレート等を用いる。
【0021】グリシジル基を有するエチレン性不飽和モ
ノマーとしては、グリシジル(メタ)アクリレート等を
用いる。
【0022】一般には、アルキル基を有するエチレン性
不飽和モノマー(A)は10〜50重量%の量でモノマ
ー混合物中に含有させる。モノマー(A)の含有量が1
0重量%を下回ると疎水性が低下するため顔料分散性が
悪化する。50重量%を上回ると疎水性が高くなるため
水に対する分散安定性が低下する。
【0023】水酸基を有するエチレン性不飽和モノマー
(B)は5〜50重量%、好ましくは10〜40重量%
の量でモノマー混合物中に含有させる。グリシジル基を
有するエチレン性不飽和モノマー(C)は6〜30重量
%、好ましくは7〜25重量%の量でモノマー混合物中
に含有させる。ここで、一般にはモノマー(A)、
(B)、及び(C)の合計が100%となるように配合
するが、モノマー(A)、(B)、及び(C)以外のモ
ノマーを含有させて100%としてもよい。
【0024】モノマー(A)とモノマー(B)とモノマ
ー(C)との重量割合は、10〜50/5〜50/6〜
30、好ましくは15〜45/10〜40/7〜25で
ある。
【0025】モノマー混合物中には上記以外のエチレン
性不飽和モノマーを適量含ませても良い。例えば、メチ
ル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレー
ト、n−ブチル(メタ)アクリレート、及びイソブチル
(メタ)アクリレートのようなエチレン性不飽和モノマ
ーを用いうる。これらのエチレン性不飽和モノマーは一
般に60重量%までの量でモノマー混合物中に含有させ
る。
【0026】ラジカル共重合は常法により行えばよい。
例えば、適当な容器に溶媒を加熱撹拌しておき、そこ
に、アルキル基を有するエチレン性不飽和モノマー、水
酸基を有するエチレン性不飽和モノマー、及びグリシジ
ル基を有するエチレン性不飽和モノマーを含むモノマー
混合物、及びラジカル共重合開始剤を滴下する。
【0027】ラジカル共重合に用いる溶媒には、ジエチ
レングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコー
ルモノブチルエーテル、n−ブタノール、メトキシプロ
パノール等のアルコール類;メチルイソブチルケトン、
イソホロン等のケトン類;トルエン、キシレン等の芳香
族系炭化水素;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル
類;等を用いる。ラジカル共重合開始剤には、t−ブチ
ルパーオキシ−2−エチルヘキシルヘキサノエート、ベ
ンゾイルパーオキサイド、t−ブチルヒドロキシパーオ
キサイド等の有機過酸化物;及びアゾビスイソブチロニ
トリル、アゾイソ酪酸ニトリル等のアゾ化合物;等を用
いる。
【0028】第1のアクリルポリマーの分子量は数平均
分子量3000〜2万、好ましくは3000〜1800
0、更に好ましくは4000〜15000に調節する。
アクリルポリマーの分子量はモノマー混合物と共に連鎖
移動剤を含有させ、また、その量を増減させることによ
り調節できる。
【0029】第1のアクリルポリマーの数平均分子量が
3000を下回ると親水性が強くなりすぎるため得られ
るカチオン電着塗料用アクリル樹脂を顔料分散剤として
用いた場合、その顔料分散能が低下し、また、耐水性等
塗膜物性も低下する。数平均分子量が2万を上回ると疎
水性が強くなり、得られるカチオン電着塗料用アクリル
樹脂の顔料分散能が低下する。
【0030】第1のアクリルポリマーのエポキシ当量は
0.45〜2.0meq、好ましくは0.5〜1.5m
eqに調節する。アクリルポリマーのエポキシ当量が
0.45meqを下回ると4級アンモニウム塩部分導入
後のアクリルポリマーの水溶性が低下し、2.0meq
を上回ると、4級アンモニウム化反応に際して未反応の
グリシジル基が多く存在することになり、グリシジル基
の開環反応により合成時にゲル化するおそれがある。
【0031】第1のアクリルポリマーの水酸基価は50
〜200mgKOH/g、好ましくは60〜180mg
KOH/g、更に好ましくは80〜150mgKOH/
gに調節する。アクリルポリマーの水酸基価が50mg
KOH/gを下回ると疎水性が強すぎるため、得られる
カチオン電着塗料用アクリル樹脂を含有分散剤として用
いた場合、その顔料分散能が低下し、また架橋反応の際
反応する水酸基濃度が低いため、架橋密度の低下により
塗膜の耐食性が低下するおそれがある。水酸基価が20
0を上回ると親水性が強すぎるため得られるカチオン電
着塗料用アクリル樹脂の顔料分散能が低下する。
【0032】本発明の4級アンモニウム塩部分を有する
カチオン電着塗料用アクリル樹脂は、第1の製造方法で
は、第1のアクリルポリマー中のグリシジル基と3級ア
ミンの中和酸塩とを反応させて得られる。このようにア
クリルポリマーに4級アンモニウム塩部分を導入するこ
とにより、アクリルポリマーが水溶化される。
【0033】3級アミンとしては炭素数1〜6のものが
好ましい。3級アミンは水酸基を有していてもよい。加
熱硬化時に硬化剤との反応が期待できるからである。3
級アミンの具体例には、ジメチルエタノールアミン、ト
リメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルベンジル
アミン、ジエチルベンジルアミン、N,N−ジメチルシ
クロヘキシルアミン、トリ−n−ブチルアミン、ジフェ
ネチルメチルアミン、ジメチルアニリン、N−メチルモ
ルホリン等が挙げられる。
【0034】4級アンモニウム化反応に使用される中和
酸としては、塩酸、硝酸、及びリン酸のような無機酸、
及びギ酸、酢酸、ヒドロキシ酢酸、スルファミン酸、及
び乳酸のような有機酸を用いる。酸の量は、少なくとも
100%、好ましくは100〜200%の中和率を達成
する量であればよい。
【0035】第1のアクリルポリマー中のグリシジル基
と3級アミンの中和酸塩との反応は常法により行う。例
えば、アクリルポリマーを含む溶液を適当な容器に入
れ、加熱撹拌下、ここに3級アミン及び中和酸を滴下す
ればよい。
【0036】第1のアクリルポリマーは、更に1分子当
り1個以上の、イソシアネート基を炭素数6〜20の脂
肪族アルキルモノアルコールもしくは炭素数6〜20の
ポリエーテルモノオールでブロックした構造を有するブ
ロック化イソシアネート基を有する。かかる疎水性基の
導入により顔料に対する吸着性を高めることができるか
らである。この特定構造のブロック化イソシアネート基
を以下「鎖状BI基」という。
【0037】第1のアクリルポリマーに鎖状BI基を導
入する方法には、(1)水酸基を有するエチレン性不飽
和モノマーと鎖状BI基を有するハーフブロック化ジイ
ソシアネートとを付加させて鎖状BI基含有モノマーを
得、これを他のエチレン性不飽和モノマー(モノマー
(A)〜(C))と共重合させる方法、(2)アクリル
ポリマーを調製した後、その中の水酸基に鎖状BI基を
有するハーフブロック化ジイソシアネートを付加させる
方法、及び(3)アクリルポリマーを調製した後、その
中のグリシジル基に鎖状BI基を有する3級アミンを付
