JP2000136101A - ポプリ製造器 - Google Patents
ポプリ製造器Info
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- Drying Of Solid Materials (AREA)
- Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 花卉類の香りを残し,短時間で均一に乾燥し
て,家庭でも簡単にポプリを作製することができるポプ
リ製造器を提供する。 【解決手段】 花卉類6を収容する網体3と,花卉類に
対して遠赤外線を放射する遠赤外線放射体2と,遠赤外
線を反射する透明な蓋体1とを有する。蓋体は,ガラス
基板の表面に熱線遮断用の薄膜を有する熱線遮断ガラス
であって,ガラス基板は低熱膨張性を有すると共に,薄
膜は酸化錫系皮膜であることが好ましい。
て,家庭でも簡単にポプリを作製することができるポプ
リ製造器を提供する。 【解決手段】 花卉類6を収容する網体3と,花卉類に
対して遠赤外線を放射する遠赤外線放射体2と,遠赤外
線を反射する透明な蓋体1とを有する。蓋体は,ガラス
基板の表面に熱線遮断用の薄膜を有する熱線遮断ガラス
であって,ガラス基板は低熱膨張性を有すると共に,薄
膜は酸化錫系皮膜であることが好ましい。
Description
【0001】
【技術分野】本発明は,花卉類の香りを十分に残した状
態で花卉類を短時間に乾燥してポプリを製造することが
できるポプリ製造器に関する。
態で花卉類を短時間に乾燥してポプリを製造することが
できるポプリ製造器に関する。
【0002】
【従来技術】ポプリは,ラベンダーなどのハーブ,バラ
などの花卉類を乾燥させることにより作成される。従
来,花卉類乾燥のための専用装置がほとんどなく,花卉
類を容器に入れ,ガスコンロやオーブントースター等で
加熱するか,または天日や陰干しをすることにより乾燥
を行っていた。
などの花卉類を乾燥させることにより作成される。従
来,花卉類乾燥のための専用装置がほとんどなく,花卉
類を容器に入れ,ガスコンロやオーブントースター等で
加熱するか,または天日や陰干しをすることにより乾燥
を行っていた。
【0003】また,薬草やお茶と同様にポプリ原料を乾
燥する装置として,特開平1−247037号公報に開
示されているように,遠赤外線を用いて外部から観察し
つつ低温の恒温状態で回転しながら乾燥する装置があ
る。
燥する装置として,特開平1−247037号公報に開
示されているように,遠赤外線を用いて外部から観察し
つつ低温の恒温状態で回転しながら乾燥する装置があ
る。
【0004】
【解決しようとする課題】しかしながら,上記従来のポ
プリ製造器においては,以下の問題がある。 (1)ガスコンロやオーブントースター等での加熱乾燥
では,ポプリに加熱ムラが生じたり,焼けてしまうなど
の失敗が発生しやすく,また天日や陰干しでの乾燥は時
間がかかりすぎ,しかもポプリに要求される香りが残ら
ないなどの問題がある。 (2)特開平1−247037号公報のような遠赤外線
を用いて乾燥する装置では,ポプリの製造には望ましい
が,全体を均一に乾燥するための回転機構を設けている
ため,装置が複雑となりコストも高い。
プリ製造器においては,以下の問題がある。 (1)ガスコンロやオーブントースター等での加熱乾燥
では,ポプリに加熱ムラが生じたり,焼けてしまうなど
の失敗が発生しやすく,また天日や陰干しでの乾燥は時
間がかかりすぎ,しかもポプリに要求される香りが残ら
ないなどの問題がある。 (2)特開平1−247037号公報のような遠赤外線
を用いて乾燥する装置では,ポプリの製造には望ましい
が,全体を均一に乾燥するための回転機構を設けている
ため,装置が複雑となりコストも高い。
【0005】本発明はかかる従来の問題点に鑑み,花卉
類の香りを残し,短時間で均一に乾燥して,家庭でも簡
単にポプリを作製することができるポプリ製造器を提供
しようとするものである。
類の香りを残し,短時間で均一に乾燥して,家庭でも簡
単にポプリを作製することができるポプリ製造器を提供
しようとするものである。
【0006】
【課題の解決手段】本発明は,花卉類を収容する網体
と,上記花卉類に対して遠赤外線を放射する遠赤外線放
射体と,上記遠赤外線を反射する透明な蓋体とを有する
ことを特徴とするポプリ製造器である。
