JP2000136247A - 高分子化合物の製造方法 - Google Patents
高分子化合物の製造方法Info
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Abstract
を著しく向上させることができる製造方法を提供するこ
とにある。 【解決手段】 反応器(1)内に不活性ガスを導入しなが
ら高分子化合物を製造する方法において、該反応器(1)
の円周方向に速度成分を有するように不活性ガス流を導
入することを特徴とする高分子化合物の製造方法であ
る。
Description
リアミド、ポリカーボネートなどの、反応によって揮発
性物質を副生する高分子化合物の製造方法に関する。
ボネートなどの高分子化合物、中でもポリエチレンテレ
フタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレ
ンナフタレートで代表されるポリエステルはそのすぐれ
た物理的、化学的性質を有するため、種々の用途に広く
用いられている。特に、ポリエステルは、強度や弾性率
等の機械特性、耐熱性等に優れているため、衣料用やタ
イヤコード等の産業用の繊維として、あるいはフィルム
やエンジニアリングプラスチックとして広く用いられて
いる。
るポリエステルの製造方法としては、直接重合法又はエ
ステル交換法が用いられる。ここで、前者の直接重合法
は、酸成分とジオール成分とを直接エステル化反応させ
ることによりポリエステル先駆体を形成し、次いで該ポ
リエステル先駆体を減圧下で重縮合させてポリエステル
を製造する方法である。また、後者のエステル交換法
は、酸成分の低級アルキルエステルとジオールとをエス
テル交換反応させてポリエステル先駆体を形成し、次い
で該ポリエステル先駆体を減圧下で重縮合させる方法で
ある。
は、従来はバッチ重合方式によるものが多かったが、近
年においては、そのスケールメリットを活かして安価に
ポリエステルを製造するために、連続重合方式への切り
替えが進められてきている。何故ならば、連続重合方式
を採用することによる歩留まりの向上、より優れた品
質、重合度の均一化、操業性の向上等そのメリットが極
めて大きいからである。
製造する方法において、その多くは、エステル交換反応
器又はエステル化反応器と、重縮合反応器とを複数組み
合わせれたプロセスにより行われている。一例を挙げれ
ば、原料をエステル交換反応器又はエステル化反応器に
供給して単量体を生成し、得られた単量体を初期重縮合
反応器へと供給して減圧下で反応させて低重合体を生成
し、さらに重縮合反応器へ供給して減圧下で中間重合体
及び高重合体を生成させる方式が行われている。
より、より速い反応速度を得るための方法が数多く提案
され、実用化されてきた。例えば、このような従来の方
法の一つとして、ポリエステルの重縮合反応においてグ
リコール類のような副生物を速やかに分離・除去する目
的で反応物を薄層にして反応を行わせる薄膜反応器を用
いたり、あるいは激しい撹拌を行なって反応物の蒸発面
積を大きくすることで前記の副生物の蒸発を容易にでき
る反応器を用いることが行われている。なお、このよう
な反応器としては、従来より濡れ壁式やスクリュー方式
の縦型反応器、あるいは一軸又は二軸方式の横型反応器
が一般に使用されている。
ることができるように撹拌に配慮した反応器も多く市販
されているが、これらの反応器では、強烈な撹拌を行な
うことが要求されるために、設備費が高価となり、多く
のエネルギーを消費するという問題を有している。しか
も、強烈な撹拌を行なうことに伴なう副作用として、得
ようとする反応物に重合度斑等が生じ易く、得られる反
応物の品質が悪くなるという問題を有している。さら
に、反応器の気相部に長時間滞在したポリマー等の更新
が十分に行われないことによりポリマーが熱劣化し、熱
劣化したポリマーが異物として混入することで反応物の
品質をも悪化させるという問題を有している。
としては、例えば、特公昭43−9760号公報に提案
されているような、反応器内に不活性ガスを導入しつつ
重合反応を起こさせる方法がある。この従来の重合方法
では、一方では攪拌翼を備えた反応罐中で反応液の撹拌
を行い、他方では反応器内に不活性ガスを供給しつつ重
合または重縮合反応させるのであるが、この際に、前記
の攪拌翼を反応器の壁面に近接させることで、気相部を
絶えず更新しようとする試みである。
は、攪拌機を設けた槽型反応器の底部中央に配置した攪
拌機の下部へ不活性ガスを吹き込むポリエステルの製造
方法が提案されている。
ビス−(β−ヒドロキシアルキル)テレフレートおよび
/またはその低縮合体もしくはその初期縮合物からなる
反応物を、反応器内の気相中に設けられたワイヤーに沿
って反応物を押し出し、該押出物をワイヤーを利用して
反応物を集束しながら、更に加熱された不活性ガス中で
気液の接触面積を上げることにより、反応物を連続的に
重縮合する方法が提案されている。
は、反応器の反応内液を循環させるための循環配管を付