加させる方法等がある。
【0038】方法(1)において、水酸基を有するエチ
レン性不飽和モノマーとしては、アクリルポリマーを調
製するために説明したものを用いる。
【0039】ハーフブロック化ジイソシアネートとは、
ジイソシアネート中の1.0〜1.5個、好ましくは1
個のイソシアネート基のみをブロック剤と反応させた構
造のイソシアネート化合物をいう。
【0040】好ましいジイソシアネートとしては、トリ
メチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシア
ネート、ペンタメチレンジソシアネート、ヘキサメチレ
ンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネ
ート、1,2−ブチレンジイソシアネート、2,3−ブ
チレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシア
ネート、エチリデンジイソシアネート、ブチリデンジイ
ソシアネートなどの脂肪族化合物、1,3−シクロペン
タンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソ
シアネート、1,2−シクロヘキサンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネートなどの脂肪族環式化合
物、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレン
ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジイソシアネ
ート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,4−
ナフタレンジイソシアネートなどの芳香族化合物、4,
4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−ま
たは2,6−トルエンジイソシアネートまたはそれらの
混合物4,4’−トルイジンジイソシアネート、1,4
−キシレンジイソシアネートなどの脂肪族−芳香族化合
物、ジアニシジンジイソシアネート、4,4−ジフェニ
ルエーテルジイソシアネート、クロロジフェニルジイソ
シアネートなどの核置換芳香族化合物等がある。好まし
いヒドロキシアルキルアミンとしては、ジメチルエタノ
ールアミン、ジエチルエタノールアミン、メチルジエタ
ノールアミン、ジメチルアミノ−2−プロパノール、ジ
エチルアミノエトキシエタノール等がある。
【0041】ブロック剤としては、一般にはアルコー
ル、アミン、オキシム、及びポリエーテルモノオールの
ような種々の活性水素含有化合物を用いる。但し、ブロ
ック剤として炭素数6〜20の脂肪族アルキルモノアル
コール及び炭素数6〜20のポリエーテルモノオールを
用いることにより、鎖状BI基を有するハーフブロック
化ジイソシアネートが得られる。
【0042】ポリエーテルモノオールとは、アルキルア
ルコール1モルにアルキレンオキシドを1モル以上付加
して得られるモノアルコールをいう。特に好ましいポリ
エーテルモノオールは、炭素数4〜12の脂肪族アルキ
ルモノアルコール1モルにエチレンオキシドを1〜2モ
ル付加したものである。具体的には2−エチルヘキシル
アルコールのエチレンオキシド1モル付加体、ブチルア
ルコールのエチレンオキシド1モル又は2モル付加体、
ラウリルアルコールのエチレンオキシド1モル又は2モ
ル付加体等がある。また、炭素数6〜20の脂肪族アル
キルモノアルコールとしては、ヘキシルアルコール、2
−エチルヘキシルアルコール、デシルアルコール、ラウ
リルアルコール、ステアリルアルコール等がある。
【0043】水酸基を有するエチレン性不飽和モノマー
と鎖状BI基を有するハーフブロック化ジイソシアネー
トとを付加させることにより、鎖状BI基含有モノマー
が得られる。この付加反応は常法により行う。例えば、
適当な容器に鎖状BI基を有するハーフブロック化ジイ
ソシアネートを入れ、加熱融解させた後、不活性ガス雰
囲気下、撹拌しながらエチレン性不飽和モノマーを滴下
する。一般に、水酸基を有するエチレン性不飽和モノマ
ーの水酸基と鎖状BI基を有するハーフブロック化ジイ
ソシアネートの鎖状BI基とが当量となる量比でこの付
加反応を行う。
【0044】鎖状BI基含有モノマーと、アクリルポリ
マーを調製するために説明したモノマー(A)〜(C)
とを、ラジカル共重合させることにより、鎖状BI基が
導入されたアクリルポリマーが得られる。ラジカル共重
合は上述のような常法で行えばよい。
【0045】方法(2)においては、第1のアクリルポ
リマー中の水酸基に鎖状BI基を有するハーフブロック
化ジイソシアネートを付加させることにより、鎖状BI
基が導入されたアクリルポリマーが得られる。この付加
反応は常法により行う。例えば、適当な容器に第1のア
クリルポリマーを入れ、加熱融解させた後、不活性ガス
雰囲気下、撹拌しながら鎖状BI基を有するハーフブロ
ック化ジイソシアネートを滴下する。
【0046】方法(3)においては、第1のアクリルポ
リマー中のグリシジル基に鎖状BI基を有する3級アミ
ンを付加させることにより、鎖状BI基が導入されたア
クリルポリマーが得られる。この場合、第1のアクリル
ポリマーに4級アンモニウム塩部分を導入するための3
級アミンとして鎖状BI基を有する3級アミンを用いる
ことが好ましい。
【0047】鎖状BI基を有する3級アミンとしては、
例えば、ジイソシアネート中の2個のイソシアネート基
を、それぞれヒドロキシアルキルアミンと;炭素数6〜
20の脂肪族アルキルモノアルコール又は炭素数6〜2
0のポリエーテルモノオールとで;ブロックした構造を
有するものがある。
【0048】かかる鎖状BI基を有する3級アミンは、
例えば、ヒドロキシアルキルアミンと鎖状BI基を有す
るハーフブロック化ジイソシアネートとを反応させるこ
とにより得られる。反応は常法により行う。例えば、適
当な容器にジイソシアネートを入れ、加熱融解させた
後、不活性ガス雰囲気下、撹拌しながら、まずここに炭
素数6〜20の脂肪族アルキルモノアルコール及び/又
は炭素数6〜20のポリエーテルモノオールを滴下し、
ついでヒドロキシルアミンを滴下すればよい。
【0049】第1のアクリルポリマー中のグリシジル基
と鎖状BI基を有する3級アミンとの反応は、上述のよ
うに、アクリルポリマーを含む溶液を適当な容器に入
れ、加熱撹拌下、ここに3級アミン及び中和酸を滴下す
ることにより行えばよい。
【0050】第1のアクリルポリマー中の水酸基の少な
くとも一部に更に鎖状BI基を有するハーフブロック化
ジイソシアネートを導入してもよい。顔料分散樹脂の顔
料に対する吸着性が更に高まる場合があるからである。
【0051】カチオン電着塗料用アクリル樹脂の第2の
製造方法 この方法では、まず、アルキル基を有するエチレン性不
飽和モノマー、水酸基を有するエチレン性不飽和モノマ
ー、及びN,N−ジアルキルアミノ基を有するエチレン
性不飽和モノマーを含有するモノマー混合物をラジカル
共重合して主鎖から垂れ下がったアルキル基、水酸基、