と,上記花卉類に対して遠赤外線を放射する遠赤外線放
射体と,上記遠赤外線を反射する透明な蓋体とを有する
ことを特徴とするポプリ製造器である。
【0007】本発明において最も注目すべきことは,遠
赤外線を反射する透明な蓋体を,花卉類を収容した網体
に載置し,遠赤外線を花卉類のまわりから放射させて花
卉類を乾燥させていることである。
赤外線を反射する透明な蓋体を,花卉類を収容した網体
に載置し,遠赤外線を花卉類のまわりから放射させて花
卉類を乾燥させていることである。
【0008】次に,本発明の作用及び効果について説明
する。蓋体は,遠赤外線を反射するため,発熱体を作動
させると同時に上下方向から花卉類に均一に遠赤外線が
放射される。このため,均一に短時間で乾燥し,乾燥ム
ラがないポプリを製造することができる。また,蓋体は
透明であるため,乾燥時に,花卉類を外部から観察する
ことができる。そのため,加熱乾燥しすぎで変色,変形
を起こす前に加熱乾燥を終了することができる。
する。蓋体は,遠赤外線を反射するため,発熱体を作動
させると同時に上下方向から花卉類に均一に遠赤外線が
放射される。このため,均一に短時間で乾燥し,乾燥ム
ラがないポプリを製造することができる。また,蓋体は
透明であるため,乾燥時に,花卉類を外部から観察する
ことができる。そのため,加熱乾燥しすぎで変色,変形
を起こす前に加熱乾燥を終了することができる。
【0009】また,加熱手段は遠赤外線であるため,香
りを十分に残した状態で花卉類を短時間で乾燥させるこ
とができる。また,セラミックス体は,遠赤外領域で強
いエネルギーを放射する。また,遠赤外線は特に水分子
に吸収されやすい。そのため,効率よく花卉類を乾燥す
ることができる。また,遠赤外線放射により花卉類は加
熱乾燥されるため,雑菌や害虫を殺すことができ,後日
のカビや虫が発生することを防止できる。
りを十分に残した状態で花卉類を短時間で乾燥させるこ
とができる。また,セラミックス体は,遠赤外領域で強
いエネルギーを放射する。また,遠赤外線は特に水分子
に吸収されやすい。そのため,効率よく花卉類を乾燥す
ることができる。また,遠赤外線放射により花卉類は加
熱乾燥されるため,雑菌や害虫を殺すことができ,後日
のカビや虫が発生することを防止できる。
【0010】更に,花卉類の収容体は網体であるため,
通気性に優れ,乾燥により生じた水分をそこから外部に
放出するため,花卉類の乾燥が促進される。また,本発
明によれば,大掛かりな装置や複雑な装置を必要とせ
ず,一般家庭において手軽にポプリを作製できる。以上
のように,本発明のポプリ製造器によれば,花卉類の香
りを残し,短時間で均一にポプリを作製することができ
る。
通気性に優れ,乾燥により生じた水分をそこから外部に
放出するため,花卉類の乾燥が促進される。また,本発
明によれば,大掛かりな装置や複雑な装置を必要とせ
ず,一般家庭において手軽にポプリを作製できる。以上
のように,本発明のポプリ製造器によれば,花卉類の香
りを残し,短時間で均一にポプリを作製することができ
る。
【0011】次に,本発明の詳細について説明する。本
発明のポプリ製造器は,遠赤外線を反射する透明な蓋体
を有している。上記蓋体は,ガラス基板の表面に熱線遮
断用の薄膜を有する熱線遮断ガラスであって,上記薄膜
は酸化錫系皮膜であることが好ましい。熱線遮断用の薄
膜は酸化錫系皮膜であるため,熱線遮断効果が高い。
発明のポプリ製造器は,遠赤外線を反射する透明な蓋体
を有している。上記蓋体は,ガラス基板の表面に熱線遮
断用の薄膜を有する熱線遮断ガラスであって,上記薄膜
は酸化錫系皮膜であることが好ましい。熱線遮断用の薄
膜は酸化錫系皮膜であるため,熱線遮断効果が高い。
【0012】さらに好ましくは熱線遮断用の薄膜は,6
50℃以上において形成された酸化錫系皮膜である。6
50℃以上において形成された酸化錫系皮膜は,高温下
での熱線遮断効果が大きいからである。酸化錫系皮膜に
は,熱線遮断効果を発揮するための種々のドーピング剤
が加えられている。酸化錫系皮膜としては,たとえば,
酸化錫,インジウム錫の酸化物などを用いることができ
る。
50℃以上において形成された酸化錫系皮膜である。6
50℃以上において形成された酸化錫系皮膜は,高温下
での熱線遮断効果が大きいからである。酸化錫系皮膜に
は,熱線遮断効果を発揮するための種々のドーピング剤