設し、該循環配管中に不活性ガスを導入しつつ、内液の
一部を連続的に抜き出して循環ポンプを介して該内液の
一部を循環させる方法が提案されている。この従来の方
法は、内液の循環に加えて、更に前記の循環配管中へ不
活性ガスを連続的に導入することにより、反応器の内液
に対して気液の接触面積を増加させることで、物質移動
係数を促進して重合反応効率を上げる試みが提案されて
いる。
は、大気圧以上の圧力下でニ官能カルボン酸のジヒドロ
キシエステル又はこの低分子量オリゴマーを0.2〜5
フィート/秒の速度で流れる不活性ガスに接触させる方
法が提案されている。
おいても、不活性ガスを反応液内あるいは循環配管に導
入することは、単に反応液の分散性を向上させるための
補助手段に過ぎない。このために、気液の接触面積を増
大させるための、反応液の表面更新を促進するための実
質的な手段として、攪拌機を設けることが必須となる。
したがって、このように撹拌機を設けることが必須とな
る方法では、撹拌機を設けるための設備設置費用や撹拌
機を駆動するための運転費用等においてコストがかか
り、経済上問題である。
み、本発明が解決しようとする課題は、「反応液の表面
更新を促進するための実質的な手段として、攪拌機を設
けることなく、反応物の反応効率と製品の品質を著しく
向上させることができ、さらにはコスト的にも安価な高
分子化合物の製造方法を提供する。」ことにある。
決する本発明の方法として、(請求項1) 反応器内に
不活性ガスを導入しながら高分子化合物を製造する方法
において、該反応器の円周方向に速度成分を有するよう
に不活性ガス流を導入することを特徴とする高分子化合
物の製造方法、(請求項2) 請求項1記載の高分子化
合物の製造方法において、反応器の円周方向に速度成分
を有するように導入した不活性ガス流により反応液を攪
拌することを特徴とする高分子化合物の製造方法、(請
求項3) 請求項1または請求項2記載の高分子化合物
の製造方法において、前記の不活性ガス流により反応器
内の気相部に負圧部を生じさせることを特徴とする高分
子化合物の製造方法、(請求項4) 請求項1〜3の何
れか一項に記載の高分子化合物の製造方法において、前
記の不活性ガスを加熱しながら、反応器内へ再循環させ
ることを特徴とする高分子化合物の製造方法、(請求項
5) 請求項1〜4の何れか一項に記載の高分子化合物
の製造方法において、前記の反応器内の圧力を大気圧ま
たはそれ以上の圧力とすることを特徴とする高分子化合
物の製造方法、(請求項6) 請求項1〜5の何れか一
項に記載の高分子化合物の製造方法において、前記の不
活性ガスを反応器内の反応物中に供給することを特徴と
する高分子化合物の製造方法、(請求項7) 請求項1
〜6の何れか一項に記載の高分子化合物の製造方法にお
いて、前記の反応器内に撹拌促進板を設けて撹拌を促進
することを特徴とする高分子化合物の製造方法、そして
(請求項8) 請求項1〜7の何れか一項に記載の高分
子化合物の製造方法において、前記の反応器内で製造す
る高分子化合物がポリエステル、ポリアミド、そしてポ
リカーボネートの群から選ばれる何れか一つ化合物であ
ることを特徴とする高分子化合物の製造方法が提供され
る。
て高分子化合物としてポリエステルを例に採って説明す
る。
ルは、ジカルボン酸及び/又はそのエステル形成性誘導
体とジオールとの反応によって得られるものである。こ
こで、該ポリエステルを構成する芳香族ジカルボン酸成
分を主成分とするジカルボン酸乃至そのエステル形成性
誘導体としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、
フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナ
フタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン
酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、および/又はそ
れらの低級アルキルエステル(アルキル基の炭素数は通
常1〜4個)等を挙げることができる。更に、脂環族ジ
カルボン酸成分乃至そのエステル形成性誘導体として
は、例えば、シクロヘキサンジカルボン酸等が挙げら
れ、脂肪族ジカルボン酸成分乃至そのエステル形成性誘
導体としては、アジピン酸、セバシン酸、スベリン酸等
が挙げられる。これらジカルボン酸としては、好ましく
は、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、
イソフタル酸および/又はそれらのジメチルエステル体
が挙げられる。なお、これらの芳香族ジカルボン酸成
分、脂環族ジカルボン酸成分、脂肪族ジカルボン酸成分
は、1種のみで用いても、2種以上を併せて用いてもよ
い。
リコール、ネオペンチルグリコール、1,2−プロパン
ジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジ
オール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタジオ
ール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサ
ンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノー
ル、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレン
グリコール、トリエチレングリコール、ポリアルキレン
グリコール、プロピレングリコール等が例示でき、なか
でも好ましくは、エチレングリコール、1,4−ブタン
ジオール、ジエチレングリコールを主たる成分であるこ
とが挙げられる。ここで、「主たる」とは全ジオール成
分に対して50モル%以上を言い、好ましくは80モル
%以上を言う。なお、これらのジオール成分は、1種の
みで用いても、2種以上を併せて用いてもよい。
ポリエステルとして、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレー
ト、ポリブチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレ
ート、これらポリエステルの共重合体等を挙げることが
できる。
ルには、トリメリット酸、ピロメリット酸、グリセロー
ル等の三官能以上の多官能化合物、安息香酸、イソシア
ン酸フェニル等の単官能化合物等の化合物を共重合する
ことができる。
媒の存在下或いは不存在下のどちらで行ってもよく、触
媒を用いる場合には、公知の触媒を使用することができ
る。このような公知の触媒としては、例えば、アンチモ
ン化合物、マンガン化合物、チタン化合物、スズ化合
物、亜鉛化合物、マグネシウム化合物、ゲルマニウム化
合物等が用いられる。なお、このような触媒を供給する
位置や供給方法については、特に限定されるものではな
い。
塑性樹脂、添加剤、無機充填剤、有機充填剤等の一種ま
たは二種以上をそのまま若しくはジオール成分とともに
添加したり、最終重縮合反応器の出側で直接、成形機、
押出機、混合器等で練り込むこともできる。さらに、ぺ
レット化した後、再溶融させてこれらを練り込むことも
勿論できる。
は、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリスチ
レン系樹脂、ポリカーボネート、ポリアセタール等が例
示される。
防止剤、臭素化ポリカーボネート、臭素化エポキシ化合
物等の難燃剤、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン等
の難燃助剤、可塑剤、潤滑剤、離型剤、着色剤、結晶核
剤等が例示される。
ク、マイカ、ガラスフレークス、カーボン繊維、シリ
カ、アルミナ繊維、ミルドガラスファイバー、クレー、
カーボンブラック、カオリン、酸化チタン、酸化鉄、酸
化アンチモン、アルミナ等の金属化合物、カリウム、ナ
トリウム等のアルカリ金属化合物等が例示される。
繊維、液晶性ポリエステル繊維等を例示することができ
る。
を参照しながら更に詳細に説明する。図1と図2とは、
本発明の方法を実施するための縦型円筒反応器の2つの
実施態様をそれぞれ例示した側断面図である。
り、2は反応液入口、3は反応液出口である。なお、こ
こで言う「反応液」とは、高分子化合物の原料、モノマ
ー、オリゴマー、プレポリマー、ポリマー、さらには反
応に活性又は不活性な熱媒体中で溶融又は固体状態で重
合する場合における熱媒体も含んだものを指す。
流入するよう設けられた不活性ガス入口であり、この場
合、不活性ガスが反応器1の円周方向の速度成分を有す
ることが肝要であり、斜め下向きの速度成分を有してい
てもよい。また、5は副生蒸気を伴った不活性ガスの出
口であり反応器の上方に開口し、必要に応じて反応器内
を減圧に保つための吸引口をも兼ねる。このような反応
器1では、不活性ガスからなる旋回気流により、反応器
の中心部は負圧になる。なお、図1には示さないが、必
要に応じて反応器1の内周壁面に撹拌効果を促進する効
果を有する撹拌促進板を設けることもできる。
て、6は縦型円筒反応器であり、7は反応液入口、8は
反応液出口である。9は反応器6の円筒部に接線方向に
流入するよう設けられた不活性ガス入口である。10は
副生蒸気を伴った不活性ガスの出口であり、該出口10
は反応器6の上方に開口し、必要に応じて反応器6内を
減圧に保つための吸引口を兼ねる。更には、図1の実施
態様と同様に必要に応じて、反応器6の内周壁面に撹拌
効果を促進する撹拌促進板11を設けることができる。
このような撹拌促進板11としては、例えば反応器6の
内壁面に固定された複数枚のリブ状部材を挙げることが
でき、これによって反応器内の混合を促進する効果を有
する。なお、このような撹拌促進板11には、複数の開
孔が設けられていても良い。
は特に限定する必要はないが、縦型円筒反応器を用いる
ことが好ましく、必要に応じて反応器の径を変えたり、