及びN,N−ジアルキルアミノ基を有するアクリルポリ
マー(以下、「第2のアクリルポリマー」という。)を
形成する。
【0052】アルキル基を有するエチレン性不飽和モノ
マー、および水酸基を有するエチレン性不飽和モノマー
としては、第1のアクリルポリマーで用いるのと同じも
のを用いることが好ましい。
【0053】N,N−ジアルキルアミノ基を有するエチ
レン性不飽和モノマーとしては、炭素数2〜6のものが
好ましい。具体的には、N,N−ジメチルアミノエチル
メタクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタク
リレート、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリレ
ート、N,N−ジエチルアミノプロピルメタクリレート
等が挙げられる。
【0054】ラジカル共重合を行う際の配合割合、およ
び方法は、グリシジル基を有するエチレン性不飽和モノ
マー(C)の代わりにN,N−ジアルキルアミノ基を有
するエチレン性不飽和モノマー(D)を用いること以外
は第1のアクリルポリマーと同様である。
【0055】得られる第2のアクリルポリマーの数平均
分子量、アルキル基量、および水酸基価は第1のアクリ
ルポリマーと同様である。第2のアクリルポリマーの
N,N−ジアルキルアミノ基当量は45〜100meq
に調節する。第2のアクリルポリマーのN,N−ジアル
キルアミノ基当量が45meqを下回ると該アクリルポ
リマーを顔料分散剤として用いる場合、その樹脂の親水
性が低下し顔料分散能が低下する。100meqを上回
るとその樹脂の親水性が高くなりすぎるため顔料に対す
る吸着性が低くなり、顔料分散能が低下する。
【0056】第2のアクリルポリマーは、更に1分子当
り1個以上の鎖状BI基を有する。かかる疎水性基の導
入により顔料に対する吸着性を高めることができるから
である。
【0057】第2のアクリルポリマーに鎖状BI基を導
入する方法には、(1)水酸基を有するエチレン性不飽
和モノマーと鎖状BI基を有するハーフブロック化ジイ
ソシアネートとを付加させて鎖状BI基含有モノマーを
得、これを他のエチレン性不飽和モノマー(モノマー
(A)、(B))と共重合させる方法、(2)アクリル
ポリマーを調製した後、その中の水酸基に鎖状BI基を
有するハーフブロック化ジイソシアネートを付加させる
方法、及び(3)アクリルポリマーを調製した後、その
中のN,N−ジアルキルアミノ基の中和酸塩に鎖状BI
基を有するモノエポキシドを付加させる方法等がある。
【0058】方法(1)及び(2)を行うための具体的
な操作は、第1のアクリルポリマーを製造するために既
に説明した方法(1)及び(2)と同様である。
【0059】方法(3)においては、第2のアクリルポ
リマー中のN,N−ジアルキルアミノ基に鎖状BI基を
有するモノエポキシドを付加させることにより、鎖状B
I基が導入されたアクリルポリマーが得られる。
【0060】モノエポキシドとは、分子中にエポキシ基
を1個有する化合物をいう。モノエポキシドとしては鎖
状BI基を有するものを用いることが好ましい。ウレタ
ン部分は顔料に対する親和性が高いので、顔料分散樹脂
の顔料に対する吸着性が高まるからである。
【0061】鎖状BI基を有するモノエポキシドとして
は、例えば、グリシドール中の水酸基と鎖状BI基を有
するハーフブロック化ジイソシアネート中のイソシアネ
ート基とを1/1の割合で反応させた構造を有するもの
がある。
【0062】鎖状BI基を有するハーフブロック化ジイ
ソシアネートとしては、第1のアクリルポリマーで説明
したのと同じ物を用いることが好ましい。また、グリシ
ドールと鎖状BI基を有するハーフブロック化ジイソシ
アネートとの反応は、常法により行えば良い。
【0063】第2のアクリルポリマー中のN,N−ジア
ルキルアミノ基と鎖状BI基を有するモノエポキシドと
の反応は常法により行う。例えば、第2のアクリルポリ
マーを含む溶液を適当な容器に入れ、加熱撹拌下、ここ
に中和酸及び鎖状BI基を有するモノエポキシドを滴下
すればよい。中和酸としては、第1のアクリルポリマー
で説明したのと同じ物を同じ量で用いることが好まし
い。
【0064】一般に、第2のアクリルポリマー中のN,
N−ジアルキルアミノ基と鎖状BI基を有するモノエポ
キシドのグリシジル基の当量比が1/1〜1/0.45
となる量比でこの付加反応を行う。
【0065】第1のアクリルポリマーと同様、第2のア
クリルポリマー中の水酸基の少なくとも一部に更に鎖状
BI基を有するハーフブロック化イソシアネート基を導
入してもよい。
【0066】カチオン電着塗料用アクリル樹脂の特性 上述の第1の製造方法及び第2の製造方法により得られ
るカチオン電着塗料用アクリル樹脂は、4級アンモニウ
ム塩部分の濃度がポリマー100g当り40〜80me
qである。アクリル樹脂中の4級アンモニウム塩部分の
濃度がポリマー100g当り40meqを下回るとカチ
オン電着塗料用アクリル樹脂の親水性が低下し、得られ
る電着塗料の分散安定性が低下する。また塗装作業性
(乾きムラ性)が低下する。この濃度が80meqを上
回るとカチオン電着塗料用アクリル樹脂の親水性が高す
ぎるため、このアクリル樹脂を顔料分散剤として用いた
場合、顔料に対する吸着性が低く顔料分散能が低下す
る。
【0067】カチオン電着塗料用アクリル樹脂の水酸基
含有基濃度はアクリルポリマー100g当り50〜20
0eqである。カチオン電着塗料用アクリル樹脂中の水
酸基含有基濃度がアクリルポリマー100g当り50e
qを下回ると疎水性が高くなりすぎるため水に対する安
定性が低下するとともに、形成された塗膜の被塗物への
密着性が低下する。この濃度が200eqを上回ると親
水性が高くなるため、このアクリル樹脂を顔料分散剤と
して用いた場合、顔料分散能が低下する。
【0068】カチオン電着塗料用アクリル樹脂はポリマ
ー1分子当り平均1個以上のブロック化イソシアネート
基を有する。ブロック化イソシアネート基の量がこれを
下回ると、このアクリル樹脂を顔料分散剤として用いた
場合、顔料分散能が低下する。
【0069】カチオン電着塗料用アクリル樹脂の使用方
本発明のカチオン電着塗料用アクリル樹脂はカチオン電
着塗料用顔料分散剤として用いることができる。例え
ば、このカチオン電着塗料用アクリル樹脂と顔料とを適
当な割合で混合し、電着塗料に通常用いられる溶剤中に
分散させることにより、顔料分散ペーストを調製するこ
とができる。顔料分散アクリル樹脂と顔料との混合割合
は重量比で1/0.05〜1/10、好ましくは1/
0.1〜1/5である。
【0070】本発明のカチオン電着塗料用アクリル樹脂
を単独で使用する代わりに、本発明のカチオン電着塗料
用アクリル樹脂と従来の顔料分散樹脂との混合物を顔料
分散剤として用いてもよい。
【0071】例えば、(i)カチオン電着塗料用アクリ
ル樹脂70〜30重量%;及び(ii)1級アミノ基含
有ウレタン変性エポキシ樹脂30〜70重量%で構成さ
れる樹脂組成物(成分(i)と成分(ii)との合計は
100重量%である。)を顔料分散剤として用いてもよ
い。得られる電着塗料の低温焼付け時の硬化性、及び硬
化塗膜の耐食性が良好となるからである。