が加えられている。酸化錫系皮膜としては,たとえば,
酸化錫,インジウム錫の酸化物などを用いることができ
る。
【0013】また,上記薄膜の膜厚は,100〜100
0nmであることが好ましい。100nm未満の場合に
は,上記薄膜が島状になって連続した均一な薄膜構造に
ならないため,十分な熱線遮断効果を発揮し得ない。そ
のため,より好ましくは300nm以上がよい。一方,
1000nmを超える場合には,可視光の透過率が低下
するため,透視することを目的とする熱線遮断ガラスに
は適用困難となるという問題がある。そのため,より好
ましくは700nm以下がよい。
0nmであることが好ましい。100nm未満の場合に
は,上記薄膜が島状になって連続した均一な薄膜構造に
ならないため,十分な熱線遮断効果を発揮し得ない。そ
のため,より好ましくは300nm以上がよい。一方,
1000nmを超える場合には,可視光の透過率が低下
するため,透視することを目的とする熱線遮断ガラスに
は適用困難となるという問題がある。そのため,より好
ましくは700nm以下がよい。
【0014】また,上記薄膜が熱線遮断効果を発揮する
ためには,薄膜に電気伝導性が必要である。電子のプラ
ズマ振動により熱線が反射されるからである。したがっ
て,導電効果を高めるために上記薄膜にドーピング剤を
含有させる。ドーピング剤としてはアンチモンを含有し
ていることが好ましい。これにより,酸化アンチモンを
有する酸化錫系皮膜が形成され,優れた熱線遮断ガラス
を確実に発揮させることができる。なお,アンチモンに
代えて,フッ素,インジウム等をドーピング剤として用
いることもできる。
ためには,薄膜に電気伝導性が必要である。電子のプラ
ズマ振動により熱線が反射されるからである。したがっ
て,導電効果を高めるために上記薄膜にドーピング剤を
含有させる。ドーピング剤としてはアンチモンを含有し
ていることが好ましい。これにより,酸化アンチモンを
有する酸化錫系皮膜が形成され,優れた熱線遮断ガラス
を確実に発揮させることができる。なお,アンチモンに
代えて,フッ素,インジウム等をドーピング剤として用
いることもできる。
【0015】上記蓋体は,ガラス基板の表面に熱線遮断
用の薄膜及び耐熱性防汚膜を設けた耐熱防汚性熱線遮断
ガラスであることが好ましい。熱線遮断効果の劣化を防
止するためである。耐熱性防汚膜は,可視光を透過する
ことが可能な薄膜であり,二酸化珪素,酸化ジルコニウ
ム,酸化チタンのいずれか1種以上からなることが好ま
しい。これらは原子同士の結びつきが強く緻密体となり
機械的強度が高く,耐久性,防汚効果も優れている。こ
れにより,上記耐熱防汚性熱線遮断ガラスの表面に付着
した汚れは,ブラシ,研磨剤等でこすったり,磨いたり
せずに,スポンジなどで軽く擦るだけで取り除くことが
できる。更に,上記耐熱性防汚膜により,その下層の熱
線遮断用の薄膜は保護され,該薄膜の熱線遮断効果が劣
化することを防止することができる。
用の薄膜及び耐熱性防汚膜を設けた耐熱防汚性熱線遮断
ガラスであることが好ましい。熱線遮断効果の劣化を防
止するためである。耐熱性防汚膜は,可視光を透過する
ことが可能な薄膜であり,二酸化珪素,酸化ジルコニウ
ム,酸化チタンのいずれか1種以上からなることが好ま
しい。これらは原子同士の結びつきが強く緻密体となり
機械的強度が高く,耐久性,防汚効果も優れている。こ
れにより,上記耐熱防汚性熱線遮断ガラスの表面に付着
した汚れは,ブラシ,研磨剤等でこすったり,磨いたり
せずに,スポンジなどで軽く擦るだけで取り除くことが
できる。更に,上記耐熱性防汚膜により,その下層の熱
線遮断用の薄膜は保護され,該薄膜の熱線遮断効果が劣
化することを防止することができる。
【0016】次に,上記耐熱性防汚膜の膜厚は50〜5
00nmであることが好ましい。これにより,耐熱性防
汚膜の防汚効果及び耐久性が向上する。一方,上記膜厚
が50nm未満の場合には,充分な防汚効果を得ること
ができないおそれがある。上記膜厚が500nmを超え
る場合には,形成過程における上記耐熱性防汚膜の応力
により該耐熱性防汚膜が基板から剥離するおそれがあ
る。
00nmであることが好ましい。これにより,耐熱性防
汚膜の防汚効果及び耐久性が向上する。一方,上記膜厚
が50nm未満の場合には,充分な防汚効果を得ること
ができないおそれがある。上記膜厚が500nmを超え