上下に棚段を設けたり、また反応器内を複数の反応室に
区分し連通管によって連結することができる。なお、反
応器のサイズや不活性ガスの吹き込み量などの条件につ
いては、運転条件に応じて適宜適切な条件を設定すれば
よい。
る不活性ガス流に対して、反応器の円周方向への速度成
分を持たせることを一大特徴とする。そして、これによ
って、反応器内に不活性ガスによる旋回気流を形成さ
せ、反応による副生蒸気はこの不活性ガス気流と伴に系
外へと排出させる。つまり、十分に発達した旋回気流場
を生成することにより、円筒断面を有する反応器の中央
付近において負圧部が形成され、この負圧部において反
応液からの副生蒸気の脱気が促進されるのである。
する不活性ガス気流によって反応液の円周方向へ流動を
引き起こし(攪拌効果)、これに伴い総括伝熱係数を大
きくとれる点を挙げることができる。この場合、反応器
内部に撹拌促進板等を設けることにより、反応液の攪拌
効果を上げると共に、不活性ガスの流れに擾乱を起こさ
せるようにしても良い。この時使用する撹拌促進板の形
状としては、平板、円板、多孔板、らせん板などが例示
でき、これらの撹拌促進板により撹拌流を乱すことで撹
拌効果を上げることができる。なお、反応器内で旋回流
を形成させる不活性ガス気流は、圧縮気体として連続的
に反応器内へ導入しても良いし、あるいは間欠的に導入
しても良い。さらには、反応容器内への不活性ガスの導
入口(不活性ガスの吹込みノズル)を多数設けることに
よって、反応容器内の反応液の撹拌効果を上げると共
に、気液接触面積を増大させることは好ましい態様であ
る。
器の気相部へ吹き込む形式であるが、反応液の液滞留部
へと吹き込むことでも同様な効果を有する。この場合、
不活性ガスを反応液中に注入することで、気液界面が増
大し反応速度を向上せしめることができる。また、動的
混合器、静的混合器などによって不活性ガスを導入した
状態で反応液を混合することによって、反応器へ供給す
る反応液に予め不活性ガスを分散させた後、該不活性ガ
スを含んだ反応液を反応器内に供給することもできる。
その際、供給する不活性ガスとしては反応に悪影響を及
ぼさず、重合反応槽における反応温度において気体であ
ることが好ましく、N2、Ar、He等を例示でき、な
かでも、容易に得られることや低コストの点から見て、
特に窒素が望ましい。
り反応温度まで加熱した後に反応器内に供給し、該反応
器より排気された不活性ガスから副生蒸気を分離した
後、引き続き反応器内に供給して再循環使用することが
望ましい。ただし、この場合には反応を阻害しないよう
に不活性ガスの水分率を低く調整することが好ましい。
熱手段(図示せず)を有しており、反応器外殻を電熱熱
源により直接行うことも、二重ジャケット構造となし、
該ジャケットの内部に適当な加熱媒体、例えばダウサム
等の熱媒体液あるいは熱媒体蒸気を存在させて加熱する
方法、反応器中に直接加熱手段を設置する方法等を適宜
採用することができる。なお、反応圧力については、減
圧下で行うことができるのは当然のことながら、減圧下
に限定することはなく、不活性ガスの雰囲気下で常圧あ
るいは常圧以上の圧力下でも反応させることができる。
また、本発明の製造方法は、エステル化反応器、エステ
ル交換反応器、重縮合反応器の何れの反応器にも適用で
き、ペレット化する前に、脱気装置へ供給して減圧下で
不活性ガスの脱気を適宜行うことができる。
レンテレフタレートを図1の反応器を用い製造した場合
の実施例を示す。なお、該実施例において、「極限粘
度」はオルソクロロフェノールを溶媒として35℃で測
定した粘度から求めた値であり、「%」は重量%であ
る。
モン0.04%を含む極限粘度0.17のポリエチレンテ
レフタレート中間重合体を0.2kg/hrの割合で図
1の反応器の入口2より供給した。反応物は熱媒を封入
したジャケットからの加熱によって、反応器の出口温度
で285℃まで加熱するように制御した。このとき、常
圧下で反応を行った。不活性ガスとして窒素を用い、予
め図示しない加熱器により285℃まで加熱した窒素を
100Nl/minの流量で反応器へと供給した。反応器の
円周方向に供給された窒素は、旋回流を形成しながら下
降し、円錐部を通過することで回転半径が小さくなるの
で、回転モーメンタム一定の原理より加速される。回転
下降後は反応液の液面で反転上昇気流となり上部出口2
より排気した。供給された中間重合体は、窒素による旋
回気流により窒素と同じ方向で流れを形成しながら攪拌
反応器内における一定の滞留時間を経て、オーバーフロ
ーの出口3より連続的に排出した。得られたポリエチレ
ンテレフタレート重合体の固有粘度は、0.42であ
り、次なる反応器により更に重合度を高めた。連続的に
10日間運転を行ったが、異物などの混入はなく色相も
良好であった。また、製品への気泡混入もほとんどなか
った。
反応圧力を300Torrとした以外は実施例1と同様
な方法で反応を行った。得られたポリエチレンテレフタ
レート重合体の固有粘度は、0.45であり、ペレット