【0072】1級アミノ基含有ウレタン変性エポキシ樹
脂は、1分子中に平均1個以上のエポキシ基を有するポ
リエポキシドと1分子中平均1.0〜0.5個のイソシ
アネート基を有する単官能性イソシアネートとを反応さ
せて得られるウレタン変性エポキシ樹脂樹脂に、1級ア
ミノ基を導入して水溶化したものである。1級アミノ基
含有ウレタン変性エポキシ樹脂の構造及び製造方法につ
いては、特開平7−173415号公報第0039〜0
064段落により詳細に記載されている。
【0073】また、(i)カチオン電着塗料用アクリル
樹脂70〜30重量%;及び(ii)3級スルホニウム
塩基含有ウレタン変性エポキシ樹脂30〜70重量%で
構成される樹脂組成物(成分(i)と成分(ii)との
合計は100重量%である。)を顔料分散剤として用い
てもよい。得られる電着塗料のつきまわり性、低温焼付
け時の硬化性、及び硬化塗膜の耐食性が良好となるから
である。
【0074】3級スルホニウム塩基含有ウレタン変性エ
ポキシ樹脂は、上記ウレタン変性エポキシ樹脂、または
分子末端を脂肪族もしくは芳香族カルボン酸で変性した
エポキシ樹脂、あるいはそれらの混合物において、分子
中のエポキシ基にスルフィドを反応させることにより得
ることができる。3級スルホニウム塩基含有ウレタン変
性エポキシ樹脂の構造及び製造方法については、特開平
6−128351号公報第0030〜0051段落によ
り詳細に記載されている。
【0075】顔料としては、通常使用されるものであれ
ば特に限定されず、例えば酸化鉄、クロム酸ストロンチ
ウム、カーボンブラック、二酸化チタン、カオリン、ケ
イ酸アルミニウム、タルク、硫酸バリウム、カドミウム
イエロー、カドミウムレッド、クロミックイエロー、リ
ンモリブデン酸アルミ、リンモリブデン酸亜鉛、塩基性
ケイ酸鉛およびこれらの組み合わせなどが挙げられる。
【0076】得られた顔料分散ペーストを脱イオン水お
よびバインダー成分であるカチオン性樹脂と混合し、さ
らに補助剤として、他の樹脂、溶媒、酸化防止剤、界面
活性剤および電着工程に用いられる他の補助剤のような
当業者に周知の添加剤を加えることによって電着塗料が
得られる。
【0077】また、本発明のカチオン電着塗料用アクリ
ル樹脂はカチオン電着塗料用ハジキ防止剤として用いる
ことができる。その場合、カチオン電着塗料用アクリル
樹脂はカチオン電着塗料中に樹脂固形分基準で0.1〜
10.0重量%の量で添加する。
【0078】添加量が0.1重量%を下回るとハジキ防
止効果が得られず、10.0重量%を越えると得られる
塗膜の外観が悪くなる。
【0079】更に、本発明のカチオン電着塗料用アクリ
ル樹脂はカチオン電着塗料用端面防食能付与剤として用
いることができる。その場合、カチオン電着塗料用アク
リル樹脂はカチオン電着塗料中に樹脂固形分基準で0.
1〜10.0重量%の量で添加する。
【0080】添加量が0.1重量%を下回ると十分な端
面防食能が得られず、10.0重量%を越えると得られ
る塗膜の外観が悪くなる。
【0081】
【実施例】以下の実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらに限定されない。実施例中
「部」は特に断らない限り重量基準である。
【0082】製造例1 鎖状BI基を有する3級アミンの調製 撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素導入管および滴下ロ
ートを装備した反応容器に、イソホロンジイソシアナー
ト222.3部を仕込み、窒素ガスを導入しつつ80℃
に昇温し、ジブチル錫ジラウレート0.2部を添加し
た。ついで、2−エチルヘキサノール130.2部を1
時間かけて滴下した後、さらに80℃で1時間加熱し
た。次にジメチルエタノールアミン89.1部を1時間
かけて滴下した後、さらに80℃で2時間加熱して、鎖
状BI基を有する3級アミンを得た。
【0083】実施例1 カチオン電着塗料用アクリル樹脂(A)の合成 撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素導入管および滴下ロ
ートを装備した反応容器に、ブチルセロソルブ450部
を仕込み、窒素ガスを導入しつつ120℃に昇温し、メ
タクリル酸メチル216部、メタクリル酸n−ブチル1
53.7部、メタクリル酸2−エチルヘキシル300
部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル185.6部、
メタクリル酸グリシジル144.7部の混合物と、t−
ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート30部を
ブチルセロソルブ30部に溶解した溶液を、2系列と
し、それらを3時間かけて等速で滴下した。
【0084】滴下終了後、更に120℃で30分反応さ
せ、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート
5部をブチルセロソルブ50部に溶解した溶液を1時間
かけて等速で滴下した。滴下後さらにに1.5時間12
0℃で反応させプレポリマーを得た。
【0085】その後80℃まで冷却した後、製造例1で
得た鎖状BI基を有する3級アミン220.8部および
ジメチルエタノールアミン28.1部、50%乳酸14
6.8部、イオン交換水300部を加えて80℃で加熱
撹拌した。酸価が5以下になるまで反応させ、その後ブ
チルセロソルブを433.9部加え希釈して、カチオン
電着塗料用アクリル樹脂(A)を得た。得られたカチオ
ン電着塗料用アクリル樹脂は、不揮発分50%および分
子量8000であり、4級アンモニウム塩部分濃度が樹
脂固形分100g中62meqであった。
【0086】製造例2 鎖状BI基含有モノマーの調製 撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素導入管および滴下ロ
ートを装備した反応容器に、イソホロンジイソシアネー
ト222.3部を仕込み、窒素ガスを導入しつつ80℃
に昇温し、ジブチルチンジラウレート0.2部を添加し
た。ついで、2−エチルヘキサノール130.2部を1
時間かけて滴下した後、さらに80℃で1時間加熱し
た。次に2−ヒドロキシエチルメタクリレート130部
を1時間かけて滴下した後、さらに60℃で2時間加熱
して鎖状BI基含有モノマーを得た。
【0087】実施例2〜6および比較例1〜3 カチオン電着塗料用アクリル樹脂(B)〜(I)の合成 モノマーと重合開始剤および4級化剤を表1に示した配
合量で仕込んだこと以外は製造例1と同様にしてカチオ
ン電着塗料用アクリル樹脂(B)〜(I)を得た。合成
に使用した各成分の配合および得られたカチオン電着塗
料用アクリル樹脂の数平均分子量、4級アンモニウム塩
部分濃度(meq/100g樹脂)、1分子中のブロッ
ク化イソシアネート基の個数をそれぞれ表1に示す。
【0088】
【表1】
【0089】実施例7 顔料分散ペーストの調製 サンドグラインドミルに実施例1で得たカチオン電着塗
料用アクリル樹脂(A)を120部、カーボンブラック
2.0部、カオリン100.0部、二酸化チタン80.