る場合には,形成過程における上記耐熱性防汚膜の応力
により該耐熱性防汚膜が基板から剥離するおそれがあ
る。
【0017】遠赤外線放射体は,例えば,セラミックス
体であり,花卉類収容側の反対側に発熱体を設けている
ことが好ましい。セラミックス体は,適度な熱伝導性を
有し,耐熱性に優れているため,良好な熱緩衝体とな
る。発熱体から放射された熱は,セラミックス体におい
て全体に伝達し,緩和される。そのため,熱は遠赤外線
としてセラミックス体の全体から均一に放射され,ポプ
リの乾燥に適した乾燥環境となる。セラミックス体とし
ては,結晶化ガラスを用いることが好ましい。結晶化ガ
ラスは遠赤外線放出量が多いからである。発熱体として
は,たとえば,電熱線,ハロゲンランプ,黒鉛などを用
いることができる。
体であり,花卉類収容側の反対側に発熱体を設けている
ことが好ましい。セラミックス体は,適度な熱伝導性を
有し,耐熱性に優れているため,良好な熱緩衝体とな
る。発熱体から放射された熱は,セラミックス体におい
て全体に伝達し,緩和される。そのため,熱は遠赤外線
としてセラミックス体の全体から均一に放射され,ポプ
リの乾燥に適した乾燥環境となる。セラミックス体とし
ては,結晶化ガラスを用いることが好ましい。結晶化ガ
ラスは遠赤外線放出量が多いからである。発熱体として
は,たとえば,電熱線,ハロゲンランプ,黒鉛などを用
いることができる。
【0018】花卉類と遠赤外線放射体との間は1〜50
mmの間隙があいていることが好ましい。1mm未満の
場合には,花卉類と遠赤外線放射体とが接するおそれが
あり,接した場合には花卉類が焦げてしまうおそれがあ
る。50mmを超える場合には乾燥に時間がかかるおそ
れがあるからである。上記間隙は,たとえば,網体自体
の厚みや,網体に脚部を設けることにより形成できる。
更に好ましくは2〜30mmの間隙であり,かつ,網体
の表面温度が80℃以下になるようにする。この範囲に
おいて遠赤外線の効果が発揮され花卉類の香りを残し短
時間で均一に乾燥させることができる。
mmの間隙があいていることが好ましい。1mm未満の
場合には,花卉類と遠赤外線放射体とが接するおそれが
あり,接した場合には花卉類が焦げてしまうおそれがあ
る。50mmを超える場合には乾燥に時間がかかるおそ
れがあるからである。上記間隙は,たとえば,網体自体
の厚みや,網体に脚部を設けることにより形成できる。
更に好ましくは2〜30mmの間隙であり,かつ,網体
の表面温度が80℃以下になるようにする。この範囲に
おいて遠赤外線の効果が発揮され花卉類の香りを残し短
時間で均一に乾燥させることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】実施形態例1 本発明の実施形態に係るポプリ製造器について,図1〜
図4を用いて説明する。本例のポプリ製造器は,図1,
図2に示すごとく,花卉類6を収容する網体3と,花卉
類6に対して遠赤外線4を放射する遠赤外線放射体2
と,遠赤外線4を反射する透明な蓋体1とを有する。網
体3は,金網からなり,その下部には脚部31が取付け
られており,収容した花卉類6と遠赤外線放射体2との
間に15mmの間隙をあけている。
図4を用いて説明する。本例のポプリ製造器は,図1,
図2に示すごとく,花卉類6を収容する網体3と,花卉
類6に対して遠赤外線4を放射する遠赤外線放射体2
と,遠赤外線4を反射する透明な蓋体1とを有する。網
体3は,金網からなり,その下部には脚部31が取付け
られており,収容した花卉類6と遠赤外線放射体2との
間に15mmの間隙をあけている。
【0020】蓋体1は,図3に示すごとく,ガラス基板
12の表面に熱線遮断用の薄膜11を有する熱線遮断ガ
ラスである。ガラス基板12は,透明結晶化ガラスであ
る。薄膜11は,SnO−15wt%Sbよりなる酸化
錫系皮膜である。薄膜11は,ガラス基板12に,上記
熱線遮断膜形成用の薬液をスプレー法により均一に散布
して,酸化熱分解反応を起こさせて形成する。薄膜11
の厚みは約600nmである。蓋体1には,取っ手14
が設けられている。
12の表面に熱線遮断用の薄膜11を有する熱線遮断ガ
ラスである。ガラス基板12は,透明結晶化ガラスであ
る。薄膜11は,SnO−15wt%Sbよりなる酸化
錫系皮膜である。薄膜11は,ガラス基板12に,上記
熱線遮断膜形成用の薬液をスプレー法により均一に散布