化した後、固相重合反応器により更に重合度を高めた。
連続的に10日間運転を行ったが、異物などの混入はな
く色相も良好であった。
285℃まで加熱した加熱窒素を50Nl/minの流量で
反応器の液滞留部へと連続的に供給した以外は実施例1
と同様な方法で反応を行った。得られたポリエチレンテ
レフタレート重合体の固有粘度は、0.44であり、ペ
レット化した後、固相重合反応器により更に重合度を高
めた。連続的に10日間運転を行ったが、異物などの混
入はなく色相も良好であった。
285℃まで加熱した窒素を反応器の円筒中心より10
0Nl/minの流量で連続的に供給した以外は実施例1と
同様な方法で反応を行った。得られたポリエチレンテレ
フタレート重合体の固有粘度は、0.35と反応速度が
遅く、固有粘度の斑も大きかった。
流を効率よく反応器内に吹き込むことで強烈な撹拌手段
を必要とせず、しかも異物発生を少なくでき、これによ
って、反応速度あるいは反応効率と製品の品質を著しく
向上させることができる。異物の発生が少ない高分子化
合物を効率よく合成できるため、繊維、フィルム、その
他成形素材として極めて有用である。
的に例示した正断面図である。
型円筒反応器を模式的に例示した正断面図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 反応器内に不活性ガスを導入しながら高
分子化合物を製造する方法において、該反応器の円周方
向に速度成分を有するように不活性ガス流を導入するこ
とを特徴とする高分子化合物の製造方法。 - 【請求項2】 請求項1記載の高分子化合物の製造方法
において、反応器の円周方向に速度成分を有するように
導入した不活性ガス流により反応液を攪拌することを特
徴とする高分子化合物の製造方法。 - 【請求項3】 請求項1または請求項2記載の高分子化
合物の製造方法において、前記の不活性ガス流により反
応器内の気相部に負圧部を生じさせることを特徴とする
高分子化合物の製造方法。 - 【請求項4】 請求項1〜3の何れか一項に記載の高分
子化合物の製造方法において、前記の不活性ガスを加熱
しながら、反応器内へ再循環させることを特徴とする高
分子化合物の製造方法。 - 【請求項5】 請求項1〜4の何れか一項に記載の高分
子化合物の製造方法において、前記の反応器内の圧力を
大気圧またはそれ以上の圧力とすることを特徴とする高
分子化合物の製造方法。 - 【請求項6】 請求項1〜5の何れか一項に記載の高分
子化合物の製造方法において、前記の不活性ガスを反応
器内の反応物中に供給することを特徴とする高分子化合
物の製造方法。 - 【請求項7】 請求項1〜6の何れか一項に記載の高分
子化合物の製造方法において、前記の反応器内に撹拌促
進板を設けて撹拌を促進することを特徴とする高分子化
合物の製造方法。 - 【請求項8】 請求項1〜7の何れか一項に記載の高分
子化合物の製造方法において、前記の反応器内で製造す
る高分子化合物がポリエステル、ポリアミド、そしてポ
リカーボネートの群から選ばれる何れか一つ化合物であ
ることを特徴とする高分子化合物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10313113A JP2000136247A (ja) | 1998-11-04 | 1998-11-04 | 高分子化合物の製造方法 |
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JP10313113A JP2000136247A (ja) | 1998-11-04 | 1998-11-04 | 高分子化合物の製造方法 |
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JP2000136247A true JP2000136247A (ja) | 2000-05-16 |
JP2000136247A5 JP2000136247A5 (ja) | 2005-06-30 |
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Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP10313113A Pending JP2000136247A (ja) | 1998-11-04 | 1998-11-04 | 高分子化合物の製造方法 |
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1998
- 1998-11-04 JP JP10313113A patent/JP2000136247A/ja active Pending
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JPS61157525A (ja) | ポリエステルの製造法 |
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