0部、リンモリブデン酸アルミニウム18.0部および
イオン交換水を入れ、粒度10μm以下になるまで分散
して、鉛フリー顔料分散ペーストを得た(固形分45
%)。
【0090】製造例3 1級アミノ基含有ウレタン変性エポキシ樹脂の調製 撹拌装置、冷却管、窒素導入管および温度計を装備した
反応容器に、イソホロンジイソシアネート(以下、IP
DIと略す)222.0重量部を入れ、メチルイソブチ
ルケトン(以下、MIBKと略す)39.1重量部で希
釈した後、ジブチル錫ジラウレート0.2重量部を加え
た。その後、50℃に昇温した後、2−エチルヘキサノ
ール(以下、2EHと略す)131.5重量部を撹拌
下、乾燥窒素雰囲気中で2時間かけて滴下した。適宜、
冷却することにより、反応温度を50℃に維持した。そ
の結果、2−エチルヘキサノールハーフブロック化IP
DI(樹脂固形分90.0%)が得られた。
【0091】次いで、エピコート828(油化シェルエ
ポキシ社製ビスフェノールA型エポキシ樹脂:エポキシ
当量182〜194)376.0重量部、ビスフェノー
ルA114.0重量部およびオクチル酸29.2重量部
を撹拌装置、冷却管、窒素導入管および温度計を装備し
た反応容器に仕込んだ。反応混合物を窒素雰囲気中13
0℃に加熱し、ジメチルベンジルアミン0.15重量部
を添加して、発熱反応のもと170℃で1時間反応させ
ることにより、エポキシ当量649を有するビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂を得た。
【0092】次いで、140℃に冷却した後、上記で調
製した2−エチルヘキサノールハーフブロック化IPD
I396.8重量部を加えた。混合物を140℃に1時
間保持し、反応させた。SP値10.6の疎水性エポキ
シ樹脂を得た。エチレングリコールモノブチルエーテル
323.2重量部を加えて希釈した後、反応混合物を1
00℃に冷却した。次に、アミノエチルエタノールアミ
ンのメチルイソブチルモノケチミンの78.3%MIB
K溶液188.8重量部を加えた。
【0093】この混合物を110℃で1時間保温した
後、90℃まで冷却し、脱イオン水360.0重量部を
加えて、更に30分間撹拌を継続することにより、前記
エポキシ樹脂のケチミン化保護基を1級アミノ基に転化
した。この混合物から過剰の水とMIBKを減圧下で除
去した後、エチレングリコールモノブチルエーテル58
8.1重量部で希釈して、1級アミノ基を有する顔料分
散樹脂Iとした。(樹脂固形分50%)
【0094】製造例4 3級スルホニウム塩基含有エポキシ樹脂の調製 適当な反応容器に、エポキシ当量188のビスフェノー
ルA型エポキシ樹脂(ダウ・ケミカル・カンパニー社
製)382.2重量部とビスフェノールA117.8重
量部を仕込み、窒素雰囲気下、150〜160℃で1時
間反応させ、120℃に冷却した後、製造例3で調製し
た2−エチルヘキサノールハーフブロック化IPDI
(MIBK溶液)209.8重量部を加えた。140〜
150℃で1時間反応させた後、エチレングリコールモ
ノブチルエーテル205.0重量部を加えて60〜65
℃に冷却した。
【0095】そこへ、1−(2−ヒドロキシエチルチ
オ)−2−プロパノール408.0重量部、脱イオン水
144.0重量部、ジメチロールプロピオン酸134重
量部を加え、酸価が1となるまで65〜75℃で反応さ
せ、エポキシ樹脂に3級スルホニウム基を導入し、脱イ
オン水1595.2重量部を加えて3級化を終了させる
ことにより、顔料分散用3級スルホニウム塩基含有エポ
キシ樹脂IIを得た(樹脂固形分30%)。
【0096】製造例5 4級アンモニウム塩部分を有する顔料分散用樹脂の調製
【0097】(1)4級化剤の調製
【0098】
【表2】
【0099】適当な反応容器に、ジメチルエタノールア
ミン87.2重量部、75%乳酸水溶液117.6重量
部およびエチレングリコールモノブチルエーテル39.