して,酸化熱分解反応を起こさせて形成する。薄膜11
の厚みは約600nmである。蓋体1には,取っ手14
が設けられている。
【0021】遠赤外線放射体2は,図1に示すごとく,
セラミックス体22と,セラミックス体22に対して花
卉類6収容側の反対側に設けた発熱体21とからなる。
セラミックス体22は,結晶化ガラスである。発熱体2
1は,150mm角の黒鉛からなる平面薄膜であり,セ
ラミックス体22に対して印刷し焼付けてある。発熱体
21の両端には,電極212が取付けられており,発熱
体21に電圧を印加するための配線213と接続してい
る。
セラミックス体22と,セラミックス体22に対して花
卉類6収容側の反対側に設けた発熱体21とからなる。
セラミックス体22は,結晶化ガラスである。発熱体2
1は,150mm角の黒鉛からなる平面薄膜であり,セ
ラミックス体22に対して印刷し焼付けてある。発熱体
21の両端には,電極212が取付けられており,発熱
体21に電圧を印加するための配線213と接続してい
る。
【0022】遠赤外線放射体2は,筐体29の上に固定
されている。筐体29には,図4に示すごとく,スイッ
チ291,受電ランプ292,ヒューズ294,電圧調
整器293,電源コード295,コンセントプラグ29
6が設けられており,これらにより発熱体21の作動が
制御される。
されている。筐体29には,図4に示すごとく,スイッ
チ291,受電ランプ292,ヒューズ294,電圧調
整器293,電源コード295,コンセントプラグ29
6が設けられており,これらにより発熱体21の作動が
制御される。
【0023】花卉類6は,淡いピンク色のバラの花弁で
あり,花弁が重ならないようにして網体3に収容する。
網体3の上には,蓋体1を置く。そして,電圧調整器2
93により遠赤外線放射体2の表面温度を150℃に設
定し,スイッチ291をONにする。加熱乾燥中,適宜
花卉類6の乾燥状態を観察し,電圧調整器293及びス
イッチ291により加熱条件を調整する。3分間程度加
熱すると,芳香が高く変色が少ないポプリが得られる。
一方,比較のため,上記と同様の花卉類を風通しのよい
室内で1週間放置して自然乾燥したところ,得られたポ
プリは褐色に変化し,香りもなかった。
あり,花弁が重ならないようにして網体3に収容する。
網体3の上には,蓋体1を置く。そして,電圧調整器2
93により遠赤外線放射体2の表面温度を150℃に設
定し,スイッチ291をONにする。加熱乾燥中,適宜
花卉類6の乾燥状態を観察し,電圧調整器293及びス
イッチ291により加熱条件を調整する。3分間程度加
熱すると,芳香が高く変色が少ないポプリが得られる。
一方,比較のため,上記と同様の花卉類を風通しのよい
室内で1週間放置して自然乾燥したところ,得られたポ
プリは褐色に変化し,香りもなかった。
【0024】次に,本例の作用及び効果について説明す
る。遠赤外線放射体2は,花卉類6収容側にセラミック
ス体22を,その反対側に発熱体21を設けている。セ
ラミックス体22は,適度な熱伝導性を有し,耐熱性に
優れているため,良好な熱緩衝体となる。発熱体21か
ら放射された熱はセラミックス体22において全体に伝
達し,緩和される。そのため,熱は遠赤外線としてセラ
ミックス体の全体から均一に放射され,ポプリの乾燥に
適した乾燥環境となる。また,蓋体1は,遠赤外線を反
射するため,発熱体21を作動させると同時に上下方向
から花卉類に均一に遠赤外線が放射される。このため,
均一に短時間で乾燥し,乾燥ムラがないポプリを製造す
ることができる。
る。遠赤外線放射体2は,花卉類6収容側にセラミック
ス体22を,その反対側に発熱体21を設けている。セ
ラミックス体22は,適度な熱伝導性を有し,耐熱性に
優れているため,良好な熱緩衝体となる。発熱体21か
ら放射された熱はセラミックス体22において全体に伝
達し,緩和される。そのため,熱は遠赤外線としてセラ
ミックス体の全体から均一に放射され,ポプリの乾燥に
適した乾燥環境となる。また,蓋体1は,遠赤外線を反
射するため,発熱体21を作動させると同時に上下方向
から花卉類に均一に遠赤外線が放射される。このため,
均一に短時間で乾燥し,乾燥ムラがないポプリを製造す
ることができる。
【0025】また,蓋体1は透明であるため,乾燥時
に,花卉類6を外部から観察することができる。花卉類