2重量部を順に加え、65℃で約半時間撹拌して、4級
化剤を調製した。
【0100】(2)4級アンモニウム塩部分を有する樹
脂の調製 次に、エポン(EPON)829(シェル・ケミカル・
カンパニー社製ビスフェノールA型エポキシ樹脂;エポ
キシ当量193〜203)710.0重量部とビスフェ
ノールA289.6重量部を適当な反応容器に仕込み、
窒素雰囲気下、150〜160℃に加熱した。初期発熱
反応が生じた。反応混合物を150〜160℃で約1時
間反応させ、次いで、120℃に冷却した後、製造例3
で調製した2−エチルヘキサノールハーフブロック化I
PDI(MIBK溶液)498.8重量部を加えた。
【0101】反応混合物を110〜120℃に約1時間
保ち、次いで、エチレングリコールモノブチルエーテル
1390.2重量部を加え、混合物を85〜95℃に冷
却し、均一化した後、上記(1)で調製した4級化剤1
96.7重量部を添加した。酸価が1となるまで反応混
合物を85〜95℃に保持した後、脱イオン水37.0
重量部を加えて、エポキシ−ビスフェノールA樹脂にお
いて4級化を終了させ、4級アンモニウム塩部分を有す
る顔料分散用樹脂IIIとした(樹脂固形分50%)。
【0102】製造例6 電着塗料用カチオン性樹脂の合成 撹拌機、冷却管、窒素導入管、温度計および滴下漏斗を
装備したフラスコに、2,4−/2,6−トリレンジイソ
シアネート(重量比=8/2)92部、MIBK95部
およびジブチル錫ジラウレート0.5部を仕込んだ。反
応混合物を撹拌下、メタノール21部を滴下した。反応
は、室温から始め、発熱により60℃まで昇温した。そ
の後、30分間反応を継続した後、エチレングリコール
モノ−2−エチルヘキシルエーテル57部を滴下漏斗よ
り滴下した。更に、反応混合物に、ビスフェノールA−
プロピレンオキシド5モル付加体42部を添加した。反
応は主に、60〜65℃の範囲で行い、IRスペクトル
の測定において、イソシアネート基に基づく吸収が消失
するまで継続した。
【0103】次に、ビスフェノールAとエピクロルヒド
リンから既知の方法で合成したエポキシ当量188のエ
ポキシ樹脂365部を反応混合物に加えて、125℃ま
で昇温した。その後、ベンジルジメチルアミン1.0部
を添加し、エポキシ当量410部になるまで130℃で
反応させた。
【0104】続いて、ビスフェノールA87部を加えて
120℃で反応させたところ、エポキシ当量は1190
となった。その後、反応混合物を冷却し、ジエタノール
アミン11部、N−エチルエタノールアミン24部およ
びアミノエチルエタノールアミンのケチミン化物の79
重量%MIBK溶液25部を加え、110℃で2時間反
応させた。その後、MIBKで不揮発分80%となるま
で希釈し、ガラス転移温度が22℃のカチオン性樹脂
(樹脂固形分80%)を得た。
【0105】製造例7 電着塗料用架橋剤の合成 製造例2と同様のフラスコに、2,5−および2,6−ビ
ス(イソシアナトメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプ
タン(三井東圧社製、イソシアネート当量103)72
3部、MIBK333部およびジブチル錫ジラウレート
0.01部を仕込んだ。反応混合物を70℃まで昇温し
た。反応混合物が均一に溶解した後、メチルエチルケト
オキシム610部を2時間かけて滴下した。滴下終了
後、反応温度を70℃に保持したまま、IRスペクトル
の測定において、イソシアネート基に基づく吸収が消失
するまで反応を継続することにより、メチルエチルケト
オキシムブロック化架橋剤が得られた(樹脂固形分80
%)。
【0106】実施例8 電着塗料の調製 製造例6のカチオン性樹脂と、製造例7の架橋剤を固形
分配合比75:25で均一に混合した。その後、エチレ
ングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテルを、固
形分に対して3%になるように添加した。これに、氷酢
酸を加えて、中和率43.0%となるように中和し、更
にイオン交換水を加えてゆっくり希釈した。固形分が3
6.0%となるように、減圧下でMIBKを除去するこ
とにより、メインエマルションとした。
【0107】このメインエマルション1696.7部お
よび実施例7で得た顔料分散ペースト420.2部を、
イオン交換水1876.6部およびジブチル錫オキサイ
ド6.5部と混合して、固形分20.0重量%のカチオ
ン性電着塗料を調製した。電着塗料中の顔料含有量と全
樹脂含有量の固形分重量比は1/4.5であった。
【0108】上記で調製した電着塗料組成物を用いて、
塩水浸漬耐食性、コンタミ性、水ヌレムラ性、乾きムラ
性および保存安定性を評価した。結果を表3に示す。
【0109】評価手順 (A)塩水浸漬耐食性試験 得られた電着塗料を、リン酸亜鉛処理した冷延鋼板(寸
法:70×150mm)に乾燥膜厚20μmとなるよう
に電着した後、170℃で10分間焼き付けて、硬化塗
膜を形成した。塗膜表面から下地に貫通するように、硬
化塗膜をカットした。その後、塗装鋼板を5%食塩水に
55℃で240時間浸漬した。
【0110】塩水浴から塗装鋼板を引き上げ、塗膜を乾
燥させた後、カット部分にテープを貼り、垂直に剥離し
た。カット部両側の剥離幅により、塗膜の耐塩水性を評
価した。
【0111】評価基準: ○:<3mm △:3〜6mm ×:>6mm
【0112】(B)コンタミ性 上記(A)と同様のリン酸亜鉛処理した冷延鋼板に、前
処理化成液の希釈液をスポット的に滴下して乾燥させ
た。その後、上記電着塗料組成物を、乾燥膜厚20μm
となるように電着した後、160℃で10分間焼き付け
て、電着塗膜を形成した。形成した塗膜の状態を目視観
察し、5(=良好)から1(=不良)までの5段階で評
価した。
【0113】(C)水ヌレムラ性 上記(A)と同様のリン酸亜鉛処理した冷延鋼板を予
め、20℃の水に1分以上つけておいた。取り出して電
着塗料につけ、5秒後に通常の方法で電着した後、16
0℃で10分間焼き付けて、電着塗膜を形成した。形成
した塗膜の状態を目視観察し、5(=良好)から1(=
不良)までの5段階で評価した。
【0114】(D)乾きムラ性 上記(A)と同様のリン酸亜鉛処理した冷延鋼板に、上
記カチオン塗料組成物を、乾燥膜厚20μmとなるよう
に電着した後、液面から取り出して、5分間自然放置し
た。その後水洗洗浄し、160℃で10分間焼きつけ
て、電着塗膜を形成した。形成した塗膜の状態を目視観
察し、5(=良好)から1(=不良)までの5段階で評
価した。
【0115】(E)保存安定性 電着塗料2リットルを撹拌下40℃で2週間貯蔵した。
その後380メッシュ網で濾過し、残査量(mg)を測
定した。表中、「×」はメッシュ網濾過不能であること
を示す。
【0116】実施例9〜15及び比較例4〜6 表3に示すカチオン電着塗料用アクリル樹脂を用いるこ
と以外は実施例8と同様にメインエマルションおよび顔
料分散ペーストを調製し、さらにそれらとイオン交換水
およびジブチル錫オキサイド6.5部を混合して、固形
分20.0重量%の電着塗料組成物を調製した。
【0117】得られた各電着塗料を用いてリン酸亜鉛処
理した冷延鋼板を塗装し、実施例8と同様にして塗膜を
評価した。結果を表3に示す。
【0118】
【表3】
【0119】実施例16 実施例8で得られた電着塗料組成物を用いて、耐光性の
評価を行った。
【0120】評価手順 得られた電着塗料を、リン酸亜鉛処理した冷延鋼鈑に乾
燥膜厚20μになるように電着した後、160℃で10
分間焼きつけて硬化塗膜を形成した。この塗板をサンシ
ャインウェザオメータへ取り付け、100時間照射後6
0゜グロスを測定し、初期グロスの保持率を求めた。結
果を表4に示す。
【0121】比較例7 実施例1で得たカチオン電着塗料用アクリル樹脂(A)
の代わりに製造例5で得られた4級アンモニウム塩部分
を有する顔料分散用樹脂IIIを用いること以外は実施例
7と同様にして、顔料分散ペーストを得た。この顔料分
散ペーストを、実施例8と同様にメインエマルション、
イオン交換水及びジブチル錫オキサイドと混合して、固
形分20重量%の電着塗料組成物を調製した。得られた
電着塗料組成物を用いること以外は実施例16と同様に
して塗膜評価を行った。結果を表4に示す。
【0122】
【表4】
【0123】実施例17 比較例7で得られた電着塗料組成物に実施例1で得たア
クリル樹脂を塗料固形分に対して3重量%添加した。得
られた塗料組成物の耐突沸油ハジキ性および端面防食性
の評価を行った。
【0124】比較例8 比較例7で得られた電着塗料組成物を実施例17と同様
にして耐突沸油ハジキ性及び端面防食性について評価し
た。これらの結果を表5に示す。
【0125】評価手順 (F)耐突沸油ハジキ性 電着塗装した未硬化塗膜上にアルミニウム製の小容器を
配置し、その容器内に水と潤滑油とを入れて塗膜を焼き
つけた。この際、加熱によりはじいた潤滑油によるハジ
キ跡を目視で調べ、以下の基準で評価した。
【0126】評価基準: ○:ハジキ跡がほとんど観察されない。 ×:塗膜全体にハジキ跡が観察される。
【0127】(G)端面防食性 リン酸亜鉛処理したカッターナイフ刃に乾燥塗膜が20
μになるように電着した後、170℃で10分間焼きつ
けて、硬化塗膜を形成した。その後、カッターナイフ刃
に対しJIS Z−2371基づく塩水噴霧テストを1
68時間実施し、刃先に生じた錆の個数を数え、以下の
基準で評価した。
【0128】
【0129】
【表5】
【0130】
【発明の効果】カチオン電着塗料に含有させても、形成
される塗料が分散安定性に優れ、形成される塗膜が耐光
性、ED作業性(コンタミ性、水ヌレ性、乾きムラ
性)、及び外観に優れるカチオン電着塗料用アクリル樹
脂が提供された。このカチオン電着塗料用アクリル樹脂
は顔料に対する優れた吸着性を示すため、顔料分散樹脂
として有用である。さらに、このカチオン電着塗料用ア
クリル樹脂をカチオン電着塗料に少量含有させると、カ
チオン電着塗料は優れたハジキ防止性、及び端面防食能
を示すため、ハジキ防止剤及び端面防食能付与剤として
も有用である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08G 18/80 C08G 18/80 C09D 133/14 C09D 133/14 163/00 163/00 (72)発明者 西村 英一 大阪府寝屋川市池田中町19番17号 日本ペ イント株式会社内 (72)発明者 仲野 伸司 大阪府寝屋川市池田中町19番17号 日本ペ イント株式会社内 (72)発明者 山田 光夫 大阪府寝屋川市池田中町19番17号 日本ペ イント株式会社内 Fターム(参考) 4J034 DG03 DK06 DK08 DP03 DP18 HA07 HA11 HC03 HC11 HC12 HC13 HC17 HC22 HC45 HC46 HC52 HC61 HC64 HC67 HC70 HC71 HC73 HD05 HD07 HD12 JA02 JA14 JA30 KA01 KB01 KC17 RA07 4J038 CG141 CH041 CH121 CH171 GA03 GA07 GA08 GA11 GA12 GA13 GA14 HA026 HA216 HA246 HA376 HA456 HA526 HA536 KA08 NA02 NA03 NA25 PA04 PB07 PC02 4J100 AL03P AL04P AL08Q AL08R AL09Q AL10R BA31R BA32H BA38H BA38Q BC03H BC03Q BC04H BC04Q BC43H BC43Q BC44H BC44Q BC45H BC45Q BC49H BC49Q CA05 DA01 DA30 HA31 HA61 HB25 HB44 HB58 HC27 HC39 HC45 HC51 JA01

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素数6〜12のアルキル基を有するエ
    チレン性不飽和モノマー、及び水酸基を有するエチレン
    性不飽和モノマーを含むモノマー混合物をラジカル共重
    合させて得られる数平均分子量3000〜2万のアクリ
    ルポリマーでなるカチオン電着塗料用アクリル樹脂にお
    いて、 該カチオン電着塗料用アクリル樹脂が水酸基価として5
    0〜200mgKOH/gの水酸基、該アクリル樹脂1
    00g当り40〜80meqの4級アンモニウム塩部
    分、及び該アクリル樹脂1分子当り1個以上の、イソシ
    アネート基を炭素数6〜20の脂肪族アルキルモノアル
    コールもしくは炭素数6〜20のポリエーテルモノオー
    ルでブロックした構造を有するブロック化イソシアネー
    ト基(以下「鎖状BI基」という。)を有するカチオン
    電着塗料用アクリル樹脂。
  2. 【請求項2】 前記ポリエーテルモノオールが、炭素数
    4〜12のアルキルアルコールにアルキレンオキシドを
    付加したものである請求項1記載のカチオン電着塗料用
    アクリル樹脂。
  3. 【請求項3】 炭素数6〜12のアルキル基を有するエ
    チレン性不飽和モノマー、水酸基を有するエチレン性不
    飽和モノマー、およびグリシジル基を有するエチレン性
    不飽和モノマーを含むモノマー混合物をラジカル共重合
    させて、水酸基価50〜200mgKOH/g、エポキ
    シ当量0.45〜2.0meq、および数平均分子量3
    000〜2万のアクリルポリマーを得る工程;及び該ア
    クリルポリマー中のグリシジル基と3級アミンの中和酸
    塩とを反応させる工程;を包含する、請求項1記載のカ
    チオン電着塗料用アクリル樹脂の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記3級アミンが、ジイソシアネート中
    の2個のイソシアネート基をジメチルエタノールアミン
    と、炭素数6〜20の脂肪族アルキルモノアルコールも
    しくは炭素数6〜20のポリエーテルモノオールとで、
    それぞれブロックした構造の、鎖状BI基を有する3級
    アミンである請求項3記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記アクリルポリマー中の水酸基と、ジ
    イソシアネート中の1個のイソシアネート基を炭素数6
    〜20の脂肪族アルキルモノアルコール又は炭素数6〜
    20のポリエーテルモノオールでブロックした構造の、
    鎖状BI基を有するハーフブロック化ジイソシアネート
    とを、反応させる工程を更に包含する、請求項3記載の
    方法。
  6. 【請求項6】 前記モノマー混合物をラジカル共重合さ
    せる工程の前に、前記水酸基を有するエチレン性不飽和
    モノマーの少なくとも一部と、ジイソシアネート中の1
    個のイソシアネート基を炭素数6〜20の脂肪族アルキ
    ルモノアルコール又は炭素数6〜20のポリエーテルモ
    ノオールでブロックした構造の、鎖状BI基を有するハ
    ーフブロック化ジイソシアネートとを、反応させて鎖状
    BI基含有モノマーを得る工程を更に包含し、該工程で
    得られた鎖状BI基含有モノマーをモノマー混合物に含
    めてラジカル共重合を行う請求項3記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記ポリエーテルモノオールが、炭素数