6の乾燥状態に応じて,スイッチ291のON/OFF
をすることにより,乾燥過剰を防止し変色,変形も防止
できる。また,加熱手段は遠赤外線であるため,香りを
十分に残した状態で花卉類を短時間で乾燥させることが
できる。更に,花卉類の収容体は網体3であり,通気性
に優れ,花卉類の乾燥が促進される。
に,花卉類6を外部から観察することができる。花卉類
6の乾燥状態に応じて,スイッチ291のON/OFF
をすることにより,乾燥過剰を防止し変色,変形も防止
できる。また,加熱手段は遠赤外線であるため,香りを
十分に残した状態で花卉類を短時間で乾燥させることが
できる。更に,花卉類の収容体は網体3であり,通気性
に優れ,花卉類の乾燥が促進される。
【0026】実験例1 本例においては,蓋体のポプリ乾燥状態への影響を調べ
た。実験に際しては,バラの花弁を実施形態例1のポプ
リ製造器により乾燥した。バラの花弁と遠赤外線放射体
との距離,網体の表面温度,及び蓋体の種類を変えた。
網体の表面温度は,遠赤外線放射体の表面温度を150
℃に保ち,遠赤外線放射体からの網体の距離を離すこと
により調整した。遠赤外線放射体及び網体の表面温度
は,表面温度計で測定した。蓋体は,花弁より30mm
離した。表1に,花弁の乾燥所要時間を示した。
た。実験に際しては,バラの花弁を実施形態例1のポプ
リ製造器により乾燥した。バラの花弁と遠赤外線放射体
との距離,網体の表面温度,及び蓋体の種類を変えた。
網体の表面温度は,遠赤外線放射体の表面温度を150
℃に保ち,遠赤外線放射体からの網体の距離を離すこと
により調整した。遠赤外線放射体及び網体の表面温度
は,表面温度計で測定した。蓋体は,花弁より30mm
離した。表1に,花弁の乾燥所要時間を示した。
【0027】
【表1】
【0028】表1より明らかなように,網体の表面温度
が90℃では,本発明の酸化錫系被膜を有する蓋を用い
た場合には5分間と早く乾燥するが,花弁がやや焦げて
しまった。このことから,網体の表面温度は80℃以下
に設定することが好ましい。また,網体の表面温度が下
がっても,本発明の酸化錫系被膜を有する蓋体を用いた
場合には,乾燥時間がほとんど長くならないのに対し,
本発明以外の蓋を用いた場合には乾燥時間が長くなっ
た。これは,本発明の蓋体が遠赤外線を反射して外部に
放射しないため,蓋体で反射した遠赤外線が効率的に花
弁に放射されるためである。また,酸化錫系被膜を有す
る蓋体を用いた場合には,花弁の乾燥時間は,網体の表
面温度(49〜78℃)の差(約30℃)に左右されて
いない。これは,花弁の乾燥は,遠赤外線の影響を強く
受けているためである。
が90℃では,本発明の酸化錫系被膜を有する蓋を用い
た場合には5分間と早く乾燥するが,花弁がやや焦げて
しまった。このことから,網体の表面温度は80℃以下
に設定することが好ましい。また,網体の表面温度が下
がっても,本発明の酸化錫系被膜を有する蓋体を用いた
場合には,乾燥時間がほとんど長くならないのに対し,
本発明以外の蓋を用いた場合には乾燥時間が長くなっ
た。これは,本発明の蓋体が遠赤外線を反射して外部に
放射しないため,蓋体で反射した遠赤外線が効率的に花
弁に放射されるためである。また,酸化錫系被膜を有す
る蓋体を用いた場合には,花弁の乾燥時間は,網体の表
面温度(49〜78℃)の差(約30℃)に左右されて
いない。これは,花弁の乾燥は,遠赤外線の影響を強く
受けているためである。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば,花卉類の香りを残し,
短時間で均一に乾燥して,家庭でも簡単にポプリを作製
することができるポプリ製造器を提供することができ
る。
短時間で均一に乾燥して,家庭でも簡単にポプリを作製
することができるポプリ製造器を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例1のポプリ製造器の断面図。
【図2】実施形態例1のポプリ製造器の斜視図。
【図3】実施形態例1における,蓋体の正面図。
【図4】実施形態例1における,電気配線系統を示す説
明図。
明図。
1...蓋体, 11...薄膜, 12...ガラス基板, 13...通気孔, 14...取っ手, 2...遠赤外線放射体, 21...発熱体, 22...セラミックス体, 212...電極, 213...配線, 291...スイッチ, 293...電圧調整器, 3...網体, 6...花卉類,