    4〜12のアルキルアルコールにアルキレンオキシドを
    付加したものである請求項4〜6のいずれか記載の方
    法。
  8. 【請求項8】 炭素数6〜12のアルキル基を有するエ
    チレン性不飽和モノマー、水酸基を有するエチレン性不
    飽和モノマー、およびN,N−ジアルキルアミノ基を有
    するエチレン性不飽和モノマーを含むモノマー混合物を
    ラジカル共重合させて、水酸基価50〜200mgKO
    H/g、N,N−ジアルキルアミノ基当量45〜100
    meq、および数平均分子量3000〜2万のアクリル
    ポリマーを得る工程;及び該アクリルポリマー中のN,
    N−ジアルキルアミノ基の中和酸塩とモノエポキシドと
    を反応させる工程;を包含する、請求項1記載のカチオ
    ン電着塗料用アクリル樹脂の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記モノエポキシドが、ジイソシアネー
    ト中の2個のイソシアネート基をグリシドールと、炭素
    数6〜20の脂肪族アルキルモノアルコールもしくは炭
    素数6〜20のポリエーテルモノオールとで、それぞれ
    ブロックした構造の、鎖状BI基を有するモノエポキシ
    ドである請求項8記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記アクリルポリマー中の水酸基と、
    ジイソシアネート中の1個のイソシアネート基を炭素数
    6〜20の脂肪族アルキルモノアルコール又は炭素数6
    〜20のポリエーテルモノオールでブロックした構造
    の、鎖状BI基を有するハーフブロック化ジイソシアネ
    ートとを、反応させる工程を更に包含する、請求項8記
    載の方法。
  11. 【請求項11】 前記モノマー混合物をラジカル共重合
    させる工程の前に、前記水酸基を有するエチレン性不飽
    和モノマーの少なくとも一部と、ジイソシアネート中の
    1個のイソシアネート基を炭素数6〜20の脂肪族アル
    キルモノアルコール又は炭素数6〜20のポリエーテル
    モノオールでブロックした構造の、鎖状BI基を有する
    ハーフブロック化ジイソシアネートとを、反応させて鎖
    状BI基含有モノマーを得る工程を更に包含し、該工程
    で得られた鎖状BI基含有モノマーをモノマー混合物に
    含めてラジカル共重合を行う請求項8記載の方法。
  12. 【請求項12】 前記ポリエーテルモノオールが、炭素
    数4〜12のアルキルアルコールにアルキレンオキシド
    を付加したものである請求項9〜11のいずれか記載の
    方法。
  13. 【請求項13】 炭素数6〜12のアルキル基を有する
    エチレン性不飽和モノマー、及び水酸基を有するエチレ
    ン性不飽和モノマーを含むモノマー混合物をラジカル共
    重合させて得られる数平均分子量3000〜2万のアク
    リルポリマーでなる顔料分散アクリル樹脂において、 該顔料分散アクリル樹脂が水酸基価として50〜200
    mgKOH/gの水酸基、該アクリル樹脂100g当り
    40〜80meqの4級アンモニウム塩部分、及び該ア
    クリル樹脂1分子当り1個以上の、イソシアネート基を
    炭素数6〜20の脂肪族アルキルモノアルコールもしく
    は炭素数6〜20のポリエーテルモノオールでブロック
    した構造を有するブロック化イソシアネート基、すなわ
    ち鎖状BI基を有する顔料分散アクリル樹脂。
  14. 【請求項14】 (i)請求項10記載の顔料分散アク
    リル樹脂70〜30重量%;及び(ii)1級アミノ基
    含有ウレタン変性エポキシ樹脂30〜70重量%;で構
    成される樹脂組成物(成分(i)と成分(ii)との合
    計は100重量%である。)を含有するカチオン電着塗
    料用顔料分散剤。
  15. 【請求項15】 (i)請求項10記載の顔料分散アク
    リル樹脂70〜30重量%;及び(ii)3級スルホニ
    ウム塩基含有ウレタン変性エポキシ樹脂30〜70重量
    %;で構成される樹脂組成物(成分(i)と成分(i
    i)との合計は100重量%である。)を含有するカチ
    オン電着塗料用顔料分散剤。
  16. 【請求項16】 炭素数6〜12のアルキル基を有する
    エチレン性不飽和モノマー、及び水酸基を有するエチレ
    ン性不飽和モノマーを含むモノマー混合物をラジカル共
    重合させて得られる数平均分子量3000〜2万のアク
    リルポリマーでなるカチオン電着塗料用ハジキ防止剤に
    おいて、 該カチオン電着塗料用ハジキ防止剤が水酸基価として5
    0〜200mgKOH/gの水酸基、該アクリル樹脂1
    00g当り40〜80meqの4級アンモニウム塩部
    分、及び該アクリル樹脂1分子当り1個以上の、イソシ
    アネート基を炭素数6〜20の脂肪族アルキルモノアル
    コールもしくは炭素数6〜20のポリエーテルモノオー
    ルでブロックした構造を有するブロック化イソシアネー
    ト基、すなわち鎖状BI基を有するカチオン電着塗料用
    ハジキ防止剤。
  17. 【請求項17】 炭素数6〜12のアルキル基を有する
    エチレン性不飽和モノマー、及び水酸基を有するエチレ
    ン性不飽和モノマーを含むモノマー混合物をラジカル共
    重合させて得られる数平均分子量3000〜2万のアク
    リルポリマーでなるカチオン電着塗料用端面防食能付与
    剤において、 該カチオン電着塗料用端面防食能付与剤が水酸基価とし
    て50〜200mgKOH/gの水酸基、該アクリル樹
    脂100g当り40〜80meqの4級アンモニウム塩
    部分、及び該アクリル樹脂1分子当り1個以上の、イソ
    シアネート基を炭素数6〜20の脂肪族アルキルモノア
    ルコールもしくは炭素数6〜20のポリエーテルモノオ
    ールでブロックした構造を有するブロック化イソシアネ
    ート基、すなわち鎖状BI基を有するカチオン電着塗料
    用端面防食能付与剤。
  18. 【請求項18】 請求項16記載のカチオン電着塗料用
    ハジキ防止剤をカチオン電着塗料に固形分基準で0.1
    〜10.0重量%の量で含有させてカチオン電着塗料の
    ハジキを防止する方法。
  19. 【請求項19】 請求項17記載のカチオン電着塗料用
    端面防食能付与剤をカチオン電着塗料に固形分基準で
    0.1〜10.0重量%の量で含有させてカチオン電着
    塗料に端面防食能を付与する方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100380190B1 (ko) * 2000-12-30 2003-04-11 주식회사 디피아이 아크릴계 양이온 전착도료 조성물
CN102627720A (zh) * 2012-02-17 2012-08-08 汤汉良 一种常温快干水性羟基丙烯酸树脂及其制备方法与用途
JP2013185004A (ja) * 2012-03-06 2013-09-19 Shinto Paint Co Ltd カチオン型電着塗料組成物
CN114230748A (zh) * 2021-12-25 2022-03-25 天津市新丽华色材有限责任公司 一种阴极电泳涂料丙烯酸流平剂及其制备方法

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