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉田 勝志 名古屋市緑区鳴海町字伝治山3番地 鳴海 製陶株式会社内 Fターム(参考) 3L113 AA01 AB06 AC10 AC45 AC46 AC57 AC69 AC74 AC75 AC78 BA01 CA08 CA20 CB06 CB28 CB35 DA07 DA10 DA20 DA24 4H011 AF01 BB22 CA04 CB13 CD05 CD11 DC08 DE04 DE13
Claims (3)
- 【請求項1】 花卉類を収容する網体と,上記花卉類に
対して遠赤外線を放射する遠赤外線放射体と,上記遠赤
外線を反射する透明な蓋体とを有することを特徴とする
ポプリ製造器。 - 【請求項2】 請求項1において,上記蓋体は,ガラス
基板の表面に熱線遮断用の薄膜を有する熱線遮断ガラス
であって,上記薄膜は酸化錫系皮膜であることを特徴と
するポプリ製造器。 - 【請求項3】 請求項1又は2において,上記蓋体は,
ガラス基板の表面に熱線遮断用の薄膜及び耐熱性防汚膜
を設けた耐熱防汚性熱線遮断ガラスであることを特徴と
するポプリ製造器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10307264A JP2000136101A (ja) | 1998-10-28 | 1998-10-28 | ポプリ製造器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10307264A JP2000136101A (ja) | 1998-10-28 | 1998-10-28 | ポプリ製造器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000136101A true JP2000136101A (ja) | 2000-05-16 |
Family
ID=17967027
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10307264A Pending JP2000136101A (ja) | 1998-10-28 | 1998-10-28 | ポプリ製造器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000136101A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110873339A (zh) * | 2018-08-31 | 2020-03-10 | 关隆股份有限公司 | 燃烧装置及红外线反射板 |
CN110873330A (zh) * | 2018-08-31 | 2020-03-10 | 关隆股份有限公司 | 燃烧装置 |
US11015803B2 (en) | 2018-11-05 | 2021-05-25 | Grand Mate Co., Ltd. | Combustion device |
-
1998
- 1998-10-28 JP JP10307264A patent/JP2000136101A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110873339A (zh) * | 2018-08-31 | 2020-03-10 | 关隆股份有限公司 | 燃烧装置及红外线反射板 |
CN110873330A (zh) * | 2018-08-31 | 2020-03-10 | 关隆股份有限公司 | 燃烧装置 |
CN110873339B (zh) * | 2018-08-31 | 2021-07-16 | 关隆股份有限公司 | 燃烧装置及红外线反射板 |
CN110873330B (zh) * | 2018-08-31 | 2021-08-20 | 关隆股份有限公司 | 燃烧装置 |
US11015803B2 (en) | 2018-11-05 | 2021-05-25 | Grand Mate Co., Ltd. | Combustion device |
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